JP3218764B2 - 印刷インキ用樹脂組成物 - Google Patents

印刷インキ用樹脂組成物

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JP3218764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷インキ用樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、各種プラスチックフィル
ム、プラスチックシートまたは合成樹脂成形品の被覆用
として特に有用な印刷インキ用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被包装物の多様化、包装技術の高
度化に伴ない、各種プラスチックフィルムを包装材料に
使用するにあたっては、プラスチックフィルムの装飾ま
たは表面保護のために印刷が施されているが、かかる印
刷のための印刷インキには高度な性能、品質が要求され
るようになってきている。とりわけ、包装容器の美粧
化、高級化のために、各種複合フィルムに対する幅広い
接着性、更には、各種後加工適性、例えば、種々のラミ
ネート加工適性、ボイル適性、レトルト適性等への対応
が必要になってきている。
【0003】一般に、プラスチックフィルム等の印刷に
は、グラビア印刷、フレキソ印刷等の方式が用いられ、
包装材料としてのフィルム印刷の場合には多くが巻き取
り方式であるため、印刷インキに速乾燥性が要求され、
食品用の包装として使用する場合は、特に残留溶剤の少
ないことが要求される。また、包装材料の高性能化のた
め、印刷後にウレタン系等の接着剤を用いたドライラミ
ネート加工、アンカーコート剤を用いたエクストルージ
ョンラミネート加工等を施すことがあり、強度や気密性
が他のフィルムより優れていることを利用し、特にポリ
エステルやナイロン等のフィルムは、ポリエチレンフィ
ルムやポリプロピレンフィルム等でラミネート加工を施
し積層化される。
【0004】積層化においては、さらに中間にアルミニ
ウム箔を介在させることもあり、ボイル、レトルト加工
が可能な包装材料とすることもある。また、レトルト加
工までの強度は要求されないが、透明基材をベースとし
た包装材分野においては延伸ポリプロピレン(OPP)
を基材フィルムとし、アンカーコート剤は用いずに、直
接、溶融ポリプロピレンで被覆するラミネート加工方法
(通常、PPダイレクトラミネートと呼ばれている)も
行なわれている。
【0005】かかる後加工を行なうためには、その前段
階で用いる印刷インキに対し、種々の基材フィルムに対
する接着性、印刷適性はもとより、それぞれの後加工に
対する適性を具備していることが要求され、このような
各種適性は、印刷インキに使用するバインダー樹脂によ
って主に決定される。従来印刷インキ用バインダーとし
ては、ナイロン、ポリエステル、その他の基材フィルム
に対して幅広い適性を有するものとして、ポリウレタン
樹脂が使用されている。一方、PPダイレクトラミネー
トが施されるポリオレフィンに対しては、塩素化ポリプ
ロピレン等の比較的低塩素化度の塩素化ポリオレフィン
が使用されている。
【0006】しかしながら、ポリウレタン樹脂をバイン
ダーとする印刷インキは、ナイロンフィルム、ポリエス
テルフィルムに対しては、単独で十分な接着性を有する
が、汎用フィルムであるポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対して
はまだ十分な接着性がなく、またラミネート加工適性、
特にPPダイレクトラミネート適性が不十分であるとい
う問題がある。一方、塩素化ポリオレフィンをバインダ
ーとした印刷インキは、ポリオレフィンフィルムに対し
ては良好な接着性を示すが、ナイロンフィルムやポリエ
ステルフィルムに対しては十分な接着性を示さないため
基材フィルムが制限され、またPPダイレクトラミネー
ト適性は有するもののボイル適性、レトルト適性がな
く、用途が制限されている。
【0007】また、ポリオレフィンフィルム、ナイロン
フィルム、ポリエステルフィルムに対する接着性を向上
させ、各種ラミネート加工適性、特にPPダイレクトラ
ミネート適性をも有する目的で、塩素化ポリオレフィン
とポリウレタン樹脂とを混合することも試みられている
が、両者は相溶性が悪く、これをバインダーとした印刷
インキは、安定性、印刷適性、ボイル適性、レトルト適
性とも不十分であり、使用し難い。上記のごとく、従来
の印刷インキにおいては、基材フィルムが制限され、ま
たは基材フィルムに対して汎用性を有していても、接着
性が不十分であり、ラミネート加工もしくはボイル加
工、レトルト加工に対して十分な適性を有するものでは
なかった。そのため、各種基材フィルム、各種ラミネー
ト加工、またはレトルト加工等の用途にあわせて、それ
ぞれに適したバインダーを含む印刷インキを、その都度
製造する必要があり、インキの製造工程、印刷工程ある
いはこれらの材料やインキ等の在庫管理上に大きな問題
を有するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分子中に3級
アミノ基および1個の1級アミノ基を有するモノマー
と、分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する
塩素化ポリプロピレンとを反応させてなる変性塩素化ポ
リプロピレン樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含む印刷イ
ンキが前記問題点をことごとく解決しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、分
子中に3級アミノ基および1個の1級アミノ基を有する
モノマー(a)と分子中に少なくとも1個以上のエポキ
シ基を有する塩素化ポリプロピレン樹脂(b)とをエポ
キシ基/1級アミノ基の官能基数の比率が 1.0〜1.3 の
範囲で反応させてなる変性塩素化ポリプロピレン樹脂
(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含む印刷インキ用
樹脂組成物を提供する。
【0010】分子中に3級アミノ基および1個の1級ア
ミノ基を有するモノマー(a)は、下記一般式で示され
る。 式中、R1はC1〜C5のアルキル基、Aは−CH−または−CH
−O−、R2は HまたはC1〜C3のアルキル基を示す。ま
た、mおよびnは独立に0〜9の範囲であり、かつ(m+
n)の範囲は0〜9である。これ以上の範囲では変性塩素
化ポリプロピレン樹脂の極性が小さくなるため、ポリウ
レタン樹脂との相溶性が不充分となり目的とする効果が
得られ難くなる。
【0011】モノマー(a)としては、具体的に、下記
化学式で示される2-ジメチルアミノエチルアミン(A-1),
2-ジエチルアミノエチルアミン(A-2),3-ジメチルアミノ
プロピルアミン(A-3),3-ジエチルアミノプロピルアミン
(A-4),3-ジブチルアミノプロピルアミン(A-5),6-(ジメ
チルアミノ)5-メチルヘキサメチレンアミン(A-6),6-
(ジエチルアミノ)3-メチルヘキサメチレンアミン(A-
7) 等のアルキルアミンの他、3-ジメチルアミノエトキ
シプロピルアミン(A-8),3-ジエチルアミノエトキシプロ
ピルアミン(A-9) 等のエーテル基含有アミン化合物等を
例示出来るが、勿論これらに限定されるものではない。
【0012】 (CH3)2 N − CH2−CH2 −NH2 (A-1) (C2H5)2N − CH2−CH2 −NH2 (A-2) (CH3)2 N − CH2−CH2 −CH2 −NH2 (A-3) (C2H5)2N − CH2−CH2 −CH2 −NH2 (A-4) (C4H9)2N − CH2−CH2 −CH2 −NH2 (A-5)
【0013】
【0014】塩素化ポリプロピレン樹脂(b)として
は、エポキシ基を含む塩素化ポリプロピレン樹脂として
市販されているものを利用でき、エポキシ基1個当りの
樹脂重量で示されるエポキシ当量は樹脂固形分換算で 3
00〜3,000 であるのがよく、さらには 500〜1,500 の範
囲のものが好ましい。エポキシ当量が 3,000以上では、
モノマー(a)での変性によるポリウレタン樹脂との相
溶化の効果が得られ難く、また 300以下では、3 級アミ
ノ基の導入量が多くなり過ぎる為、塗膜の耐水性が低下
し、さらにはラミネート強度の低下をひきおこすため好
ましくない。また、塩素化ポリプロピレン樹脂(b)の
塩素化度は10〜60であるのがよく、特に15〜45の範囲の
ものが好ましい。塩素化度が10未満では有機溶剤に対す
る溶解性が低く、60を越えるとポリオレフィンフィルム
他の基材に対する密着性が低下し、PPダイレクトラミ
ネート強度も得られなくなる。さらに、塩素化ポリプロ
ピレン(b)の重量平均分子量は 3,000〜200,0000の範
囲のもの、好ましくは 5,000〜100,000 の範囲のものが
用いられる。重量平均分子量が 3,000未満では耐ブロッ
キング性および基材への密着性が低下し、 200,000以上
ではポリウレタン樹脂との相溶性が悪く本発明の目的を
達し得ない。
【0015】本発明の変性塩素化ポリプロピレン樹脂
(A)は、上記モノマー(a)および塩素化ポリプロピ
レン樹脂(b)を原料とし、反応温度30〜120 ℃、反応
時間0.5〜20時間程度の条件で反応させて得られる。塩
素化ポリプロピレン(b)とモノマー(a)の比率は、
エポキシ基/1級アミノ基の官能基数の比率が 1.0〜1.
3 の範囲であり、さらに好ましくは 1.0〜1.1 の範囲で
ある。エポキシ基/1級アミノ基の官能基数の比が 1.3
を越える場合、目的とする相溶化の効果が得られ難くな
るだけでなく、エポキシ基が過剰に残るため、印刷イン
キにした後の経時安定性が不安定になり、また官能基数
の比が 1.0未満の場合、モノマー(a)が残存するため
印刷物の衛生性の点で好ましくない。
【0016】この様にして得られる変性塩素化ポリプロ
ピレン樹脂(A)の重量平均分子量は通常 3,100〜200,
000 の範囲であり、さらに好ましくは 5,000〜120,000
である。 3,100未満では耐ブロッキング性が低下する傾
向にあり、200,000 を越えるとポリウレタン樹脂との相
溶性が低下するため好ましくない。
【0017】ポリウレタン樹脂(B)としては、特に制
限はなく、各種公知のポリウレタン樹脂をそのまま使用
できる。ポリウレタン樹脂の代表的な合成法としては、
高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とを反応さ
せ、次いで鎖伸長剤として各種公知のジアミンまたはグ
リコール、さらに必要に応じてモノアミンまたはモノア
ルコール等の末端停止剤を用いる方法が挙げられる。
【0018】高分子ポリオールとしては、一般にポリウ
レタンの高分子ポリオール成分として知られている各種
公知のものを使用できる。例えば、酸化エチレン、酸化
プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体もしくは共
重合体等のポリエーテルポリオール類;エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,
3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ペンタンジオール、3-メチル−1,5-ペンタ
ンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオー
ル、1,4-ブチルジオール、ジプロピレングリコール等の
飽和および不飽和の低分子グリコール類またはn-ブチル
グリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエー
テル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティッ
ク酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジル
エステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、
しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこ
れらに対応する酸無水物やダイマー酸などとを脱水縮合
せしめてえられるポリエステルポリオール類;環状エス
テル化合物を開環重合してえられるポリエステルポリオ
ール類;その他ポリカーボネートポリオール類、ポリブ
タジエングリコール類、ビスフェノールAに酸化エチレ
ンもしくは酸化プロピレンを付加してえられたグリコー
ル類等のが挙げられる。
【0019】なお、前記高分子ポリオールのうちグリコ
ール類と二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場
合には、該グリコール類のうち5モル%までは、例えば
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリ
オール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の各種
ポリオールに置換することができる。前記高分子ポリオ
ールの分子量は、得られるポリウレタンの溶解性、乾燥
性、耐ブロッキング性等を考慮して適宜決定され、通常
は 400〜10,000程度、好ましくは 700〜6,000 の範囲内
とするのがよい。分子量が 400未満になると溶解性の低
下に伴ない印刷適性が低下する傾向があり、10,000を越
えると乾燥性および耐ブロッキング性が低下する傾向が
ある。
【0020】ジイソシアネート化合物としては、芳香
族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート
類を使用できる。例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネ
ート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、 4,4'
-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、 4,4'-
ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタ
ンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、
1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ブタン−1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネー
ト、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4-ジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート、1,3-ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイ
ソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等
がその代表例として挙げられる。
【0021】鎖伸長剤としては、各種公知のジアミン類
およびグリコール類を使用できる。ジアミン類として
は、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエ
チレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキ
シルメタン-4,4'-ジアミン、2-ヒドロキシエチルエチレ
ンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、
ジ−2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2-ヒド
ロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピ
ルエチレンジアミン、ジ−2-ヒドロキシプロピルエチレ
ンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類およ
びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダ
イマージアミン等がその代表例として挙げられる。ま
た、グリコール類としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロ
パンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオ
ール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ペンタンジオール、3-メチル−1,5-ペンタンジオール、
1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチル
ジオール、ジプロピレングリコー等の飽和および不飽和
の各種公知の低分子グリコール類およびダイマー酸のカ
ルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等
が、その代表例として挙げられる。
【0022】更には、反応停止剤を用いることもでき
る。かかる反応停止剤としては、例えば、ジ−n−ブチ
ルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類があげられる。ポリ
ウレタン樹脂を製造する方法については特に制限はされ
ず、一般的なポリウレタン樹脂の製法と同様の方法にし
たがって製造すればよい。例えば、高分子ポリオールお
よびジイソシアネート化合物を、イソシアネート基/水
酸基の官能基数の比が 1.3/1〜3.0/1 の条件下でウレタ
ン化反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー
(好ましくは遊離イソシアネート含量 0.5〜10重量%)
を調整し、次いでこれらを適当な溶媒中で鎖伸長剤およ
び必要に応じて反応停止剤と反応させるが、前記化合物
を一括で反応させることもできる。前記製造法において
使用される溶剤としては、通常、印刷インキ用の溶剤と
して知られている、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤が挙げられ、これらを単独または2種以上の混合物
で用いる。
【0023】以上の様にして得られたポリウレタン樹脂
の分子量は、 5,000〜200,000 であり、さらには10,000
〜150,000 のものが好ましい。 5,000未満では乾燥性、
耐ブロッキング性、皮膜強度、耐油性が低下しやすくな
り、 200,000を越えると、樹脂溶液の粘度が上昇した
り、顔料分散性が低下しやすくなり好ましくない。
【0024】本発明の印刷インキ用樹脂組成物におい
て、前記変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)とポリウ
レタン樹脂(B)の混合割合は、その固型分の重量比率
A/Bが3/97〜50/50 の範囲、好ましくは 10/90〜40/60
の範囲内である。変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)
の含有量が3重量%未満ではPPダイレクトラミネート
強度が得られ難く、また50重量%を越えると、ポリエス
テル,ナイロン等への密着性が低下し、ボイル,レトル
ト加工適性が得られ難くなるため好ましくない。
【0025】また、本発明の樹脂組成物を含む印刷イン
キを製造する場合は、前記変性塩素化ポリプロピレン樹
脂(A)およびポリウレタン樹脂(B)に、各種顔料お
よび前記溶剤を加えて練肉、分散し、必要に応じてブロ
ッキング防止剤、可塑剤等の添加剤、インキ流動性及び
分散性を改良するための界面活性剤、あるいは相溶性を
有する硝化綿、塩素化ポリエチレン、塩素化エチレン/
プロピレン等の塩素化ポリオレフィン、クロルスルホン
化ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ま
たはその塩素化もしくはクロルスルホン化物、マレイン
酸樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等の樹脂を併
用することができる。なお、印刷インキ中の樹脂固型分
濃度は、印刷時の作業性,印刷効果等を考慮し適宜決定
されるもので、特に制約されるものではないが、通常3
〜50重量%に調整するのがよい。
【0026】
〔製造例1〕
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を
備えた四ツ口フラスコに、エポキシ基を含む塩素化ポリ
プロピレン(東洋化成社製 ハードレンB-4000、樹脂固
型分当りのエポキシ当量700、塩素化度25%、分子量15,0
00、40%トルエン溶液)1,750部、3-ジエチルアミノプロ
ピルアミン 130部およびトルエン 195部を仕込み80℃で
6時間反応させ、エポキシ基/1級アミノ基の官能基数
の比率が1.0である、変性塩素化ポリプロピレン樹脂溶
液A(樹脂固型分濃度40%)を得た。
【0027】〔製造例2〕 製造例1と同様の反応装置に、塩素化ポリプロピレン
(ハードレンB−4000)2,100部、6-(ジエチルアミノ)3-
メチルヘキサメチレンアミン 186部およびトルエン 279
部を仕込み80℃で6時間反応させ、エポキシ基/1級ア
ミノ基の官能基数の比率が1.2である、変性塩素化ポリ
プロピレン樹脂溶液B(樹脂固型分濃度40%)を得た。
【0028】〔製造例3〕 製造例1と同様の反応装置に、塩素化ポリプロピレン
(東洋化成社製 ハードレンB-2038, 樹脂固型分当りの
エポキシ当量700 、塩素化度16% 、分子量40,000、 35%
トルエン溶液) 2,000 部、3-ジエチルアミノエトキシプ
ロピルアミン 174部およびトルエン11部を仕込み、80℃
で 6時間反応させ、エポキシ基/1級アミノ基の官能基
数の比率が1.0である、変性塩素化ポリプロピレン樹脂
溶液C(樹脂固型分濃度40%)を得た。
【0029】〔製造例4〕 製造例1において、3-ジエチルアミノプロピルアミン 1
30部およびトルエン195部を、各々ジ−n−オクチルア
ミン 241部およびトルエン 362部に代え、その他は同様
の条件で反応を行い、エポキシ基/アミノ基の官能基数
の比率が1.0である、変性塩素化ポリプロピレン樹脂溶
液D(樹脂固型分濃度40%)を得た。
【0030】〔製造例5〕 製造例3において、3-ジエチルアミノエトキシプロピル
アミンおよびトルエンの仕込み量を、各々90部および 1
67部に代えた他は同様の条件で反応を行い、エポキシ基
/1級アミノ基の官能基数の比率が1.96である、変性塩
素化ポリプロピレン樹脂溶液E(樹脂固型分濃度35%)
を得た。
【0031】〔製造例6〕 製造例1において、3-ジエチルアミノプロピルアミンお
よびトルエンの仕込み量を、各々 260部および 390部に
代えた他は、同様の条件で反応を行い、エポキシ基/1
級アミノ基の官能基数の比率が0.5である、変性塩素化
ポリプロピレン樹脂溶液F(樹脂固型分濃度40%)を得
た。
【0032】〔製造例7〕製造例1と同様の反応装置
に、アジピン酸と3-メチル−1,5-ペンタンジオールから
得られる分子量 2,000のポリエステルジオール 1,000部
とイソホロンジイソシアネート 222部を仕込み、窒素気
流下に85℃で6時間反応させた。次いで、イソホロンジ
アミン82部、ジ−n−ブチルアミン 7.8部、トルエン
1,244部、メチルエチルケトン 1,244部およびイソプロ
ピルアルコール 573部を添加し、攪拌下に50℃で3時間
反応させ、固型分30%、25℃における粘度350cps、分子
量48,000のポリウレタン樹脂溶液Gを得た。
【0033】〔製造例8〕製造例1と同様の反応装置
に、分子量 2,000のポリカプトラクトン 1,000部とイソ
ホロンジイソシアネート 222部を仕込み、窒素気流下に
90℃で6時間反応させた。次いで、イソホロンジアミン
82.0部、ジ−n−ブチルアミン12.9部、トルエン 1,300
部、メチルエチルケトン 1,300部およびイソプロピルア
ルコール 615部を添加し、攪拌下に30℃で3時間反応さ
せ、樹脂固型分濃度30%、粘度700cps/25℃、分子量6
5,000のポリウレタン樹脂溶液Hを得た。
【0034】〔実施例1〜4および比較例1〜5〕製造
例1〜8で得られた変性塩素化ポリプロピレン樹脂溶液
とポリウレタン樹脂溶液を表1の配合比で混合し、さら
にトルエンを加えて、いずれも樹脂固型分(変性塩素化
ポリプロピレンとポリウレタン樹脂の合計)が30重量%
になる様に、印刷インキ用バインダーを調整した。さら
に、得られた印刷インキ用バインダー40部、酸化チタン
30部、トルエン15部およびメチルエチルケトン15部の混
合物を練肉して白色印刷インキを調製し、得られた印刷
インキをトルエン、メチルエチルケトンおよびイソプロ
ピルアルコールの混合溶剤(重量比順に60:30:10)に
て粘度を調製し、版深35μmグラビア版を備えたグラビ
ア校正機によりコロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム
(OPP)、コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PET)およびコロナ処理ナイロンフィルム
(NY)に印刷して40℃〜50℃で乾燥し、印刷フィルム
を得た。なお比較例1および2のバインダーを用いた印
刷インキは1日後にゲル化したため、印刷から除外し
た。得られた印刷フィルムについて、接着性、押し出し
ラミネート強度、ドライラミネート強度、ボイルおよび
レトルト適性およびPPダイレクトラミネート適性を評
価した。結果を表2に記す。なお、評価は下記の試験方
法で行なった。
【0035】1)接着性 上記印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼
り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の
状態を目視判定した。なお判定基準は次の通りとした。 ◎ : 印刷皮膜が全く剥がれなかった。 ○ : 印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。 △ : 印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。 × : 印刷皮膜の50%以下がフィルムに残った。
【0036】2)押し出しラミネート強度 上記印刷物のうちOPPについてはポリエチレンイミン
系、PETおよびNYについてはイソシアネート系のア
ンカーコート剤を使用し、押し出しラミネート機によっ
て溶融ポリエチレンを積層し、イソシアネート系アンカ
ー剤については40℃で3日間エージングした後、試料を
15mm幅に切断し、T型剥離強度を測定した。
【0037】3)ドライラミネート強度 上記印刷物にウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネ
ート機によってCPP(無延伸ポリプロピレン)フィル
ムを積層し、40℃で3日間エージングした後、押し出し
ラミネート強度と同様の方法で剥離強度を測定した。
【0038】4)ボイル適性およびレトルト適性 上記NY印刷物をドライラミネート加工後、ラミネート
物を製袋し、内容物として水/サラダ油の混合物を入れ
密封後、ボイル適性については 100℃、30分間、レトル
ト適性については 120℃、30分間加熱した後、ラミ浮き
の有無を外観より目視判定した。なお判定基準は次の通
りとした。 ○ : 全くラミ浮きがない。 × : 全面デラミネーションが生じた。
【0039】5)PPダイレクトラミネート適性 上記OPP印刷物に押し出しラミネート機によって直接
溶融ポリプロピレンを積層し、2日後、押し出しラミネ
ート強度と同様の方法で剥離強度を測定した。 6)貯蔵安定性 印刷インキを金属缶に密閉し、25℃で14日間保存したと
きの分離、沈殿あるいはゲル化等の性状を目視判定し
た。なお判定基準は次の通りとした。 ○ : 異常なし × : 分離、沈殿あるいはゲル化が激しい。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷物として用いら
れるポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどの各種のプラスチックフィルムのいずれに対
しても優れた接着性を有し、貯蔵安定性、ラミネート加
工適性(特にPPダイレクトラミネート適性)、ボイル
加工適性およびレトルト加工適性など優れた特性を有す
る印刷インキ用樹脂組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−220474(JP,A) 特開 平4−159377(JP,A) 特開 平1−252606(JP,A) 特開 平4−248884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C08L 75/04 - 75/16 C08L 23/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に3級アミノ基および1個の1級ア
    ミノ基を有するモノマー(a)と分子中に少なくとも1
    個以上のエポキシ基を含む塩素化ポリプロピレン樹脂
    (b)とをエポキシ基/1級アミノ基の官能基数の比率
    が 1.0〜1.3 の範囲で反応させてなる変性塩素化ポリプ
    ロピレン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とを含む
    ことを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)の
    重量平均分子量が、3,100〜200,000 である請求項1記
    載の印刷インキ用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)と
    ポリウレタン樹脂(B)の重量比率 A/Bが、3/97〜50/5
    0 の範囲である請求項1または2記載の印刷インキ用樹
    脂組成物
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