JP5493798B2 - 溶剤型グラビアインキ - Google Patents

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Description

本発明は、溶剤型グラビアインキ、更に詳しくは各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、耐ボイル適性などの塗膜物性と耐版かぶり性に優れた溶剤型グラビアインキに関する。
グラビアインキは、被印刷体に美粧性、機能性を付与させる目的で広く用いられている。グラビア印刷された被印刷体が包装材料とりわけ食品包材として用いられる場合、ラミネート加工が施されるのが一般的である。この場合、内容物の種類や使用目的に応じて様々な被印刷体やラミネート加工が利用される。この様なラミネート包材に用いられる印刷インキには、各種プラスチックフィルムに対する接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、ボイル・レトルト適性などの塗膜物性が優れ、さらにポリイソシアネート化合物を加えることにより、これらの塗膜物性をさらに向上させることが可能な、一級アミンや水酸基を持つポリウレタン樹脂をバインダーとしたグラビアインキが広く用いられている。しかしながら、このようなポリウレタン樹脂は、顔料分散性が不十分であり、特に着色剤に酸化チタンを用いた場合、顔料凝集物がシリンダーやドクターの磨耗を促進させ、版かぶりやドクター筋といった印刷加工時の問題を引き起こすことがあった。
前記の塗膜物性に加え顔料分散性も付与したポリウレタン樹脂として、特開平5−222332号公報には遊離のカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂が例示されている。しかしながら、該ポリウレタン樹脂はボイル・レトルト適性などの塗膜物性が不十分であったり、また、ポリウレタン樹脂分子中に遊離のカルボキシル基とアミノ基の両方を有する場合は、顔料への吸着部位であるカルボキシル基が、ポリウレタン樹脂中のアミノ基と塩構造をとるため顔料分散性が不十分である問題があった。
特開平5-222332号公報 特開平5-302049号公報
本発明は、各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、耐ボイル適性などの塗膜物性と耐版かぶり性に優れた溶剤型グラビアインキを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンと遊離のカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂を混合・分散して得られる顔料分散体に、アミノ基を有するポリウレタン樹脂で希釈して得られる溶剤型グラビアインキが、広範囲な種類のプラスチックフィルムに対して優れた接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、耐ボイル適性などの塗膜物性と耐版かぶり性に優れることを見出した。
すなわち本発明は、高分子ポリオール、ポリイソシアネート化合物および鎖延長剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂、酸化チタン、有機溶剤を含有してなる溶剤型グラビアインキにおいて、分子中に遊離のカルボキシル基を有し、酸価が1.0〜7.0mgKOH/g、アミン価が0〜0.5mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0mgKOH/gであるポリウレタン樹脂Aと酸化チタンと有機溶剤からなる顔料分散体に、アミン価が1.0〜15.0 mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0 mgKOH/g、酸価が0〜0.5 mgKOH/gであるポリウレタン樹脂B、有機溶剤を混合してなり、ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bの固形分総量が、酸化チタンの重量に対し15〜40重量%である溶剤型グラビアインキに関する。
更に、ポリウレタン樹脂Bが、当該樹脂固形分1g当り2.5×10-5〜1.5×10-4molのカルボ
ジイミド基を含有することである。
更に、ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bとの重量比率が、1:2〜1:8である。
更に、ポリウレタン樹脂Aが、ポリウレタン分子の鎖に遊離のカルボキシル基を有することである。
本発明により、各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、耐ボイル適性などの塗膜物性と耐版かぶり性に優れた溶剤型グラビアインキを提供する。
本発明について詳細に説明する。なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「溶剤型グラビアインキ」を示す。
まず、本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aについて詳細に説明する。分子中に遊離のカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂とは、カルボキシル基が例えば末端、鎖などポリウレタン樹脂分子のいずれかの部位に導入されていることを意味する。本発明のポリウレタン樹脂Aの酸価は、1.0〜7.0mgKOH/gの範囲が好ましい。酸価が1.0より小さいと耐版かぶり性が十分でなく、7.0より大きいとボイル適性が低下する。また、遊離のカルボキシル基の導入位置は、ポリウレタン樹脂の末端よりも鎖に導入した方がより耐版かぶり性が向上する。また、アミン価は0〜0.5mgKOH/gの範囲が好ましい。ポリウレタン樹脂A分子中にアミノ基とカルボキシル基が共存すると塩構造をとることにより顔料分散性が低下するためアミン価は小さい方が好ましく、アミン価が0.5mgKOH/gより大きいと耐版かぶり性が低下する。また、水酸基価は0〜3.0mgKOH/gが好ましい。水酸基は顔料分散性への影響は小さいため必須成分ではないが、ポリイソシアネート化合物との反応による塗膜物性の向上効果を得るために付与してもよい。ただし、水酸基価が3.0mgKOH/gを超えると耐ボイル適性の低下が見られる。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aにおいて、カルボキシル基を導入するために使用される化合物としては、遊離のカルボキシル基を有しかつイソシアネート基と反応する活性水素を1個以上有する化合物のほか、環式ジカルボン酸無水物などが挙げられる。遊離のカルボキシル基を有しかつイソシアネート基と反応する活性水素を1個以上有する化合物としては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールぺンタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸、グルタミン酸、アラニン、チロシン、セリン、6−アミノカプロン酸、モノアミノ安息香酸、ジアミノ安息香酸、アミノシロフタル酸などのアミノカルボン酸など各種公知のものを用いることができる。また、環式ジカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸など各種公知のものを用いることができる。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aに使用される高分子ポルオールとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);これらの低分子ポリオール類(2)と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);ポリブタジエングリコール類(6);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8)などが挙げられる。
なお、前記ポリエステルポリオール類(3)のなかで、ジオール類(グリコール類)と二塩基酸とから得られる高分子ジオールは、ジオール類のうち5モル%までを前記水酸基を3つ以上有する低分子ポリオール類(2)に置換することが出来る。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aに使用されるポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aに使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aは、従来公知の方法、例えば、特開昭62−153366号公報、特開昭62−153367号公報、特開平1−236289号公報、特開平2−64173号公報、特開平2−64174号公報、特開平2−64175号公報などに開示されている方法により得ることができる。具体的には、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、ノントルエン系グラビアインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいは高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なポリウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.8〜1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
次に本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Bについて詳細に説明する。本発明のポリウレタン樹脂Bのアミン価は1.0〜15.0mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が1.0mgKOH/より小さいと印刷基材への接着性が劣り、15.0mgKOH/gより大きいと耐ブロッキング性が劣る。また、水酸基価は0〜3.0mgKOH/gが好ましい。水酸基はポリイソシアネート化合物との反応による塗膜物性の向上効果を得るために付与しても良い。ただし、水酸基価が3.0mgKOH/gを超えると耐ボイル適性の低下が見られる。また酸価は0〜0.5mgKOH/gが好ましい。酸性基は必要なく、酸価が0.5mgKOH/gより大きくなるとボイル適性が低下する問題が生じる。
本発明のポリウレタン樹脂Bは、当該樹脂固形分1g当り2.5×10-5〜1.5×10-4molのカルボジイミド基を含有させると更に好ましい。カルボジイミド基は、前記ポリウレタン樹脂Aのカルボキシル基と反応し、ボイル適性を向上させることができる。ただし、カルボジイミド基が2.5×10-5molより少ないとボイル適性の向上は得られず、1.5×10-4molより多いと経時安定性が悪くなる。また、カルボジイミド基は、ポリウレタン樹脂Aに導入すると、遊離のカルボキシル基との反応により、顔料分散性の低下と樹脂溶液の増粘が生じるため、ポリウレタン樹脂Bに導入することが好ましい。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Bに、カルボジイミド基を導入する方法については何ら限定されるものではないが、例えば次のような方法を挙げることが出来る。カルボジイミド基およびイソシアネート基をそれぞれ1個以上有する化合物をポリイソシアネート化合物成分の一部または全部として用いることにより、カルボジイミド基をポリウレタン樹脂に導入することができるが、下記一般式(1)で表されるイソシアネート基を2個有する化合物が好ましい。
一般式(1)
Figure 0005493798
(式中、Rは置換基を有してもよいアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、複素環式を、nは1以上の整数を表し、Rは同一または異なってもよい。)
カルボジイミド基およびイソシアネート基をそれぞれ1個以上有する化合物は、公知の方法、例えばジおよびまたはトリイソシアネート化合物を非反応性の有機溶媒中で適当な触媒、例えば3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレート−1−オキシドの存在下で加熱し、脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネートをカルボジイミド化する方法により得られる。
カルボジイミド基およびイソシアネート基をそれぞれ1個以上有する化合物の原料であるジイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、あるいはこれらの混合物であり、例えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Bに使用される高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤は、前記ポリウレタン樹脂Aと同様のものを用いることができ、製造法についても前記ポリウレタン樹脂Aと同様の方法で製造することができる。
このようにして得られるポリウレタン樹脂Aおよびポリウレタン樹脂Bの重量平均分子量は、20,000〜100,000の範囲内とすることが好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が20,000未満の場合には、得られるインキの組成物の耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向があり、100,000を超える場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなり、印刷皮膜の光沢が低くなる傾向がある。
本発明のインキの着色剤として使用する酸化チタンは、特に限定されるものではないが、顔料表面が塩基性であるものがより好ましく、本発明のインキにおける酸化チタンとポリウレタン樹脂の含有量の比率は、ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bの固形分総量が、酸化チタンの重量に対し15〜40重量%であることが好ましい。ポリウレタン樹脂の固形分総量が、酸化チタンの重量に対し15重量%より少ないと接着性とラミネート強度の低下が見られ、40重量%より多いと耐ブロッキング性の低下が見られる。また、ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bの重量比率は1:2〜1:8が好ましい。この比率よりもポリウレタン樹脂Aが多くなるとボイル適性が低下し、ポリウレタン樹脂Bが多くなると耐版かぶり性が低下する。

本発明のインキは、前記ポリウレタン樹脂Aおよびポリウレタン樹脂Bのほかに、必要に応じて併用樹脂、有機溶剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。また、必要に応じて有機顔料や黄・紅・藍・墨などの色インキと混合することも出来る。
本発明のインキに必要に応じて併用される樹脂の例としては、本発明以外のポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のインキの製造方法としては、顔料分散には、一般な分散機、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができ、得られた顔料分散体に、バインダーや必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1,000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示すものとする。なお、ポリウレタン樹脂の酸価は、樹脂固形分1g中に含有する酸性基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、JIS K0070に従って測定を行った。ポリウレタン樹脂のアミン価は、樹脂固形分1g中に含まれるアミノ基を中和するのに必要とする塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数であり、電位差滴定装置を用いて測定を行った。ポリウレタン樹脂の水酸基価は、樹脂固形分1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であるが、本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、エステル/アルコールの混合溶液に溶解しているために、水酸基価の実測が困難であることから、ポリウレタン樹脂の合成処方上の理論値を用いた。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
本発明のインキに用いられるポリウレタン樹脂Aの製造例を製造例1〜10、ポリウレタン樹脂Bの製造例を製造例11〜18に示す。
〔製造例1〕
温度計および攪拌機を付けた四つ口フラスコに、アジピン酸と3−メチル−1,5ペンタンジオールから得られる数平均分子量2,000のポリエステルジオール(以下PMPA2000という)218.43部、ジメチロールブタン酸1.24部、イソホロンジイソシアネート60.0部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液359.70部を得た。次いでイソホロンジアミン19.5部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.80部、酢酸エチル410部およびイソプロピルアルコール210部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液359.70部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価1.6、アミン価0.1以下、水酸基価1.4のポリウレタン樹脂溶液(A1)を得た。またこのポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は50,000であった。
〔製造例2〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 213.04部、ジメチロールブタン酸2.50部、イソホロンジイソシアネート63.1部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.67部を得た。次いでイソホロンジアミン20.5部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.83部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.67部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.2、アミン価0.1以下、水酸基価1.5のポリウレタン樹脂溶液(A2)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は48,000であった。
〔製造例3〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 204.38部、ジメチロールブタン酸4.60部、イソホロンジイソシアネート68.0部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液357.01部を得た。次いでイソホロンジアミン22.09部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.90部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液357.01部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価5.8、アミン価0.1以下、水酸基価1.6のポリウレタン樹脂溶液(A3)を得た。またこのポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は55,000であった。
〔製造例4〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 212.10部、ジメチロールブタン酸2.50部、N−メチルジエタノールアミン0.19部、イソホロンジイソシアネート63.7部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.52部を得た。次いでイソホロンジアミン20.68部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.80部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.52部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.2、アミン価 0.3、水酸基価1.5のポリウレタン樹脂溶液(A4)を得た。またこのポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は51,000であった。
〔製造例5〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 215.93部、12−ヒドロキシステアリン酸4.83部、イソホロンジイソシアネート59.2部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液359.99部を得た。次いでイソホロンジアミン19.23部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.78部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液355.99部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.0、アミン価0.1以下、水酸基価1.4のポリウレタン樹脂溶液(A5)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は50,000であった。
〔製造例6〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 196.80部、ジメチロールブタン酸6.40部、イソホロンジイソシアネート72.32部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液355.55部を得た。次いでイソホロンジアミン23.49部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.96部、酢酸エチル410部およびイソプロピルアルコール210部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液355.55部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価8.1、アミン価0.1以下、水酸基価1.7のポリウレタン樹脂溶液(A6)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は47,000であった。
〔製造例7〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 222.62部、ジメチロールブタン酸0.24部、イソホロンジイソシアネート57.63部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液360.52部を得た。次いでイソホロンジアミン20.9部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.76部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液362.03部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価0.3、アミン価0.1以下、水酸基価1.4のポリウレタン樹脂溶液(A7)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は53,000であった。
〔製造例8〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 210.92部、ジメチロールブタン酸2.50部、N−メチルジエタノールアミン0.45部、イソホロンジイソシアネート64.4部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.30部を得た。次いでイソホロンジアミン20.9部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.8部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液358.30部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.2、アミン価 0.7、水酸基価1.5のポリウレタン樹脂溶液(A8)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は46,000であった。
〔製造例9〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 209.46部、ジメチロールブタン酸2.40部、イソホロンジイソシアネート61.72部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液353.61部を得た。次いでイソホロンジアミン25.60部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.79部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液353.61部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.0、アミン価 3.1、水酸基価1.4のポリウレタン樹脂溶液(A9)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は51,000であった。
〔製造例10〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 213.67部、ジメチロールブタン酸2.50部、イソホロンジイソシアネート63.4部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル80.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液359.60部を得た。次いでイソホロンジアミン18.0部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール2.40部、酢酸エチル410.0部およびイソプロピルアルコール210.0部を混合したものを、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液359.60部に室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価3.2、アミン価0.1以下、水酸基価4.4のポリウレタン樹脂溶液(A10)を得た。またこのポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は50,000であった。
〔製造例11〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 220.03部、イソホロンジイソシアネート56.00部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.06部を得た。次いでイソホロンジアミン23.2部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.74部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.06部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価 検出限界以下、アミン価 3.5、水酸基価1.3のポリウレタン樹脂溶液(B1)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は48,000であった。
〔製造例12〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 220.03部、イソホロンジイソシアネート56.0部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.06部を得た。次いでイソホロンジアミン23.20部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.74部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.06部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価 検出限界以下、アミン価 2.1、水酸基価1.3のポリウレタン樹脂溶液(B2)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は80,000であった。
〔製造例13〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 219.63部、イソホロンジイソシアネート55.9部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液411.56部を得た。次いでイソホロンジアミン23.7部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.74部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液411.56部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価 検出限界以下、アミン価 14.1、水酸基価1.3のポリウレタン樹脂溶液(B3)を得た。またこの樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量は23,000であった。
〔製造例14〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 216.03部、カルボジライトV05S(日清紡績製)6.30部、イソホロンジイソシアネート54.0部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.36部を得た。次いでイソホロンジアミン22.91部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.73部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.36部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価 検出限界以下、アミン価 3.5、水酸基価1.3、カルボジイミド含有量 7.7×10−5mol/樹脂1gのポリウレタン樹脂溶液(B4)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は49,000であった。
〔製造例15〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 214.42部、ジメチロールブタン酸1.30部、イソホロンジイソシアネート59.0部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液410.75部を得た。次いでイソホロンジアミン24.47部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.78部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液410.75部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価 1.6、アミン価 3.5、水酸基価1.4のポリウレタン樹脂溶液(B5)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は48,000であった。
〔製造例16〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 220.07部、イソホロンジイソシアネート56.05部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.15部を得た。次いでイソホロンジアミン23.11部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.74部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液412.15部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価0.1以下、アミン価 1.1水酸基価1.3のポリウレタン樹脂溶液(B6)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は120,000であった。
〔製造例17〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 219.20部、イソホロンジイソシアネート55.85部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液411.08部を得た。次いでイソホロンジアミン24.18部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.74部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液411.08部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価0.1以下、アミン価 16.0水酸基価1.3のポリウレタン樹脂溶液(B7)を得た。またこの樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量は15,000であった。
〔製造例18〕
製造例1と同様の四つ口フラスコに、PMPA2000 220.80部、イソホロンジイソシアネート56.24部、2−エチルヘキサン酸錫0.03部および酢酸エチル136.0部を窒素気流下にて90℃で6時間反応させ、末端シソシアネートプレポリマーの溶剤溶液413.07部を得た。次いでイソホロンジアミン20.41部、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール2.52部、酢酸エチル360.0部およびイソプロピルアルコール204.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液413.07部を室温で徐々に添加し鎖伸張を行い、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、酸価0.1以下、アミン価 3.5、水酸基価4.5のポリウレタン樹脂溶液(B8)を得た。また、このポリウレタン樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は50,000であった。
製造例1〜18をまとめたものを表1、2に示す。
〔実施例1〜10〕
表3に示す実施例1〜10の組成の混合物をサンドミルにて分散体を作成し、次いでディソルバーを用いて混合し、本発明の溶剤型グラビアインキを製造した。
〔比較例1〜11〕
表4に示す比較例1〜11の組成の混合物をサンドミルにて分散体を作成し、次いでディソルバーを用いて混合し、溶剤型グラビアインキを製造した。
得られた溶剤型グラビアインキ100部に対し、メチルエチルケトン、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアルコールの混合溶剤(重量比40:40:20)50部を加えて混合し、1液仕様の希釈インキを得た。
得られた溶剤型グラビアインキ100部に対し、メチルエチルケトン、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアルコールの混合溶剤(重量比40:40:20)50部と、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤1.5部を加えて混合し、2液仕様の希釈インキを得た。
<耐版かぶり性>
上記の調整後の1液仕様および2液仕様の希釈インキをグラビア印刷機に乗せ、耐版かぶり性を印刷速度200m/分にて60分空転後の版面の様子から目視判定した。なお判定基準は次の通りとした。評価結果は表5に示す。
◎・・・全く版かぶりは見られない。
〇・・・画像のエッジ部に版かぶりが見られる。
△・・・画像のエッジ部と画像の内部に版かぶりが見られる。
×・・・非画像部も含めた版全体に版かぶりが見られる。
◎、〇は実用上問題がない範囲である。
塗膜物性評価については、上記の調整後の1液仕様の希釈インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機によりコロナ処理OPPフィルム(東洋紡績(株)製ハ゜イレンP2161#20)、コロナ処理PETフィルム(東洋紡績(株)製E5100 #12)およびコロナ処理ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製エンブレムON−RT #15)に印刷して40〜50℃で乾燥し、印刷物を得た。得られた印刷物を用いて以下の試験を行った。
<接着性>
上記印刷物を24時間放置後、印刷面にセロテープ(登録商標)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を目視判定した。なお判定基準は次の通りとした。評価結果は表5に示す。
◎・・・全く剥がれなかった。
〇・・・印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。
△・・・印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。
×・・・印刷皮膜の50%以下がフィルムに残った。
◎、〇は実用上問題がない範囲である。
<耐ブロッキング性>
上記印刷物の印刷面と非印刷面が接触するようにフィルムを重ねて、10kgf/cmの加重をかけ、
40℃80%RHの環境下に24時間放置させ、取り出し後、非印刷面へのインキの転移の状態を5段階評価した。評価結果は表5に示す。
◎・・・非印刷面へのインキの転移量0%
〇・・・転移量10%未満
△・・・転移量10%以上30%未満
×・・・転移量30%以上
◎、〇は実用上問題がない範囲である。
<押し出しラミネート強度および耐ボイル性>
上記のPETフィルムおよびナイロンフィルムの印刷物にイソシアネート系のアンカーコート剤を塗工し、押し出しラミネート機によって溶融ポリエチレンを積層し、40℃で48時間エージングを行った後のラミネート強度を測定した。また85℃30分のボイル処理後のラミ浮きの有無を外観により目視判定した。なお判定基準は次の通りとした。評価結果は表5に示す。
◎・・・全くラミ浮きがない。
〇・・・ブリスターが僅かに生じた。
△・・・一部にデラミネーションが生じた。
×・・・全面にデラミネーションが生じた。
◎、〇は実用上問題がない範囲である。
Figure 0005493798
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評価結果から、高分子ポリオール、ポリイソシアネート化合物および鎖延長剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂、酸化チタン、有機溶剤を含有してなる溶剤型グラビアインキにおいて、分子中に遊離のカルボキシル基を有し、酸価が1.0〜7.0mgKOH/g、アミン価が0〜0.5mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0mgKOH/gであるポリウレタン樹脂Aと酸化チタンと有機溶剤からなる顔料分散体に、アミン価が1.0〜15.0mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0 mgKOH/g、酸価が0〜0.5 mgKOH/gであるポリウレタン樹脂B、有機溶剤を混合してなり、ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bの固形分総量が、酸化チタンの重量に対し15〜40重量%であることを特徴とする溶剤型グラビアインキが、各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、耐ボイル適性などの塗膜物性と耐版かぶり性に優れたインキであることが分かった。




Claims (3)

  1. 高分子ポリオール、ポリイソシアネート化合物および鎖延長剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂、酸化チタン、有機溶剤を含有してなる溶剤型グラビアインキにおいて、下記(1)〜(3)を特徴とする溶剤型グラビアインキ。
    (1)溶剤型グラビアインキが、
    分子中に遊離のカルボキシル基を有し、酸価が1.0〜7.0mgKOH/g、アミン価が0〜0.5mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0mgKOH/gであるポリウレタン樹脂Aと酸化チタンと有機溶剤からなる顔料分散体に、
    アミン価が1.0〜15.0mgKOH/g、水酸基価が0〜3.0 mgKOH/g、酸価が0〜0.5 mgKOH/gであるポリウレタン樹脂B、有機溶剤を混合してなる。
    (2)ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bの固形分総量が、酸化チタンの重量に対し15〜40重量%である。
    (3)ポリウレタン樹脂Aとポリウレタン樹脂Bとの重量比率が、1:2〜1:8である。
  2. ポリウレタン樹脂Bが、当該樹脂固形分1g当り2.5×10-5〜1.5×10-4molのカルボジイミド基を含有することを特徴とする請求項1記載の溶剤型グラビアインキ。
  3. ポリウレタン樹脂Aが、ポリウレタン分子の鎖に遊離のカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の溶剤型グラビアインキ。
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