JPWO2006088022A1 - 光触媒、その製造方法、光触媒を含有する分散液および光触媒塗料組成物 - Google Patents

光触媒、その製造方法、光触媒を含有する分散液および光触媒塗料組成物 Download PDF

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Abstract

水系媒体中に存在させた光触媒活性を有する基体に、珪酸塩を用いて酸化珪素膜を被覆する際、光触媒活性を有する基体と珪酸塩の両方を含む水系媒体のpHを5以下に維持することにより、アルカリ金属含有量が1ppm以上、1000ppm以下であり、かつ、光触媒活性を有する基体が実質的に細孔を有さない酸化珪素膜で被覆された光触媒を製造する。

Description

本発明は、有機物の光分解活性に優れる光触媒、この光触媒を含有する光触媒分散液および光触媒塗料組成物、並びに、珪酸塩を用いて、光触媒活性を有する基体に酸化珪素膜を被覆する光触媒の製造方法に関する。
チタニア、酸化亜鉛などの金属酸化物半導体は、そのバンド幅に相当するエネルギーを有する光を吸収する性質を示す。近年になって、光照射によって励起して発生する正孔と電子による高い反応性が着目され、前記金属酸化物半導体を「光触媒」として、水質浄化、防汚、抗菌、脱臭、大気浄化などの環境浄化へ応用することが試みられている。公知の光触媒の中では、酸化チタンである市販の光触媒P25(日本アエロジル製)やST−01(石原産業製)が、広範に利用されている。しかしながら、これらの光触媒は光分解活性が十分でない。特に室内のような紫外線強度の弱い環境で光触媒機能を利用するためにも、さらに光分解活性に優れる触媒の開発が望まれていた。
光分解活性を向上させる技術としては、粒径、膜厚、表面積、細孔径などに代表される光触媒の形状を改良する技術、および、助触媒、増感剤等を添加する技術が広く知られている。また、光触媒に他の機能を有する化合物を複合化することも提案されており、シリカ、アルミナ、ジルコニア、シリカ−アルミナ、ゼオライト等の複合化された光触媒が知られている。
酸化珪素を含有する光触媒としては、チタニアを多孔質シリカ膜で被覆した光触媒粒子(特許文献1を参照)、シリカ系皮膜を担持してなる光半導体(特許文献2を参照)が開示されている。これらのうち、特許文献1には、多孔質シリカ膜を複合化することで、光触媒を有機繊維や樹脂等に練り込み等によって添加した場合に、有機繊維や樹脂等を劣化させにくくする効果が付与できること、および、光分解活性が未被覆の光触媒と同等程度であることが開示されている。特許文献2には、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを、気相で光触媒に供給してシリカ系被膜を形成することや、被覆しても光照射条件での殺菌活性が、もとの光触媒の活性よりも高まることが開示されている。
光触媒を酸化珪素膜で被覆する製造方法としては、アルコキシシランを用いて中性の有機媒体中で被覆する方法(特許文献3を参照。)、珪酸塩を弱アルカリ性まで部分中和して被覆する方法(特許文献4を参照。)、アルコキシシランを用いて、酸性またはアルカリ性の水/アルコール混合媒体中で被覆する方法(特許文献5を参照。)、チタニア分散液に、珪酸塩と鉱酸を同時に加えて、pH7〜11を維持して被覆する方法(特許文献6を参照。)が開示されている。
酸化珪素と光触媒とを複合化することで、光分解活性を向上させることも知られており、チタンの硫酸塩およびアルコキシチタンを含む水溶液の水熱反応によって生じる共沈物を加熱処理したアナターゼ型チタン−シリカ複合体が知られている。このアナターゼ型チタン−シリカ複合体は、市販の光触媒ST−01に対して、2倍以上の光分解活性を示すことが開示されている(特許文献7および非特許文献1を参照)。
特開平09−276706号公報 特開昭62−260717号公報 特開平11−240719号公報 米国特許2885366号 特開平10−180115号公報 WO93/022386号公報 特開2004−161592号公報 M. Hirano, etal., Chem. Mater. 2004, 16, 3725-3732
公知の酸化珪素で被覆および/または複合化された光触媒は、いずれも、酸化チタンである市販の光触媒P25および/またはST−01と同等以下の光分解活性しか有さず、望まれる高活性な光触媒は実現されていない。例えば、特許文献6には、活性が2倍以上となることが開示されているが、追試によって比較したところ、市販の光触媒P25よりも低活性であった。
そこで、本発明は、酸化チタンである市販の光触媒よりも光分解活性に優れる、酸化珪素膜で被覆された構造の光触媒を提供することを課題としている。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、酸化チタンである市販の光触媒P25および/またはST−01を酸性水溶液に存在させておき、pHを5以下に維持するように珪酸ナトリウム水溶液を導入すると、光触媒の表面が珪酸化合物の縮合触媒となり、酸化珪素が光触媒の表面にのみ速やかに生成されることを見出した。このようにして得られた、酸化珪素被覆光触媒を、光分解活性の試験対象物として一般的なメチレンブルーの溶液に入れ、光を照射すると、酸化チタンである市販の光触媒P25および/またはST−01よりも、光分解活性に優れることを見出し、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、光触媒活性を有する基体と、該基体を被覆する、実質的に細孔を有しない酸化珪素膜とを有し、アルカリ金属含有量が1ppm以上1000ppm以下である、光触媒が提供される。
また本発明によれば、光触媒活性を有する基体と、該基体を被覆する、実質的に細孔を有しない酸化珪素膜とを有する光触媒の製造方法であって、次の工程(A)〜(B)を含み、
(A)前記基体を含む水系媒体と珪酸塩、
珪酸塩を含む水系媒体と前記基体、および
前記基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、
の少なくともいずれか一組を混合し、前記基体に対して前記酸化珪素膜を被覆する工程
(B)前記酸化珪素膜と、この酸化珪素膜により被覆された前記基体とを有する光触媒を前記水系媒体から分離する工程
かつ、工程(A)において前記基体および珪酸塩の両方を含む混合液のpHを5以下に維持することを特徴とする光触媒の製造方法が提供される。
上記のように、本発明に係る光触媒は、光触媒活性を有する基体と、この基体を覆う酸化珪素膜とを含む構造を有している。ここで、「光触媒活性を有する基体」とは未被覆の光触媒をいい、その形態は特に限定されず、粒子状のもの、成形体、繊維、塗膜等を用いることができる。
本明細書において、「光触媒」という用語は、未被覆の光触媒、酸化珪素膜で被覆された構造の光触媒のいずれをも含む概念として用いられる。具体的には、「光触媒」という用語は、市販の光触媒である酸化チタン、この酸化チタンを酸化珪素膜で被覆した光触媒のいずれをも含む。また、酸化珪素膜を有する光触媒を、適宜、「酸化珪素被覆光触媒」とよぶ。
本発明によれば、酸化チタンである市販の光触媒よりも光分解活性が顕著に高い、酸化珪素被覆光触媒を提供することができる。また、本発明によれば、このような酸化珪素被覆光触媒を簡便かつ経済的に製造する方法を提供することができる。
本発明の酸化珪素膜で被覆された光触媒は光分解活性が高いことから、従来の光触媒に比べて光分解活性に優れた、光触媒塗料、光触媒塗膜、光触媒成形体、含光触媒樹脂成形体、などに利用できる。そして、建造物外壁の直射日光の当たらない面や室内等、光量が乏しくて従来の光触媒では十分な光分解活性を期待できないような場所にまで、光触媒の適用範囲を拡大することができる。また、光分解活性が高いことから、浄化装置に適用すれば、処理能力の向上や、装置のコンパクト化が実現可能である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
(A)〜(D)は、酸化珪素膜を有する光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(実線)と、この光触媒の基体に該当する酸化珪素膜を有しない光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(点線)とを示す図である。 (A)〜(C)は、酸化珪素膜を有する光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(実線)と、この光触媒の基体に該当する酸化珪素膜を有しない光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(点線)とを示す図である。 (A)は、ガス中のアセトアルデヒド濃度の経時変化を示す図であり、(B)は、ガス中の二酸化炭素濃度の経時変化を示す図である。
本発明に係る酸化珪素被覆光触媒は、光触媒活性を有する基体と、この基体を被覆する実質的に細孔を有さない酸化珪素膜とを有するものであり、アルカリ金属含有量が1ppm以上、1000ppm以下であるものをいう。
酸化珪素被覆光触媒とは、光触媒活性を有する基体の表面を酸化珪素からなる膜で被覆したものを意味する。したがって、酸化珪素被覆光触媒には、酸化珪素の存在下で後から光触媒を形成して製造される、酸化珪素に光触媒を固定化したものや、酸化珪素と光触媒を同一容器中で並行して形成させた複合体は、含まれない。
酸化珪素膜が基体を被覆する態様は特に制限されず、基体の一部を被覆する態様、全部を被覆する態様のいずれを含むが、より高い光分解活性を得る観点からは、基体の表面が酸化珪素からなる膜で一様に被覆されていることが好ましい。
光触媒活性を有する基体(以下、適宜「基体」と略記する。)としては、金属化合物光半導体を用いることができる。金属化合物光半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステンおよびチタン酸ストロンチウムなどがあり、このうち、光触媒能に優れており、無害かつ安定性にも優れる酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、例えば、非晶質、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられる。このうち、光触媒能に優れているアナターゼ型あるいはルチル型、または、これらの混合物がより好ましく、これらに非晶質が少量含まれていてもかまわない。
基体として、金属化合物光半導体に1種以上の遷移金属を添加したもの、金属化合物半導体に14族、15族、および/または16族の典型元素を1種以上添加したもの、2種以上の金属化合物からなる光半導体、2種以上の金属化合物半導体の混合物も使用できる。
さらに、基体としては、金属化合物光半導体の粒子を用いることが好ましいが、例えば、金属化合物光半導体の表面の一部が露出している成形体、繊維、および塗膜等を用いることも可能である。また、基体としては、比表面積が30m/g以上の金属化合物光半導体を含有するものが好ましい。
なお、基体が粒子として明確に認識できる場合を除き、成形体、繊維、塗膜等に固定化された基体の比表面積は、比表面積測定法として一般的なBET法に供することが出来ない。このような場合には、X線回折分析とシェラー式による算出、あるいは電子顕微鏡を用いた一次粒子の観察から求まる一次粒子径を元にして、球形換算で「表面積」を算出し、かつ、X線や電子線の回折分析から結晶相を把握してその結晶相の真密度と前記球形換算から求まる体積とから「重量」を算出することによって、比表面積を求めることが可能である。
本発明において、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。これらのアルカリ金属は1種を含んでいてもよく、これらを2種以上含んでいても良い。このうちナトリウムおよびカリウムのうち、少なくともいずれか一方が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
光触媒中のアルカリ金属含有量は、原子吸光光度計(AA)、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)、蛍光X線分析装置(XRF)等を用いて定量可能である。
本発明に係る光触媒中のアルカリ金属含有量は、1ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましい。1ppm以上であれば、光分解活性の向上効果が得られ、10ppm以上であれば、この光分解活性の向上効果が顕著となる。アルカリ金属を所定量含有することにより光分解活性が向上する理由については必ずしも明らかではないが、分解目的物の吸着率が向上することによるものと考えられる。
一方、アルカリ金属含有量の上限については、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。1000ppm以下とすることにより、酸化珪素膜の溶出を抑制できる。また、500ppm以下とすることで、800℃をこえる温度領域における焼成処理での光触媒の焼結の発生を抑制できる。
「実質的に細孔を有さない」とは、酸化珪素被覆光触媒を製造した際に原料として使用する光触媒活性を有する基体と、この光触媒活性を有する基体を用いて調製した酸化珪素被覆光触媒とについて、20〜500オングストロームの領域で細孔径分布を比較した場合に、酸化珪素膜に細孔が実質的に存在しないことを意味する。
具体的には、光触媒活性を有する基体、並びに、酸化珪素被覆光触媒の細孔径分布を、窒素吸着法等の細孔分布測定によって把握し、これらを比較することによって酸化珪素膜に細孔が実質的に存在しないか否かを判定できる。
窒素吸着法での把握方法をより具体的に述べると、以下の(1)〜(4)の手法によって酸化珪素膜の細孔の有無を判定することができる。ここでは、基体として、光触媒粒子を用いる例を挙げて説明する。
(1)光触媒粒子を、200℃で乾燥した後、脱着過程でのN吸着等温線を測定する
(2)酸化珪素被覆光触媒の脱着過程でのN吸着等温線を測定する
(3)BJH(Barrett−Joyner−Halenda)法で、前記二つのN吸着等温線を解析して、20〜500オングストロームの領域のlog微分細孔容積分布曲線を求める。
(4)二つのlog微分細孔容積分布曲線を比較し、酸化珪素被覆光触媒のlog微分細孔容積が、光触媒粒子のlog微分細孔容積よりも0.1ml/g以上大きい領域が存在しない場合には、酸化珪素膜に細孔が実質的にないと判定し、0.1ml/g以上大きい領域が存在する場合には、酸化珪素膜に細孔が有ると判定する。なお、0.1ml/g以上とするのは、窒素吸着法による細孔分布測定では、log微分細孔容積値で約0.1ml/g幅の測定誤差が生じることが多いためである。
20〜500オングストロームの範囲で2つのlog微分細孔容積分布曲線を比較すれば、酸化珪素膜の細孔の有無を実質的に判定することができる。
なお、二つのlog微分細孔容積分布曲線を比較し、10〜1000オングストロームの領域で酸化珪素被覆光触媒のlog微分細孔容積が、光触媒粒子のlog微分細孔容積よりも0.1ml/g以上大きい領域が存在しないことがより好ましい。
ここで、酸化珪素膜に細孔が存在する場合、光分解活性が向上し難い。この理由は必ずしも明らかではないが、細孔の存在によって酸化珪素膜での光の散乱や反射が起こりやすくなり、光触媒活性を有する基体に到達する紫外線の光量が減少し、光触媒励起による正孔と電子の生成量が減少することによるものと推察される。また、同じ酸化珪素量で被覆した場合、細孔有りのものは、細孔無しのものに比べ、細孔の容積の分だけ酸化珪素膜の厚さが増す結果、光触媒活性を有する基体と分解対象物である有機物との物理的距離が大きくなるため、充分な光分解活性が得られないものと推察される。
本発明に係る酸化珪素被覆光触媒の表面積1m当りの珪素担持量は、酸化珪素被覆光触媒が含有する珪素量と、酸化珪素被覆光触媒の表面積から算出される計算値である。酸化珪素被覆光触媒の表面積1m当りの珪素担持量は、その表面積1m当りの珪素担持量が0.10mg以上、2.0mg以下であり、好ましくは0.12mg以上、1.5mg以下、より好ましくは0.16mg以上、1.0mg以下である。0.10mg未満では、酸化珪素膜による活性向上効果が充分でなく、光分解活性の向上効果が小さい。一方、2.0mgを超えると、酸化珪素被覆光触媒に占める基体の割合が低下しすぎるので、光分解活性がほとんど向上しない。
基体および酸化珪素被覆光触媒の表面積は、露点−195.8℃以下の乾燥ガス気流下、150℃で15分加熱処理した後に、窒素吸脱着によるBET法比表面積測定装置を用いて測定することができる。
本発明の酸化珪素被覆光触媒の製造方法は、水系媒体中に存在させた基体に珪酸塩を用いて酸化珪素膜を被覆する際、基体と珪酸塩の両方を含む混合液のpHを5以下に維持することを特徴とする。
酸化珪素膜で被覆された構造の光触媒を製造する従来の方法は、以下に示す課題を有していた。
(A)酸化珪素膜の原料が高価であること
(B)製造時にアルコールが副生するため、および/または有機媒体を用いるため、防爆型の高価な専用設備を必要とすること
(C)気相で処理することから、珪素の担持量を任意に制御することが困難であり、安定的に担持量を制御しての製造が難しいこと
(D)アルコール等の危険物を含む廃液が生じるため、その処理が煩雑となること
(E)珪酸化合物が速やかにゲル化するpH領域で被覆するため、細孔を有する酸化珪素膜が形成されること
例えば、背景技術の項で述べた特許文献1,4,および6の製造方法では(A、B、D)が、特許文献2の製造方法では(A,C)が、特許文献3の製造方法では(A,B,D)および/または(E)が、特許文献5の製造方法では(E)が、それぞれ問題となる。
これに対し、本発明に係る製造方法では、珪酸塩を原料としているため、酸化珪素膜の原料を安価なものとすることができる上、製造時にアルコールが副生することがない。また、水系媒体として水のみを使用した場合には、有機媒体や、アルコール等を用いないため、防爆型の高価な専用設備が不要となるとともに、廃液処理が煩雑化しない。
さらには、液相で処理することができるので、珪素の担持量を任意に制御することが比較的容易となる。また、基体を酸化珪素膜を被覆する際、基体と珪酸塩の両方を含む混合液のpHを5以下としているため、珪酸化合物を含む溶液を安定に存在させることができ、かつ、基体の表面に、細孔を実質的に有しない酸化珪素を形成することができる。
上記製造方法において、水系媒体としては、水、あるいは水を主成分とし、脂肪族アルコール類、脂肪族エーテル類等のうち、水に溶解可能な有機溶媒を含む混合液が挙げられる。水系媒体を具体的に例示するとすれば、水、並びに、水とメチルアルコール、水とエチルアルコール、水とイソプロパノール等の混合液が挙げられる。これらの中では水が好ましい。また、これらの水および混合液は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。更に、水系媒体には、基体の分散性あるいは溶解性を向上させるために、脂肪族アルコール類、脂肪族エーテル類等のうち、水に溶解可能な有機溶媒、並びに脂肪族アミン類、脂肪族ポリエーテル類およびゼラチン類等の界面活性剤を混ぜることもできる。
珪酸塩としては、珪酸および/またはそのオリゴマーの塩を用い、2種以上を混合して用いても良い。ナトリウム塩およびカリウム塩は、工業的に入手容易である点から好ましく、溶解工程を省略できるので珪酸ナトリウム水溶液(JIS K1408“水ガラス”)がさらに好ましい。
水系媒体中に存在させた基体に珪酸塩を用いて酸化珪素膜を被覆する際には、水系媒体、基体、および珪酸塩を混合し、続けてこの混合液を熟成する。
具体的に示すと、
(i)基体を含む水系媒体と珪酸塩、
(ii)珪酸塩を含む水系媒体と基体、および
(iii)基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、
の少なくともいずれか一組を混合する工程、並びにこの混合液を熟成する工程からなる被覆方法である。熟成する工程では、基体に対する酸化珪素膜の被覆が徐々に進むこととなる。
この際、基体および珪酸塩の両方を含む水系媒体のpHを5以下に維持することが必要であり、pH4以下の酸性領域とすることがより好ましい。基体の非存在下でpH5以下を維持した場合、珪酸、珪酸イオンおよび/またはこれらのオリゴマーから、珪酸化合物の縮合物が単独では析出しにくい。一方、基体の存在下でpH5以下を維持した場合、基体の表面が珪酸化合物の縮合触媒として作用し、酸化珪素膜が基体の表面にのみ速やかに生成される。すなわち、pHが5以下の酸性領域は、珪酸化合物を含む溶液を安定に存在させることができ、かつ、基体の表面に酸化珪素を膜状に形成可能な領域である。
pH11以上の塩基性領域においても、pH5以下の酸性領域と同様に珪酸、珪酸イオンおよび/またはこれらのオリゴマーを含む液を熟成した際に、珪酸化合物の縮合物は析出しにくい。しかしながら、用いた珪酸塩のうちの一部しか酸化珪素膜を形成しないので、好ましくない。また、pH6〜11の領域は、珪酸化合物の縮合物、すなわち、酸化珪素微粒子および/またはゲル等が生じやすいため、酸化珪素膜が多孔質となったり、基体の表面上で局所的に酸化珪素が形成されるので好ましくない。
水系媒体中にアルコール等の有機媒体が存在する場合には、水用のpH電極ではpHを正確に測定できないので、有機媒体を含む水溶液用のpH電極を用いて測定する。別途、有機媒体を同体積の水で置き換えてpHを測定することも可能である。
基体と珪酸塩の両方を含む混合液を、pH5以下に維持する方法としては、基体、珪酸塩、水系溶媒の混合および熟成を行う際、水系媒体のpHを常時測定し、適宜、酸および塩基を加えて調整する方法でも構わない。しかし、製造に用いる珪酸塩に含まれる塩基成分の総量を中和した上でpH5以下となるに十分な量の酸を予め水系媒体中に存在させておくことが簡便である。
酸は、どのような酸でも使用可能であるが、鉱酸が好適に用いられる。酸は、1種のみを用いても、2種以上を混合して用いても良い。塩基は、珪酸塩に含まれる塩基成分の総量を中和した上でpH5以下となるのに十分な量の酸を予め水系媒体中に存在させておく前述した方法を使用する場合には、特に別途用いる必要は無い。しかしながら、塩基を用いる場合は、どのような塩基でも使用可能である。なかでも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物が好適に用いられる。
混合溶液を熟成し、基体に対して酸化珪素膜を被覆する際の反応温度および反応時間等の反応条件は、目的とする酸化珪素被覆光触媒の生成に悪影響を与えない条件であれば特に限定されない。反応温度は10℃以上200℃以下であることが好ましく、20℃以上80℃以下であることがより好ましい。
10℃未満であると、珪酸化合物の縮合が進行し難くなることにより、酸化珪素膜の生成が著しく遅延し、酸化珪素被覆光触媒の生産性の悪化を招くことがある。
200℃より高温であると、珪酸化合物の縮合物、すなわち、酸化珪素微粒子および/またはゲル等が生じやすいため、酸化珪素膜が多孔質となったり、基体表面上で局所的に酸化珪素が形成されてしまうことがある。
熟成時間は、10分以上、500時間以下であることが好ましく、1時間以上、100時間以下であることがより好ましい。10分未満であると、酸化珪素膜による被覆が充分に進行せず、被膜による光分解活性の向上効果が充分に得られない場合がある。500時間より長時間であると、光触媒活性を有する基体は、酸化珪素膜により充分に被覆され、光分解活性も向上するが、酸化珪素被覆光触媒の生産性が悪化することがある。
また、混合液中に含まれる光触媒活性を有する基体の濃度は1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、5重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。1重量%未満であると、酸化珪素被覆光触媒の生産性が悪くなり、50重量%より高濃度であると基体に対する酸化珪素膜の被覆が均一に進行せず、光分解活性の向上効果が充分に得られないことがある。混合液中に含まれる珪素の濃度は0.05重量%以上5重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上3重量%以下であることがより好ましい。珪素濃度が0.05重量%未満であると、珪酸化合物の縮合が遅延し、基体に対する酸化珪素膜の被覆が充分でなくなることがある。珪素濃度が5重量%より高濃度であると、基体に対する酸化珪素膜の被覆が均一に進行しないことがある。
本発明の製造方法において、光触媒活性を有する基体および珪酸塩の使用量の比率は、前記基体の表面積1m当りの珪素原子として、0.01mg/m以上、0.50mg/m以下であることが好ましい。この範囲の比率で製造すれば、前記基体の表面に酸化珪素膜を形成する工程、すなわち、前記基体を含む水系媒体と珪酸塩、珪酸塩を含む水系媒体と前記基体、および前記基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、の少なくともいずれか一組を混合し熟成する工程において、基体の表面に所望の酸化珪素膜を形成できると共に、基体の表面で縮合せずに未反応で残った、珪酸、珪酸イオン、および/またはこれらのオリゴマーの量を少なく抑えられるので、細孔を有する酸化珪素膜が形成されることが少ない。0.50mg/m以上、5.0mg/m以下の範囲では、比率が大きくなるほど、未反応物の量が増え、細孔を有する酸化珪素膜が形成されることがあるが、未反応物の縮合が進行して細孔が生じることに対して、処理時間を短くすることで回避することが可能である。
本発明の酸化珪素被覆光触媒の製造方法をより具体的に示すとすれば、例えば、
(工程a)基体を含む水系媒体と珪酸塩、珪酸塩を含む水系媒体と基体、および基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、の少なくともいずれか一組を混合する工程、
(工程b)この混合液を熟成し、前記基体に対して酸化珪素膜を被覆する工程、
(工程c)混合液を中和せずに、酸化珪素被覆光触媒を水系媒体から分離および洗浄する工程、
(工程d)酸化珪素被覆光触媒を乾燥および/または焼成する工程からなり、
かつ、工程a並びに工程bにおいて、前記基体および珪酸塩の両方を含む水系媒体のpHを5以下に維持する製造方法が挙げられる。
水系媒体から酸化珪素被覆光触媒を分離する際に、中和すると、洗浄工程でのアルカリ金属分の低減効率が悪くなる点、並びに水系媒体中に溶解したまま残った珪素化合物が縮合、ゲル化して多孔質シリカ膜が形成される点が問題となる。予め珪酸塩溶液を脱アルカリし、この脱アルカリした液を調製して製造に用いること、並びに光触媒活性を有する基体および珪酸塩の使用量の比率を小さくすること、によって上記の問題を回避あるいは極小化することも可能である。しかしながら、中和せずに酸化珪素被覆光触媒を水系媒体から分離すると、上記問題を回避でき、かつ製法が簡便なので好ましい。
酸化珪素被覆光触媒の混合液からの分離方法は特に限定されないが、例えば、自然濾過法、減圧濾過法、加圧濾過法、遠心分離法などの公知の方法が好適に利用できる。
酸化珪素被覆光触媒の洗浄方法は特に限定されないが、例えば、純水への再分散化とろ過の繰り返し、イオン交換処理による脱塩洗浄、などが好適に利用できる。また、酸化珪素被覆光触媒の用途によっては、洗浄工程を省略することも可能である。
酸化珪素被覆光触媒の乾燥方法は特に限定されないが、例えば、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥、噴霧乾燥、などが好適に利用できる。また、酸化珪素被覆光触媒の用途によっては、乾燥工程を省略することも可能である。
酸化珪素被覆光触媒の焼成方法は特に限定されないが、例えば、減圧焼成、空気焼成、窒素焼成等が好適に利用できる。通常、焼成は200℃以上1200℃以下の温度で実施できるが、400℃以上1000℃以下が好ましく、400℃以上800℃以下がより好ましい。焼成温度が200℃未満であると、基体表面上に所望する酸化珪素膜が生成せず、充分な光分解活性が得られない。焼成温度が1200℃より高温であると、酸化珪素被覆光触媒の焼結が進行し、充分な光分解活性が得られない。また、酸化珪素被覆光触媒の用途によっては、焼成工程を省略することも可能である。
また、本発明に係る光触媒は必要に応じ、分散液、および塗料組成物の形態で、利用することも可能である。更に、高活性化、可視光応答性付与、抗菌性金属化合物との複合化、表面変性による分散性付与、あるいは光触媒として不活性な化合物との複合化による光触媒含有材料の劣化抑制など、公知の光触媒改良法の原料として用いることも可能である。上記の改良法としては、例えば、白金化合物を担持して高活性化や可視光応答性付与を図る方法、銀化合物あるいは銅化合物を担持して抗菌性を向上する方法、有機珪素化合物によって表面処理を施して光触媒表面を親有機媒体性に変性して有機媒体への分散性を付与する方法、ヒドロキシアパタイトと複合化する方法が知られている。
本発明に係る光触媒分散液は、本発明に係る光触媒、液状媒体、および分散安定剤を含有する。この分散液は、そのままの形態で、陶磁器、ガラス、フィルム、壁紙、建材、カーテン、衣料及び食器等に使用することも可能であるし、光触媒含有材料及び光触媒塗料組成物等の原料として用いることも可能である。
液状媒体としては、例えば、水、メチルアルコール及びエチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類が挙げられ、用途に合わせ好適に使用できるが、環境調和の観点から、水を用いることがより望ましい。
分散安定剤としては、イオン性界面活性剤、湿潤剤、増粘剤、酸、及び塩基等を好適に使用可能である。これらの分散安定剤のうち、1種を含んでいてもよいし、2種以上を含んでいても良い。界面活性剤としては、分散性の観点から、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、アルキルアミン塩及び4級アンモニウム塩等のイオン性界面活性剤であることがより望ましい。
光触媒分散液中に含まれる酸化珪素被覆光触媒の濃度は特に限定しないが、2重量%以上50重量%以下であることが望ましく、5重量%以上30重量%以下であることがより望ましい。2重量%以下であると、分散液中に含まれる酸化珪素被覆光触媒の濃度が低下し、経済性が悪化することがある。50重量%以上であると、分散液中に含まれる酸化珪素被覆光触媒の分散性が悪化することがある。
光触媒分散液中に含まれる分散安定剤の濃度は特に限定しないが、分散安定剤の総量が、酸化珪素被覆光触媒に対して1重量%以上1000重量%以下であることが望ましく、2重量%以上200重量%以下であることがより望ましい。1重量%以下であると、分散安定剤による酸化珪素被覆光触媒の分散が充分に進行しないことがある。1000重量%以上であると、分散液を実際に使用する際に、光触媒作用を示す有効成分が低下することがある。
本発明に係る光触媒の分散に際しては、使用する機器を特に限定はしないが、ボールミル粉砕機、ビーズミル粉砕機、超音波粉砕機、高圧湿式微粒化装置等の湿式分散機器が好適に使用可能である。分散に際してはこれらの湿式分散機器を単独で用いても良いし、複数の機器を連続して使用しても良い。また、湿式粉砕機器にて分散を施す前に、乾式粉砕機器等の粉砕機器により粗粉砕を行っても良い。
本発明の光触媒塗料組成物は、本発明に係る光触媒、液状媒体、および結着剤を含む。この光触媒塗料組成物は、陶磁器、板ガラス、フィルム、壁紙、建材、カーテン、衣料及び食器等の加工製品の製造工程や、使用状態にある前記物品等に加え、建造物のガラス、外壁、並びに内壁や、道路の路面、防音壁、トンネル壁面、標識、照明等に、使用することも可能である。塗布して用いる場合、物品に対し直接塗布してもよく、また、接着性の改善や、基材の保護のために一層以上の中間層を塗膜した上に、塗布しても構わない。
液状媒体としては、例えば、水、メチルアルコール及びエチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類が挙げられ、用途に合わせ1種のみあるいは2種以上を混合して好適に使用できる。しかしながら、環境調和の観点から、液状媒体として水を用いることが好ましい。
結着剤としては、例えばコロイダルシリカ、シリコーン樹脂、アルコキシシランおよびその部分加水分解物、炭化水素基で一部置換されたアルコキシシランであるオルガノアルコキシシラン、といった珪素化合物、オルトチタン酸、過酸化チタン、チタンアルコキシド、チタンのアセチルアセトネート、酸化チタンのゾル等のチタン化合物、アクリル、ウレタン、フッ素樹脂等の有機重合物、などを1種単独で使用してもよく、また、2種以上を混用しても良い。また、一分子内に2種以上の部分構造を持つブロックポリマー体や傾斜ポリマー等を用いることもできる。このうちチタン化合物、珪素化合物、並びにフッ素樹脂は、難分解性なので好ましい。特に、チタン化合物および珪素化合物は、塗布後の加熱処理に対する制約が広いので好ましい。特に環境調和の観点から完全に無機物のみである、コロイダルシリカ、オルトチタン酸、過酸化チタン、酸化チタンゾルがより好ましい。
本発明に係る光触媒塗料組成物は、特に製造方法に制限は無く、分散や粉砕効果を有する湿式の処理方法であればどのような方法でも構わない。また、構成成分を一度に混合した後に、分散、粉砕処理に供しても、段階的に処理を行っても良く、前記の光触媒分散液に結着剤を混合する方法も利用できる。
光触媒塗料組成物を、基材に塗布した後、乾燥および/または焼成することによって、本発明に係る光触媒と基材からなる複合体が形成できる。基材としては、素材、形態、表面構造等に特に制限はないが、無機物のみである結着剤を用いる場合、加熱によって膜の強度を向上させた方が好ましいので、耐熱性の高い無機物からなる基材が適している。耐熱性の高い無機物としては、ガラス、金属、セラミックス等が好適に用いられる。
(実施例)
次に、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下では、未被覆の光触媒、酸化珪素膜で被覆された構造の光触媒のいずれもを「光触媒」という。
はじめに、実施例で用いた評価方法について説明する。
(i)アルカリ金属含有量
アルカリ金属含有量としてナトリウム含有量を計測した。以下に述べる実施例および比較例においては、ナトリウム以外のアルカリ金属は実質的に含まれておらず、検出限界以下となっている。
ナトリウム含有量は、原子吸光光度計(Z−5000,日立製作所)を用いて定量した。検出限界は1ppmである。従って、「ナトリウムを検出できない」とは、すなわちナトリウムを含まないか、あるいは含有量が1ppm未満であることを示している。
(ii)珪素含有量
珪素含有量は、蛍光X線分析法(LAB CENTER XRE−1700,島津製作所)を用いて定量した。
(iii)比表面積
比表面積はBET法比表面積測定装置により測定した。
(実施例1)
ガラスフラスコに水200gと1N塩酸水溶液66.9gを加え、粒子状の二酸化チタン(ST−01、石原産業株式会社、アナターゼ型、吸着水分量9重量%、BET法比表面積測定装置による比表面積300m/g)24.5gを分散させて、A液とした。ビーカー内に水100gと珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量36.1重量%、NaO含有量17.7重量%、JIS K1408“水ガラス1号”)10.7gを加え、攪拌しB液とした。A液を35℃に保持し、攪拌しているところに、B液を2ml/分で滴下し、混合液Cを得た。この時点における混合液CのpHは2.3であった。混合液Cを35℃に保持したまま3日間攪拌を継続した。この後、混合液Cを減圧ろ過した。得られた濾物の500mLの水へ再分散化、および減圧ろ過を4回繰り返して洗浄した後、室温で2日間放置した。得られた固形物を乳鉢で粉砕した後、600℃、3時間焼成処理を施し、光触媒1を得た。
この光触媒1のナトリウム含有量は87ppmであった。また、この光触媒1の珪素含有量は6.9重量%であり、比表面積は212.8m/gであった。よって、光触媒1の表面積1m当りの珪素担持量は0.33mgであった。
(実施例2)
二酸化チタンの量を82.1gとし、混合液CのpHが4.0となった以外は、実施例1と同様にして、光触媒2を得た。この光触媒2は、ナトリウム含有量56ppm、珪素含有量2.4重量%、比表面積133.8m/gであった。よって、光触媒2の表面積1m当りの珪素担持量は0.18mgであった。
(実施例3)
二酸化チタンの量を38.9gとし、混合液CのpHが2.8となった以外は、実施例1と同様にして、光触媒3を得た。この光触媒3は、ナトリウム含有量85ppm、珪素含有量4.6重量%、比表面積194.9m/gであった。よって、光触媒3の表面積1m当りの珪素担持量は0.24mgであった。
(実施例4)
二酸化チタンの量を12.2gとし、混合液CのpHが2.5となった以外は、実施例1と同様にして、光触媒4を得た。この光触媒4は、ナトリウム含有量160ppm、珪素含有量9.6重量%、比表面積244.2m/gであった。よって、光触媒4の表面積1m当りの珪素担持量は0.39mgであった。
(実施例5)
二酸化チタンとして、P25(日本アエロジル株式会社、アナターゼ:ルチル比が8:2の混合体、純度99.5%、BET法比表面積測定装置による比表面積50m/g)を75.0g使用したこと、珪酸ナトリウム水溶液を6.5g使用したこと、混合液CのpHが2.6となった以外は、実施例1と同様にして、光触媒5を得た。この光触媒5は、ナトリウム含有量34ppm、珪素含有量1.4重量%、比表面積61.1m/gであった。よって、光触媒5の表面積1m当りの珪素担持量は0.22mgであった。
(実施例6)
二酸化チタンとして、PC−102(チタン工業株式会社、アナターゼ型、吸着水分量5%、BET法比表面積測定装置による比表面積137m/g)を70.5g使用したこと、混合液CのpHが3.8となったこと、そして混合液Cを16時間攪拌して熟成した他は、実施例1と同様にして、光触媒6を得た。この光触媒6は、ナトリウム含有量12ppm、珪素含有量2.2重量%、比表面積127.8m/gであった。よって、光触媒6の表面積1m当りの珪素担持量は0.18mgであった。
(実施例7)
二酸化チタンとして、AMT−100(テイカ株式会社、アナターゼ型、吸着水分量11%、BET法比表面積測定装置による比表面積290m/g)を25.0g使用したこと、混合液CのpHが2.4となった他は、実施例6と同様にして、光触媒7を得た。この光触媒7は、ナトリウム含有量17ppm、珪素含有量5.5重量%、比表面積207.2m/gであった。よって、光触媒7の表面積1m当りの珪素担持量は0.27mgであった。
(実施例8)
混合液Cを16時間攪拌して熟成した他は、実施例1と同様にして、光触媒8を得た。この光触媒8は、ナトリウム含有量180ppm、珪素含有量5.7重量%、比表面積246.2m/gであった。よって、光触媒8の表面積1m当りの珪素含有量は0.23mgであった。
(実施例9)
500mLの水への再分散化および減圧ろ過を7回繰り返して洗浄した以外は、実施例8と同様にして、光触媒9を得た。この光触媒9は、ナトリウム含有量120ppm、珪素含有量5.7重量%、比表面積231.4m/gであった。よって、光触媒9の表面積1m当りの珪素担持量は0.25mgであった。
(実施例10)
500mLの水への再分散化および減圧ろ過を1回行うことで洗浄した以外は、実施例8と同様にして、光触媒10を得た。この光触媒10は、ナトリウム含有量210ppm、珪素含有量5.7重量%、比表面積231.4m/gであった。よって、光触媒10の表面積1m当りの珪素担持量は0.24mgであった。
(実施例11)
400℃、3時間焼成処理を施した他は、実施例1と同様にして、光触媒11を得た。この光触媒11は、ナトリウム含有量93ppm、珪素含有量6.9重量%、比表面積255.5m/gであった。よって、光触媒11の表面積1m当りの珪素担持量は0.27mgであった。
(実施例12)
800℃、3時間焼成処理を施した他は、実施例1と同様にして、光触媒12を得た。この光触媒12は、ナトリウム含有量98ppm、珪素含有量6.9重量%、比表面積150.7m/gであった。よって、光触媒12の表面積1m当りの珪素担持量は0.46mgであった。
(実施例13)
900℃、3時間焼成処理を施した他は、実施例1と同様にして、光触媒13を得た。この光触媒13は、ナトリウム含有量96ppm、珪素含有量6.9重量%、比表面積108.2m/gであった。よって、光触媒13の表面積1m当りの珪素担持量は0.64mgであった。
(実施例14)
1000℃、3時間焼成処理を施した他は、実施例1と同様にして、光触媒14を得た。この光触媒14は、ナトリウム含有量92ppm、珪素含有量6.9重量%、比表面積55.3m/gであった。よって、光触媒14の表面積1m当りの珪素担持量は1.25mgであった。
(実施例15)
1規定塩酸水溶液の代わりに1規定硝酸水溶液を用いたこと、混合液CのpHが3.2になったことの他は、実施例8と同様にして、光触媒15を得た。この光触媒15は、ナトリウム含有量480ppm、珪素含有量6.7重量%、比表面積207.4m/gであった。よって、光触媒15の表面積1m当りの珪素担持量は0.32mgであった。
(実施例16)
1規定塩酸水溶液66.9gの代わりに1規定硝酸水溶液81.7gを用いたこと、異なる組成の珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量29.1重量%、NaO含有量9.5重量%、JIS K1408“水ガラス3号”)13.3gを用いたこと、の他は、実施例8と同様にして、光触媒16を得た。この光触媒16は、ナトリウム含有量150ppm、珪素含有量3.4重量%、比表面積210.5m/gであった。よって、光触媒16の表面積1m当りの珪素担持量は0.16mgであった。
(比較例1)
二酸化チタン(ST−01、石原産業株式会社、吸着水分量9重量%、比表面積300m/g)を、空気中、200℃で乾燥して光触媒17とした。この光触媒17は、ナトリウム含有量1400ppm、比表面積214.3m/gであった。
(比較例2)
200℃の代わりに600℃で焼成した他は、比較例1と同様にして、光触媒18を得た。この光触媒18の比表面積は53.5m/gであった。
(比較例3)
200℃の代わりに1000℃で焼成した他は、比較例1と同様にして、光触媒19を得た。この光触媒19の比表面積は0.7m/gであった。
(比較例4)
二酸化チタン(P25、日本アエロジル株式会社、純度99.5%、比表面積50.8m/g)を、空気中、200℃で乾燥して光触媒20とした。この光触媒20のナトリウム含有量は検出できなかった。この光触媒20は比表面積50.2m/gであった。
(比較例5)
200℃の代わりに500℃に焼成した他は、比較例4と同様にして、光触媒21を得た。この光触媒21の比表面積は48.7m/gであった。
(比較例6)
200℃の代わりに1000℃に焼成した他は、比較例4と同様にして、光触媒22を得た。この光触媒22の比表面積は1.1m/gであった。
(比較例7)
二酸化チタン(PC−102、チタン工業株式会社、吸着水分量5%、BET法比表面積測定装置による比表面積137m/g)を、空気中、200℃で乾燥して光触媒23とした。この光触媒23は、ナトリウム含有量28ppm、比表面積136.3m/gであった。
(比較例8)
二酸化チタン(AMT−100、テイカ株式会社、吸着水分量11%、BET法比表面積測定装置による比表面積290m/g)を、空気中、200℃で乾燥して光触媒24とした。この光触媒24は、ナトリウム含有量46ppm、比表面積220.2m/gであった。
(比較例9)
特開昭62−260717号の実施例に則して、二酸化チタンとしてST−01(石原産業株式会社、吸着水分量9重量%、比表面積300m/g)を用いて実施し、光触媒25を得た。この光触媒25は、ナトリウム含有量1200ppm、珪素含有量5.8重量%、比表面積187.3m/gであった。よって、光触媒25の表面積1m当りの珪素担持量は0.31mgであった。
(比較例10)
特開昭62−260717号の実施例に則して、二酸化チタンとしてP25(日本アエロジル株式会社、純度99.5%、比表面積50.8m/g)を用いて実施し、光触媒26を得た。この光触媒26のナトリウム含有量は検出できなかった。また、この光触媒26は、珪素含有量2.2重量%、比表面積38.7m/gであった。よって、光触媒26の表面積1m当りの珪素担持量は0.56mgであった。
(比較例11)
特開2004−161592号公報に記載された実施例に則して、チタンと珪素の組成比がTi:Si=85:15となるように調製し、光触媒27を得た。この光触媒27は、ナトリウム含有量22ppm、珪素含有量2.9重量%、比表面積164.9m/gであった。よって、光触媒27の表面積1m当りの珪素担持量は0.17mgであった。
(比較例12)
光触媒27に、600℃、3時間焼成処理を施し、光触媒28を得た。この光触媒28は、ナトリウム含有量25ppm、珪素含有量3.0重量%、比表面積76.0m/gであった。よって、光触媒28の表面積1m当りの珪素担持量は0.39mgであった。
(比較例13)
ガラスフラスコに水250gと0.1N水酸化ナトリウム水溶液0.05gを加え、二酸化チタン(ST−01、石原産業株式会社、吸着水分量9重量%、比表面積300m/g)24.5gを分散させて、A液とした。ビーカー内に水100gと珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量36.1重量%、NaO含有量17.7重量%、JIS K1408“水ガラス1号”)10.7gを加え、攪拌しB液とした。A液を35℃に保持し、攪拌しているところに、B液を2ml/分で滴下し、混合液Cを得た。この時点における混合液CのpHは11.5であった。混合液Cを35℃に保持したまま3日間攪拌を継続した。この後、混合液Cを減圧ろ過し、得られた濾物を、500mLの水への再分散化、および減圧ろ過を4回繰り返して洗浄した後、室温で2日間放置した。得られた固形物を乳鉢で粉砕した後、600℃、3時間焼成処理を施し、光触媒29を得た。この光触媒29は、ナトリウム含有量14000ppm、珪素含有量3.4重量%、比表面積126.1m/gであった。よって、光触媒29の表面積1m当りの珪素担持量は0.27mgであった。
(比較例14)
ガラスフラスコに水100gを入れ、二酸化チタン(P−25、日本アエロジル株式会社、純度99.5%、BET法比表面積測定装置による比表面積50.8m/g)10.0gを分散させて、A液とした。これに4規定水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に調整した。そして、液温75℃まで加熱し、75℃を維持したまま、珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量29.1重量%、NaO含有量9.5重量%、JIS K1408“水ガラス3号”)14.8gを加え、攪拌しB液とした。B液を90℃まで加熱し、90℃を維持したまま、1規定の硫酸水溶液を2ml/分の速度で滴下し、C液とした。硫酸水溶液の滴下に伴い、混合液のpHは10.5から少しずつ酸性側へ低下し、最終的にC液のpHは5となった。その後、C液を90℃に保持したまま1時間攪拌を継続して熟成した。次に、熟成後のC液を減圧ろ過し、得られた濾物を、250mLの水への再分散化、および減圧ろ過を4回繰り返して洗浄した後、120℃で3時間乾燥した。得られた固形物を乳鉢で粉砕した後、600℃、3時間焼成処理を施し、光触媒30を得た。この光触媒30は、ナトリウム含有量2500ppm、珪素含有量13.0重量%、比表面積68.4m/gであった。よって、光触媒30の表面積1m当りの珪素担持量は1.90mgであった。
(比較例15)
ガラスフラスコに水100gを入れ、二酸化チタン(ST−01、石原産業株式会社、吸着水分量9重量%、BET法比表面積測定装置による比表面積300m/g)4.2gを分散させて、A液とした。ビーカー内に水43gと珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量29.1重量%、NaO含有量9.5重量%、JIS K1408“水ガラス3号”)5.6gを加え、攪拌しB液とした。次に、A液を35℃に保持し、攪拌しているところに、B液を2ml/分の速度で滴下した。この時、混合液のpHが6〜8になるように、適宜1規定硝酸水溶液を滴下した。B液の滴下完了時における混合液のpHは7.0であった。その後、混合液を35℃に保持したまま16時間攪拌を継続して熟成した。この後、混合液を減圧ろ過し、得られた濾物を、250mLの水への再分散化、および減圧ろ過を4回繰り返して洗浄した後、120℃で3時間乾燥した。得られた固形物を乳鉢で粉砕した後、600℃、3時間焼成処理を施し、光触媒31を得た。この光触媒31は、ナトリウム含有量5900ppm、珪素含有量12.0重量%、比表面積258.3m/gであった。よって、光触媒31の表面積1m当りの珪素担持量は0.47mgであった。
(比較例16)
混合液CのpHが2.6になったこと、混合液Cを減圧ろ過する前にアンモニア水で中和してpHを6.8に調整したこと、600℃の代わりに1000℃で焼成したことの他は、実施例16と同様にして、光触媒32を得た。この光触媒32は、ナトリウム含有量1900ppm、珪素含有量6.5重量%、比表面積2.6m/gであった。よって、光触媒32の表面積1m当りの珪素担持量は24.7mgであった。
(比較例17)
二酸化チタンを用いない他は、実施例1と同様にして混合液Cを調製し、3日間攪拌を継続した。その結果、混合液Cは無色透明のままであり、メンブレンフィルターで吸引ろ過を行った結果、固形分は全く得られなかった。
<実施例1〜16、比較例1〜16の光触媒1〜32の評価>
(1.メチレンブルー光分解活性評価)
実施例1〜16、比較例1〜16の光触媒1〜32を、メチレンブルー水溶液に懸濁させた。その後、光照射を行い、液中のメチレンブルー濃度を分光分析で定量することにより、光分解活性を試験した。詳細な試験操作方法は、次のとおりである。
(光触媒懸濁液の調製)
あらかじめテフロン(登録商標)製攪拌子を入れた100ccポリエチレン製広口びんに、濃度40×10−6mol/Lのメチレンブルー水溶液を45g量りこんだ。次に、マグネチックスターラーによる攪拌下、10mgの光触媒を加えた。そして、5分間激しく攪拌した後に、液が飛び散らない程度に攪拌強度を調整し、攪拌を継続した。
(予備吸着処理)
光触媒を加え終わった瞬間を起点として、60分間、光照射せずに、攪拌し続けた。60分経過後、懸濁液を3.0cc採取し、光照射前サンプルとした。
(光分解処理)
予備吸着処理後の懸濁液を3.5cc抜き出し、あらかじめテフロン(登録商標)製攪拌子を入れた石英製標準分光セル(東ソー・クォーツ株式会社、外寸12.5×12.5×45mm、光路幅10mm、光路長10mm、容積4.5cc)に入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。次に、分光セルの外部/横方向から光を5分間照射した。光照射は、光源装置SX−UI151XQ(ウシオ電機株式会社、150Wクセノンショートアークランプ)を光源として、純水を満たした石英製フィルター容器越しに行った。照射光量は、紫外線照度計UVD−365PD(ウシオ電機株式会社、試験波長365nm)で、5.0mW/cmであった。照射後、分光セル内の懸濁液を回収し、光照射後サンプルとした。
(メチレンブルーの定量)
オールプラスチックス製10ccシリンジにメンブレンフィルター(東洋濾紙株式会社、DISMIC−13HP)を装着した。これに、光照射前後のサンプル懸濁液をそれぞれ入れ、ピストンで押出して光触媒を除去した。その際、前半量のろ液は廃棄し、後半量のろ液を、可視光分析用セミマイクロ型ディスポセル(ポリスチレン製、光路幅4mm、光路長10mm、容積1.5cc)に採取した。そして、紫外可視分光分析装置(UV−2500、島津製作所)を使用して、波長680ナノメートルの吸光度を測定し、メチレンブルー濃度を算定した。
光分解活性は、光照射前のメチレンブルー濃度に対する光照射後のメチレンブルー濃度で評価した。光分解活性としてのメチレンブルー除去率を表1に示した。また、メチレンブルーの仕込濃度(光触媒を加える前のメチレンブルーの濃度)を基準として、光照射前のメチレンブルー濃度から、メチレンブルー吸着率を算出し、表1に併記した。
(2.細孔分布測定による酸化珪素膜由来の細孔有無の判定)
オートソーブ(カンタクローム社製)を使用し、液体窒素下(77K)における脱着過程での光触媒1〜17、光触媒20、光触媒23〜26、並びに光触媒29〜32の窒素吸着等温線を測定した。
各光触媒の前処理として、100℃での真空脱気を行った。次に各光触媒の測定結果をBJH法で解析し、log微分細孔容積分布曲線を求めた。
次に、光触媒1〜16、光触媒25,26、光触媒29〜32の酸化珪素膜由来の細孔の有無を判定した。具体的には、原料として使用した光触媒と、この光触媒を基体(ベース触媒)として用いて調製した、酸化珪素膜で被覆された光触媒のlog微分細孔容積分布曲線を比較して、酸化珪素膜由来の細孔の有無を判定した。
光触媒1〜16、光触媒25,26、並びに光触媒29〜32の20〜500オングストロームの領域における、酸化珪素膜由来の細孔の有無を表1に示す。
(表1)
Figure 2006088022

*基体に対する珪素仕込み量:使用した珪酸塩(珪酸ナトリウム水溶液)に含まれる珪素原子重量(mg)を、使用した基体(二酸化チタン粒子)の全表面積(m)で除した値を示す。
図1(A)〜(D)に酸化珪素膜を有する光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(実線)と、この光触媒の基体に該当する酸化珪素膜を有しない光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(点線)とを示す。
また、図2(A)〜(C)に、酸化珪素膜を有する光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(実線)と、この光触媒の基体に該当する酸化珪素膜を有しない光触媒のlog微分細孔容積分布曲線(点線)とを示す。
(3.アセトアルデヒド光分解活性評価)
光触媒1、光触媒17、または光触媒21を、ガラス板に固定化した後、アセトアルデヒドガス存在下で光照射を行い、ガス中のアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフで定量することにより、光分解活性を試験した。詳細な試験操作方法は、次のとおりである。
(光触媒試料板の調製)
光触媒1を5.0g、100mLポリエチレン製広口瓶に入れ、直径1mmのガラスビーズ50.0g、エタノール44.0g、1規定塩酸0.5g、並びに、界面活性剤(Triton X−100、ユニオン・カーバイド社登録商標)0.5gを加え、密封した。これを、内容積300mLのステンレス製ボールミルポットに入れ、広口瓶がボールミルポットの中央になるように、隙間に布を詰めた。そして、ボールミルポットを密封した後、ボールミル回転台に載せて、毎分60回転の速度で18時間分散化処理を施した。処理後、広口瓶を取り出し、ナイロン製メッシュシートでガラスビーズをろ別して、光触媒1のエタノール分散液を得た。次に、予め重量を測定したスライドガラス(2.6cm×7.6cm,厚さ1mm)の光触媒1のエタノール分散液に対する浸漬および引き上げを行なった。90秒毎に、毎秒0.4cmの速度で12回、スライドガラスの3分の2が浸るようにした。
その後、このスライドガラスを室温で乾燥した。次に、スライドガラスの2.6cm×7.6cmの一方の面(スライドガラスの一方の表面)を除き、他の面に付着した光触媒1を、ガラス板で擦って全て除去した。
さらに、電気炉で空気雰囲気下、400℃、3時間焼成処理をスライドガラスに対して行なうことによって、光触媒試料板Aを作製した。
光触媒固定化の前後の重量測定、並びに光触媒1を固定化した部分の長さ寸法の計測をしたところ、光触媒1の塗布重量は6.1mg、塗布面積は11.7cm、面積当りの塗布重量は、5.2g/mであった。
光触媒1のかわりに光触媒17を用い、浸漬および引き上げを1回とした以外は上記と同様にして、光触媒試料板Bを作製した。光触媒固定化の前後の重量測定、並びに光触媒17を固定化した部分の長さ寸法の計測をしたところ、光触媒17の塗布重量は5.9mg、塗布面積は11.8cm、面積当りの塗布重量は、5.0g/mであった。
光触媒1のかわりに光触媒21を用い、浸漬および引き上げを3回とした以外は上記と同様にして、光触媒試料板Cを作製した。光触媒固定化の前後の重量測定、並びに光触媒21を固定化した部分の長さ寸法の計測をしたところ、光触媒21の塗布重量は6.1mg、塗布面積は12.5cm、面積当りの塗布重量は、4.9g/mであった。
(アセトアルデヒド光分解試験)
上記(光触媒試料板の調製)で作製した光触媒試料板A、B、およびCに、空気雰囲気下、5.4mW/cmの紫外線を3時間照射した。光源には27Wのブラックライトブルー灯(三共電気、FPL27BLB)を用い、紫外線強度測定には、UVA−365(カスタム社製)を用いた。
そして、シリコンパッキン付きコネクターおよびミニコックが一つづつ付属した、容積1リットルのテドラー(デュポン社登録商標)バッグを3つ用意し、このテドラー(デュポン社登録商標)バッグの一辺を切り、先に紫外線照射処理を施した光触媒試料板A〜Cをそれぞれ入れ、5mm角の両面テープでバッグの中央に貼付けた。そして、ヒートシーラーで密封した。続いて、真空ポンプを用いてミニコックから内部の空気を抜き出してからコックを閉じ、暗所に一晩放置した。
次に、酸素20%、窒素80%の混合ガスを15℃のイオン交換水に潜らせた湿潤混合ガスと、1%アセトアルデヒド/窒素混合ガスとを、混合して、アセトアルデヒド濃度101ppmのガスを調製した。このガスを600mL採取して、光触媒試料板入りのバッグに注入した後、バッグを暗所に20時間放置した。その後、バッグ内部のガスのアセトアルデヒド濃度および二酸化炭素濃度を測定した。濃度測定には、メタナイザー付きのガスクロマトグラフ(島津製作所、GC−14)を使用した。分析後、バッグに収納された光触媒試料板に対し、フルホワイト蛍光灯(松下電工製、10W、FL10N)を用いて光照射を行い、光照射2時間毎にバッグ内部のガスの分析を行った。この時、光触媒試料板の光触媒を固定化してある面は、蛍光灯から4cmの距離に置いた。バッグと同じフィルム1枚をフィルターとして同一の場所で測定した紫外線強度は、11μW/cmであった。
図3(A)に、バッグ内部のガス中のアセトアルデヒド濃度の経時変化を示す。また、図3(B)にバッグ内部のガス中の二酸化炭素濃度の経時変化を示す。
(実施例17)
特許2938376号の実施例1に則して、チタンを含む黄色粘性液体を調製した。調製した液は、pH6.3であった。
このゾル溶液を一部採取して乾燥、固化し、次いで600℃焼成した。ゾル溶液の残渣物の重量測定から、前記黄色粘性液体はチタンを二酸化チタン換算で2.1重量%含むことがわかった。
次に、100mLポリエチレン製広口びんに、直径1mmのガラスビーズを50g、前記黄色粘性液体を14.7g、光触媒17を0.30g、そしてメタノールを35.0g入れ、密封した。これを、内容積300mLのステンレス製ボールミルポットに入れ、広口瓶がボールミルポットの中央になるように、隙間に布を詰めた。そして、ボールミルポットを密封した後、ボールミル回転台に載せて、毎分60回転の速度で18時間分散化処理を施した。処理後、広口瓶を取り出し、ナイロン製メッシュシートでガラスビーズをろ別して、光触媒17を含む淡黄色液を得た。
次に、予め重量を測定した2枚のスライドガラス(2.6cm×7.6cm,厚さ1mm)を、メタノールを挟んで重ね合せた状態で、この淡黄色液に、170秒毎に、浸漬および引き上げを、計20回行った。ここで浸漬速度は0.8cm/秒、引き上げ速度は0.14cm/秒、浸漬丈は7.6cmのうちの4.6cmであった。処理後、2枚のスライドガラスを分離し、メタノールを挟んでいた面への付着物を拭き取った。
その後、200℃で3時間加熱することにより、光触媒試料板DおよびEを作製した。光触媒試料板DおよびEの塗膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、膜を表面に作製することで、2枚のスライドガラスは、それぞれ1.1mg、1.0mg、重量が増加していた。
次に、濃硝酸0.16gを水で希釈して、全重量90.0gの硝酸水溶液を調製した。その後、珪酸ナトリウム水溶液(SiO含有量29.1重量%、NaO含有量9.5重量%、JIS K1408“水ガラス3号”)1.0gと水9.0gの混合液を調製した。そして、硝酸水溶液39.7gを攪拌しているところに、混合液0.3gを滴下して、珪酸ナトリウムを含む酸性溶液を調製した。この酸性溶液に、光触媒試料板Eを1時間浸漬した。そして、流水で洗浄した後、400℃で3時間焼成処理を施し、光触媒試料板Fを作製した。光触媒試料板Fの塗膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、この処理で重量変化はなかったが、膜を削り取って分析したところ、酸化珪素が膜重量に対して3重量%含まれていた。
<実施例17の評価>
(光触媒膜試料板のメチレンブルー光分解活性評価)
以下の方法で光触媒試料板DおよびFのメチレンブルー光分解活性を評価した。まず光触媒試料板DおよびFから、0.8cm×7.2cm×1mmの試験片を切り出した。次に、「実施例1〜16、比較例1〜16の光触媒1〜32の評価」の「1.メチレンブルー光分解活性評価」で使用したものと同じ攪拌子をいれた石英製標準分光セルに40×10−6mol/Lのメチレンブルー水溶液3mLを入れ、前記の試験片を、光触媒膜を塗布した一方の端から2.5cm分浸漬した状態で固定した。この時、試験片の光触媒を固定化している面の反対側の面を石英製標準分光セルの内面に密着するようにした。そして、暗所で1時間攪拌した後に、一旦、分光セル内の溶液を回収し、分光光度計でメチレンブルーの定量を行った。その後、再度分光セル内に溶液を戻し、分光セルの外部/横方向から光を照射した。照射装置は「実施例1〜16、比較例1〜16の光触媒1〜32の評価」の「1.メチレンブルー光分解活性評価」で使用したものと同一の装置を用いた。30分間照射した後に、分光セル内の溶液を回収し、照射前と同様にしてメチレンブルーの定量を行った。その結果、光触媒試料板DおよびFから切り出した試験片のメチレンブルー分解率は、それぞれ15.3,29.1%であった。
(実施例18)
本実施例では、光触媒分散液を調製した。
200mlガラス製広口瓶に、実施例1に記載の方法に従って調製した光触媒1を10.0g、直径3mmの酸化ジルコニウム製ビーズを100g、水を85.0g、分散安定剤として、ポイズ521(花王社製、特殊カルボン酸型高分子界面活性剤、固形分濃度:39%以上41%以下)を5.0g添加した後、ガラス製広口瓶を密閉し、振動ミル装置(5400ダブル型,RED DEVIL社製)にて3時間粉砕を行った。粉砕終了後、ビーズを濾別し、光触媒分散液1を得た。この光触媒分散液1は、暗所に30日間保管しても固形分が沈降せず、分散安定性に問題がなかった。
(実施例19)
水の重量を87.5g、ポイズ521の重量を2.5gとした以外は実施例18と同様にして、光触媒分散液2を得た。この光触媒分散液2は、暗所に30日間保管しても固形分が沈降せず、分散安定性に問題がなかった。
(実施例20)
光触媒1の重量を30.0g、水の重量を55.0g、ポイズ521の重量を15.0gとした以外は実施例18と同様にして、光触媒分散液3を得た。この光触媒分散液3は、暗所に30日間保管しても固形分が沈降せず、分散安定性に問題がなかった。
(実施例21)
分散安定剤として、ポイズ521の代わりにBYK−154(ビックケミージャパン社製、アクリル系共重合物のアンモニウム塩、固形分濃度:42%)を5.0gとした以外は実施例18と同様にして、光触媒分散液4を得た。この光触媒分散液4は、暗所に30日間保管しても固形分が沈降せず、分散安定性に問題がなかった。
(比較例18)
分散安定剤を用いなかった点、水の重量を90.0gとした点以外は実施例18と同様にして、光触媒分散液5を得た。この光触媒分散液5は、分散安定性が無く、暗所にわずか1日間保管するのみで、固形分が完全に沈降してしまった。
(実施例22)
(光触媒塗料組成物1の作製)
特許2938376号の実施例1に則して、チタンを含む黄色粘性液体(ゾル溶液)を調製した。調製した液は、pH6.3であった。このゾル溶液を一部採取して乾燥、固化、次いで600℃焼成した。この焼成したゾル溶液の残渣物の重量測定から、黄色粘性液体はチタンを二酸化チタン換算で2.1重量%含むものであることがわかった。
次に、100mLポリエチレン製広口びんに、直径1mmのガラスビーズを50g、上記のゾル液を14.7g、光触媒1を0.30g、そしてメタノールを35.0g入れ、密封した。これを、内容積300mLのステンレス製ボールミルポットに入れ、広口瓶がボールミルポットの中央になるように、隙間に布を詰めた。そして、ボールミルポットを密封した後、ボールミル回転台に載せて、毎分60回転の速度で18時間分散化処理を施した。処理後、広口瓶を取り出し、ナイロン製メッシュシートでガラスビーズをろ別して、光触媒塗料組成物1を得た。
この光触媒塗料組成物1は、淡黄色に濁っており、光触媒1を0.6重量%、黄色粘性液体由来のチタンを酸化チタン換算で0.6重量%含み、600℃焼成後の残渣物としての固形分濃度が1.2重量%であった。
(光触媒塗料組成物1のスライドガラスへの塗布)
予め重量を測定した2枚のスライドガラス(2.6cm×7.6cm,厚さ1mm)を、メタノールを挟んで重ね合せた。この一対のスライドガラスの光触媒塗料組成物1に対する浸漬および引き上げを行なった。浸漬および引き上げは、170秒毎に行なわれ、計20回行なわれた。
ここで浸漬速度は0.8cm/秒、引き上げ速度は0.14cm/秒、浸漬丈は7.6cmのうちの4.6cmであった。
次に、2枚のスライドガラスを分離し、メタノールを挟んでいた面に付着した塗料残渣を拭き取った。その後、200℃で3時間加熱することにより、光触媒膜試料板1を作製した。光触媒膜試料板1の塗膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、膜を表面に作製することで、2枚のスライドガラスは、それぞれ1.0mg、1.2mg、重量が増加していた。
(光触媒膜試料板1のアセトアルデヒド光分解活性評価)
光触媒膜試料板1のアセトアルデヒド光分解試験を行った。アセトアルデヒド光分解試験方法は、前述したアセトアルデヒド光分解試験方法と同じである。なお、アセトアルデヒドの初期濃度は98ppm、光照射時間は24時間とした。24時間後のアセトアルデヒド残留濃度は68ppmであった。本発明に係る酸化珪素膜被覆光触媒を含有する塗料を調製し、これを用いて光触媒膜を作成した場合においても、光分解活性を示すことが確認できた。
(実施例23)
メタノールの代わりに、水を用いた他は、実施例22と同様にして、光触媒塗料組成物2を得た。この光触媒塗料組成物2は、淡黄色に濁っており、光触媒1を0.6重量%、黄色粘性液体由来のチタンを酸化チタン換算で0.6重量%含み、600℃焼成後の残渣物としての固形分濃度が1.2重量%であった。
(光触媒塗料組成物2のスライドガラスへの塗布)
メタノールの代わりに水を挟んでスライドガラスを重ね合わせた事、光触媒塗料組成物1の代わりに光触媒塗料組成物2を用いた点、並びに浸漬および引き上げを10分毎に行った点以外は、実施例22と同様にして、光触媒膜試料板2を作製した。光触媒試料板2の塗膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、膜を表面に作製することで、2枚のスライドガラスは、それぞれ1.5mg、1.3mg、重量が増加していた。
(光触媒塗料組成物2のシリコンウェハー表面への塗布)
シリコンウェハー(2.6cm×7.0cm、厚さ0.5mm)を、レジスト剥離液(関東化学株式会社製、SH−303)に浸漬し、純水洗浄、純水浸漬下での超音波照射、および純水洗浄を施した後、空気中で2000rpm回転してスピン乾燥して、表面洗浄した。この洗浄したシリコンウェハーを水平に置き、上を向いた2.6cm×7.0cmの面に、光触媒塗料組成物2を0.50mL滴下して、乾くまで静置した。その後、600℃で3時間加熱することにより、光触媒膜試料板3を作製した。光触媒膜試料板3の膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、膜を表面に作製することで、シリコンウェハーは、5.8mg重量が増加していた。
(実施例24)
攪拌子を一ついれた100mLポリエチレン製広口びんに、実施例18で調製した光触媒分散液1を6.0g、実施例17と同様にして調製したチタンを含む黄色粘性液体(ゾル溶液)14.7g、並びに水29.3gを入れ、マグネチックスターラーで1時間攪拌して、光触媒塗料組成物3を得た。この光触媒塗料組成物3は、淡黄色に濁っており、光触媒を0.6重量%、黄色粘性液体由来のチタンを酸化チタン換算で0.6重量%含み、分散剤を0.3重量%含むものであり、600℃焼成後の残渣物としての固形分濃度は、1.2重量%であった。
(光触媒塗料組成物3のスライドガラスへの塗布)
光触媒塗料組成物1の代わりに光触媒塗料組成物3を用いた他は、実施例22と同様にして、光触媒膜試料板4を作製した。光触媒膜試料板4の塗膜は、指で擦っても剥れない強度を持っていた。また、膜を表面に作製することで、2枚のスライドガラスは、それぞれ0.9mg、1.0mg、重量が増加していた。

すなわち、本発明によれば、光触媒活性を有する基体と、該基体を被覆する、窒素吸着 法による20〜500オングストロームの領域の細孔径分布測定において、酸化珪素膜由 来の細孔を有しない400℃以上で焼成された酸化珪素膜とを有し、アルカリ金属含有量が1ppm以上1000ppm以下である、光触媒が提供される。
また本発明によれば、請求項1に記載の光触媒の製造方法であって、次の工程(A)〜()を含み、かつ工程(A)において前記基体および珪酸塩の両方を含む混合液のpHを 5以下に維持することを特徴とする光触媒の製造方法が提供される。
(A)前記基体を含む水系媒体と珪酸塩、珪酸塩を含む水系媒体と前記基体、および前記基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、の少なくともいずれか一組を混合し、前記基体に対して前記酸化珪素膜を被覆する工程
(B)前記酸化珪素膜と、この酸化珪素膜により被覆された前記基体とを有する光触媒を前記水系媒体から分離する工程
(C)前記水系媒体から分離された前記光触媒に対して400℃以上で焼成を行い、窒素 吸着法による20〜500オングストロームの領域の細孔径分布測定において酸化珪素膜 由来の細孔を有しない、アルカリ金属含有量が1ppm以上1000ppm以下の光触媒 を得る工程
上記のように、本発明に係る光触媒は、光触媒活性を有する基体と、この基体を覆う酸化珪素膜とを含む構造を有している。ここで、「光触媒活性を有する基体」とは未被覆の光触媒をいい、その形態は特に限定されず、粒子状のもの、成形体、繊維、塗膜等を用いることができる。
本明細書において、「光触媒」という用語は、未被覆の光触媒、酸化珪素膜で被覆された構造の光触媒のいずれをも含む概念として用いられる。具体的には、「光触媒」という用語は、市販の光触媒である酸化チタン、この酸化チタンを酸化珪素膜で被覆した光触媒のいずれをも含む。また、酸化珪素膜を有する光触媒を、適宜、「酸化珪素被覆光触媒」とよぶ。
本発明の酸化珪素被覆光触媒の製造方法をより具体的に示すとすれば、例えば、
(工程a)基体を含む水系媒体と珪酸塩、珪酸塩を含む水系媒体と基体、および基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、の少なくともいずれか一組を混合する工程、
(工程b)この混合液を熟成し、前記基体に対して酸化珪素膜を被覆する工程、
(工程c)混合液を中和せずに、酸化珪素被覆光触媒を水系媒体から分離および洗浄する工程、
(工程d)酸化珪素被覆光触媒を乾燥および焼成する工程からなり、
かつ、工程a並びに工程bにおいて、前記基体および珪酸塩の両方を含む水系媒体のpHを5以下に維持する製造方法が挙げられる。
酸化珪素被覆光触媒の焼成方法は特に限定されないが、例えば、減圧焼成、空気焼成、窒素焼成等が好適に利用できる。通常、焼成は200℃以上1200℃以下の温度で実施できるが、400℃以上1000℃以下が好ましく、400℃以上800℃以下がより好ましい。焼成温度が200℃未満であると、基体表面上に所望する酸化珪素膜が生成せず、充分な光分解活性が得られない。焼成温度が1200℃より高温であると、酸化珪素被覆光触媒の焼結が進行し、充分な光分解活性が得られない

Claims (23)

  1. 光触媒活性を有する基体と、
    該基体を被覆する、実質的に細孔を有しない酸化珪素膜とを有し、
    アルカリ金属含有量が1ppm以上1000ppm以下である、光触媒。
  2. アルカリ金属含有量が10ppm以上1000ppm以下である、請求項1記載の光触媒。
  3. 窒素吸着法による20〜500オングストロームの領域の細孔径分布測定において、酸化珪素膜由来の細孔がない請求項1または2に記載の光触媒。
  4. 当該光触媒の表面積1m当りの珪素担持量が、0.10mg以上、2.0mg以下である請求項1乃至3いずれかに記載の光触媒。
  5. 前記基体が、アナターゼ型、ルチル型、あるいはこれらの混合物を含む酸化チタンである請求項1乃至4いずれかに記載の光触媒。
  6. 前記アルカリ金属が、ナトリウムおよび/またはカリウムである請求項1乃至5いずれかに記載の光触媒。
  7. 前記基体が粒子である請求項1乃至6いずれかに記載の光触媒。
  8. 光触媒活性を有する基体と、該基体を被覆する、実質的に細孔を有しない酸化珪素膜を有する光触媒の製造方法であって、次の工程(A)〜(B)を含み、かつ工程(A)において前記基体および珪酸塩の両方を含む混合液のpHを5以下に維持することを特徴とする光触媒の製造方法。
    (A)前記基体を含む水系媒体と珪酸塩、
    珪酸塩を含む水系媒体と前記基体、および
    前記基体を含む水系媒体と珪酸塩を含む水系媒体、
    の少なくともいずれか一組を混合し、前記基体に対して前記酸化珪素膜を被覆する工程
    (B)前記酸化珪素膜と、この酸化珪素膜により被覆された前記基体とを有する光触媒を前記水系媒体から分離する工程
  9. 工程(B)で得られる前記光触媒のアルカリ金属含有量が、1ppm以上1000ppm以下である請求項8に記載の光触媒の製造方法。
  10. 工程(B)で得られる前記光触媒のアルカリ金属含有量が、10ppm以上1000ppm以下である請求項8に記載の光触媒の製造方法。
  11. 前記工程(B)の後に、さらに、
    (C)前記水系媒体から分離された前記光触媒を乾燥および/または焼成する工程
    を含むことを特徴とする請求項8に記載の光触媒の製造方法。
  12. 工程(C)で得られる前記光触媒のアルカリ金属含有量が、1ppm以上1000ppm以下である請求項11に記載の光触媒の製造方法。
  13. 工程(C)で得られる前記光触媒のアルカリ金属含有量が、10ppm以上1000ppm以下である請求項11に記載の光触媒の製造方法。
  14. 前記工程(C)が、200℃以上、1200℃以下で前記光触媒を焼成する工程である請求項11乃至13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記基体が、アナターゼ型、ルチル型、あるいはこれらの混合物を含む酸化チタンである請求項8乃至14いずれかに記載の光触媒の製造方法。
  16. 前記珪酸塩が、ナトリウムおよび/またはカリウムの塩である請求項8乃至15いずれかに記載の製造方法。
  17. 請求項1に記載の光触媒、液状媒体、および分散安定剤からなる光触媒分散液。
  18. 前記液状媒体が水である請求項17記載の光触媒分散液。
  19. 前記分散安定剤がイオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項17記載の光触媒分散液。
  20. 請求項1に記載の光触媒、液状媒体、および結着剤からなる光触媒塗料組成物。
  21. 前記結着剤としてチタンまたは珪素の化合物を含む請求項20記載の光触媒塗料組成物。
  22. 前記チタンを含有する化合物が、過酸化チタンを含むものである請求項21記載の光触媒塗料組成物。
  23. 前記液状媒体として水および/またはアルコールを含む請求項20に記載の光触媒塗料組成物。

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