JPH11290692A - 光触媒及びその製造方法並びに光触媒含有成形体及びその製造方法 - Google Patents

光触媒及びその製造方法並びに光触媒含有成形体及びその製造方法

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JPH11290692A
JPH11290692A JP10093579A JP9357998A JPH11290692A JP H11290692 A JPH11290692 A JP H11290692A JP 10093579 A JP10093579 A JP 10093579A JP 9357998 A JP9357998 A JP 9357998A JP H11290692 A JPH11290692 A JP H11290692A
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JP
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photocatalyst
pores
ceramic
particles
film
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JP10093579A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tougeda
博史 垰田
Kazutomo Fujita
和朋 藤田
Shigemi Imaizumi
茂巳 今泉
Yoshinori Sugawara
吉規 菅原
Koji Hayashi
浩司 林
Norio Yamashita
典男 山下
Shinichi Kamiyama
真一 神山
Hiroshi Futamura
宏 二村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Gifu Prefecture
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Gifu Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒の耐久性を向上させ、多孔体に担持す
る光触媒粒子の量を調節して光触媒活性を調節できると
ともに、セラミックス膜の細孔を目的に合わせてより多
彩に形成させた光触媒及びその製造方法、並びに光触媒
をより多くの用途に適用できるように構成した光触媒含
有成形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 光触媒は、アナターゼ型の酸化チタンで
ある光触媒粒子又は光触媒粒子を担持した多孔体の表面
を、孔径1nm〜10μmのほぼ均一な細孔を有し光触
媒として不活性なセラミックス膜で被覆したものであ
る。この細孔は、有機基を有する膜の加熱焼成、薬剤溶
解性セラミックスを含む膜の溶解又は膜の内側に含浸し
た溶媒の放出により形成される。光触媒含有成形体7
は、光触媒1を基材8に練り込んで成形した後、成形体
7表面に存在する基材8及びセラミックス膜3を溶解し
て製造され、光触媒粒子2の一部を露出したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、悪臭、空気中の
有害物質、汚れの分解除去、廃水処理、浄水処理、抗
菌、抗カビ等の環境浄化材料として用いられる光触媒及
びその製造方法、並びに光触媒を塗料や有機繊維、合成
樹脂等に練り込んだ光触媒含有成形体及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸化チタン等の光触媒粒子
に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを有する光を
照射することによって、その表面に正孔と電子が発生す
ることが知られていた。それらは、温度に換算すると3
万℃以上という強力な酸化還元力を有し、この力によっ
て消臭、水質浄化、抗菌等の機能を発現させるために、
環境浄化素材として広く使用されていた。
【0003】特開平9−276706号公報では、有機
高分子を添加したセラミックスのゾル液で、アナターゼ
型結晶構造の酸化チタン光触媒粒子(チタニア)表面を
被覆した後、加熱焼成することによって製造される光触
媒粒子及びその製造方法が開示されている。この光触媒
粒子は、光触媒粒子の表面が光触媒として不活性で、か
つ表面に細孔を有したセラミックス膜によって被覆され
ている。さらに、この光触媒粒子は、細孔の底に酸化チ
タン光触媒粒子が露出した状態となっているため、有機
繊維や合成樹脂等に練り込んで使用しても、有機繊維等
に分解を生じることなく、光の照射によって環境浄化を
行うことができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
光触媒粒子では、耐久性があまり高くないうえ、光触媒
粒子の量を調節して形成させることが難しかった。ま
た、従来の光触媒では、セラミックス膜の細孔を目的に
応じた多彩な孔径、量、分布密度又は膜厚に製造するこ
とが困難であった。さらに、従来の光触媒は、より多く
の用途展開が見込める繊維、塗料、合成樹脂等の有機素
材への応用については、ほとんど進んでいないのが現状
である。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、光触媒の耐久性を向上させ、多孔体に担
持する光触媒粒子の量を調節して光触媒活性を調節でき
るとともに、セラミックス膜の細孔を目的に合わせてよ
り多彩に形成させた光触媒及びその製造方法を提供する
ことにある。その他の目的とするところは、光触媒をよ
り多くの用途に適用できるように構成した光触媒含有成
形体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の光触媒は、多孔体表面の多数の
孔部に光触媒粒子を担持するとともに、その表面を、細
孔を有し光触媒として不活性なセラミックス膜で被覆し
たものである。
【0007】請求項2に記載の光触媒は、請求項1に記
載の発明において、前記セラミックス膜の細孔がほぼ均
一で、その孔径が1nm〜10μmの範囲内にあるもの
である。
【0008】請求項3に記載の光触媒の製造方法は、光
触媒粒子又は表面の多数の孔部に光触媒粒子を担持した
多孔体を、有機基を有し、光触媒として不活性なセラミ
ックスのゾル液で被覆した後、加熱焼成するものであ
る。
【0009】請求項4に記載の光触媒の製造方法は、所
定の薬剤に溶解する性質を有するセラミックスと、所定
の薬剤に溶解しない性質を有するセラミックスとを混合
したセラミックスのゾル液で、光触媒粒子又は表面の多
数の孔部に光触媒粒子を担持した多孔体を被覆した後、
加熱焼成し、所定の薬剤で溶解するものである。
【0010】請求項5に記載の光触媒の製造方法は、光
触媒粒子の表面細孔又は光触媒粒子を担持した多孔体の
孔部に溶媒を含浸させた後、光触媒として不活性なセラ
ミックスのゾル液で、光触媒粒子又は多孔体の表面を被
覆し、次いで加熱、加圧、減圧及び焼成の少なくとも1
種の処理法によって内在する溶媒を放出又は消失させる
ものである。
【0011】請求項6に記載の光触媒含有成形体は、光
触媒として不活性なセラミックス膜で被覆した光触媒を
含有する基材を所定形状に成形した成形体であって、表
面に存在する光触媒粒子の一部を露出したものである。
【0012】請求項7に記載の光触媒含有成形体の製造
方法は、請求項6に記載の発明において、前記基材表面
の少なくとも一部を、基材を溶解する薬剤で溶解すると
ともに、光触媒粒子を被覆するセラミックス膜を、セラ
ミックス膜を溶解する薬剤で溶解するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態を図面に基づいて詳細に説明する。光触媒1は、図
1(a)に示すように、ほぼ球状の光触媒粒子2及びそ
の表面を被覆する光触媒として不活性なセラミックス膜
3から構成されている。また、光触媒1は、図1(b)
に示すように、ほぼ球状の光触媒として不活性な多孔体
4、その表面の多数の孔部5に担持された光触媒粒子2
及びそれらの表面を被覆する光触媒として不活性なセラ
ミックス膜3から構成することもできる。このセラミッ
クス膜3は、多数の細孔6を全面に有しており、これら
の細孔6を通して光触媒粒子2の一部が外部に露出され
るようになっている。
【0014】多孔体は、その表面に均一に分散された多
数の孔部が形成されている。この多孔体は、光触媒とし
て不活性な物質である活性アルミナ、シリカゲル、活性
炭、酸化チタン、ゼオライト、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム、酸性白土、ベントナイト、ケイソウ土、粘
土焼結体、発泡ガラス及び軽石の少なくとも1種を用い
て形成される。この多孔体の大きさは、特に限定される
ものではないが、有機繊維や合成樹脂等の担持体中に練
り込んで使用される場合が多いことを考えると、μmオ
ーダー以下のものが好ましい。
【0015】光触媒粒子は、ほぼ球状に成形されてい
る。この光触媒粒子は、優れた光触媒機能を有するとと
もに、化学的に安定であり、かつ無害であるものが使用
される。この条件を満たすものとして、酸化チタンが特
に好ましい。光触媒粒子の結晶型としては、アナターゼ
型、ルチル型及びブルッカイト型が知られているが、光
触媒活性が非常に高いことから、アナターゼ型のものを
使用するのが好ましい。この光触媒粒子は、塗料や化粧
品、歯磨き粉、食料品等に添加されて使用することがで
きる。
【0016】また、光触媒粒子は、導電性物質とともに
使用されることによって触媒効果が向上することから、
この光触媒粒子の表面に白金、ロジウム、ルテニウム、
パラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛等の金属を担持させるの
が好ましい。このようにした場合、これらの金属の触媒
作用によって、光触媒粒子の光触媒活性が一層増大され
る。
【0017】セラミックス膜は、光触媒として不活性な
セラミックスの超微粒子を主原料として構成され、光触
媒粒子又は光触媒粒子を担持した多孔体の表面全体を膜
状に被覆している。このセラミックス膜は、光触媒とし
て不活性なアルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシ
ア、カルシア及びアモルファスのチタニアの少なくとも
1種であるセラミックス粒子を使用して形成される。さ
らに、この膜は、膜を貫通する多数の細孔を全体に渡っ
て有している。そして、この細孔の孔径以下の物質は、
細孔を通して膜の内外を自由に出入りできるようになっ
ており、光触媒粒子の一部は、この細孔を通して外部に
露出された状態になっている。
【0018】次に、上記の光触媒の製造方法について詳
細に説明する。第1の製造方法による光触媒は、光触媒
として不活性であり、かつ有機基を有する金属アルコキ
シドを含むセラミックスのゾル液で、光触媒粒子又は光
触媒粒子を担持する多孔体表面を膜状に被覆し、噴霧乾
燥させた後に加熱焼成することによって、膜材の有機分
を消失させて多孔質化するものである。
【0019】セラミックスのゾル液は、有機基を有する
金属アルコキシド、金属塩及び必要に応じて有機基を有
しない金属アルコキシド又はセラミックスからなる混合
液を用いて調製される。このセラミックスのゾル液は、
金属アルコキシド若しくはそれらが加水分解して粒子化
したもの、セラミックスの超微粒子又はそれらの混合物
を、水、アルコール類、アセトン、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン等の溶媒又はこれらの混合液に懸濁させる
ことによって調製される。但し、ここで使用されるセラ
ミックスは、いずれも光触媒として不活性である必要が
ある。
【0020】このとき、必要に応じて酸又はアルカリを
添加してセラミックスのゾル液のpHを調整する。ま
た、光触媒粒子又は光触媒粒子を担持する多孔体表面へ
の浸透性を高めることができる界面活性剤を添加しても
よい。さらに、このセラミックスのゾル液中にモノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエ
タノールアミン、N,N−ジメチルジアミノエタノール
アミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミ
ン類、又はジエチレングリコール等のグリコール類を添
加すると、濁りが消失して均一で透明な溶液が得られる
ことから、高性能の光触媒を製造することができる。
【0021】有機基を有しない金属アルコキシドとして
は、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、チタニウム、リチウム、ナトリウム、
銅、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ホウ素、ガリウ
ム、イットリウム、ゲルマニウム、リン、スカンジウ
ム、バナジウム、タンタル、タングステン、ランタン及
びニオブの少なくとも1種の金属とメタノールやエタノ
ール等のアルコールとの化合物からなるものが、必要の
応じて好適に配合される。また、有機基を有しないセラ
ミックスとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マ
グネシア、カルシア及びアモルファスのチタニアの少な
くとも1種が、必要の応じて好適に配合される。
【0022】有機基を有する金属アルコキシドとして
は、上記の有機基を有しない金属アルコキシドに、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ビ
ニル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシドキシ
基、メルカプト基、アミノ基、ジアミノ基及びウレイド
基の少なくとも1種の有機基を有するものが好適に配合
される。
【0023】金属塩としては、上記の有機基を有しない
金属アルコキシドとして列挙された金属の酢酸塩、シュ
ウ酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、ステアリン酸塩、乳
酸塩、アセチル酢酸塩等の有機酸塩のうちから好適なも
のが配合される。
【0024】セラミックス膜の細孔は、光触媒粒子が平
均して露出されるように、全体に渡ってほぼ均一に形成
されるのが好ましい。この細孔は、膜に配合された有機
基を有する金属アルコキシドの有機基が、加熱焼成によ
って消失されることにより形成される。即ち、細孔は、
セラミックス膜中における有機基の占有空間が、有機基
の消失によって空洞となって残されたものである。
【0025】細孔の孔径は、セラミックスのゾル液に配
合される有機基を有する金属アルコキシドの有機基の大
きさ(化学組成量)又は数によって決定することができ
る。即ち、有機基の化学組成量の大きい金属アルコキシ
ド又は1分子内に多くの有機基を有する金属アルコキシ
ドを配合した場合、孔径の大きな細孔を形成することが
できる。
【0026】細孔の孔径としては、1nm〜10μmの
範囲内でほぼ均一であることが好ましい。前記のほぼ均
一とは、細孔径の分布について、細孔径の平均値から±
50%の細孔径の範囲内にほぼ95%以上が分布してい
ることを示す。この孔径が1nm未満の場合、気相又は
液相中の微小な有害物質の吸着が物理的に妨げられるう
え、光触媒粒子の露出度が減少して充分な光の照射が受
けられない。逆に、孔径が10μmを越える場合には、
微小な有害物質以外の無毒化することが困難な巨大物質
の侵入を許すことによって、細孔が塞がれてしまうおそ
れが生じる。また、有機基の大きさは、1〜1000Å
の範囲内であるものが好ましい。このとき、セラミック
ス膜の細孔の孔径を1nm〜10μmの範囲内に形成さ
せることが容易になる。
【0027】細孔の量は、有機基を有する金属アルコキ
シド及び有機基を有しない金属アルコキシド又はセラミ
ックスとの配合割合を変化させることによって調節する
ことができる。即ち、有機基を有する金属アルコキシド
の配合割合を増加させた場合、セラミックス膜に形成さ
れる細孔の量を増加させることができる。同様に、細孔
の分布密度は、有機基を有する金属アルコキシドの配合
割合によって調節され、この配合割合を増加させること
によって、分布密度を高めることができる。
【0028】セラミックス膜の膜厚は、金属アルコキシ
ド若しくはセラミックスの添加量、細孔の孔径又は数
(気孔率)によって調節することができる。即ち、金属
アルコキシド若しくはセラミックスの添加量を増加させ
ること、細孔の孔径を大きく形成させること又は気孔率
を増加させることによって、セラミックス膜を厚く形成
することが可能である。
【0029】この光触媒を加熱焼成する際の温度は、7
00℃以下であることが望ましい。また、アモルファス
のチタニアからなるセラミックスは400℃以下、その
他のセラミックスは600℃以下で加熱焼成するとさら
に望ましい。この温度がアモルファスのチタニアからな
るセラミックスの場合は400℃、その他のセラミック
スの場合に600℃より高いと、セラミックス膜が粒成
長を起こし、表面に島状の突起が盛り上がったような形
状になり、孔径や膜厚等を容易に制御することができな
い。さらに、700℃を越える温度で加熱焼成した場合
には、光触媒粒子がルチル型の結晶形に変化することに
よって、低活性の光触媒が生成される。
【0030】次に、第2の製造方法による光触媒は、所
定の薬剤に溶解するセラミックス(以下、薬剤溶解性セ
ラミックスと記載する)及びその薬剤に溶解しないセラ
ミックス(以下、薬剤非溶解性セラミックスと記載す
る)を含むセラミックスのゾル液で、光触媒粒子又は光
触媒粒子を担持する多孔体表面を被覆し、加熱焼成後に
薬剤で選択的に薬剤溶解性セラミックスを溶解させて多
孔質化するものである。
【0031】この所定の薬剤は、薬剤溶解性セラミック
スを溶解することができる強酸又は強アルカリが好適に
使用される。その他、加熱焼成温度やセラミックスのゾ
ル液の調製に用いられる溶媒等は、第1の製造方法によ
る光触媒の場合と同様に適宜決定される。
【0032】薬剤とセラミックスとの好適な組合せの例
として、強酸であるフッ酸に対しては、溶解性を有する
珪素又はジルコニウムを含むセラミックス、及び溶解性
を有しないアルミニウム又はチタニウムを含むセラミッ
クスが用いられる。この薬剤溶解性セラミックスは、珪
素又はジルコニウムの金属アルコキシドのモノマー、こ
れらを加水分解して粒子化させたもの及びシリカ又はジ
ルコニアの微粒子から選ばれる少なくとも1種のセラミ
ックスである。一方、薬剤非溶解性セラミックスは、ア
ルミニウム又はチタニウムの金属アルコキシドのモノマ
ー、これらを加水分解して粒子化させたもの及びアルミ
ナ又はチタニアの微粒子から選ばれる少なくとも1種で
ある。
【0033】また、硫酸に対しては、溶解性を有するジ
ルコニウム又はチタニウムを含むセラミックス、及び溶
解性を有しないアルミニウム又は珪素を含むセラミック
スが用いられる。この薬剤溶解性セラミックスは、ジル
コニウム又はチタニウムの金属アルコキシドのモノマ
ー、これらを加水分解して粒子化させたもの及びジルコ
ニア又はチタニアの微粒子から選ばれる少なくとも1種
のセラミックスである。一方、薬剤非溶解性セラミック
スは、アルミニウム又は珪素の金属アルコキシドのモノ
マー、これらを加水分解して粒子化させたもの及びアル
ミナ又はシリカの微粒子から選ばれる少なくとも1種で
ある。
【0034】水酸化ナトリウム等の強アルカリに対して
は、溶解性を有する珪素又はチタニウムを含むセラミッ
クス、及び溶解性を有しないアルミニウム又はジルコニ
ウムを含むセラミックスを用いることができる。この薬
剤溶解性セラミックスは、珪素又はチタニウムの金属ア
ルコキシドのモノマー、これらを加水分解して粒子化さ
せたもの及びシリカ又はチタニアの微粒子から選ばれる
少なくとも1種のセラミックスである。一方、薬剤非溶
解性セラミックスは、アルミニウム又はジルコニウムの
金属アルコキシドのモノマー、これらを加水分解して粒
子化させたもの及びアルミナ又はジルコニアの微粒子か
ら選ばれる少なくとも1種である。
【0035】セラミックス膜の細孔は、光触媒粒子が平
均して露出されるように、全体に渡ってほぼ均一に形成
されるのが好ましい。この細孔は、膜に配合された複数
種類の金属アルコキシド等を加熱焼成することによって
生じた複数種類のセラミックスのうちの薬剤溶解性セラ
ミックスが、薬剤によって選択的に溶解され、それら溶
解されたセラミックスの占有空間が空洞となったもので
ある。
【0036】細孔の孔径は、薬剤溶解性セラミックス若
しくはそれを生成させる金属アルコキシドの配合量、こ
の金属アルコキシドを加水分解して得られるゾル粒子の
粒子径又は配合される薬剤溶解性セラミックス微粒子の
粒子径によって決定することができる。即ち、上記セラ
ミックス若しくは金属アルコキシドの配合量を多くする
こと又はゾル粒子の粒子径の大きいもの若しくはセラミ
ックス微粒子の粒子径の大きいものを配合させることに
よって、孔径の大きい細孔を形成させることができる。
細孔の孔径としては、第1の製造方法による光触媒と同
様に、1nm〜10μmの範囲内でほぼ均一であること
が好ましい。また、上記ゾル粒子及びセラミックス微粒
子の粒子径は、1〜1000Åの範囲内であるものが好
ましい。このとき、セラミックス膜の細孔の孔径を1n
m〜10μmの範囲内でほぼ均一に形成させることが容
易になる。
【0037】細孔の量は、薬剤溶解性セラミックス若し
くはそれを生成させる金属アルコキシドの添加量、又は
薬剤非溶解性セラミックスを生成させる金属アルコキシ
ドに対する配合割合によって決定することができる。即
ち、薬剤溶解性セラミックス又はそれを生成させる金属
アルコキシドの添加量を増加させることによって、細孔
の量を増加させることができる。同様に、細孔の分布密
度は、薬剤溶解性セラミックス又はそれを生成させる金
属アルコキシドの配合割合によって調節され、この配合
割合を増加させることによって分布密度を高めることが
できる。
【0038】セラミックス膜の膜厚は、金属アルコキシ
ド若しくはセラミックスの添加量、細孔の孔径又は気孔
率によって決定することができる。即ち、金属アルコキ
シド若しくはセラミックスの添加量を増加させること、
孔径を大きく形成させること又は気孔率を上げることに
よって、セラミックス膜を厚く形成することができる。
【0039】第3の製造方法による光触媒は、表面に細
孔を有する光触媒粒子の細孔又は光触媒粒子を担持する
多孔体の孔部に溶媒を含浸させた後、光触媒として不活
性なセラミックスのゾル液で光触媒粒子又は多孔体表面
を被覆し、次いで内在する溶媒を放出又は消失させる処
理をするものである。この内在する溶媒を放出又は消失
させる処理は、加熱、加圧、減圧及び焼成の少なくとも
1種の処理であり、これらの処理によって、溶媒がセラ
ミックス膜を通過して放出又は消失する際に通る通路が
細孔として残される。
【0040】使用される溶媒としては、表面張力が小さ
くて光触媒粒子の細孔又は多孔体の孔部に浸透しやすい
ものが好適に使用される。また、表面張力が小さくない
溶媒であっても、界面活性剤を含有させることによっ
て、表面張力を小さくさせて使用することや、光触媒粒
子又は多孔体表面を溶媒で被覆した後に脱気することに
よって、光触媒粒子又は多孔体表面に充分に浸透させる
ことも可能である。さらに、溶媒として、セラミックス
のゾル液の溶媒と同じものが使用される場合、形成され
るセラミックス膜は、光触媒粒子又は多孔体の表面に強
固に密着されることから好ましい。一方、この溶媒とセ
ラミックスのゾル液の溶媒との性質が大きく異なる場
合、密着性は多少減少するが、比較的大きい細孔を形成
させることが可能である。その他、加熱焼成温度等は、
第1の製造方法による光触媒の場合と同様に適宜決定さ
れる。
【0041】加熱処理によって製造される場合、溶媒で
含浸され、さらにセラミックス膜で被覆された光触媒
は、溶媒の脱離温度を越えて加熱されることによって、
溶媒が膜を破って放出し始め、さらに温度を上げると残
りの溶媒が分解放出されて細孔が形成される。そして、
セラミックス膜が完全に酸化物になる温度まで加熱され
ると、溶媒の放出によって生じた細孔は、より強固なも
のとして形成される。
【0042】圧力処理によって製造される場合、溶媒で
含浸され、さらにセラミックス膜で被覆された光触媒
は、溶媒の脱離圧力以下に減圧されることによって、溶
媒が膜を破って放出し始めて多孔質化が進行する。その
後、加熱処理をすることによって、残りの溶媒が分解放
出され、より多くの細孔が形成される。そして、セラミ
ックス膜が完全に酸化物になる温度まで加熱されると、
溶媒の放出によって生じた細孔は、より強固なものとし
て形成される。
【0043】また、加熱処理と圧力処理とを併用する場
合、形成される細孔は、ゆがんだ形状となり難いと同時
に、比表面積の大きなものを形成することができる。さ
らに、加熱処理と圧力処理とを同時に、かつ急激に行う
場合、多孔質化を一層促進させることができる。
【0044】セラミックス膜の細孔は、光触媒粒子の細
孔又は多孔体の孔部が全体に渡って均一に形成されたう
え、溶媒が光触媒粒子の細孔又は多孔体の孔部に確実に
含浸されることによって、ほぼ均一に形成され得る。
【0045】細孔の孔径は、光触媒粒子又は多孔体の表
面の状態に大きく依存することから、それらの状態を適
宜選択することによって、セラミックス膜の細孔を制御
することが可能である。即ち、光触媒粒子の細孔又は多
孔体の孔部の大きさを大きくすることによって、孔径の
大きい細孔を形成させることができる。この細孔の孔径
としては、第1の製造方法による光触媒と同様に、1n
m〜10μmの範囲内でほぼ均一であることが好まし
い。
【0046】細孔の量は、光触媒粒子の細孔又は多孔体
の孔部の気孔率によって決定することができる。即ち、
光触媒粒子の細孔又は多孔体の孔部の気孔率を増加させ
ることによって、細孔の量を増加させることができる。
同様に、細孔の分布密度は、光触媒粒子の細孔又は多孔
体の孔部の気孔率を増加させることによって高めること
が可能である。
【0047】セラミックス膜の膜厚は、セラミックス膜
を構成する金属アルコキシド若しくはセラミックスの添
加量、セラミックス膜の細孔の孔径又は気孔率によって
決定することができる。即ち、金属アルコキシド若しく
はセラミックスの添加量を増加させること、孔径を大き
く形成させること又は気孔率を上げることによって、セ
ラミックス膜を厚く形成することができる。
【0048】以上のように製造された光触媒は、悪臭や
窒素酸化物(NOx )、硫黄酸化物(SOx )等の空気
中の有害物質や水中に溶解している有機溶媒、或いは農
薬等の環境を汚染する有機化合物等を分解除去するため
に、これらの有害物質が発生する近辺で、充分な光の照
射が得られる場所に置かれて使用される。この照射され
る光は、蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、UVラン
プ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタル
ハライドランプ等の人工光又は太陽光が好適に使用され
る。
【0049】気相又は液相中に存在するこれらの有害物
質は、媒体である空気や水の中を漂って、光触媒表面の
セラミックス膜に到達する。このセラミックス膜は、多
くの細孔を有する多孔質膜となっていることから、これ
らの有害物質を積極的に吸着させる性質を有している。
細孔に吸着された物質は、その奥に露出され、気相又は
液相と接している光触媒粒子表面に到達する。
【0050】光触媒粒子は、細孔を通して継続的に到達
する人工光又は自然光から、バンドギャップ以上のエネ
ルギーを有する光の照射を受けて、その表面に正孔及び
電子が継続的に発生している状態にある。この化学的に
不安定な状態にある正孔及び電子は、近辺に存在する空
気や水、或いはその他の物質を酸化還元することによ
り、消滅して安定な状態に戻る。この過程で、光触媒粒
子表面に接触している前記の有害物質は、正孔及び電子
によって酸化還元され、時には周辺に存在する物質を巻
き込みながら化学反応が引き起こされて無毒化される。
この反応は、空気や水に対するよりも強力に有害物質等
に作用する。
【0051】その結果、有害物質はより無害な物質へと
変化する。この化学反応は、光触媒粒子に充分な光の照
射がされている間は継続的に引き起こされ、有害物質は
連続的に分解除去される。また、この酸化還元作用は、
微生物やカビが光触媒粒子に接触する場合にも、それら
の細胞構成成分を強力に酸化還元して死滅させることに
よって殺菌効果が発揮される。
【0052】光の照射を受けていない暗時において、光
触媒表面の多孔質膜は、これらの有害物質や微生物等を
継続的に吸着し、濃縮する役割を担っている。また、こ
の光触媒は、非常に強力な酸化還元性触媒であることか
ら、二酸化炭素やフロン、有毒ガス等の分解触媒、アル
コールの脱水、脱水素化反応触媒等としても利用するこ
とが可能である。
【0053】次に、光触媒含有成形体及びその製造方法
を図面に基づいて説明する。光触媒含有成形体7は、図
2に示すように、所定の薬剤に溶解する性質を有し、か
つ光触媒として不活性なセラミックス膜3で光触媒粒子
2を被覆した光触媒1を、基材8に練り込むことによっ
て仮成形される。さらに、光触媒含有成形体7は、その
表層の基材8及び光触媒1を被覆するセラミックス膜3
を所定の薬剤により溶解させて、成形体7の最表層に存
在する光触媒粒子2を露出させ、充分な洗浄後に乾燥さ
せることによって完成される。
【0054】光触媒含有成形体に担持される光触媒粒子
は、優れた光触媒機能を有するとともに、化学的に安定
であり、かつ無害であるアナターゼ型の酸化チタンであ
ることが望ましい。また、この光触媒粒子は、触媒効果
を向上させるために、その表面に導電性物質を担持させ
ることも可能である。
【0055】光触媒粒子を被覆するセラミックス膜は、
薬剤溶解性を有する金属アルコキシド若しくはそれらが
加水分解して粒子化したもの、薬剤溶解性セラミックス
の超微粒子又はそれらの混合物が適宜選択して使用され
る。このセラミックス膜は、セラミックスのゾル液を作
製して光触媒粒子表面を膜状に被覆させ、噴霧乾燥後に
加熱焼成することによって得られる。このようにして形
成される光触媒粒子表面を被覆するセラミックス膜は、
光触媒粒子を隙間なく覆っており、細孔を有しないもの
である。その他、加熱焼成温度やセラミックスのゾル液
の調整に用いられる溶媒等は、第1の製造方法による光
触媒の場合と同様に適宜決定される。
【0056】このセラミックス膜で被覆された光触媒を
担持する基材は、あらゆる種類の化学合成材料を使用し
て成形することが可能である。この基材の例としては、
ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテ
レフタレート、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、
ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、
エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース、セルロー
ス誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化
ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、デ
ンプンシート等を原料とする有機繊維、合成樹脂又はそ
れらの共重合体が挙げられる。
【0057】この成形体は、射出成形法、プレス成形法
等によって形成される合成樹脂の成形体、シート成形
法、フィルム成形法、溶融紡糸法によって形成されるシ
ート、フィルム、繊維又はこれらの複合成形体である。
【0058】基材を溶解させる所定の薬剤としては、塩
酸、硫酸、フッ酸、硝酸等の強力な無機酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、アンモニア等の強力な無機ア
ルカリ、蟻酸や酢酸等の有機酸、又は溶媒としての能力
が高いアルコール類、シンナー、アセトン、トルエン、
キシレン、ベンゼン、トリエタン、トリクレン等の有機
溶媒が好適に使用される。また、光触媒粒子を被覆する
セラミックス膜を溶解させる薬剤としては、強酸又は強
アルカリが好適に使用される。このとき、基材及びセラ
ミックス膜を同時に溶解させる薬剤を使用すると、製造
にかかる手間、時間及び費用を減らすことができて好ま
しい。
【0059】この光触媒含有成形体は、薬剤溶解性セラ
ミックス膜で被覆された光触媒粒子を、基材中に練り込
んで担持させ、目的とする形状に仮成形させた後、セラ
ミックス膜及び基材を溶解させる薬剤によって、成形体
表層を溶解させて成形される。この薬剤によるセラミッ
クス膜及び基材の溶解は、成形体表層に突出して存在す
る光触媒のセラミックス膜を取り除いて光触媒粒子を露
出させるとともに、成形体表面近くに埋没している光触
媒粒子を新たに露出させ、より多くの光触媒粒子に光が
照射されるようにするために行われる。
【0060】このように製造された光触媒含有成形体
は、基材と接触している部分が光触媒として不活性なセ
ラミックス膜であることから、光の照射によって発生す
る正孔及び電子が、セラミックス膜の立体障害によって
基材まで到達しないような構造になっている。その結
果、基材の劣化を抑制するとともに、光触媒粒子に直接
接触することが可能な気相又は液相に存在する物質のみ
を、光触媒粒子の酸化還元作用によって分解することが
できる。また、外部に露出されずに担持体中に隠蔽され
てしまっている光触媒粒子は、周囲を取り囲むセラミッ
クス膜及び基材によって光の照射が遮断され、光触媒と
して不活性な状態で存在していることから、基材を劣化
させることはない。
【0061】この光触媒含有成形体は、様々な材質の基
材によって形成させることができ、さらに様々な場所で
得られる光源を利用できることから、広範囲な用途に適
用することができる。例えば、公共の施設、病院や食品
工場、レストラン等の建物、喫煙所、自動車の車内、家
屋の居間や台所、トイレ等、廃水処理設備、プール、貯
水槽等に使用することができる。このとき、メシチリン
耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等による院内感染の防
止、菌やカビの繁殖防止、食品の腐敗防止、大気汚染の
防止、水質浄化等を効果的に行うことが可能である。
【0062】その他にも幅広い用途に適用することがで
きるが、化学薬品やオゾンのような有毒な物質を使用せ
ずに、光を照射するのみでこれらの効果を確実に発揮す
ることができる。さらに、電灯の光や自然光でもよいた
めに、低コスト、省エネルギーかつ安全に、メンテナン
スフリーで長期間使用することができる。その上、基材
と接触している部分が光触媒として不活性なセラミック
スであるため、成形体を構成する基材の劣化を抑制し、
長期間に渡って使用することが可能である。
【0063】次に、上記実施形態の光触媒及びその製造
方法並びに光触媒含有成形体及びその製造方法によって
発揮される効果を以下に説明する。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、光触媒粒子としてア
ナターゼ型結晶構造を有する酸化チタンを使用すること
によって、光触媒活性が非常に高いうえ、化学的に安定
であり、かつ無害である。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、光触媒粒子に導電性
物質を担持させることによって、光触媒活性をさらに向
上させることができる。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、多孔体の孔部に光触
媒粒子を担持させることによって、物理的な耐久性を向
上させることができる。さらに、担持させる光触媒粒子
の量を調節することが可能となる。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、光触媒として不活性
なセラミックス膜で、光触媒粒子又は光触媒粒子を担持
する多孔体を被覆することによって、光触媒周辺の物質
又は光触媒を担持する基材の劣化を防ぐことができる。
さらに、光触媒の物理的な耐久性を向上させることがで
きるとともに、光触媒粒子の飛散を防止することができ
ることから、飛散した光触媒粒子による環境汚染を防ぐ
ことができる。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、細孔を有するセラミ
ックス膜で光触媒を被覆することによって、積極的に有
害物質等を細孔に吸着させるとともに、暗時においても
これらの物質を濃縮することができ、環境浄化作用を一
層高めることができる。 ・ 各実施形態の光触媒によれば、セラミックス膜の細
孔の孔径が1nm〜10μmの範囲内にあることによっ
て、光触媒粒子表面に到達する物質の大きさを制限する
ことができ、気相又は液相に漂う微小な物質のみを選択
的に無毒化することができる。また、無毒化が不必要で
あったり、困難であるような巨大な物質によって細孔が
塞がれるのを防止することもできる。 ・ 各実施形態の光触媒の製造方法によれば、セラミッ
クスのゾル液を作製する際に界面活性剤を添加すること
によって、セラミックスのゾル液の多孔体表面への浸透
性が向上し、膜の形成を容易に行うことができる。 ・ 各実施形態の光触媒の製造方法によれば、セラミッ
クスのゾル液を作製する際にアルコールアミン類又はグ
リコール類を添加することによって、濁りが消失して均
一で透明な溶液が得られ、高性能な光触媒を製造するこ
とができる。 ・ 各実施形態の光触媒の製造方法によれば、加熱焼成
温度を700℃以下にすることによって、光触媒粒子の
活性を低下させることなく、高性能の光触媒を製造する
ことができる。 ・ 実施形態の第1の光触媒の製造方法によれば、有機
基を有する金属アルコキシドを含む膜を加熱焼成するこ
とによって、セラミックス形成の過程を利用して、簡単
に細孔を形成させることができる。 ・ 実施形態の第1の光触媒の製造方法によれば、セラ
ミックスのゾル液に配合する金属アルコキシド又はセラ
ミックスの選択や配合量等を変化させることによって、
細孔の孔径、量、分布密度又は膜厚を目的に合わせて変
化させたセラミックス膜を形成させることができる。 ・ 実施形態の第2の光触媒の製造方法によれば、薬剤
溶解性セラミックスを含む膜を薬剤で溶解させることに
よって、セラミックス膜に細孔を簡単に形成させること
ができる。 ・ 実施形態の第2の光触媒の製造方法によれば、セラ
ミックスのゾル液に配合する金属アルコキシド又はセラ
ミックス及びそれらを溶解する薬剤の選択や配合量等を
変化させることによって、細孔の孔径、量、分布密度又
は膜厚を目的に合わせて変化させたセラミックス膜を形
成させることができる。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、光触
媒粒子の表面細孔又は多孔体の孔部に溶媒を含浸させ
て、加熱処理及び圧力処理の少なくとも1種の処理方法
で処理することによって、細孔を容易に形成させること
ができる。さらに、加熱処理と圧力処理とを同時に、か
つ急激に行うことによって、多孔質化を促進させること
ができる。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、光触
媒の細孔又は多孔体の孔部の状態を調節することによっ
て、細孔の孔径、量、分布密度又は膜厚を目的に合わせ
て変化させたセラミックス膜を形成させることができ
る。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、溶媒
として表面張力が小さいものを使用することによって、
光触媒粒子の表面細孔又は多孔体の孔部に浸透させやす
くすることができる。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、溶媒
に界面活性剤を含有させるか、又は光触媒粒子若しくは
多孔体の表面を溶媒で被覆した後に脱気することによっ
て、光触媒粒子の表面細孔又は多孔体の孔部に浸透させ
やすくすることができる。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、溶媒
としてセラミックスのゾル液の溶媒と同じものを使用す
ることによって、光触媒粒子又は多孔体の表面にセラミ
ックス膜を強固に密着させることができる。 ・ 実施形態の第3の光触媒の製造方法によれば、溶媒
としてセラミックスのゾル液の溶媒と性質の異なるもの
を使用することによって、大きい細孔を形成させること
ができる。 ・ 実施形態の光触媒含有成形体によれば、基材として
多様な種類の化学合成材料を使用することができること
から、光触媒の用途を拡大することができる。従って、
院内感染の防止、微生物やカビの繁殖防止、食品の腐敗
防止、大気汚染の防止、或いは水質浄化等を容易に行う
ことが可能である。 ・ 実施形態の光触媒含有成形体によれば、成形体表面
のみに存在する光触媒粒子の一部を露出させることによ
って、基材の劣化を防止することができるとともに、光
触媒活性を充分に発揮させることができる。また、外部
に露出されずに基材中に隠蔽されている光触媒粒子によ
る基材の劣化も防止することができる。さらに、成形体
の耐久性が高まることによって、長期間使用することが
できることから、経済的である。 ・ 実施形態の光触媒含有成形体の製造方法によれば、
成形体表層及びその付近に存在する光触媒を露出させる
ことによって、より多くの光触媒粒子が露出された状態
となり、成形体の光触媒活性を一層増大させることがで
きる。 ・ 実施形態の光触媒含有成形体の製造方法によれば、
基材及びセラミックス膜を同時に溶解させる薬剤を使用
することによって、製造にかかる手間、時間及び費用を
減らすことができる。 ・ 各実施形態の光触媒及び光触媒含有成形体によれ
ば、気相又は液相に浮遊する有害物質等を強力にかつ選
択的に無毒化することができるとともに、抗菌、抗カビ
効果を発揮させることができる。 ・ 各実施形態の光触媒及び光触媒含有成形体によれ
ば、化学物質やオゾンのような有害な薬剤を使用するこ
となく、有害物質や微生物等を除去することが可能であ
る。 ・ 各実施形態の光触媒及び光触媒含有成形体によれ
ば、身近に存在する光を利用して継続的に光触媒活性を
発揮させることができることから、エネルギーの節約を
することができるうえ、経済的である。 ・ 各実施形態の光触媒及び光触媒含有成形体によれ
ば、維持にかかる手間や費用が少なくて済むことから、
経済的である。 ・ 各実施形態の光触媒及び光触媒含有成形体によれ
ば、非常に強力な酸化還元性触媒を容易かつ安価に使用
することができることから、二酸化炭素やフロン、有毒
ガス等の分解触媒、アルコールの脱水、脱水素化反応触
媒等として利用することが可能である。
【0064】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 (実施例1)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製の
P−25)を10重量%の含有量となるように蒸留水中
に分散させてスラリーとした。さらに、酸化チタンの分
散性及び膜材との反応性を向上させるために、この酸化
チタンスラリー100gに対して硝酸を2g添加した。
そして、このスラリーをボールミルを用いて数時間微細
化処理を行った。
【0065】次に、膜材として有機側鎖を有するシラン
系アルコキシドであるA−187(日本ユニカ社製シラ
ンカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン)を前記スラリー1kgに対して0.3モル
添加した。そして、このスラリーをボールミルを用いて
数時間微細化を行いながら、膜材を加水分解して光触媒
酸化チタンの表面処理を行った。
【0066】続いて、このスラリーをスプレードライヤ
ーを用いて噴霧乾燥した後、得られた粉末を膜材と光触
媒酸化チタンとの結合を高めるために130℃でエージ
ング処理を行い、さらに膜材の有機側鎖を熱分解して多
孔質化させるために、電気炉で500℃、10時間加熱
焼成して光触媒の粉末を製造した。 (比較例1)実施例1の光触媒の製造過程で、エージン
グ処理まで行われ、加熱焼成されていないものを比較例
1の未焼成の光触媒粉末とした。 (比較例2)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製の
P−25)の粉末を比較例2の粉末とした。 (比較例3)膜材として有機側鎖を有しないシラン系ア
ルコキシドであるTEOS(テトラエチルオルトシリケ
ート、Si(OC2 5 4 SiR′4 )、及び溶媒
としてアルコールを使用して、実施例1と同様に光触媒
粉末を製造した。 (細孔分布の測定1)実施例1、比較例1及び比較例2
で得られた粉末について、セラミックス膜又は光触媒粒
子表面の細孔の状態を細孔分布測定装置によって測定し
た。結果を図3に示す。なお、図3のグラフにおいて、
横軸は細孔の孔径(Å)、縦軸は細孔容積(cc/g
Å)を表す。
【0067】図3の結果より、膜材で被覆された光触媒
を加熱焼成することによって、主に有機側鎖が熱分解
し、多孔質化が進行されることが確認された。また、実
施例1で製造されたセラミックス膜の細孔は、ほぼ平均
値である30Åをピークとして、15〜45Åの範囲内
に95%以上が分布しており、ほぼ均一であることが示
された。 (細孔分布の測定2)実施例1及び比較例3で得られた
粉末について、セラミックス膜の細孔の状態を細孔分布
測定装置によって測定した。結果を図4に示す。なお、
図4のグラフにおいて、横軸は細孔の孔径(Å)、縦軸
は細孔容積(cc/gÅ)を表す。
【0068】図4の結果より、光触媒酸化チタンを被覆
するセラミックス膜の細孔の状態は、膜材の有機側鎖の
影響が大変大きいことが示された。即ち、実施例1の有
機側鎖を有する膜材で形成されたものは、ほぼ平均値で
ある30Åをピークにほぼ均一であったのに対して、比
較例3の有機側鎖を有しない膜材で形成されたものは、
このオーダーではほとんど細孔が形成されていなかっ
た。 (実施例2)膜材としてA−187とTEOSとを1対
1のモル比で配合したものを使用して、実施例1と同様
に光触媒粉末を製造した。
【0069】その結果、実施例1のA−187のみから
構成される光触媒の約半分の細孔が確認された。従っ
て、有機側鎖を有する膜材及び有機側鎖を有しない膜材
を同時に用いることによって、細孔の量が制御されるこ
とが分かった。 (実施例3)膜材としてA−171[CH2 CHSi
(OCH3 3 ](日本ユニカ社製)を使用して、実施
例1と同様に光触媒粉末を製造した。
【0070】その結果、細孔の孔径のピークが約15Å
程度のものが形成された。従って、有機側鎖の分子量に
よって細孔の孔径が制御でき、分子量の大きさに比例し
て大きな孔径の膜が形成されることが分かった。 (劣化抑制試験1)実施例1、比較例2〜比較例4で得
られた粉末を繊維コート用ウレタン樹脂に均一に分散さ
せ、これらをガラス面にコーティングしたものを試験片
とした。但し、粉末を分散させていない試験片を作製し
て対照とした。これらの試験片を耐光試験機で100時
間の耐光試験(カーボンアーク 紫外線強度:14mW
/cm2 )を行った後、樹脂の重量減少からそれぞれの
粉末の劣化抑制能力を評価した。結果を図5に示す。
【0071】図5の結果より、実施例1の光触媒粉末
は、比較例2の膜材で被覆されていない光触媒酸化チタ
ンに比べて、著しく樹脂の劣化を抑制していることが示
された。さらに、実施例1は、比較例2よりも約14倍
耐久性が高いことが示された。 (光触媒能試験1)実施例1、比較例2及び比較例3で
得られた粉末1.0gを100cm2 のシャーレに均一
に展開させ、これらを5リットルのガラス容器(上面は
石英)に入れ、そこにアセトアルデヒドガスを供給し
た。但し、粉末を展開させていないシャーレを用意して
対照とした。容器内が100ppmのアセトアルデヒド
ガス濃度に安定した後、ガスを循環させてこれを初期状
態とした。そして、ブラックライトで容器上面から光を
照射(紫外線強度:1.4mW/cm2 )させながら、
ガスの濃度変化を10分毎に60分まで測定した。結果
を図6に示す。
【0072】図6の結果より、実施例1の光触媒粉末の
アセトアルデヒド分解能力は、比較例2の膜材で被覆さ
れていない光触媒酸化チタンの能力と比べて、ほとんど
劣らない程に高いものであることが示された。従って、
実施例1の光触媒は、気相中において、臭気物質である
アセトアルデヒドガスを効果的に分解して消臭すること
ができることが確認された。 (光触媒能試験2)実施例1、比較例2及び比較例3で
得られた粉末1.0gを10g/リットルのヨウ化カリ
ウム溶液100mlに分散させ、高圧水銀ランプを10
分間照射(紫外線強度:50mW/cm2 )させた。そ
して、それらの溶液を濾過し、分光光度計を用いてヨウ
素の吸収ピーク(287.5nm)を測定し、ヨウ素イ
オンが酸化されて生成したヨウ素量を定量した。結果を
図7に示す。
【0073】図7の結果より、実施例1の光触媒粉末の
酸化力は、比較例2の膜材で被覆されていない光触媒酸
化チタンの酸化力と比べて、ほとんど劣らない程に高い
ものであることが示された。従って、実施例1の光触媒
は、液相中において、イオン化傾向が非常に強いヨウ素
イオンを効果的に酸化したことから、その他の有害物質
をも効果的に酸化して無毒化できることが容易に推測さ
れる。また、比較例3の膜材としてTEOSで被覆され
たものは、ほとんど酸化力がないことが分かる。これ
は、図4に示した膜の細孔の状態と大きく関わってお
り、孔径が1nm〜10μmの範囲内にある細孔が、水
やヨウ素イオンの進入を容易にしているためであると考
えられる。
【0074】さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験
2の結果より、膜の細孔の状態を選択することによっ
て、気相系に効果があるもの、気相系−水相系に効果が
あるもの、或いは気相系に効果があって水相系に効果が
ないもの等、目的に応じた膜の設計が可能であることが
示された。さらに、光触媒を担持させる基材について、
必要とされる寿命及び機能性を考慮した製品設計が可能
であることも示された。 (実施例4)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物がフッ酸に溶解性のあるTEOSと、溶解性のないア
ルミニウムイソプロポキシド[Al(OC3 7 3
(アルミニウムアルコキシド)とを1対1のモル比で配
合したものを使用して、実施例1と同様に光触媒粉末を
製造した。さらに、この粉末をフッ酸溶液中に浸漬させ
ることによって、フッ酸に溶解性のあるTEOSを溶出
させて多孔質化させた。
【0075】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑制
試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、比較例2
の粉末と比べて約10倍の劣化抑制効果があることが確
認された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験2
と同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解能力及
び液相中での酸化力を評価したところ、それぞれ高い効
果が示された。 (実施例5)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物がフッ酸に溶解性のあるTEOSと、溶解性のないア
ルミニウムイソプロポキシドとを1対4のモル比で配合
したものを使用して、実施例1と同様に光触媒粉末を製
造した。さらに、この粉末をフッ酸溶液中に浸漬させる
ことによって、フッ酸に溶解性のあるTEOSを溶出さ
せて多孔質化させた。
【0076】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑制
試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、実施例4
の光触媒粉末と比べて約15倍の劣化抑制効果があるこ
とが確認された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能
試験2と同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解
能力及び液相中での酸化力を評価したところ、実施例4
の光触媒粉末と比べるとやや劣っているが、比較例3及
び対照と比べるとそれぞれ高い効果が示された。 (実施例6)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物が硫酸に溶解性のあるチタンイソプロポキシドと、溶
解性のないアルミニウムイソプロポキシドとを1対1の
モル比で配合したものを使用して、実施例1と同様に光
触媒粉末を製造した。さらに、この粉末を硫酸溶液中に
浸漬させることによって、硫酸に溶解性のあるチタンイ
ソプロポキシドを溶出させて多孔質化させた。
【0077】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑制
試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、比較例2
の粉末と比べて約10倍の劣化抑制効果があることが確
認された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験2
と同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解能力及
び液相中での酸化力を評価したところ、それぞれ高い効
果が示された。 (実施例7)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物が苛性ソーダに溶解性のあるチタンイソプロポキシド
と、溶解性のないアルミニウムイソプロポキシドとを1
対1のモル比で配合したものを使用して、実施例1と同
様に光触媒粉末を製造した。さらに、この粉末を苛性ソ
ーダ溶液中に浸漬させることによって、苛性ソーダに溶
解性のあるチタンイソプロポキシドを溶出させて多孔質
化させた。
【0078】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑制
試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、比較例2
の粉末と比べて約10倍の劣化抑制効果があることが確
認された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験2
と同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解能力及
び液相中での酸化力を評価したところ、それぞれ高い効
果が示された。 (実施例8)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物が苛性ソーダに溶解性のある超微粒子シリカゾル(粒
子径7nm)と、溶解性のない超微粒子ジルコニアゾル
(粒子径10nm)とを固形分にして1対1の重量比で
配合した。この配合物15g(固形分)を、10%の酸
化チタンスラリー1kgに添加して、実施例1と同様に
光触媒粉末を製造した。さらに、この粉末を苛性ソーダ
溶液中に浸漬させることによって、苛性ソーダに溶解性
のある超微粒子シリカゾルを溶出させて多孔質化させ
た。
【0079】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑制
試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、比較例2
の粉末と比べて約10倍の劣化抑制効果があることが確
認された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験2
と同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解能力及
び液相中での酸化力を評価したところ、それぞれ高い効
果が示された。 (実施例9)膜材として、加熱焼成によって生ずる酸化
物が苛性ソーダに溶解性のある超微粒子シリカゾル(粒
子径20nm)と、溶解性のない超微粒子ジルコニアゾ
ル(粒子径10nm)とを固形分にして1対1の重量比
で配合した。この配合物15g(固形分)を、10%の
酸化チタンスラリー1kgに添加して、実施例1と同様
に光触媒粉末を製造した。さらに、この粉末を苛性ソー
ダ溶液中に浸漬させることによって、苛性ソーダに溶解
性のある超微粒子シリカゾルを溶出させて多孔質化させ
た。
【0080】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、実
施例8の光触媒の細孔と比べるとやや大きめであるが、
数十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣化抑
制試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、実施例
8の光触媒と比べて劣化抑制効果が約10%低下した
が、比較例2の粉末と比べて効果が高かったことが確認
された。さらに、光触媒能試験1及び光触媒能試験2と
同様に、気相中でのアセトアルデヒドガス分解能力及び
液相中での酸化力を評価したところ、それぞれ実施例8
の光触媒より約20%高い効果が示された。 (実施例10)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製
のP−25)を20重量%の含有量となるようにキシレ
ン中に分散させてスラリーとした。このスラリーをボー
ルミルを用いて数時間微細化処理した後、噴霧乾燥を行
って粉末を得た。この得られた粉末の含有量が10重量
%となるように蒸留水中に分散させてスラリーとした。
【0081】次に、膜材として有機側鎖を有するシラン
系アルコキシドであるA−187を前記スラリー1kg
に対して0.3モル添加した。そして、このスラリーを
加水分解して光触媒酸化チタンの表面処理を行った。
【0082】続いて、このスラリーをスプレードライヤ
ーを用いて噴霧乾燥した後、得られた粉末を膜材と光触
媒酸化チタンとの結合を高めるために130℃でエージ
ング処理を行い、さらに膜材の有機側鎖を熱分解して多
孔質化させるために、電気炉で500℃、10時間加熱
焼成して光触媒の粉末を製造した。
【0083】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、約
50Åをピークとした数十Åオーダーの細孔が多数確認
された。また、劣化抑制試験1と同様に劣化抑制試験を
行ったところ、比較例2の粉末と比べて約10倍の劣化
抑制効果があることが確認された。さらに、光触媒能試
験1及び光触媒能試験2と同様に、気相中でのアセトア
ルデヒドガス分解能力及び液相中での酸化力を評価した
ところ、それぞれ非常に高い効果が示された。 (実施例11)吸着剤(水沢化学社製のミズカナイト)
を1Torr以下に減圧し、この吸着剤に対して固形分
で10%の光触媒酸化チタンゾルとイソブチルアルコー
ルとを撹拌しながら加え、10%のスラリーを作製した
後、噴霧乾燥を行って粉末を得た。この得られた粉末の
含有量が10重量%となるように蒸留水中に分散させて
スラリーとした。
【0084】次に、膜材としてTEOSを前記スラリー
1kgに対して0.3モル添加した。そして、このスラ
リーを加水分解して光触媒酸化チタンの表面処理を行っ
た。続いて、このスラリーをスプレードライヤーを用い
て噴霧乾燥した後、得られた粉末を膜材と光触媒酸化チ
タンとの結合を高めるために100℃でエージング処理
を行い、さらに加圧炉に入れて10気圧、150℃で1
0分間加圧し、一気に常圧まで解放させて粉末を得た。
この得られた粉末を電気炉で500℃、10時間焼成し
て光触媒の粉末を製造した。
【0085】この粉末について細孔分布の測定1及び細
孔分布の測定2と同様に細孔分布を評価したところ、数
Å〜数十Åオーダーの細孔が多数確認された。また、劣
化抑制試験1と同様に劣化抑制試験を行ったところ、比
較例2の粉末と比べて約10倍の劣化抑制効果があるこ
とが確認された。さらに、光触媒能試験1と同様に、気
相中でのアセトアルデヒドガス分解能力を評価したとこ
ろ、比較例3の粉末より約3倍高い分解能力が発揮され
た。また、光触媒能試験2と同様に、液相中での酸化力
を評価したところ、高い効果が示された。 (実施例12)実施例1で得られた光触媒粉末を、PE
T(ポリエチレンテレフタレート)樹脂に対して5重量
%混合した混練ペレットを作製し、溶融紡糸装置によっ
て光触媒粒子含有繊維を作製した。この繊維を苛性ソー
ダ溶液に浸漬させて、繊維表面及びそこに存在する光触
媒を被覆するセラミックス膜を溶解させた後、水洗及び
乾燥させて光触媒含有成形体を製造した。 (比較例4)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製の
P−25)を用いて、実施例12と同様に光触媒含有成
形体を製造した。 (劣化抑制試験2)実施例12及び比較例4で得られた
光触媒含有成形体をガラス面に固定したものを試験片と
した。これらの試験片を耐光試験機で100時間の耐光
試験(カーボンアーク 紫外線強度:14mW/c
2 )を行った後、成形体の重量減少からそれぞれの成
形体の劣化抑制能力を評価した。
【0086】その結果、実施例12の成形体は、比較例
4の成形体に比べて、約10倍耐久性が高いことが示さ
れた。 (光触媒能試験3)実施例12及び比較例4で得られた
光触媒含有成形体を、光触媒試験1と同様にアセトアル
デヒドガス分解能力を評価した。
【0087】その結果、実施例12の成形体は、比較例
4の成形体より分解能力が格段に向上していたことが示
された。 (実施例13)実施例1で得られた光触媒粉末を、ナイ
ロン樹脂に対して10重量%混合した混練ペレットを作
製し、射出成型機によって光触媒含有シートを作製し
た。このシートを塩酸に浸漬させて、シート表面を溶解
した後、水洗及び乾燥させた。さらに、シート表面に存
在するセラミックス膜を苛性ソーダに浸漬させることに
よって溶解させた後、水洗及び乾燥させて光触媒含有成
形体を製造した。 (比較例5)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製の
P−25)を用いて、実施例13と同様に光触媒含有成
形体を製造した。 (劣化抑制試験3)実施例13及び比較例5で得られた
光触媒含有成形体を、劣化抑制試験2と同様に劣化抑制
能力を評価した。
【0088】その結果、実施例13の成形体は、比較例
5の成形体に比べて、約10倍耐久性が高いことが示さ
れた。 (光触媒能試験4)実施例13及び比較例5で得られた
光触媒含有成形体を、光触媒試験1と同様にアセトアル
デヒドガス分解能力を評価した。
【0089】その結果、実施例13の成形体は、比較例
5の成形体より分解能力が格段に向上していたことが示
された。 (実施例14)実施例6において、硫酸によって光触媒
を被覆するセラミックス膜を溶解する前の状態の光触媒
粉末を、ポリエチレン樹脂に対して10重量%混合した
混練ペレットを作製し、フィルム成型機によって光触媒
含有フィルムを作製した。このフィルムをエチルベンゼ
ンに浸漬させて、フィルム表面を溶解した後、水洗及び
乾燥させた。さらに、フィルム表面に存在するセラミッ
クス膜を硫酸に浸漬させることによって溶解させた後、
水洗及び乾燥させて光触媒含有成形体を製造した。 (比較例6)光触媒酸化チタン(日本アエロジル社製の
P−25)を用いて、実施例14と同様に光触媒含有成
形体を製造した。 (劣化抑制試験4)実施例14及び比較例6で得られた
光触媒含有成形体を、劣化抑制試験2と同様に劣化抑制
能力を評価した。
【0090】その結果、実施例14の成形体は、比較例
6の成形体に比べて、約10倍耐久性が高いことが示さ
れた。 (光触媒能試験5)実施例14及び比較例6で得られた
光触媒含有成形体を、光触媒試験1と同様にアセトアル
デヒドガス分解能力を評価した。
【0091】その結果、実施例14の成形体は、比較例
6の成形体より分解能力が格段に向上していたことが示
された。なお、前記実施形態を以下のように変更して構
成することもできる。 ・ 前記第1の光触媒の製造方法において、有機基を有
する金属アルコキシドの有機基の大きさが異なるものを
複数種類混合して、膜を形成すること。
【0092】このように構成した場合、様々な大きさの
細孔を含む膜を形成させることができることから、光触
媒の用途をさらに拡大させることが可能である。 ・ 前記第2の光触媒の製造方法において、薬剤溶解性
を有する金属アルコキシドのゾル粒子又は薬剤溶解性セ
ラミックス微粒子の粒子径が異なるものを複数種類混合
して、膜を形成すること。
【0093】このように構成した場合、様々な大きさの
細孔を含む膜を形成させることができることから、光触
媒の用途をさらに拡大させることが可能である。 ・ 前記第1、第2及び第3の光触媒の製造方法におい
て、セラミックス膜の細孔を形成させる際に必要とな
る、様々な要素を組み合わせたり、又はそれらの作業を
独立に複数回繰り返して膜を積層させたりすること。
【0094】このように構成した場合、細孔の量や孔径
等が膜の内側と外側において異なったものや、傾斜的に
変化したもの等、特異な3次元構造を有するセラミック
ス膜を形成させることが可能である。
【0095】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記光触媒粒子は、アナターゼ型の結晶構造を有す
る酸化チタンである請求項1又は請求項2に記載の光触
媒。
【0096】このように構成した場合、化学的に安定で
ありかつ無害であるとともに、非常に高い光触媒活性を
発揮させることができる。 ・ さらに導電性物質を担持する請求項1又は請求項2
に記載の光触媒。
【0097】このように構成した場合、光触媒活性をさ
らに向上させることができる。 ・ さらにアルコールアミン類又はグリコール類を前記
セラミックスのゾル液に添加する請求項3から請求項5
のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
【0098】このように構成した場合、セラミックスの
ゾル液が透明で均一となり、高性能な光触媒を容易に製
造することが可能となる。 ・ 前記加熱焼成は、700℃以下の温度で行う請求項
3から請求項5のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
【0099】このように構成した場合、光触媒粒子の活
性を低下させることなく、高性能の光触媒を製造するこ
とができる。
【0100】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の光
触媒によれば、光触媒の耐久性を向上させ、多孔体に担
持する光触媒粒子の量を調節して光触媒活性を調節でき
るとともに、セラミックス膜の細孔を目的に合わせてよ
り多彩に形成させることができる。
【0101】請求項2に記載の光触媒によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、セラミックス膜の細孔を
目的に合わせて形成させることができる。請求項3から
請求項5のいずれかに記載の光触媒の製造方法によれ
ば、セラミックス膜の細孔を目的に合わせてより多彩に
形成させた光触媒を容易に製造することができる。
【0102】請求項6に記載の光触媒含有成形体によれ
ば、光触媒をより多くの用途に適用することができる。
請求項7に記載の光触媒含有成形体の製造方法によれ
ば、請求項6に記載の発明の効果に加え、より多くの用
途に適用できる光触媒含有成形体を容易に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の光触媒粒子を膜で被覆し
た光触媒を示す正面図、(b)は実施形態の多孔体を膜
で被覆した光触媒を示す正面図。
【図2】 実施形態の光触媒含有成形体を示す正面図。
【図3】 実施例の細孔分布の測定1の結果を示す図。
【図4】 実施例の細孔分布の測定2の結果を示す図。
【図5】 実施例の劣化抑制試験1の結果を示す図。
【図6】 実施例の光触媒能試験1の結果を示す図。
【図7】 実施例の光触媒能試験2の結果を示す図。
【符号の説明】
1…光触媒、2…光触媒粒子、3…セラミックス膜、4
…多孔体、5…孔部、6…細孔、7…光触媒含有成形
体、8…基材。
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の光触媒は、光触媒粒子又は多孔
体表面の多数の孔部に光触媒粒子を担持したものについ
、その表面を、光触媒として不活性で有機基を有する
セラミックスのゾル液で被覆し、その有機基を焼失して
形成されたセラミックス膜の細孔を通して光触媒粒子の
一部が外部に露出したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】請求項3に記載の光触媒の製造方法は、光
触媒粒子又は表面の多数の孔部に光触媒粒子を担持した
多孔体を、1〜1000Åの大きさの有機基を有し、光
触媒として不活性なセラミックスのゾル液で被覆した
後、加熱焼成するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項4に記載の光触媒の製造方法は、所
定の薬剤に溶解する性質を有する1〜1000Åの粒子
径のセラミックスと、所定の薬剤に溶解しない性質を有
するセラミックスとを混合したセラミックスのゾル液
で、光触媒粒子又は表面の多数の孔部に光触媒粒子を担
持した多孔体を被覆した後、加熱焼成し、所定の薬剤で
溶解するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項6に記載の光触媒含有成形体は、
求項3、請求項4又は請求項5に記載の光触媒の製造方
法により得られ、細孔を有する光触媒を含有する基材を
所定形状に成形した成形体であって、前記細孔を通して
表面に存在する光触媒粒子の一部を露出したものであ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項7に記載の光触媒含有成形体の製造
方法は、請求項6に記載の発明において、前記基材表面
の少なくとも一部を、基材を溶解する薬剤で溶解するも
のである。請求項8に記載の光触媒含有成形体は、所定
の薬剤に溶解する性質を有し、かつ光触媒として不活性
なセラミックス膜で光触媒粒子を被覆した光触媒を、基
材に練り込んで所定形状に成形した後、基材及びその表
層のセラミックス膜を所定の薬剤により溶解させて、最
表層に存在する光触媒粒子の一部を露出したものであ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】請求項6及び請求項8に記載の光触媒含有
成形体によれば、光触媒をより多くの用途に適用するこ
とができる。請求項7に記載の光触媒含有成形体の製造
方法によれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、よ
り多くの用途に適用できる光触媒含有成形体を容易に製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 37/02 301 B01J 37/02 301Z C01G 23/047 C01G 23/047 C08J 3/20 C08J 3/20 Z 5/00 5/00 7/06 7/06 Z C09D 1/00 C09D 1/00 // C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 101/00 C08L 101/00 D01F 1/10 D01F 1/10 (72)発明者 藤田 和朋 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 今泉 茂巳 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 菅原 吉規 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 林 浩司 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 山下 典男 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 神山 真一 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 二村 宏 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔体表面の多数の孔部に光触媒粒子を
    担持するとともに、その表面を、細孔を有し光触媒とし
    て不活性なセラミックス膜で被覆した光触媒。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス膜の細孔がほぼ均一
    で、その孔径が1nm〜10μmの範囲内にある請求項
    1に記載の光触媒。
  3. 【請求項3】 光触媒粒子又は表面の多数の孔部に光触
    媒粒子を担持した多孔体を、有機基を有し、光触媒とし
    て不活性なセラミックスのゾル液で被覆した後、加熱焼
    成する光触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 所定の薬剤に溶解する性質を有するセラ
    ミックスと、所定の薬剤に溶解しない性質を有するセラ
    ミックスとを混合したセラミックスのゾル液で、光触媒
    粒子又は表面の多数の孔部に光触媒粒子を担持した多孔
    体を被覆した後、加熱焼成し、所定の薬剤で溶解する光
    触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 光触媒粒子の表面細孔又は光触媒粒子を
    担持した多孔体の孔部に溶媒を含浸させた後、光触媒と
    して不活性なセラミックスのゾル液で、光触媒粒子又は
    多孔体の表面を被覆し、次いで加熱、加圧、減圧及び焼
    成の少なくとも1種の処理法によって内在する溶媒を放
    出又は消失させる光触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 光触媒として不活性なセラミックス膜で
    被覆した光触媒を含有する基材を所定形状に成形した成
    形体であって、表面に存在する光触媒粒子の一部を露出
    した光触媒含有成形体。
  7. 【請求項7】 前記基材表面の少なくとも一部を、基材
    を溶解する薬剤で溶解するとともに、光触媒粒子を被覆
    するセラミックス膜を、セラミックス膜を溶解する薬剤
    で溶解する請求項6に記載の光触媒含有成形体の製造方
    法。
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