JP6814905B1 - 溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法および積層体の製造方法 - Google Patents

溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法および積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法であって、該インキ組成物を浅版化した版にて印刷を行ない、フィルム基材上に作成し、印刷層としたときに該印刷層の印刷濃度が従来のものと変わらず、インキの安定性、ラミネート適性、耐熱水処理性に優れる溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法を提供する。【解決手段】特定の条件にて反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法において、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、前記溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%、前記顔料を特定量、前記溶剤を20〜77質量%含有することを特徴とする溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法に関する。
従来より、グラビア印刷インキ組成物は、樹脂と顔料と溶剤と添加剤を主成分とするものが知られているが、特に溶剤については、印刷時に蒸発させることから、蒸発した溶剤を施設外に排出させなければならず大気汚染や悪臭が問題となり、排出しきれないものについては、施設内に残留し、引火や爆発の危険性や従業員の健康被害につながったり、または印刷物に残留し、包装袋などの形態となったときに特有の臭気が発生したり、さらには食品などの場合、風味が損なわれたり、においが吸着したりすることもある。
最近では、溶剤の排出量を削減などにより環境負荷を低減しようとする試みがなされ、印刷会社の取り組みとして、グラビア版のセルを浅く(浅版化)し、印刷をすることにより使用するインキ量を減らすことによって、蒸発する溶剤を削減する試みもされている。
特許文献1には、0.18μm以上1μm以下の粒子径のものが60%以上を占める顔料を、固形分中に10%以上含有し、インク中の固形分比率が18%〜50%であるグラビア印刷用高濃度インクが記載され、浅版化した版胴を用いたグラビア印刷でも、印刷濃度が確保できるとともに高精細のグラビア印刷が得られるグラビア印刷用高濃度インクである。
しかし、特許文献1のような顔料の高濃度化は、インキ粘度の上昇を伴い、版カブリやドクター切れなどのおそれがある。また、粘度の上昇を防ぐために、その分バインダー樹脂を減量する方法もあるが、顔料に対するバインダー樹脂の比率が下がり、印刷塗膜の凝集力が低下してしまう。
一方で、印刷インキメーカーとしては、環境負荷の高い芳香族系やケトン系の溶剤の含有量を減らし、エステル系/アルコール系の溶剤を使用し環境負荷を低減しようとする印刷インキが実用化されてきている。
特許文献2や特許文献3には、顔料とポリウレタン樹脂と有機溶剤との特定の組み合わせにより同じ固形分濃度でも低粘度のインキ組成物が設計可能である有機溶剤性グラビア印刷用濃縮インキ組成物が記載され、低粘度であることから印刷時の希釈率を低減できることにより、浅版化した印刷版を用いた印刷でも、インキ中からの有機溶剤の揮発量を減らすことができ、大気中への排出を削減できるものが提案されている。
特許文献4には、顔料と末端に第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂との特定の組み合わせの有機溶剤性グラビア印刷用ハイソリッドインキ組成物が記載され、上記特許文献2および特許文献3のラミネート強度不足を補うことができるものが提案されている。
しかし、特許文献2〜4はいずれも使用しているポリウレタン樹脂を構成する高分子ジオールとして、3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールとポリプロピレングリコールを1:1で含有するものしか開示されておらず、これらの配合量について記載や示唆がなく、検討もされていない。
特許文献5は、裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物が記載され、フィルム基材層上に印刷塗膜としたとき、該印刷塗膜中のバイオマス度(顔料を含まない)が3〜40質量%であり、インキ組成物としての安定性を十分保持でき、印刷時の印刷適性を損なわず、裏刷り印刷に必要な印刷塗膜の耐ブロッキング性、フィルム密着性、耐溶剤性、耐版詰まり性を有し、さらにラミネート性が良好で、ラミネート層が形成された積層体となったときの耐熱水処理性を有する印刷塗膜が提案されている。
しかし、上記特許文献5は、浅版化した印刷版に対して、検討されておらず、インキ中からの有機溶剤の揮発量を減らすことができないおそれがある。
また、地球温暖化対策としては、全世界的に取り組むべきもので、2015年に開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、各国の削減目標が提出された。日本は、2030年までに2013年比で温室効果ガスを26%削減する約束草案を提出した。近年では企業にとって重要な事業戦略として「環境にやさしい」商品を提案し、いかに企業イメージを向上させるかが重視されてきている。日用品や食料品などに使われる包装資材は一般消費者にとっても身近なものであり、内容物の商品とともに直接触れられるものであるため、「環境にやさしい」パッケージとして、いかにアピールするかも重要である。
したがって、環境負荷を増加させずに「環境にやさしい」パッケージとしてアピールでき、フィルム用の包装材に使用できる溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が望まれていた。
国際公開第2007/88733号公報 特開2011−252135号公報 特開2013−231122号公報 特開2016−94548号公報 特開2018−62642号公報
そこで、本発明は、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法であって、該インキ組成物を浅版化した版にて印刷を行ない、フィルム基材上に作成し、印刷層としたときに該印刷層の印刷濃度が従来のものと変わらず、インキの安定性、ラミネート適性、耐熱水処理性に優れる溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の条件にて反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程と、該工程で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散し溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を得る工程を含み、ポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%、前記顔料を特定量、前記溶剤を20〜77質量%含有することを特徴とする溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)フィルム基材層を準備する工程と、
下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比でかつポリイソシアネート(III)、ならびに鎖伸長剤(IV)とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含む印刷物の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(ii)または(i)の条件を満足することを特徴とする印刷物の製造方法、
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が機顔料であり、インキ組成物中に、4565質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
(2)前記ポリエーテルポリオール(II)が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の印刷物の製造方法、
(3)フィルム基材層を準備する工程と、
該フィルム基材層の一方に、下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
前記グラビア印刷層上にラミネート層を作成する工程と、を含む積層体の製造方法において、
前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする積層体の製造方法、
条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
に関するものである。
本発明によれば、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法であって、該インキ組成物を浅版化した版にて印刷を行ない、フィルム基材上に作成し、印刷層としたときに該印刷層の印刷濃度が従来のものと変わらず、インキの安定性、ラミネート適性、耐熱水処理性に優れる溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物(以下、単に「インキ組成物」ともいう。)の製造方法は、下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)、およびポリイソシアネート(III)、ならびに鎖伸長剤(IV)とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物の製造方法において、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、前記溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%、前記顔料が下記(ii)または(iii)の条件を満足し、前記溶剤を20〜77質量%含有することが好ましい。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)が10/0〜6/4である。
条件(ii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、35〜65質量%含有する。
条件(iii):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、8〜23質量%含有する。
前記特定のアミン価と重量平均分子量とを有し、特定の条件により反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、混合、分散する工程(2)とを含む製造方法により作製された溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、固形分濃度の高いハイソリッドでありながら、インキ安定性が良好で、積層体のラミネート適性、耐レトルト性が良好なバランスの良いものとなる。
前記ポリウレタンウレア樹脂は、ポリエステルポリオール(I)、ポリエーテルポリオール(II)、ポリイソシアネート(III)、および鎖伸長剤(IV)とを反応させることにより得られることが好ましい。
前記ポリエステルポリオール(I)は、末端に水酸基を有するポリエステルポリオールであることが好ましく、ジオールとジカルボン酸あるいはこれの無水物とを脱水縮合させることにより得られることが好ましい。また、ジオールとジカルボン酸は、どちらも1種類でなくてもよく、どちらかもしくはそれぞれ2種以上使用してもよく、これらを使用する場合、あらかじめこれらを全量仕込む方法でもよいし、特定のジオールとジカルボン酸を使用して、別々のポリエステルポリオールを合成してから、当該別々のポリエステルポリオール同士をブレンドして使用してもよい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、600〜10,000の範囲内であることが好ましく、1,000〜6,000の範囲内であることがより好ましい。数平均分子量が600より小さいと得られるポリウレタンウレア樹脂の溶解性が劣り、数平均分子量が10,000を超えると耐ブロッキング性に劣る。数平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
酸価は、1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/gより大きいと、得られるポリウレタンウレア樹脂のワニスやインキ化した際の経時粘度が増加し、インキの安定性が劣る。酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070による測定値である。
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰の無水酸でエステル化またはアセチル化し、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JIS K0070による測定値である。
前記ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物、ブチルエチルプロパンジオールなどを使用できる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。なかでも、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオールなどがより好ましく、ダイマージオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコールがさらに好ましい。
前記ジカルボン酸としては、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スベリン酸、フランジカルボン酸および前記ジカルボン酸の無水物および炭素数1〜5の低級アルコールのエステル化合物などが挙げられる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。なかでもアジピン酸、グルタル酸、コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スベリン酸、フランジカルボン酸などがより好ましく、アジピン酸、ダイマー酸がさらに好ましい。ダイマー酸は、バイオマス由来であるため好ましい。
特に、本発明において、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であって、これら両方を含むか、または前記ダイマージオールと前記ダイマー酸のうち少なくともどちらか一方を含むポリウレタンウレア樹脂であることが好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(II)は、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。これらは、単独もしくは併用して使用することができる。なかでも、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールなどがより好ましく、ポリプロピレングリコールがさらに好ましい。ポリプロピレングリコールは低温安定性が良好である。なお、前記ポリエーテルポリオール(II)には、後記する低分子ポリオールを含んでもよい。
前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、600〜5,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が5,000を超えると耐水性に劣る。
ポリウレタンウレア樹脂の合成は、従来の既知の方法で合成できる。例えば、ポリエステルポリオール(I)と、ポリエーテルポリオール(II)と、ポリイソシアネート化合物(III)とをイソシアネート基が過剰となるように反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得て、得られるプレポリマーを溶剤中で、鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)とを反応させる2段階法、あるいはポリエステルポリオール(I)、ポリエーテルポリオール(II)、ポリイソシアネート化合物(III)、鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)とを、溶剤中で反応させるワンショット法が挙げられるが、特に、安定的に合成できる2段階法が好ましい。
2段階法の場合、鎖伸長反応は、溶剤、鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)をあらかじめ仕込んでから、プレポリマーを添加する方法でもよいし、プレポリマー溶液中に鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)を仕込む方法でもよい。
ポリウレタンウレア樹脂を合成する際に、前記ポリエステルポリオール(I)と、前記ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、10/0〜6/4の範囲内であることが好ましい。
前記ポリエステルポリオール(I)と、前記ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、前記範囲外であると、耐レトルト適性が劣ることがある。
また、プレポリマーを合成する際、ポリオールの活性水素基とイソシアネート基の当量比は、[ポリオールの活性水素基]/[イソシアネート基]=1/1.1〜1/3の範囲内であることが好ましい。イソシアネート基の比が、1.1より小さいと得られるバイオマス由来ポリウレタンウレア樹脂の耐アルカリ性に劣る。イソシアネート基の比が、3を超えるとプレポリマーの溶解性が低下する傾向がある。
プレポリマー中のイソシアネート基と鎖伸長剤(IV)および/または反応停止剤(V)の活性水素基の当量比は、[鎖伸長剤および/または反応停止剤の活性水素基]/[イソシアネート基]=0.8/1〜3/1の範囲内であることが好ましく、1/1〜2/1の範囲内であることがより好ましい。[鎖伸長剤および/または反応停止剤の活性水素基]の比が、0.8より小さいと、接着性が十分でなく、[鎖伸長剤および/または反応停止剤の活性水素基]の比が、3を超えると、印刷後に臭気が発生したり、ポリウレタンウレア樹脂が黄変することがある。反応停止剤(V)を用いると、分子量を制御しやすいが、使用量が多くなると得られるポリウレタンウレア樹脂の分子量が下がるおそれがある。
ポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量は、10,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、20,000〜60,000の範囲内であることがより好ましい。10,000より小さいと耐レトルト適性が劣り、100,000を超えると粘度が高くなり、インキ化が困難となる。特に、前記ダイマージオール、前記ダイマー酸や後記するダイマージアミンを使用することにより、ポリウレタンウレア樹脂中にダイマー骨格を含むことで、高分子量であっても低粘度化が実現でき、ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が得られる。ポリウレタンウレア樹脂溶液中の樹脂固形分は、特に制限はないが、インキ製造時の作業性を考慮すると10〜70質量%が好ましく、樹脂溶液の粘度は30〜100,000mPa・s/25℃が好ましい。重量平均分子量はGPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。測定サンプルは、試料を精秤(固形分換算で0.04g)し、テトラヒドロフランを5ml加え溶解して作成する。
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、1〜13mgKOH/gであることが好ましい。1より小さいとフィルムへの密着性が劣り、13を超えるとイソシアネート系硬化剤を添加した際に増粘するおそれがある。
樹脂溶液アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出した。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
<ポリイソシアネート化合物(III)>
前記ポリイソシアネート化合物(III)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサエチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートおよびこれらの変性体などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでも、ダイマージイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどがより好ましい。
<鎖伸長剤(IV)>
前記鎖伸長剤(IV)は、ポリウレタン樹脂にウレア結合を導入することができる。プレポリマーのイソシアネート基に対して、反応性を有する活性水素原子を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。このような鎖伸長剤(IV)としては、例えば、1分子中に2個以上の1級または2級アミノ基を含有するポリアミン化合物、ヒドラジド化合物、あるいは分子量600未満の低分子量ポリオールなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
ポリアミン化合物としては、ヒドラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ダイマージアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ノルボランジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンのようなジアミン成分、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンのような水酸基を有するジアミン成分、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリアミドポリアミン、ポリエチレンイミン、トリアミノベンゼン、トリアミノフェノール、テトラアミノベンゼンなどのポリアミン成分が挙げられる。
ヒドラジド化合物としては、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
分子量600未満の低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物、ブチルエチルプロパンジオールなどを使用できる。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトールやN−メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、フェニルジイソプロパノールアミン、4−メチルフェニルジイソプロパノールアミン、4−メチルフェニルジエノールアミンなどが挙げられる。なかでも、イソホロンジアミン、ダイマージアミンなどが好ましい。
<反応停止剤(V)>
ポリウレタンウレア樹脂溶液を合成する際に、反応を止めるため、一価の活性水素を有する化合物を反応停止剤(V)として使用することが好ましい。反応停止剤(V)は、鎖伸長剤(IV)と同時であっても、ある程度鎖伸長剤で、鎖伸長反応を進めてから、添加してもよい。このような反応停止剤(V)としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール、エチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、グリシン、アラニンなどのカルボキシル基含有アミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの水酸基含有アミンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
<触媒>
ウレタン化反応において、触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリンなどのアミン系触媒、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫アセテートなどの錫系触媒、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタン系触媒やジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
添加量は、通常ポリオールに対して、0.001〜1モル%の範囲内であることが好ましい。
<溶剤>
ウレタン化反応において、反応制御のため、溶剤を使用することが好ましく、イソシアネート基に対して不活性のものであるか、低活性のものであることがより好ましい。使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
なかでも印刷作業環境を考慮すると、芳香族系溶剤を含まないことが好ましい。
ポリウレタンウレア樹脂溶液は、必要に応じて、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、反応遅延剤などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上添加することができる。また、反応前後あるいは反応の途中に適宜添加することができる。
本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂は、10〜35質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することがより好ましく、10〜15質量%含有することがさらに好ましい。10質量%よりも少ないとインキの製膜性に劣り、フィルム密着性が劣り、30質量%より大きいと、インキの流動性が悪く、インキ製造適性が劣る。
本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物中に、顔料を含有することが好ましい。前記顔料は無機顔料と有機顔料が使用できるが、これらは単独もしくは2種以上使用してもよい。含有量は、インキの濃度、着色力、隠蔽力に応じ、適宜決めることが好ましいが、本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物においては、通常のグラビア印刷インキ組成物よりも含有量を多くできるという特徴がある。
前記無機顔料としては、酸化チタン(C.I.Pigment W−6、W−7)、酸化鉄(C.I.Pigment R−101、Y−42、BL−11など)、硫酸バリウム(C.I.Pigment W−21、W−22など)、酸化亜鉛(C.I.Pigment W−4など)、炭酸カルシウム(C.I.Pigment W−18)、シリカ(C.I.Pigment W−27)、アルミニウム(C.I.Pigment W−24)、パール顔料(C.I.Pigment W−20など)、真鍮、マイカなどが挙げられる。前記無機顔料は、インキ組成物中に、35〜65質量%含有することが好ましく、38〜60質量%含有することがより好ましく、40〜55質量%含有することがさらに好ましい。
前記有機顔料としては、溶性アゾ系(C.I.Pigment R−48:3、R−57:1、R−53:1、R−48:1など)、不溶性アゾ系(C.I.Pigment Y−12、Y−13、Y−14、Y−17、Y−55、Y−81、Y−83、Y−87、Y−124、Y−152、Y−165、O−16、R−146など)、ナフトールAS系(C.I.Pigment R−146など)、縮合アゾ系(C.I.Pigment Y−93、Y−128、Y−166、R−144、R−166、R−214、R−262、O−31など)、ベンズイミダゾロン系(C.I.Pigment Y−120、Y−180、R−171、V−32、O−36など)、フタロシアニン系(C.I.Pigment B−15:3、B−15:4、B−75、G−7、G−36などC.I.PB(ピグメントブルー)15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:5、PB15:6、PB16、PG(ピグメントグリーン)7、PG36C.I.PB(ピグメントブルー)15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:5、PB15:6、PB16、PG(ピグメントグリーン)7、PG36)、ジオキサジン系(C.I.Pigment V−23など)、キナクリドン系(C.I.Pigment R−122、R−202、V−19、O−48など)、ペリレン系(C.I.Pigment R−123、R−149、V−29など)、ペリノン系(C.I.Pigment R−194、O−43など)、チオインジゴ系(C.I.Pigment B−63、R−181など)、アンサンスロン系、イソインドリン系(C.I.Pigment Y−139、Y−185、R−260、O−66などPO66)、イソインドリノン系(C.I.Pigment Y−109、Y−110、O−61など)、スレン系(C.I.Pigment R−168、R−177など)、アントラキノン系(C.I.Pigment Y−24、Y−108、R−168、B−60など)、キノフタロン系(C.I.Pigment Y−138など)、アゾメチン系、ジケトピロロピロール系(C.I.Pigment R−254、R−255、O−71など)、カーボンブラック(C.I.Pigment BL−6、BL−7など)などが挙げられる。前記有機顔料は、インキ組成物中に、8〜23質量%含有することが好ましく、10〜20質量%含有することがより好ましく、12〜15質量%含有することがさらに好ましい。
本発明のインキ組成物には、ポリウレタンウレア樹脂に、必要に応じて適宜、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、他のポリウレタンウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩素化オレフィン樹脂、アルキッド樹脂、セルロース系樹脂(硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなど)、酢酸ビニル樹脂、ロジン系樹脂(ロジン、硬化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂など)、ケトン樹脂、ポリブチラール樹脂、環化ゴム系樹脂、塩化ゴム系樹脂、石油樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独もしくは2種以上をポリウレタンウレア樹脂と併用でき、インキ組成物中、20質量%以下の範囲内であることが好ましい。
前記セルロース系樹脂は、バイオマス由来樹脂として使用できる。ニトロセルロースはセルロースの水酸基を硝酸でニトロ化することにより、得られる。平均重合度は35〜480程度であり、ニトロ基への置換度により、バイオマス度が変化するが約50質量%がバイオマス由来である。
また、セルロースアセテートプロピオネート樹脂およびセルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースと適当な有機酸および/または酸無水物との反応により得られる。前記セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、セルロースを酢酸およびプロピオン酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は0.6〜2.5質量%、プロピオニル化は42.5〜46質量%、水酸基は1.8〜5質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。前記セルロースアセテートブチレート樹脂は、セルロースを酢酸及び酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は2〜29.5質量%、ブチリル化は17〜53質量%、水酸基は0.8〜4.8質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。
これらのセルロース系樹脂をポリウレタンウレア樹脂と併用することにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。セルロース系樹脂をポリウレタンウレア樹脂と併用する場合、インキ組成物の樹脂固形分全体のうち、10質量%以下であることが好ましい。10質量%より大きいとフィルムへの接着性やラミネート強度が低下する。また、これらセルロース系樹脂は、単独もしくは2種以上を併用して使用することもできる。
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を併用してもよい。なかでも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、水酸基を有するものがよい。水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂は、塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールまたはヒドロキシアルキルアクリレートなどの水酸基含有モノマーを適当な割合で共重合して得る方法と、塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得る方法がある。水酸基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂は、塩化ビニル成分により樹脂皮膜の強靭さや硬さが付与され、酢酸ビニル成分は接着性や柔軟性が付与され、水酸基含有モノマーは極性溶剤への良好な溶解性が付与される。当該樹脂の塩化ビニルモノマー/酢酸ビニルモノマー/水酸基含有モノマーのモノマー比率は、塩化ビニルモノマーが70〜95質量%、酢酸ビニルモノマーが1〜15質量%、水酸基含有モノマーが1〜15質量%の範囲内であることが好ましい。また、数平均分子量は10,000〜45,000の範囲内であることが好ましい。
当該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂をポリウレタンウレア樹脂と併用することにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂をポリウレタンウレア樹脂と併用する場合でも、インキ組成物の樹脂固形分全体のうち、20質量%以下であることが好ましい。20質量%より大きいとフィルムへの接着性が低下する。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂は、単独で併用して使用することもできるが、前記セルロース系樹脂と併用して使用することもできる。
本発明のインキ組成物には、必要に応じて、耐摩擦強化剤、ブロッキング防止剤、顔料分散剤、静電防止剤、滑剤、架橋剤、消泡剤、乾燥調整剤、可塑剤、粘着付与剤、密着向上剤、レベリング剤、酸化防止剤などを添加することができる。なかでもバイオマス由来の添加剤であればなおよい。
本発明のインキ組成物には、通常グラビアインキに使用される溶剤を使用することができ、前記ポリウレタンウレア樹脂を該溶剤中に溶解または分散させるものが好ましい。グラビアインキに使用される溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチルなどのエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
インキ組成物中に、溶剤は20〜77質量%の範囲内であることが好ましく、顔料が無機顔料である場合、30〜60質量%含有することがより好ましく、35〜50質量%含有することが好ましい。顔料が有機顔料である場合、50〜75質量%含有することがより好ましく、60〜72質量%含有することがさらに好ましい。20質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。77質量%より多いと粘度が低くなり、顔料が沈降しやすくなる。また、バイオマス由来の溶剤としてエタノールなども使用できる。
なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族系溶剤を含まないことが好ましい。
なお、本明細書では、溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物とは、一般的なグラビア印刷インキ組成物よりも、インキ組成物中の固形分濃度が高い印刷インキ組成物であり、前記固形分とは、樹脂含有量と顔料含有量を合わせた量のことをいう。本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、無機顔料を35〜65質量%程度含有し、固形分として、50〜80質量%程度、有機顔料を8〜23質量%程度含有し、固形分として、25〜40質量%程度含まれる。一般的なグラビア印刷インキ組成物には、インキ組成物中に、無機顔料で15〜35質量%程度含有し、固形分として、30〜50質量%程度、有機顔料で5〜13%程度含有し、固形分として、15〜25質量%程度が含まれる。
本発明の積層体の製造方法は、フィルム基材層を準備する工程と、該フィルム基材層の一方に、下記条件(i)のポリエステルポリオールとポリエーテルポリオール、およびポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを含む溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を塗工した印刷層を作成するグラビア印刷工程と、前記印刷層上にラミネート層を作成する工程と、を含む積層体の製造方法において、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、前記溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%、前記顔料が下記(ii)または(iii)の条件を満足し、前記溶剤を20〜77質量%含有することが好ましい。
条件(i):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)が10/0〜6/4である。
条件(ii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、35〜65質量%含有する。
条件(iii):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、8〜23質量%含有する。
前記フィルム基材層を準備する工程に用いられるフィルム基材層は、プラスチックフィルムまたはシートならびにこれらの積層体から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテートなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコールなどのアルコール系フィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、PETとナイロンの共押出フィルム、ポリ乳酸フィルムなどが挙げられる。これらは延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。また、印刷面にはアンカーコート層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。フィルム基材層の厚さは、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であれば、特に制限はないが、5〜300μmが好ましく、6〜250μmがより好ましい。
また、印刷面として紙を用いた樹脂コートフィルムや紙と上記プラスチックフィルムとの積層体をフィルム基材層として用いてもよい。
前記グラビア印刷工程により作成される印刷層は、フィルム基材層の一方に、前記溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を塗工した層であり、品質および生産性の高さからグラビア印刷機を用いて作成されることが好ましい。特に多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷工程により作成されることがより好ましい。
前記グラビア印刷工程により作成される印刷層は、レーザー版と呼ばれる腐食版またはダイヤモンドの針によって掘られる彫刻版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷される。印刷速度は通常30〜350m/分の範囲内である。また、特に浅版化した版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷されることがより好ましい。
前記グラビア印刷工程により作成される印刷層は、多色印刷できる印刷ユニット中、全印刷ユニットに溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を使用し、作成されることが好ましいが、用途、物性、デザイン、コスト、作業性、機能などを考慮すると、全印刷ユニットに本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を使用する必要はなく、他の汎用グラビアインキ組成物および/または各種機能性インキ組成物、意匠性インキ組成物などを使用してもよく、これらを重ね刷りもしくは反転印刷にて、作成された印刷層であってもよい。
なお、本明細書では、浅版化した版とは、印刷版を形成するセルの最大深さ(「版深」ということもある)が従来の印刷版より浅い印刷版のことをいう。ただし、印刷会社などにおいて印刷版作製の仕様などの条件として、通常の印刷版よりも浅い版深であると認識されるものも含まれる。
浅版化した印刷版を使用すると、インキ消費量が減少するため、揮発溶剤の削減に効果があるとともに、環境負荷低減やコストダウンにも有効であるが、通常の印刷版と同等の印刷濃度を得るために、インキ組成物中の顔料濃度を上げる必要があり、固形分割合が多くなる分、溶剤分が減少し、インキ組成物の安定性低下、粘度上昇や、フィルム基材への密着性低下、印刷適性低下につながるおそれがある。しかし、本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、特定の条件のポリエステルポリオールとポリエーテルポリオール、およびポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有することにより、顔料を高濃度化しても、インキ組成物の良好な安定性、低粘度を保つことができ、フィルム基材層への密着性、印刷適性が低下しない。
前記印刷層上にラミネート層を作成する工程により、ラミネート層が、前記印刷層上に作成される。前記ラミネート層を作成する工程は、例えば、ヒートシール性を付与した積層体や公知のシーラントフィルムの貼り合わせ工程、押出ラミネート加工による樹脂コーティング工程、ヒートシール剤やホットメルト剤の塗工工程などによるシール層の形成工程や、剛性、腰、ガスバリア性、保香性、防湿性、耐ピンホール性、デッドホール性、遮光性、直線カット性などの性能を付与または強化するための層を作成する工程も含む。
前記シール層としては、シール強度が十分確保できるものであれば、貼り合わせ方法はフィルム基材層、用途、構成などに応じて適宜選択される。例えば、前記フィルム基材層または前記中間層上の印刷層に接着剤を介した公知のシーラントフィルムとの貼り合わせ(ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、ウェットラミネート法)、熱による貼り合わせ(熱ラミネート法)、押出ラミネート加工による樹脂コーティング(押出ラミネート法、共押出ラミネート法、PEサンドイッチラミネート法)、ヒートシール剤やホットメルトの塗工、印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着する樹脂コーティング(ダイレクトラミネート法)などが好ましく使用できる。これらの方法を単独もしくは組み合わせて積層体を製造することができる。
シール層の厚さは、特に制限はないが、0.2〜300μmが好ましく、0.5〜300μmがより好ましい。
前記シーラントフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート、これらの共重合体などのポリオレフィンフィルムやその共押フィルムおよび着色フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、エチレン−ビニルアルコール樹脂フィルムなどが挙げられ、延伸していても、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。
特に、ポリエチレン系フィルムにおいて、バイオマス由来のフィルムが市販されている。
前記押出ラミネート加工による樹脂コーティングに使用できる樹脂としては、LDPE、LLDPE、HDPEなどのポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンをマレイン酸やフマル酸などで変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの樹脂は、一種類または二種類以上を積層していてもよい。なかでも、ポリエチレン系樹脂において、バイオマス由来のものが市販されている。
前記ヒートシール剤の樹脂の例としては、例えば、セラック類、ロジン類、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセチルプロピオネート、セルロースアセチルブチレート、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ケトン樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、カゼイン、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは一種類または二種類以上組み合わせて使用してもよい。これらの樹脂を溶剤に溶解したタイプ、水系に溶解したタイプ、あるいはアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、エチレン−ビニルアルコール系エマルジョン、ポリエチレン系エマルジョン、ポリプロピレン系エマルジョンなど水中に分散させたものが挙げられる。
前記付与または強化するための層は、積層体に剛性、腰、ガスバリア性、保香性、防湿性、耐ピンホール性、デッドホール性、遮光性、直線カット性などの性能を付与または強化ができる。
該層としては、プラスチックフィルム、シート、紙、アルミ箔ならびにこれらの積層体などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテートなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコールなどのアルコール系フィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、防湿セロハン、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミニウムの蒸着層を設けたアルミ蒸着ポリエステルフィルムまたはアルミ蒸着ポリアミドフィルムあるいはPETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、HDPEやPPなどの一軸延伸フィルム、ポリ乳酸フィルムなどが挙げられる。これらは延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。貼り合わせ面にはアンカーコート層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。処理は両面処理が好ましい。なかでもバイオマス由来の該層としては、ポリエチレンテレフタレート、アルミ蒸着PET、ポリエチレン、紙、ポリ乳酸、セロハンなどが挙げられ、市販されている。
また、本発明の積層体では必ずしもフィルム基材層に印刷層を施す必要はなく、該層に印刷層を設けることもできる。
ラミネート層の厚みは、特に限定されないが、前記シール層および/または前記付与または強化するための層の厚みに依存する。シール性、コスト、生産性の観点から、シール層としては、シーラントフィルムでは2〜200μm、押出ラミネート加工による樹脂コーティングでは1〜100μm、ホットメルト接着剤の塗工では1〜50μm、ヒートシール剤の塗工では0.01〜30μmの厚みであることが好ましい。
前記付与または強化するための層としては、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であればよく、5〜300μmの厚みが好ましく、6〜250μmの厚みがより好ましい。
前記ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、ウェットラミネート法、押出ラミネート法などに接着剤やアンカーコート剤を使用する場合は市販のものでよく、例えば、2液型もしくは1液型ウレタン系樹脂接着剤、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、水系ウレタン系、イソシアネート系、有機チタン系、デンプン系の水溶性接着剤や酢酸ビニルエマルジョンのような水性接着剤などが挙げられる。ラミネート用接着剤層を形成するための接着剤の塗布方法としては、公知の塗布法を用いることができ、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター等を用いることができる。接着剤やアンカーコート剤の厚みは特に制限はないが、0.001〜10μm程度の範囲が好ましく、0.01〜5μmの範囲が特に好ましい。
本発明の積層体は、包装用、食品保存用、農業用、土木用、漁業用、自動車内外装用、船舶用、日用品用、建材内外装用、住設機器用、医療・医療機器用、医薬用、家電品用、家具類用、文具類・事務用品用、販売促進用、商業用、電機電子産業用などに使用できる。
本発明の積層体を用いて作成される形態としては、二方シール、三方シール、四方シール、ピローシール、スタンディングパウチ、封筒貼り、合掌貼り、ガゼット、溶断シール、角底袋、チューブ、キャラメル包装、オーバーホールド、フィンシール、まんじゅう包装、ひねり、ロケット、三角パック、ゲーブルトップ、ブリック、シボリ、カップ、トレイ、ボトル、ブリック、コンテナ、ボックス、ケース、番重、カバー、蓋材、キャップ、ラベル、インモールドカップなど包装用途に用いられる周知の形態のいずれでもよい。また、必要に応じて、包装袋に注出口や開閉用ジッパーなどを任意に取り付けることができる。
シールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールなどの公知の方法で行うことができる。
本発明の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物は、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中に顔料、各種添加剤を溶剤の存在下で、均一に溶解または分散させることにより公知の方法で製造できる。分散させる際は、凝集している顔料を0.01〜1μm程度の平均粒径になるまで微粒子化して、分散体を得る。
前記溶解または分散は、各種撹拌機または分散機が使用でき、ディスパー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、ロールミル、ペブルミル、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサーなどが挙げられる。ビーズミルを使用する際の製造方式は特に制限されないが、パス方式でも循環式でもよく、パス方式は複数回分散体を通す複数パス方式でもよい。
分散体における顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
インキ組成物の粘度は、10〜1,000mPa・s/25℃の範囲内であることが好ましい。10mPa・sより小さいと、粘度が低すぎて、顔料が沈降しやすい傾向になり、1,000mPa・sより大きいと、流動性が悪く、インキ製造時に支障が出たり、容器への充填が困難となる。この場合、ブルックフィールド型粘度計やコーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。
インキ組成物中の固形分としては、25〜80質量%の範囲内であることが好ましい。25質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
インキ組成物の色相は、プロセスインキとしての黄、紅、藍、墨、白の5色の顔料に加え、中間色として草、紫、金赤などの顔料があり、さらに牡丹、茶、透明黄、金、銀、パールなどの顔料も用いられる。また、これらを適宜混合し調色品として、使用することもできる。また、濃度調整用として、メジウムという透明なインキ組成物を準備することが好ましい。
ヒートシールの際、シールバーに当たる用途には、耐チント変色性など、ボイル・レトルト用途には、耐マイグレーション性、耐熱性など、屋外用途には、耐光性などを考慮して適宜顔料を選択することが好ましい。前記各種インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
希釈溶剤は、前記インキ組成物の粘度や濃度を調整して使用できるものであれば、いずれでもよく、前記溶剤が挙げられ、市販のものも使用でき、特に制限はない。市販品としては、PU533溶剤(含トルエン系)、PU515溶剤(ノントルエン系)、SL9164溶剤(ノンケトン系)、SL9170溶剤(含ケトン系)(以上、いずれも東京インキ(株)製)などが挙げられる。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系もしくはノンケトン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
前記インキ組成物が印刷に供される際の粘度は、ザーンカップNo.3((株)離合社製)にて、25℃において13〜25秒の範囲内であることが好ましい。13秒より小さいと、泳ぎやすく、25秒より大きいと印刷時の転移性が悪くなる。
印刷時に、必要に応じて、インキ組成物に、硬化剤を添加することもできる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート(スタビオPDI)などの脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのトリメチロールプロパン三量体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体などの変性体などのポリイソシアネート系硬化剤が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
[ポリエステルポリオール(I)の作製]
PES1
撹拌機、温度計、分水器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、石油由来のダイマージオール79.81部、アジピン酸20.19部を仕込み、窒素気流下、230℃で縮合によって生じる水を除去しながら、エステル化を8時間行って、ポリエステルポリオールの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を終了した。数平均分子量2,000のポリエステルポリオールPES1を得た。
同様に、表1〜表2の配合に従い、ポリエステルポリオールPES2〜PES15を得た。
表中の数平均分子量は以下の方法により測定した。
数平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定をした。
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[ポリウレタンウレア樹脂溶液の作製]
PUU1
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、合成した数平均分子量2,000のポリエスエテルポリオールPES1を22.91部、イソホロンジイソシアネート5.09部を仕込み、窒素気流下、105℃で6時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、酢酸エチルを18.67部加えて46.67部のウレタンプレポリマー均一溶液を得た。続いて、イソホロンジアミン1.97部、n−ジブチルアミン0.03部、酢酸エチル30.33部、イソプロピルアルコール21.00部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液46.67部を加えて、60℃で3時間反応させた。これにより、樹脂固形分30%、粘度990mPa・s/25℃、重量平均分子量32,000、樹脂溶液アミン価1.05のポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1を得た。
同様に、表3〜表17の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU2〜123を得た。
表中の重量平均分子量、樹脂溶液アミン価は以下の方法により測定した。
重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定した。カラムはGelpack GL−A160、GL−A150、GL−A130(日立化成(株)製)を使用した。測定サンプルは試料を精秤(固形分換算で0.04g)し、テトラヒドロフランを5ml加え溶解して作成した。
樹脂溶液アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要な塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定は樹脂溶液サンプルを10gまたは20gを三角フラスコに精秤し、メスシリンダーで溶剤(メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1重量比)50ml加えて、溶解する。0.4%ブロムクレゾールグリーンを1ml加えてから、1/10N塩酸水溶液で滴定する。溶液の色が青または青緑から黄緑になり最後の一滴で黄色になった時点を終点とし、次式により、樹脂溶液アミン価を算出した。
アミン価=A×f×5.611/S
ただし、A=1/10N塩酸水溶液消費量(ml)、
f=1/10N塩酸水溶液力価、
S=試料採取量(g)
ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は、次式により、算出できる。
樹脂アミン価=樹脂溶液アミン価×100/樹脂固形分
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[その他の樹脂溶液の作製]
CLニス
撹拌機のついた丸底フラスコに、酢酸エチル90部を仕込み、撹拌しながらソルバインAL(塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合樹脂、日信化学工業(株)製)を10部添加して、CLニスを作成した。CLニスの樹脂固形分は10%であった。
[白インキの作製]
酸化チタン(C.I.Pigment W−7)45部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 35部、酢酸n−プロピル 10部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 5部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、白インキW1を100部得た。
同様に、表18〜表23の配合に従い、白インキW2〜W58を得た。従来製造例として、白インキW59を得た。同様に、先行文献例として、白インキW60を得た。
同様に、表48の配合に従い、CLニスを併用して、白インキW61〜W64を得た。ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU56に代えて、白インキW65を100部得た。また、従来製造例として、白インキW66を得た。なお、顔料含有率だけを本発明と同等にした白インキW67は、後記する<インキ安定性>評価において、顔料が沈降してしまった。
同様に、表55の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU57に代えて、白インキW101を100部得た。同様に、表55〜表61の配合に従い、白インキW102〜W161を得た。従来製造例として、白インキW162を得た。
同様に、表90の配合に従い、CLニスを併用して、白インキW163〜W166を得た。従来製造例として、白インキW167を得た。
[黄インキの作製]
ジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)13部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 50部、酢酸エチル 2.5部、酢酸n−プロピル 19.5部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、黄インキY1を100部得た。
同様に、表24〜表29の配合に従い、黄インキY2〜Y58を得た。従来製造例として、黄インキY59を得た。同様に、先行文献例として、黄インキY60を得た。
同様に、表49の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU56およびジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)をベンズイミダゾロン(C.I.Pigment Y−180)に代えて、黄インキY65およびY70を100部得た。また、CLニスを併用およびジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)をベンズイミダゾロン(C.I.Pigment Y−180)に代えて、黄インキY61〜Y64およびY66〜Y69を得た。同様に、表50の配合に従い、従来製造例として、黄インキY71〜Y72を得た。なお、顔料含有率だけを本発明と同等にした黄インキY73は、後記する<インキ安定性>評価において、顔料が沈降してしまった。
同様に、表62の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU57に代えて、黄インキY101を100部得た。同様に、表62〜表68の配合に従い、黄インキY102〜Y161を得た。従来製造例として、黄インキY162を得た。
同様に、表91の配合に従い、CLニスを併用およびジスアゾエロー(C.I.Pigment Y−14)をベンズイミダゾロン(C.I.Pigment Y−180)に代えて、黄インキY163〜Y170を得た。従来製造例として、黄インキY171〜Y172を得た。
[紅インキの作製]
ウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)13部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 50部、酢酸エチル 2.5部、酢酸n−プロピル 19.5部、イソプロピルアルコール 5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、紅インキR1を100部得た。
同様に、表30〜表35の配合に従い、紅インキR2〜R58を得た。従来製造例として、紅インキR59を得た。同様に、先行文献例として、紅インキR60を得た。
同様に、表51の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU56およびウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)をナフトールAS(C.I.Pigment R−146)に代えて、紅インキR65およびR70を100部得た。また、CLニスを併用およびウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)をナフトールAS(C.I.Pigment R−146)に代えて、紅インキR61〜R64およびR66〜R69を得た。同様に、表52の配合に従い、従来製造例として、紅インキR71〜R72を得た。顔料含有率だけを本発明と同等にした紅インキR73は、後記する<インキ安定性>評価において、顔料が沈降してしまった。
同様に、表69の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU57に代えて、紅インキR101を100部得た。同様に、表69〜表75の配合に従い、紅インキR102〜R161を得た。従来製造例として、紅インキR162を得た。
同様に、表92の配合に従い、CLニスを併用およびウォッチングレッド(C.I.Pigment R−48:3)をナフトールAS(C.I.Pigment R−146)に代えて、紅インキR163〜R170を得た。従来製造例として、紅インキR171〜R172を得た。
[藍インキの作製]
銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment B−15:3)15部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 40部、酢酸エチル 5部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 10部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、藍インキC1を100部得た。
同様に、表36〜表41の配合に従い、藍インキC2〜C58を得た。従来製造例として、藍インキC59を得た。同様に、先行文献例として、藍インキC60を得た。
同様に、表53の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU56に代えて、藍インキC65を100部得た。また、CLニスを併用して、藍インキC61〜C64を得た。従来製造例として、藍インキC66を得た。なお、顔料含有率だけを本発明と同等にした藍インキC67は、後記する<インキ安定性>評価において、顔料が沈降してしまった。
同様に、表76の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU57に代えて、藍インキC101を100部得た。同様に、表76〜表82の配合に従い、藍インキC102〜C161を得た。従来製造例として、藍インキC162を得た。
同様に、表93の配合に従い、CLニスを併用して、藍インキC163〜C166を得た。従来製造例として、藍インキC167を得た。
[墨インキの作製]
カーボンブラック(C.I.Pigment BL−7)15部、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1 40部、酢酸エチル 5部、酢酸n−プロピル 20部、イソプロピルアルコール 10部、プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、墨インキB1を100部得た。
同様に、表42〜表47の配合に従い、墨インキB2〜B58を得た。従来製造例として、墨インキB59を得た。同様に、先行文献例として、墨インキB60を得た。
同様に、表54の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU56に代えて、墨インキB65を100部得た。また、CLニスを併用して、墨インキB61〜B64を得た。従来製造例として、墨インキB66を得た。なお、顔料含有率だけを本発明と同等にした墨インキB67は、後記する<インキ安定性>評価において、顔料が沈降してしまった。
同様に、表83の配合に従い、ポリウレタンウレア樹脂溶液PUU1をポリウレタンウレア樹脂溶液PUU57に代えて、墨インキB101を100部得た。同様に、表83〜表89の配合に従い、墨インキB102〜B161を得た。従来製造例として、墨インキB162を得た。
同様に、表94の配合に従い、CLニスを併用して、墨インキB163〜B166を得た。従来製造例として、墨インキB167を得た。
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白インキW1〜W67、W101〜W167、黄インキY1〜Y73、Y101〜Y172、紅インキR1〜R73、R101〜R172、藍インキC1〜C67、C101〜C167、墨インキB1〜B67、B101〜B167について、インキ安定性を評価し、各表18〜表94にそれぞれ示した。
<インキ安定性>
インキ製造1週間後のインキの状態を目視にて観察し、評価した。インキ中の顔料の沈降がないものが、インキ安定性が良好と判断した。顔料の沈降について、○:製造直後と変化がない、△:わずかに顔料の沈降がみられる(実用上問題ない)、×:顔料がすべて沈降する、の3段階で評価した。
前記した通り、白インキW67、黄インキY73、紅インキR73、藍インキC67、墨インキB67は、顔料が沈降してしまったため、以降の評価は行なわなかった。
[印刷物の作製]
8色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜5色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、版深度20μm、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度、175線のレーザー彫刻版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、B1インキ、C1インキ、R1インキ、Y1インキ、W1インキをそれぞれ希釈溶剤PU515(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにB1インキ、第2ユニットのインキパンにC1インキ、第3ユニットのインキパンにR1インキ、第4ユニットのインキパンにY1インキ、第5ユニットのインキパンにW1インキをそれぞれ投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm、乾燥温度60℃、印圧2kg/cm、印刷速度200m/分にて、厚み20μmの延伸ポリプロピレンフィルムのパイレンP−2161(略称:OPP、東洋紡(株)製)に印刷して、OPP/インキの印刷物PR1を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。
同様に、B1、C1、R1、Y1、W1インキを第1ユニットから第5ユニットまでそれぞれ表95の通り、B2、C2、R2、Y2、W2インキに代えて、印刷物PR5を得た。
同様に、表95〜表98の通り、印刷物PR6〜PR62、PR101、PR105〜PR168を得た。
同様に、表99の通り、PR81〜PR82、PR86、PR181〜PR182を得た。
さらに、フィルム基材をOPPから厚み12μmのPETフィルムのE−5102(略称:PET、東洋紡(株)製)に、第1ユニットから第5ユニットまでそれぞれ、B61、C61、R61、Y61、W1インキに代えて、印刷物PR2を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR63〜PR70を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR102、PR169〜PR174を得た。
同様に、表99の通り、PR83〜PR85、PR87〜PR89、PR183〜PR185を得た。
同様に、フィルム基材を厚み12μmの透明蒸着PETフィルムのGL−ARH(略称:透明蒸着PET、凸版印刷(株)製)に代えて、実施例1と同様のインキを使用し、その際これらの各インキに、インキ100部に対し、イソシアネート硬化剤のLG硬化剤G(東京インキ(株)製)を3部添加して、印刷物PR3を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR71を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR103、PR175を得た。
同様に、表99の通り、PR90、PR186を得た。
同様に、フィルム基材を厚み15μmのナイロンフィルムのボニールRX(略称:ナイロン、興人フィルム&ケミカルズ(株)製)に代えて、実施例1と同様のインキを使用し、印刷物PR4を得た。
同様に、表96の通り、印刷物PR72を得た。
同様に、表97〜表98の通り、印刷物PR104、PR176を得た。
同様に、表99の通り、PR91、PR187を得た。
同様に、レーザー彫刻版の版深度25μmに代え、表99の通り、印刷物PR1と同様の方法にて、印刷物PR201およびPR203を得た。
同様に、フィルム基材を印刷物PR2〜PR4で使用したものに代え、印刷物PR202およびPR204〜PR208を得た。
印刷物PR1〜PR72、PR101〜PR176、PR81〜PR91、PR181〜PR187およびPR201〜PR208について、印刷物の印刷濃度を評価し、同表95〜表99に示した。なお、参考例PR201〜PR208の印刷濃度が基準となるので、「−」と表記した。
<印刷物の印刷濃度>
通常版の印刷物PR201〜PR208と各印刷物について、ベタ部分を分光濃度・測色計(X−Rite eXact、ビデオジェット・エックスライト(株)製、D65光源、入射角45°)にて、3箇所について測定し、L値の3箇所平均値を評価した。印刷物P201〜PR208のベタ部分のL値の3箇所平均値と各印刷物のベタ部分のL値の3箇所平均値の差(L値の差:ΔL)が少ないものが良好と判断した。L値の差について、○:ΔL1未満(同等)、△:ΔL1以上3未満(実用上問題ない)、×:ΔL3以上、の3段階で評価した。
[ラミネート積層体の作製]
実施例1
印刷物PR1の印刷層上に、タケラックA−969V/タケネートA−5(略称:DL、三井化学(株)製)をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量2.6g/mとなるように塗工して、厚み30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトーセロCP GLC(略称:CPP、三井化学東セロ(株)製)を貼り合わせた後、40℃で24時間エージングを行って、PR1/DL/CPPの積層体LAM1を得た。
同様に、印刷物PR1をPR5〜PR62に代えて、積層体LAM5〜LAM62を得た。
同様に、印刷物PR1を印刷物PR101、PR105〜PR168、PR81〜PR82、PR86、PR181〜PR182、PR201およびPR203に代え、LAM101、LAM105〜LAM168、LAM81〜LAM82、LAM86、LAM181〜LAM182、LAM201およびLAM203を得た。
実施例2
印刷物PR2の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52(略称:DL、三井化学(株)製)をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/mとなるように塗工して、厚み9μmのアルミニウム箔(略称:AL、東洋アルミニウム(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、厚み15μmのナイロンフィルムであるエンブレムONMB−RT(略称:ナイロン、ユニチカ(株)製)を貼り合わせ、さらに、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KM(略称:レトCPP、東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR2/DL/AL/DL/ナイロン/DL/レトCPPの積層体LAM2を得た。
同様に、印刷物PR2をPR63〜PR70に代えて、積層体LAM63〜LAM70を得た。
同様に、印刷物PR2を印刷物PR102、PR169〜PR174、PR83〜PR85、PR87〜PR89、PR183〜PR185、PR202およびPR204に代え、LAM102、LAM169〜LAM174、LAM83〜LAM85、LAM87〜LAM89、LAM183〜LAM185、LAM202およびLAM204を得た。
実施例3
印刷物PR3の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/mとなるように塗工して、厚み15μmのナイロンフィルムであるエンブレムONMB−RTを貼り合わせ、さらに同様に、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KMを貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR3/DL/ナイロン/DL/レトCPPの積層体LAM3を得た。
同様に、印刷物PR3をPR71、PR103、PR175、PR90およびPR186に代えて、積層体LAM71、LAM103、LAM175、LAM90およびLAM186を得た。
実施例4
印刷物PR4の印刷層上に、タケラックA−525/タケネートA−52をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量3.3g/mとなるように塗工して、厚み60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムであるトレファンNO ZK93KMを貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、PR4/DL/レトCPPの積層体LAM4を得た。
同様に、印刷物PR4をPR72、PR104、PR176、PR91およびPR187に代えて、積層体LAM72、LAM104、LAM176、LAM91およびLAM187を得た。
実施例73
印刷物PR2の印刷層上に、固形分1重量%としたポリエチレンイミン系のアンカーコート剤チタボンドT−100(日本曹達(株)製)を塗工して、押出ラミネート機で、ライン速度100m/分にて、溶融ポリエチレンLC600A(略称:LD、日本ポリエチレン(株)製)を315℃で溶融して15μmで積層して、12μmのアルミ蒸着PETフィルムであるVM−PET MWR2(略称:VM−PET、サイチ工業(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、溶融ポリエチレンを15μm積層して、50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであるLIX−NP L4102(略称:LLDPE、東洋紡(株)製)を貼り合わせて、PR2/LD/VM−PET/LD/LLDPEの積層体LAM73を得た。
同様に、印刷物PR2をPR102、PR87、PR183およびPR202に代えて、積層体LAM177、LAM92、LAM188およびLAM209を得た。
実施例74
印刷物PR1の印刷層上に、ECOAD EA−N370A/B(略称:NS、東洋モートン(株)製)をノンソルラミネート機で、ライン速度100m/分にて、塗布量1.2g/mとなるように塗工して、厚み20μmの蒸着無延伸ポリプロピレンフィルムであるVM−CPP2203(略称:VM−CPP、東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、38℃で24時間エージングを行って、PR1/NS/VM−CPPの積層体LAM74を得た。
同様に、印刷物PR1をPR101、PR81、PR181およびPR201に代えて、積層体LAM178、LAM93、LAM189およびLAM210を得た。
積層体LAM1〜LAM74、LAM101〜LAM178、LAM81〜LAM93、LAM181〜LAM189、LAM201〜LAM210について、積層体のラミネート強度、さらに積層体LAM2、LAM63〜LAM70、LAM73、LAM102、LAM169〜LAM174、LAM177、LAM83〜LAM85、LAM87〜LAM89、LAM183〜LAM185、LAM188、LAM202、LAM204およびLAM209については、耐熱水処理性(耐レトルト性)も評価し、同表95〜表99に示した。
<ラミネート強度>
積層体を15mm巾の短冊状にして、試験片とし、この試験片を万能型引張試験機(RTE−1210、(株)オリエンテック製)にて、T型剥離、引張速度300mm/分にて、引っ張り、剥離時の最大荷重をラミネート強度として測定した。ラミネート強度が大きいほど、ラミネート性が良好と判断した。ラミネート強度が、○:80g以上、△:50g以上、80g未満、×:50g未満、の3段階で評価した。
<耐レトルト性>
積層体LAM2、LAM63〜LAM70、LAM73、LAM102、LAM169〜LAM174、LAM177、LAM83〜LAM85、LAM87〜LAM89、LAM183〜LAM185、LAM188、LAM202、LAM204およびLAM209を、220℃、1秒の条件にて、ヒートシールにより接着し、開口部を有する10×20cmの包装袋を得た。この包装袋に、内容物として、ケチャップ/食酢/サラダ油=1/1/1の混合物を充填後、前記開口部を前記条件と同様にしてヒートシールにより密封し、パウチ状の包装袋を作製した。この包装袋を121℃で30分間、レトルト処理して、パウチ外観を目視により観察し、評価した。パウチ外観に浮きがないものが、耐レトルト性が良好と判断した。パウチ外観が、○:まったく変化ない、△:わずかに浮きが認められる、×:全面にわたって、浮きが認められる、の3段階で評価した。
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表95〜表99の結果より、実施例1〜実施例72、実施例101〜実施例176の積層体は、浅版であっても、印刷濃度が維持され、ラミネート加工しても強度が保たれていることが明確である。また、耐レトルト性も良好であることが明確である。押出ラミネートにて積層した実施例73および実施例177の積層体、ならびにノンソルベントラミネートにて積層した実施例74および実施例178のいずれも、浅版であっても、印刷濃度が維持され、ラミネート加工しても強度が保たれていることが明確である。また、実施例73および実施例177については、耐レトルト性も良好であることが明確である。
比較例1および比較例6〜13はどれも、重量平均分子量が小さく、樹脂アミン価が高いポリウレタンウレア樹脂を用いているため、印刷物の着色濃度、ラミネート方法に係らず積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例7〜9および比較例12については、どれも耐レトルト性が劣ることが明確である。比較例3〜5は、どれもポリエステルポリオール(I)と、ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、5/5であり、本発明の範囲外のものであるため、耐レトルト性が劣ることが明らかである。特許文献2〜4に類似の比較例2は、印刷物の着色濃度、積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例2のPR82に使用したフィルム基材をOPPから厚み12μmのPETフィルムのE−5102に変更し、実施例2と同様に積層体を作製したところ、ポリエステルポリオール(I)と、ポリエーテルポリオール(II)との配合比が、5/5であり、本発明の範囲外のものであるため、耐レトルト性が劣ることも確認された。比較例14〜22はどれも、重量平均分子量が小さく、樹脂アミン価が高いポリウレタンウレア樹脂を用いているため、印刷物の着色濃度、ラミネート方法に係らず積層体のラミネート性が劣ることが明確である。また、比較例16〜18については、どれも耐レトルト性が劣ることが明確である。

Claims (3)

  1. フィルム基材層を準備する工程と、
    下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比でかつポリイソシアネート(III)、ならびに鎖伸長剤(IV)とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
    該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
    前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含む印刷物の製造方法において、
    前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
    前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(ii)または(i)の条件を満足することを特徴とする印刷物の製造方法。
    条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
    条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
    条件(iii):顔料が機顔料であり、インキ組成物中に、4565質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
    条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
  2. 前記ポリエーテルポリオール(II)が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. フィルム基材層を準備する工程と、
    該フィルム基材層の一方に、下記条件(i)のポリエステルポリオール(I)とポリエーテルポリオール(II)とを、下記条件(ii)の質量比で、かつポリイソシアネート、ならびに鎖伸長剤とを反応させることによりなるポリウレタンウレア樹脂を含有するポリウレタンウレア樹脂溶液を準備する工程(1)と、
    該工程(1)で得られたポリウレタンウレア樹脂溶液と、顔料と、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤およびアルコール系溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤とを、混合、分散する工程(2)とを含む、浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を準備する工程と、
    前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物を浅版化した印刷版を使用して塗工したグラビア印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
    前記グラビア印刷層上にラミネート層を作成する工程と、を含む積層体の製造方法において、
    前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂のアミン価が1〜13mgKOH/gであり、かつ、前記ポリウレタンウレア樹脂溶液中のポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000であり、
    前記浅版化した印刷版を使用するグラビア印刷用の溶剤型ハイソリッドグラビア印刷インキ組成物が、該インキ組成物中に、前記ポリウレタンウレア樹脂を10〜35質量%含有し、前記顔料と前記溶剤とが下記(iii)または(iv)の条件を満足することを特徴とする積層体の製造方法。
    条件(i):ポリエステルポリオール(I)が、ジオールとジカルボン酸を脱水縮合させることにより得られ、前記ジオールがダイマージオール、前記ジカルボン酸がダイマー酸であり、これらのうち少なくともどちらか一方のみを含む。
    条件(ii):ポリエステルポリオール(I)/ポリエーテルポリオール(II)との配合比が質量比で、10/0〜6/4である。
    条件(iii):顔料が無機顔料であり、インキ組成物中に、45〜65質量%含有し、かつ無機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で50〜80質量%含有し、溶剤が35〜44.5質量%含有する。
    条件(iv):顔料が有機顔料であり、インキ組成物中に、13〜23質量%含有し、かつ有機顔料とポリウレタンウレア樹脂を合わせた固形分で25〜40質量%含有し、溶剤が50〜73質量%含有する。
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