JP2004307785A - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

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Kazuyuki Hamaguchi
一幸 濱口
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Hitachi Kasei Polymer Co Ltd
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Abstract

【課題】耐ボイル性、耐レトルト性、及び接着性に優れた印刷インキを与えるポリエステル系ポリウレタン樹脂を提供する。
【解決手段】ポリエステルジオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタンを主として含有してなる印刷インキ用バインダーにおいて、該ポリエステルジオールの構成成分として2,4−ジエチルグルタル酸を使用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は耐ボイル性、耐レトルト性、及び接着性等に優れる印刷インキ用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年被包装物の多様化、包装技術の高度化に伴い、包装材料として各種のプラスチックフィルムが開発されている。プラスチックフィルムを包装材料に使用するにあたってはプラスチックフィルムの装飾または表面保護のために印刷が施されるが、かかる印刷のためのインキには、これら種々のプラスチックフィルムに対する接着性が良好であるなどの高度な性能が要求されるようになってきている。
【0003】
従来からかかる印刷インキに用いられる印刷インキ用バインダーとして、ポリウレタンが多く用いられている。一般に、ポリウレタンをバインダーとする印刷インキはポリエステルフィルムおよびナイロンフィルムに対しては単独で優れた接着力を有するが、汎用フィルムであるポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに対する接着力は不充分であるため、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに印刷する場合には、接着力を補うためにインキにポリイソシアネート化合物を配合せしめた2液反応型インキが使用されている。しかしながら、2液反応型インキは印刷直前にポリイソシアネート化合物を配合しなければならず、取り扱いが不便であり、しかも、ポットライフ(可使時間)の点でも実用上種々の制限を受けるという不利を有する。
【0004】
そのため種々のプラスチックフィルムに対して接着性が良好であり、かつポリイソシアネート化合物を配合する必要のない1液型インキ用バインダーとして使用しうるポリウレタンについて種々の研究、開発が行われており、接着性の点についてはある程度改善されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、たとえば食品を包装した後にボイル殺菌、レトルト殺菌工程等が施される包装基材として用いられるプラスチックフィルムの印刷に前記1液型インキを用いた場合には、かかる印刷物は耐ボイル性、耐レトルト性(以下、耐ボイル性などという)が依然劣るという問題がある。したがって、耐ボイル性などが要求される分野では1液型インキは使用しがたいため、前記欠点を有するにもかかわらず依然としてポリイソシアネート化合物を配合せしめた2液反応型インキが主流を占めているのが現状である。本発明は前記のごとき課題を解決し、被印刷物としてのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムに対する優れた接着性、耐ボイル性などを有する1液型印刷インキ用バインダーを提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは前記のごとき課題を解決できる1液型印刷インキ用バインダーを提供すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の二塩基酸を構成成分とするポリエステルジオールを用いたポリウレタンを印刷インキ用バインダーとして用いた場合に、かかる課題を解決しうることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ポリエステルジオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタンを主として含有してなる印刷インキ用バインダーにおいて、該ポリエステルジオールの構成成分として、2,4−ジエチルグルタル酸を使用することを特徴とする印刷インキ用バインダーに関する。
【0008】
本発明では、ポリエステルジオールは2,4−ジエチルグルタル酸を含めた二塩基酸成分とグリコール成分とからなるが、二塩基酸成分中、少なくとも10質量%以上は2,4−ジエチルグルタル酸であるのがよい。10質量%未満の場合には1液型インキとした場合に耐ボイル性などが悪くなる。なお、二塩基酸成分が2,4−ジエチルグルタル酸のみであってもよい。ポリエステルジオールの二塩基酸成分中90質量%未満の範囲であれば2,4−ジエチルグルタル酸以外の以下のような一般にポリエステルの二塩基酸成分として知られている各種公知のものを併用することができる。たとえば、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸もしくはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸などがあげられる。
【0009】
ポリエステルジオールを形成する他の構成成分であるグリコール成分としては、以下のような一般にポリエステルのグリコール成分として知られている各種公知のものを使用することができる。たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジプロピレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、1,4−ブチンジオール等の飽和および不飽和の各種公知のグリコール類があげられる。また、本発明では前記全グリコール成分の5モル%までは以下の各種ポリオールに置換することができ、たとえばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等などがあげられる。
【0010】
前記2,4−ジエチルグルタル酸を含む二塩基酸成分とグリコール成分からなるポリエステルジオールの平均分子量は、得られるポリウレタンの溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定され、通常は700〜5000、好ましくは1000〜4000の範囲内とするのがよい。該平均分子量が700未満であれば溶解性の低下に伴い印刷適性が劣る傾向があり、他方5000を越えると乾燥性及び耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
【0011】
本発明に用いられるポリエステルジオールを製造する方法については特に制限はされず、上記したグリコール成分および二塩基酸酸成分を用いて、従来既知のエステル交換反応、直接エステル化反応などによって重縮合させて製造することができる。この時の反応温度は、概略180〜230℃程度で行われるのが一般的である。また、ポリエステルジオールを製造するための重縮合反応の触媒として、チタン系触媒、スズ系触媒、亜鉛系触媒、アンチモン系触媒などを用いることが可能である。
【0012】
本発明ではジイソシアネート化合物として、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表としてあげられる。
【0013】
また、鎖伸長剤成分として各種公知の鎖伸長剤を用いることができ、たとえばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、などがあげられる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類および前記したポリエステルジオールの項で説明した低分子グリコールやダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等もその代表例としてあげられる。
【0014】
更には必要に応じて鎖伸長停止剤を用いることもできる。かかる鎖伸長停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。
【0015】
本発明に用いられるポリウレタンを製造する方法については特に制限はされず、たとえばポリエステルジオール成分とジイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰の条件で反応させ、ポリエステルジオールの両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(好ましくはイソシアネート基含有0.5〜10質量%)を調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤、および必要に応じて鎖伸長停止剤と反応させる二段法ならびにポリエステルジオール成分、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および必要に応じて鎖伸長停止剤を適当な溶媒中で一度に反応させる一段法のいずれの方法をも採用できるが、均一なポリマー溶液が得やすいという点で二段法を採用するのが好ましい。なお、これらポリウレタンの製造の際には、オクチル酸第一スズなどのスズ系触媒などの各種公知の触媒を添加しうる。
【0016】
本発明に用いられるポリウレタンを二段法で製造する場合、ポリエステルジオール成分とジイソシアネート化合物とを反応させる際の条件はイソシアネート基が過剰になるようにするほかは特に限定されないが、水酸基/イソシアネート基が当量比で1/1.2〜1/3の範囲になるように概略70〜120℃程度の温度で反応させるのが好ましい。また、得られたプレポリマーと鎖伸長剤および必要に応じて用いる鎖伸長停止剤とを反応させる際の条件にも特に限定はされないがプレポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基を1当量とした場合に、鎖伸長剤中のイソシアネート基と反応しうる活性水素の合計当量が0.5〜2.0当量の範囲内であるのがよい(とくに活性水素含有基がアミノ基の場合には0.5〜1.3当量の範囲内であるのが好ましい)反応温度は概略50〜120℃である。前記活性水素が0.5当量未満の場合、乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度が充分でなく、前記活性水素が2.0当量より過剰になった場合には、鎖伸長剤が未反応のまま残存し、印刷物に臭気が残りやすくなる。これら製造法において、使用される溶剤としては通常、印刷インキ用の溶剤としてよく知られているベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いる。
【0017】
このようにして得られる本発明のポリウレタンの平均分子量は、5000〜100000の範囲とするのがよい。平均分子量が5000に満たない場合には、これをビヒクルとして用いた印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度、耐油性等が低下しやすくなり、一方、100000を超える場合にはポリウレタン溶液(バインダー)の粘度が上昇したり、印刷インキの光沢が低下しやすくなる。また、ポリウレタン溶液の固型分濃度は特に制限はされないが、印刷時の作業性等を考慮して適宜決定すればよく、通常は15〜60質量%、粘度は50〜100000cP/25℃の範囲に調整するのが実用上好適である。
【0018】
また、本発明では必要に応じて、本発明の主成分であるポリウレタンの他に以下に示すような樹脂を副成分として本発明のバインダーとして併用しうる。たとえば、本発明以外のポリウレタン、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ロジン系樹脂、ケトン樹脂等があげられる。
【0019】
前記本発明のバインダーは着色剤、溶剤、さらに必要に応じてインキ流動性およびインキ表面皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他添加剤を適宜配合してボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することにより印刷インキを製造することができる。なお、該印刷インキ中、本発明のバインダーの配合量はその樹脂固型分が3〜20質量%であるのが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
製造例1
攪拌機、温度計、分水器および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1000部と2,4−ジエチルグルタル酸1394部を仕込み、窒素気流下に210℃で減圧を行いながらエステル化反応を行った。かくして水酸基価56KOHmg/g、酸価0.3KOHmg/g、平均分子量2000のポリエステルジオールを得た。
【0022】
製造例2
製造例1と同様の丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1000部と2,4−ジエチルグルタル酸1220部を仕込み、窒素気流下に210℃で減圧を行いながらエステル化反応を行った。かくして水酸基価112KOHmg/g、酸価0.3KOHmg/g、平均分子量1000のポリエステルジオールを得た。
【0023】
製造例3
製造例1と同様の丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1000部とアジピン酸959部および2,4−ジエチルグルタル酸240部を仕込み、窒素気流下に210℃で減圧を行いながらエステル化反応を行った。かくして水酸基価37KOHmg/g、酸価0.3KOHmg/g、平均分子量3000のポリエステルジオールを得た。
【0024】
製造例4
製造例1と同様の丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1000部と2,4−ジエチルグルタル酸1522部を仕込み、窒素気流下に210℃で減圧を行いながらエステル化反応を行った。かくして水酸基価19KOHmg/g、酸価0.3KOHmg/g、平均分子量6000のポリエステルジオールを得た。
【0025】
製造例5
製造例1と同様の丸底フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1000部とアジピン酸1059部および2,4−ジエチルグルタル酸56部を仕込み、窒素気流下に210℃で減圧を行いながらエステル化反応を行った。かくして水酸基価56KOHmg/g、酸価0.3KOHmg/g、平均分子量2000のポリエステルジオールを得た。
【0026】
実施例1
製造例1と同様の丸底フラスコに、製造例1で得られたポリエステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート222部を仕込み、窒素気流下に100℃で反応させイソシアネート基含量3.4質量%のプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン77.0部、ジ−n−ブチルアミン8.4部、メチルエチルケトン1219部及びイソプロピルアルコール1017部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、次いで50℃で反応させた。得られたポリウレタン溶液(以下、ポリウレタン溶液Aという)は、固型分濃度が30質量%、粘度が890cP/25℃であった。また、ポリウレタンの平均分子量は39000であった。
【0027】
実施例2
製造例1と同様の丸底フラスコに、製造例2で得られたポリエステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート333部を仕込み、窒素気流下に100℃で反応させイソシアネート基含量3.2質量%のプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン74.9部、ジ−n−ブチルアミン9.1部、メチルエチルケトン1389部及びイソプロピルアルコール1102部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマー溶液2148部を添加し、次いで50℃で反応させた。得られたポリウレタン溶液(以下、ポリウレタン溶液Bという)は、固型分濃度が30質量%、粘度が820cP/25℃であった。また、ポリウレタンの平均分子量は36000であった。
【0028】
実施例3
製造例1と同様の丸底フラスコに、製造例3で得られたポリエステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート180部を仕込み、窒素気流下に100℃で反応させイソシアネート基含量3.4質量%のプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン76.3部、ジ−n−ブチルアミン8.3部、メチルエチルケトン1188部及びイソプロピルアルコール1001部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマー溶液2018部を添加し、次いで50℃で反応させた。得られたポリウレタン溶液(以下、ポリウレタン溶液Cという)は、固型分濃度が30質量%、粘度が930cP/25℃であった。また、ポリウレタンの平均分子量は42000であった。
【0029】
比較例1
製造例1と同様の丸底フラスコに、製造例4で得られたポリエステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート140部を仕込み、窒素気流下に100℃で反応させイソシアネート基含量3.4質量%のプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン73.3部、ジ−n−ブチルアミン8.0部、メチルエチルケトン1221部及びイソプロピルアルコール1018部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、次いで50℃で反応させた。得られたポリウレタン溶液(以下、ポリウレタン溶液Dという)は、固型分濃度が30質量%、粘度が1700cP/25℃であった。また、ポリウレタンの平均分子量は44000であった。
【0030】
比較例2
製造例1と同様の丸底フラスコに、製造例5で得られたポリエステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート140部を仕込み、窒素気流下に100℃で反応させイソシアネート基含量3.4質量%のプレポリマーを製造したのち、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン73.3部、ジ−n−ブチルアミン8.0部、メチルエチルケトン1221部及びイソプロピルアルコール1018部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、次いで50℃で反応させた。得られたポリウレタン溶液(以下、ポリウレタン溶液Dという)は、固型分濃度が30質量%、粘度が1700cP/25℃であった。また、ポリウレタンの平均分子量は44000であった。
【0031】
(インキの調製)
チタン白(ルチル型)30部、実施例1〜3および比較例1〜2で得られたポリウレタン樹脂溶液50部、トルエン10部、イソプロピルアルコール10部からなる組成の混合物をそれぞれペイントシェーカーで練肉して白色印刷インキを調製した。得られた混合物100部に、トルエン35部およびイソプロピルアルコール15部を加えて粘度を調製し、表1に示すような5点の白色印刷インキを調製した。なお、比較例3の白色印刷インキは比較例2で得られたものにさらにイソホロンジイソシアネート2部を添加して2液型印刷インキとしたものである。
【0032】
(ラミネートフィルムの調製および性能評価方法)
得られた6点の白色印刷インキを、版深30μmのグラビアプレートを備えた簡易グラビア印刷機により厚さ15μmのコロナ放電処理ナイロンフィルム(NY)の放電処理面と厚さ11μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面に印刷して、40〜50℃で乾燥し、印刷フィルムを得た。該印刷フィルムの印刷面上に固型分25質量%のポリウレタン系接着剤を3g/mの塗布量で塗布乾燥したのち、ラミネーターにより60μmのポリエチレンフィルムをドライラミネートしてラミネートフィルムを得た。こうして得られたラミネートフィルムのラミネート強度(接着力)および100℃でのボイル適性を下記のようにして評価した。評価結果を表1に示す。(実施例と比較例に使用したポリウレタン溶液の内容を表2に示す)
【0033】
ボイル適性
(1)フィルムの外観変化による評価
ラミネートフィルムを100℃で30分間煮沸した後の外観変化を観察した。
○―――――フィルムに異常なし。
△―――――フィルムのごく一部がデラミネートしているか、またはブリスターがわずかであるが発生している。
×―――――フィルムの一部がデラミネートしているか、またはブリスターが発生している。
(2)ラミネート強度(接着力)の変化による評価
ラミネートフィルムを100℃で30分煮沸した後、15mm巾に切断し剥離試験機にて速度30mm/分でT型剥離強度(g/15mm)を測定しボイル前の強度と比較した。
【0034】
実施例と比較例で検証した結果、本発明によって得られた印刷インキ用バインダーを用いたインキを使用することで各種プラスチックフィルムに対するボイル前後のラミネート強度の低下及び外観の変化が2液型仕様並みに維持されることを確認した。
【0035】
【表1】
Figure 2004307785
【0036】
【表2】
Figure 2004307785
【0037】
【発明の効果】
本発明の印刷インキ用バインダーを用いた1液型印刷インキは、被印刷物であるポリエステル、ナイロンフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性および耐ボイル性などを呈するという効果を奏する。

Claims (2)

  1. ポリエステルジオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタンを主として含有してなる印刷インキ用バインダーにおいて、該ポリエステルジオールの構成成分として2,4−ジエチルグルタル酸を使用することを特徴とする印刷インキ用バインダー。
  2. ポリエステルジオールが2,4−ジエチルグルタル酸を少なくとも10質量%以上含有する二塩基酸成分とグリコール成分とからなり、かつ平均分子量が700〜5000である請求項1の印刷インキ用バインダー。
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