JP2018069671A - バリアフィルム - Google Patents

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【課題】レトルト処理等の高温高湿下においても印刷層の樹脂が溶解してデラミネーションを起こさないバリアフィルムを提供すること。【解決手段】プラスチック基材の少なくとも一方の面に、無機酸化物蒸着層と、複合被膜層と、印刷層とがこの順に積層され、前記複合被膜層は、水溶性高分子化合物と金属化合物を含み、前記印刷層は、ポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートからなるポリエステルポリウレタン樹脂を含むバリアフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、食品、医薬品等の高温高圧水下での加熱殺菌処理(レトルト処理)を必要とする分野に用いられるバリアフィルムである。
従来から、食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料として、酸素や水蒸気等による内容物の変質を防止するために、アルミ等の金属箔をガスバリア層に用いた積層体が提供されてきた。しかし、金属箔を使用すると、廃棄後の焼却処理が難しく環境問題上好ましくない、電子レンジによる加熱を行うことができない、不透明であるため内容物充填後に異物などの確認を行うことができない、などの問題があった。
そこで近年では、高分子フィルム上に無機酸化物の蒸着膜を形成した透明バリアフィルムが開発され、包装材料として好適に用いられている。
更に、食品および医薬品等には、内容物の長期保存のためにレトルト処理を始めとする殺菌処理の必要性が増しており、高温高圧下で性能を維持することができる包装材料が望まれている。
このようなフィルムを包装材料として用いる際には印刷層を設けることが一般的である。下記特許文献1、特許文献2には透明バリアフィルム上に印刷層を設けた構成の包装材料が提案されている。
印刷用のインキは通常、樹脂成分、顔料、添加剤から構成されている。樹脂成分としては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上が、公知のものとして使用されている。
特許文献1および特許文献2では、樹脂成分は特に限定していないが、ウレタン樹脂を使用することが好ましいという提案がされている。
特許第3119108号公報 特許第4734897号公報
レトルト処理などの高温高圧下において印刷層の耐熱性を付与するためには、耐熱性の高い樹脂成分を使用する必要がある。しかしながら、上記の樹脂の中には耐熱性に乏しいものがあり、レトルト時の熱により印刷層の樹脂が溶解してデラミネーションを引き起こすという問題があった。
そこで、本発明では、レトルト処理等の高温高湿下においても印刷層の樹脂が溶解して
デラミネーションを起こさないバリアフィルムを提供することを課題とする。
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
プラスチック基材の少なくとも一方の面に、無機酸化物蒸着層と、複合被膜層と、印刷層とがこの順に積層されてなり、
前記複合被膜層は、水溶性高分子化合物と金属化合物を含み、
前記印刷層は、ポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートからなるポリエステルポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするバリアフィルムである。
本発明の請求項2に係る発明は、
前記無機酸化物蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、或いはそれらの混合物のうち少なくとも1つ以上含むことを特徴とする、請求項1記載のバリアフィルムである。
本発明の請求項3に係る発明は、
前記複合被膜層が、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物、金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも1種類以上とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のバリアフィルムである。
本発明の請求項4に係る発明は、
前記印刷層が、さらに顔料を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のバリアフィルムである。
本発明の請求項5に係る発明は、
前記プラスチック基材と前記無機酸化物蒸着層の間に、アンカーコート層が積層されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のバリアフィルムである。
本発明の請求項6に係る発明は、
前記印刷層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のバリアフィルムである。
本発明の請求項1のバリアフィルムによれば、印刷層にポリエステルポリウレタン樹脂を含むことで、高温高湿下での加熱殺菌処理においても印刷層が溶解せず、デラミネーションの発生を防止できる。また、高いガスバリア性を持つため、酸素や水蒸気等による内容物の変質を防止できる。
また請求項2のバリアフィルムによれば、無機酸化物蒸着層により、特に殺菌耐性に優れたバリアフィルムが得られる。
さらに請求項3のバリアフィルムによれば、複合被膜層が金属アルコキシドを含むことにより、さらにガスバリア性を向上できる。
請求項5のバリアフィルムによれば、基材と無機酸化物蒸着層との間にアンカーコート層を設けたことにより、フィルムの層間密着性がより強化され、耐久性が向上できる。
請求項6のバリアフィルムによれば、前記無機酸化物蒸着層の厚さが5〜300nmであることにより、バリアフィルムの厚さの均一性が良好で、柔軟性も良好なバリアフィルムが得られる。
以上から、本発明のバリアフィルムを包装材料として使用することで、レトルト処理の熱によるデラミネーションが発生せず、密着の良好な包装体を提供することが可能である。
本発明のバリアフィルムの一実施形態を示す断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の実施形態を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明はプラスチック基材上に、無機酸化物蒸着層と複合被膜層と印刷層を順番に積層した構造である。
図1に、本発明のバリアフィルムの一実施形態の層構成を示す。
バリアフィルム10は、プラスチック基材1上に、無機酸化物蒸着層2が積層され、その上に水溶性化合物と金属化合物からなる複合被膜層3が積層されている。さらにその上に印刷層4が積層されている。
図2は、本発明のバリアフィルムの他の実施形態の層構成を示す断面図である。
バリアフィルム20は、プラスチック基材1上に、アンカーコート層5が設けられ、その上に無機酸化物蒸着層2が積層され、さらにその上に、水溶性化合物と金属化合物からなる複合被膜層3と、印刷層4が積層されている。
(プラスチック基材)
プラスチック基材1は、無機酸化物蒸着層2の透明性を生かすために可能であれば、透明なフィルム基材であることが好ましい。
プラスチック基材1の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
さらに、ポリ塩化ビニル、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン類が挙げられる。以上の材料の少なくとも一種類以上を成分に持つ、あるいは共重合成分に持つ、あるいはそれらの化学修飾体を成分に持つ材料も挙げられる。
プラスチック基材1は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。この中で、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。またこのプラスチック基材1の無機酸化物蒸着層2が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていてもよい。更にマット層などのコーティング層が形成されていてもよい。
プラスチック基材1の厚さは、とくに制限を受けるものではなく、また包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。尚、無機酸化物蒸着層2、複合被膜層3を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
(無機酸化物蒸着層)
次に無機酸化物蒸着層2について、詳しく説明する。
無機酸化物蒸着層2は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等
のガスバリア性を有する層であればよい。各種殺菌耐性を配慮すると、これらの中では特に酸化アルミニウム及び酸化珪素を用いることがより好ましい。
ただし本発明の無機酸化物蒸着層2は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることが可能である。
無機酸化物蒸着層2の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。
また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティ(柔軟性)を保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。
無機酸化物蒸着層2をプラスチック基材1上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。
但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
(アンカーコート層)
プラスチック基材1と無機酸化物蒸着層2の間に、両者の密着性を改善するために、処理層もしくはアンカーコート層5(図2参照)を設けることも可能である。処理の方法については問わないが、プラズマ処理を行うことが特に有効である。
(複合被膜層)
次いで複合被膜層3を説明する。複合被膜層3はガスバリア性を持った被膜層であり、水溶性高分子と金属化合物の混合物からなる層である。
例えば、金属化合物として1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。
形成方法としては、水溶性高分子を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合したものを溶液とする。この溶液を無機化酸化物からなる蒸着層にコーティング後、加熱乾燥し形成される。
コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニ
ルをけん化して得られるものである。
PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を用いることができ、これ以外のものを用いても一向に構わない。
また金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5 等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
この溶液中にガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
本発明のバリアフィルムにおいて、上記の無機酸化物蒸着層2および複合被膜層3は2層以上積層させても構わない。また、基材の両面に積層させることも可能である。
(印刷層)
続いて印刷層4について詳細に説明する。
印刷層4に使用するインキは樹脂、顔料、添加剤から構成されている。
発明者はこの印刷層に用いる材料について鋭意検討した結果、印刷層にレトルト耐性を付与するためには、インキ中の樹脂成分としてポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートを反応して得られるポリエステルポリウレタン樹脂を使用することが解決策となることを見い出した。この樹脂を使用することで、レトルト処理などの高温下での処理後でもデラミネーションなどが発生しない包装材料を得ることが出来る。
ポリエステルポリオールとしては公知のものを使用可能であるが、代表的なものを例として挙げれば、例えばジカルボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など) と、グリコール( エチレングリコール、プロピレングリコール、1 , 4 − ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒドロキシエチルベンゼン、アルキルジアルカノールアミンなど)とを重縮合させて得られたもの、およびこれらの2種類以上の混合物等である。
有機ジイソシアネートの例として、利用可能な有機ジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類が挙げることができる。
たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等である。
次に、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させる際のポリウレタン樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いても構わない。たとえば、ポリオール化合物と有機ジイソシアネートとを反応させる際の条件は有機ジイソシアネートを過剰にすることでよいが、特にイソシアネート基/水酸基のモル当量比が1.2/1〜3/1の範囲内にあることが望ましい。
イソシアネート基/水酸基のモル当量比が1.2/1以下であると、得られたポリウレタン樹脂が脆弱なため、印刷インキに使用した際にブロッキングが発生し易くなる。
一方、イソシアネート基/水酸基のモル当量比が3/1以上であると、樹脂の製造に粘度が高くなってしまい、反応中にゲル化し易くなる。
本発明の印刷層4に使用するインキの顔料としては、例えば溶性または不溶性アゾ系、フタロシアニン系、ナフトール系等の有機顔料、酸化チタン、弁柄、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機顔料および金属粉等の単独または混合物が挙げられる。
インキ中には、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加することもできる。
また、インキは溶剤型、水性型のいずれであってもよいが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系有機溶剤等を使用することができ、従来公知の処方に従って調製することができる。
印刷層4の厚さは、0.1〜10μmの範囲が望ましい。
厚さが0.1μm未満であると、印刷抜けの不具合が発生するおそれがある。
また、厚さが10μmを超えると、印刷層内で凝集破壊により密着不良が生じ易くなる。
以下に本発明のバリアフィルムの実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、アクリル系プライマー溶液をグラビアコートにより塗布乾燥し、厚さ0.05μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ10nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物蒸着層を形成した。
次に、テトラエトキシシランの加水分解物とポリビニルアルコールからなる複合被膜溶液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.3μmの複合被膜層を形成した。
更に複合被膜層の上に、アジピン酸とエチレングリコールからなるポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネートを使用したインキ組成物を塗布乾燥することで、ポリエステルポリウレタンを樹脂成分とする1μmの印刷層を形成して、実施例1のバリアフィルムを得た。
<実施例2>
インキの樹脂成分として、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールからなるポリエステルポリオールとメチレンジイソシアネートを反応させてなるポリエステルポリウレタンを使用したこと以外は上記実施例1と同様にして、実施例2のバリアフィルムを得た。
<実施例3>
アクリル系プライマー溶液によるアンカーコート層の形成を行わず、PETフィルムにプラズマ処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のバリアフィルムを得た。
<比較例1>
インキの樹脂成分として、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートからなるポリエーテルポリウレタンを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1のバリアフィルムを得た。
<比較例2>
インキの樹脂成分として、ポリ塩化ビニルとポリ酢酸ビニルの共重合体を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例2のバリアフィルムを得た。
(評価)
上記の実施例1〜3、及び比較例1、2で作成したそれぞれのバリアフィルムに、厚さ15μm延伸ナイロン及び厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを、2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により順に積層し、包装材料を作製した。
上記包装材料を用いて4辺をシール部とするパウチを作製し、内容物として水150gを充填した。その後、130℃−30分間のレトルト殺菌を行った。
レトルト後のパウチについて、バリアフィルム/延伸ナイロン間のラミネート強度を、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いて測定した(JIS Z1707準拠)。また、目視によりパウチの状態を確認した。
その結果を表1に示す。
Figure 2018069671
なお表1において(フィルム切れ)とあるのは、ラミネート強度の測定途中でフィルムが切れてしまったことを示す。
表1に示すように、実施例1〜3のバリアフィルムを用いたパウチは、いずれもラミネート強度は充分な値であり、目視で印刷層のデラミネーション発生も確認されなかった。
しかし比較例1及び2は、ラミネート強度が他の実施例1〜3よりも小さく、印刷層のデラミネーションの発生が確認された。
本発明のバリアフィルムを用いて包装材料を作成することで、レトルト処理などの高温高湿下での加熱殺菌処理を行っても密着低下やデラミネーションなどを引き起こさない包装材料を提供できる。したがって、食品及びレトルト食品、医薬品や電子部材等の非食品等、広い実用範囲において使用可能である。
1・・・プラスチック基材
2・・・無機酸化物蒸着層
3・・・複合被膜層
4・・・印刷層
5・・・アンカーコート層
10、20・・・バリアフィルム

Claims (6)

  1. プラスチック基材の少なくとも一方の面に、無機酸化物蒸着層と、複合被膜層と、印刷層とがこの順に積層されてなり、
    前記複合被膜層は、水溶性高分子化合物と金属化合物を含み、
    前記印刷層は、ポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートからなるポリエステルポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするバリアフィルム。
  2. 前記無機酸化物蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、或いはそれらの混合物のうち少なくとも1つ以上含むことを特徴とする、請求項1記載のバリアフィルム。
  3. 前記複合被膜層が、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物、金属アルコキシド重合物のうちの少なくとも1種類以上とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のバリアフィルム。
  4. 前記印刷層が、さらに顔料を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のバリアフィルム。
  5. 前記プラスチック基材と前記無機酸化物蒸着層の間に、アンカーコート層が積層されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のバリアフィルム。
  6. 前記印刷層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のバリアフィルム。
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