本発明による包装材料を構成する積層体は、外面側から内面側へ順に積層された表面保護層、印刷層及び紙基材層を少なくとも備える。内面とは、包装材料から形成される包装製品において、包装製品に収容される内容物の側に位置する面である。また、外面とは、内面の反対側に位置する面である。本願において、「この順に備える」や「順に積層された」などの記載における「順」という用語は、特に断らない限り、外面側から内面側に向かう方向における順序を表している。
本発明においては、包装材料を構成する積層体全体で、下記で説明するバイオマス度が、好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上100%未満である。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態による包装材料20の一例を示す断面図である。包装材料20は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料20の外面20yを構成し、紙基材層13が包装材料20の内面20xを構成している。
図2は、本発明の第1の実施の形態による包装材料20のその他の一例を示す断面図である。包装材料20は、少なくとも、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、シーラント層22とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料20の外面20yを構成し、シーラント層22が包装材料20の内面20xを構成している。図2に示すように、包装材料20は、印刷層12と紙基材層13との間に位置するアンカーコート層21を更に備えていてもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態による包装材料20のその他の一例を示す断面図である。包装材料20は、少なくとも、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、接着樹脂層24と、金属箔23と、接着樹脂層25と、シーラント層22とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料20の外面20yを構成し、シーラント層22が包装材料20の内面20xを構成している。図3に示すように、包装材料20は、印刷層12と紙基材層13との間に位置するアンカーコート層21を更に備えていてもよい。
なお、上述した図1〜図3に示す包装材料20の複数の層構成を適宜組み合わせることも可能である。
以下、包装材料20を構成する各層について説明する。
(紙基材層)
紙基材層13は、紙を含む層である。紙基材層13は、100g/m2以上700g/m2以下、好ましくは150g/m2以上600g/m2以下、より好ましくは200g/m2以上500g/m2以下の坪量を有する。紙基材層13としては、白板紙全般を対象とするが、特に安全性の観点から天然パルプを用いたアイボリー紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙等の使用が好ましい。
板紙は、サイズ剤として、中性ロジンやアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を使用してもよく、定着剤としてカチオン性のポリアクリルアミドやカチオン性デンプン等を使用してもよい。また、硫酸バンドを使用してpH6以上pH9以下の中性領域で抄紙することも可能である。その他、必要に応じて上記のサイズ剤のほか、定着剤の他、製紙用各種填料、歩留向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、結合剤、分散剤、凝集剤、可塑剤、接着剤を適宜含有していてもよい。
(印刷層)
印刷層12は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、印刷によって形成される層である。印刷層12は、例えば、絵、写真、文字、数字、図形、記号、模様などの所望の任意の絵柄を形成する絵柄層を含む。印刷層は、絵柄層の絵柄を際立たせるよう印刷により形成された地色層を更に含んでいてもよい。
本実施の形態において、印刷層12は、グラビア印刷によって形成される。印刷層12は、着色剤と、バインダー樹脂とを含む。印刷層12を形成するためのインキ組成物は、着色剤及びバインダー樹脂に加えて、グラビア印刷に適した溶剤を含む。
〔着色剤〕
着色剤としては、特に限定されず、従来公知の顔料や染料を用いることができる。
〔バインダー樹脂〕
バインダー樹脂は、ニトロセルロースを含む。好ましくは、バインダー樹脂は、バイオマス由来成分を含む。例えば、バインダー樹脂は、バイオマス由来のニトロセルロースを含む。
<ニトロセルロース>
ニトロセルロースは、セルロース骨格の水酸基の一部を硝酸エステル化したニトロ基置換体のセルロース系樹脂である。ニトロセルロース樹脂のセルロース骨格は、バイオマス材料である。ニトロセルロースとしては、一般的なニトロセルロースが支障なく利用できるが、とりわけ、セルロース骨格を構成するグルコース単位1個あたり、平均して1.3〜2.7個のニトロ基で置換されたものを利用することが好ましい。
ニトロセルロースには、分子量に応じてLタイプとHタイプがある。有機溶剤に対する溶解性の面からは、Lタイプのものを利用することが好ましい。
<ポリアミド樹脂>
バインダー樹脂は、ポリアミド樹脂を更に含んでいてもよい。この場合、ポリアミド樹脂がバイオマス由来であることが好ましい。ポリアミド樹脂は、酸成分とアミン成分を反応させて得られる樹脂である。酸成分は、主として重合脂肪酸であり、さらに脂肪族、脂環族および芳香族のジカルボン酸や脂肪族モノカルボン酸を一部含有してもよい。アミン成分は、主として脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香・脂肪族及び芳香族ポリアミンの単独または混合物であり、さらに一級および二級モノアミンを一部含有してもよい。ポリアミド樹脂は、酸成分もしくはアミン成分または両成分の少なくとも50%以上にバイオマスを使用する条件で製造されたものであることが好ましい。
バイオマス材料を合成材料として用いたポリアミド樹脂の原料となる重合脂肪酸は、植物油や動物油等の乾性もしくは半乾性油に由来する不飽和脂肪酸またはそのエステルを重合して得られる。この不飽和脂肪酸は、主に炭素数が8〜24である。重合脂肪酸は、重合反応により一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸(二量体脂肪酸、ダイマー酸とも別称される。)、三量化重合脂肪酸等を含むことになるが、概ね、炭素数18の一塩基酸0〜10質量%、炭素数36の二塩基酸60〜99質量%、炭素数54の三塩基酸以上の酸30質量%以下の組成であることが好ましい。
酸成分のポリカルボン酸化合物としては、上記の重合脂肪酸を単独で使用してもよいが、さらにコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類を併用してもよい。また、モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などを挙げることができる。
上述の酸成分のうち、重合脂肪酸やステアリン酸、オレイン酸、リノール酸であって、上記の動植物の油脂のケン化物として得られるものはバイオマス材料である。また、発酵法で製造される酢酸やプロピオン酸は、酸成分として利用することにより、石油資源の省資源化や余分な二酸化炭素の発生を抑制が可能になり、工業的にも十分に利用可能なバイオマス材料である。
アミン成分のポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン類、キシリレンジアミン、ジアミノフェニルメタン、フェニレンジアミン、トリアミノベンゼン、トリアミノフェノール、テトラアミノベンゼン等の芳香族ポリアミン類などを挙げることができる。さらに、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン等のモノ−およびジ−アルキルアミン類、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のモノ−およびジ−アルカノールアミン類等のモノアミンを併用してもよい。上記のアミン成分の炭化水素基の部分は、石油由来の成分に由来する。
前記バイオマス材料を合成材料として用いたポリアミド樹脂の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000程度である。ポリアミド樹脂の重量平均分子量が3,000より低くなると、樹脂皮膜が脆弱となり、そのままでは耐摩擦性などが低下し、また100,000を超えると、インキ粘度が高くなりすぎて、そのままでは良好な印刷適性が得られ難くなる。
ニトロセルロース樹脂とバイオマス由来のポリアミド樹脂の含有割合は、1/0.4〜1/9.5であることが好ましく、1/0.5〜1/9であることがより好ましい。バイオマス由来のポリアミド樹脂の含有割合がニトロセルロース樹脂1に対して0.4より小さいと、耐水性が劣る。バイオマス由来のポリアミド樹脂の含有割合がニトロセルロース樹脂1に対して9.5より大きいと、耐熱性が劣る。なお、耐熱性が求められる用途で包装材料20を備える包装製品が用いられる場合、印刷層12がポリアミド樹脂を含んでいなくてもよい。
印刷層12は、好ましくは5%以上、より好ましくは5%以上50%以下、さらに好ましくは10%以上50%以下のバイオマス度を有する。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。印刷層12の乾燥後の重量は、好ましくは0.1g/m2以上10g/m2以下、より好ましくは1g/m2以上5g/m2以下、さらに好ましくは1g/m2以上3g/m2以下である。印刷層12は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の厚さを有する。なお、このような重量や厚さを有する印刷層12が複数設けられていてもよい。
「バイオマス度」とは、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値で示してもよく、また、バイオマス由来成分の重量比率で示してもよい。
放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値を「バイオマス度」として示す場合、以下のように「バイオマス度」を求めることができる。即ち、大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエステル中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。印刷層12中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioは、以下のようにして求めることができる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
また、バイオマス由来成分の重量比率で「バイオマス度」を表す場合、以下のように「バイオマス度」を求めることができる。例えば、ニトロセルロースの場合には、出発物質であるセルロース骨格を構成するグルコース単位1個(式量=172)当たりに含まれる水酸基の数が3個であるから、この水酸基の1〜3個が硝酸エステル化し(水素がニトロ基(非バイオマス材料、式量=46)に置換され)得る。そうすると、もとのセルロース骨格がバイオマス材料100重量%からなるとして、グルコース単位1個あたりの置換されたニトロ基の数が平均してn個の場合、ニトロセルロース分子全体に占めるバイオマス材料の割合(重量%)は、(172−n)
×100/(172−n+46n)で計算できる。
ニトロセルロース分子全体に占めるバイオマス材料の割合は、セルロース骨格を構成するグルコース単位1個あたり、平均して1個のニトロ基で置換された場合は、約78.8重量%、2個のニトロ基で置換された場合は約64.9重量%、3個のニトロ基に置換された場合は約55.0重量%になる(上記の式での計算値)。
また、ポリアミド樹脂を合成する酸成分の例としては、植物油由来のリノール酸の二量体(非環状及び環状の数種の構造を有する化合物の混合物、分子量558〜560)19モルおよびステアリン酸(分子量284)1モルがあり、アミン成分としては、石油由来のエチレンジアミン(分子量60)19モルおよびブチルアミン(分子量60)1モルがある。これらを反応させたときに、反応が理想的に進めば、リノール酸の二量体およびエチレンジアミンが19分子(カルボキシル基の合計38個、アミノ基の合計38個)、ステアリン酸およびブチルアミンが1分子(カルボキシル基1個、アミノ基1個)の脱水縮合反応物(=ポリアミド樹脂分子、分子量11384〜11422)1モルと水が39モル生成することになる。そして、上記のポリアミド樹脂分子中には、リノール酸の二量体から脱水反応により失われる分(OH×2)を除いた原子団からなる部位(式量524〜526)19個、ステアリン酸から脱水反応により失われる分(OH×1)を除いた原子団からなる部位(式量267)1個が存在することになる。従って、上記のポリアミド樹脂分子中のバイオマス材料の割合(重量%)は、(524×19+267)×100/11384〜(526×19+267)×100/11422≒89.8%となる。
以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
印刷層12のバインダー樹脂は、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含んでいてもよい。この場合、好ましくは、主剤としてのポリオールと硬化剤としてのイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む硬化物を用いて形成されている。これにより、包装材料20のバイオマス度を高めることができる。ポリオールとしては、多官能アルコールと多官能カルボン酸との反応物であるポリエステルポリオール、多官能アルコールと多官能イソシアネートとの反応物であるポリエーテルポリオール、または、多官能アルコールとカーボネートとの反応物であるポリカーボネートポリオールを用いることができる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールがバイオマス由来成分を含む場合、多官能アルコールおよび多官能カルボン酸の少なくともいずれか一方がバイオマス由来成分を含む。バイオマス由来成分を含むポリエステルポリオールとして以下の例を挙げることができる。
・バイオマス由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能カルボン酸との反応物
・化石燃料由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能カルボン酸との反応物
・バイオマス由来の多官能アルコールと化石燃料由来の多官能カルボン酸との反応物
バイオマス由来の多官能アルコールとしては、トウモロコシ、サトウキビ、キャッサバ、およびサゴヤシ等の植物原料から得られる脂肪族多官能アルコールを用いることができる。バイオマス由来の脂肪族多官能アルコールとしては、例えば、下記のような方法によって植物原料から得られる、ポリプロピレングリコール(PPG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール(BG)、ヘキサメチレングリコール等があり、いずれも使用し得る。これらは、単独で用いても併用してもよい。
バイオマス由来のポリプロピレングリコールは、植物原料を分解してグルコースが得られる発酵法により、グリセロールから3−ヒドロキシプロピルアルデヒド(HPA)を経て製造される。上記発酵法のようなバイオ法で製造されたポリプロピレングリコールは、EO製造法のポリプロピレングリコールと比較し、安全性面から乳酸等の有用な副生成物が得られ、しかも製造コストも低く抑えることが可能であることも好ましい。
バイオマス由来のブチレングリコールは、植物原料からグリコールを製造し発酵することで得られたコハク酸を得て、これを水添することによって製造することができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、例えば、常法によって得られるバイオエタノールからエチレンを経て製造することができる。
化石燃料由来の多官能アルコールとしては、1分子中に2個以上、好ましくは2〜8個の水酸基を有する化合物を用いることができる。具体的には、化石燃料由来の多官能アルコールとしては、特に限定されず従来公知の物を使用することができ、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール(BG)、ヘキサメチレングリコールの他、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール等を使用することができる。これらは、単独でも2種以上を併用してもよい。
バイオマス由来の多官能カルボン酸としては、再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油、ひまし油等の植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油等の植物原料から得られる脂肪族多官能カルボン酸を用いることができる。バイオマス由来の脂肪族多官能カルボン酸としては、例えば、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、グルタル酸、ダイマー酸等が挙げられる。例えば、セバシン酸は、ひまし油から得られるリシノール酸をアルカリ熱分解することにより、ヘプチルアルコールを副生成物として生成される。本発明では、特に、バイオマス由来のコハク酸又はバイオマス由来のセバシン酸を用いることが好ましい。これらは、単独でも2種以上を併用してもよい。
化石燃料由来の多官能カルボン酸としては、脂肪族多官能カルボン酸や芳香族多官能カルボン酸を用いることができる。化石燃料由来の脂肪族多官能カルボン酸としては、特に限定されず従来公知の物を使用することができ、例えば、アジピン酸、ドデカン二酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、およびダイマー酸、ならびにそれらのエステル化合物等が挙げられる。また、化石燃料由来の芳香族多官能カルボン酸としては、特に限定されず従来公知の物を使用することができ、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、トリメリット酸、およびピロメリット酸、ならびにそれらのエステル化合物等を用いることができる。これらは、単独でも2種以上を併用してもよい。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールがバイオマス由来成分を含む場合、多官能アルコールおよび多官能イソシアネートの少なくともいずれか一方がバイオマス由来成分を含む。バイオマス由来成分を含むポリエーテルポリオールとして以下の例を挙げることができる。
・バイオマス由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能イソシアネートとの反応物
・化石燃料由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能イソシアネートとの反応物
・バイオマス由来の多官能アルコールと化石燃料由来の多官能イソシアネートとの反応物
バイオマス由来の多官能アルコール及び化石燃料由来の多官能アルコールとしては、上述のポリエステルポリオールにおいて説明したバイオマス由来の多官能アルコール及び化石燃料由来の多官能アルコールを用いることができる。
バイオマス由来の多官能イソシアネートとしては、植物由来の二価カルボン酸を酸アミド化し、還元することで末端アミノ基に変換し、さらに、ホスゲンと反応させ、該アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られたものを用いることができる。バイオマス由来の多官能イソシアネートは、例えば、バイオマス由来のジイソシアネートである。バイオマス由来のジイソシアネートとしては、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、植物由来のアミノ酸を原料として、そのアミノ基をイソシアネート基に変換することによっても植物由来のジイソシアネートを得ることができる。例えば、リシンジイソシアネート(LDI)は、リシンのカルボキシル基をメチルエステル化した後、アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られる。また、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートはリシンのカルボキシル基を脱炭酸した後、アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られる。
1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの他の合成方法としては、ホスゲン化法やカルバメート化法が挙げられる。より具体的には、ホスゲン化方法は、1,5−ペンタメチレンジアミンまたはその塩を直接ホスゲンと反応させる方法や、ペンタメチレンジアミンの塩酸塩を不活性溶媒中に懸濁させてホスゲンと反応させる方法により、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートを合成するものである。また、カルバメート化法は、まず、1,5−ペンタメチレンジアミンまたはその塩をカルバメート化し、ペンタメチレンジカルバメート(PDC)を生成させた後、熱分解することにより、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートを合成するものである。本発明において、好適に使用されるポリイソシアネートとしては、三井化学株式会社製の1,5−ペンタメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(商品名:スタビオ(登録商標))が挙げられる。
化石燃料由来の多官能イソシアネートとしては、特に限定されず従来公知の物を使用することができ、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。また、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添XDI等の脂環式ジイソシアネート等も挙げられる。これらは、単独でも2種以上を併用してもよい。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールがバイオマス由来成分を含む場合、ポリカーボネートポリオールとしては、バイオマス由来成分を含む多官能アルコールと、化石燃料由来のカーボネートとの反応物を用いることができる。カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジエチレンカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
バイオマス由来の多官能アルコールとしては、上述のポリエステルポリオールにおいて説明したバイオマス由来の多官能アルコールを用いることができる。
<イソシアネート化合物>
バイオマス由来成分を含むイソシアネート化合物としては、ポリエーテルポリオールにおいて説明したバイオマス由来の多官能イソシアネートを用いることができる。
(表面保護層)
表面保護層11は、印刷層12を保護する層である。表面保護層11は、印刷層12に接するように設けられていてもよい。表面保護層11は、固形分及び溶剤を含む塗料を塗布することによって形成される。塗料の固形分としては、印刷層12のバインダー樹脂と同様の材料を用いることができる。このため、表面保護層11の構成は、着色剤を含まない点以外は、印刷層12の構成と同様である。
また、表面保護層11は、バイオマス由来のニトロセルロースを含む。バイオマス由来のニトロセルロースとしては、印刷層12において説明したバイオマス由来のニトロセルロースを用いることができる。
表面保護層11は、ポリアミド樹脂を更に含んでいてもよい。この場合、ポリアミド樹脂がバイオマス由来であることが好ましい。ポリアミド樹脂としては、印刷層12において説明したポリアミド樹脂を用いることができる。好ましくは、表面保護層11のポリアミド樹脂は、バイオマス由来成分を含む。なお、耐熱性が求められる用途で包装材料20を備える包装製品が用いられる場合、表面保護層11がポリアミド樹脂を含んでいなくてもよい。
表面保護層11は、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を更に含んでいてもよい。この場合、好ましくは、主剤としてのポリオールと硬化剤としてのイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む硬化物を用いて形成されている。ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物としては、印刷層12において説明したポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。
表面保護層11は、好ましくは5%以上、より好ましくは5%以上50%以下、さらに好ましくは10%以上50%以下のバイオマス度を有する。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。表面保護層11の乾燥後の重量は、好ましくは0.1g/m2以上10g/m2以下、より好ましくは1g/m2以上5g/m2以下、さらに好ましくは1g/m2以上3g/m2以下である。表面保護層11は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の厚さを有する。
(アンカーコート層)
アンカーコート層21は、紙基材層13と印刷層12との間の密着性を高めるための層である。アンカーコート層21を構成する材料としては、ポリエチレンイミンなどを用いることができる。これらの材料と溶剤とを含む塗料を紙基材層13に塗布することにより、アンカーコート層21を形成することができる。
(シーラント層)
シーラント層22は、バイオマス由来成分を含んでいてもよく、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。バイオマス由来成分を含む材料によりシーラント層22を形成する場合、シーラント層22は、下記のバイオマスポリオレフィンを用いて形成することができる。また、バイオマス由来成分を含まない材料によりシーラント層22を形成する場合、シーラント層22は、従来公知の化石燃料由来の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。
バイオマスポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレン等のオレフィンを含むモノマーの重合体である。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のオレフィンを用いているため、重合されてなるポリオレフィンはバイオマス由来となる。なお、ポリオレフィンの原料モノマーは、バイオマス由来のオレフィンを100質量%含むものでなくてもよい。
例えば、バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
バイオマスポリオレフィンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンのモノマーおよび/または化石燃料由来のα−オレフィンのモノマーをさらに含んでもよいし、バイオマス由来のα−オレフィンのモノマーをさらに含んでもよい。
上記のα−オレフィンは、炭素数は特に限定されないが、通常、炭素数3〜20のものを用いることができ、ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであることが好ましい。ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであれば、バイオマス由来の原料であるエチレンの重合により製造することが可能となるからである。また、このようなα−オレフィンを含むことで、重合されてなるポリオレフィンはアルキル基を分岐構造として有するため、単純な直鎖状のものよりも柔軟性に富むものとすることができる。
バイオマスポリオレフィンとしては、ポリエチレンや、エチレンとα−オレフィンの共重合体を単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。特に、バイオマスポリオレフィンはポリエチレンであることが好ましい。バイオマス由来の原料であるエチレンを用いることで、理論上100%バイオマス由来成分により製造することが可能となるからである。
バイオマスポリオレフィンは、異なるバイオマス度のバイオマスポリオレフィンを2種以上含むものであってもよく、ポリオレフィン樹脂層全体として、バイオマス度が、後述する範囲内であればよい。
バイオマスポリオレフィンは、好ましくは0.91g/cm3以上0.93g/cm3以下、より好ましくは0.912g/cm3以上0.928g/cm3以下、さらに好ましくは0.915g/cm3以上0.925g/cm3以下の密度を有するものである。バイオマスポリオレフィンの密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。バイオマスポリオレフィンの密度が0.91g/cm3以上あれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の剛性を高めることができ、包装製品の内層として好適に用いることができる。また、バイオマスポリオレフィンの密度が0.93g/cm3以下であれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の透明性や機械的強度を高めることができ、包装製品の内層として好適に用いることができる。
バイオマスポリオレフィンは、0.1g/10分以上10g/10分以下、好ましくは0.2g/10分以上9g/10分以下、より好ましくは1g/10分以上8.5g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。バイオマスポリオレフィンのMFRが0.1g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、バイオマスポリオレフィンのMFRが10g/10分以下であれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の機械的強度を高めることができる。
好適に使用されるバイオマスポリオレフィンとしては、Braskem社製のバイオマス由来の低密度ポリエチレン(商品名:SBC818、密度:0.918g/cm3、MFR:8.1g/10分、バイオマス度95%)、Braskem社製のバイオマス由来の低密度ポリエチレン(商品名:SPB681、密度:0.922g/cm3、MFR:3.8g/10分、バイオマス度95%)、Braskem社製のバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:SLL118、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)等が挙げられる。
上記の化石燃料由来の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等が挙げられる。
シーラント層22は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上95%以下のバイオマス度を有するものである。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
シーラント層22は、単層であってもよく、多層であってもよい。シーラント層に上記したようなバイオマスポリオレフィンを使用する場合は、内層、中間層、および外層の3層を備えたシーラント層としてもよい。その場合、中間層を、バイオマスポリオレフィンからなる層、またはバイオマスポリオレフィンと従来公知の化石燃料由来のポリオレフィンとの混合物からなる層とし、内層および外層は、従来公知の化石燃料由来のポリオレフィンとすることが好ましい。
シーラント層22は、好ましくは10μm以上300μm以下、より好ましくは20μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上150μm以下の厚さを有する。
(金属箔)
金属箔23は、金属を圧延することによって得られた部材である。金属箔23としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔が好ましい。
(接着樹脂層)
接着樹脂層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層である。接着樹脂層24は、紙基材層13と金属箔23とを接着する層であり、接着樹脂層25は、金属箔23とシーラント層22とを接着する層である。
接着樹脂層は、従来公知の方法、例えば溶融押出しラミネート法やサンドラミネート法により形成することができる。接着樹脂層に使用できる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上述のバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用して、バイオマス度をさらに向上させることができる。
溶融押出しラミネート法により接着樹脂層を積層する場合には、積層される側の層の表面に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成されるアンカーコート層を設けてもよい。アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
乾燥後のアンカーコート層は、0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下の厚さを有するものである。乾燥後の接着樹脂層は、1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有するものである。接着樹脂層は好ましくは5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有するものである。
(包装材料の製造方法)
次に、包装材料20を構成する積層体の製造方法の一例について説明する。
まず、上述の紙基材層13を準備する。続いて、上述のインキ組成物をグラビア印刷により紙基材層13上に印刷して、紙基材層13上に印刷層12を形成する。続いて、固形分及び溶剤を含む上述の塗料を印刷層12上に塗布して、印刷層12上に表面保護層11を形成する。これによって、表面保護層11、印刷層12及び紙基材層13を備える包装材料20を得ることができる。塗料を塗布する方法としては、グラビア方式、ロールコーター方式などを用いることができる。
<包装製品>
包装材料20を用いることによって形成される包装製品の例について説明する。図4は、断熱性を備える断熱性容器50を示す図である。図4の左半分及び右半分はそれぞれ、断熱性容器50の断面図及び正面図を示している。図4の断熱性容器50は、紙カップ本体51と、紙カップ本体51の胴部を覆う外筒52と、を備える。外筒52は、上部及び下部が開口した中空円筒状の形状を有する。この外筒52が、図1に示す包装材料20を用いることによって形成される包装製品20Aの一例である。紙カップ本体51と外筒52とは、接着剤53によって部分的に接合されている。
図5は、断熱性容器50を拡大して示す図である。図5に示すように、紙カップ本体51の胴部と外筒52との間には空隙54が形成されている。この空隙54により、紙カップ本体51に収容されている内容物の熱が外筒52に伝わることを抑制することができる。内容物の例としては、ラーメン、みそ汁、スープなどを挙げることができる。
図6は、紙カップ55の一部を切除した斜視図である。紙カップ55は、胴部57及びフランジ部58を有する本体部56と、底部59と、を備える。この本体部56が、図2又は図3に示す包装材料20を用いることによって形成される包装製品20Aの一例である。紙カップ55に収容される内容物の例としては、菓子、アイスクリーム、ゼリー、自動販売機の紙カップなどを挙げることができる。
バイオマス由来成分を含む表面保護層11を備える包装材料20を用いて包装製品20Aを構成することにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができる。これにより、環境負荷を減らすことができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図7は、本発明の第2の実施の形態による包装材料30の一例を示す断面図である。包装材料30は、順に積層された表面保護層11、印刷層12、及び紙基材層13と、表面保護層11上に位置する表面層14と、を備える。図7に示す例において、表面層14は、表面保護層11上に部分的に位置している。表面層14は、例えば、箔押しによって形成された層である。この場合、表面層14は、表面保護層11側から順に、接着層、金属膜、離型層を少なくとも含む。なお、図示はしないが、図7以外に示される包装材料の表面保護層11上にも表面層14が形成されていてもよい。
図8は、本発明の第2の実施の形態による包装材料30のその他の一例を示す断面図である。包装材料30は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、段ボール層31とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料30の外面30yを構成し、段ボール層31が包装材料30の内面30xを構成している。
図9は、本発明の第2の実施の形態による包装材料30のその他の一例を示す断面図である。包装材料30は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、接着剤層33と、蒸着フィルム32とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料30の外面30yを構成し、蒸着フィルム32が包装材料30の内面30xを構成している。
図10は、本発明の第2の実施の形態による包装材料30のその他の一例を示す断面図である。包装材料30は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、接着樹脂層34と、蒸着フィルム32とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料30の外面30yを構成し、蒸着フィルム32が包装材料30の内面30xを構成している。
以下、包装材料30を構成する各層について説明する。
(表面保護層、印刷層、紙基材層)
表面保護層11、印刷層12、紙基材層13としては、第1の実施の形態において説明した表面保護層11、印刷層12、紙基材層13を用いることができる。
(段ボール層)
段ボール層31は、波型の段のある紙(フルート)と、フルートに貼り合された表紙及び裏紙と、を有する層であり、いわゆる段ボールである。段ボール層31は、紙基材層13に貼合されている。段ボール層31としては、段高が約0.5mmであるGフルートを備えるG段や、階高が約0.6mmであるFフルートを備えるF段などを用いることができる。
(蒸着フィルム)
蒸着フィルム32は、基材と、基材に蒸着された蒸着膜と、を備える。蒸着膜は、基材よりも外面側に位置する。
基材は、プラスチックフィルムである。プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等、様々なプラスチックを用いることができる。基材は、バイオマス由来成分を含んでいてもよく、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。
基材がバイオマス由来成分を含む場合、基材は、下記のバイオマスポリエステルまたはバイオマスポリエチレンを用いて形成することができる。
バイオマスポリエステルは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするものである。基材は、バイオマスポリエステルに加えて、化石燃料由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とする化石燃料由来のポリエステルをさらに含んでもよい。
基材がバイオマス由来成分を含む場合、基材中のバイオマス度は、5%以上であり、好ましくは10%以上30%以下であり、より好ましくは15%以上25%以下である。基材中のバイオマス度が5%以上であれば、従来に比べて化石燃料由来のポリエステルの量を削減し環境負荷を減らすことができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
バイオマスポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
また、脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常炭素数が2以上40以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物が挙げられる。これらのなかでも、アジピン酸、コハク酸、ダイマー酸又はこれらの混合物が好ましく、コハク酸を主成分とするものが特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、又はこれらの混合物がより好ましい。これらのジカルボン酸は単独でも2種以上混合して使用することもできる。
バイオマスポリエステルは、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、第3成分として共重合成分を加えた共重合ポリエステルであっても良い。共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これらの共重合成分の中では、高重合度の共重合ポリエステルが容易に製造できる傾向があるため、特に2官能及び/又は3官能以上のオキシカルボン酸が好適に使用される。その中でも、3官能以上のオキシカルボン酸の使用は、後述する鎖延長剤を使用することなく、極少量で容易に高重合度のポリエステルを製造できるので最も好ましい。
バイオマスポリエステルは、上記したジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。具体的には、上記のジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によって製造することができる。バイオマスポリエステルを製造する際に用いるジオールの使用量は、ジカルボン酸又はその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化及び/又はエステル交換反応及び/又は縮重合反応中の留出があることから、0.1モル%以上20モル%以下の量を過剰に用いることが好ましい。
バイオマスポリエステルの樹脂組成物、または、バイオマスポリエステルと化石燃料由来のポリエステルを含む樹脂組成物を用いて、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより基材を形成することができる。具体的には、上記した樹脂組成物を乾燥させた後、樹脂組成物の融点Tm以上の温度〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することにより基材を成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
バイオマスポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー重合体である。バイオマス由来のエチレンとしては、第1の実施の形態のシーラント層22において説明したバイオマス由来のエチレンを用いることができる。
基材がバイオマス由来成分を含まない材料により形成される場合、基材を構成するプラスチックフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、またはポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムなどのプラスチックフィルムを用いることができる。
蒸着膜としては、例えば、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)等の金属の蒸着膜を使用することができる。
(接着剤層)
接着剤層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層である。図9の接着剤層33は、紙基材層13と蒸着フィルム32とを接着する層である。接着剤層33は、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含む。
接着剤層33は、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。バイオマス由来成分を含む接着剤層33においては、ポリオールまたはイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む。
接着剤層において、バイオマス由来成分を含むイソシアネート化合物としては、上記の印刷層12と同様のバイオマス由来成分を含むイソシアネート化合物を用いることができる。また、接着剤層において、バイオマス由来成分を含むポリオールとしては、上記の印刷層12と同様のポリオールを用いることができる。印刷層12と接着剤層の両方を、バイオマス由来成分を含む硬化物を用いて形成する場合、印刷層12中の硬化物と接着剤層中の硬化物は、同様の組成でも良いし、異なる組成でも良い。
接着剤層33は、好ましくは5%以上、より好ましくは5%以上50%以下、さらに好ましくは30%以上50%以下のバイオマス度を有する。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
接着剤層33の乾燥後の重量は、好ましくは0.1g/m2以上10g/m2以下、より好ましくは1g/m2以上6g/m2以下、さらに好ましくは2g/m2以上5g/m2以下である。
接着剤層33は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上6μm以下、さらに好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有する。
(接着樹脂層)
接着樹脂層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層である。図10の接着樹脂層34は、紙基材層13と蒸着フィルム32とを接着する層である。接着樹脂層34としては、第1の実施の形態において説明した接着樹脂層を用いることができる。接着樹脂層34がポリエチレン系樹脂を含む場合、バイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用してもよい。
(包装材料の製造方法)
次に、包装材料30を構成する積層体の製造方法の一例について説明する。
図9に示す包装材料30の製造方法の一例について説明する。まず、上述の印刷層12及び表面保護層11が形成された紙基材層13、並びに蒸着フィルム32を準備する。続いて、ドライラミネート法により、紙基材層13と蒸着フィルム32とを、接着剤層33を介して積層する。
ドライラミネート法においては、まず、積層される2つのフィルムのうちの一方に接着剤組成物を塗布する。続いて、塗布された接着剤組成物を乾燥させて溶剤を揮発させる。その後、乾燥後の接着剤組成物を介して2つのフィルムを積層する。続いて、積層された2つのフィルムを巻き取った状態で、例えば20℃以上の環境下で24時間以上にわたってエージングする。
なお、紙基材層13と蒸着フィルム32とを接着剤層33を介して積層した後、紙基材層13上に印刷層12及び表面保護層11を形成してもよい。
次に、図10に示す包装材料30の製造方法の一例について説明する。まず、上述の印刷層12及び表面保護層11が形成された紙基材層13、並びに蒸着フィルム32を準備する。続いて、サンドラミネート法により、紙基材層13と蒸着フィルム32とを、接着樹脂層34を介して積層する。
サンドラミネート法においては、まず、積層される2つのフィルムのうちの一方のフィルムの上に、接着樹脂層34を構成する、溶融状態の樹脂を押し出す。続いて、一方のフィルムに押し出された樹脂の上に他方のフィルムを積層する。
なお、紙基材層13と蒸着フィルム32とを接着樹脂層34を介して積層した後、紙基材層13上に印刷層12及び表面保護層11を形成してもよい。
<包装製品>
包装材料30を用いることによって形成される包装製品の例について説明する。図11は、図7〜図10のいずれかに示す包装材料30を用いることによって形成される包装製品30Aの一例である。包装製品30Aは、お菓子の外箱、ビンの紙箱、医薬品の外箱などの一般的な紙容器である。
バイオマス由来成分を含む表面保護層11を備える包装材料30を用いて包装製品30Aを構成することにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができる。これにより、環境負荷を減らすことができる。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図12は、本発明の第3の実施の形態による包装材料40の一例を示す断面図である。包装材料40は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、内側樹脂層41とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料40の外面40yを構成し、内側樹脂層41が包装材料40の内面40xを構成している。
図13は、本発明の第3の実施の形態による包装材料40のその他の一例を示す断面図である。包装材料40は、表面保護層11と、印刷層12と、紙基材層13と、接着剤層42と、内側樹脂層41とをこの順に備える。表面保護層11が包装材料40の外面40yを構成し、内側樹脂層41が包装材料40の内面40xを構成している。
以下、包装材料40を構成する各層について説明する。
(表面保護層、印刷層、紙基材層)
表面保護層11、印刷層12、紙基材層13としては、第1の実施の形態において説明した表面保護層11、印刷層12、紙基材層13を用いることができる。
(内側樹脂層)
内側樹脂層41に含まれる樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等を挙げることができる。内側樹脂層41は、押出しによって紙基材層13上に形成された層であってもよく、接着剤層42を介して紙基材層13に貼り合されたフィルムであってもよい。内側樹脂層41が押出しによって形成される場合、内側樹脂層41厚みは、例えば20μm以上60μm以下である。内側樹脂層41が紙基材層13に貼り合されたフィルムである場合、内側樹脂層41厚みは、例えば7μm以上50μm以下である。
内側樹脂層41は、バイオマス由来成分を含んでいてもよく、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。内側樹脂層41がバイオマス由来成分を含む場合、内側樹脂層41は、例えば、第2の実施の形態の蒸着フィルム32の基材において説明したバイオマスポリエステルまたはバイオマスポリエチレンを用いて形成することができる。
(接着剤層)
接着剤層42は、内側樹脂層41がフィルムの形態である場合に、紙基材層13と内側樹脂層41とを接着する層である。接着剤層42は、第2の実施の形態の接着剤層33と同様に、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含んでいてもよい。
接着剤層42は、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。バイオマス由来成分を含む接着剤層42においては、ポリオールまたはイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含む。バイオマス由来成分を含むポリオール、及びバイオマス由来成分を含むイソシアネート化合物としては、印刷層12において説明したポリオール及びイソシアネート化合物を用いることができる。
(包装材料の製造方法)
次に、包装材料40を構成する積層体の製造方法の一例について説明する。
図12に示す包装材料40の製造方法の一例について説明する。まず、上述の印刷層12及び表面保護層11が形成された紙基材層13を準備する。続いて、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態の樹脂を押し出して、内側樹脂層41を形成する。
なお、紙基材層13上に内側樹脂層41を形成した後、紙基材層13上に印刷層12及び表面保護層11を形成してもよい。
図13に示す包装材料40の製造方法の一例について説明する。まず、上述の印刷層12及び表面保護層11が形成された紙基材層13、並びに内側樹脂層41を構成するフィルムを準備する。続いて、ドライラミネート法により、紙基材層13と内側樹脂層41のフィルムとを、接着剤層42を介して積層する。
なお、紙基材層13と内側樹脂層41のフィルムとを接着剤層42を介して積層した後、紙基材層13上に印刷層12及び表面保護層11を形成してもよい。
<包装製品>
包装材料40を用いることによって形成される包装製品の例について説明する。図14は、図12又は図13に示す包装材料40を用いることによって形成される包装製品40Aの一例である。包装製品40Aは、例えば、一次包装された食品などの内容物を収容するトレーである。一次包装された食品は、電子レンジで加熱される際には、一次包装用の容器から取り出されて、包装製品40Aからなるトレーに収容されてもよい。この場合、内容物は、包装製品40Aを構成する包装材料40の内面40xに接触している。
図15は、図14に示す包装製品40Aを作製するためのブランクを示す平面図である。ブランクにおいては、長方形の底板1における前後左右に折り線a〜dを介して前側板2、後側板3、左側板4、右側板5がそれぞれ連設されており、それらの各側板2〜5には両側辺に折り線eを介して三角形状の折込み片2a〜5aがそれぞれ連設され、隣接する折込み片どうしが底板の隅から外方に向けて延びる放射線の折り線fを介して連結されてウェッブコーナー部Wを形成している。
そして、後側板3にはその上辺に折り線gを介して蓋板6が連設され、前側板2にはその上辺に折り線hを介してフラップ7が連設されており、蓋板6には先端中央部に折り線iを介して係止片6aが突設され、フラップ7を連設する折り線hの中央部にこの係止片6aを差し込むための切込みαが設けられている。また、係止片6aの折り線iは折曲げを容易とするための切込みβを有しており、蓋板6の左右両側辺には切欠き6bが形成されている。
左側板4と右側板5にはその上辺に折り線jを介して把手板8,9がそれぞれ連設され、それらの把手板8,9には二つ折りするための折り線kが形成されており、さらに把手板8,9の先端には折り線lを介して係止用の差込み片8a,9aがそれぞれ突設されている。この例では、差込み片8a,9aの根元にV字状の切欠きを形成してあり、使用時にはこれらの差込み片8a,9aが蓋板6の左右両側辺にある切欠き6bとそれぞれ係合するようになっている。
また、このブランクでは、前側板2と後側板3の中ほどに撓み防止用として縦方向の押し罫を3本形成してある。なお、各折り線a〜lは、基本的には押し罫で形成すればよいが、蓋板6の折り線g、フラップ7の折り線h、把手板8,9の折り線j、把手板8,9を二つ折りするための折り線k、差込み片8a,9aの折り線lについては、ブランクの設計時に当該折り線部分の折曲げやすさを考慮して、1)押罫の途中に切込みのある所謂リード罫、2)ピッチの大きなミシン目、3)ピッチの小さなミシン目、などを適宜採用してもよい。
図15のブランクを組み立てるには、まず、底板1に対して各側板2〜5を起立させるとともに、それと同時に折込み片2a〜5aを外側に引き出して折り込むことでウェッブコーナー部Wを形成し、このウェッブコーナー部Wを折り込んだ状態で左側板4と右側板5の外側に貼り合わせることで図14に示すような箱形状とする。このようにブランクを組み立てた状態では、板紙の曲げに対する反発力により上方開口は外方に少しだけ湾曲して広がった状態になっている。
バイオマス由来成分を含む表面保護層11を備える包装材料40を用いて包装製品40Aを構成することにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができる。これにより、環境負荷を減らすことができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1A]
紙基材層13として、260g/m2の坪量を有するアイボリー紙を準備した。続いて、紙基材層13上にアンカーコート層21を形成し、アンカーコート層21上に印刷層12を形成した。印刷層12を形成する工程においては、まず、着色剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含むインキ組成物を準備した。バインダー樹脂としては、ニトロセルロースを含むものを用いた。続いて、アンカーコート層21上にグラビア印刷によって所定のパターンでインキ組成物を塗布して、印刷層12を形成した。印刷層12の厚みは2μmであった。
続いて、印刷層12上に表面保護層11を形成した。表面保護層11を形成する工程においては、まず、バインダー樹脂と、溶剤とを含む塗料を準備した。バインダー樹脂としては、バイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いた。続いて、印刷層12の全域にグラビア方式によって塗料を塗布して、表面保護層11を形成した。表面保護層11の厚みは1μmであった。
続いて、金属箔23を準備し、サンドラミネート法によって接着樹脂層24を介して紙基材層13と金属箔23とを貼り合わせた。金属箔23としては、アルミニウム箔(厚さ7μm)を用いた。接着樹脂層24としては、化石燃料由来のポリエチレンを用いた。接着樹脂層24の厚みは15μmであった。
続いて、紙基材層13に貼り合された金属箔23とシーラント層22を構成するフィルムとを、接着樹脂層25を介してサンドラミネート法によって貼り合わせた。シーラント層22のフィルムとしては、化石燃料由来のポリエチレンを含むポリエチレンフィルム(厚さ28μm)を用いた。接着樹脂層25としては、化石燃料由来のポリエチレンを用いた。接着樹脂層25の厚みは12μmであった。このようにして、図3に示す層構成を有する包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/AC/紙/接着樹脂15/AL箔7/接着樹脂12/PE(1)28
「/」は層と層の境界を表している。左端の層が、包装材料の外面を構成する層であり、右端の層が、包装材料の内面を構成する層である。
「バイオ表」は、バイオマス由来の表面保護層を意味する。「印」は、印刷層を意味する。「紙」は、紙基材層を意味する。「接着樹脂」は、化石燃料由来の接着樹脂層を意味する。「AL箔」は、アルミニウム箔を意味する。「PE(1)」は、化石燃料由来のポリエチレンフィルムを意味する。数字は、層の厚み(単位はμm)を意味する。
続いて、包装材料20を用いて、図6に示す紙カップ55を作製した。紙カップ55には、例えば菓子を収容することができる。
[実施例1B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例1Aの場合と同様にして、包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/AC/紙/接着樹脂15/AL箔7/接着樹脂12/PE(1)28
「バイオ印」は、バイオマス由来の印刷層を意味する。
[実施例2A]
実施例1Aの場合と同様にして、紙基材層13を準備し、紙基材層13上にアンカーコート層21、印刷層12及び表面保護層11を形成した。続いて、溶融押出しラミネート法により紙基材層13上にシーラント層22を形成した。シーラント層22としては、化石燃料由来のポリエチレンを用いた。シーラント層22の厚みは20μmであった。このようにして、図2に示す層構成を有する包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/AC/紙/PE(2)20
「PE(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリエチレンの層を意味する。
続いて、包装材料20を用いて、図6に示す紙カップ55を作製した。紙カップ55には、例えばアイスクリームを収容することができる。
[実施例2B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例2Aの場合と同様にして、包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/AC/紙/PE(2)20
[実施例2C]
シーラント層22のポリエチレンとしてバイオマス由来成分を含むものを用いたこと以外は、実施例2Bの場合と同様にして、包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/AC/紙/バイオPE(2)20
「バイオPE(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された、バイオマス由来成分を含むポリエチレンの層を意味する。
[実施例3A]
紙基材層13として、270g/m2の坪量を有するコートボール紙を準備した。続いて、紙基材層13上に、グラビア印刷によって、ニトロセルロースを含む印刷層12を形成した。続いて、印刷層12上に、グラビア印刷によって、バイオマス由来のニトロセルロースを含む表面保護層11を形成した。このようにして、図1に示す層構成を有する包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙
続いて、包装材料20を用いて、図4に示す断熱性容器50の外筒52を作製した。断熱性容器50には、例えばインスタントラーメンやスープを収容することができる。
[実施例3B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例3Aの場合と同様にして、包装材料20を作製した。
本実施例の包装材料20の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙
[実施例4A]
紙基材層13として、270g/m2の坪量を有するコートボール紙を準備した。続いて、紙基材層13上に、グラビア印刷によって、ニトロセルロースを含む印刷層12を形成した。続いて、印刷層12上に、グラビア印刷によって、バイオマス由来のニトロセルロースを含む表面保護層11を形成した。続いて、表面保護層11上に部分的に表面層14を形成した。このようにして、図7に示す層構成を有する包装材料30を作製した。
本実施例の包装材料30の層構成は、以下のように表現される。
表面加工/バイオ表/印/紙
「表面加工」は、表面保護層上に部分的に形成された表面層を意味する。
続いて、包装材料30を用いて、図11に示す包装製品30Aを作製した。包装製品30Aは、例えば菓子の外箱や、医薬品の外箱などとして使用され得る。
[実施例4B]
表面層14を含まないこと以外は、実施例4Aの場合と同様にして、包装材料30を作製した。
本実施例の包装材料30の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙
[実施例4C]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例4Bの場合と同様にして、包装材料30を作製した。
本実施例の包装材料30の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙
[実施例5A]
紙基材層13として、230g/m2の坪量を有するコートボール紙を準備した。続いて、紙基材層13上に、グラビア印刷によって、ニトロセルロースを含む印刷層12を形成した。続いて、印刷層12上に、グラビア印刷によって、バイオマス由来のニトロセルロースを含む表面保護層11を形成した。続いて、紙基材層13に段ボール層31を貼り合わせた。段ボール層31としては、段高が約0.5mmであるGフルートを備えるG段のものを用いた。このようにして、図8に示す層構成を有する包装材料30を作製した。
本実施例の包装材料30の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/段
「段」は段ボール層を意味する。
続いて、包装材料30を用いて、図11に示す包装製品30Aを作製した。包装製品30Aは、例えば電子機器の外箱として使用され得る。
[実施例5B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例5Aの場合と同様にして、包装材料30を作製した。
本実施例の包装材料30の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/段
[実施例6A]
紙基材層13として、270g/m2の坪量を有するアイボリー紙を準備した。続いて、紙基材層13上に、グラビア印刷によって、ニトロセルロースを含む印刷層12を形成した。続いて、印刷層12上に、グラビア印刷によって、バイオマス由来のニトロセルロースを含む表面保護層11を形成した。続いて、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態のポリエチレンテレフタレートを押し出して、内側樹脂層41を形成した。このようにして、図12に示す層構成を有する包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/PET(2)30
「PET(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートの層を意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例6B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例6Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/PET(2)30
[実施例7A]
内側樹脂層41として、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態のポリプロピレンを押し出して形成したものを用いたこと以外は、実施例6Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/PP(2)30
「PP(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリプロピレンの層を意味する。
[実施例7B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例7Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/PP(2)30
[実施例8A]
内側樹脂層41として、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態のポリエチレンを押し出して形成したものを用いたこと以外は、実施例6Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/接/PE(2)30
「PE(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリエチレンの層を意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例8B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例8Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/接/PE(2)30
[実施例8C]
内側樹脂層41のポリエチレンとしてバイオマス由来成分を含むものを用いたこと以外は、実施例8Bの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/バイオPE(2)30
「バイオPE(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された、バイオマス由来成分を含むポリエチレンの層を意味する。
[実施例9A]
紙基材層13として、270g/m2の坪量を有するアイボリー紙を準備した。続いて、紙基材層13上に、グラビア印刷によって、ニトロセルロースを含む印刷層12を形成した。続いて、印刷層12上に、グラビア印刷によって、バイオマス由来のニトロセルロースを含む表面保護層11を形成した。続いて、内側樹脂層41を構成するフィルムと紙基材層13とを、接着剤層42を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。内側樹脂層41のフィルムとしては、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートを含むPETフィルム(厚さ15μm)を用いた。ドライラミネート法においては、主剤として、化石燃料由来の多官能アルコールと化石燃料由来の多官能カルボン酸との反応物であるポリエステルポリオールを準備した。また、硬化剤として、化石燃料由来のイソシアネート化合物を準備した。このようにして、図13に示す層構成を有する包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/接/PET(1)12
「接」は、化石燃料由来の接着剤層を意味する。「PET(1)」は、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートを含むPETフィルムを意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例9B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例9Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/接/PET(1)12
[実施例9C]
内側樹脂層41のポリエチレンテレフタレートとしてバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含むものを用い、接着剤層42としてバイオマス由来成分を含むものを用いたこと以外は、実施例9Bの場合と同様にして、包装材料40を作製した。具体的には、内側樹脂層41として、バイオマス由来成分を含むPETフィルム(厚さ12μm)を用いた。また、接着剤層42の主剤として、バイオマス由来成分を含む多官能アルコールと化石燃料由来の多官能カルボン酸との反応物であるポリエステルポリオールを用いた。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/バイオ接/バイオPET(1)12
「バイオ接」は、バイオマス由来成分を含む接着剤層を意味する。「バイオPET(1)」は、バイオマス由来成分を含むPETフィルムを意味する。
[実施例10A]
内側樹脂層41として、化石燃料由来のポリプロピレンを含むポリプロピレンフィルム(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例9Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/接/PP(1)20
「PP(1)」は、化石燃料由来のポリプロピレンを含むポリプロピレンフィルムを意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例10B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例10Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/接/PP(1)20
[実施例11A]
内側樹脂層41として、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態のポリメチルペンテンを押し出して形成したものを用いたこと以外は、実施例6Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/PMP(2)30
「PMP(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリメチルペンテンの層を意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例11B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例11Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/PMP(2)30
[実施例12A]
内側樹脂層41として、溶融押出ラミネート法により、紙基材層13上に溶融状態のポリブチレンテレフタレートを押し出して形成したものを用いたこと以外は、実施例6Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/印/紙/PBT(2)30
「PBT(2)」は、溶融押出しラミネート法により形成された化石燃料由来のポリブチレンテレフタレートの層を意味する。
続いて、包装材料40を用いて、図14に示す紙トレー40Aを作製した。紙トレー40Aには、例えば一次包装を施された食品を収容することができる。
[実施例12B]
印刷層12のバインダー樹脂としてバイオマス由来のニトロセルロースを含むものを用いたこと以外は、実施例12Aの場合と同様にして、包装材料40を作製した。
本実施例の包装材料40の層構成は、以下のように表現される。
バイオ表/バイオ印/紙/PBT(2)30
図16に、実施例1A〜12Bの包装材料10の層構成及び包装容器のタイプの例をまとめて示す。