JP2002179970A - 光触媒担持印刷物 - Google Patents

光触媒担持印刷物

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JP2002179970A
JP2002179970A JP2000383607A JP2000383607A JP2002179970A JP 2002179970 A JP2002179970 A JP 2002179970A JP 2000383607 A JP2000383607 A JP 2000383607A JP 2000383607 A JP2000383607 A JP 2000383607A JP 2002179970 A JP2002179970 A JP 2002179970A
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JP2000383607A
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English (en)
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Hiroshi Tougeta
博史 垰田
Hisayoshi Mori
久義 森
Takashi Mori
隆志 森
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MORI SEITAI KK
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
MORI SEITAI KK
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒が強固に担持されており、意匠印刷部の
退色が殆どなく鮮明であり、意匠印刷部から酸化チタン
が剥離せず、そして悪臭成分などの有害物質を分解して
快適な室内環境を保持できる光触媒担持印刷物(特には
紙壁紙)及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】基材31の表面に、少なくとも、光触媒と
して不活性なセラミックスで該光触媒の表面を部分的に
被覆した光触媒粒を含有する意匠印刷部35を形成した
ところに特徴を有しており、必要に応じて、意匠印刷部
35を有する面には、加熱発泡処理、冷却処理を施する
ことで、エンボス型押凹凸が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒を含む印刷
インキにて必要なパターンを印刷した意匠印刷部を有す
る光触媒担持印刷物に関するものであり、より詳しく
は、印刷保存性、脱臭能力及び耐候性等に優れ、室内環
境における悪臭成分などの有害物質を分解除去する機能
を具有する、特には壁紙やカレンダー等となる光触媒担
持印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の室内環境浄化技術としては、悪臭
成分等を吸着除去すべく主に活性炭を含有したフィルタ
ーを備えた悪臭除去装置などを組み込んだ空気清浄機が
開発されている。これら装置によると、活性炭は悪臭成
分等を吸着するものの、これらを分解することはできな
いため、一定量の悪臭物質等を吸収すると飽和するた
め、定期的にフィルターを交換しなければならなかっ
た。また、活性炭の吸着作用と有害物質を光分解する触
媒とを組み合わせた複合材料が提案されている。例えば
特開平1−234729号公報には、ハニカム状活性炭
に酸化チタンを担持させた光反応性半導体複合体を組み
込んだものが開示されており、この場合、吸着される悪
臭成分の一部が光反応性半導体で生成したOHラジカル
によって分解されるため、活性炭の吸着能を比較的長期
間保つことができるものの、光反応性半導体を担持しか
つ光反応効率を高めるために特殊なハニカム構造の活性
炭が必要となり、また、その表面およびハニカム内部に
酸化チタンを保持させるための特別な工程が必要であっ
た。
【0003】また、特開平2−251241号公報に
は、紫外線照射ランプの周囲に金属酸化物触媒からなる
中空円筒状ハニカム構造体を設置した光触媒装置が開示
されており、光触媒(酸化チタン)を利用した気相での
有害物質除去技術が提案されており、特開平2−253
848号公報には、無機質繊維状担体にアナターゼ型酸
化チタンを担持させたものが開示されており、特開平3
−233100号公報には、二酸化チタンと活性炭との
混合物と光源とからなるものが開示されており、特開平
4−256755号公報には、二酸化チタンを粒状パル
プに担持させこれを消臭剤として使用する技術が開示さ
れている。さらに、久永らは、セラミックペーパーに二
酸化チタンを保持させて、有機ハロゲン化合物を光分解
する技術を報告している(電気化学協会誌、60巻、1
0頁、1992年)。
【0004】さらに、特開2000−129595号公
報には、酸化チタン含有層を基材(支持体)上に設け、
この酸化チタン含有層に印刷インキで必要なパターン
を、全面積当たり90%以下となるように印刷してなる
意匠印刷部を設けた壁紙等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術を特には壁紙に適用する場合、紙やプラス
チック等の基材に、例えば酸化チタン(光触媒)を、ポ
リビニルアルコール、ラテックス等の有機高分子結着剤
とともにコーティングするため、光触媒(酸化チタン)
微粒の表面が結着剤にて被覆されてしまい、気相有害物
質が光触媒の表面に吸着できず、光触媒作用に発揮させ
ることができないとか、光触媒が結着剤及び基材を短時
間で分解するために、基材に光触媒を固定化し続けるこ
とが困難である等の問題があった。
【0006】また、特開2000−129595号公報
記載の発明は、光触媒含有層の表面に、意匠印刷部を印
刷したものであり、印刷インキ中の有機成分である有機
顔料、ビヒクル中の油、樹脂および可塑剤、添加剤等
が、光触媒の光触媒作用によって分解されてしまうた
め、意匠印刷部の色が経時的に退色したり、光触媒含有
層から意匠印刷部が剥離するといった印刷保存性の問題
があった。
【0007】本発明はこのような実状に鑑みなされたも
のであって、その目的とするところは、光触媒が強固に
担持されており、光触媒の励起光が長時間にわたって照
射されても意匠印刷部の退色が殆どなく鮮明に維持で
き、意匠印刷部から酸化チタンが剥離せず、そして悪臭
成分などの有害物質を長期間にわたって分解でき快適な
室内環境を保持できる特には紙壁紙などの光触媒担持印
刷物を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明が採用した手段は、請求項1の発明は、基材
の表面に、光触媒として不活性なセラミックスで該光触
媒の表面を部分的に被覆した光触媒粒、を含有する印刷
インキにて印刷した意匠印刷部を有するところに特徴を
有する光触媒担持印刷物を、その要旨とするものであ
る。
【0009】請求項2の発明は、基材の表面に、光触媒
として不活性なセラミックスで該光触媒の表面を部分的
に被覆した光触媒粒を含有する又は含有しないプラスチ
ック樹脂層が形成され、該プラスチック樹脂層の表面
に、光触媒粒を含む印刷インキにて印刷した意匠印刷部
が設けられているところに特徴を有する光触媒担持印刷
物を、その要旨とするものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の光触媒担持印刷物において、前記光触媒として不活性
なセラミックスが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マ
グネシア、カルシア、アパタイト、及びアモルファスチ
タニアからなる群から選ばれた少なくとも1種のセラミ
ックスであるところに特徴を有する光触媒担持印刷物
を、その要旨とするものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の光触媒担持印刷物において、前記光触媒担持
印刷物に発泡絞り加工が施されている処の特徴を有する
光触媒担持印刷物を、その要旨とするものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の光触媒担持印刷物において、前記基材若しく
は前記プラスチック樹脂層の表面が、白金、ロジウム、
ルテニウム、パラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛のうちより
選択された少なくとも一種の金属にてアンダーコートさ
れているところに特徴を有する光触媒担持印刷物を、そ
の要旨とするものである。
【0013】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の光触媒担持印刷物において、前記光触媒の表
面に、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、
銅、鉄、亜鉛のうちから選ばれた少なくとも一種の金属
が担持されているところに特徴を有する光触媒担持印刷
物を、その要旨とするものである。
【0014】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かに記載の光触媒担持印刷物において、前記光触媒又は
前記光触媒粒が、多孔質担体に固定された多孔質光触媒
体として形成されているところに特徴を有する光触媒担
持印刷物を、その要旨とするものである。
【0015】請求項8の発明は、請求項7記載の光触媒
担持印刷物において、前記多孔質担体が、ニッケル−カ
ドミウム、ステンレス鋼、バーマロイ、アルミニウム合
金及び銅等に代表される多孔質金属若しくは発泡金属
類、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、発泡ガラス、
粒状セラミックス焼結体及び粘土焼結体等に代表される
多孔質セラミックス類のいずれかであるところに特徴を
有する光触媒担持印刷物を、その要旨とするものであ
る。
【0016】請求項9の発明は、請求項1〜9のいずれ
かに記載の光触媒担持印刷物において、前記光触媒の結
晶形がアナターゼであるところに特徴を有する光触媒担
持印刷物を、その要旨とするものである。
【0017】すなわち、本発明に係る光触媒担持印刷物
は、光触媒として不活性なセラミックスで該光触媒の表
面を部分的に被覆した光触媒粒を印刷インキに含有さ
せ、この印刷インキにて意匠印刷部が形成されていると
ころに構成的特徴がある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する
が、これは代表的なものを示したものであり、その要旨
を越えない限り、以下の実施例により本発明が限定され
るものではない。本明細書において、光触媒とは、結晶
の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも
大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)
を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)
が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質のことであ
り、例えば、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化バナ
ジウム、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化
第二鉄、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなど
の各粒子を例示することができ、これらのうち1種又は
2種以上を使用することができる。優れた光触媒作用を
発揮するという点では、酸化チタンを使用することが好
ましい。また、結晶性の酸化チタンとしては、アナター
ゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のものがあり、どれを
使用しても構わないが、このうち最も優れた光触媒作用
を発揮するという観点からは、アナターゼ型の酸化チタ
ンを使用することが好ましい。
【0019】光触媒(酸化チタン)による気相有害物質
の分解は、光触媒への気相有害物質の接近、吸着、紫外
光による光励起、光触媒表面で生成した副生成物の離
脱、といったプロセスで進行する。さらに詳しくは、光
触媒に紫外線を照射して光励起すると、光触媒の表面に
おいて電子−正孔対が生じる。このうち電子は表面酸素
を還元してスーパーオキサイドイオン(O2 -)を生成
し、正孔は表面水酸基を酸化して水酸ラジカル(・O
H)を生成し、これらの反応性に富んだ両活性種によ
り、悪臭成分やホルムアルデヒド等の気相有害物質を効
率的にそして確実に酸化分解処理するものである。
【0020】光触媒を励起するための光源としては、太
陽光、殺菌ランプ、ブラックライト、蛍光灯、白熱灯、
水銀灯、UVライト、キセノンランプ、ハロゲンラン
プ、メタルハライドランプ、ケミカルライト等が使用で
きる。
【0021】つぎに、光触媒粒1としては、光触媒とし
て不活性なセラミックスを、マスクメロンのネット構造
状に形成したもの(図1)や、又は光触媒として不活性
なセラミックス(アパタイト結晶等)を例えばバラの花
形状で島状に備えたもの(図2)などが例示できる。
【0022】不活性なセラミックスがマスクメロンのネ
ット構造状に形成されている光触媒粒1aは、有機高分
子を添加したセラミックスのゾル液にて光触媒(例えば
チタニア粒子)5表面をコーティングした後、噴霧乾燥
などで乾燥し、その後、加熱焼成することによって製造
できる。より詳しくは、焼成時に有機高分子が消失する
ため、セラミックス膜の表面に細孔3を形成できこの細
孔2の底部にチタニア5が露出した状態となっているの
である。
【0023】前記セラミックスのゾル液は、超微粒子の
セラミックスを水に懸濁させたり、アルコールと金属塩
や金属との反応などによって得られる金属のアルコキシ
ドを加水分解したり、金属のアルコキシドに溶解した金
属塩を加水分解したりすることによって調製される。そ
の際、アルコールアミン類やグリコール類を添加すると
均一で透明な溶液が得られ、それを用いることによって
高性能の光触媒粒を製造することができる。セラミック
スのゾル溶液を調製するための金属のアルコキシドとし
ては、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、チタニウム等のアルコキシド及びそれ
らの混合物のアルコキシドが挙げられる。また、金属塩
としては、それらの金属の酢酸塩、蓚酸塩、2−エチル
ヘキサン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、アセチル酢酸
塩などの有機酸塩が挙げられる。
【0024】光触媒粒1aを製造する際の焼成温度は、
アモルファスのチタニアを担持させる場合で400℃以
下、それ以外のセラミックスを担持させる場合には60
0℃以下、最大でも700℃以下が好ましい。焼成温度
が高いとセラミックスの粒成長が起こり、島の高さが高
くなるが、焼成温度が700℃より高い場合には、チタ
ニアが光触媒として低活性なルチルの結晶形に変わるた
め、好ましくない。
【0025】セラミックスのゾル液に添加する有機高分
子としては、ポリエチレングリコールあるいはポリエチ
レンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロース、
セルロース誘導体などの水溶性ポリマーが挙げられる
が、特にポリエチレングリコール又はポリエチレンオキ
サイドが好ましく、そして、その分子量としては、10
00以上のものが好ましい。分子量が1000未満のも
のを用いた場合には、出来上がったセラミックス膜が光
触媒5の表面から剥離しやすくなり、きれいで丈夫な膜
を形成させ難い傾向がある。また、有機高分子の量は、
その溶解度以下であることか好ましく、溶解度以上に添
加した場合には、丸いきれいな細孔2にならず、また、
きれいな膜を形成させ難い傾向がある。
【0026】光触媒粒1aの表面の細孔3径の大きさや
細孔3分布の密度は、セラミックスのゾル液への有機高
分子の添加量や分子量を変えることによって制御するこ
とができる。添加量を少なくしたり、分子量の小さいも
のを使用した場合には光触媒粒1aの表面の細孔3が小
さなものになり、添加量を多くしたり、分子量の大きな
ものを使用した場合には細孔5が大きなものになる。そ
して、添加量が少ない場合には細孔3の分布の密度がま
ばらなものになるが、添加量が多い場合には細孔の分布
が密なものが得られる。また、分子量分布の広い有機高
分子を添加した場合には、表面に色々な孔径の細孔3を
持った光触媒粒1aが得られる。さらに、薄膜を積層す
ることにより、特異な三次元構造を持った光触媒粒を得
ることもできる。
【0027】光触媒粒1aは、光触媒(チタニア粒子)
5の表面が光触媒として不活性なセラミックス膜7によ
って部分的に被覆され、しかもセラミックス膜7表面が
細孔5を有し、細孔2の底に光触媒として活性なチタニ
ア5が露出した状態となっているため、プラスチックス
表面に担持させた場合でも、プラスチックスと接触して
いる部分が光触媒として不活性なセラミックス7である
から、プラスチックス自身の分解を生じることない。そ
のため、悪臭成分やホルムアルデヒドなど、室内汚染す
る有機化合物を吸着でき、光励起された光触媒の酸化作
用(光触媒作用)により、これらを迅速にかつ連続的に
分解除去することができ、同時に抗菌・抗かび作用など
が得られ、しかも、光を照射するだけで低コスト、省エ
ネルギー的、かつ長期間にわたり使用できるのである。
【0028】つぎに、島状のセラミックス(アパタイト
結晶)9を形成した光触媒粒1bは、カルシウムとリン
を含む溶液から析出させたアパタイトを、光触媒5の表
面で成長させることによって製造されたものである。例
えば光触媒が酸化チタンである場合、チタニア粒子とア
パタイトの混合物やチタニア粒子を水酸化カルシウムと
リン酸イオンの両方を含有する等張な疑似体液中に浸漬
し、静置することで、チタニア粒子の表面に水酸化カル
シウムとリン酸イオンとの反応で生成するアパタイトを
析出させ、これをチタニア粒子の表面に例えば島状に成
長させてなる光触媒粒1bや、表面に例えば島状のアパ
タイトを設けたチタニア粒子を水やバインダーに懸濁さ
せたもの、アルコールと四塩化チタン若しくは金属チタ
ンとの反応等により得られるチタンのアルコキシド等の
チタン化合物を加水分解したもの、などが例示である。
【0029】上記「アパタイト」とは、水酸アパタイ
ト、炭酸アパタイト、フッ化アパタイト、リン酸三カル
シウム、又はリン酸八カルシウムのいずれか1種又はこ
れら2種以上の混合物であっても構わない。チタニア粒
子に形成したアパタイトは多孔質で、しかも菌やカビな
どの生体構成成分である蛋白質や糖質などとの親和性
(生体親和性)が大きいため、菌やカビなどの微生物を
効率的に吸着でき、これらを上述した反応性に富んだ活
性種によって迅速且つ連続的に酸化分解することがで
き、最終的には炭酸ガスにまで分解処理できる。すなわ
ち、菌やカビなどの生命活動にて産生され菌体外に放出
される悪臭成分の発生を完全防止できるのである。
【0030】上記各光触媒粒の表面に、さらに、白金、
ロジウム、ルテニウム、パラジウム、鉄、銀、銅、亜鉛
等の金属被膜を、光電着法やCVD法、スパッタリング
や真空蒸着法等のPVD法等で担持させることができ、
これにより、電子と正孔の電荷分離を容易にして光触媒
作用による酸化分解を促進すると共に、前記金属触媒に
よる酸化分解や還元分解の補助的な手段として導入する
ことができ、有機化合物の分解除去や抗菌、抗かび効果
など、室内浄化作用を一層増大させることができる。
【0031】光触媒粒が、多孔質担体表面に光触媒を固
着してなる多孔質の光触媒体であると、光触媒粒の比表
面積を大きくすることができ、より一層効果的に光触媒
作用を発現させることが期待できる。このような目的に
使用する多孔質担体としては、ニッケル−カドミウム、
ステンレス鋼、バーマロイ、アルミニウム合金、銅等の
代表される多孔質金属や発泡金属と、活性炭、活性アル
ミナ、シリカゲル、発泡ガラス、粒状セラミックス焼結
体、粘土焼結体等に代表される多孔質セラミックス等を
例示することができる。比表面積が大きいこととコスト
の観点から、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどの
多孔質セラミックスを担体として使用することが好まし
い。多孔質担体の形状は、粒状、板状、円筒状、角柱
状、円錐状、球状、ラグビーボール状等どのような形状
であっても良い。
【0032】本発明に係わる基材を特に限定するもので
はないが、主に植物繊維で構成された不織布(木材パル
プ紙若しくは和紙等を含む)、織布、又は編物など、主
に合成樹脂繊維、無機系繊維で構成された不織布、織布
又は編物などである。
【0033】本発明に係わる基材原料である植物繊維と
しては、針葉樹材及び広葉樹材からのクラフトパルプ、
亜硫酸パルプ、及びアルカリパルプ等の化学パルプ、セ
ミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、及び機械パ
ルプ等の木材繊維や、楮、ミツマタ、藁、ケナフ、竹、
リンター、バガス、及びエスパルト等の植物性非木材繊
維の他、レーヨン等の再生繊維及びセルロース誘導体繊
維等の天然物加工繊維等を用いても良い。
【0034】これら植物繊維原料を基材に加工する際に
は、所望によりロジン及びその変性物、植物蝋または無
水マレイン酸系、α−オレフィン系、及びスチレン/ア
クリル酸エステル系合成樹脂のエマルション、アルキル
ケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、及び無水ス
テアリン酸等のサイズ剤、澱粉及びその変性物、グァー
ガム及びその変性物、デキストリン、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
サイド、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポ
リアミドエピクロルヒドリン、各種エマルション(含む
ラテックス)、尿素ホルマリン樹脂、及びメラミンホル
マリン樹脂等の紙力増強剤及び結着剤の他、部留まり向
上剤、界面活性剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、酸化防
止剤、及びスライムコントロール剤等の各種添加剤を添
加しても抄造しても良い。基材抄造には、丸網抄紙機、
長網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、
ハイブリッドフォーマー及びトップフォーマー等のコン
ビネーション抄紙機等が使用できる。
【0035】また、基材に用いる植物繊維としては、シ
ート化する前にこの植物繊維に水溶性無機物を作用させ
た後、この無機物を水不溶化して担持させた無機物担持
繊維を用いても良い。すなわち、親水性繊維材料に特定
の気体または水溶液と反応して水不溶性の無機物を生成
する水溶性無機化合物を含有する水溶液を含浸させた
後、これらの無機物を水不溶化させる気体または水溶液
と接触させることで、この繊維材料内部に水不溶性の無
機物を担持させることができる。
【0036】基材原料である合成樹脂繊維としては、ポ
リエチレン及びポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、
ポリエチレンテレフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、
ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ナ
イロン等のポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル、
アクリラン、オーロン、ダイネル、及びベレル等のアク
リル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、
ポリエーテル、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系
樹脂、及びポリウレタン系樹脂等からなる熱可塑性合成
樹脂繊維、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂
繊維である。無機系繊維としては、ロックウール、シリ
コーン系繊維、フッ素系繊維、ステンレスウール等の金
属繊維、各種ガラス繊維等が挙げることができ、これら
繊維群は単一種でも、または2種以上を組合わせ使用し
ても良い。
【0037】また、上記各基材の表面に、ポリエチレン
やナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、
ポリエチレングリコール、ボリエチレンテレフタレー
ト、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセ
タール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エポキシ樹
脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース、セルロース誘導体、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリス
チレン、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、デンプン、
植物繊維などあらゆる種類の重合体層あるいはこれらの
共重合体層(プラスチック層)を形成したものを使用す
ることができる。この場合、前記プラスチック層が撥水
特性を有する場合には、白金、ロジウム、ルテニウム、
パラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛のうちより選択された少
なくとも一種の金属にてアンダーコートを施すことで、
本発明の係わる光触媒粒や多孔質光触媒体を担持させる
こともできる。
【0038】つぎに、基材に用いる合成樹脂繊維製の不
織布は、上記合成樹脂繊維を水に懸濁し抄紙法によりシ
ート状にする湿式法、樹脂接着によるレジンボンド、針
による交錯を利用したニードルパンチ、糸により編み上
げたステッチボンド、或は熱により接着させるサーマル
ボンド等の所謂乾式法、高圧水をノズルから噴射して繊
維同士を交絡させる水流交絡法、直接紡糸しながらシー
ト化するスパンボンド、直接紡糸する際に霧吹きの原理
を応用して微細繊維を作りながらシート化するメルトブ
ロー法等によって製造することができる。不織布の厚
み、空隙率、空隙の形状、開孔度、柔軟性、弾力性、毛
羽立ち、及び風合い等は、上記製造方法を選択すること
によって調製できる。また、本発明では水系処理を施す
ため、不織布にある程度の水濡れ性が必要となり、親水
性繊維によりウェブを製造したものが好ましい。更に、
シート強度の点からスパンボンドやスパンレース法にて
不織布を加工することが好ましい。
【0039】また、各基材に難燃剤を添加することによ
り防炎性を付与させることも可能である。難燃剤として
は、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニ
ジン、テトラホウ酸グアニジン、スルファミン酸アンモ
ニウム、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、テトラ
ブロモビスフェノールA、三酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。難
燃剤の含浸法としては、抄紙工程でのサイズプレスで含
浸させてもよいし、スラグ調整の段階で添加し、抄紙し
てもよい。
【0040】本発明に係る光触媒担持印刷物は、上記各
基材の両面に、プラスチック樹脂層を介して又は介さな
いで、両面印刷を行うことが可能である。また、接着性
向上等のため、所望により基材とプラスチック樹脂層と
の間にアンダー層(下地層)を設けることができる。プ
ラスチック層に例えば白金、ロジウム、ルテニウム、パ
ラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛のうちより選択された少な
くとも一種の金属にて下地層を設け、この下地層に光触
媒粒や多孔質光触媒体を担持させることもできる。ま
た、印刷面と反対側の裏面に、接着剤を介して一般紙
(剥離紙)を剥離可能に裏打ち加工することもできる
し、例えば基材の表面に塩化ビニル樹脂の皮膜を形成
し、この皮膜の上に印刷インキで意匠印刷部を印刷した
後に、発泡絞り加工等を施すこともできる。
【0041】光触媒を全体当たり0.1〜40重量%の
割合で含有させる印刷インキは、上記基材上に鮮明に印
刷できるものであれば水性インキでも油性インキでも良
く、また、光触媒含有印刷インキでの印刷方法として
は、凸版印刷(フレキソ印刷を含む)、オフセット印
刷、グラビヤ印刷(フォトグラビヤ印刷を含む)、シル
ク印刷、フロック印刷、ステンシル印刷等を挙げること
ができる。光触媒量が0.1重量%以下であると十分な
光触媒作用が得られず、40重量%以上配合すると、壁
紙などの美観を損なう傾向があり、好ましくは、2〜3
0重量%である。
【0042】つぎに、本発明に係る印刷紙が優れた酸化
分解能を発現するのは、基材の最上面全面に、光触媒担
持層を形成する構成となっているため、大気中の酸素及
び水と接触でき、光触媒を確実に光励起させることがで
きることと、悪臭成分や有害物質を効率よく吸着してこ
れらを確実に酸化分解すことができることとが相まっ
て、印刷物表面を長期間にわたって汚れ難く保持でき
る。すなわち、例えばホルムアルデヒドのようなシック
ハウス症候群の原因物質等を分解浄化することができ、
これら疾病予防に役立つのである。
【0043】また、本発明に係る印刷紙が優れた印刷保
存性を発現するのは、光触媒粒の外面全面が、光触媒と
して不活性なセラミックスにて例えばマスクメロンのネ
ット状又は島状に覆われているので、印刷インキ中の有
機顔料及びビヒクル中の樹脂が直接光触媒と接触する確
率が極めて小さくなるためである。
【0044】すなわち、本発明に係る印刷紙は、壁紙、
襖紙、障子紙、カレンダー、ポスター等の室内装飾物な
ど、多様且つ多方面的に使用できるのである。
【0045】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳しく
説明するが、これらはその代表的なものを示したに過ぎ
ず、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例
において使用した光触媒粒は、その表面に、光触媒とし
て不活性なセラミックスをバラの花状に備えたものであ
る(昭和電工株式会社製のアパタイト複合酸化チタン微
粉末、平均粒子径:約30nm)。
【0046】第1実施例 坪量100g/m2 の上質紙11の上面全面に、全体当
たり0.3〜20重量%の光触媒粒を含有する水性イン
キ(3原色)を使用して乾燥固形物が2g/m 2 となる
ように直接グラビヤ印刷機にて着色印刷して意匠印刷部
(絵柄、文字等)13を形成し、絵柄模様のカレンダー
10を作製した。図3に、その組織を模式的な要部断面
図で示した。
【0047】使用した水性インキは、着色顔料8%、ア
クリルウレタン樹脂10%を主たる成分として含有して
おり、残りの82%は、水、助剤その他で構成されてい
るものであり、プリントインキ株式会社製で商品名、
「PW−255ブルーD」、「PW−355レッド
D」、「PW−3GIイエローD」エマルジョンインキ
として市販されている。
【0048】第2実施例 裏面に難燃紙27を有する坪量350g/m2 の壁紙基
材紙21の上面に、光触媒粒を含有しない水性透明イン
キにて印刷してプラスチック樹脂層23を形成し、該プ
ラスチック樹脂層23上の一部又は全面に、全体当たり
0.3〜20重量%の光触媒粒を含有する水性インキ
(3原色)を使用して、その乾燥固形物が2g/m2
なるように、グラビヤ印刷機にて直接印刷を施して意匠
印刷部25を形成することで紙壁紙20を作製した。図
4にその組織を模式的な要部断面図で示した。
【0049】水性インキは第1実施例に記載のとおりで
あり、水性透明インキは、プリントインキ株式会社製
で、「PW−MG]エマルジョンインキなる商品名で市
販されているもので、アクリルウレタン樹脂10重量%
を含有しており、残余部は、水、助剤、その他のもので
構成されているものである。
【0050】なお、難燃紙27の裏面に、ホルムアルデ
ヒド及びTVOCを含まない例えば澱粉系接着剤を介し
て図示しない剥離紙を備えることができる。また、プラ
スチック樹脂層上の一部に意匠印刷部を形成する場合に
は、該プラスチック樹脂層に光触媒粒を含有させておく
ことが好ましいことはいうまでもないことである。
【0051】第3実施例 まず、裏面に難燃紙37を有する加工原紙31の上面
に、ポリ塩化ビニル(PVC)ペーストレジン45重量
%、可塑剤たるフタル酸ジオクチル(DOP)34重量
%、充填剤たる炭酸カルシウム17重量%、発泡剤たる
ジアゾカルボンアミドとその他を4重量%の割合で含有
する配合ゾルを、メイヤーバーを使用して乾燥後の塗布
量が280g/m2 になるように塗布、乾燥することで
模擬試験用原紙層33を形成し、ついで、この層33の
上面に、全体当たり0.3〜20重量%の光触媒粒を含
むグラビヤ印刷用油性インキにて絵柄印刷を施して意匠
印刷部35を形成することで加工紙壁紙を作製した。つ
いで、得られた加工紙壁紙の意匠印刷部35を有する面
に、加熱発泡を施し、冷却処理を施すことで、エンボス
型押し凹凸を有するプラスチック系壁紙30を作製し
た。図5にその組織を模式的な要部断面図で示した。
【0052】油性インキは、顔料がフタロシアーンブル
ーである商品名「NP−DVシアニンブルー」、顔料が
アゾ系レッドである商品名「NP−DVレッド」、顔料
が縮合アゾイエローである商品名「NP−DVイエロー
N」という日特印刷株式会社製の塩化ビニル用インキで
あり、その主たる成分は、顔料8重量%、PVC樹脂1
2重量%、残部分は、メチルエチルケトン(MEK)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)、助剤、その他で
構成されているものである。また、油性透明インキは、
プリントインキ株式会社製で、商品名{VI−G」とし
て市販されている塩化ビニル用油性透明インキであり、
その主たる成分はポリ塩化ビニル樹脂16重量%であ
り、残部分は、メチルエチルケトン(MEK)、メチル
イソブチルケトン(MIBK)、助剤、その他で構成さ
れているものである。
【0053】ついで、第3実施例のプラスチック系壁紙
につき、それぞれ10cm角の試験片を作製し、メチレ
ンブルーの脱色度を指標として各試験片の光触媒作用を
検討した。その結果を、図6及び図7に示した。
【0054】図6は蛍光灯の光を照射したときの実験結
果であり、図7は直射日光を照射したときの実験結果で
ある。図6および図7において、0.3重量%の割合に
光触媒粒子を混合したときの実験結果はで、0.5重
量%はで、1重量%はで、3重量%はで、5重量
%はで、10重量%はで,15重量%はで、20
重量%はで、それぞれ示されている。
【0055】図6から、光触媒粒を5重量%以上含むイ
ンキで印刷した試験片によると、すべてのメチレンブル
ーを脱色するために、蛍光灯の光を7日照射する必要が
あり、0.3重量%含有インキで印刷した試験片による
と、すべてのメチレンブルーを脱色するために、蛍光灯
の光を14日程度照射する必要があることが解った。
【0056】図7から、光触媒粒を5%以上の割合に混
合した混合物を塗着した試験片は、直射日光を約10時
間照射すると、すべてのメチレンブルーを脱色すること
が解かり、0.3〜5%の混合物を塗着した試験片の場
合には、すべてのメチレンブルーを脱色するためには、
直射日光を約22時間照射する必要があることが解っ
た。
【0057】印刷インキ中に含有させる光触媒粒を0.
1〜40重量%、好適には2〜30重量%の割合で均一
に分散すると、良好な用量−応答関係が得られることが
解った。「光触媒粒」が0.1重量%以下であると、十
分な光触媒作用が得られず、40重量%以上混合する
と、壁紙の美観を損なう傾向がある。
【0058】
【発明の効果】以上の通り、本発明の効果として次の点
が挙げられる。 1)光触媒粒は、光触媒として不活性なセラミックスに
よりマスクメロンのネット構造状又は島状に被覆されて
おり、このセラミックス膜表面が細孔を有し、細孔の底
に光触媒として活性なチタニアが露出した状態となって
いるため、プラスチックス表面に担持させた場合でも、
プラスチックスと接触している部分が光触媒として不活
性なセラミックスであるから、プラスチックス自身の分
解を生じることない。そのため、悪臭成分やホルムアル
デヒドなど、室内汚染する有機化合物が吸着でき、光励
起された光触媒の酸化作用(光触媒作用)により、これ
らを迅速にかつ連続的に分解除去することができ、同時
に抗菌・抗かび作用などが得られ、しかも、光を照射す
るだけで低コスト、省エネルギー的、かつ長期間にわた
り使用できる。
【0059】2)光触媒として不活性な例えば島状のセ
ラミックス(アパタイト結晶)を有する光触媒粒は、菌
やカビなどの生体構成成分である蛋白質や糖質などとの
親和性(生体親和性)が大きいため、菌やカビなどの微
生物を効率的に吸着でき、迅速且つ連続的に酸化還元分
解することができ、最終的には炭酸ガスにまで分解処理
できる。すなわち、菌やカビなどの生命活動にて産生さ
れ菌体外に放出される悪臭成分の発生を完全に防止でき
るという作用効果を奏する。
【0060】3)光触媒粒の表面に、白金、ロジウム、
ルテニウム、パラジウム、鉄、銀、銅、亜鉛等の金属被
膜を担持させると、これにより、電子と正孔の電荷分離
を容易にして光触媒作用による酸化分解を促進すると共
に、前記金属触媒による酸化分解や還元分解の補助的な
手段として導入することができ、有機化合物の分解除去
や抗菌、抗かび効果など、室内浄化作用を一層増大させ
ることができる。
【0061】4)光触媒粒が、多孔質担体表面に光触媒
を固着してなる多孔質の光触媒体であると、光触媒粒の
比表面積を大きくすることができ、より一層効果的に光
触媒作用を発現させることができる。
【0062】5)本発明に係わる光触媒粒若しくは光触
媒体は、印刷インキ中の有機顔料及びビヒクル中の樹脂
を分解しないために印刷がいつまでも鮮明でありかつ意
匠印刷部が簡単に剥離せず、印刷保存性に優れるるとと
もに、長期間脱臭能力に優れる。
【0063】6)上記の効果により、室内空間の抗菌・
脱臭を或いはシックハウス症候群などの予防を目的とし
た印刷物として、より具体的には、壁紙及びクロス、障
子紙、襖紙、屋内ポスター、カレンダー、その他これら
に類する屋内装飾物等として、汚れを分解消去できるの
で常時清潔な状態を維持しつつ、多様且つ多方面的に使
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に使用した光触媒粒を模式的に
示す要部部分斜視図である。
【図2】図2は、本発明に使用した他の光触媒粒を模式
的に示す要部部分斜視図である。
【図3】図3は、本発明の光触媒担持印刷物の組織を模
式的に示す要部部分断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の光触媒担持印刷物の組織
を模式的に示す要部部分断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の光触媒担持印刷物の組織
を模式的に示す要部部分断面図である。
【図6】図6は、図5の光触媒担持印刷物に蛍光灯の光
を照射したときの、光触媒作用に関する実験結果を示す
ものである。
【図7】図7は、図5の光触媒担持印刷物に直射日光を
照射したときの、光触媒作用に関する実験結果を示すも
のである。
【符号の説明】
1…光触媒粒 1a…光触媒粒 1b…光触媒粒 3…光触媒(例えばチタニア粒子) 5…細孔 7…セラミックス膜(マスクメロン形状の) 9…セラミックス(バラの花形状のアパタイト結晶) 10…カレンダー 11…上質紙 13…意匠印刷部(絵柄) 20…紙壁紙 21…壁紙基材紙 23…プラスチック樹脂層 25…意匠印刷部 27…難燃紙 29…接着層 30…プラスチック系壁紙 31…加工原紙(基材) 33…模擬試験用原紙層 35…意匠印刷部 37…剥離紙 39…接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 3/00 C09C 1/00 4G069 C09C 1/00 1/36 4J037 1/36 3/06 4J039 3/06 D06N 7/04 4L055 D06N 7/04 D21H 21/14 B D21H 21/14 B01D 53/36 J (74)上記1名の代理人 100083932 弁理士 廣江 武典 (72)発明者 垰田 博史 愛知県名古屋市千種区清住町1丁目33番地 (72)発明者 森 久義 愛知県名古屋市中川区富田町大字新家字永 割1106 有限会社森製袋内 (72)発明者 森 隆志 愛知県名古屋市中川区富田町大字新家字永 割1106 有限会社森製袋内 Fターム(参考) 2H113 AA03 AA06 BA03 BA29 BB02 BB22 BB33 BC00 BC01 CA31 DA04 FA08 FA39 4C080 AA07 BB02 CC02 HH05 JJ06 KK08 LL03 MM07 NN01 NN02 NN03 NN06 4D048 AA22 AB03 BA01Y BA02Y BA03Y BA05Y BA06Y BA07X BA08Y BA10Y BA16Y BA30Y BA31Y BA32Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36Y BA38Y BA39Y BA41X BA41Y BB01 EA01 4F055 AA17 BA12 CA13 CA16 DA12 EA02 EA04 EA05 EA07 EA08 EA26 FA10 FA15 FA40 GA05 4F100 AA19B AA19C AA20B AA20C AB01C AB01D AB16C AB17B AB17C AB17D AB24B AB24C AB24D AB31C AD00B AD00C AG00C AK01B AK25 AK25J AK51 AK51J AL01 AT00A BA02 BA03 BA04 BA07 BA44B BA44C CA30B CA30C DE01B DE01C DG10A DJ01C EH46B EH46C EJ48C GB71 GB90 HB31C JC00 JK06 JL08B JL08C JL11 JN01C 4G069 AA03 AA12 BA01A BA02A BA04A BA04B BA05A BA06A BA08A BA10A BA13A BA14A BA17 BA38 BA48A BB02A BB04A BB14A BC09A BC10A BC31A BC32A BC35A BC36A BC66A BC68A BC70A BC71A BC72A BC75A CA01 CA10 CA11 CA17 DA06 EC22X EE01 4J037 AA08 AA11 AA12 AA15 AA22 CA03 CA09 CA12 CB05 CB09 DD06 EE02 EE03 EE26 EE28 EE43 FF28 4J039 BA13 BA26 BD03 BE21 EA23 GA01 GA02 GA03 GA10 4L055 AG02 AG03 AG17 AG18 AG27 AG30 AG35 AG85 AG94 AG95 AG98 AH02 AH34 AH37 AH50 AJ01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に、光触媒として不活性なセラ
    ミックスで該光触媒の表面を部分的に被覆した光触媒
    粒、を含有する印刷インキにて印刷した意匠印刷部を有
    することを特徴とする光触媒担持印刷物。
  2. 【請求項2】基材の表面に、光触媒として不活性なセラ
    ミックスで該光触媒の表面を部分的に被覆した光触媒粒
    を含有する又は含有しないプラスチック樹脂層が形成さ
    れ、該プラスチック樹脂層の表面に、光触媒粒を含む印
    刷インキにて印刷した意匠印刷部が設けられていること
    を特徴とする光触媒担持印刷物。
  3. 【請求項3】前記光触媒として不活性なセラミックス
    が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、カル
    シア、アパタイト、及びアモルファスチタニアからなる
    群から選ばれた少なくとも1種のセラミックスであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の光触媒担持印刷
    物。
  4. 【請求項4】前記光触媒担持印刷物に、発泡絞り加工が
    施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の光触媒担持印刷物。
  5. 【請求項5】前記基材若しくは前記プラスチック樹脂層
    の表面が、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、
    銀、銅、鉄、亜鉛のうちより選択された少なくとも一種
    の金属にてアンダーコートされていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒担持印刷物。
  6. 【請求項6】前記光触媒担持印刷物において、 前記光触媒の表面に、白金、ロジウム、ルテニウム、パ
    ラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛のうちから選ばれた少なく
    とも一種の金属が担持されていることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の光触媒担持印刷物。
  7. 【請求項7】前記光触媒担持印刷物において、 前記光触媒又は前記光触媒粒が、多孔質担体に固定され
    た多孔質光触媒体として形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の光触媒担持印刷物。
  8. 【請求項8】前記多孔質担体が、ニッケル−カドミウ
    ム、ステンレス鋼、バーマロイ、アルミニウム合金及び
    銅等に代表される多孔質金属若しくは発泡金属類、活性
    炭、活性アルミナ、シリカゲル、発泡ガラス、粒状セラ
    ミックス焼結体及び粘土焼結体等に代表される多孔質セ
    ラミックス類のいずれかであることを特徴とする請求項
    7記載の光触媒担持印刷物。
  9. 【請求項9】前記光触媒担持印刷物において、 前記光触媒の結晶形がアナターゼであることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の光触媒担持印刷物。
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