JP2640176B2 - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

印刷インキ用バインダー

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JP2640176B2
JP2640176B2 JP31671790A JP31671790A JP2640176B2 JP 2640176 B2 JP2640176 B2 JP 2640176B2 JP 31671790 A JP31671790 A JP 31671790A JP 31671790 A JP31671790 A JP 31671790A JP 2640176 B2 JP2640176 B2 JP 2640176B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は印刷インキ用バインダーに関する。さらに詳
しくはプラスチックフィルム、プラスチックシート又は
合成樹脂成形品用の被覆剤として特に有用な印刷インキ
用バインダーに関する。
【従来の技術】
近年、被包装物の多様化、包装技術の高度化に伴な
い、包装材料として各種のプラスチックフィルムが開発
され、被包装物に適したものが適宜選択して使用される
ようになってきている。また、プラスチックフィルムを
包装材料に使用するにあたってはプラスチックフィルム
の装飾または表面保護のために印刷が施されるが、かか
る印刷のための印刷インキには、これら種々のプラスチ
ックフィルムに対する高度な性能、品質が要求されるよ
うになってきている。 とりわけ、印刷インキに関しては包装容器の美粧化、
高級化のために各種複合フィルムに対する幅広い接着
性、更にはラミネート加工適性、ボイル適性、レトルト
適性等の各種後加工適性が必要になってきている。 一般に、プラスチックフィルム等にはグラビア印刷、
フレキソ印刷等の方式が用いられるが包装材料としての
フィルム印刷の場合には多くが巻き取り方式であるた
め、印刷インキに速乾性が要求される。また、食品用の
包装として使用する場合は特に残留溶剤の少ないことが
要求される。 また、包装材料の高性能化のため、印刷後にドライラ
ミネート加工、エクストルージョンラミネート加工を施
すことがある。特にポリエステルやナイロン等のフィル
ムはその強度や気密性が他のフィルムに優っていること
を利用して、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフ
ィルム等でラミネート加工するが、この場合ドライラミ
ネート加工にはウレタン系等の接着剤を使用し、エクス
トルージョンラミネート加工の場合はアンカーコート剤
を使用する。さらに中間にアルミニウム箔を介在させる
こともあり、ボイル、レトルト加工が可能な包装材料と
することもある。また、レトルト加工までの強度は要求
されないが透明基材をベースとした包装材分野において
は延伸ポリプロピレン(OPP)を基材フィルムとし、ア
ンカーコート剤は用いずに、直接、溶融ポリプロピレン
で被覆するラミネート加工方法(PPダイレクトラミネー
ト)も行われている。 かかる後加工を行うためにはその前段階で用いる印刷
インキに対し、種々の基材フィルムに対する接着性、印
刷適性はもとより、それぞれの後加工に対する適性を具
備していることが要求され、このような各種適性は印刷
インキに使用するバインダーによって主に決定される。 従来、ポリエステルフィルムに用いる印刷インキとし
ては熱可塑性ポリエステル樹脂をバインダーとするもの
が用いられ、ナイロンフィルムおよびポリエステルフィ
ルムを対象とする場合には水酸基を有するポリエステル
樹脂とイソシアネート化合物との2液タイプの反応型イ
ンキが用いられている。また、最近ではナイロン、ポリ
エステルその他の基材フィルムに対して広い適性を有す
るものとしてポリウレタンをバインダーとした印刷イン
キも使用されている。 一方、PPダイレクトラミネートが施されるポリオレフ
ィンに対しては塩素化ポリプロピレン等の比較的低塩素
化度の塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷イ
ンキが使用されている。 しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂を用いた印
刷インキは基材フィルムが限定されるばかりか、乾燥性
が充分でなく、ブロッキング発生等作業性に問題があ
り、2液型インキは反応型であるためポットライフが短
く、作業上に種々の制約を受け、未使用インキの廃棄等
の経済的損失がある。 また、ポリウレタンをバインダーとする印刷インキは
ポリエステルフィルムやナイロンフィルムに対しては単
独で優れた接着力を有するが、汎用フィルムであるポリ
エチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオ
レフィンフィルムに対しては充分な接着力がなく、また
ラミネート加工適性、特にPPダイレクトラミネートが不
十分であるという問題がある。 一方、塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷
インキはポリオレフィンフィルムに対しては良好な接着
力を示すが、ポリエステルフィルムやナイロンフィルム
に対しては充分な接着力がないため基材フィルムが制限
され、またPPダイレクトラミネート適性は有するものの
ボイル適性、レトルト適性がなく、用途が制限されてい
る。 また、近時、塩素化ポリオレフィンあるいはヒドロキ
シル基やカルボキシル基が付与された変性塩素化ポリオ
レフィンとポリウレタンとの混合物をバインダーとする
印刷インキが知られているものの、併用樹脂成分の相溶
性が充分でなく、インキ性能も改良の余地がある。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリウレタン樹脂の特長である被印刷物と
してのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの各種プラスチックフィルムに対する優れ
た接着性、ラミネート加工適性、ボイル加工適性、レト
ルト加工適性と、塩素化ポリプロピレンの特長であるダ
イレクト・ラミネート適正とを同時に有する印刷インキ
用バインダーを提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討
を重ねた結果、分子中に特定の極性基を付与してなる変
性塩素化ポリプロピレンと、ポリウレタン樹脂からなる
混合物を主成分とする印刷インキ用バインダーが前記従
来技術の課題をことごとく解決しうることを見出し本発
明を完成するに至った。 すなわち本発明は、 ラジカル発生剤の存在下に、1個のエチレン性不飽和
結合と少なくとも1個の3級アミノ基または4級アンモ
ニウム塩基とを分子中に有するモノマー(a−1)、そ
の他のエチレン性不飽和モノマー(a−2)および塩素
化ポリプロピレンを反応せしめてなる変性塩素化ポリプ
ロピレン(b−1)、ならびにポリウレタン樹脂からな
る混合物を主成分として含有することを特徴とする印刷
インキ用バインダー、 ラジカル発生剤の存在下に、1個のエチレン性不飽和
結合と少なくとも1個の3級アミノ基とを分子中に有す
るモノマー(a−3)、その他のエチレン性不飽和モノ
マー(a−2)および塩素化ポリプロピレンを反応さ
せ、ついで4級化せしめてなる変性塩素化ポリプロピレ
ン(b−2)、ならびにポリウレタン樹脂からなる混合
物を主成分として含有することを特徴とする印刷インキ
用バインダーに関する。 本発明バインダー中の構成成分である前記変性塩素化
ポリプロピレン(以下、変性塩素化PPという)(b−
1)は、ラジカル発生剤の存在下に、塩素化ポリプロピ
レン(以下、塩素化PPという)と前記モノマー(a−
1)および(a−2)とを公知の方法で反応させること
により製造しうる。前記変性塩素化PP(b−2)は、ラ
ジカル発生剤の存在下に、塩素化PPと前記モノマー(a
−3)および(a−2)とを公知の方法で反応させ、更
に4級化剤により4級化せしめることにより製造しう
る。 ここに、原料である塩素化PPの塩素化度は通常20〜60
であるのがよく、特に好ましくは25〜45である。20未満
では有機溶剤に対する溶解度が低下し、60を越えると変
性塩素化PPとしたばあいにポリオレフィンや他の合成樹
脂に対する密着性が低下する。また原料塩素化PPの数平
均分子量は通常3000〜300000程度とされる。 前記モノマー(a−1)、すなわち1個のエチレン性
不飽和結合と少なくとも1個の3級アミノ基または4級
アンモニウム塩基とを分子中に有するモノマーとして
は、特に制限はされず各種公知の含窒素アクリレートも
しくは該メタクリレート類を使用でき、その具体例とし
てはN,N−ジメチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、アク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウム
クロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルモノベ
ンジルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−
アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、これらに対応する各種メタクリレートなどを
挙げることができる。また、1個のエチレン性不飽和結
合と少なくとも1個の3級アミノ基とを分子中に有する
モノマー(a−3)としては、前記モノマー(a−1)
のうちの3級アミノ基含有モノマーがそのまま該当す
る。 その他のモノマー(a−2)としては、炭素数1〜18
のアルキルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどの水
酸基含有モノマー、これらに対応する各種メタクリレー
ト、アクリロニトリル、スチレンなどの各種エチレン性
不飽和モノマーが該当する。 変性塩素化PP(b−2)の製造に使用する4級化剤と
しては、特に制限はされず各種公知の4級化剤をそのま
ま使用でき、その具体例としては塩化メチル、ヨウ化メ
チル、臭化エチルなどのアルキルハライド、塩化ベンジ
ルなどのアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル
硫酸などのジアルキル硫酸、エピクロルヒドリンなどの
エポキシ化合物などを例示できる。 前記変性塩素化PP(b−1)の構成成分である塩素化
PPとモノマー(a−1)およびモノマー(a−2)との
仕込重量比率は次式1および式2を同時に満足するのが
好ましい。 同様に前記変性塩素化PP(b−2)の構成成分である
塩素化PPとモノマー(a−2)およびモノマー(a−
3)との仕込重量比率は下式3および式4を同時に満足
するのがよい。 上記式1または式3の値が0.1未満の場合や上記式2
または式4の値が0.5未満の場合には、いずれも得られ
る変性塩素化PPのポリウレタン樹脂に対する相溶性が低
下する傾向がある。また、上記式1または式3の値が70
を越える場合にはダイレクトラミネート適性が低下する
傾向がある。 上記変性時の反応温度は通常30〜150℃程度、反応時
間は通常1〜20時間とされる。 こうして得られる変性塩素化PPの数平均分子量は通常
3100〜300000、好ましくは3500〜100000である。3100未
満では耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、また30
0000を越えるとポリウレタンとの相溶性が十分でなくな
るため好ましくない。 本発明バインダーの他の構成成分であるポリウレタン
樹脂としては、特に制限はなく各種公知のポリウレタン
樹脂をそのまま使用しうる。 該ポリウレタン樹脂中の高分子ポリオール成分として
は、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒ
ドロフラン等の重合体もしくは共重合体等のポリエーテ
ルポリオール類;エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペン
タンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチ
ンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和および不
飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチル
グリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエ
ーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティ
ック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジ
ルエステル類、ダイマー酸を還元して得られるダイマー
ジオールと、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、し
ゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれ
らに対応する酸無水物やダイマー酸などとを脱水縮合せ
しめてえられるポリエステルポリオール類;環状エステ
ル化合物を開環重合してえられるポリエステルポリオー
ル類;その他ポリカーボネートポリオール類、ポリブタ
ジエングリコール類、ビスフェノールAに酸化エチレン
もしくは酸化プロピレンを付加してえられたグリコール
類等の一般にポリウレタンの製造に用いられる各種公知
の高分子ポリオールがあげられる。 なお、前記高分子ポリオール成分のうちグリコール類
と二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場合に
は、該グリコール類のうち5モル%までは以下の各種ポ
リオールに置換することができる。たとえばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオー
ル、ソルビトール、ペンタエリスリトール等があげられ
る。 前記高分子ポリオール成分の数平均分子量は、得られ
るポリウレタンの溶解性、乾燥性、耐ブロッキング性等
を考慮して適宜決定され、通常は700〜10000程度、好ま
しくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。数平均分子
量が700未満になると溶解性の低下に伴ない印刷適性が
低下する傾向があり、また10000を越えると乾燥性及び
耐ブロッキング性が低下する傾向がある。 前記ポリウレタン樹脂の製造に用いるジイソシアネー
ト化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公
知のジイソシアネート類を使用することができる。たと
えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジ
メチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイ
ソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシア
ネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブ
タン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレ
ンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリ
レンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基を
イソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート
等がその代表例としてあげられる。 鎖伸長剤成分としては、各種公知のものを使用するこ
とができる。たとえばエチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジ
シクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミンなどがあげら
れる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2
−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロ
キシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピ
ルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類お
よび前記したポリエステルジオールの項で説明した低分
子グリコールやダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基
に転化したダイマージアミン等もその代表例としてあげ
られる。 更には鎖長停止剤を用いることもできる。かかる鎖長
停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン等の
ジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール類があげられる。 前記ポリウレタン樹脂を製造する方法としては、まず
高分子ポリオール成分とジイソシアネート化合物とを、
イソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオ
ールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを
調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤及び必要
により鎖長停止剤と反応させる二段法ならびに高分子ポ
リオール成分、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤及び
必要により鎖長停止剤を、適当な溶媒中で一度に反応さ
せる一段法のいずれの方法をも採用しうるが、均一なポ
リマー溶液をうる目的には前者方法が好ましい。これら
製造法において、使用される溶剤としては通常、印刷イ
ンキ用の溶剤としてよく知られているベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系溶剤を単独または混合して使用できる。 ポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、プレポリ
マーと鎖伸長剤および必要に応じて鎖長停止誌剤とを反
応させる際の条件については特に限定はされないが、プ
レポリマーの末端に有する遊離のイソシアネート基を1
当量とした場合に、鎖伸長剤中のイソシアネート基と反
応しうる活性水素の合計当量が0.5〜2.0当量の範囲内で
あるのがよく、特に活性水素含有基がアミノ基の場合に
は0.5〜1.3当量の範囲であるのが好ましい。前記活性水
素が0.5当量未満の場合、乾燥性、耐ブロッキング性、
皮膜強度が充分でなく、前記活性水素が2.0当量より過
剰になった場合には、鎖伸長剤が未反応のまま残存する
可能性があり好ましくない。 かかるポリウレタン樹脂の数平均分子量は、得られる
印刷インキの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度、耐
油性、粘度等を考慮して適宜決定されるが、通常は5000
〜100000の範囲とするのがよい。 本発明のバインダーにおいて、前記変性塩素化PPとポ
リウレタン樹脂との使用割合は、順に5/95〜60/40程
度、好ましくは10/90〜50/50の範囲内とされる。変性塩
素化PP成分の含有量が5重量%未満であると、ダイレク
ト・ラミネート適性が低下し、また60重量%を越えると
ポリエステル、ナイロンなどに対する密着性、ボイル・
レトルト適性が低下する。 また、本発明のバインダー樹脂溶液の樹脂固形分濃度
は特に制限はされないが、印刷時の作業性等を考慮して
適宜決定すればよく、通常は15〜60重量%、粘度は50〜
100000cP/25℃の範囲で調整するのが事用上好適でる。 また、本発明バインダーの性能を逸脱しない限り、硝
化綿、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩
素化エチレン/プロピレン等の塩素化ポリオレフィン、
クロルスルホン化ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体もしくはその塩化物もしくはクロルスルホン
化物またはマレイン酸樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体等の樹脂を併用することもできる。 かくして得られた本発明のバインダーは着色剤、溶
剤、さらに必要に応じてインキ流動性およびインキ表面
皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他添
加剤を適宜配合しボールミル、アトライター、サンドミ
ル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することによ
り印刷インキ組成物を製造することができる。なお、印
刷インキ組成物中の本発明のバインダーの配合量は印刷
インキ組成物中、その樹脂固形物が3〜20重量%になる
うに配合するのが好ましい。
【発明の効果】
本発明によれば被印刷物としてのポリエステル、ナイ
ロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラス
チックフィルムのいずれに対しても優れた接着性、ラミ
ネート加工適性、ダイレクト・ラミネート加工適性、ボ
イル加工適性、レトルト加工適性を有する印刷インキ用
バインダーを提供することができる。
【実施例】
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。尚、部および%は重量基準である。 製造例1(変性塩素化PPの合成) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を
備えた四ツ口フラスコに、塩素化ポリプロピレン(数平
均分子量20000、塩素化度30%)の50%トルエン溶液100
0部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート1部、
メチルメタクリレート5部、過酸化ベンゾイル2部を仕
込み、80℃で5時間反応させ、樹脂固形分濃度は51%の
変性塩素化PPの樹脂溶液Aを得た。 製造例2 製造例1と同様の反応装置に、塩素化ポリプロピレン
(数平均分子量10000、塩素化度35%)の50%トルエン
溶液1000部、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト10部、ブチルアクリレート500部、過酸化ベンゾイル
1部を仕込み、80℃で5時間反応させた後、塩化ベンジ
ル5部およびトルエン490部を添加し、更に2時間反応
させ、樹脂固形分濃度50.5%の変性塩素化PPの樹脂溶液
Bを得た。 製造例3 製造例1と同様の反応装置に、塩素化ポリプロピレン
(数平均分子量10000、塩素化度30%)の50%トルエン
溶液1000部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト50部、スチレン2部、過酸化ベンゾイル2部を仕込
み、80℃で5時間反応させ、樹脂固形分濃度は52%の変
性塩素化PPの樹脂溶液Cを得た。 製造例4 製造例1において、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレートに代え、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トを使用した他は同様に反応を行い、樹脂固形分濃度51
%の変性塩素化PPの樹脂溶液Dを得た。 製造例5 製造例2において、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレートに代え無水マレイン酸を使用したこと、およ
び4級化工程を除いたこと以外は同様に反応を行い、樹
脂固形分濃度50.5%の変性塩素化PP樹脂溶液Eを得た。 製造例6(ポリウレタン樹脂の合成) 製造例1と同様の反応装置に、アジピン酸と1,6−ヘ
キサンジオールから得られた数平均分子量2000のポリエ
ステルジオール1000部とイソホロンジイソシアネート22
2部を仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊
離イソシアネート含量3.43%のプレポリマーを製造した
後、メチルエチルケトン815部を加えてウレタンプレポ
リマーの均一溶液とした。次いでイソホロンジアミン7
4.8部、ジ−n−ブチルアミン15.2部、トルエン1093
部、メチルエチルケトン497部およびイソプロピルアル
コール656部からなる混合物に前記ウレタンプレポリマ
ー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させ、樹脂固
形分濃度30%、数平均分子量22000のポリウレタン樹脂
溶液Fを得た。 製造例7 製造例1と同様の反応装置に、数平均分子量2000のポ
リカプロラクトンジオール1000部とイソホロンジイソシ
アネート200部を仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反
応させ、遊離イソシアネート含量2.63%のプレポリマー
を製造した後、メチルエチルケトン800部を加えてウレ
タンプレポリマーの均一溶液とした。次いでイソホロン
ジアミン63.0部、ジ−n−ブチルアミン5.7部、トルエ
ン800部、メチルエチルケトン360部およびイソプロピル
アルコール980部からなる混合物に前記ウレタンプレポ
リマー溶液2000部を添加し、50℃で3時間反応させ、樹
脂固形分濃度30%、数平均分子量30000のポリウレタン
樹脂溶液Gを得た。 実施例1〜4及び比較例1〜4 下記第1表のように変性塩素化PP溶液とポリウレタン
樹脂溶液を所定量使用し、更にトルエンを加え、不揮発
分30%のバインダーを調整し、後述のインキ調製に供し
た。 なお、比較例1および2は混合液の経日安定性が不良
で、樹脂溶液の分離現象が生じたため、インキ化を行わ
なかった。 (印刷インキの調製) チタン白(ルチル型) 30部 第1表記載のバインダー樹脂溶液 40部 トルエン 15部 イソプロピルアルコール 15部 からなる組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで
練肉して白色印刷インキを調製した。えられた混合物10
0部に、トルエン35部及びイソプロピルアルコール15部
を加えて粘度を調整し第1表に示すような6点の白色印
刷インキを調製した。 えられた6点の白色印刷インキを、版深30μmのグラ
ビア版を備えた簡易グラビア印刷機により厚さ15μmの
コロナ放電処理ポリプロピレンフィルム(OPP)の放電
処理面、厚さ11μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(PET)の片面、および厚さ15μmのコロナ放電処
理ナイロンフィルム(NY)の放電処理面に印刷して、40
〜50℃で乾燥し、印刷フィルムを得た。 接着性 上記印刷物を1日放置後、印刷面にセロファンテープ
を貼り付け、これを急速に剥したときの印刷皮膜の外観
を観察評価した。評価結果は第2表に示した。 ◎−−−−全く剥れなかった。 ○−−−−印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。 △−−−−印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。 ×−−−−印刷皮膜の50%以下がフィルムに残った。 押し出しラミネート強度 上記各印刷物にOPPについてはイミン系、PET、NYにつ
いてはイソシアネート系のアンカーコート剤を使用し、
押し出しラミネート機によって、溶融ポリエチレンを積
層し、3日後試料を15mm幅に切断し、T型剥離強度を測
定した。評価結果は第2表に示した。 PPダイレクトラミネート強度 上記各OPP印刷物について押し出しラミネート機によ
って、直接溶融ポリプロピレンを積層し、2日後、と
同様の方法で剥離強度を測定した。評価結果は第2表に
示した。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル発生剤の存在下に、1個のエチレ
    ン性不飽和結合と少なくとも1個の3級アミノ基または
    4級アンモニウム塩基とを分子中に有するモノマー(a
    −1)、その他のエチレン性不飽和モノマー(a−2)
    および塩素化ポリプロピレンを反応せしめてなる変性塩
    素化ポリプロピレン(b−1)、ならびにポリウレタン
    樹脂からなる混合物を主成分として含有することを特徴
    とする印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】ラジカル発生剤の存在下に、1個のエチレ
    ン性不飽和結合と少なくとも1個の3級アミノ基とを分
    子中に有するモノマー(a−3)、その他のエチレン性
    不飽和モノマー(a−2)および塩素化ポリプロピレン
    を反応させ、ついで4級化せしめてなる変性塩素化ポリ
    プロピレン(b−2)、ならびにポリウレタン樹脂から
    なる混合物を主成分として含有することを特徴とする印
    刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】前記変性塩素化ポリプロピレン(b−1)
    において、塩素化ポリプロピレンとモノマー(a−1)
    およびモノマー(a−2)との仕込重量比率が下式1お
    よび式2を満足する請求項1記載の印刷インキ用バイン
    ダー。
  4. 【請求項4】前記変性塩素化ポリプロピレン(b−2)
    において、塩素化ポリプロピレンとモノマー(a−2)
    およびモノマー(a−3)との仕込重量比率が下式3お
    よび式4を満足する請求項2記載の印刷インキ用バイン
    ダー。
  5. 【請求項5】前記変性塩素化ポリプロピレンの数平均分
    子量が3100〜300000である請求項1または2記載の印刷
    インキ用バインダー。
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