JP2000210569A - 酸化チタン担持シ―ト - Google Patents

酸化チタン担持シ―ト

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JP2000210569A
JP2000210569A JP11014777A JP1477799A JP2000210569A JP 2000210569 A JP2000210569 A JP 2000210569A JP 11014777 A JP11014777 A JP 11014777A JP 1477799 A JP1477799 A JP 1477799A JP 2000210569 A JP2000210569 A JP 2000210569A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質などに対する光分解能力及び耐候性
に優れたシートを提供すること。 【解決手段】 X線一次粒子径が3nm以下であり、か
つ凝集体のレーザー回折/散乱法による平均粒子径が1
〜3μmである光触媒活性を有する超微粒子酸化チタン
粉体を主として有機性組成物からなる支持体に内添する
か、若しくは支持体上に含浸または塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性を有す
る超微粒子酸化チタンを支持体に内添または含浸、塗布
してなる酸化チタン担持シートに関し、さらに、詳しく
は脱臭能力及び耐候性等に優れた酸化チタン担持シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】生活環境に対する関心の高揚に伴い、悪
臭などの日常生活における有害物質の除去の要求が増え
てきており、悪臭除去装置などを組み込んだ空気清浄器
の開発が盛んに行われている。これらの装置では、主に
活性炭を含有したフィルターが使われ、活性炭に悪臭物
質を吸着させる方式が採用されてきた。しかしながら、
活性炭は吸着能力を有するものの分解能力がないため、
一定量の悪臭物質を吸収すると飽和してしまい、定期的
にフィルターを交換しなければならなかった。
【0003】近年、このような問題の解決策として、活
性炭と有害物質を光分解する触媒とを組み合わせた複合
材料が開発されつつある。例えば、特開平1-234729号公
報では、ハニカム状活性炭に酸化チタンを担持させた光
反応性半導体複合体を組み込んだ空気調和機が記載され
ている。この場合、吸着される悪臭成分の一部は光反応
性半導体で生成したOHラジカルにより分解されるた
め、活性炭の吸着能を比較的長期間保つことができる。
しかし、この方法では光反応性半導体を担持し、かつ光
反応効率を高めるために、特殊なハニカム構造の活性炭
が必要であり、また、その表面およびハニカム内部に酸
化チタンを保持させるために特別な工程が必要であっ
た。
【0004】また、特開平2-251241号公報では、紫外線
照射ランプの周囲に金属酸化物触媒からなる中空円筒状
ハニカム構造体を設置した光触媒装置について記載され
ている。
【0005】さらに、光触媒酸化チタンを利用した気相
での有害物質の除去方法が開示されている。例えば、特
開平2-253848号公報では、無機質繊維状担体にアナター
ゼ型酸化チタンを担持させたオゾン分解触媒について記
載されている。また、特開平3-233100号公報では、二酸
化チタンと活性炭との混合物と、これに、波長が300n
m以上の光を照射する光源とからなる換気設備に関して
記載されている。特開平4-256755号公報では、二酸化チ
タンを粒状パルプに担持させることにより、家庭用の脱
臭、消臭剤として使用できることが記載されている。さ
らに、久永らは、セラミックペーパーに二酸化チタンを
保持することにより、有機ハロゲン化合物の光分解を行
っている(電気化学協会誌、60巻、107ペ−ジ、1992
年)。
【0006】光触媒酸化チタンによる気相有害物質の光
触媒分解は、酸化チタン光触媒への気相有害物質の接
近、吸着、近紫外光による光分解、酸化チタン光触媒表
面に生成した副生成物の離脱といったプロセスで進むこ
とが確認されている。
【0007】光触媒酸化チタンの光分解能力を向上させ
るために、平均粒径が0.007〜0.05μmで、比表面積が1
00〜350m2/gの超微粒子酸化チタンが開発され、実用
化されている。しかしながら、超微粒子酸化チタンをポ
リビニルアルコール、ラテックス等の結着剤とともに、
紙、プラスチック等の基材にコーティングし、シート化
した場合、紫外線照射により結着剤である有機化合物を
短時間で分解してしまうため、超微粒子酸化チタンを基
材に固定化し続けることは困難であった。
【0008】また、超微粒子酸化チタンを紙、不織布、
プラスチックなどの基材に内添した場合にも紫外線照射
により有機性支持体が分解されるため、支持体の物理的
強度が低下してしまうという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光触
媒活性を有する超微粒子酸化チタンを支持体に内添、若
しくは支持体上に含浸または塗布してなる酸化チタン担
持シートに関し、詳しくは脱臭能力及び耐候性等に優れ
た酸化チタン担持シートを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、X線一
次粒子径が3nm以下であり、かつ凝集体のレーザー回
折/散乱法による平均粒子径が1〜3μmである超微粒子
酸化チタンを、主として有機性組成物からなる支持体に
内添する、若しくは支持体上に含浸または塗布してなる
酸化チタン担持シートとすることにより解決された。
【0011】
【発明の実施の形態】一般的に、酸化チタンの製造工程
においては、加水分解のプロセスで酸化チタンの結晶化
が起こるが、この工程で一次粒子のサイズが決まり、さ
らに、乾燥工程で粉体として取り出す時に、一次粒子間
にファンデルワールス引力が働き、一次粒子同士が集ま
り結合してフロックを形成し、凝集粉体となる。
【0012】本発明において使用する酸化チタンは、X
線一次粒子径が3nm以下の超微粒子酸化チタンである
ため、揮発性有機化合物(VOC)の酸化チタン表面へ
の吸着効率が高く、しかも、紫外線照射により酸化チタ
ン表面に到達する正孔(h)が増え、活性種であるヒ
ドロキシラジカルが酸化チタン表面に高密度で分布する
ため光触媒活性が著しく高い。しかも、有機性支持体に
内添、若しくは含浸または塗布する際には、X線一次粒
子径が3nm以下の超微粒子酸化チタンでありながら、
レーザー回折/散乱法による平均粒子径が1〜3μmの比
較的大きな凝集した粉体であるため、有機性支持体また
は有機性結着剤との接触面積が低下し、有機性支持体及
び有機性結着剤を光分解しにくいと考えられる。
【0013】X線一次粒子径が3nmを超える超微粒子
酸化チタンを使用した場合、光触媒活性度は低下する傾
向にある。また、レーザー回折/散乱法による平均粒子
径が1μm未満では、支持体に内添した場合に歩留まり
が著しく低下するとともに、有機性支持体または有機性
結着剤との接触面積が増し、有機性支持体及び有機性結
着剤を光分解し易くなる。さらに、平均粒子径が3μm
を超える場合は、酸化チタン塗工層を設けた場合に塗工
層表面の平滑性が低下するため、印刷処理がきれいにで
きないといった加工上の問題が生じる。
【0014】有機性支持体上に含浸または塗布によって
超微粒子酸化チタン含有層を設ける場合に添加される有
機高分子結着剤としては、水溶性有機高分子化合物また
は熱可塑性高分子エマルジョンが挙げられる。水溶性有
機高分子化合物とは、水に溶解させた時に透過性の高い
コロイド溶液となり、乾燥により造膜される皮膜も高い
紫外線透過性を有する有機高分子化合物を意味してい
る。具体的には、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、シリコン変性ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、クラスターデキス
トリン、キトサン、アルギン酸塩、カルボキシメチルセ
ルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロー
ス誘導体等が挙げられる。透過性を高くするには反射、
散乱、吸収ができるだけ少ないものが好ましく、その点
で、水に完全に溶解するポリビニルアルコールやポリア
クリルアミドが好ましい。
【0015】また、熱可塑性高分子エマルジョンとは、
水中で分散された熱可塑性高分子である熱可塑性高分子
エマルジョンを意味している。具体的には、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロ
ピレン等が使用できる。
【0016】有機高分子結着剤の適正な添加比率は塗料
固形分全体に対して5〜30重量%である。5重量%未満で
は酸化チタン微粒子の支持体への固定化は不十分であ
る。また、30重量%を越える場合には結着力は増すもの
の、活性輻射線の透過力が減少し光分解能力の低下が認
められる。
【0017】光触媒機能を活性化する輻射線とは、通常
400nm以下の近紫外線である。
【0018】本発明の酸化チタン担持シートとは、主と
して有機性組成物からなる支持体上に含浸または塗布に
よって酸化チタン含有層を設けたもの、及び主として有
機性組成物からなる支持体中に酸化チタンを内添したシ
ートである。さらに、支持体上に酸化チタン含有層を設
ける場合は、支持体の両面に酸化チタン含有層を設けて
も良く、両面コーティングにより光触媒効率を最大限に
発揮できる。酸化チタン含有層の支持体への塗布量は紫
外線の透過効率を考慮すると、片面で0.1〜10g/m2
望ましく、最も望ましいのは1〜5g/m2ある。また接
着性向上等のため所望により支持体と酸化チタン含有層
との間にアンダー層を設けても良い。
【0019】本発明の超微粒子酸化チタン塗料組成物の
支持体への塗設方法は、コンベンショナルサイズプレ
ス、ゲートロールサイズプレス、及びフィルムトランス
ファー方式のサイズプレス装置等により含浸する方法、
ロールコーター、ロッド(バー)コーター、ブレードコ
ーター、スプレーコーター、エアードクター(ナイフ)
コーター、及びカーテンコーター等のコーターにより一
般の塗工工程と同様の方法で所望により少量の他の適当
な結着剤と共に塗布する方法等が挙げられる。特に含浸
法に於ては、予め支持体を湿潤させておいても良い。
【0020】本発明に係わる主として有機性組成物から
なる支持体は、本発明の酸化チタンを内添または含浸、
塗布できるものであれば特に限定されないが、主に植物
繊維で構成された紙、コート紙及び主に合成樹脂(繊
維)で構成された不織布、プラスチックフィルム等が用
いられる。また、支持体としては有機性繊維にガラス繊
維、炭素繊維などの無機繊維または無機組成物を混合し
て製造された支持体も利用可能である。
【0021】本発明に係わる支持体原料に用いられる植
物繊維としては、針葉樹材及び広葉樹材からのクラフト
パルプ、亜硫酸パルプ、及びアルカリパルプ等の化学パ
ルプ、セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、及
び機械パルプ等の木材繊維や、楮、ミツマタ、藁、ケナ
フ、竹、リンター、バガス、及びエスパルト等の植物性
非木材繊維の他、レーヨン等の再生繊維及びセルロース
誘導体繊維等の天然物加工繊維等を用いても良い。
【0022】また、ポリエチレン及びポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂、デクロン等のポリエステル系樹
脂、ポリ酢酸ビニル、チレン酢酸ビニル共重合体樹脂、
ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、アクリラン、オーロン、ダイネル、及びベレル等の
アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケ
トン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール系樹脂、ジ
エン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等からなる熱可塑
性合成樹脂繊維、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性合
成樹脂繊維の他、シリコーン系繊維、フッ素系繊維、ス
テンレスウール等の金属繊維、各種ガラス繊維等が挙げ
られる。本発明に用いられる繊維群は単一種でも、また
は2種以上を組合わせて用いても良い。
【0023】更に、支持体に難燃剤を添加することによ
り防炎性を付与させることも可能である。難燃剤として
は、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニ
ジン、テトラホウ酸グアニジン、スルファミン酸アンモ
ニウム、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、テトラ
ブロモビスフェノールA、三酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。難
燃剤の含浸法としては、抄紙工程でのサイズプレスで含
浸させてもよいし、あらかじめ紙料調成の段階で添加し
抄紙してもよい。
【0024】上記植物繊維原料を本発明に係わる支持体
に加工する際には、所望によりロジン及びその変性物、
植物蝋または無水マレイン酸系、α−オレフィン系、及
びスチレン/アクリル酸エステル系合成樹脂のエマルシ
ョン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク
酸、及び無水ステアリン酸等のサイズ剤、澱粉及びその
変性物、グァーガム及びその変性物、デキストリン、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリアク
リルアミド、ポリアミドエピクロルヒドリン、各種エマ
ルジョン(含むラテックス)、尿素ホルマリン樹脂、及
びメラミンホルマリン樹脂等の紙力増強剤及び結着剤の
他、部留まり向上剤、界面活性剤、消泡剤、染料、蛍光
増白剤、酸化防止剤、及びスライムコントロール剤等の
各種添加剤を添加しても抄造しても良い。支持体抄造に
は、丸網抄紙機、長網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツイン
ワイヤー抄紙機、ハイブリッドフォーマー及びトップフ
ォーマー等のコンビネーション抄紙機等が使用できる。
【0025】さらに、本発明に係わる支持体に用いる植
物繊維としては、シート化する前にこの植物繊維に水溶
性無機物を作用させた後、この無機物を水不溶化して担
持させた無機物担持繊維を用いても良い。植物繊維(パ
ルプ)に水溶性無機物を不溶化して担持させる方法とし
ては、特開平3-146766号公報、特開平3-152295号公報、
特開平4-18193号公報、特開平4-24299号公報、及び特開
平4-57964号公報等に記載の方法がある。即ち、親水性
繊維材料に特定の気体または水溶液と反応して水不溶性
の無機物を生成する水溶性無機化合物を含有する水溶液
を含浸しさせた後、これらの無機物を水不溶化させる気
体または水溶液と接触させることで、この繊維材料内部
に水不溶性の無機物を担持させることができる。
【0026】また、本発明に係わる支持体に用いる不織
布は、上記合成樹脂繊維を水に懸濁し抄紙法によりシー
ト状にする湿式法、樹脂接着によるレジンボンド、針に
よる交錯を利用したニードルパンチ、糸により編み上げ
たステッチボンド、或は熱により接着させるサーマルボ
ンド等の所謂乾式法、高圧水をノズルから噴射して繊維
同士を交絡させる水流交絡法、直接紡糸しながらシート
化するスパンボンド、直接紡糸する際に霧吹きの原理を
応用して微細繊維を作りながらシート化するメルトブロ
ー法等によって製造することができる。不織布の厚み、
空隙率、空隙の形状、開孔度、柔軟性、弾力性、毛羽立
ち、及び風合い等は、上記製造方法を選択することによ
って調製できる。また、本発明では水系処理を施すた
め、不織布にある程度の水濡れ性が必要となり、親水性
繊維によりウェブを製造したものが好ましい。更に、シ
ート強度の点からスパンボンドやスパンレース法にて不
織布を加工することが好ましい。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。尚以下に説明する重量部
は乾燥固形分重量部を示す。
【0028】[実施例1] <酸化チタン塗料組成物の調製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−130、X線一次粒
子径2nm、分散媒として水を使用した時のレーザー回
折/散乱法による凝集粒子の50%体積平均粒子径D
50(メジアン径)は2.0μm、測定装置はマルバーン社
製粒度分布測定装置マスターサイザーSを使用、以下、
測定方法及び装置は同じ、KEMIRA製)100重量部
とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東
亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサーで1時
間高速撹拌し、酸化チタン微粉末の分散液を得た。次
に、この酸化チタン分散液に、水溶性有機高分子化合物
として澱粉12.5重量部、熱可塑性高分子エマルジョンと
してスチレン−アクリル共重合体12.5重量部を添加し、
泡を立てないようにゆっくりと30分撹拌し酸化チタン塗
料組成物を調製した。この時の全固形分に対する有機高
分子結着剤の配合比率は20重量%であった。
【0029】<酸化チタン担持シートの作製>坪量60g
/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液を
メイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
なるように塗布・乾燥し酸化チタン担持シートを作製し
た。
【0030】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、2ppmであり、光触媒分解率
は90%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたとこ
ろ90%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下は
認められなかった。
【0031】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテ−プを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は殆ど認められなか
った。さらに、上記の連続20回のアセトアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は殆どなく、紫外線照射による被膜
強度の低下は認められなかった。
【0032】[実施例2] <酸化チタン塗料組成物の調製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−140、X線一次粒
子径2nm、レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50
%体積平均粒子径D50は2.5μm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成)2重量部を水に混合し、ラボミキサーで1
時間高速撹拌し酸化チタン微粉末の分散液を得た。次
に、この酸化チタン分散液に、水溶性有機高分子化合物
としてポリビニルアルコール12.5重量部、熱可塑性高分
子エマルジョンとしてスチレン−ブタジエン共重合体1
2.5重量部を添加し、泡を立てないようにゆっくりと30
分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。この時の
全固形分に対する有機高分子結着剤の配合比率は20重量
%であった。
【0033】<酸化チタン担持シートの作製>坪量60g
/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液を
メイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
なるように塗布、乾燥し、酸化チタン担持シートを作製
した。
【0034】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1.5ppmであり、光触媒分解
率は92.5%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸
化チタン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英
ガラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20pp
mになるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシ
リンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面
の紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブ
ラックライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。
このテストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めた
ところ92.5%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の
低下は認められなかった。
【0035】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は殆ど認められなか
った。さらに、上記の連続20回のアセトアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は殆どなく、紫外線照射による被膜
強度の低下は認められなかった。
【0036】[実施例3] <酸化チタン塗料組成物の調製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−150、X線一次粒
子径2nm、レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50
%体積平均粒子径D50は1.4μm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成)2重量部を水に混合し、ラボミキサーで1
時間高速撹拌し酸化チタン微粉末の分散液を得た。次
に、この酸化チタン分散液に、水溶性有機高分子化合物
としてポリビニルアルコール25重量部を添加し、泡を立
てないようにゆっくりと30分撹拌し酸化チタン塗料組成
物を調製した。この時の全固形分に対する有機高分子結
着剤の配合比率は20重量%であった。
【0037】<酸化チタン担持シートの作製>坪量60g
/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液を
メイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
なるように塗布・乾燥し酸化チタン担持シートを作製し
た。
【0038】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1ppmであり、光触媒分解率
は95%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シ−ト表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたとこ
ろ95%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下は
認められなかった。
【0039】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は殆ど認められなか
った。さらに、上記の連続20回のアセトアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は殆どなく、紫外線照射による被膜
強度の低下は認められなかった。
【0040】[実施例4] <酸化チタン担持シートの作製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−230、X線一次粒
子径2nm、レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50
%体積平均粒子径D50は2.1μm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末の分散液を得
た。次に、この分散液500重量部と、水4000重量部中に
針葉樹晒クラフトパルプ(以下NBKPと略す)9重量
部とを混合した分散液とを混合し、さらに1重量%アニ
オン変性ポリアクリルアミドを加えて、円網型抄紙機に
て坪量100g/m2の酸化チタン粒子を内添するシートを
抄造し、120℃で乾燥し酸化チタン担持シートを得た。
酸化チタンの歩留りを測定したところ80.5%であった。
酸化チタン粒子の歩留りはJIS−P8128により測
定した紙中の灰分を、シート抄造時に加えた酸化チタン
粒子スラリーの添加率で除して算出した。以下、酸化チ
タンの歩留りはすべてこの測定法に準じた。
【0041】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、2ppmであり、光触媒分解率
は90%で極めて高い光触媒機能のあることが確認され
た。さらに、上記のテスト終了後の酸化チタン担持シー
トサンプルを再び5リットル容の石英ガラス製の密閉容
器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmになるように飽
和アセトアルデヒドガスをマイクロシリンジで注入し
た。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫外線強度が
2.5mW/cm2になるように、20Wのブラックライトを
使用して1.5時間紫外線照射を行った。このテストを20
回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたところ90%であ
り、何度繰り返しても光触媒分解率の低下は認められな
かった。
【0042】<シート強度の測定試験>酸化チタン担持
シートをA−4サイズに裁断し、破裂強さを測定した。
その結果、破裂強さは3.0kgf/cm2であった。次
に、A−4サイズに裁断された酸化チタン担持シートを
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して20日間紫外線照射
を行った。このシートの破裂強さを測定したところ2.9
kgf/cm2であり、破裂強さの低下は殆ど認められ
なかった。
【0043】[実施例5] <酸化チタン担持シートの作製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−240、X線一次粒
子径2nm、レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50
%体積平均粒子径D50は2.4μm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末の分散液を得
た。次に、この分散液500重量部と、水4000重量部中に
NBKP9重量部とを混合した分散液とを混合し、さら
に1重量%アニオン変性ポリアクリルアミドを加えて、
円網型抄紙機にて坪量100g/m2の酸化チタン粒子を内
添するシートを抄造し、120℃で乾燥し酸化チタン担持
シートを得た。酸化チタンの歩留りを測定したところ8
0.2%であった。
【0044】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1.5ppmであり、光触媒分解
率は92.5%で極めて高い光触媒機能のあることが確認さ
れた。さらに、上記のテスト終了後の酸化チタン担持シ
ートサンプルを再び5リットル容の石英ガラス製の密閉
容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmになるように
飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリンジで注入し
た。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫外線強度が
2.5mW/cm2になるように、20Wのブラックライトを
使用して1.5時間紫外線照射を行った。このテストを20
回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたところ92.5%で
あり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下は認められ
なかった。
【0045】<シート強度の測定試験>酸化チタン担持
シートをA−4サイズに裁断し、破裂強さを測定した。
その結果、破裂強さは2.9kgf/cm2であった。次
に、A−4サイズに裁断された酸化チタン担持シートを
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して20日間紫外線照射
を行った。このシートの破裂強さを測定したところ2.8
kgf/cm2であり破裂強さの低下は殆ど認められな
かった。
【0046】[実施例6] <酸化チタン担持シートの作製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:FINNTI S−250、X線一次粒
子径2nm、レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50
%体積平均粒子径D50は1.5μm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末の分散液を得
た。次に、この分散液500重量部と、水4000重量部中に
NBKP9重量部とを混合した分散液とを混合し、さら
に1重量%アニオン変性ポリアクリルアミドを加えて、
円網型抄紙機にて坪量100g/m2の酸化チタン粒子を内
添するシートを抄造し、120℃で乾燥し酸化チタン担持
シートを得た。酸化チタンの歩留りを測定したところ8
0.7%であった。
【0047】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1ppmであり、光触媒分解率
は95%で極めて高い光触媒機能のあることが確認され
た。さらに、上記のテスト終了後の酸化チタン担持シー
トサンプルを再び5リットル容の石英ガラス製の密閉容
器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmになるように飽
和アセトアルデヒドガスをマイクロシリンジで注入し
た。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫外線強度が
2.5mW/cm2になるように、20Wのブラックライトを
使用して1.5時間紫外線照射を行った。このテストを20
回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたところ95%であ
り、何度繰り返しても光触媒分解率の低下は認められな
かった。
【0048】<シート強度の測定試験>酸化チタン担持
シートをA−4サイズに裁断し、破裂強さを測定した。
その結果、破裂強さは3.1kgf/cm2であった。次
に、A−4サイズに裁断された酸化チタン担持シートを
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して20日間紫外線照射
を行った。このシートの破裂強さを測定したところ3.0
kgf/cm2であり破裂強さの低下は殆ど認められな
かった。
【0049】[比較例1] <酸化チタン塗料組成物の調製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:ST−01、X線一次粒子径7nm、レ
ーザー回折/散乱法による凝集粒子の50%体積平均粒子
径D50は0.8μm、石原産業製)100重量部とポリカルボ
ン酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東亜合成製)2
重量部を水に混合し、ラボミキサーで1時間高速撹拌し
酸化チタン微粉末の分散液を得た。次に、この酸化チタ
ン分散液に、水溶性有機高分子化合物として澱粉12.5重
量部、熱可塑性高分子エマルジョンとしてスチレン−ア
クリル共重合体12.5重量部を添加し、泡を立てないよう
にゆっくりと30分撹拌し酸化チタン塗料組成物を調製し
た。この時の全固形分に対する有機高分子結着剤の配合
比率は20重量%であった。
【0050】<酸化チタン担持シートの作製>坪量60g
/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液を
メイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
なるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作製
した。
【0051】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、4ppmであり、光触媒分解率
は80%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたとこ
ろ75%であり、繰り返しにより光触媒分解率の低下が認
められた。
【0052】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は殆ど認められなか
った。さらに、上記の連続20回のアセトアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着があり、紫外線照射による被膜強度
の低下が認められた。
【0053】[比較例2] <酸化チタン塗料組成物の調製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:SSP−25、X線一次粒子径9nm、
レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50%体積平均粒
子径D50は0.82μm、堺化学製)100重量部とポリカル
ボン酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東亜合成製)
2重量部を水に混合し、ラボミキサーで1時間高速撹拌し
酸化チタン微粉末の分散液を得た。次に、この酸化チタ
ン分散液に、水溶性有機高分子化合物として澱粉12.5重
量部、熱可塑性高分子エマルジョンとしてスチレン−ア
クリル共重合体12.5重量部を添加し、泡を立てないよう
にゆっくりと30分撹拌し酸化チタン塗料組成物を調製し
た。この時の全固形分に対する有機高分子結着剤の配合
比率は20重量%であった。
【0054】<酸化チタン担持シートの作製>坪量60g
/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液を
メイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
なるように塗布・乾燥し酸化チタン担持シートを作製し
た。
【0055】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、4.2ppmであり、光触媒分解
率は79%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化
チタン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガ
ラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。こ
のテストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ74%であり、繰り返しにより光触媒分解率の低下が
認められた。
【0056】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は殆ど認められなか
った。さらに、上記の連続20回のアセトアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着があり、紫外線照射による被膜強度
の低下が認められた。
【0057】[比較例3] <酸化チタン担持シートの作製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:ST−01、X線一次粒子径7nm、レ
ーザー回折/散乱法による凝集粒子の50%体積平均粒子
径D50は0.8μm、石原産業製)100重量部とポリカルボ
ン酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東亜合成製)2
重量部を水に混合し、ラボミキサーで1時間高速撹拌し
酸化チタン微粉末の分散液を得た。次に、この分散液50
0重量部と、水4000重量部中にNBKP9重量部とを混合
した分散液とを混合し、さらに1重量%アニオン変性ポ
リアクリルアミドを加えて、円網型抄紙機にて坪量100
g/m2の酸化チタン粒子を内添するシートを抄造し、1
20℃で乾燥し酸化チタン担持シートを得た。酸化チタン
の歩留りを測定したところ50.1%で低かった。
【0058】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、5ppmであり、光触媒分解率
は75%で低かった。さらに、上記のテスト終了後の酸化
チタン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガ
ラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。こ
のテストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ70%であり、繰り返しによる光触媒分解率の低下が
認められた。
【0059】<シート強度の測定試験>酸化チタン担持
シートをA−4サイズに裁断し、破裂強さを測定した。
その結果、破裂強さは2.5kgf/cm2であった。次
に、A−4サイズに裁断された酸化チタン担持シートを
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して20日間紫外線照射
を行った。このシートの破裂強さを測定したところ0.8
kgf/cm2であり破裂強さの著しい低下が認められ
た。
【0060】[比較例4] <酸化チタン担持シートの作製>超微粒子酸化チタン微
粉末(商品名:SSP−25、X線一次粒子径9nm、
レーザー回折/散乱法による凝集粒子の50%体積平均粒
子径D50は0.82μm、堺化学製)100重量部とポリカル
ボン酸ソーダ(商品名:アロンT−40、東亜合成製)
2重量部を水に混合し、ラボミキサーで1時間高速撹拌し
酸化チタン微粉末の分散液を得た。次に、この分散液50
0重量部と、水4000重量部中にNBKP9重量部とを混合
した分散液とを混合し、さらに1重量%アニオン変性ポ
リアクリルアミドを加えて、円網型抄紙機にて坪量100
g/m2の酸化チタン粒子を内添するシートを抄造し、1
20℃で乾燥し酸化チタン担持シートを得た。酸化チタン
の歩留りを測定したところ51.2%で低かった。
【0061】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、4.8ppmであり、光触媒分解
率は76%で低かった。さらに、上記のテスト終了後の酸
化チタン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英
ガラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20pp
mになるように飽和アセトアルデヒドガスをマイクロシ
リンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面
の紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブ
ラックライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。
このテストを20回繰り返し、平均光触媒分解率を求めた
ところ69%であり、繰り返しによる光触媒分解率の低下
が認められた。
【0062】<シ−ト強度の測定試験>酸化チタン担持
シートをA−4サイズに裁断し、破裂強さを測定した。
その結果、破裂強さは2.6kgf/cm2であった。次
に、A−4サイズに裁断された酸化チタン担持シ−トを
シ−ト表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して20日間紫外線照射
を行った。このシートの破裂強さを測定したところ0.9
kgf/cm2であり破裂強さの著しい低下が認められ
た。
【0063】
【発明の効果】本発明の効果を以下に示す。 (1)X線一次粒子径が3nm以下の超微粒子酸化チタ
ンであるため、揮発性有機化合物(VOC)の酸化チタ
ン表面への吸着効率が高く、しかも、紫外線照射により
酸化チタン表面に到達する正孔(h)が増え、活性種
であるヒドロキシラジカルが酸化チタン表面に高密度で
分布するため光触媒活性が著しく高い。 (2)酸化チタン凝集体のレーザー回折/散乱法による
平均粒子径が1〜3μmで大きな粒子となっているため、
紙、不織布、フィルムなどの有機性支持体上に酸化チタ
ンコート層が形成された場合または紙、不織布、フィル
ムなどの有機性支持体中に内添された場合に、結着剤及
び支持体との接触面積が小さくなり結着剤及び支持体を
分解しにくい。 (3)酸化チタン凝集体の平均粒子径が1〜3μmで大き
な粒子となっているため、紙、不織布などの有機性支持
体に内添させても、酸化チタンの歩留まりが高いので光
触媒活性に優れている。 (4)酸化チタン担持シートの光触媒機能が高いと同時
に、支持体及び結着剤の分解・劣化がないので、支持体
として紙、不織布、フィルム、難燃紙などの面状物に使
用できる上、コルゲート、ハニカム等の構造体にも応用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 C08J 7/04 CERZ C08J 7/04 CER CEZZ CEZ A61L 9/00 C // A61L 9/00 9/01 E 9/01 B01D 53/36 J C08L 101:00 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC01 HH05 JJ06 KK08 LL10 MM02 NN11 NN22 4D048 AA22 BA07X BA41X BB01 BB03 BB08 BB17 EA01 4F006 AA02 AA11 AA31 AA55 AB74 BA03 CA10 DA04 4F100 AA21B AC01 AK01A AK01B AK12 AK12J AK25 AK25J AL04B AT00A BA02 CA30B DE01B DG10A DG15A GB71 JC00 JL00 JL09 4G069 AA01 AA03 AA11 AA12 AA15 BA04A BA04B BA21A BA21B BA22A BA22B BA29B BA48A CA17 EA03X EA03Y EA13 EB18X EB18Y EB19 FB13 FB23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線一次粒子径が3nm以下であり、か
    つ凝集体のレーザー回折/散乱法による平均粒子径が1
    〜3μmである光触媒活性を有する超微粒子酸化チタン
    を主として有機性組成物からなる支持体に内添してなる
    酸化チタン担持シート。
  2. 【請求項2】 X線一次粒子径が3nm以下であり、か
    つ凝集体のレーザー回折/散乱法による平均粒子径が1
    〜3μmである光触媒活性を有する超微粒子酸化チタン
    を主として有機性組成物からなる支持体上に含浸または
    塗布してなる酸化チタン担持シート。
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