JP6973690B2 - ガスバリア性積層体、包装材 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリア性積層体、当該ガスバリア性積層体を用いて得られる包装材に関する。
食品や日用品の包装に用いられる包装材料には、流通時等に受ける衝撃、酸素や水分による劣化等から内容物を保護するため、強度や割れにくさ、ガスバリア性等の機能が要求される。内容物を加熱殺菌処理する場合には耐レトルト性、耐熱性等が必要であるし、内容物を確認できるように透明性が要求されることもある。しかしながら必要な機能を一種類の材料で満足するのは難しい。例えばヒートシールにより密閉する場合に用いられる無延伸のポリオレフィンフィルムは熱加工性に優れる一方、酸素バリア性は不十分である。反対にナイロンフィルムはガスバリア性に優れるが、ヒートシール性には劣る。
このようなことから、異種のポリマー材料を貼り合せた積層体が包装材料として広く用いられている。一例として、特許文献1、2にあるような、耐衝撃性やガスバリア性などの商品保護機能を有し、外層となる熱可塑性プラスチックフィルムに印刷を施し、シーラント機能を有し、内層となる熱可塑性プラスチックフィルムと接着剤を用いて貼り合せて外層/印刷層/接着層(接着剤)/内層とした積層体が知られている。このような積層体に利用される接着剤として、ポリオールとイソシアネートからなる2液型ポリウレタン系の接着剤が知られている。
さらに近年では食品ロスを抑制するため賞味期限、消費期限の見直しと共に、食品の劣化を抑制して保存期間そのものを延長するガスバリア食品包装にも改めて注目が集まっている。食品の賞味期限、消費期限を延ばす方法としては包装材料の酸素や水蒸気に対するバリア性をより高めることが挙げられる。あるいは食品の劣化、腐敗の原因である微生物類やカビの繁殖を防止する目的で包装材料に封入されるエチルアルコール蒸気、窒素ガス、炭酸ガスの漏洩を防止すること、即ちこれらのガスに対するバリア性を備えた包装材料の利用が挙げられる。特許文献3には包装材のガスバリア性を高める手段として、ガスバリア性の接着剤を用いて貼り合せられた積層体が記載されている。
特開2014−004799号公報 特開2004−238050号公報 特開2013−129152号公報
本発明者らが鋭意検討したところ、接着層をガスバリア性の接着剤を用いて形成した積層体において印刷層と接着層が接するように配置すると、接着層のガスバリア性が本来よりも低下する場合があった。印刷層とガスバリア性の接着剤を用いて形成された接着層とが隣接しないよう配置する場合には接着層のガスバリア性は良好に保たれるが、積層体の層構成が徒に増え、製造工程が煩雑になったり、包装材料を製造する際の積層体の選択肢が狭められたりするおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、印刷層とガスバリア性の接着剤を用いて形成された接着層とが接して配置された積層体であってもガスバリア性が良好に保たれる積層体、当該積層体を用いて得られる包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、基材と、シーラント層と、基材とシーラント層との間に配置され、リキッドインキを用いて形成された印刷層と、印刷層とシーラント層との間に、印刷層に接して配置され、3g/m(固形分)で塗布した塗膜の23℃0%RHでの酸素バリア性が300cc/m/day/atm以下、または水蒸気バリア性が120g/m/day以下の、少なくとも一方の条件を満足する接着剤を用いて形成された接着層とを有し、印刷層に含まれるリキッドインキの着色剤を除く固形分の塗布量が1.1g/m以下であることを特徴とする積層体、当該積層体を用いて製造される包装材に関する。
本発明の積層体によれば、より安定的にガスバリア性に優れた積層体、包装材を得ることができる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材と、印刷層と、ガスバリア性接着層と、シーラント層とを含む。以下、各層について詳述する。
(基材)
基材は、化学的、物理的強度に優れるフィルム、シート(なお以下では特記しない限り、フィルムはフィルムとシートの総称でもある)であれば特に制限なく用いることができる。また、基材は単層フィルムであってもよいし、多層積層フィルムであってもよい。後述する包装材の内容物、種類、内容物充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて適宜選択することができる。
基材の具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム、Kコート延伸ポリプロピレンフィルム、Kコート延伸ナイロンフィルム、これらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムが例示されるがこれに限定されない。
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の1軸または2軸延伸ポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の1軸または2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム等を好適に用いることができる。
フィルムの膜厚は特に限定されず、成型性や透明性の観点から、1〜300μmの範囲で適宜選択すればよい。好ましくは1〜100μmの範囲である。1μmを下回ると強度が不足し、300μmを超えると剛性が高くなり過ぎ、加工が困難になる恐れがある。
基材となるフィルムは、何等かの表面処理、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理等の物理的な処理や、化学薬品を用いた酸化処理等の化学的な処理、その他処理が施されたものであってもよい。
基材となるフィルムは、例えば上述した樹脂から選ばれる1種または2種以上を用い、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等、従来公知の製膜化法により製造することができる。あるいは上述した樹脂から選ばれる2種以上の樹脂を使用し、多層共押し出し製膜化法により製造することができる。フィルムの強度、寸法安定性、耐熱性の観点から、テンター方式、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してもよい。
基材となるフィルムは、必要に応じて添加剤が含まれていてもよい。具体的には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。添加剤の添加量は、他の性能に影響を与えない範囲で調整する。
基材は、フィルムの少なくとも一方の面に無機蒸着層を備えていてもよい。無機蒸着層は、酸素ガス、水蒸気ガスの透過を防ぐガスバリア性を有する層であり、無機物または無機酸化物からなる蒸着層である。無機物または無機酸化物としてはアルミニウム、アルミナ、シリカ等が挙げられ、これらは1種または2種以上を併用することができる。無機蒸着層は2層以上設けられていてもよい。無機蒸着層が2層以上設けられている場合、それぞれは同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
無機蒸着層は基材上に直接、または接着剤、プライマーコート剤、アンダーコート剤、蒸着アンカーコート剤等を用いて形成された層を介して、従来公知の方法により設けることができる。無機蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法(PVD法))や、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法(CVD法))等が挙げられる。
無機蒸着層の膜厚は1〜200nmであることが好ましい。無機蒸着層がアルミニウム蒸着層である場合、その膜厚は1〜100nmであることがより好ましく、15〜60nmであることがより好ましく、10〜40nmであることがより好ましい。無機蒸着層がシリカまたはアルミナ蒸着層である場合、その膜厚は1〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがより好ましい。
基材が無機蒸着層を有する場合、無機蒸着層上にバリアコート層を設けてもよい。バリアコート層は無機蒸着層を保護し、酸素、水蒸気等のガスバリア性を高めることができる。このようなガスバリアコート層は、例えば金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水や有機溶剤等の溶媒の存在下でゾルゲル法により重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物、金属アルコキシドの加水分解重縮合物等の樹脂組成物から形成される。
金属アルコキシドとしては、下記一般式で表される1種または2種以上を用いることができる。
Figure 0006973690
(上記一般式中、R1、R2は炭素原子数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等が挙げられる。R、Rで表される有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等のアルキル基を挙げることができる。同一分子中において、これらのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい。
金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。金属アルコキシドは1種ないし2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体のいずれか、またはこれらを併用して用いることができる。水溶性高分子は市販品を用いてもよく、ポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、RS−110(株式会社クラレ製、RSポリマー、ケン化度;99%、重合度;1,000)、クラレポバールLM−20SO(株式会社クラレ製、ケン化度;40%、重合度;2,000)、ゴーセノールNM−14(日本合成化学工業株式会社製、ケン化度;99%、重合度;1,400)等が挙げられる。エチレン・ビニルアルコール系共重合体の市販品としては、エバールEP−F101(株式会社クラレ製、エチレン含量;32モル%)、ソアノールD2908(日本合成化学工業株式会社製、エチレン含量;29モル%)等が挙げられる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が挙げられる。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適である。具体的には、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等を使用することができる。特に、N,N−ジメチルベンジルアミンが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸等を用いることができる。
有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、イソプロピルアルコール、nーブタノール等を用いることができる。
ガスバリアコート層はこれらの化合物を含む樹脂組成物を、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の従来公知の手段により、1回あるいは複数回塗布して形成される。より具体的には、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶剤、必要に応じてその他成分を混合して樹脂組成物を調整する。樹脂組成物中では次第に重縮合反応が進行する。次いで無機蒸着層上に常法により樹脂組成物を塗布し、乾燥する。乾燥により金属アルコキシドおよび水溶性高分子の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。この操作を繰り返してガスバリアコート層を形成することも好ましい。最後に、樹脂組成物を塗布した積層体を20〜250℃、好ましくは50〜220℃で1秒〜10分間加熱する。これにより、無機蒸着層上にガスバリアコート層を形成することができる。
ガスバリアコート層の膜厚は0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜50μmであることがより好ましい。0.01μmより小さいとガスバリア性の向上が十分でなく、100μmより大きいと、クラックが発生しやすくなる。
無機蒸着層、無機蒸着層とガスバリアコート層とを備える市販のフィルムを基材として用いてもよい。無機蒸着層、無機蒸着層とガスバリアコート層とを備える市販品としては、凸版印刷株式会社製の「GL FILM」シリーズ、「PRIME BARRIER」シリーズ、三菱ケミカル株式会社製の「テックバリア」シリーズ、東レフィルム加工株式会社製の「バリアロックス」シリーズ、東洋紡株式会社製の「エコシアール」シリーズ、大日本印刷株式会社製の「IB フィルム」シリーズ等が挙げられる。
(印刷層)
印刷層は、文字、図形、記号、その他所望の絵柄等が、リキッドインキを用いて印刷された層である。本明細書においてリキッドインキはグラビア印刷またはフレキソ印刷に用いられる溶剤型のインキの総称である。樹脂、着色剤、溶剤を必須の成分として含むものであってもよいし、樹脂と溶剤を含み、着色剤を実質的に含まない、いわゆるクリアインキであってもよい。以下、本発明で用いられるリキッドインキについて詳述する。
リキッドインキに用いられる樹脂は特に限定されるものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン‐マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂等が挙げられ、1種または2種以上を併用できる。好ましくはポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂から選ばれる少なくとも1種、あるいは2種以上である。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂や、ポリオール、ポリイソシアネート、アミノ基を有する鎖伸長剤、及び必要に応じて末端封鎖剤を反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の合成に用いられるポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、メチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3,5−ヘプタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、サッカロース、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオールなどの数平均分子量が50〜400の化合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の合成に用いられるポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアネート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチル−ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−2,7−ジイソシアネート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3−3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、適度な柔軟性が得られる点から、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、更に優れた凝集力により接着強度が一層向上できる点から、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂の合成に用いられるアミノ基を有する鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体である。有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応あるいは共重合でビニルアルコール由来の水酸基を含み、水酸基価が20〜200mgKOH/gであるものが好ましく、50〜200mgKOH/gであるものがより好ましい。20mgKOH/g未満だと極性溶媒への溶解性が劣り、印刷適性が不良となるおそれがある。200mgKOH/gを超えると耐水性が低下して、ボイル、レトルト適性が不良となるおそれがある。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。モノマー比率はリキッドインキに必要な接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、ボイル、レトルト適性、印刷適性により適宜調整される。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の原料モノマーに占める酢酸ビニルの割合は、1〜30質量%であることが好ましく、塩化ビニルの割合は70〜95質量%であることが好ましく、80〜95質量%であることがより好ましい。塩化ビニルの割合が低すぎるとインキ塗膜の強靭さが劣り、耐ブロッキング性が低下し、塩化ビニルの割合が高すぎるとインキ塗膜が硬くなりすぎ基材との密着性が低下するおそれがある。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の重量平均分子量は5,000〜100,000であることが好ましく、20,000〜70,000であることがさらに好ましい。ガラス転移温度は50〜90℃であることが好ましい。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。あるいは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。
セルロース系樹脂としては、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。アルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。セルロール系樹脂の重量平均分子量は5,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。
セルロース系樹脂のガラス転移温度は120℃〜180℃であることが好ましい。比較的ガラス転移温度が高いセルロース系樹脂を用いることによりリキッドインキの乾燥塗膜が硬くなり、基材にリキッドインキを印刷した後、巻き取りされた状態において、基材の非印刷面へのインキの移行が抑制される。
本発明に用いられるリキッドインキは、このような樹脂を固形分にて3〜25質量%含むことが好ましい。また、リキッドインキに用いられる樹脂のうち、80〜100質量%はポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロース系樹脂からなる群から選ばれることが好ましい。
リキッドインキは着色剤を含んでいてもよいし、実質的に着色剤を含まない、いわゆるクリアインキであってもよい。リキッドインキが着色剤を含む場合に用いられる着色剤は、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。また、ガラスフレークまたは塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。白インキには酸化チタン、墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
着色剤はインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちリキッドインキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
リキッドインキに用いられる溶剤は、例えば芳香族有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n−プロパノール、イノプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。近年、作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤及びケトン系の溶剤を用いないことが望ましい。
本発明に用いられるリキッドインキは上述した樹脂、着色剤、溶剤に加え、他の構成成分を含んでいてもよい。他の構成成分の一例としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤等の顔料分散剤、脂肪酸アマイド、シリカ化合物、セルロース系樹脂等のブロッキング防止剤、体質顔料、イソシアネート化合物等の硬化剤、キレート架橋剤、レベリング剤、消泡剤、動植物系、鉱物・石油系、合成炭化水素系等の各種ワックス、脂肪油系、脂肪酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系、スルホン酸アミド系等の各種可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等が挙げられる。
さらに本発明で用いられるリキッドインキは、リキッドインキの単位量あたりに含まれる着色剤の質量をPとし、着色剤を除く固形分の質量をR1としたときの質量比P/R1値が4.0以上であることが好ましく、4.5以上であることがより好ましい。P/R1値が4.0以上であるリキッドインキを用いることにより、積層体のガスバリア性をさらに良好なものとすることができる。P/R1値の上限は特に限定されないが、一例として7.5以下であり、6.5以下であることが好ましい。なお沈降性硫酸バリウム、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカといった体質顔料は着色剤には含めない。
本発明に用いられるリキッドインキは、樹脂、着色剤などを溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を樹脂により溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
このような方法で製造されたリキッドインキ粘度は、着色剤の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。リキッドインキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりリキッドインキの粘度を調整することもできる。
本発明のインキ組成物の色相としては、使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として黄、紅、藍、墨、白の5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。ボイルレトルト用インキには顔料のマイグレーション性、耐熱性を考慮して適宜選定される。各色相のベースインキは、グラビア印刷、フレキソ印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
(ガスバリア性接着層)
ガスバリア性接着層は、ガスバリア性接着剤の硬化塗膜であり、印刷層とシーラント等との間に、印刷層と接して配置される。なお、本明細書においてガスバリア性接着剤とは、3g/m(固形分)で塗布した塗膜の23℃0%RHでの酸素バリア性が300cc/m/day/atm以下、または水蒸気バリア性が120g/m/day以下の、少なくとも一方の条件を満足するものをいう。本発明で好ましく用いられるガスバリア性接着剤としては、下記(A1)〜(A5)の少なくとも1種のポリエステルポリオールを含むポリオール組成物(A)と、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物(以下単にイソシアネート化合物ともいう)を含むポリイソシアネート組成物(B)とからなる2液型接着剤が挙げられる。
(1)3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールにカルボン酸無水物又はポリカルボン酸を反応させることにより得られるポリエステルポリオール(A1)
(2)重合性炭素−炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)
(3)グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)
(4)オルト配向性多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)
(5)イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)
ポリエステルポリオール(A1)は、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(a1)にカルボン酸無水物又は多価カルボン酸を反応させることにより得られ、少なくとも1個のカルボキシル基と2個以上の水酸基を有する。ポリエステルポリオール(a1)は多価カルボン酸または多価アルコールの一部を三価以上とすることで得られる。
ポリエステルポリオール(A1)の調整に用いられる多価カルボン酸は、オルトフタル酸、オルトフタル酸無水物の少なくとも1種を含むことが好ましい。多価カルボン酸としてこれらの化合物を用いて得られるポリエステルポリオールはガスバリア性と接着性とに優れる。オルトフタル酸、オルトフタル酸無水物を用いることにより接着剤のガスバリア性が優れる理由は、オルトフタル酸やその酸無水物を用いて得られるポリエステル鎖の回転が抑制されるためと推察される。接着性が優れる理由は、ポリエステル鎖が非対称であることに起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与されるためと推察される。
三価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等が挙げられる。合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸として三価のカルボン酸を用いることが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有多価カルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸及びその酸無水物が好ましい。
ポリエステルポリオール(A1)の調整に用いられる多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコールを使用することが特に好ましい。
三価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等が挙げられる。合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールを用いることが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。
ポリエステルポリオール(A1)は、上述の多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物である3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(a1)に、多価カルボン酸またはその酸無水物を反応させることで得られる。多価カルボン酸と反応させる水酸基の割合は、ポリエステルポリオール(a1)が備える水酸基の1/3以下とすることが好ましい。ポリエステルポリオール(a1)と反応させる多価カルボン酸またはその酸無水物は、二価または三価であることが好ましい。無水コハク酸、無水マレイン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等が挙げられるがこれに限定されない。
重合性炭素−炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)は、多価カルボン酸、多価アルコールとして重合性炭素−炭素二重結合をもつ成分を使用することにより得られる。
重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価カルボン酸として無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びその酸無水物、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びその酸無水物等が挙げられる。中でも、炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸が好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。また、これらの酸無水物も使用することができる。中でも、ガスバリア性を得る為にはコハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、オルトフタル酸、オルトフタル酸の酸無水物、イソフタル酸が好ましく、更にはオルトフタル酸及びその酸無水物がより好ましい。
重合性炭素−炭素二重結合をもつ多価アルコールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール等があげられる。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコールを共重合させてもよい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。中でも酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールが好ましく、更にはエチレングクリコールがより好ましい。
また、重合性炭素−炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)は、水酸基を有するポリエステルポリオール(a2)と重合性二重結合を有するカルボン酸、またはカルボン酸無水物との反応生成物であってもよい。重合性二重結合を有するカルボン酸またはその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、又はフマル酸等の重合性二重結合を有するカルボン酸、オレイン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。ポリエステルポリオール(a2)は、3個以上の水酸基を有することが好ましい。ポリエステルポリオール(a2)が備える水酸基が2個以下の場合、ポリエステルポリオール(A2)が備える水酸基の数が0〜1個となり、後述するポリイソシアネート組成物(B)との反応時に分子伸張が起こり難くなり、接着強度等が低下する恐れがある。
ポリエステルポリオール(A2)は二重結合成分比率が5〜60質量%であることが好ましい。5質量%を下回ると重合性二重結合間の架橋点が少なくなり、ガスバリア性が得難くなる。60質量%を超えると架橋点が多くなり、硬化塗膜の柔軟性が低下して接着強度が得難くなるおそれがある。なお本明細書においてポリエステルポリオール(A2)における二重結合成分比率は下記式(a)を用いて計算する。下記式においてモノマーとはポリエステルポリオール(A2)の合成に用いる多価カルボン酸、多価アルコールを指す。
Figure 0006973690
さらにポリエステルポリオール(A2)として、乾性油、又は半乾性油を挙げることができる。乾性油、又は半乾性油としては、炭素−炭素二重結合を有する公知慣用の乾性油、半乾性油等を挙げることができる。
グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)は、下記一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するものである。
Figure 0006973690
(一般式(1)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、または下記一般式(2)である。但し、R〜Rのうち少なくとも一つは、下記一般式(2)で表される基を表す。)
Figure 0006973690
(一般式(2)中、nは1〜5の整数を表し、Xは、置換基を有してもよい1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれるアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。)
ポリエステルポリオール(A3)は、R、R及びRのいずれか1つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R及びRのいずれか2つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R及びRの全てが一般式(2)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。R〜Rの全てが一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
一般式(2)において、Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
一般式(2)におけるYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基、ジメチルブチレン基等の、炭素原子数2〜6のアルキレン基である。プロピレン基、エチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
ポリエステルポリオール(A3)は、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物と、多価アルコールとを必須成分として反応させて得られる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物としては、オルトフタル酸又はその酸無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその酸無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその酸無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
多価カルボンとして、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有多価カルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸及びその酸無水物、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタル酸、ジフェン酸が好ましい。
多価アルコールとしては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
また、グリセロール、炭素原子数が2〜6のアルキレンジオール以外の多価アルコールを、本発明の効果を損なわない範囲において共重合させてもよい。具体的には、エリスリトール、ペンタエリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族多価アルコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノール等の芳香族多価フェノール、或いはこれらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。
ポリオール組成物(A)がポリエステルポリオール(A3)を主成分とする場合、ガスバリア性接着剤の固形分に占めるポリエステルポリオール(A3)が有するグリセロール残基の含有量が5質量%以上であることが好ましい。グリセロール残基とは一般式(1)におけるR〜Rを除いた残基(C=89.07)をいい、下記式(b)を用いて計算する。
Figure 0006973690
なお上記式(b)においてPはポリエステルポリオール(A3)を指す。ガスバリア性接着剤の樹脂固形分質量は、用いるポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)の合計質量から、希釈溶剤(ドライラミネーション用接着剤の場合)、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれる揮発成分、無機成分の質量を除いた質量とする。
オルト配向性多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)は、オルトフタル酸及びその酸無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールからなる。特に、前記オルトフタル酸及びその酸無水物の、多価カルボン酸全量に対する使用率が70〜100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
多価カルボン酸はオルトフタル酸及びその酸無水物のいずれかを必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、不飽和結合含有多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコールはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコールを共重合させてもよい。具体的には、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。
イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)は、下記一般式(3)で表されるものである。
Figure 0006973690
(一般式(3)中、R〜Rは各々独立して、−(CHn1−OH(但しn1は2〜4の整数を表す)、又は下記一般式(4)で表される基を表す。但しR、R及びRの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。)
Figure 0006973690
(一般式(4)中、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表し、Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。)
ポリエステルポリオール(A5)は、R、R及びRのいずれか1つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R及びRのいずれか2つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R及びRの全てが一般式(4)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。R〜Rの全てが一般式(4)で表される基であることがより好ましい。
一般式(3)において、−(CH2)n1−で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。n1は、中でも2又は3が好ましく、2が最も好ましい。
一般式(4)において、Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
Xの置換基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基が好ましく、ヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基、フェニル基がより好ましい。
一般式(4)におけるYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基、ジメチルブチレン基等の、炭素原子数2〜6のアルキレン基である。プロピレン基、エチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
ポリエステルポリオール(A5)は、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物と、多価アルコールとを必須成分として反応させて得る。
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物としては、オルトフタル酸またはその酸無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸またはその酸無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸またはその酸無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸またはその酸無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸またはその酸無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基またはナフチル基等が挙げられる。
多価アルコールとしては炭素原子数2〜6のアルキレンジオール、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、または1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)が、ガスバリア性や接着性に優れ好ましい。
イソシアヌル環は高極性であり、且つ水素結合を形成しない。一般に接着性を高める手法として、水酸基、ウレタン結合、ウレイド結合、アミド結合などの高極性の官能基を配合させる方法が知られているが、これらの結合を有する樹脂は分子間水素結合を形成しやすく、溶剤型接着剤に良く使用される酢酸エチル、2−ブタノン等の溶剤への溶解性を損ねてしまうことがあるが、イソシアヌル環を有するポリエステル樹脂は該溶解性を損なわないので、容易に希釈可能である。
また、イソシアヌル環は3官能であるため、イソシアヌル環を樹脂骨格の中心とし、且つその分岐鎖に特定の構造のポリエステル骨格を有するポリエステルポリオール化合物は高い架橋密度を得ることができる。架橋密度を高めることで、酸素等のガスが通過する隙間を減らすことができると推定される。このように、イソシアヌル環は分子間水素結合を形成せずに高極性であり且つ高い架橋密度が得られるので、ガスバリア性と接着性とを担保できると推定している。
このような観点から、ポリオール組成物(A)がポリエステルポリオール(A5)を主成分とする場合、ガスバリア性接着剤の固形分に占めるポリエステルポリオール(A5)が有するイソシアヌル環の含有量が5質量%以上であることが好ましい。イソシアヌル環とは一般式(3)におけるR〜Rを除いた残基(C=126.05)をいい、下記式(b)を用いて計算する。
Figure 0006973690
なお上記式(c)においてPはポリエステルポリオール(A5)を指す。ガスバリア性接着剤の樹脂固形分質量は、用いるポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)の合計質量から、希釈溶剤(ドライラミネーション用接着剤の場合)、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれる揮発成分、無機成分の質量を除いた質量とする。
ポリエステルポリオールの水酸基価は、20mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸基価が20mgKOH/gより小さい場合、分子量が大きすぎるためポリオール組成物(A)の粘度が高くなり、良好な塗工適性が得られない。水酸基価が250mgKOH/gを超える場合、分子量が小さすぎて硬化塗膜の架橋密度が高くなりすぎ、良好な接着強度が得られない。
ポリエステルポリオールが酸基を有する場合、酸価は200mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が200mgKOH/gを超える場合、ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)との反応が早くなり過ぎ、良好な塗工適性が得られない。ポリエステルポリオールの酸価の下限は特に制限されないが、一例として20mgKOH/g以上である。酸価が20mgKOH/g以上であると分子間の相互作用により良好なガスバリア性や初期凝集力が得られる。ポリエステルポリオールの水酸基価はJIS−K0070に記載の水酸基価測定方法にて、酸価はJIS−K0070に記載の酸価測定法にて測定することができる。
上述したようなポリエステルポリオールの数平均分子量は300〜5000であると接着性とガスバリア性とのバランスに優れる程度の架橋密度が得られるため特に好ましい。より好ましくは数平均分子量が350〜3000である。分子量が300よりも小さいと塗工時の接着剤の凝集力が小さくなりすぎ、ラミネート時にフィルムがズレたり、貼り合せたフィルムが浮き上がるといった不具合が生じるおそれがある。一方、分子量が5000よりも高いと塗工時の粘度が高くなり過ぎて塗工が出来ない、あるいは粘着性が低くラミネートができないといった不具合が生じるおそれがある。なお、数平均分子量は得られた水酸基価と設計上の水酸基の官能基数から計算により求める。
ポリエステルポリオールのガラス転移温度は−30℃以上80℃以下であることが好ましく、0℃以上60℃以下であることがより好ましく、25℃以上60℃以下であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が80℃を超えると室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低いために基材への密着性が劣り、接着性が低下するおそれがある。一方−30℃よりも低いと、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいため十分なガスバリア性が得られないおそれがある。
ポリエステルポリオールは、ポリエステルポリオール(A1)〜(A5)をジイソシアネート化合物との反応によるウレタン伸長により数平均分子量1000〜15000としたポリエステルポリウレタンポリオール、であってもよい。ウレタン伸長したポリエステルポリオールには一定以上の分子量成分とウレタン結合とが存在するため、優れたガスバリア性を持ち、初期凝集力に優れ、ラミネート用の接着剤として優れる。
ガスバリア性を有する2液型接着剤の一成分であるポリイソシアネート組成物(B)は、イソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート或いはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタキシリレンジアミンなどの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られるアダクト体が挙げられる。ポリエステルポリオール(A1)〜(A5)とジイソシアネート化合物とを、水酸基とイソシアネート基の比率をイソシアネート過剰で反応させて得られるポリエステルポリイソシアネートを用いてもよい。これらは1種または2種以上を併用することができる。
また、イソシアネート化合物としてブロック化イソシアネートを用いてもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られる。
中でも、良好なガスバリア性が得られることからキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、メタキシリレンジイソシアネート、メタ水素化キシリレンジイソシアネートのようなメタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。
メタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネートの3量体、アミンとの反応により合成されるビューレット体、アルコールと反応してなるアダクト体が挙げられる。3量体、ビューレット体と比べ、溶剤型接着剤に用いられる有機溶剤への溶解性が良好なことから、接着剤が溶剤型の場合はアダクト体を用いることが好ましい。アダクト体としては、上記の低分子活性水素化合物の中から適宜選択されるアルコールと反応してなるアダクト体が使用できるが、中でも、トリメチロールプロパン、グリセロール、トリエタノールアミン、メタキシレンジアミンのエチレンオキシド付加物とのアダクト体が好ましい。
また、ポリオール組成物(A)として、ポリエステルポリオール(A1)のようにカルボン酸基が残存しているポリエステルポリオールを含む組成物を用いる場合には、ポリイソシアネート組成物(B)がエポキシ化合物を含んでいてもよい。エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
エポキシ化合物を用いる場合には、硬化を促進する目的で汎用公知のエポキシ硬化促進剤を本発明の目的が損なわれない範囲で適宜添加してもよい。
ポリオール組成物(A)として、ポリエステルポリオール(A2)のように重合性炭素−炭素二重結合を有するポリオールを含む組成物を用いる場合には、炭素−炭素二重結合の重合を促進するために公知の重合触媒を併用することができ、一例として遷移金属錯体が挙げられる。遷移金属錯体は、重合性二重結合を酸化重合させる能力を備える化合物であれば特に限定されない。例えば、コバルト、マンガン、鉛、カルシウム、セリウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄、銅等の金属と、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、樹脂酸、トール油脂肪酸、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸等との塩を用いることができる。遷移金属錯体の配合量はポリオール組成物(A)に含まれる樹脂固形分に対して0〜10質量部が好ましく、より好ましくは0〜3質量部である。
ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)とは、ポリオール組成物(A)に含まれる水酸基と、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれるイソシアネート基との当量比が1/0.5〜1/10となるよう配合することが好ましく、1/1〜1/5となるよう配合することがより好ましい。イソシアネート化合物が過剰の場合、接着剤の硬化塗膜に残留した余剰のイソシアネート化合物が接着層からブリードアウトするおそれがある。一方、ポリイソシアネート組成物(B)に含まれる反応性の官能基が不足すると、接着強度が不足するおそれがある。
ガスバリア性接着剤には、接着性およびガスバリア性を損なわない範囲で各種添加剤を配合してもよい。
このような添加剤として、無機充填剤を用いてもよい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等が挙げられる。特に無機充填剤として板状無機化合物を用いると、接着強度、ガスバリア性、遮光性等が向上するため好ましい。板状無機化合物としては、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。板状無機化合物は1種または2種以上を併用することができる。
板状無機化合物は、層間に電荷を有するイオン性のものであってもよいし、電荷を持たない非イオン性のものであってもよい。層間の電荷の有無は接着層のガスバリア性に直接大きな影響を与えない。しかしながらイオン性の板状無機化合物や水に対して膨潤性を有する無機化合物は溶剤型接着剤への分散性が劣り、添加量を増加させると接着剤と増粘したり、チキソ性となったりして塗工適性が低下するおそれがある。このため板状無機化合物層間電化を持たない非イオン性であることが好ましい。
板状無機化合物の平均粒径は、特に制限されないが、一例として0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。0.1μmよりも小さいと、酸素分子の迂回経路が長くならず、ガスバリア性の向上が十分には期待できない。平均粒径の上限は特に制限されないが、粒径が大きすぎると塗工方法によっては塗工面にスジ等の欠陥が生じる場合がある。このため、一例として平均粒径は100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。なお本明細書において板状無機化合物の平均粒径とは、板状無機化合物の粒度分布を光散乱式測定装置で測定した場合の出現頻度が最も高い粒径をいう。
板状無機化合物のアスペクト比は酸素の迷路効果によるガスバリア性の向上のためには高い方が好ましい。具体的には3以上が好ましく、更に好ましくは10以上、最も好ましくは40以上である。
板状無機化合物の配合量は任意であるが、一例として、ポリオール組成物(A)、ポリイソシアネート組成物(B)、板状無機化合物の固形分総質量を100質量としたときに、板状無機化合物の配合量が5〜50質量部である。
ガスバリア性接着剤が接着促進剤を含んでいてもよい。接着促進剤としては、加水分解性アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤は、各種フィルム材料に対する接着性を向上させる効果が期待できる。
ガスバリア性接着層に耐酸性が必要な場合には、ガスバリア性接着剤が公知の酸無水物を含んでいてもよい。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5−(2,5−オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
必要に応じて、更に酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合にその配合量は、ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)の固形分総量100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
ポリオール組成物(A)がポリエステルポリオール(A2)を含む場合、重合性炭素−炭素二重結合を反応させる方法として活性エネルギー線を使用することもできる。活性エネルギー線としては公知の技術が使用でき、電子線、紫外線、或いはγ線等の電離放射線等を照射して硬化させることができる。紫外線で硬化させる場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。
紫外線を照射して硬化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射によりラジカル等を発生する光(重合)開始剤をポリエステルポリオール(A2)100質量部に対して0.1〜20質量部程度添加することが好ましい。
ラジカル発生型の光(重合)開始剤としては、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の水素引き抜きタイプや、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂タイプが挙げられる。これらの中から単独或いは複数のものを組み合わせて使用することができる。
その他、ガスバリア性接着剤が安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤等を含んでいてもよい。これらの各種添加剤は予めポリオール組成物(A)およびポリイソシアネート組成物(B)のいずれか一方、または両方に添加しておいてもよいし、ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)とを混合する際に添加してもよい。
本発明で用いられるガスバリア性接着剤は、溶剤型、無溶剤型いずれの形態であってもよい。本明細書において溶剤型接着剤とは、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させた後に他の基材と貼り合せる方法、いわゆるドライラミネート法に用いられる形態をいう。用いられる溶剤としては、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリオール組成物(A)およびポリイソシアネート組成物(B)のいずれか一方、もしくは両方が上述した有機溶剤を含む。溶剤型の場合、ポリオール組成物(A)またはポリイソシアネート組成物(B)の構成成分の製造時に反応媒体として使用された溶剤が、更に塗装時に希釈剤として使用される場合もある。
無溶剤型接着剤とは、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して溶剤を揮発させる工程を経ずに他の基材と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる形態をいう。ポリオール組成物(A)およびポリイソシアネート組成物(B)のいずれもが、上述した有機溶剤を実質的に含まない。ポリオール組成物(A)またはポリイソシアネート組成物(B)の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、ポリオール組成物(A)やポリイソシアネート組成物(B)中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。また、ポリオール組成物(A)が低分子量アルコールを含む場合、低分子量アルコールはポリイソシアネート組成物(B)と反応して塗膜の一部となるため、塗工後に揮発させる必要はない。従ってこのような形態も無溶剤型接着剤として扱う。
(シーラント層)
シーラント層は熱により溶融し相互に融着し得る、ヒートシール性の樹脂(シーラントフィルム)を含む層である。シーラントフィルムに好適な樹脂としては、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、その他不飽和カルボン酸で変性した変性オレフィン樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体、環状ポリオレフィン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。これらの樹脂の1種または2種以上からなる樹脂のフィルム、シート、その他塗布膜等をシーラントフィルムとして使用することができる。
シーラントフィルムとしては、未延伸、1軸延伸、2軸延伸のフィルムのいずれも使用することができる。
2軸方向に延伸した延伸フィルムは、例えば50〜100℃のロール延伸機により2〜4倍に縦延伸し、更に90〜150℃の雰囲気下でテンター延伸機により3〜5倍に横延伸し、引き続いて100〜240℃の雰囲気下でテンター延伸機により熱処理することで得られる。あるいは、同時2軸延伸、逐次2軸延伸したものを用いてもよい。
シーラント層に易剥離性のシーラントフィルム(イージーピールフィルム)を用いてもよい。易剥離性のシーラントフィルムとしては、界面剥離タイプ、凝集剥離タイプ、層間剥離タイプの何れも適用可能であり、後述する包装材の種類や要求特性に応じて適宜選択することができる。易剥離性の指標としては、包装材の種類や要求特性に応じて適宜設定されるが、一例としてシール強度が2〜20N/15mmである。例えばポリプロピレンと高密後ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを組み合わせた相分離系のポリマーブレンドにより易剥離性を発現させることができる。
シーラントフィルムの膜厚は任意に選択し得るが、例えば後述する包装材に適用する場合には5〜500μmの範囲で選択される。10〜250μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。5μmを下回ると包装材料として充分なラミネート強度が得られず、さらに耐突き刺し性等も低下する恐れがある。250μmを超えるとコスト上昇を招くと共にフィルムが硬くなり、作業性が低下する。
シーラント層は、シーラントフィルムの少なくとも一方の面上に無機蒸着層を備えていてもよい。このような無機蒸着層は、基材が備える無機蒸着層と同様の材質、方法にて形成することができる。基材層と同様に、シーラントフィルム上に設けた無機蒸着層上に、さらにバリアコート層を設けるなどしてもよい。
(積層体 その他の層)
本発明の積層体は、必要に応じて他の層を有していてもよい。例えば、ガスバリア性接着層とシーラント層との間に、フィルムが配置されていてもよい。当該フィルムとしては、基材として例示したものと同様のものを用いることができる。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の1軸または2軸延伸ポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の1軸または2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム等を好適に用いることができる。
ガスバリア性接着層とシーラント層との間にフィルムが配置される場合、当該フィルムとシーラント層とは接着剤を介して貼り合せられていてもよい。この際用いる接着剤は上述したガスバリア性接着剤であってもよいし、そうでなくてもよい。当該フィルムは、ガスバリア性接着層を介して基材(印刷層)と貼り合せられていてもよいし、フィルムとガスバリア性接着層との間に更に他の層が配置されていてもよい。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体は、印刷層が設けられた基材と、シーラント層とを、ガスバリア性接着剤を用い、ドライラミネート法もしくはノンソルベントラミネート法にて貼り合せて得られる。得られた積層体は、基材とシーラント層との間に印刷層が配置され、印刷層とシーラント層との間にガスバリア性接着層が配置される。基材に無機蒸着層が設けられている場合、無機蒸着層は基材と印刷層との間に配置される。換言すれば、印刷層は基材の無機蒸着層上に直接またはガスバリアコート層を介して印刷される。シーラント層に無機蒸着層が設けられている場合、シーラント層の無機蒸着層とガスバリア性接着層とが接するように配置される。
積層体がこれらの層に加えて別の層を有している場合、例えばガスバリア性接着層とシーラント層との間にフィルムを有している場合、本発明の積層体は例えばシーラント層とフィルムとを接着剤を用いてドライラミネート法もしくはノンソルベントラミネート法にて貼り合せた後、この積層体と基材とをガスバリア性接着剤を用い、ドライラミネート法もしくはノンソルベントラミネート法にて貼り合せて得られる。あるいは基材とフィルムとを、ガスバリア性接着剤を用いドライラミネート法もしくはノンソルベントラミネート法にて貼り合せた積層体を、接着剤を用いてシーラント層と貼り合せて得られる。シーラント層として無機蒸着層が設けられたフィルムを用いる場合には、無機蒸着層とガスバリア性接着層とが接するように配置されることが好ましい。
印刷層は、リキッドインキをグラビア印刷方式またはフレキソ印刷方式により一層または複数層印刷した後、オーブンで乾燥させて設けられる。印刷層の膜厚は任意であり、印刷する文字、絵柄等により異なるが、本発明の積層体においてリキッドインキの塗布量は、印刷層に含まれるリキッドインキの着色剤を除く固形分の塗布量が1.1g/m以下となる範囲で調整される。印刷層に含まれるリキッドインキの着色剤を除く固形分の塗布量が1.1g/m以下であれば、ガスバリア性の低下を効果的に抑制することができる。
本発明の積層体が接着層のガスバリア性の低下を抑制できる理由は定かではないが、以下のように推測される。印刷層上にガスバリア性接着剤を塗工すると、印刷層の一部(リキッドインキの樹脂分等)がガスバリア性接着剤と混ざり合う。印刷層の一部が混入したガスバリア性接着剤の硬化塗膜は、ポリオール組成物(A)とイソシアネート組成物(B)との反応が妨げられて本来意図したような架橋密度とならなかったり、比較的自由に分子が運動するようになったりするなどしてガスバリア性が低下する。特にリキッドインキの場合はインキに再溶解性が必要なこと(リキッドインキが再溶解性を備えること)と、ポリオール組成物(A)、ポリイソシアネート組成物(B)の分子量が比較的小さいこととが相まって、ガスバリア性接着剤を塗工した直後にこのような事象が起こりやすくなっていると考えられる。一方本発明の積層体によれば、このような不具合が抑制されるため、より確実にガスバリア性に優れた積層体を得ることができる。
また、本発明の積層体においては着色剤の質量を除いた単位面積あたりの印刷層質量(リキッドインキの着色剤を除く固形分の塗布量:g/m)をR2とし、単位面積あたりの接着層の質量(塗布したガスバリア性接着剤の固形分:g/m)をAとしたときの質量比R2/A値が0.5以下となることが好ましく、0.3以下となることがより好ましく、0.2以下となることがより好ましい。これにより、よりガスバリア性に優れた積層体とすることができる。
また、本発明の積層体においては、印刷層は上述したP/R値が4.0以上のリキッドインキを用いて形成されていることが好ましい。P/R値が4.0以上のリキッドインキを用いて印刷層を形成した場合、R2の値が同程度の場合と比較してよりガスバリア性が優れた積層体とすることができる。
ガスバリア性接着剤が溶剤型である場合、基材とシーラント層のどちらか一方にガスバリア性接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布し、オーブン等での加熱により有機溶剤を揮発させた後、他方を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後にエージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温〜80℃、エージング時間は12〜240時間が好ましい。
ガスバリア性接着剤が無溶剤型である場合、基材とシーラント層のどちらか一方に予め40℃〜100℃程度に加熱しておいたガスバリア性接着剤をグラビアロール等のロールを用いて塗布した後、直ちに他方を貼り合せて本発明の積層体を得る。ラミネート後にエージング処理を行うことが好ましい。エージング温度は室温〜70℃、エージング時間は6〜240時間が好ましい。
ガスバリア性接着剤の塗布量は、適宜調整する。溶剤型の場合、一例として固形分量が1g/m以上10g/m以下、好ましくは1g/m以上5g/m以下となるよう調整する。無溶剤型の場合、接着剤の塗布量が一例として1g/m以上10g/m以下、好ましくは1g/m以上5g/m以下である。
<包装材>
本発明の積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。
本発明の包装材は、本発明の積層体を使用し、積層体のシーラントフィルムの面を対向して重ね合わせた後、その周辺端部をヒートシールして得られる。製袋方法としては、本発明の積層体を折り曲げるか、あるいは重ねあわせてその内層の面(シーラントフィルムの面)を対向させ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装材に、その開口部から内容物を充填した後、開口部をヒートシールして本発明の包装材を使用した製品が製造される。充填される内容物としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。また、本発明の包装材はタバコ、使い捨てカイロ、輸液パック等の医薬品、化粧品、真空断熱材などの包装材料としても使用され得る。
あるいは、本発明の包装材は、本発明の積層体を使用した蓋材であってもよい。
以下、実施例と比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合組成その他の数値は特記しない限り質量基準である。
<接着剤の調整>
(ポリオール組成物A1)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール80.12部、無水フタル酸148.12部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.02部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量900のポリエステルポリオールを得た。水酸基価は124.7であった。さらに60℃に加熱しながら希釈溶剤として酢酸エチル310.13部を入れて1時間撹拌し、ポリオール組成物A1を得た。
(ポリイソシアネート組成物B1)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール92.00部、無水フタル酸118.50部、アジピン酸29.23部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.01部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量500のポリエステル中間体B1’を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、冷却コンデンサー、滴下漏斗を備えた反応容器にキシリレンジイソシアネート71.45部、ミリオネートMN(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物)46.26部を入れて70℃に加熱しながら撹拌し、ポリエステル中間体B1’92.28部を、滴下漏斗を用いて2時間かけて滴下し、更に4時間撹拌し、ポリイソシアネート組成物B1を得た。JIS−K1603に従い測定したNCO%は15.1%であった。
(接着剤1の調整)
ポリオール組成物A1:100部とポリイソシアネート組成物B1:40部とを混合して、ガスバリア性の接着剤1を得た。
(ポリオール組成物A2)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール79.10部、無水フタル酸74.06部、アジピン酸73.07部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.01部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量800のポリエステルポリオールを得た。水酸基価は143.2mgKOH/gであった。得られたポリエステルポリオールをポリオール組成物A2として用いた。
(ポリイソシアネート組成物B2)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール79.27部、無水フタル酸59.25部、アジピン酸87.68部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.02部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量850のポリエステル中間体B2’を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、冷却コンデンサー、滴下漏斗を備えた反応容器にキシリレンジイソシアネート69.06部、ミリオネートMN(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物)30.61部を入れて70℃に加熱しながら撹拌し、ポリエステル中間体B2’100.33部を、滴下漏斗を用いて2時間かけて滴下し、更に4時間撹拌し、ポリイソシアネート組成物B2を得た。JIS−K1603に従い測定したNCO%は15.4%であった。
(接着剤2の調整)
ポリオール組成物A2:50部とポリイソシアネート組成物B2:100部とを混合してガスバリア性の接着剤2を得た。
(ポリオール組成物A3)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、冷却コンデンサー、滴下漏斗を備えた反応容器にひまし油73.98部、ポリプロピレングリコール(分子量約4000)51.02部を入れて70℃に加熱しながら撹拌し、ミリオネートMN(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物)2.55部を、滴下漏斗を用いて滴下し、更に4時間撹拌し、ポリオール組成物A3を得た。水酸基価は115.0mgKOH/gであった。
(ポリイソシアネート組成物B3)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、冷却コンデンサー、滴下漏斗を備えた反応容器にミリオネートMN(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物)114.00部を入れて70℃に加熱しながら撹拌し、ポリプロピレングリコール(分子量約400)28.16部、ポリプロピレングリコール(分子量約1000)58.44部を、滴下漏斗を用いて2時間かけて滴下し、更に4時間撹拌し、ポリイソシアネート組成物B3を得た。JIS−K1603に従い測定したNCO%は13.5%であった。
(接着剤3の調整)
ポリオール組成物A3:50部とポリイソシアネート組成物B3:100部とを混合して非ガスバリア性の接着剤3を得た。
<リキッドインキ>
リキッドインキは下記を用いた。なお、インキ1〜10で用いた樹脂は、インキ1と1'、1''のグループ、インキ7と7'、7''、インキ9と9'のグループ内でそれぞれ同じものを使用したのを除き、全て異なる。
Figure 0006973690
<積層体の製造>
(実施例1)
OPPフィルム(東洋紡製P2161)に、リキッドインキ1を用い、版深25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたグラビア印刷機で印刷した後、ドライヤーで乾燥して印刷物を得た。次いで接着剤2を、無溶剤用テストコーターを用いて塗布量2.4g/mとなるように印刷層上に塗布し、次いで接着層を介してOPPフィルム(東洋紡製P2161)とアルミ蒸着CPPフィルム(東レフィルム加工2703)を貼り合せた後、40℃/2日間のエージングを行い、実施例1の積層体を得た。
(実施例2−15、22−27、31−34)
用いるリキッドインキおよびその塗布量、接着剤の塗布量を表2−表6に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2−15、22−27、31−34の積層体を得た。
(実施例16)
OPPフィルム(東洋紡製P2161)に、リキッドインキ1を用い、版深25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたグラビア印刷機で印刷した後、ドライヤーで乾燥して印刷物を得た。次いで接着剤1を、バーコーターを用いて塗膜量3.0g/m(固形分)となるように印刷層上に塗布し、温度70℃に設定したドライヤーで希釈溶剤を揮発させ乾燥して接着層を形成した。接着層を介してOPPフィルム(東洋紡製P2161)とアルミ蒸着CPPフィルム(東レフィルム加工2703)を貼り合せた後、40℃/2日間のエージングを行い、実施例16の積層体を得た。
(実施例17−21、28−30)
用いるリキッドインキおよびその塗布量を表4、6に記載のとおりに変更した以外は実施例16と同様にして実施例17−21、28−30の積層体を得た。
(比較例1−14)
用いるリキッドインキおよびその塗布量、接着剤およびその塗布量を表7、8に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして比較例1−12の積層体を得た。
<評価>
(酸素透過率)
エージングが終了した積層体を10cm×10cmのサイズに調整し、OX−TRAN2/21(モコン社製:酸素透過率測定装置)を用い、JIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃90%RHの雰囲気下で酸素透過率を測定した。なおRHとは、湿度を表す。結果を表2−8にまとめた(表2−8の「OTR」欄、単位はcc/m/day/atm)。
Figure 0006973690
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Figure 0006973690
実施例、比較例から明らかなように、本発明の積層体は、印刷層とガスバリア接着層とが接する構成とした場合であっても優れたガスバリア性を示した。

Claims (4)

  1. 基材と、
    シーラント層と、
    前記基材とシーラント層との間に配置され、単位量あたりに含まる前記着色剤の質量をPとし、前記着色剤を除く固形分の質量をR1としたときの質量比であるP/R1値が4.0以上であるリキッドインキを用いて形成された印刷層と、
    前記印刷層と前記シーラント層との間に、前記印刷層に接して配置され、3g/m(固形分)で塗布した塗膜の23℃0%RHでの酸素バリア性が300cc/m/day/atm以下、または水蒸気バリア性が120g/m/day以下の、少なくとも一方の条件を満足する接着剤を用いて形成された接着層とを有し、
    前記印刷層に含まれる前記リキッドインキの着色剤を除く固形分の塗布量が1.1g/m以下であることを特徴とする積層体。
  2. 前記P/R1値が4.5以上である請求項に記載の積層体。
  3. 前記着色剤の質量を除いた単位面積あたりの前記印刷層の質量をR2とし、単位面積あたりの前記接着層の質量をAとしたときの質量比R2/A値が0.5以下である請求項1または2の何れか一項に記載の積層体。
  4. 請求項1乃至の何れか一項に記載の積層体からなる包装材。
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