JPH07119254B2 - 塩素化ポリプロピレン変性物及びその用途 - Google Patents

塩素化ポリプロピレン変性物及びその用途

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JPH07119254B2
JPH07119254B2 JP8936388A JP8936388A JPH07119254B2 JP H07119254 B2 JPH07119254 B2 JP H07119254B2 JP 8936388 A JP8936388 A JP 8936388A JP 8936388 A JP8936388 A JP 8936388A JP H07119254 B2 JPH07119254 B2 JP H07119254B2
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仁紀 加野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は塩素化ポリプロピレン変性物及びその用途に関
し、特に各種プラスチックのフィルム、シートまたはそ
の他の合成樹脂製品の被覆剤、例えば印刷インキ、コー
ティング剤あるいは接着剤用のバインダー樹脂として有
用な塩素化ポリプロピレン変性物を提供しようとするも
のである。
[従来の技術] 近年、包装容器の多様化、合成皮革等の合成樹脂製品の
高機能化に伴ない、プラスチックフィルム、プラスチッ
クシート又は合成樹脂成形品の装飾、接着あるいは表面
保護のために用いられる印刷インキ、接着剤あるいは各
種コーティング剤等の被覆剤にも高度な性能、品質が要
求されるようになって来ている。
とりわけ、印刷インキに関しては、包装容器の美粧化、
高級化のために各種複合フィルムに対する幅広い接着
性、更には各種後加工適性例えば種々のラミネート加工
適性、ボイル適性、レトルト適性等への対応も必要にな
って来ている。
一般的に、プラスチックフィルム等の印刷はグラビア印
刷、フレキソ印刷等の方式が用いられるが、包装材料と
してのフィルム印刷の場合には多くが巻取方式であるた
め、印刷インキに速乾性が要求される。又食品用の包装
として使用する場合は、特に残留溶剤の少ないことが要
求される。
また包装材料の高性能化のため、印刷後にドライラミネ
ート加工、エクストルージョンラミネート加工を施こす
ことが屡々ある。特にポリエステルフィルム(PET)や
ナイロン(NY)等のフィルムはその強度や気密性が他の
フィルムに優っていることを利用しポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム等とラミネート加工する
が、この場合ドライラミネート加工にはウレタン系等の
接着剤を使用し、エクストルージョンラミネート加工の
場合にはアンカーコート剤を使用する。さらに中間にア
ルミニウム箔を介在させることもあり、ボイル、レトル
ト加工が可能な包装材料とすることもある。レルトル加
工までの強度は要求されないが、透明基材をベースとし
た包装材分野においては延伸ポリプロピレン(OPP)を
基材フィルムとし、アンカーコート剤は用いずに、直
接、溶融ポリプロピレンで被覆するラミネート加工方法
(通常、PPダイレクトラミネートと呼ばれている)も行
なわれている。
以上説明したような後加工を行なうためにはその前段階
で用いる印刷インキに対し、種々の基材フィルムに対す
る接着性、印刷適性はもとより、それぞれの後加工に対
する適性を具備していることが要求され、しかもこのよ
うな各種適性は印刷インキ等に使用するバインダー樹脂
によって主として決定されるものである。
従来、ポリエステルフィルムに用いる印刷インキとして
は熱可塑性ポリエステル樹脂をバインダーとするものが
用いられ、ナイロンフィルム及びポリエステルフィルム
を対象としては水酸基を有するポリエステル樹脂等と、
イソシアネート化合物との2液タイプの反応型インキが
用いられている。また最近では、ナイロン、ポリエステ
ルその他の基材フィルムに対して広い適性を有するもの
としてポリウレタン樹脂をバインダーとした印刷インキ
も使用されて来ている。
一方、PPダイレクトラミネートが施こされるポリオレフ
ィンに対しては塩素化ポリプロピレンなどの比較的低塩
素化度の塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷
インキが使用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂を用いたもの
は基材フィルムが限定されるばかりか、乾燥性が十分で
なく、ブロッキングの発生など作業性に問題があり、二
液型インキは反応型であるためポットライフが短かく、
作業上に種々の制約を受け、未使用インキの廃棄など経
済的損失がある。
また、ポリウレタン樹脂をバインダーとして用いた印刷
インキ等は、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム
等に対しては十分な接着性を示すが、汎用フィルムであ
るポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムに対
しては未だ十分な接着性がなく、またラミネート加工適
性、特にPPダイレクトラミネート適性が不十分であると
いう問題がある。
一方、塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷イ
ンキ等は、ポリオレフィンフィルムに対しては良好な接
着性を示すが、ナイロンフィルム、ポリエステルフィル
ムに対しては十分な接着性がないため基材フィルムが制
限され、またPPダイレクトラミネート適性は有するもの
のボイル、レトルト適性がなく、用途が制限されてい
る。
上記の如く、従来の印刷インキにおいては、基材フィル
ムが限定され、あるいは基材フィルムに対して汎用性を
有していても接着性が不十分であり、また種々のラミネ
ート加工、もしくはボイル、レトルト加工に対して十分
な適性を有するものではなかった。
それ故現実的には、各種基材フィルム、各種ラミネート
加工またはレトルト加工等の用途に合せて、それぞれに
適したバインダーを含む印刷インキをその都度製造して
いたもので、インキの製造工程、印刷工程あるいはこれ
らのための材料やインキ等の在庫管理上に大きな問題を
有するものであった。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は上記の問題点を解決するため、鋭意研究を
重ねた結果、下記の塩素化ポリプロプレン変性物を発明
した。すなわち、分子量5,000〜500,000、塩素化度20〜
60の塩素化ポリプロピレンの主鎖にエポキシ基含有(メ
タ)アクリレートあるいはエポキシ化ポリブタジエンを
反応させてなる、分子内に少なくとも1個のエポキシ基
を有する塩素化ポリプロピレンのグラフト化物5〜75重
量%と、分子量600〜200,000で、分子中にカルボキシル
基、1級及び2級アミノ基からなる群から選ばれた官能
基を少なくとも1個有するポリウレタン25〜95重量%に
より、エステル結合またはアミン結合を形成せしめて得
られ、かつ、以下の一般式1または2で表される分子構
造を有する塩素化ポリプロピレン変性物: ここで、 ・・・・−CH2−CC1(CH3)−・・・・−CH2−C(C
H3)−・・・・−CH(C1)−CH(CH3)−・・・・ :塩素化ポリプロピレン骨格、 Y :エポキシ基含有(メタ)アクリレートあるいはエ
ポキシ化ポリブタジエンからXおよび一つのエポキシ基
を除いた部分、 Z :−OCO−、−NH−または−N=、 PU:ポリウレタンからエポキシ基と反応したカルボキシ
ル基、1級アミノ基または2級アミノ基を除いた部分で
ある。得られる塩素化ポリプロピレン変性物が各種基材
フィルム、各種ラミネート加工、更にはボイル、レトル
ト加工に対し、広範囲な適性を有する印刷インキまたは
被覆剤のバインダーとして有用であることを見出し、本
発明を完成した。
本発明で使用するポリウレタン樹脂としては分子量600
〜200,000のものが使用でき、1,000ないし150,000のも
のが好ましい。分子量が600未満ではブロッキングが生
じ易くなり、またラミネート適性が不十分となる傾向が
ある。逆に200,000を越えると顔料分散性が低下する傾
向がある。
上記のポリウレタン樹脂を得るにはポリエーテル型及び
/又はポリエステル型ジオール化合物(分子量400〜400
0)、有機ジイソシアネート化合物、後記する鎖伸長
剤、反応停止剤等、従来より公知の各種添加剤を用いて
製造すればよい。
ポリエーテル型ジオールの代表的なものとしてはポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレ
ングリコール類またはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイド付加物などが例示出
来る。
ポリエステル型ジオールの代表的なものとしては、アジ
ピン酸、無水フタール酸、イソフタール酸、マレイン
酸、フマール酸、コハク酸等の二塩基酸とエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
ヘキサンジオール等のグリコール類との縮合反応によっ
て得られるものが挙げられる。
また、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネート
ジオール、ポリブタジエンジオール等もジオール成分と
して挙げることが出来る。
有機ジイソシアネート成分の代表的なものとしては、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジイソ
シアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、水添化キシリレンジイソシアネート、1,4−
シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート等が挙げられる。
なお溶解性に秀れた樹脂が得られるという見地から、イ
ソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネートが
好適である。
鎖延長剤等としてのジアミン類の代表的なものとしては
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タンジアミン等が挙げられ、ジオール類の代表的なもの
としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキシルグリコール等
が挙げられる。
また反応停止剤の代表的なものとしてはn−ブチルアミ
ン、モノエタノールアミン等のモノアミン、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール等のモノアルコー
ルが使用できる。
上記のジオール成分と、ジイソシアネート成分とを反応
せしむるに際し、各成分の割合を考慮する一方、下記の
特別な鎖伸長剤又は反応停止剤を使用することによっ
て、分子中にカルボキシル基、1級及び2級アミノ基か
らなる群から選ばれた官能基を少なくとも1個有するポ
リウレタン樹脂を得ることができる。例えばジオール成
分に対してジイソシアネート成分を過剰に用い、遊離の
イソシアネート基に対してさらにカルボキシル基含有ジ
オール等の鎖伸長剤あるいは、アミノカルボン酸等の反
応停止剤を反応させて得られる。なお、カルボシキシル
基含有ジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、
トリオールと酸無水物との1対1付加物が例示され、ア
ミノカルボン酸としては、グリシン、アラニン、ロイシ
ン等が例示出来る。またアミノ基を導入する方法とし
て、遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンを合
成し、これに鎖伸長剤であるジアミンを過剰に反応させ
ることができる。
上記の反応に際して使用される溶剤としては、通常、印
刷インキ等の溶剤として他用されるベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶剤の単独あるいは混合
溶剤が挙げられるが、作業環境の見地からエステル系溶
剤、アルコール系溶剤の単独もしくは混合溶剤が最適で
ある。
本発明の塩素化ポリプロピレン変性物の製造原料である
エポキシ基を有する塩素化ポリプロピレンを得るには、
市販の塩素化ポリプロピレンに対して、グリシジルメタ
クリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート更
にはラジカル反応性不飽和二重結合を残存し、それら化
合物を含有するオリゴマーもしくはポリマーあるいは、
エポキシ化ポリブタジエン等を従来公知の方法を用いて
反応させることによって可能である。また、ラジカル反
応性不飽和二重結合を残存するオリゴマーもしくはポリ
マーとしては、上記化合物の二量化物、三量化物もしく
は上記化合物と付加重合するような他のビニルモノマー
との重合物が挙げられる。それらビニルモノマーとして
は、(メタ)アクリル酸等のα・β不飽和カルボン酸と
各種アルコール類との反応により得られるアルキルエス
テル、ジアルキルエステル等が例示される。エポキシ基
含有塩素化ポリプロピレンの分子量としては5,000〜50
0,000のものが使用でき7,000〜300,000のものが好まし
い。分子量が5,000未満ではブロッキングが生じ易くな
り、またラミネート適性が不十分となる傾向がある。ま
た、分子量が500,000を越えると溶解性が問題となって
くる。
但し、塩素化ポリプロピレンの塩素化度が20以下である
と有機溶剤に対する溶解度が低下し、逆に60以上では変
性物となってから、ポリオレフィンフィルムや他の合成
樹脂製品に対する密着性が低下するから、塩素化ポリプ
ロピレンとして、塩素化度が20ないし60のものが用いら
れ、25ないし45の範囲のものがさらに好ましい。
そして本発明の塩素化ポリプロピレン変性物を得るに
は、エポキシ基含有塩素化ポリプロピレンと官能基含有
ポリウレタンを5/95〜75/25の範囲、より好ましくは15/
85〜50/50の重量比の範囲内で混合して反応させること
が必要である。塩素化ポリプロピレンの含有量が5%未
満であると、ポリオレフィンへの密着性が低下し、75%
を越えると、ポリエステル、ナイロン等に対する密着性
またはボイル、レトルト適性が低下するからである。
上記の反応径路を模式化すると下記の式によって示すこ
とができる。
上記の如く、本発明の塩素化ポリプロピレン変性物にお
いては主骨格である塩素化ポリプロピレンのペンダント
であるエポキシ基にポリウレタンのNH,−NH2または−
COOHが作用し、目的の機能性を有する分子構造となって
いる。
以上のようにして得られた塩素化ポリプロピレン変性物
を使用して印刷インキあるいはコーティング剤等を製造
する場合には、該塩素化ポリプロピレン変性物に各種の
顔料及び前記溶剤を加えて練肉、分散し、必要に応じて
ブロッキング防止剤、可塑剤等の添加剤、あるいは相溶
性を有する硝化綿、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプ
ロピレン、塩素化エチレン/プロピレン等の塩素化ポリ
オレフィンまたはクロルスルホン化ポリオレフィン、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体またはその塩素化もしくは
クロルスルホン化物、マレイン酢樹脂または塩ビ/酢ビ
共重合体等の樹脂を併用することができる。
[実施例] 以下、実施例を用い、具体的に説明するが、本発明はそ
れに限定されるものではない。
ポリウレタン樹脂合成例1 撹拌基、温度計、ジムロート、窒素ガス導入管を付した
四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート44.4部
及びアジピン酸と1,4ブタンジオールから合成された分
子量2,000のポリエステルジオール200部を仕込み、窒素
ガスを導入しながら数時間反応させる。更にジメチロー
ルプロピオン酸6.7部を仕込み、数時間反応させ、冷却
後、トルエン155部、メチルエチルケトン103部を加えた
後、n−ブチルアミン7.3部を加えて反応を停止せしめ
ポリウレタン樹脂溶液(1)を得た。
ポリウレタン樹脂合成例2 合成例1と同様の装置を使用し、分子量2,000のポリブ
チレンアジペートジオール200部、イソホロンジイソシ
アネート44.4部、1,4−ブタンジオール4.5部、n−ブチ
ルアミン2.92部、エチレンジアミン3.6部、トルエン154
部、メチルエチルケトン103部を仕込み、合成例1と同
様に反応せしめてポリウレタン樹脂溶液(2)を得た。
ポリウレタン樹脂合成例3 合成例1と同様の装置を使用し、分子量2,000のポリブ
チレンアジペートジオール200部、イソホロンジイソシ
アネート44.4部、1,4−ブタンジオール4.5部、n−ブチ
ルアミン7.3部、トルエン154部、メチルエチルケトン10
3部を仕込み、合成例1と同様に反応せしめ、ポリウレ
タン樹脂溶液(3)を得た。
実施例1 撹拌機、温度計、ジムロート、窒素ガス導入管を付した
四つ口フラスコ中で、上記のようにして得たポリウレタ
ン樹脂溶液(1)500部と、エポキシ化塩素化ポリプロ
レン樹脂(塩素化度27.7、エポキシ基1.2個/分子)の3
0%トルエン溶液210部とを混合し、90℃で6時間反応さ
せ、冷却後、トルエン68部、メチルエチルケトン265部
を加えて、目的とする塩素化ポリプロピレン変性物の樹
脂溶液Aと得た。この樹脂中のポリウレタン(PU)と塩
素化ポリプロピレン(Cl−PP)との重量比率はPU/Cl−P
P≒80/20であった。
実施例2〜7 実施例1と同様の反応条件を用いて下記の配合組成によ
りそれぞれ樹脂溶液B〜Gを得た。
なお、塩素化ポリプロピレン樹脂としては、すべて30%
樹脂トルエン溶液を使用した。
樹脂溶液B(実施例2) ポリウレタン樹脂溶液(1) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(Cl化度27.7、エポキ
シ基1.2個/分子) 833部 トルエン 84部 メチルエチルケトン 250部 PU/Cl−PP=50/50 樹脂溶液C(実施例3) ポリウレタン樹脂溶液(1) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(Cl化度34、エポキシ
基11.2個/分子) 210部 トルエン 68部 メチルエチルケトン 265部 PU/Cl−PP=80/20 樹脂溶液D(実施例4) ポリウレタン樹脂溶液(2) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(Cl化度27.7、エポキ
シ基1.2個/分子) 357部 トルエン 16部 メチルエチルケトン 317部 PU/Cl−PP=70/30 樹脂溶液E(実施例5) ポリウレタン樹脂溶液(2) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(Cl化度34、エポキシ
基1.2個/分子) 357部 トルエン 16部 メチルエチルケトン 317部 PU/Cl−PP=70/30 樹脂溶液F(実施例6) ポリウレタン樹脂溶液(2) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(塩素化度45、エポキ
シ基1.2個/分子) 357部 トルエン 16部 メチルエチルケトン 317部 PU/Cl−PP=70/30 樹脂溶液G(実施例7) ポリウレタン樹脂溶液(2) 400部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(塩素化度60、エポキ
シ基1.2個/分子) 545部 トルエン 8部 メチルエチルケトン 260部 PU/Cl−PP=55/45 比較例1 下記の配合割合の原料を用い、実施例1と同様の反応条
件によりそれぞれ樹脂溶液Hを得た。なお、比較例1は
塩素化ポリプロピレンの重量比の高い場合を示す。
樹脂溶液H(比較例1) ポリウレタン樹脂溶液(1) 100部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(塩素化度27.7、エポ
キシ基1.2個/分子) 666部 トルエン 67部 メチルエチルケトン 317部 PU/Cl−PP=20/80 評価試験1 実施例1〜7、比較例1で得た樹脂溶液A〜Hのそれぞ
れ30部とイソプロピルアルコール25部に対し、白色イン
キでは酸化チタン30部、酢酸エチル20部を、また青色イ
ンキでは、シアニンブルー顔料10部、酢酸エチル35部を
加えて練肉し、それぞれの印刷インキを製造した。
次に上記の印刷インキにつき、各種フィルムに対する接
着性、顔料分散性、ラミネート適性、ボイル適性、レト
ルト適性を評価し、その結果を表−2に示した。
なお、各評価方法は次の通りである。
1)接着性 各試験インキを用い、グラビア校正機で所定のフィルム
に印刷したものを1日放置後、印刷面にセロテープをは
りつけ、これを急速にはがしたとき、印刷皮膜の全くは
がれなかったものを◎、80%以上フィルムに残ったもの
を○、50〜80%残ったものを△、20%以下にとヾまった
ものを×として表示した。
2)顔料分散性 印刷物の発色性、透明性及び濃度につき、最も優れたも
のを◎、印刷に支障のない程度のものを○、十分でない
ものを△、適性のないものを×として評価した。
3)押し出しラミネート強度 各印刷物に延伸ポリプロピレン(OPP)についてはイミ
ン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン
(NY)にはイソシアネート系のAC剤を使用し、押し出し
ラミネート機によって溶融ポリエチレンを積層し、3日
後、試料を15mm幅に切断し、安田精機社製剥離試験機に
てT型剥離強度を測定した。
4)ドライラミネート強度 各印刷物にウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネー
ト機によってCPP(無延伸ポリプロピレン)フィルムを
積層し、3日後押し出しラミネート強度の測定と同様の
方法で剥離強度を測定した。
5)ボイル適性及びレトルト適性 ラミネート加工後、印刷物を製袋し、内部に水/油の混
合物を入れ、密封後、ボイル適性については90℃/30分
間、レトルト適性については120℃/30分間加熱した後、
ラミ浮きの有無を外観から判断した。全くラミ浮きのな
いものを○、ピンホール状にラミ浮きの認められるもの
を△、全面デラミネーションが生じたものを×として評
価した。
6)PPダイレクトラミネート適性 OPP印刷物について押し出しラミネート機によって、直
接溶融ポリプロピレンを積層し、2日後、押し出しラミ
ネート強度の測定と同様の方法で剥離強度を測定した。
評価試験2 下記混合物からなる樹脂溶液I〜Mを調製し、実施例8
〜9、比較例2〜4として、各樹脂溶液の安定性を評価
した。調製後5日経過しても分離あるいはゲル化等を生
ぜす、安定なものを○、そうでないものを×として表1
に示した。なおI,J,M及びポリウレタン樹脂溶液(3)
(比較例5)についての評価試験1の結果を表−2に併
記した。
樹脂溶液I(実施例8) ポリウレタン樹脂溶液(3) 500部 樹脂溶液B 833部 トルエン 84部 メチルエチルケトン 250部 PU/Cl−PP=75/20 樹脂溶液J(実施例9) ポリウレタン樹脂溶液(3) 500部 樹脂溶液B 624部 塩素化ポリプロピレン(塩素化度30、30%トルエン溶
液) 208部 PU/Cl−PP=70/30 樹脂溶液K(比較例2) ポリウレタン樹脂溶液(3)(末端アルキル) 500部 塩素化ポリプロピレン(塩素化度30、30%トルエン溶
液) 833部 トルエン 84部 メチルエチルケトン 250部 PU/Cl−PP=50/50 樹脂溶液L(比較例3) ポリウレタン樹脂溶液(3) 500部 エポキシ化塩素化ポリプロピレン(塩素化度27.7、エポ
キシ基1.2個/分子) 357部 トルエン 183部 メチルエチルケトン 150部 PU/Cl−PP=70/30 樹脂溶液M(比較例4) 塩素化ポリプロピレン(塩素化度29.5) 7.5部 塩素化エチレン−酢酸ビニル 共重合体(酢酸ビニル9モル%、塩素化度27)22.5部 トルエン 56部 メチルエチルケトン 17部 [発明の効果] 以上、実施例で示したとおり、本発明で得られた塩素化
ポリプロピレン変性物は印刷インキ用のバインダー樹脂
として有用なものであり、特に1)ポリオレフィンフィ
ルムをはじめ、ポリエステルフィルム、ナイロンフィル
ム等広範なプラスチックフィルムに対する接着性、2)
顔料分散性、3)貯蔵安定性、4)ラミネート加工適
性、特にポリプロピレンダイレクトラミネート加工適
性、5)ボイル、レトルト等の後加工に対する適性など
すぐれた特性を有するものである。
また本発明の塩素化ポリプロピレン変性物が各種プラス
チックに対して優れた接着性を有することから、種々の
プラスチック製品、例えば合成皮革、自動車用バンパー
など種々の合成樹脂成形品の装飾、保護用のコーティン
グ剤または接着剤としても適用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加野 仁紀 大阪府大阪市北区東天満2丁目6番2号 南森町中央ビル内 サカタインクス株式会 社内 (72)発明者 井上 隆彦 大阪府大阪市北区東天満2丁目6番2号 南森町中央ビル内 サカタインクス株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量5,000〜500,000、塩素化度20〜60の
    塩素化ポリプロピレンの主鎖にエポキシ基含有(メタ)
    アクリレートあるいはエポキシ化ポリブタジエンを反応
    させてなる、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有
    する塩素化ポリプロピレンのグラフト化物5〜75重量%
    と、分子量600〜200,000で、分子中にカルボキシル基、
    1級及び2級アミノ基からなる群から選ばれた官能基を
    少なくとも1個有するポリウレタン25〜95重量%によ
    り、エステル結合またはアミン結合を形成せしめて得ら
    れ、かつ、以下の一般式1または2で表される分子構造
    を有する塩素化ポリプロピレン変性物: ここで、 ・・・・−CH2−CC1(CH3)−・・・・−CH2−C(C
    H3)−・・・・−CH(C1)−CH(CH3)−・・・・ :塩素化ポリプロピレン骨格、 Y :エポキシ基含有(メタ)アクリレートあるいはエポ
    キシ化ポリブタジエンからXおよび一つのエポキシ基を
    除いた部分、 Z :−OCO−、−NH−または−N=、 PU:ポリウレタンからエポキシ基と反応したカルボキシ
    ル基、1級アミノ基または2級アミノ基を除いた部分。
  2. 【請求項2】分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有
    する塩素化ポリプロピレンの分子量が、7,000〜300,000
    の範囲内にある、請求項1記載の変性塩素化ポリプロピ
    レン変性物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の塩素化ポリプロピレン変性
    物を、主たるバインダー樹脂として含有する事を特徴と
    する、プラスチックフィルム、プラスチックシートまた
    は合成樹脂成形品用の印刷インキ組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の塩素化ポリプロピレン変性
    物を、主たるバインダー樹脂として含有する事を特徴と
    する、プラスチックフィルム、プラスチックシートまた
    は合成樹脂成形品用の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の塩素化ポリプロピレン変性
    物を、主たるバインダー樹脂として含有する事を特徴と
    する、プラスチックフィルム、プラスチックシートまた
    は合成樹脂成形品用の塗料組成物。
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