JP6814905B1 - 溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法および積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
最近では、溶剤の排出量を削減などにより環境負荷を低減しようとする試みがなされ、印刷会社の取り組みとして、グラビア版のセルを浅く(浅版化)し、印刷をすることにより使用するインキ量を減らすことによって、蒸発する溶剤を削減する試みもされている。
したがって、環境負荷を増加させずに「環境にやさしい」パッケージとしてアピールでき、フィルム用の包装材に使用できる溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が望まれていた。
(1)フィルム基材層を準備する工程と、
下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート(III)、ならびに鎖伸長剤(IV)とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含む印刷物の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする印刷物の製造方法、
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
(2)前記ポリエーテルポリオール(II)が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の印刷物の製造方法、
(3)フィルム基材層を準備する工程と、
該フィルム基材層の一方に、下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
前記グラビア印刷層上にラミネート層を作成する工程と、を含む積層体の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする積層体の製造方法、
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
に関するものである。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)が10/0〜6/4である。
条件(ii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、35〜65質量%含有する。
条件(iii):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、8〜23質量%含有する。
前記特定のアミン価と重量平均分子量とを有し、特定の条件により反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、混合、分散する工程(2)とを含む製造方法により作製された溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、固形分濃度の高いハイソリッドでありながら、インキ安定性が良好で、積層体のラミネート適性、耐レトルト性が良好なバランスの良いものとなる。
酸価は、1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/gより大きいと、得られるポリウレタンウレア樹脂のワニスやインキ化した際の経時粘度が増加し、インキの安定性が劣る。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070による測定値である。
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070による測定値である。
特に、本発明において、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であって、これら両方を含むか、または前記ダイマージオールと前記ダイマー酸のうち少なくともどちらか一方を含むポリウレタンウレア樹脂であることが好ましい。
2段階法の場合、鎖伸長反応は、溶剤、鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)をあらかじめ仕込んでから、プレポリマーを添加する方法でもよいし、プレポリマー溶液中に鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)を仕込む方法でもよい。
前記ポリエステルポリオール(I)と、前記ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、前記範囲外であると、耐レトルト適性が劣ることがある。
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、1〜13mgKOH/gであることが好ましい。1より小さいとフィルムへの密着性が劣り、13を超えるとイソシアネート系硬化剤を添加した際に増粘するおそれがある。
樹脂溶液アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出した。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
前記ポリイソシアネート化合物(III)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサエチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートおよびこれらの変性体などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでも、ダイマージイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどがより好ましい。
前記鎖伸長剤(IV)は、ポリウレタン樹脂にウレア結合を導入することができる。プレポリマーのイソシアネート基に対して、反応性を有する活性水素原子を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。このような鎖伸長剤(IV)としては、例えば、1分子中に2個以上の1級または2級アミノ基を含有するポリアミン化合物、ヒドラジド化合物、あるいは分子量600未満の低分子量ポリオールなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
ポリウレタンウレア樹脂溶液を合成する際に、反応を止めるため、一価の活性水素を有する化合物を反応停止剤(V)として使用することが好ましい。反応停止剤(V)は、鎖伸長剤(IV)と同時であっても、ある程度鎖伸長剤で、鎖伸長反応を進めてから、添加してもよい。このような反応停止剤(V)としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール、エチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、グリシン、アラニンなどのカルボキシル基含有アミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの水酸基含有アミンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
ウレタン化反応において、触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリンなどのアミン系触媒、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫アセテートなどの錫系触媒、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタン系触媒やジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
添加量は、通常ポリオールに対して、0.001〜1モル%の範囲内であることが好ましい。
ウレタン化反応において、反応制御のため、溶剤を使用することが好ましく、イソシアネート基に対して不活性のものであるか、低活性のものであることがより好ましい。使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでも印刷作業環境を考慮すると、芳香族系溶剤を含まないことが好ましい。
また、セルロースアセテートプロピオネート樹脂およびセルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースと適当な有機酸および/または酸無水物との反応により得られる。前記セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、セルロースを酢酸およびプロピオン酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は0.6〜2.5質量%、プロピオニル化は42.5〜46質量%、水酸基は1.8〜5質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。前記セルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースを酢酸及び酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は2〜29.5質量%、ブチリル化は17〜53質量%、水酸基は0.8〜4.8質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。
インキ組成物中に、溶剤は20〜77質量%の範囲内であることが好ましく、顔料が無機顔料である場合、30〜60質量%含有することがより好ましく、35〜50質量%含有することが好ましい。顔料が有機顔料である場合、50〜75質量%含有することがより好ましく、60〜72質量%含有することがさらに好ましい。20質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。77質量%より多いと粘度が低くなり、顔料が沈降しやすくなる。また、バイオマス由来の溶剤としてエタノールなども使用できる。
なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族系溶剤を含まないことが好ましい。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)が10/0〜6/4である。
条件(ii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、35〜65質量%含有する。
条件(iii):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、8〜23質量%含有する。
また、印刷面として紙を用いた樹脂コートフィルムや紙と上記プラスチックフィルムとの積層体をフィルム基材層として用いてもよい。
前記グラビア印刷工程により作成される印刷層は、レーザー版と呼ばれる腐食版またはダイヤモンドの針によって掘られる彫刻版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷される。印刷速度は通常30〜350m/分の範囲内である。また、特に浅版化した版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷されることがより好ましい。
前記グラビア印刷工程により作成される印刷層は、多色印刷できる印刷ユニット中、全印刷ユニットに溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を使用し、作成されることが好ましいが、用途、物性、デザイン、コスト、作業性、機能などを考慮すると、全印刷ユニットに本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を使用する必要はなく、他の汎用グラビアインキ組成物および/または各種機能性インキ組成物、意匠性インキ組成物などを使用してもよく、これらを重ね刷りもしくは反転印刷にて、作成された印刷層であってもよい。
浅版化した印刷版を使用すると、インキ消費量が減少するため、揮発溶剤の削減に効果があるとともに、環境負荷低減やコストダウンにも有効であるが、通常の印刷版と同等の印刷濃度を得るために、インキ組成物中の顔料濃度を上げる必要があり、固形分割合が多くなる分、溶剤分が減少し、インキ組成物の安定性低下、粘度上昇や、フィルム基材への密着性低下、印刷適性低下につながるおそれがある。しかし、本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、特定の条件のポリエステルポリオールとポリエーテルポリオール、およびポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有することにより、顔料を高濃度化しても、インキ組成物の良好な安定性、低粘度を保つことができ、フィルム基材層への密着性、印刷適性が低下しない。
シール層の厚さは、特に制限はないが、0.2〜300μmが好ましく、0.5〜300μmがより好ましい。
特に、ポリエチレン系フィルムにおいて、バイオマス由来のフィルムが市販されている。
該層としては、プラスチックフィルム、シート、紙、アルミ箔ならびにこれらの積層体などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテートなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコールなどのアルコール系フィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミニウムの蒸着層を設けたアルミ蒸着ポリエステルフィルムまたはアルミ蒸着ポリアミドフィルムあるいはPETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、HDPEやPPなどの一軸延伸フィルム、ポリ乳酸フィルムなどが挙げられる。これらは延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。貼り合わせ面にはアンカーコート層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。処理は両面処理が好ましい。なかでもバイオマス由来の該層としては、ポリエチレンテレフタレート、アルミ蒸着PET、ポリエチレン、紙、ポリ乳酸、セロハンなどが挙げられ、市販されている。
また、本発明の積層体では必ずしもフィルム基材層に印刷層を施す必要はなく、該層に印刷層を設けることもできる。
前記付与または強化するための層としては、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であればよく、5〜300μmの厚みが好ましく、6〜250μmの厚みがより好ましい。
分散体における顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
インキ組成物中の固形分としては、25〜80質量%の範囲内であることが好ましい。25質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
ヒートシールの際、シールバーに当たる用途には、耐チント変色性など、ボイル・レトルト用途には、耐マイグレーション性、耐熱性など、屋外用途には、耐光性などを考慮して適宜顔料を選択することが好ましい。前記各種インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系もしくはノンケトン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
PES1
撹拌機、温度計、分水器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、石油由来のダイマージオール79.81部、アジピン酸20.19部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合によって生じる水を除去しながら、エステル化を8時間行って、ポリエステルポリオールの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を終了した。数平均分子量2,000のポリエステルポリオールPES1を得た。
同様に、表1〜表2の配合に従い、ポリエステルポリオールPES2〜PES15を得た。
数平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定をした。
PUU1
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、合成した数平均分子量2,000のポリエスエテルポリオールPES1を22.91部、イソホロンジイソシアネート5.09部を仕込み、窒素気流下、105℃で6時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、酢酸エチルを18.67部加えて46.67部のウレタンプレポリマー均一溶液を得た。続いて、イソホロンジアミン1.97部、n−ジブチルアミン0.03部、酢酸エチル30.33部、イソプロピルアルコール21.00部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液46.67部を加えて、60℃で3時間反応させた。これにより、樹脂固形分30%、粘度990mPa・s/25℃、重量平均分子量32,000、樹脂溶液アミン価1.05のポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1を得た。
同様に、表3〜表17の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU2〜123を得た。
重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定した。カラムはGelpack GL−A160、GL−A150、GL−A130(日立化成(株)製)を使用した。測定サンプルは試料を精秤(固形分換算で0.04g)し、テトラヒドロフランを5ml加え溶解して作成した。
樹脂溶液アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出した。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
CLニス
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながらソルバインAL(塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂、日信化学工業(株)製)を10部添加して、CLニスを作成した。CLニスの樹脂固形分は10%であった。
酸化チタン(C.I.Pigment W−7)45部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 35部、酢酸n−プロピル 10部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 5部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、白インキW1を100部得た。
同様に、表18〜表23の配合に従い、白インキW2〜W58を得た。従来製造例として、白インキW59を得た。同様に、先行文献例として、白インキW60を得た。
ジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)13部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 50部、酢酸エチル 2.5部、酢酸n−プロピル 19.5部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、黄インキY1を100部得た。
同様に、表24〜表29の配合に従い、黄インキY2〜Y58を得た。従来製造例として、黄インキY59を得た。同様に、先行文献例として、黄インキY60を得た。
ウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)13部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 50部、酢酸エチル 2.5部、酢酸n−プロピル 19.5部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、紅インキR1を100部得た。
同様に、表30〜表35の配合に従い、紅インキR2〜R58を得た。従来製造例として、紅インキR59を得た。同様に、先行文献例として、紅インキR60を得た。
銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment B−15:3)15部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 40部、酢酸エチル 5部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 10部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、藍インキC1を100部得た。
同様に、表36〜表41の配合に従い、藍インキC2〜C58を得た。従来製造例として、藍インキC59を得た。同様に、先行文献例として、藍インキC60を得た。
カーボンブラック(C.I.Pigment BL−7)15部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 40部、酢酸エチル 5部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 10部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、墨インキB1を100部得た。
同様に、表42〜表47の配合に従い、墨インキB2〜B58を得た。従来製造例として、墨インキB59を得た。同様に、先行文献例として、墨インキB60を得た。
インキ製造1週間後のインキの状態を目視にて観察し、評価した。インキ中の顔料の沈降がないものが、インキ安定性が良好と判断した。顔料の沈降について、○:製造直後と変化がない、△:わずかに顔料の沈降がみられる(実用上問題ない)、×:顔料がすべて沈降する、の3段階で評価した。
8色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜5色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、版深度20μm、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度、175線のレーザー彫刻版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、B1インキ、C1インキ、R1インキ、Y1インキ、W1インキをそれぞれ希釈溶剤PU515(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにB1インキ、第2ユニットのインキパンにC1インキ、第3ユニットのインキパンにR1インキ、第4ユニットのインキパンにY1インキ、第5ユニットのインキパンにW1インキをそれぞれ投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm2、乾燥温度60℃、印圧2kg/cm2、印刷速度200m/分にて、厚み20μmの延伸ポリプロピレンフィルムのパイレンP−2161(略称:OPP、東洋紡(株)製)に印刷して、OPP/インキの印刷物PR1を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。
同様に、B1、C1、R1、Y1、W1インキを第1ユニットから第5ユニットまでそれぞれ表95の通り、B2、C2、R2、Y2、W2インキに代えて、印刷物PR5を得た。
同様に、表95〜表98の通り、印刷物PR6〜PR62、PR101、PR105〜PR168を得た。
同様に、表99の通り、PR81〜PR82、PR86、PR181〜PR182を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR63〜PR70を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR102、PR169〜PR174を得た。
同様に、表99の通り、PR83〜PR85、PR87〜PR89、PR183〜PR185を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR71を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR103、PR175を得た。
同様に、表99の通り、PR90、PR186を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR72を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR104、PR176を得た。
同様に、表99の通り、PR91、PR187を得た。
同様に、フィルム基材を印刷物PR2〜PR4で使用したものに代え、印刷物PR202およびPR204〜PR208を得た。
通常版の印刷物PR201〜PR208と各印刷物について、ベタ部分を分光濃度・測色計(X−Rite eXact、ビデオジェット・エックスライト(株)製、D65光源、入射角45°)にて、3箇所について測定し、L値の3箇所平均値を評価した。印刷物P201〜PR208のベタ部分のL値の3箇所平均値と各印刷物のベタ部分のL値の3箇所平均値の差(L値の差:ΔL)が少ないものが良好と判断した。L値の差について、○:ΔL1未満(同等)、△:ΔL1以上3未満(実用上問題ない)、×:ΔL3以上、の3段階で評価した。
実施例1
印刷物PR1の印刷層上に、タケラックA−969V/タケネートA−5(略称:DL、三井化学(株)製)をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量2.6g/m2となるように塗工して、厚み30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトーセロCP GLC(略称:CPP、三井化学東セロ(株)製)を貼り合わせた後、40℃で24時間エージングを行って、PR1/DL/CPPの積層体LAM1を得た。
同様に、印刷物PR1をPR5〜PR62に代えて、積層体LAM5〜LAM62を得た。
同様に、印刷物PR1を印刷物PR101、PR105〜PR168、PR81〜PR82、PR86、PR181〜PR182、PR201およびPR203に代え、LAM101、LAM105〜LAM168、LAM81〜LAM82、LAM86、LAM181〜LAM182、LAM201およびLAM203を得た。
印刷物PR2の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52(略称:DL、三井化学(株)製)をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/m2となるように塗工して、厚み9μmのアルミニウム箔(略称:AL、東洋アルミニウム(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、厚み15μmのナイロンフィルムであるエンブレムONMB−RT(略称:ナイロン、ユニチカ(株)製)を貼り合わせ、さらに、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KM(略称:レトCPP、東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR2/DL/AL/DL/ナイロン/DL/レトCPPの積層体LAM2を得た。
同様に、印刷物PR2をPR63〜PR70に代えて、積層体LAM63〜LAM70を得た。
同様に、印刷物PR2を印刷物PR102、PR169〜PR174、PR83〜PR85、PR87〜PR89、PR183〜PR185、PR202およびPR204に代え、LAM102、LAM169〜LAM174、LAM83〜LAM85、LAM87〜LAM89、LAM183〜LAM185、LAM202およびLAM204を得た。
印刷物PR3の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/m2となるように塗工して、厚み15μmのナイロンフィルムであるエンブレムONMB−RTを貼り合わせ、さらに同様に、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KMを貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR3/DL/ナイロン/DL/レトCPPの積層体LAM3を得た。
同様に、印刷物PR3をPR71、PR103、PR175、PR90およびPR186に代えて、積層体LAM71、LAM103、LAM175、LAM90およびLAM186を得た。
印刷物PR4の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/m2となるように塗工して、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KMを貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR4/DL/レトCPPの積層体LAM4を得た。
同様に、印刷物PR4をPR72、PR104、PR176、PR91およびPR187に代えて、積層体LAM72、LAM104、LAM176、LAM91およびLAM187を得た。
印刷物PR2の印刷層上に、固形分1重量%としたポリエチレンイミン系のアンカーコート剤チタボンドT−100(日本曹達(株)製)を塗工して、押出ラミネート機で、ライン速度100m/分にて、溶融ポリエチレンLC600A(略称:LD、日本ポリエチレン(株)製)を315℃で溶融して15μmで積層して、12μmのアルミ蒸着PETフィルムであるVM−PET MWR2(略称:VM−PET、サイチ工業(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、溶融ポリエチレンを15μm積層して、50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであるLIX−NP L4102(略称:LLDPE、東洋紡(株)製)を貼り合わせて、PR2/LD/VM−PET/LD/LLDPEの積層体LAM73を得た。
同様に、印刷物PR2をPR102、PR87、PR183およびPR202に代えて、積層体LAM177、LAM92、LAM188およびLAM209を得た。
印刷物PR1の印刷層上に、ECOAD EA−N370A/B(略称:NS、東洋モートン(株)製)をノンソルラミネート機で、ライン速度100m/分にて、塗布量1.2g/m2となるように塗工して、厚み20μmの蒸着無延伸ポリプロピレンフィルムであるVM−CPP2203(略称:VM−CPP、東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、38℃で24時間エージングを行って、PR1/NS/VM−CPPの積層体LAM74を得た。
同様に、印刷物PR1をPR101、PR81、PR181およびPR201に代えて、積層体LAM178、LAM93、LAM189およびLAM210を得た。
積層体を15mm巾の短冊状にして、試験片とし、この試験片を万能型引張試験機(RTE−1210、(株)オリエンテック製)にて、T型剥離、引張速度300mm/分にて、引っ張り、剥離時の最大荷重をラミネート強度として測定した。ラミネート強度が大きいほど、ラミネート性が良好と判断した。ラミネート強度が、○:80g以上、△:50g以上、80g未満、×:50g未満、の3段階で評価した。
積層体LAM2、LAM63〜LAM70、LAM73、LAM102、LAM169〜LAM174、LAM177、LAM83〜LAM85、LAM87〜LAM89、LAM183〜LAM185、LAM188、LAM202、LAM204およびLAM209を、220℃、1秒の条件にて、ヒートシールにより接着し、開口部を有する10×20cmの包装袋を得た。この包装袋に、内容物として、ケチャップ/食酢/サラダ油=1/1/1の混合物を充填後、前記開口部を前記条件と同様にしてヒートシールにより密封し、パウチ状の包装袋を作製した。この包装袋を121℃で30分間、レトルト処理して、パウチ外観を目視により観察し、評価した。パウチ外観に浮きがないものが、耐レトルト性が良好と判断した。パウチ外観が、○:まったく変化ない、△:わずかに浮きが認められる、×:全面にわたって、浮きが認められる、の3段階で評価した。
比較例1および比較例6〜13はどれも、重量平均分子量が小さく、樹脂アミン価が高いポリウレタンウレア樹脂を用いているため、印刷物の着色濃度、ラミネート方法に係らず積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例7〜9および比較例12については、どれも耐レトルト性が劣ることが明確である。比較例3〜5は、どれもポリエステルポリオール(I)と、ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、5/5であり、本発明の範囲外のものであるため、耐レトルト性が劣ることが明らかである。特許文献2〜4に類似の比較例2は、印刷物の着色濃度、積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例2のPR82に使用したフィルム基材をOPPから厚み12μmのPETフィルムのE−5102に変更し、実施例2と同様に積層体を作製したところ、ポリエステルポリオール(I)と、ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、5/5であり、本発明の範囲外のものであるため、耐レトルト性が劣ることも確認された。比較例14〜22はどれも、重量平均分子量が小さく、樹脂アミン価が高いポリウレタンウレア樹脂を用いているため、印刷物の着色濃度、ラミネート方法に係らず積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例16〜18については、どれも耐レトルト性が劣ることが明確である。
Claims (3)
- フィルム基材層を準備する工程と、
下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート(III)、ならびに鎖伸長剤(IV)とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含む印刷物の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする印刷物の製造方法。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。 - 前記ポリエーテルポリオール(II)が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
- フィルム基材層を準備する工程と、
該フィルム基材層の一方に、下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
前記グラビア印刷層上にラミネート層を作成する工程と、を含む積層体の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする積層体の製造方法。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
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