JP2011252135A - 有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びその印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浅版化された版胴を用いて印刷しても、従来の溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有する溶剤性グラビア印刷インキ組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】
顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物において、顔料が有機顔料及び/又は無機顔料であり、かつ、バインダー樹脂がポリウレタン樹脂であり、特定条件のいずれかを満足し、さらにインキ組成物の粘度が10〜50mPa・s/25℃であることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
【選択図】なし
【解決手段】
顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物において、顔料が有機顔料及び/又は無機顔料であり、かつ、バインダー樹脂がポリウレタン樹脂であり、特定条件のいずれかを満足し、さらにインキ組成物の粘度が10〜50mPa・s/25℃であることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物およびその印刷方法に関し、より詳しくは、浅版化した刷版を使用しても従来の良好なインキ性能(濃度、印刷適性、ラミネート適性)を有する溶剤性グラビア印刷インキ組成物およびグラビア印刷方法に関する。
最近、環境問題への対応は社会的責任として、全産業・全業種をあげて取り組むべきビジネステーマであり、もちろんプラスチックフィルム印刷の分野も同様である。プラスチックフィルムに対する印刷には、印刷適性上の制約から、一般に有機溶剤を多く含むインキが利用されているため環境に与える負荷は大きい。そこで、インキや印刷物を製造するメーカーでは、有機溶剤の排出量の削減や簡便な処理方法の開発等により環境問題の解決に取り組んでいる。
この様な取り組みの一つに、インキメーカーにおいては、インキ中に含まれる有機溶剤の中でより環境負荷の高いものを削減しようという試みを行っている。例えば、従来、インキ中に含まれていた芳香族系やケトン系等の環境負荷の高い有機溶剤について含有量を減量するといった段階を経て、更に近年、置き換える有機溶剤の種類や組成比率はもとより、バインダー樹脂、添加剤等のインキに使用する材料全体についても見直しが行われており、その結果、芳香族系やケトン系溶剤をほとんど又は全く含まない、エステル−アルコール系インキが実用化されている。
一方、印刷会社においては、上記のような環境問題の解決方法として、印刷時にインキ中の有機溶剤をなるべく大気中に排出しないという試みを行っており、その一例としてグラビア印刷版深度(セルの深さ)を浅くして(浅版化)印刷することによって、印刷時のインキ使用量を減らし、大気中への有機溶剤を削減しようという試みを行っている。(例えば、特許文献1)
グラビア印刷版の浅版化に伴ってセル容積は減少し、印刷時のインキ組成物の転移量は少なくなる。従って、インキ組成物中の有機溶剤量は抑えられるが、インキ転移量が少ない分、インキ皮膜の着色剤量も少なくなると十分な印刷(色)濃度が得られないという問題がある。そこで、通常、印刷時に薄膜・高顔料濃度化の皮膜を形成するために、高顔料濃度のインキ組成物を用いて印刷を行う。
しかし、インキ組成物の高顔料濃度化は、インキ粘度を高くする要因であり、相対的に版かぶりやドクター切れの低下につながりやすい。このような高粘度化を防ぐために、他の固形分の量を少なくする方法が知られているが、これはバインダー樹脂の減量につながることになる。そうすると、顔料に対するバインダー樹脂の比率が低下し、インキ皮膜の凝集力も低下することになる。
この様に、グラビア印刷版を浅版化する上記方法では、インキ中の顔料濃度を高くする必要があることから、それにあわせて皮膜凝集力を低下させない量のバインダー樹脂を含有させるとインキ粘度が高粘度となり、印刷物が汚れやすいという問題がある。一方、低粘度化のためにバインダー樹脂量を少なくすると、インキ皮膜の凝集力の低下から、耐摩擦性やラミネート加工される場合にラミネート適性が低下するという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、浅版化された版胴を用いて印刷しても、従来の溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有する溶剤性グラビア印刷インキ組成物を提供することである。
従って、本発明の目的は、浅版化された版胴を用いて印刷しても、従来の溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有する溶剤性グラビア印刷インキ組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、顔料として有機顔料および/または無機顔料、バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂をある特定の組成比率で用い、さらに有機溶剤の組み合わせによっては同じ固形分濃度でも低粘度のインキ組成物を設計可能とであること、とりわけ、ポリウレタン樹脂と有機溶剤との組み合わせにおいて、低粘度を示すものが良好な結果が得られることから、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、
(1)顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物において、顔料が有機顔料及び/又は無機顔料であり、かつ、バインダー樹脂がポリウレタン樹脂であり、下記条件1〜3のいずれかを満足し、さらにインキ組成物の粘度が10〜50mPa・s/25℃であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は、当該ポリウレタン樹脂30質量部を前記有機溶剤70質量部に溶解した時のポリウレタン樹脂溶液の粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものであることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
条件1:顔料が有機顔料であり、インキ組成物中の有機顔料の含有量が5〜20質量% ポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、有機顔料に対するポリウレタン 樹脂の含有量が70〜200質量%である。
条件2:顔料が無機顔料であり、インキ組成物中の無機顔料の含有量が5〜70質量% 、ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、無機顔料に対するポリウレタ ン樹脂の含有量が5〜60質量%である。
条件3:顔料として有機顔料と無機顔料の両方を含み、インキ組成物中の有機顔料の含 有量が8〜15質量%、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0で あり、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、全顔料 に対するポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量%である。
(2)前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が10000〜70000であることを特徴とする(1)記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(3)前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が20000〜60000であることを特徴とする(1)又は(2)記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(4)前記有機溶剤が、トルエン、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(5)前記有機溶剤が、エステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(6)(1)〜(5)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、印刷時の雰囲気温度において、有機溶剤で希釈した状態でグラビア印刷方式にて印刷することを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の印刷方法に関する。
ここで、前記有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物の粘度はB型粘度計(東京計器製)を用いて測定したときの数値である。
(1)顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物において、顔料が有機顔料及び/又は無機顔料であり、かつ、バインダー樹脂がポリウレタン樹脂であり、下記条件1〜3のいずれかを満足し、さらにインキ組成物の粘度が10〜50mPa・s/25℃であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は、当該ポリウレタン樹脂30質量部を前記有機溶剤70質量部に溶解した時のポリウレタン樹脂溶液の粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものであることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
条件1:顔料が有機顔料であり、インキ組成物中の有機顔料の含有量が5〜20質量% ポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、有機顔料に対するポリウレタン 樹脂の含有量が70〜200質量%である。
条件2:顔料が無機顔料であり、インキ組成物中の無機顔料の含有量が5〜70質量% 、ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、無機顔料に対するポリウレタ ン樹脂の含有量が5〜60質量%である。
条件3:顔料として有機顔料と無機顔料の両方を含み、インキ組成物中の有機顔料の含 有量が8〜15質量%、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0で あり、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、全顔料 に対するポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量%である。
(2)前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が10000〜70000であることを特徴とする(1)記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(3)前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が20000〜60000であることを特徴とする(1)又は(2)記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(4)前記有機溶剤が、トルエン、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(5)前記有機溶剤が、エステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物に関する。
(6)(1)〜(5)いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、印刷時の雰囲気温度において、有機溶剤で希釈した状態でグラビア印刷方式にて印刷することを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の印刷方法に関する。
ここで、前記有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物の粘度はB型粘度計(東京計器製)を用いて測定したときの数値である。
以下、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物についてより詳しく説明する。なお、本発明において、「濃縮インキ組成物」とは、印刷に際して、有機溶剤やインキ用メジュームの希釈により、設定された色濃度と粘度に調整が可能な程度に濃縮されたインキ組成物をいうものである。そして、通常、グラビア印刷用インキ組成物は濃縮インキ組成物の形態で製造、配送、貯蔵され、上記のように印刷時に所定の色濃度や粘度に希釈されて利用される。
<顔料>
顔料としては印刷インキで一般的に用いられている各種無機顔料、有機顔料等が使用できる。無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。
顔料としては印刷インキで一般的に用いられている各種無機顔料、有機顔料等が使用できる。無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物における顔料の含有量は、インキ組成物中に、有機顔料である場合は5〜20質量%、好ましくは6〜15質量%、無機顔料である場合は5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。また、有機顔料と無機顔料の混合である場合は、有機顔料として5〜20質量%、および、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0となる量が好適であり、主に有機顔料と無機体質顔料の組み合わせたインキ組成物が利用されることが知られている。
なお、インキ組成物中の顔料の含有量が上記の範囲より少なくなると、インキ組成物としての着色力が低下し、グラビア印刷版の浅版化に対応が困難となる傾向がある。一方、上記の範囲より多くなると、インキ組成物の粘度が高くなり、印刷物が汚れやすいという問題がある。
なお、インキ組成物中の顔料の含有量が上記の範囲より少なくなると、インキ組成物としての着色力が低下し、グラビア印刷版の浅版化に対応が困難となる傾向がある。一方、上記の範囲より多くなると、インキ組成物の粘度が高くなり、印刷物が汚れやすいという問題がある。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂としてはポリウレタン樹脂を使用することができる。
ポリウレタン樹脂としては、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂が好適に使用できる。
バインダー樹脂としてはポリウレタン樹脂を使用することができる。
ポリウレタン樹脂としては、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂が好適に使用できる。
まず、有機ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、及び、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が、単独又は2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び芳香脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
高分子ジオール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等アルキレンオキサイド付加物等のポリエーテルジオール化合物、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸等の二塩基酸の1種又は2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類の1種又は2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類等のポリエステルジオール化合物等の各種高分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して使用できる。更に上記高分子ジオール化合物に加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の低分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して併用することができる。
なお、エステル系溶剤とアルコール系溶剤との混合溶剤系では、高分子ジオール化合物としてポリエーテルジオール化合物を利用する方が、得られるポリウレタン樹脂の溶解性が高くなる傾向があり、必要性能に合わせて幅広くインキの設計が可能となる点で好ましい。
なお、エステル系溶剤とアルコール系溶剤との混合溶剤系では、高分子ジオール化合物としてポリエーテルジオール化合物を利用する方が、得られるポリウレタン樹脂の溶解性が高くなる傾向があり、必要性能に合わせて幅広くインキの設計が可能となる点で好ましい。
また、上記有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基:水酸基の当量比(イソシアネートインデックス)が、通常、1.2:1〜3.0:1、より好ましくは1.3:1〜2.0:1となる範囲である。上記のイソシアネートインデックスが1.2より小さくなると、柔軟なポリウレタン樹脂となる傾向があり、インキを印刷した時に耐ブロッキング性等が低い時等は、他の硬質の樹脂と併用することが好ましい場合がある。
鎖伸長剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の鎖伸長剤が利用可能であり、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物が例示できる。
更に、ポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類を併用することができる。
更に、ポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類を併用することができる。
反応停止剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の反応停止剤が利用可能であり、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジェタノールアミン等のアルカノールアミン類、エタノール等のモノアルコール類等を例示することができる。
本発明では、上記材料を用いて、公知のポリウレタン樹脂の製造方法がそのまま使用できる。また、それぞれの成分の分子量や化学構造、また当量比が異なると、得られるポリウレタン樹脂の硬さも異なることから、これら成分を適宜組み合わせによって、印刷適性やラミネート適性を調節することが可能である。
本発明の溶剤性印刷インキ組成物におけるポリウレタン樹脂の質量平均分子量は10000〜70000であることが好ましく、さらに20000〜60000であることがより好ましい。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物におけるポリウレタン樹脂の含有量は、使用する顔料に応じて適宜選択されるものである。概ね、顔料が有機顔料である場合、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、有機顔料に対するポリウレタン樹脂の含有量が70〜200質量%、好ましくは70〜150質量%、顔料が無機顔料である場合は、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、無機顔料に対するポリウレタン樹脂の含有量が5〜60質量%、好ましくは5〜40質量%、顔料が有機顔料と無機顔料の両方を含む場合は、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、全顔料に対するポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量%、好ましくは20〜150質量%である。
また、ポリウレタン樹脂を合成するときの材料とその比率、および、後記する有機溶剤の組成によって、ポリウレタン樹脂を有機溶剤に溶解したときの粘度は異なる。そこで、本発明において、ポリウレタン樹脂30質量部を後記する有機溶剤70質量部に溶解した時のポリウレタン樹脂溶液の粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものが好ましい。ここで、上記ポリウレタン樹脂の粘度はB型粘度計(東京計器製)を用いて測定したときの数値である。
さらに、その他のバインダー樹脂として更にセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂や粘着性樹脂等を補助的に添加することができる。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、トルエン、ケトン系有機溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル系有機溶剤(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなど)、アルコール系有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、炭化水素系溶剤(トルエン、メチルシクロヘキサンなど)が利用できる。最近の環境問題への対応と、インキの印刷適性や乾燥性などを考慮して、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤、または、より環境問題への対応を進めたエステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤として使用することが好ましい。
有機溶剤としては、トルエン、ケトン系有機溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル系有機溶剤(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなど)、アルコール系有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、炭化水素系溶剤(トルエン、メチルシクロヘキサンなど)が利用できる。最近の環境問題への対応と、インキの印刷適性や乾燥性などを考慮して、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤、または、より環境問題への対応を進めたエステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤として使用することが好ましい。
<添加剤>
上記有機溶剤性印刷インキ組成物は、更に粘着付与剤、架橋剤、滑剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を添加することができる。
上記有機溶剤性印刷インキ組成物は、更に粘着付与剤、架橋剤、滑剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を添加することができる。
<本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物の製造方法>
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、上述の各種材料を従来一般的に使用されている各種の分散・混練装置を使用して製造することができる。そして、各固形分材料の含有量や、ポリウレタン樹脂と有機溶剤との組み合わせなどを調整することにより、インキ組成物の粘度を10〜50mPa・sとする。インキ組成物の粘度が低い場合、顔料等の分散安定性が低下する可能性があり、一方、粘度が高いと印刷に適した粘度とするために多量の希釈が必要となり、印刷版の浅版化への対応が困難になる可能性がある。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物は、上述の各種材料を従来一般的に使用されている各種の分散・混練装置を使用して製造することができる。そして、各固形分材料の含有量や、ポリウレタン樹脂と有機溶剤との組み合わせなどを調整することにより、インキ組成物の粘度を10〜50mPa・sとする。インキ組成物の粘度が低い場合、顔料等の分散安定性が低下する可能性があり、一方、粘度が高いと印刷に適した粘度とするために多量の希釈が必要となり、印刷版の浅版化への対応が困難になる可能性がある。
次に、本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用した印刷方法について述べる。
上記のインキ組成物を印刷する方法としては、一般的なグラビア印刷方式が利用できる。また、印刷用基材としては、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等のポリエステルフィルム、ナイロン、ビニロンといった各種印刷用プラスチックフィルムを対象とするものである。もちろん、本発明の主旨からして、通常のフィルムであっても、熱収縮フィルムであってもよく、印刷後にラミネートや収縮処理等の後加工を行うこともできる。
上記のインキ組成物を印刷する方法としては、一般的なグラビア印刷方式が利用できる。また、印刷用基材としては、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等のポリエステルフィルム、ナイロン、ビニロンといった各種印刷用プラスチックフィルムを対象とするものである。もちろん、本発明の主旨からして、通常のフィルムであっても、熱収縮フィルムであってもよく、印刷後にラミネートや収縮処理等の後加工を行うこともできる。
また、使用する印刷版としては、従来の版胴(通常のグラビア製版方式によって作られる凹版で、その製版方式は、彫刻グラビア等が例示できる)に従来より浅いセルを形成(浅版化)したものを用いる。
また、本発明の印刷方法においては、有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、印刷時の雰囲気温度において、印刷条件に応じて適切な秒数となるように、具体的にはザーンカップ3号の流出秒数が14〜18秒、好ましくは、高速印刷では14〜16秒程度となるまで有機溶剤で希釈した状態で上記の浅版化した印刷版を用いて印刷することにより、さらに、上記の方法で得られた印刷物を、各種ラミネート加工法によりラミネート加工を施して、包装袋等に利用することができる。これらラミネート加工法としては、印刷物の表面にアンカーコート剤を塗工した後、溶融ポリマーを積層させる押し出しラミネート法、印刷物の表面に接着剤を塗工した後、フィルム上ポリマーを貼合させるドライラミネート法が利用できる。
押し出しラミネート法は、印刷物の表面に必要に応じて、チタン系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン等のアンカーコート剤を塗工した後、既知の押し出しラミネート機によって、溶融ポリマーを積層させる方法であり、更に溶融樹脂を中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層する事もできる。押し出しラミネート法で使用する溶融樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等、従来使用されていた樹脂が使用できる。その中でも溶融の際に酸化されてカルボニル基の発生し易い低密度ポリエチレンとの構成において本発明の効果が高くなる。
また、ドライラミネート法は、印刷物の表面にウレタン系、イソシアネート系等の接着剤を塗工した後、既知のドライラミネート機によってフィルム状のポリマーを貼合する方法である。ドライラミネート法で使用するフィルム状のポリマーとしては、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等が使用でき、特にレトルト用途で使用される包装材料では、基材と貼合されるプラスチックフィルムの間にアルミ箔をはさんでラミネートする事もできる。このようなラミネート加工物は、製袋して内容物を詰めた後、ボイル・レトルト用途に利用することもできる。
浅版化された印刷版で印刷する際に、高濃度であっても低い粘度域に抑えた有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用することにより、インキ使用量及びインキ中の揮発分を減らし、大気中への有機溶剤を削減が大幅に可能となり、また、得られる印刷物は、従来の有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものが得られる。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
(溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の製造)
ポリウレタン樹脂ワニス製造例1
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、n−プロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン13.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.5質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30質量%、粘度200mPa・s/25℃)を得た。
ポリウレタン樹脂ワニス製造例1
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、n−プロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン13.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.5質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30質量%、粘度200mPa・s/25℃)を得た。
ポリウレタン樹脂ワニス製造例2
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジベートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.1質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニスB(固形分30質量%、粘度1000mPa・s/25℃)を得た。
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジベートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.1質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニスB(固形分30質量%、粘度1000mPa・s/25℃)を得た。
有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物製造例
顔料(フタロシアニンブルーC.I.15:4)30重量部とポリウレタン樹脂ワニスAまたはB15質量部、混合溶剤A10質量部の混合物を、ペイントコンデショナーを用いて混練し、更に表1の配合にしたがって残余のポリウレタン樹脂ワニス及び混合溶剤を添加混合し、実施例インキ1、比較例インキ1および2を調製した。
顔料(フタロシアニンブルーC.I.15:4)30重量部とポリウレタン樹脂ワニスAまたはB15質量部、混合溶剤A10質量部の混合物を、ペイントコンデショナーを用いて混練し、更に表1の配合にしたがって残余のポリウレタン樹脂ワニス及び混合溶剤を添加混合し、実施例インキ1、比較例インキ1および2を調製した。
上記で得られたインキ組成物の性能評価を下記方法にて行い、評価結果を表1に示す。また、従来のグラビアインキ及び刷版で印刷を行った評価結果を参照例として併せて表1に示す。
<インキ組成物の性能評価>
1.インキの粘度
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々をガラス瓶に採取し、液温が25℃の時の粘度をB型粘度計(東京計器製)の2号ローターを用いて、30rpmで測定した。
1.インキの粘度
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々をガラス瓶に採取し、液温が25℃の時の粘度をB型粘度計(東京計器製)の2号ローターを用いて、30rpmで測定した。
2.インキの保存安定性
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々をガラス瓶に採取し、40℃の雰囲気温度で14日間保存した時の顔料の沈降の有無から、インキの保存安定性を評価した。
A:沈降が見られず、インキの保存安定性は良好である。
B:沈降が見られ、インキの保存安定性は不良である。
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々をガラス瓶に採取し、40℃の雰囲気温度で14日間保存した時の顔料の沈降の有無から、インキの保存安定性を評価した。
A:沈降が見られず、インキの保存安定性は良好である。
B:沈降が見られ、インキの保存安定性は不良である。
3.濃度及び印刷適性
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々100質量部に対して、混合溶剤Aを実施例1及び比較例2は25質量部、比較例1及び参照例は50質量部添加して希釈し、粘度を離合社製ザーンカップ#3で15秒に調整した後、彫刻版(ヘリオ200線)を備えたグラビア印刷機((株)東谷製作所製)にて、片面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、E−5101、厚さ12μm、以後PETフィルムと記載)の処理面に印刷を行った。また、参照例として、比較インキ1を用いて彫刻版のみ変更した(ヘリオ175線)以外は同じ条件で印刷を行った。
実施インキ1、比較インキ1及び2、参照例インキの各々100質量部に対して、混合溶剤Aを実施例1及び比較例2は25質量部、比較例1及び参照例は50質量部添加して希釈し、粘度を離合社製ザーンカップ#3で15秒に調整した後、彫刻版(ヘリオ200線)を備えたグラビア印刷機((株)東谷製作所製)にて、片面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、E−5101、厚さ12μm、以後PETフィルムと記載)の処理面に印刷を行った。また、参照例として、比較インキ1を用いて彫刻版のみ変更した(ヘリオ175線)以外は同じ条件で印刷を行った。
(印刷濃度)
印刷濃度については、これらの印刷物の反射濃度を濃度計(RD−918/マクベス社製)にて測定を行った。
印刷濃度については、これらの印刷物の反射濃度を濃度計(RD−918/マクベス社製)にて測定を行った。
(印刷適性)
印刷適性については、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から印刷適性を評価した。
A:カスレが全くみられない。
B:カスレが少しみられる。
C:カスレが多くみられる。
印刷適性については、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から印刷適性を評価した。
A:カスレが全くみられない。
B:カスレが少しみられる。
C:カスレが多くみられる。
(ラミネート適性)
ラミネート適性については、各PETフィルム印刷物のボイル適性及びレトルト適性から、ラミネート適性を評価した。
<ボイル適性>印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、イソシアネート系アンカーコート剤(タケラックA−3072/タケネートA−3210、三井化学ポリウレタン製)を塗布し、押出しラミネート機にて345℃で溶融させたポリエチレン(スミカセンL705、住友化学工業株式会社製)を25μmの膜厚で積層し、40℃で1日間放置して、押出しラミネート物を得た。この押出しラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、90℃の熱水中に30分間浸漬し、ラミ浮きの有無からボイル適性を評価した。
A:全くラミ浮きが見られないもの。
B:ピンホール状もしくは一部に細くて短いラミ浮きがみられるもの。
C:長い筋状のラミ浮きが全面にみられるもの。
<レトルト適性>印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、固形分で2.0g/m2となる量のウレタン系接着剤(タケラックA−616/タケネートA−65、三井化学ポリウレタン製)を塗布した後、ドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(RCX−3、厚さ60μm、東セロ株式会社製)を貼り合わせ、40℃で3日放置してドライラミネート物を得た。このドライラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、120℃の加圧熱水中に30分間浸漬した時のラミ浮きの有無からレトルト適性を評価した。なお評価の基準はボイル適性と同じとした。
ラミネート適性については、各PETフィルム印刷物のボイル適性及びレトルト適性から、ラミネート適性を評価した。
<ボイル適性>印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、イソシアネート系アンカーコート剤(タケラックA−3072/タケネートA−3210、三井化学ポリウレタン製)を塗布し、押出しラミネート機にて345℃で溶融させたポリエチレン(スミカセンL705、住友化学工業株式会社製)を25μmの膜厚で積層し、40℃で1日間放置して、押出しラミネート物を得た。この押出しラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、90℃の熱水中に30分間浸漬し、ラミ浮きの有無からボイル適性を評価した。
A:全くラミ浮きが見られないもの。
B:ピンホール状もしくは一部に細くて短いラミ浮きがみられるもの。
C:長い筋状のラミ浮きが全面にみられるもの。
<レトルト適性>印刷後1日経過した各PETフィルム印刷物に、固形分で2.0g/m2となる量のウレタン系接着剤(タケラックA−616/タケネートA−65、三井化学ポリウレタン製)を塗布した後、ドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(RCX−3、厚さ60μm、東セロ株式会社製)を貼り合わせ、40℃で3日放置してドライラミネート物を得た。このドライラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、120℃の加圧熱水中に30分間浸漬した時のラミ浮きの有無からレトルト適性を評価した。なお評価の基準はボイル適性と同じとした。
本発明の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を利用すると、浅版化した印刷版を用いて印刷しても、十分な印刷濃度とインキ皮膜における凝集力を有することで本発明の課題を解決することができる。
すなわち、高濃度でも低い粘度域に抑えた有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用して、浅版化された印刷版で印刷することにより、インキ中の揮発分を減らし、大気中への有機溶剤を削減が可能となり、また、得られる印刷物は、従来の有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものが得られる。
すなわち、高濃度でも低い粘度域に抑えた有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を使用して、浅版化された印刷版で印刷することにより、インキ中の揮発分を減らし、大気中への有機溶剤を削減が可能となり、また、得られる印刷物は、従来の有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性及びラミネート適性を有するものが得られる。
Claims (6)
- 顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を主成分とする有機溶剤性グラビア印刷インキ組成物において、顔料が有機顔料及び/又は無機顔料であり、かつ、バインダー樹脂がポリウレタン樹脂であり、下記条件1〜3のいずれかを満足し、さらにインキ組成物の粘度が10〜50mPa・s/25℃であり、前記ポリウレタン樹脂は、当該ポリウレタン樹脂30質量部を前記有機溶剤70質量部に溶解した時のポリウレタン樹脂溶液の粘度が100〜500mPa・s/25℃となるものであることを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
条件1:顔料が有機顔料であり、インキ組成物中の有機顔料の含有量が5〜20質量%ポ リウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、有機顔料に対するポリウレタン樹 脂の含有量が70〜200質量%である。
条件2:顔料が無機顔料であり、インキ組成物中の無機顔料の含有量が5〜70質量% 、ポリウレタン樹脂の含有量が3〜20質量%、無機顔料に対するポリウレタ ン樹脂の含有量が5〜60質量%である。
条件3:顔料として有機顔料と無機顔料の両方を含み、インキ組成物中の有機顔料の含 有量が5〜20質量%、0<無機顔料(質量)/有機顔料(質量)<7.0で あり、インキ組成物中のポリウレタン樹脂の含有量が6〜20質量%、全顔料 に対するポリウレタン樹脂の含有量が20〜200質量%である。 - 前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が10000〜70000であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量が20000〜60000であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
- 前記有機溶剤が、トルエン、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
- 前記有機溶剤が、エステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物。
- 請求項1〜5いずれか記載の有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物を、印刷時の雰囲気温度において、有機溶剤で希釈した状態でグラビア印刷方式にて印刷することを特徴とする有機溶剤性グラビア印刷用インキ組成物の印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010139899A JP2011252135A (ja) | 2010-06-01 | 2010-06-01 | 有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びその印刷方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103113787A (zh) * | 2013-03-16 | 2013-05-22 | 惠州市随和科技有限公司 | 一种酒精可溶解聚氨酯树脂复合油墨及其制作方法 |
WO2013162003A1 (ja) * | 2012-04-27 | 2013-10-31 | サカタインクス株式会社 | 有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びグラビア印刷方法 |
JP2016094548A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | サカタインクス株式会社 | 有機溶剤性グラビア印刷用ハイソリッドインキ組成物及びグラビア印刷方法 |
-
2010
- 2010-06-01 JP JP2010139899A patent/JP2011252135A/ja active Pending
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JP2013231122A (ja) * | 2012-04-27 | 2013-11-14 | Sakata Corp | 有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物及びグラビア印刷方法 |
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