JP7036283B2 - 積層体の製造方法、積層体、包装材 - Google Patents

積層体の製造方法、積層体、包装材 Download PDF

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Description

本発明は、積層体の製造方法、当該方法を用いて得られる積層体、当該包装材を用いて得られる包装材に関する。
食品や飲料等の包装材料は、様々な流通、冷蔵等の保存や加熱殺菌などの処理等から内容物を保護するための強度や割れにくさ、耐レトルト性、耐熱性といった機能ばかりでなく、内容物を確認できるよう透明性に優れるなど多岐に渡る機能が要求されている。
その一方で、ヒートシールにより袋を密閉する場合には、熱加工性に優れる無延伸のポリオレフィン類フィルムが必須であるが、無延伸ポリオレフィンフィルムには包装材料として不足している機能も多い。
このようなことから、前記包装材料は、異種のポリマー材料を組み合わせた複合フレキシブルフィルムが広く用いられている。一般に複合フレキシブルフィルムは、商品保護や各種機能を有する外層となる熱可塑性プラスチックフィルム層等と、シーラント層となる熱可塑性プラスチックフィルム層等からなる。食品の状態を維持するためのバリア機能とともに、内容物の視認性も求められる場合には、プラスチックフィルムとして例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)や延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)に酸化アルミニウムを蒸着したフィルムを用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2001-260266号公報
昨今、環境負荷を軽減するための取り組みの一つとして食品の消費期限、賞味期限を延長し、フードロスを減らすべく、包装材料には酸素バリア性、水蒸気バリア性のより一層の向上が求められている。本発明はこのような課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、ガスバリア性に優れた積層体、当該積層体を用いた包装材を提供することを目的とする。
本発明は、第一の基材と、シーラント層と、前記第一の基材と前記シーラント層との間に配置された接着層とを有する積層体の製造方法であって、前記シーラント層上に、ポリエステルポリオール(A)を含むポリオール組成物(I)と、ポリイソシアネート組成物(II)と、エステル系溶剤と、を含む2液型接着剤を塗布する工程と、前記シーラント層を乾燥装置に搬送し、加熱して前記2液型接着剤から前記溶剤を蒸発させる工程と、前記シーラント層と前記第一の基材とを貼り合わせる工程と、前記2液型接着剤を硬化させて前記接着層を形成する工程と、を含む積層体の製造方法に関する。
本発明の積層体の製造方法によれば、ガスバリア性に優れた積層体、当該積層体を用いた包装材を提供することが可能となる。
本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造に用いるラミネート装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。
<積層体の実施形態1>
図1は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の一実施形態を示す概略断面図である。積層体101は、第一の基材層と、接着層と、無機蒸着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は第一の基材層及び無機蒸着層に接して配置され、これらを貼り合わせている。
第一の基材層は化学的、物理的強度に優れるフィルム、シート(なお以下では特記しない限り、フィルムはフィルムとシートの総称でもある)であれば特に制限なく用いることができる。また、基材は単層フィルムであってもよいし、多層積層フィルムであってもよい。後述する包装材の内容物、種類、内容物充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて適宜選択することができる。
基材の具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム、Kコート延伸ポリプロピレンフィルム、Kコート延伸ナイロンフィルム、これらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムが例示されるがこれに限定されない。
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の1軸または2軸延伸ポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の1軸または2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエチレンフィルム等を好適に用いることができる。
フィルムの膜厚は特に限定されず、成型性や透明性の観点から、1~300μmの範囲で適宜選択すればよい。好ましくは1~100μmの範囲である。1μmを下回ると強度が不足し、300μmを超えると剛性が高くなり過ぎ、加工が困難になる恐れがある。
基材となるフィルムは、何等かの表面処理、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理等の物理的な処理や、化学薬品を用いた酸化処理等の化学的な処理、その他処理が施されたものであってもよい。
基材となるフィルムは、例えば上述した樹脂から選ばれる1種または2種以上を用い、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等、従来公知の製膜化法により製造することができる。あるいは上述した樹脂から選ばれる2種以上の樹脂を使用し、多層共押し出し製膜化法により製造することができる。フィルムの強度、寸法安定性、耐熱性の観点から、テンター方式、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してもよい。
基材となるフィルムは、必要に応じて添加剤が含まれていてもよい。具体的には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。添加剤の添加量は、他の性能に影響を与えない範囲で調整する。
シーラント層は熱により溶融し相互に融着し得る、ヒートシール性の樹脂の層である。シーラント層に好適な樹脂としては、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、その他不飽和カルボン酸で変性した変性オレフィン樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-不飽和カルボン酸の三元共重合体、環状ポリオレフィン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。これらの樹脂の1種または2種以上からなる樹脂のフィルム、シート、その他塗布膜等をシーラント層として使用することができる。
シーラント層となるフィルムとしては、未延伸、1軸延伸、2軸延伸のフィルムのいずれも使用することができる。
2軸方向に延伸した延伸フィルムは、例えば50~100℃のロール延伸機により2~4倍に縦延伸し、更に90~150℃の雰囲気下でテンター延伸機により3~5倍に横延伸し、引き続いて100~240℃の雰囲気下でテンター延伸機により熱処理することで得られる。あるいは、同時2軸延伸、逐次2軸延伸したものを用いてもよい。
シーラント層に易剥離性のシーラントフィルム(イージーピールフィルム)を用いてもよい。易剥離性のシーラントフィルムとしては、界面剥離タイプ、凝集剥離タイプ、層間剥離タイプの何れも適用可能であり、後述する包装材の種類や要求特性に応じて適宜選択することができる。易剥離性の指標としては、包装材の種類や要求特性に応じて適宜設定されるが、一例としてシール強度が2~20N/15mmである。例えばポリプロピレンと高密後ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを組み合わせた相分離系のポリマーブレンドにより易剥離性を発現させることができる。
シーラント層の膜厚は任意に選択し得るが、例えば後述する包装材に適用する場合には5~500μmの範囲で選択される。10~250μmであることがより好ましく、15~100μmであることがさらに好ましい。5μmを下回ると包装材料として充分なラミネート強度が得られず、さらに耐突き刺し性等も低下する恐れがある。250μmを超えるとコスト上昇を招くと共にフィルムが硬くなり、作業性が低下する。
無機蒸着層はシーラント層となるフィルム上に直接、またはアンカーコート剤等を用いて形成された層を介して、従来公知の方法により設けることができる。無機蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法(PVD法))や、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法(CVD法))等が挙げられる。
図1の構成において無機蒸着層は各種金属やその酸化物等の任意の材料により形成することができる。一例としてアルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ(酸化ケイ素)、これらの組み合わせ(例えばシリカとアルミナ)等が好ましく用いられる。
無機蒸着層の膜厚は1~200nmであることが好ましい。無機蒸着層がアルミニウム蒸着層である場合、その膜厚は1~100nmであることがより好ましく、15~60nmであることがより好ましい。無機蒸着層がシリカ、アルミナ、これらの二元蒸着層である場合、その膜厚は1~100nmであることが好ましく、10~50nmであることがより好ましく、20~30nmであることがより好ましい。
無機蒸着層の形成に先立ち、シーラントフィルム上にアンカーコート層を設けてもよい。アンカーコート層はシーラントフィルム上にアンカーコート剤を塗布、乾燥することにより形成することができる。これにより、シーラント層と無機蒸着層の密着性を高めるとともに、アンカーコート剤のレベリング作用により無機蒸着層の形成面が平坦性を向上させることができ、クラック等の膜欠陥が少なく均一な無機蒸着層を形成とすることができる。
アンカーコート剤としては、例えば、溶剤溶解性または水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂またはアルキルチタネート等を含むものが挙げられる。これらは単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
アンカーコート層の膜厚は特に制限されないが、5nm~5μm程度であることが好ましく、10nm~1μmであることがより好ましい。これにより、シーラントフィルム上に内部応力が抑制された均一な層を形成することができる。
アンカーコート層を設ける場合、アンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するために、アンカーコート層形成に先立ちシーラントフィルムの表面に放電処理を施すことも好ましい。
無機蒸着層を有するシーラントフィルムとして、アルミ蒸着CPP、アルミ蒸着OPP、アルミ蒸着PE、透明蒸着PET等が市販されており、これを本発明の製造方法に用いることもできる。
接着層は、ポリエステルポリオール(A)を含むポリオール組成物(I)と、ポリイソシアネート組成物(II)と、エステル系溶剤と、を含む溶剤系の2液型接着剤の硬化塗膜である。
ポリエステルポリオール(A)は多価カルボン酸と多価アルコールの反応生成物であり、さらにポリイソシアネートによりウレタン伸長されたものであってもよく任意の構造のものを用い得る。中でも3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールにカルボン酸無水物又はポリカルボン酸を反応させることにより得られるポリエステルポリオール(A1)、重合性炭素-炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)、グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)、オルト配向性多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)、イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)が好ましく用いられる。これらのポリエステルポリオール(A)は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。詳細は後述するが、これらのポリエステルポリオール(A)の硬化塗膜は特にガスバリア性に優れ、本発明の製造方法に特に好適である。なお本明細書において接着剤がガスバリア性を備えるとは、接着剤の5g/m(固形分)で塗布した接着剤の硬化塗膜の酸素バリア性が300cc/m/day/atm以下、または水蒸気バリア性が120g/m/day以下の、少なくとも一方の条件を満足する場合をいう。
ポリエステルポリオール(A1)は、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(a1)にカルボン酸無水物又は多価カルボン酸を反応させることにより得られ、少なくとも1個のカルボキシル基と2個以上の水酸基を有する。ポリエステルポリオール(a1)は多価カルボン酸または多価アルコールの一部を三価以上とすることで得られる。
ポリエステルポリオール(A1)の調整に用いられる多価カルボン酸は、オルトフタル酸、オルトフタル酸無水物の少なくとも1種を含むことが好ましい。多価カルボン酸としてこれらの化合物を用いて得られるポリエステルポリオールはガスバリア性と接着性とに優れる。オルトフタル酸、オルトフタル酸無水物を用いることにより接着剤のガスバリア性が優れる理由は、オルトフタル酸やその酸無水物を用いて得られるポリエステル鎖の回転が抑制されるためと推察される。接着性が優れる理由は、ポリエステル鎖が非対称であることに起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与されるためと推察される。
三価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等が挙げられる。合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸として三価のカルボン酸を用いることが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有多価カルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。中でも、コハク酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸及びその酸無水物が好ましい。
ポリエステルポリオール(A1)の調整に用いられる多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコールを使用することが特に好ましい。
三価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4-ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等が挙げられる。合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールを用いることが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコールを共重合させてもよい。具体的には、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。
ポリエステルポリオール(A1)は、上述の多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物である3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(a1)に、多価カルボン酸またはその酸無水物を反応させることで得られる。多価カルボン酸と反応させる水酸基の割合は、ポリエステルポリオール(a1)が備える水酸基の1/3以下とすることが好ましい。ポリエステルポリオール(a1)と反応させる多価カルボン酸またはその酸無水物は、二価または三価であることが好ましい。無水コハク酸、無水マレイン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等が挙げられるがこれに限定されない。
重合性炭素-炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)は、多価カルボン酸、多価アルコールとして重合性炭素-炭素二重結合をもつ成分を使用することにより得られる。
重合性炭素-炭素二重結合をもつ多価カルボン酸として無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸及びその酸無水物、3-メチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸及びその酸無水物等が挙げられる。中でも、炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸が好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。また、これらの酸無水物も使用することができる。中でも、ガスバリア性を得る為にはコハク酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、オルトフタル酸、オルトフタル酸の酸無水物、イソフタル酸が好ましく、更にはオルトフタル酸及びその酸無水物がより好ましい。
重合性炭素-炭素二重結合をもつ多価アルコールとしては、2-ブテン-1,4-ジオール等があげられる。
本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコールを共重合させてもよい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。中でも酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールが好ましく、更にはエチレングクリコールがより好ましい。
また、重合性炭素-炭素二重結合を有するポリエステルポリオール(A2)は、水酸基を有するポリエステルポリオール(a2)と重合性二重結合を有するカルボン酸、またはカルボン酸無水物との反応生成物であってもよい。重合性二重結合を有するカルボン酸またはその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、又はフマル酸等の重合性二重結合を有するカルボン酸、オレイン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。ポリエステルポリオール(a2)は、3個以上の水酸基を有することが好ましい。ポリエステルポリオール(a2)が備える水酸基が2個以下の場合、ポリエステルポリオール(A2)が備える水酸基の数が0~1個となり、後述するポリイソシアネート組成物(II)との反応時に分子伸張が起こり難くなり、接着強度等が低下する恐れがある。
ポリエステルポリオール(A2)は二重結合成分比率が5~60質量%であることが好ましい。5質量%を下回ると重合性二重結合間の架橋点が少なくなり、ガスバリア性が得難くなる。60質量%を超えると架橋点が多くなり、硬化塗膜の柔軟性が低下して接着強度が得難くなるおそれがある。なお本明細書においてポリエステルポリオール(A2)における二重結合成分比率は下記式(a)を用いて計算する。下記式においてモノマーとはポリエステルポリオール(A2)の合成に用いる多価カルボン酸、多価アルコールを指す。
Figure 0007036283000001
さらにポリエステルポリオール(A2)として、乾性油、又は半乾性油を挙げることができる。乾性油、又は半乾性油としては、炭素-炭素二重結合を有する公知慣用の乾性油、半乾性油等を挙げることができる。
グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール(A3)は、下記一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するものである。
Figure 0007036283000002
(一般式(1)中、R~Rは各々独立に、水素原子、または下記一般式(2)である。但し、R~Rのうち少なくとも一つは、下記一般式(2)で表される基を表す。)
Figure 0007036283000003
(一般式(2)中、nは1~5の整数を表し、Xは、置換基を有してもよい1,2-フェニレン基、1,2-ナフチレン基、2,3-ナフチレン基、2,3-アントラキノンジイル基、及び2,3-アントラセンジイル基から成る群から選ばれるアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2~6のアルキレン基を表す。)
ポリエステルポリオール(A3)は、R、R及びRのいずれか1つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R及びRのいずれか2つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R及びRの全てが一般式(2)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。R~Rの全てが一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
一般式(2)において、Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i-プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
一般式(2)におけるYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5-ペンチレン基、3-メチル-1,5-ペンチレン基、1,6-ヘキシレン基、メチルペンチレン基、ジメチルブチレン基等の、炭素原子数2~6のアルキレン基である。プロピレン基、エチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
ポリエステルポリオール(A3)は、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物と、多価アルコールとを必須成分として反応させて得られる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物としては、オルトフタル酸又はその酸無水物、ナフタレン2,3-ジカルボン酸又はその酸無水物、ナフタレン1,2-ジカルボン酸又はその酸無水物、アントラキノン2,3-ジカルボン酸又はその酸無水物、及び2,3-アントラセンカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i-プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
多価カルボンとして、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有多価カルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸及びその酸無水物、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を併用することができる。中でも、コハク酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタル酸、ジフェン酸が好ましい。
多価アルコールとしては炭素原子数2~6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
また、グリセロール、炭素原子数が2~6のアルキレンジオール以外の多価アルコールを、本発明の効果を損なわない範囲において共重合させてもよい。具体的には、エリスリトール、ペンタエリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族多価アルコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノール等の芳香族多価フェノール、或いはこれらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。
ポリオール組成物(A)がポリエステルポリオール(A3)を主成分とする場合、ガスバリア性接着剤の固形分に占めるポリエステルポリオール(A3)が有するグリセロール残基の含有量が5質量%以上であることが好ましい。グリセロール残基とは一般式(1)におけるR~Rを除いた残基(C=89.07)をいい、下記式(b)を用いて計算する。
Figure 0007036283000004
なお上記式(b)においてPはポリエステルポリオール(A3)を指す。ガスバリア性接着剤の樹脂固形分質量は、用いるポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)の合計質量から、希釈溶剤、ポリイソシアネート組成物(II)に含まれる揮発成分、無機成分の質量を除いた質量とする。
オルト配向性多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール(A4)は、オルトフタル酸及びその酸無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールからなる。特に、前記オルトフタル酸及びその酸無水物の、多価カルボン酸全量に対する使用率が70~100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
多価カルボン酸はオルトフタル酸及びその酸無水物のいずれかを必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、不飽和結合含有多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の酸無水物或いはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、コハク酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコールはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコールを共重合させてもよい。具体的には、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族等の芳香族多価フェノール等を例示することができる。
イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)は、下記一般式(3)で表されるものである。
Figure 0007036283000005
(一般式(3)中、R~Rは各々独立して、-(CHn1-OH(但しn1は2~4の整数を表す)、又は下記一般式(4)で表される基を表す。但しR、R及びRの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。)
Figure 0007036283000006
(一般式(4)中、n2は2~4の整数を表し、n3は1~5の整数を表し、Xは1,2-フェニレン基、1,2-ナフチレン基、2,3-ナフチレン基、2,3-アントラキノンジイル基、及び2,3-アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2~6のアルキレン基を表す。)
ポリエステルポリオール(A5)は、R、R及びRのいずれか1つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R及びRのいずれか2つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R及びRの全てが一般式(4)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。R~Rの全てが一般式(4)で表される基であることがより好ましい。
一般式(3)において、-(CH2)n1-で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。n1は、中でも2又は3が好ましく、2が最も好ましい。
一般式(4)において、Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i-プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
Xの置換基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基が好ましく、ヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基、フェニル基がより好ましい。
一般式(4)におけるYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5-ペンチレン基、3-メチル-1,5-ペンチレン基、1,6-ヘキシレン基、メチルペンチレン基、ジメチルブチレン基等の、炭素原子数2~6のアルキレン基である。プロピレン基、エチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
ポリエステルポリオール(A5)は、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物と、多価アルコールとを必須成分として反応させて得る。
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物としては、オルトフタル酸またはその酸無水物、ナフタレン2,3-ジカルボン酸またはその酸無水物、ナフタレン1,2-ジカルボン酸またはその酸無水物、アントラキノン2,3-ジカルボン酸またはその酸無水物、及び2,3-アントラセンカルボン酸またはその酸無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i-プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基またはナフチル基等が挙げられる。
多価アルコールとしては炭素原子数2~6のアルキレンジオール、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、または1,3,5-トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール(A5)が、ガスバリア性や接着性に優れ好ましい。
イソシアヌル環は高極性であり、且つ水素結合を形成しない。一般に接着性を高める手法として、水酸基、ウレタン結合、ウレイド結合、アミド結合などの高極性の官能基を配合させる方法が知られているが、これらの結合を有する樹脂は分子間水素結合を形成しやすく、溶剤型接着剤に良く使用される酢酸エチル、2-ブタノン等の溶剤への溶解性を損ねてしまうことがあるが、イソシアヌル環を有するポリエステル樹脂は該溶解性を損なわないので、容易に希釈可能である。
また、イソシアヌル環は3官能であるため、イソシアヌル環を樹脂骨格の中心とし、且つその分岐鎖に特定の構造のポリエステル骨格を有するポリエステルポリオール化合物は高い架橋密度を得ることができる。架橋密度を高めることで、酸素等のガスが通過する隙間を減らすことができると推定される。このように、イソシアヌル環は分子間水素結合を形成せずに高極性であり且つ高い架橋密度が得られるので、ガスバリア性と接着性とを担保できると推定している。
このような観点から、ポリオール組成物(A)がポリエステルポリオール(A5)を主成分とする場合、ガスバリア性接着剤の固形分に占めるポリエステルポリオール(A5)が有するイソシアヌル環の含有量が5質量%以上であることが好ましい。イソシアヌル環とは一般式(3)におけるR~Rを除いた残基(C=126.05)をいい、下記式(b)を用いて計算する。
Figure 0007036283000007
なお上記式(c)においてPはポリエステルポリオール(A5)を指す。ガスバリア性接着剤の樹脂固形分質量は、用いるポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)の合計質量から、希釈溶剤、ポリイソシアネート組成物(II)に含まれる揮発成分、無機成分の質量を除いた質量とする。
ポリエステルポリオールの水酸基価は、20mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸基価が20mgKOH/gより小さい場合、分子量が大きすぎるためポリオール組成物(I)の粘度が高くなり、良好な塗工適性が得られない。水酸基価が250mgKOH/gを超える場合、分子量が小さすぎて硬化塗膜の架橋密度が高くなりすぎ、良好な接着強度が得られない。
ポリエステルポリオールが酸基を有する場合、酸価は200mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が200mgKOH/gを超える場合、ポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)との反応が早くなり過ぎ、良好な塗工適性が得られない。ポリエステルポリオールの酸価の下限は特に制限されないが、一例として20mgKOH/g以上である。酸価が20mgKOH/g以上であると分子間の相互作用により良好なガスバリア性や初期凝集力が得られる。ポリエステルポリオールの水酸基価はJIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて、酸価はJIS-K0070に記載の酸価測定法にて測定することができる。
上述したようなポリエステルポリオールの数平均分子量は300~5000であると接着性とガスバリア性とのバランスに優れる程度の架橋密度が得られるため特に好ましい。より好ましくは数平均分子量が350~3000である。分子量が300よりも小さいと塗工時の接着剤の凝集力が小さくなりすぎ、ラミネート時にフィルムがズレたり、貼り合せたフィルムが浮き上がるといった不具合が生じるおそれがある。一方、分子量が5000よりも高いと塗工時の粘度が高くなり過ぎて塗工が出来ない、あるいは粘着性が低くラミネートができないといった不具合が生じるおそれがある。なお、数平均分子量は得られた水酸基価と設計上の水酸基の官能基数から計算により求める。
ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-30℃以上80℃以下であることが好ましく、0℃以上60℃以下であることがより好ましく、25℃以上60℃以下であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が80℃を超えると室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低いために基材への密着性が劣り、接着性が低下するおそれがある。一方-30℃よりも低いと、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいため十分なガスバリア性が得られないおそれがある。
ポリエステルポリオールは、ポリエステルポリオール(A1)~(A5)をジイソシアネート化合物との反応によるウレタン伸長により数平均分子量1000~15000としたポリエステルポリウレタンポリオール、であってもよい。ウレタン伸長したポリエステルポリオールには一定以上の分子量成分とウレタン結合とが存在するため、優れたガスバリア性を持ち、初期凝集力に優れ、ラミネート用の接着剤として優れる。
2液型接着剤の一成分であるポリイソシアネート組成物(II)は、イソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート或いはこれらのイソシアネート化合物の2量体、3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタキシリレンジアミンなどの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られるアダクト体が挙げられる。ポリエステルポリオール(A1)~(A5)とジイソシアネート化合物とを、水酸基とイソシアネート基の比率をイソシアネート過剰で反応させて得られるポリエステルポリイソシアネートを用いてもよい。これらは1種または2種以上を併用することができる。
また、イソシアネート化合物としてブロック化イソシアネートを用いてもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3-ジクロロ-2-
プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t-ブタノール、t-ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られる。
中でも、良好なガスバリア性が得られることからキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、メタキシリレンジイソシアネート、メタ水素化キシリレンジイソシアネートのようなメタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。
メタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネートの3量体、アミンとの反応により合成されるビューレット体、アルコールと反応してなるアダクト体が挙げられる。3量体、ビューレット体と比べ、溶剤型接着剤に用いられる有機溶剤への溶解性が良好なことから、接着剤が溶剤型の場合はアダクト体を用いることが好ましい。アダクト体としては、上記の低分子活性水素化合物の中から適宜選択されるアルコールと反応してなるアダクト体が使用できるが、中でも、トリメチロールプロパン、グリセロール、トリエタノールアミン、メタキシレンジアミンのエチレンオキシド付加物とのアダクト体が好ましい。
また、ポリオール組成物(I)として、ポリエステルポリオール(A1)のようにカルボン酸基が残存しているポリエステルポリオールを含む組成物を用いる場合には、ポリイソシアネート組成物(II)がエポキシ化合物を含んでいてもよい。エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p-オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
エポキシ化合物を用いる場合には、硬化を促進する目的で汎用公知のエポキシ硬化促進剤を本発明の目的が損なわれない範囲で適宜添加してもよい。
ポリオール組成物(I)として、ポリエステルポリオール(A2)のように重合性炭素-炭素二重結合を有するポリオールを含む組成物を用いる場合には、炭素-炭素二重結合の重合を促進するために公知の重合触媒を併用することができ、一例として遷移金属錯体が挙げられる。遷移金属錯体は、重合性二重結合を酸化重合させる能力を備える化合物であれば特に限定されない。例えば、コバルト、マンガン、鉛、カルシウム、セリウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄、銅等の金属と、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、樹脂酸、トール油脂肪酸、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸等との塩を用いることができる。遷移金属錯体の配合量はポリオール組成物(I)に含まれる樹脂固形分に対して0~10質量部が好ましく、より好ましくは0~3質量部である。
ポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)とは、ポリオール組成物(I)に含まれる水酸基と、ポリイソシアネート組成物(II)に含まれるイソシアネート基との当量比が1/0.5~1/10となるよう配合することが好ましく、1/1~1/5となるよう配合することがより好ましい。イソシアネート化合物が過剰の場合、接着剤の硬化塗膜に残留した余剰のイソシアネート化合物が接着剤層からブリードアウトするおそれがある。一方、ポリイソシアネート組成物(II)に含まれる反応性の官能基が不足すると、接着強度が不足するおそれがある。
接着剤には、接着性およびガスバリア性(接着剤がガスバリア性を備える場合)を損なわない範囲で各種添加剤を配合してもよい。
このような添加剤として、無機充填剤を用いてもよい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等が挙げられる。特に無機充填剤として板状無機化合物を用いると、接着強度、ガスバリア性、遮光性等が向上するため好ましい。板状無機化合物としては、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。板状無機化合物は1種または2種以上を併用することができる。
板状無機化合物は、層間に電荷を有するイオン性のものであってもよいし、電荷を持たない非イオン性のものであってもよい。層間の電荷の有無は接着剤層のガスバリア性に直接大きな影響を与えない。しかしながらイオン性の板状無機化合物や水に対して膨潤性を有する無機化合物は溶剤型接着剤への分散性が劣り、添加量を増加させると接着剤と増粘したり、チキソ性となったりして塗工適性が低下するおそれがある。このため板状無機化合物層間電化を持たない非イオン性であることが好ましい。
板状無機化合物の平均粒径は、特に制限されないが、一例として0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。0.1μmよりも小さいと、酸素分子の迂回経路が長くならず、ガスバリア性の向上が十分には期待できない。平均粒径の上限は特に制限されないが、粒径が大きすぎると塗工方法によっては塗工面にスジ等の欠陥が生じる場合がある。このため、一例として平均粒径は100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。なお本明細書において板状無機化合物の平均粒径とは、板状無機化合物の粒度分布を光散乱式測定装置で測定した場合の出現頻度が最も高い粒径をいう。
板状無機化合物のアスペクト比は酸素の迷路効果によるガスバリア性の向上のためには高い方が好ましい。具体的には3以上が好ましく、更に好ましくは10以上、最も好ましくは40以上である。
板状無機化合物の配合量は任意であるが、一例として、ポリオール組成物(I)、ポリイソシアネート組成物(II)、板状無機化合物の固形分総質量を100質量としたときに、板状無機化合物の配合量が5~50質量部である。
接着剤が接着促進剤を含んでいてもよい。接着促進剤としては、加水分解性アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤は、各種フィルム材料に対する接着性を向上させる効果が期待できる。
接着層に耐酸性が必要な場合には、接着剤が公知の酸無水物を含んでいてもよい。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7-ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5-(2,5-オキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
必要に応じて、更に酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合にその配合量は、ポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)の固形分総量100質量部に対して0.01~5質量部の範囲が好ましい。
ポリオール組成物(I)がポリエステルポリオール(A2)を含む場合、重合性炭素-炭素二重結合を反応させる方法として活性エネルギー線を使用することもできる。活性エネルギー線としては公知の技術が使用でき、電子線、紫外線、或いはγ線等の電離放射線等を照射して硬化させることができる。紫外線で硬化させる場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。
紫外線を照射して硬化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射によりラジカル等を発生する光(重合)開始剤をポリエステルポリオール(A2)100質量部に対して0.1~20質量部程度添加することが好ましい。
ラジカル発生型の光(重合)開始剤としては、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等の水素引き抜きタイプや、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルフェニルケトン等の光開裂タイプが挙げられる。これらの中から単独或いは複数のものを組み合わせて使用することができる。
その他、接着剤が安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤等を含んでいてもよい。これらの各種添加剤は予めポリオール組成物(I)およびポリイソシアネート組成物(II)のいずれか一方、または両方に添加しておいてもよいし、ポリオール組成物(I)とポリイソシアネート組成物(II)とを混合する際に添加してもよい。
本発明で用いられる接着剤は溶剤系であり、ポリオール組成物(I)、ポリイソシアネート組成物(II)の少なくとも一方が希釈溶剤を含む。用いられる希釈溶剤としては、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリオール組成物(I)またはポリイソシアネート組成物(II)の構成成分の製造時に反応媒体として使用された溶剤が、更に塗装時に希釈溶剤として使用される場合もある。
以下ではこのような構成の積層体101を例に挙げて本発明の積層体の製造方法について説明する。
<積層体の製造方法>
図2は、本発明の積層体の製造に用いるラミネート装置10の一例を示す概略構成図である。ラミネート装置10は、フィルム供給装置1、2と、コーティング装置3と、乾燥装置4と、貼り合わせ装置5と、巻取り装置6とを備える。
フィルム供給装置1は、第1のフィルムW1を巻取りR1から巻き出して、コーティング装置3に連続して送り出す装置である。フィルム供給装置2は、第2のフィルムW2を巻取りR2から巻き出して、貼り合わせ装置5に連続して送り出す装置である。
通常と異なり、本発明の製造方法では無機蒸着層を有するシーラントフィルムが第1のフィルムW1であり、巻き取りR1にセットする。第1の基材層が第2のフィルムW2であり巻取りR2にセットする。
コーティング装置3は、第1のフィルムW1に接着剤を塗布する装置である。コーティング装置3は、一例として接着剤転写ロール3aと、圧胴3bと、接着剤槽3cと、ドクターブレード3dと、スムージングロール3eとを含む。接着剤槽3c、ドクターブレード3dに換えて、チャンバードクターを用いてもよい。接着剤槽3cに入った接着剤Gは、接着剤転写ロール3aを介して第1のフィルムW1に転写される。このときドクターブレード3dにより接着剤転写ロール3aに付着した余分な接着剤Gが掻き取られる。圧胴3bは、第1のフィルムW1を巻き付けながら接着剤転写ロール3aとの間で加圧して、接着剤転写ロール3aに付着した接着剤Gを第1のフィルムW1に付着させる回転体である。スムージングロール3eは、第1のフィルムW1に転写された接着剤Gのコーティング面を平滑にする回転体であり、フィルムの走行方向とは逆方向に回転する。
第1のフィルムW1、第2のフィルムW2の搬送速度は任意で設定されるが、一例として80m/min以上300m/minである。100m/min以上であることが好ましく、150m/min以上であることがより好ましく、250m/min以下であることが好ましく、200m/min以下であることがより好ましい。
接着剤槽3cに入った接着剤Gはポリエステルポリオール(A)を含むポリオール組成物(I)と、ポリイソシアネート組成物(II)と、エステル系溶剤と、を含む2液型接着剤が混合されたものである。接着剤Gの塗布量は適宜調整されるが、一例として固形分量が1g/m以上10g/m以下、好ましくは1g/m以上5g/m以下である。
続いて第1のフィルムW1は乾燥装置4へと搬送される。乾燥装置4は加熱により第1のフィルムW1に転写した接着剤中の希釈溶剤を蒸発させるための装置である。加熱方法としては熱風吹き付け方式が広く用いられている。また乾燥装置4は一般的に、複数の乾燥炉を備える。乾燥装置4が複数の乾燥炉を備える場合、それぞれの乾燥炉は同じ温度に設定されていてもよいし、異なる温度に設定されていてもよい。
乾燥炉を複数備え、それぞれ異なる温度に設定される場合、第1のフィルムW1の搬送方向に対して上流側に位置する乾燥炉から下流側に位置する乾燥炉に向けて徐々に乾燥炉の温度が高くなっていることが好ましい。乾燥炉の温度は50℃以上100℃以下であることが好ましい。
乾燥装置4を通過した第1のフィルムW1は貼り合わせ装置5に搬送され、接着剤Gを介して第2のフィルムW2と貼り合わせられる。貼り合わせ装置5は一対のニップロール5a、5bを備え、ニップロール5aと5bの間で第1のフィルムW1と第2のフィルムW2とを加圧し貼り合わせる。ニップロール5aはゴムロールであり、ニップロール5bは金属ロールである。ニップロール5bは接着剤Gの温度を調節する図示しない加熱装置を内部に備える。ニップロール5a、5bで貼り合わせられた積層体W3は、冷却ロール5cを通り巻取り装置6に送られる。
さらに貼り合わせ装置5は冷却ロール5cを備えていてもよい。冷却ロール5cはニップロール5a、5bと巻取り装置6との間に配置され、ロールを冷却する機構を備える。冷却機構としては、ロール内部に通水する方法等が挙げられる。冷却ロール5cによって積層体W3を冷却した後、巻取り装置6でテンションをかけて巻き上げる。これにより、積層体W3の巻き締まりやカールを防止する。巻き取った積層体W3を室温~80℃、12~240時間エージングして本発明の積層体を得る。
本発明の製造方法は種々の積層体の製造に適用できるが、第一の基材が2軸延伸ポリプロピレンフィルムや2軸延伸ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムの場合に好適である。昨今、環境負荷を軽減するためプラスチックのリサイクル(一度使用されたプラスチックを原料として再生する試み)が検討されている。しかしながら、PETフィルムとOPPフィルムのように異なる種類のフィルム貼り合わせた積層体からなる包装材はこのようなリサイクルが困難である。そこで積層体の製造に用いる全てのフィルムを同じ材料を用いて製造することが検討されている。積層体101を例に挙げれば第一の基材層としてOPPフィルムを用い、無機蒸着層を有するシーラント層としてアルミ蒸着CPPを用いれば、積層体の大部分がポリプロピレンからなるため従来よりもリサイクルが容易となることが期待される。
しかしながらこのような積層体について本発明者らが鋭意検討したところ、ポリオレフィンフィルムを用いた積層体の製造において、ポリエステルポリオールを含む溶剤系の2液型接着剤による接着層が、ポリオレフィンフィルムまたはポリオレフィンフィルム上に設けられる印刷層と接する場合に、接着層中に有機溶剤が残留してしまうことが判明した。接着層に残留した有機溶剤は包装材の内部に移行し、人体への影響、内容物の味、香りの変化を起こす恐れがあることから、接着層中の残留溶剤量が一定基準を超える場合には食品包装用の積層体として許容されない。
しかしながら本発明の製造方法によれば、第一の基材層としてポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを用いた場合であっても接着層中への残留溶剤量が極めて軽微なものとすることができる。従って、リサイクル容易であり、かつガスバリア性に優れた積層体の提供が可能となる。本発明の製造方法は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶剤を含む接着剤に対して本発明は特に有効である。
第1のフィルムW1として無機蒸着層を有するシーラント層を用いる場合、フィルム供給装置1とコーティング装置3との間のテンションを25~50Nに設定することが好ましい(第1のフィルムW1の幅が800mm~1000mmの場合)。
さらに、第1のフィルムW1として無機蒸着層を有するシーラント層を用いた場合、複数のロールを経由し搬送される間、あるいは乾燥装置4を通る間にシーラント層が変形して無機蒸着層にクラックが生じ、シーラントフィルムのガスバリア性が低下する恐れがあるが、本発明の製造方法によれば無機蒸着層に生じたクラックをガスバリア性を有する接着剤Gが埋めることで、ガスバリア性に優れた積層体W3を提供することができる。
<積層体 他の実施形態>
以下では本発明の製造方法を用いて製造され得る他の積層体について説明するがこれに限定されない。
図3は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体102は第一の基材層と、印刷層と、接着層と、無機蒸着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は印刷層及び無機蒸着層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体102において無機蒸着層はシーラント層に蒸着されており、これらが上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当する。印刷層を含む第一の基材層が上述の製造方法における第2のフィルムW2に該当する。接着層は上述の接着剤の硬化塗膜である。積層体102は上述の積層体W3に該当する。
第一の基材層は積層体101と同様のものを用いることができる。印刷層は第一の基材層上に、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来ポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で直接または他の層(基材層と印刷層との密着性を向上させるプライマー層等)を介して形成される。無機蒸着層、シーラント層は積層体101と同様のものを用いることができる。
図4は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体103は第一の基材層と、接着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は第一の基材層及びシーラント層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体103においてシーラント層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、第一の基材層が第2のフィルムW2に該当する。
図5は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体104は第一の基材層と、印刷層と、接着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は印刷層及びシーラント層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体104においてシーラント層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、印刷層を含む第一の基材層が第2のフィルムW2に該当する。積層体104における第一の基材層、シーラント層は積層体101と同様のものを用いることができる、印刷層は積層体102と同様の方法で形成することができる。
図6は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体105は第一の基材層と、無機蒸着層と、接着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は無機蒸着層及びシーラント層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体105において無機蒸着層は第一の基材層に蒸着されている。積層体10においてシーラント層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、無機蒸着層を含む第一の基材層が上述の製造方法における第2のフィルムW2に該当する。第一の基材層、シーラント層は積層体101と同様のものを用いることができる。無機蒸着層は積層体101と同様の方法で第一の基材層上に設けることができる。
図7は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体106は第一の基材層と、無機蒸着層と、印刷層と、接着層と、シーラント層とをこの順に備え、接着層は印刷層及びシーラント層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体106においてシーラント層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、第一の基材層に無機蒸着層、印刷層が設けられたフィルムが第2のフィルムW2に該当する。
図8は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体107は第一の基材層と、第一の接着層と、無機蒸着層と、第二の基材層と、第二の接着層と、シーラント層とをこの順に備え、第一の接着は第一の基材層及び無機蒸着層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体107において、無機蒸着層を有する第二の基材層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、第一の基材層が第2のフィルムW2に該当する。第二の基材層としては、積層体101で例示した第一の基材層と同様のものを用いることができる。第二の接着層は、第一の接着層と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図9は、本発明の製造方法を用いて製造される積層体の他の実施形態を示す概略断面図である。積層体108は第一の基材層と、印刷層と、第一の接着層と、無機蒸着層と、第二の基材層と、第二の接着層と、シーラント層とをこの順に備え、第一の接着は印刷層及び無機蒸着層に接して配置され、これらを貼り合わせている。積層体108において、無機蒸着層を有する第二の基材層が上述の製造方法における第1のフィルムW1に該当し、印刷層を有する第一の基材層が第2のフィルムW2に該当する。
<包装材>
本発明の製造方法で製造された積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。
本発明の包装材は、本発明の製造方法で製造された積層体を使用し、積層体のシーラントフィルムの面を対向して重ね合わせた後、その周辺端部をヒートシールして得られる。製袋方法としては、本発明の積層体を折り曲げるか、あるいは重ねあわせてその内層の面(シーラントフィルムの面)を対向させ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(縦ピロー、横ピロー)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装材に、その開口部から内容物を充填した後、開口部をヒートシールして本発明の包装材を使用した製品が製造される。充填される内容物としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。また、本発明の包装材はタバコ、使い捨てカイロ、輸液パック等の医薬品、化粧品、真空断熱材などの包装材料としても使用され得る。
あるいは、本発明の包装材は、本発明の積層体を使用した蓋材であってもよい。
以下、実施例と比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合組成その他の数値は特記しない限り質量基準である。
<接着剤の調整>
(ポリオール組成物の調整)
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、グリセロールを92.09部、無水フタル酸444.36部、エチレングリコール186.21部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.07部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量668.60、水酸基価250mgKOH/g、酸価0.5mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
撹拌機を備えた容器に上記で合成したポリエステルポリオール70部を仕込み、90℃で加熱撹拌しポリオールが十分に流動性を保つ状態とした。撹拌しながらHM6025(HENGHAO社製、天然マイカ/非膨潤性、板状、平均粒径10μm、アスペクト比100以上)30部を加え、90℃で均一となるまで撹拌した。これを冷却したものをポリオール組成物として用いた。
(ポリイソシアネート組成物の調整)
三井化学製「タケネートD-110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体 不揮発成分75.0% NCO% 11.5%)と三井化学製「タケネート500」(メタキシリレンジイソシアネート不揮発分>99%,NCO% 44.6%)を50/50(質量比)の割合で混合したものをポリイソシアネート組成物として用いた。ポリイソシアネート組成物の不揮発分は、87.5%、NCO%は28.05%である。
(接着剤の調整)
ポリオール組成物100部、ポリイソシアネート組成物28部、酢酸エチル140部をよく攪拌し、接着剤を調整した。
<積層体の製造>
(実施例1)
DL-600DXドライラミネータ(オリエント総業社製)を用いて実施例1の積層体を製造した。第1のフィルムW1として膜厚25μmのアルミ蒸着CPP(東レフィルム加工社製、VM-CPP、2203#25)を用い、第2のフィルムとして膜厚30μmのOPPフィルム(東洋紡社製、パイレンP2161)上に、フィナートR794 白G3を、乾燥塗膜の膜厚が1μmとなるよう塗工したものを用いた。第1のフィルムW1、第2のフィルムW2の搬送速度は120m/min、乾燥炉の温度は第1のフィルムW1の搬送方向の上流側からそれぞれ60℃、70℃、80℃、接着剤の塗布量(固形分)は3.5g/mとなるように設定した。
(実施例2)
第2のフィルムとして印刷を施さないものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の積層体を製造した。
(実施例3)
第2のフィルムW2として、膜厚12μmのPETフィルム(東洋紡社製、E5102)にフィナートR794 白G3を、乾燥塗膜の膜厚が1μmとなるよう塗工したものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3の積層体を製造した。
(実施例4)
第2のフィルムW2として印刷を施さないものを用いた以外は実施例3と同様にして実施例4の積層体を製造した。
(比較例1)~(比較例4)
第1のフィルムW1と第2のフィルムW2をそれぞれ逆にした以外は実施例1~4と同様にして比較例1~4の積層体を製造した。
<評価>
(酸素透過率)
エージングが終了した積層体を10cm×10cmのサイズに調整し、OX-TRAN2/21(モコン社製:酸素透過率測定装置)を用い、JIS-K7126(等圧法)に準じ、23℃90%RHの雰囲気下で酸素透過率(OTR)を測定した。単位はcc/m・day・atmである。なおRHとは、湿度を表す。結果を表1、表2にまとめた。
(残留溶剤量の測定方法)
得られた積層体を500ccのフラスコに入れて80℃で30分間加熱した。フラスコ内のガスをガスクロマトグラフィーにより測定し、積層体1mあたりの溶剤量(mg/m)に換算した。結果を表1、表2にまとめた。
Figure 0007036283000008
Figure 0007036283000009
実施例、比較例から明らかなように、本発明の積層体は酸素透過率が低く抑えられており、バリア性に優れ、且つ残留溶剤量も抑制できている。一方比較例1~4の積層体は、実施例1~4の積層体と比較するとガスバリア性がやや劣り、積層体の層構成によっては残留溶剤量が著しく上昇する。
1、2:フィルム供給装置、3:コーティング装置、3a:接着剤転写ロール、3b:圧胴、3c:接着剤槽、3d:ドクターブレード、3e:スムージングロール、4:乾燥装置、5:貼り合わせ装置、5a:ニップロール(ゴムロール)、5b:ニップロール(金属ロール)、5c:冷却ロール、6:巻取り装置、10:ラミネート装置、W1:第1のフィルム、W2:第2のフィルム、W3:積層体、R1、R2:巻取り

Claims (6)

  1. 第一のフィルム供給装置と、第二のフィルム供給装置と、コーティング装置と、乾燥装置と、貼り合わせ装置と、を備えるドライラミネート装置を用い、第一の基材と、無機蒸着層を有するシーラント層と、前記第一の基材と前記シーラント層との間に配置された接着層とを有する積層体を製造する方法であって、
    前記第一の基材は前記第一のフィルム供給装置にセットされ、前記シーラント層は前記第二のフィルム供給装置にセットされ、
    前記第二のフィルム供給装置から前記コーティング装置に搬送された前記シーラント層の無機蒸着層上に、オルト配向性芳香族多価カルボン酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルポリオールおよび重合性炭素-炭素二重結合を有するポリエステルポリオールから選ばれる少なくとも一種であるポリエステルポリオール(A)を含むポリオール組成物(I)と、ポリイソシアネート組成物(II)と、エステル系溶剤と、を含むガスバリア性の2液型接着剤を塗布する工程と、
    前記シーラント層を前記乾燥装置に搬送し、加熱して前記2液型接着剤から前記溶剤を蒸発させる工程と、
    前記シーラント層と前記第一の基材とを貼り合わせる工程と、
    前記2液型接着剤を硬化させて前記接着層を形成する工程と、を含む積層体の製造方法。
  2. 前記第一の基材がポリオレフィンフィルムである請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記第一の基材上に印刷層が設けられている、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記シーラント層の幅が800mm~1000mmであり、
    前記第二のフィルム供給装置と、コーティング装置との間のテンションが25~50Nである請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記無機蒸着層が、アルミ蒸着層である請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記2液型接着剤は、固形分量が1g/m以上10g/m以下で塗布される請求項1~5の何れか一項に記載の積層体の製造方法。
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