JP2013231122A - 有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びグラビア印刷方法 - Google Patents

有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びグラビア印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浅版化された版胴を用いてグラビア印刷しても、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有する有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を提供する。
【解決手段】有機顔料及び/又は無機顔料、ポリウレタン樹脂及び有機溶剤を主成分とし、条件1〜3のいずれかを満足し、粘度10〜1000mPa・s/25℃、印刷時の粘度がザーンカップ3号の流出秒数で12〜23秒/25℃、ポリウレタン樹脂30質量部を有機溶剤70質量部に溶解させた粘度が100〜500mPa・s/25℃の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
条件1:
有機顔料5〜20質量%、ポリウレタン樹脂3〜20質量%、有機顔料100質量部に対しポリウレタン樹脂60〜200質量部。
条件2:
無機顔料5〜70質量%、ポリウレタン樹脂3〜20質量%、無機顔料100質量部に対しポリウレタン樹脂5〜60質量部。
条件3:
有機顔料5〜20質量%、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0、ポリウレタン樹脂3〜20質量%、全顔料100質量部に対しポリウレタン樹脂20〜200質量部。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びその印刷方法に関し、より詳しくは、浅版化した刷版を使用しても良好なインキ性能(濃度、印刷適性、ラミネート適性)を有する有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物、及び、該有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を用いたグラビア印刷方法に関する。
最近、環境問題への対応は社会的責任として、全産業・全業種をあげて取り組むべきビジネステーマであり、もちろんプラスチックフィルム印刷の分野も同様である。
ところが、プラスチックフィルムに対する印刷には、印刷適性上の制約から、一般に有機溶剤を多く含むインキが利用されているため環境に与える負荷は大きい。そこで、インキや印刷物を製造するメーカーでは、有機溶剤の排出量の削減や簡便な処理方法の開発等により環境問題の解決に取り組んでいる。
このような取り組みの一つに、インキメーカーにおいては、インキ中に含まれる有機溶剤の中でより環境負荷の高いものを削減しようという試みを行っている。例えば、従来、インキ中に含まれていた芳香族系やケトン系等の環境負荷の高い有機溶剤について含有量を減量するといった段階を経て、更に近年、置き換える有機溶剤の種類や組成比率はもとより、バインダー樹脂、添加剤等のインキに使用する材料全体についても見直しが行われている。その結果、芳香族系やケトン系溶剤をほとんど又は全く含まない、エステル−アルコール系インキが実用化されている。
一方、印刷会社においては、上記のような環境問題の解決方法として、印刷時にインキ中の有機溶剤をなるべく大気中に排出しないという試みを行っており、その一例としてグラビア印刷版深度(セルの深さ)を浅くして(浅版化)印刷することによって、印刷時のインキ使用量を減らし、大気中への有機溶剤を削減しようという試みを行っている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、グラビア印刷版の浅版化に伴ってセル容積は減少し、印刷時のインキ組成物の転移量は少なくなる。従って、インキ組成物中の有機溶剤量は抑えられるが、インキ転移量が少ない分、インキ皮膜の着色剤量も少なくなると充分な印刷(色)濃度が得られないという問題があった。そこで、通常、印刷時に薄膜及び高顔料濃度化の皮膜を形成するために、高顔料濃度のインキ組成物を用いて印刷を行っていた。
しかし、インキ組成物の高顔料濃度化は、インキ粘度を高くする要因であり、相対的に版かぶりやドクター切れの低下につながりやすい。
このようなインキ組成物の高粘度化を防ぐために、他の固形分の量を少なくする方法が知られているが、このような方法は、インキ組成物中のバインダー樹脂の減量につながることになる。そうすると、顔料に対するバインダー樹脂の比率が低下し、インキ皮膜の凝集力も低下することになる。
WO2007/088733号
この様に、グラビア印刷版を浅版化する印刷方法では、インキ中の顔料濃度を高くする必要があることから、それにあわせて皮膜凝集力を低下させない量のバインダー樹脂を含有させるとインキ粘度が高粘度となり、印刷物が汚れやすいという問題があった。一方、低粘度化のためにバインダー樹脂量を少なくすると、インキ皮膜の凝集力の低下から、耐摩擦性やラミネート加工される場合にラミネート適性が低下するという問題が生じていた。
従って、本発明の目的は、浅版化された版胴を用いてグラビア印刷しても、従来の溶剤性グラビア印刷用インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有する有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、顔料として有機顔料及び/又は無機顔料、バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂をある特定の組成比率で用い、さらにポリウレタン樹脂を有機溶剤の混合物に溶解した場合に同じ固形分濃度でも低粘度を示すものを使用することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物であって、上記顔料は、有機顔料及び/又は無機顔料であり、上記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂を含有し、下記条件1〜3のいずれかを満足し、更に粘度が10〜1000mPa・s/25℃であり、グラビア印刷時の粘度がザーンカップ3号の流出秒数で12〜23秒/25℃であり、上記ポリウレタン樹脂は、当該ポリウレタン樹脂30質量部を上記有機溶剤70質量部に溶解してポリウレタン樹脂溶液としたときの粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものであることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物である。
条件1:
上記顔料が有機顔料である場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の上記有機顔料の含有量が5〜20質量%、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、上記有機顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が60〜200質量部である。
条件2:
上記顔料が無機顔料である場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の上記無機顔料の含有量が5〜70質量%、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、上記無機顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が5〜60質量部である。
条件3:
上記顔料として有機顔料及び無機顔料の両方を含む場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の上記有機顔料の含有量が5〜20質量%、上記無機顔料に対する上記有機顔料の質量比{無機顔料(質量)/有機顔料(質量)}が、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、全顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量部である。
また、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、上記グラビア印刷時に、更に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物とされ、該グラビア印刷時に添加する有機溶剤は、エステル系有機溶剤、及び、アルコール系有機溶剤の混合溶剤であり、上記エステル系溶剤とアルコール系有機溶剤との使用割合が、上記エステル系有機溶剤/アルコール系有機溶剤=50/50〜95/5の範囲であることが好ましい。
また、上記エステル系溶剤として、酢酸プロピルを5質量%以上含有することが好ましい。
また、本発明は、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を用いたグラビア印刷方法であって、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を調製し、該有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物用いて、浅版化したグラビア版を用いてグラビア印刷方式にて印刷することを特徴とするグラビア印刷方法でもある。
なお、本明細書において、「有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物」とは、印刷に際して、有機溶剤やインキ用メジュームの希釈により、設定された色濃度と粘度に調整が可能な程度に濃縮されたインキ組成物を意味し、「有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物」とは、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、グラビア印刷時に所定の色濃度や粘度となるように、有機溶剤やインキ用メジュームで希釈したインキ組成物を意味する。
また、本明細書において、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物の粘度は、B型粘度計(東京計器製)を用いて測定したときの数値である。
以下、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物についてより詳しく説明する。
<顔料>
上記顔料としては、印刷インキで一般的に用いられている各種無機顔料、有機顔料等が使用できる。
上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。
上記有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物における上記顔料の含有量は、上記有機顔料である場合は5〜20質量%、好ましくは6〜15質量%、上記無機顔料である場合は5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。
また、上記有機顔料と無機顔料との混合である場合は、上記有機顔料として5〜20質量%、上記無機顔料に対する上記有機顔料の質量比{無機顔料(質量)/有機顔料(質量)}が、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0となる量が好適である。
主に上記有機顔料と上記無機体質顔料との組み合わせが利用されることが知られている。
なお、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の上記顔料の含有量が上記の範囲より少なくなると、インキ組成物としたときの着色力が低下し、グラビア印刷版の浅版化に対応が困難となる傾向がある。一方、上記の範囲より多くなると、粘度が高くなり、グラビア印刷時に印刷物が汚れやすいという問題がある。
<バインダー樹脂>
上記バインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂を含有する。
上記ポリウレタン樹脂としては、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂が好適に使用できる。
上記有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、及び、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が、単独又は2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び芳香脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
上記高分子ジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等アルキレンオキサイド付加物等のポリエーテルジオール化合物、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸等の二塩基酸の1種又は2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類の1種又は2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類等のポリエステルジオール化合物等の各種高分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して使用できる。
更に、上記高分子ジオール化合物に加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の低分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して併用することができる。
なお、後述する有機溶剤がエステル系溶剤とアルコール系溶剤との混合溶剤系である場合、上記高分子ジオール化合物としてポリエーテルジオール化合物を利用する方が、得られるポリウレタン樹脂の溶解性が高くなる傾向があり、必要性能に合わせて幅広くインキの設計が可能となる点で好ましい。
また、上記有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基:水酸基の当量比(イソシアネートインデックス)が、好ましくは1.2:1〜3.0:1、より好ましくは1.3:1〜2.0:1となる範囲である。上記のイソシアネートインデックスが1.2より小さくなると、柔軟なポリウレタン樹脂となる傾向があり、インキ組成物として印刷した時に耐ブロッキング性等が低い時等は、他の硬質の樹脂と併用することが好ましい場合がある。
上記鎖伸長剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の鎖伸長剤が利用可能であり、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物が例示できる。
更に、ポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類を併用することができる。
上記反応停止剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の反応停止剤が利用可能であり、例えば、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジェタノールアミン等のアルカノールアミン類、エタノール等のモノアルコール類等を例示することができる。
本発明では、上記材料を用いて、公知のポリウレタン樹脂の製造方法がそのまま使用できる。また、それぞれの成分の分子量や化学構造、また当量比が異なると、得られるポリウレタン樹脂の硬さも異なることから、これら成分を適宜組み合わせによって、印刷適性やラミネート適性を調節することが可能である。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物における上記ポリウレタン樹脂は、質量平均分子量が10000〜70000であることが好ましく、20000〜60000であることがより好ましい。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物における上記ポリウレタン樹脂の含有量は、使用する顔料及びその含有量に応じて適宜選択されるが、下記条件1〜3のいずれかを満足するものである。下記条件1〜3のいずれかを満足することで、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を、浅版化された版胴を用いてグラビア印刷しても、従来の溶剤性グラビア印刷用インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものとすることができる。
条件1:
上記顔料が有機顔料である場合、上記有機顔料の含有量が5〜20質量%、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、上記有機顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が60〜200質量部、好ましくは70〜150質量部である。
条件2:
上記顔料が無機顔料である場合、上記無機顔料の含有量が5〜70質量%、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、上記無機顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が5〜60質量部、好ましくは5〜40質量部である。
条件3:
上記顔料が有機顔料及び無機顔料の両方を含む場合、上記有機顔料の含有量が5〜20質量%、上記無機顔料に対する上記有機顔料の質量比{無機顔料(質量)/有機顔料(質量)}が、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0、上記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、全顔料100質量部に対する上記ポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量部、好ましくは20〜150質量部である。
また、上記ポリウレタン樹脂を合成するときの材料とその比率、及び、後記する有機溶剤の組成によって、上記ポリウレタン樹脂を有機溶剤に溶解したときの粘度は異なる。
そこで、本発明では、上記ポリウレタン樹脂30質量部を後記する有機溶剤70質量部に溶解してポリウレタン樹脂溶液としたときの粘度が100〜500mPa・s/25℃である。100mPa・s/25℃未満であると、インキ皮膜における凝集力が低下する傾向となり、500mPa・s/25℃を超えると、印刷物の印刷濃度が劣ることとなる。ここで、上記ポリウレタン樹脂の粘度は、B型粘度計(東京計器製)を用いて測定したときの数値である。
更に、本発明では、その他のバインダー樹脂としてセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂や粘着性樹脂等を補助的に添加することができる。
<有機溶剤>
上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、ケトン系有機溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル系有機溶剤(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなど)、アルコール系有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、炭化水素系溶剤(トルエン、メチルシクロヘキサンなど)が利用できる。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、グラビア印刷時に、更に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物とされるが、最近の環境問題への対応と、インキの印刷適性や乾燥性などを考慮して、上記更に添加する有機溶剤は、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤との混合溶剤であり、上記エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤との使用割合が、エステル系有機溶剤/アルコール系有機溶剤=50/50〜95/5の範囲となるように使用することが好ましい。
さらに、インキの印刷適性の点から、上記エステル系溶剤として、酢酸プロピルを5質量%以上含有させることが好ましい。
<添加剤>
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、更に粘着付与剤、架橋剤、滑剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を添加することができる。
<本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物の製造方法>
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、上述の各種材料を従来一般的に使用されている各種の分散・混練装置を使用して製造することができる。
そして、各固形分材料の含有量や、ポリウレタン樹脂と有機溶剤との組み合わせなどを調整することにより、粘度を10〜1000mPa・sとする。粘度が低い場合、顔料等の分散安定性が低下する可能性があり、一方、粘度が高いと印刷に適した粘度とするために多量の希釈が必要となり、印刷版の浅版化への対応が困難になる可能性がある。
<グラビア印刷時の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の製造方法>
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、グラビア印刷時に使用する場合は、印刷時の雰囲気温度において、印刷条件に応じて適切な粘度となるように、具体的にはザーンカップ3号の流出秒数が12〜23秒、好ましくは、高速印刷では14〜16秒程度となるまで有機溶剤で希釈する。
次に、上記有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を使用したグラビア印刷方法について述べる。
上記有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を印刷する方法としては、一般的なグラビア印刷方式が利用できる。また、印刷用基材としては特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等のポリエステルフィルム、ナイロン、ビニロンといった各種印刷用プラスチックフィルムを対象とするものである。もちろん、本発明の主旨からして、通常のフィルムであっても、熱収縮フィルムであってもよく、印刷後にラミネートや収縮処理等の後加工を行うこともできる。
また、使用する印刷版としては、従来の版胴(通常のグラビア製版方式によって作られる凹版で、その製版方式は、彫刻グラビア等が例示できる)より浅いセルを形成(浅版化)したものを用いる。
また、上記グラビア印刷方法においては、上記有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を、上記の浅版化した印刷版を用いて印刷することにより、さらに、上記の方法で得られた印刷物を、各種ラミネート加工法によりラミネート加工を施して、包装袋等に利用することができる。これらラミネート加工法としては、印刷物の表面にアンカーコート剤を塗工した後、溶融ポリマーを積層させる押し出しラミネート法、印刷物の表面に接着剤を塗工した後、フィルム上ポリマーを貼合させるドライラミネート法が利用できる。
上記押し出しラミネート法は、印刷物の表面に必要に応じて、チタン系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン等のアンカーコート剤を塗工した後、既知の押し出しラミネート機によって、溶融ポリマーを積層させる方法であり、更に溶融樹脂を中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層する事もできる。
上記押し出しラミネート法で使用する溶融樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等、従来使用されていた樹脂が使用できる。その中でも溶融の際に酸化されてカルボニル基の発生し易い低密度ポリエチレンとの構成において本発明の効果が高くなる。
また、上記ドライラミネート法は、印刷物の表面にウレタン系、イソシアネート系等の接着剤を塗工した後、既知のドライラミネート機によってフィルム状のポリマーを貼合する方法である。ドライラミネート法で使用するフィルム状のポリマーとしては、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等が使用でき、特にレトルト用途で使用される包装材料では、基材と貼合されるプラスチックフィルムの間にアルミ箔をはさんでラミネートする事もできる。このようなラミネート加工物は、製袋して内容物を詰めた後、ボイル・レトルト用途に利用することもできる。
浅版化された印刷版でグラビア印刷する際に、高濃度であっても低い粘度域に抑えた本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用することにより、インキ使用量及びインキ中の揮発分を減らし、大気中への有機溶剤を削減が大幅に可能となり、また、得られる印刷物は、従来の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものが得られる。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
<ポリウレタン樹脂ワニス製造例1>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、n−プロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン13.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.5質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30質量%、粘度200mPa・s/25℃)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニス製造例2>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジベートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.1質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニスB(固形分30質量%、粘度1000mPa・s/25℃)を得た。
<有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物の製造例>
顔料(フタロシアニンブルーC.I.15:4)の30質量部と、ポリウレタン樹脂ワニスA又はBの15質量部と、表1に示した混合溶剤A〜Cの10質量部との混合物を、ペイントコンデショナーを用いて混練し、更に表1の配合となるように残余のポリウレタン樹脂ワニスA又はB及び混合溶剤A〜Cを添加混合し、実施例1〜3、比較例1、2の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物を調製した。
<有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物の製造例>
顔料(酸化チタン)の35の質量部と、ポリウレタン樹脂ワニスA又はBの30質量部と、表1に示した混合溶剤A又はBの10質量部とを、ペイントコンデショナーを用いて混練し、更に表1の配合となるように残余の混合溶剤A又はBを添加混合し、実施例4、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物を調製した。
(評価)
上記で得られた実施例1〜3、比較例1、2の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物、実施例4、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物の性能評価を下記方法にて行い、評価結果を表1に示す。
<インキ組成物の性能評価>
(インキの粘度)
実施例1〜3、比較例1、2の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物、実施例4、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物の各々をガラス瓶に採取し、液温が25℃の時の粘度をB型粘度計(東京計器製)の2号ローターを用いて、30rpmで測定した。
(インキの保存安定性)
実施例1〜3、比較例1、2の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物、実施例4、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物の各々をガラス瓶に採取し、40℃の雰囲気温度で14日間保存した時の顔料の沈降の有無から、インキの保存安定性を評価した。
A:沈降が見られず、インキの保存安定性は良好である。
B:沈降が見られ、インキの保存安定性は不良である。
<濃度及び印刷適性>
実施例1〜3、比較例1、2の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物、実施例4、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物の各々100質量部に対し、更に表1の配合にしたがって混合溶剤A〜Cで希釈し、粘度を離合社製ザーンカップ#3で15秒に調整した後、彫刻版(印刷刷板、ヘリオ200線/inch)を備えたグラビア印刷機(東谷製作所社製)にて、片面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、E−5101、厚さ12μm、以後PETフィルムと記載)の処理面に印刷速度100m/分で印刷を行った。以後、PETフィルム印刷物ともいう。
なお、比較例1、比較例3の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物又は有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物を用いて彫刻版のみ変更した(ヘリオ175線)以外は同じ条件で印刷を行ったものを参照例1、2とした。
(濃度)
印刷時の濃度については、藍色の印刷物の反射濃度を濃度計(RD−918/マクベス社製)にて測定を行った。また、白色の印刷物の透過濃度を濃度計(マクベス社製TR−931/マクベス社製)にて測定を行った。
(印刷適性)
印刷適性については、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から印刷適性を評価した。
A:カスレが全くみられない。
B:カスレが少しみられる。
C:カスレが多くみられる。
<ラミネート適性>
ラミネート適性については、各PETフィルム印刷物のボイル適性及びレトルト適性から、ラミネート適性を評価した。
(ボイル適性)
印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、イソシアネート系アンカーコート剤(タケラックA−3072/タケネートA−3210、三井化学ポリウレタン社製)を塗布し、押出しラミネート機にて345℃で溶融させたポリエチレン(スミカセンL705、住友化学工業社製)を25μmの膜厚で積層し、40℃で1日間放置して、押出しラミネート物を得た。この押出しラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、90℃の熱水中に30分間浸漬し、ラミ浮きの有無からボイル適性を評価した。
A:全くラミ浮きが見られないもの。
B:ピンホール状もしくは一部に細くて短いラミ浮きがみられるもの。
C:長い筋状のラミ浮きが全面にみられるもの。
(レトルト適性)
印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、固形分で2.0g/mとなる量のウレタン系接着剤(タケラックA−616/タケネートA−65、三井化学ポリウレタン社製)を塗布した後、ドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(RXC−3、厚さ60μm、東セロ社製)を貼り合わせ、40℃で3日放置してドライラミネート物を得た。このドライラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、120℃の加圧熱水中に30分間浸漬した時のラミ浮きの有無からレトルト適性を評価した。なお評価の基準はボイル適性と同じとした。
Figure 2013231122
表1に示したように、実施例に係る有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物又は有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物は、浅版化された版胴を用いてグラビア印刷しても、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものであった。また、希釈溶剤として、酢酸プロピルを含有する実施例2及び3は、酢酸プロピルを含有しない実施例1よりも印刷適性に優れていた。
一方、比較例1に係る有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物は、印刷時の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の粘度を実施例1と同じにするために、有機溶剤が多く必要となる。その結果、有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の顔料濃度が低下し、浅版化された版胴を用いたグラビア印刷した場合、印刷濃度が低いものとなった。また、比較例2に係る有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物は、実施例1と同じように印刷時の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を得るのと同じ有機溶剤量を加え、有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物中の顔料濃度を実施例と同様にした。その結果、浅版化された版胴を用いたグラビア印刷した場合、実施例1と同様な印刷濃度が得られるが、印刷適性及びラミネート適性に劣るものであった。また、比較例3に係る有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物は、印刷時の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の粘度を実施例4と同じにしようとした場合、有機溶剤が多く必要となる。その結果、有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の顔料濃度が低下し、浅版化された版胴を用いたグラビア印刷した場合、印刷濃度に劣るものであった。
また、参考例1及び2より、従来の版胴(彫刻版)を用いた場合、比較例1、3に係る有機溶剤性グラビア印刷用濃縮藍インキ組成物又は有機溶剤性グラビア印刷用濃縮白インキ組成物であっても、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を示した。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を利用すると、浅版化した印刷版を用いて印刷しても、充分な印刷濃度とインキ皮膜における凝集力を有することで本発明の課題を解決することができる。
すなわち、高濃度でも低い粘度域に抑えた芳香族系やケトン系有機溶剤を含有しないエステル−アルコール系有機溶剤を使用してなる有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用して、浅版化された印刷版で印刷することにより、インキ中の揮発分を減らし、大気中への有機溶剤を削減が可能となり、さらに環境負荷の削減が可能となり、また、得られる印刷物は、従来の有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものとなる。

Claims (4)

  1. 顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物であって、
    前記顔料は、有機顔料及び/又は無機顔料であり、
    前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂を含有し、
    下記条件1〜3のいずれかを満足し、
    更に粘度が10〜1000mPa・s/25℃であり、グラビア印刷時の粘度がザーンカップ3号の流出秒数で12〜23秒/25℃であり、
    前記ポリウレタン樹脂は、当該ポリウレタン樹脂30質量部を前記有機溶剤70質量部に溶解してポリウレタン樹脂溶液としたときの粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものである
    ことを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
    条件1:
    前記顔料が有機顔料である場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の前記有機顔料の含有量が5〜20質量%、前記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、前記有機顔料100質量部に対する前記ポリウレタン樹脂の含有量が60〜200質量部である。
    条件2:
    前記顔料が無機顔料である場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の前記無機顔料の含有量が5〜70質量%、前記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、前記無機顔料100質量部に対する前記ポリウレタン樹脂の含有量が5〜60質量部である。
    条件3:
    前記顔料として有機顔料及び無機顔料の両方を含む場合、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物中の前記有機顔料の含有量が5〜20質量%、前記無機顔料に対する前記有機顔料の質量比{無機顔料(質量)/有機顔料(質量)}が、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0、前記ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、全顔料100質量部に対する前記ポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量部である。
  2. グラビア印刷時に、更に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物とされ、該グラビア印刷時に添加する有機溶剤は、エステル系有機溶剤、及び、アルコール系有機溶剤の混合溶剤であり、
    前記エステル系溶剤と前記アルコール系有機溶剤との使用割合が、エステル系有機溶剤/アルコール系有機溶剤=50/50〜95/5の範囲である請求項1記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
  3. エステル系溶剤として、酢酸プロピルを5質量%以上含有する請求項2記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を用いたグラビア印刷方法であって、
    前記有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に有機溶剤を添加して希釈した有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を調製し、
    前記有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物を用いて、浅版化したグラビア版を用いてグラビア印刷方式にて印刷する
    ことを特徴とするグラビア印刷方法。
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