JP2832342B2 - 光触媒粒子及びその製造方法 - Google Patents

光触媒粒子及びその製造方法

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JP2832342B2 JP8061815A JP6181596A JP2832342B2 JP 2832342 B2 JP2832342 B2 JP 2832342B2 JP 8061815 A JP8061815 A JP 8061815A JP 6181596 A JP6181596 A JP 6181596A JP 2832342 B2 JP2832342 B2 JP 2832342B2
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博史 垰田
篤哉 砥綿
睦夫 山東
一実 加藤
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機繊維やプラスチッ
クスなどに練り込みなどによって添加され、悪臭や空気
中の有害物質、汚れの分解除去あるいは廃水処理や浄水
処理、抗菌抗かびなどの環境浄化材料として用いられる
光触媒粒子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、居住空間や作業空間での悪臭や自
動車の排気ガスなどの有害物質による汚染が深刻な問題
となっている。また、生活排水や産業廃水などによる水
質汚染、特に、現在行われている活性汚泥法などの水処
理法では処理が難しい有機塩素系の溶剤やゴルフ場の農
薬などによる水源の汚染なども広範囲に進行しており、
環境汚染が重大な社会問題となっている。
【0003】従来、悪臭防止法あるいは空気中の有害物
質の除去法として、酸やアルカリなどの吸収液や吸着剤
などに吸収あるいは吸着させる方法がよく行われている
が、この方法は廃液や使用済みの吸着剤の処理が問題
で、二次公害を起こす恐れがある。また、芳香剤を使用
して悪臭を隠ぺいする方法もあるが、芳香剤の臭いが食
品に移ったりして芳香剤自体の臭いによる被害が出る恐
れがあるなどの欠点を持っている(例えば、西田耕之
助、平凡社「大百科事典」1巻、p136 (1984))。
【0004】チタニアに光を照射すると強い還元作用を
持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成し、接触して
くる分子種を酸化還元作用により分解する。チタニアの
このような作用、すなわち光触媒作用を利用することに
よって、水中に溶解している有機溶剤、農薬や界面活性
剤などの環境汚染物質、空気中の有害物質や悪臭などの
分解除去を行うことができる。この方法はチタニアと光
を利用するだけで繰り返し使用でき、反応生成物は無害
な炭酸ガスなどであり、微生物を用いる生物処理などの
方法に比べて、温度、pH、ガス雰囲気、毒性などの反
応条件の制約が少なく、しかも生物処理法では処理しに
くい有機ハロゲン化合物や有機リン化合物のようなもの
でも容易に分解・除去できるという長所を持っている。
【0005】しかし、これまで行われてきたチタニア光
触媒による有機物の分解除去の研究では、光触媒として
粉末のものがそのまま用いられていた(例えば、A. L.
Pruden and D. F. Ollis, Journal of Catalysis, Vol.
82, 404 (1983)、H. Hidaka,H. Jou, K. Nohara, J. Zh
ao, Chemosphere, Vol.25, 1589 (1992)、久永輝明、原
田賢二、田中啓一、工業用水、第379号、12 (1990))。
そのため、使用後の光触媒の回収が困難など、取扱いや
使用が難しく、なかなか実用化できなかった。そこで、
チタニア光触媒を取扱いの容易な繊維やプラスチックス
などに練り込んで使用することが試みられたが、その強
力な光触媒作用によって有害有機物や環境汚染物質だけ
でなく繊維やプラスチックス自身も分解されてしまうた
め、極めて劣化しやすく、繊維やプラスチックスのよう
な形での使用が不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、悪臭や空気中の有害物質、汚れの分解除去あるいは
廃水処理や浄水処理、抗菌抗かびなど、環境の浄化を効
果的かつ経済的に安全に行うことができ、しかも有機繊
維やプラスチックスなどに練り込みなどによって添加さ
れて使用された場合、耐久性の面からも優れた特性を有
する光触媒粒子及びその製造方法の提供を目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するため、鋭意研究を重ねた結果、チタニア粒子の
表面に水を吸着させ、この水を利用して金属アルコキシ
ドを該粒子表面において加水分解し、反応生成物である
光触媒として不活性なセラミックスを該粒子表面に島状
に付着させることによって製造した光触媒粒子が、有機
繊維やプラスチックスなどに練り込みなどによって添加
されて使用された場合、光の照射によって生成した電子
と正孔の酸化還元作用により、悪臭や空気中の有害物質
あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬などの環境
を汚染している有機化合物を容易に分解除去し、しかも
有機繊維やプラスチックスと接触している部分が光触媒
として不活性なセラミックスであるため、繊維やプラス
チックス自身の分解を生じにくく、長期間その効果を持
続させることができることを見い出し、本発明をなすに
至った。
【0007】本発明におけるチタニア粒子の表面に光触
媒として不活性なセラミックスを島状に担持する方法を
もう少し詳しく述べると、少量のアルコール及び必要に
応じアミンを添加してある疎水性有機溶媒中に水を表面
に吸着させたチタニア粒子を分散させ、金属アルコキシ
ドを溶解した疎水性有機溶媒を加え、該粒子表面で金属
アルコキシドの局部的な加水分解を起こさせた後、乾燥
後、焼成して表面に反応生成物である光触媒として不活
性なセラミックスを島状に形成させたものである。
【発明の実施の形態】
【0008】本発明においてチタニア粒子への水の吸着
は、水蒸気をチタニア粒子に供給することなどによって
行われ、水温あるいは水蒸気圧や吸着時間を調節するこ
とにより、チタニア粒子への給水量をコントロールする
ことができる。チタニア粒子への給水量は、チタニア粒
子表面に島状に担持するセラミックスの量を決定するも
のであるから、金属アルコキシドの加水分解を起こさせ
てセラミックスを得るために必要な量を吸着させる必要
がある。逆に言えば、島状に担持する光触媒として不活
性なセラミックスの量を、チタニア粒子への給水量を調
節することによって、任意にコントロールすることがで
きる。したがって、それによって有機繊維やプラスチッ
クスなどに練り込んで使用した場合の有機繊維やプラス
チックスの劣化しにくさ及びチタニア粒子の光触媒活性
をコントロールすることができる。通常、チタニア粒子
への給水量としては、チタニア粒子の表面積1m2
り、0.1〜30mgの範囲が好ましく、それ以上多く
するとチタニア粒子の表面が全てセラミックスに覆われ
てしまうため、光触媒活性がほとんどなくなってしま
う。
【0009】本発明におけるチタニア粒子としては、結
晶形がアナターゼのものやルチルのもの、ブルッカイト
のもの、非晶質のもの、それらの混ざったものなど、い
ろいろなものが挙げられるが、アナターゼのみから成っ
ているものが特に好ましい。
【0010】本発明に用いられる疎水性有機溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水
素、ケロシンまたはヘキサン等の石油留分が挙げられ
る。また、この溶媒に添加するアルコールとしては炭素
原子数が2から5のもの、具体的には、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール等が挙げられ、疎水性有機溶媒に対する添加
量としては、2.5〜10vol%が好ましい。
【0011】本発明に用いられるチタニア粒子の表面に
担持される、光触媒として不活性なセラミックスの原料
となる金属アルコキシドとしては、アルミニウム、珪
素、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、チタニ
ウムなどのアルコキシドが挙げられる。その中には反応
性が低いアルコキシドと反応性が高いアルコキシドがあ
り、前者としては珪素エトキシドが、後者としては珪素
メトキシド、チタニウムエトキシド、チタニウムイソプ
ロポキシド、チタニウムブトキシド、ジルコニウムプロ
ポキシド、マグネシウムエトキシド、アルミニウムイソ
プロポキシドなどが代表的なものである。その使用量と
して、反応性が低いアルコキシドは、チタニア粒子に対
して5〜20重量%、反応性が高いアルコキシドは0.
1〜10重量%が好ましい。
【0012】反応性が低いアルコキシドを用いる場合に
は、触媒としてアミン類を添加することが望ましい。こ
のようなアミンとして、例えば、イソプロピルアミン、
n−ヘキシルアミン、ジデシルアミン、ジオクチルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン等を挙げることができ、
その使用量は、0.005〜0.05mol/lの範囲
が好ましい。
【0013】本発明方法を実施するには、まず、前記ア
ルコール添加の疎水性有機溶液を超音波またはスターラ
により激しく攪拌しているところへ含水したチタニア粒
子を加え、粒子表面で加水分解反応を起こさせる。反応
時間は、反応性の低いアルコキシドを使用する場合に
は、数時間から数十時間、反応の高いアルコキシドを使
用する場合には数分から数時間である。疎水性有機溶剤
中への含水したチタニア粒子の投入量は、該有機溶媒1
l当り100g以下とすることが望ましい。また、この
時、疎水性有機溶剤中に含まれる金属アルコキシドの量
は、チタニア粒子に吸着されている水により化学量論的
に完全に加水分解されると予想される量の数分の一から
数十倍、即ち、反応性の高いアルコキシドの場合、数分
の一から数倍、反応性の低いアルコキシドの場合、数倍
から数十倍が望ましい。
【0014】次に、金属アルコキシドの加水分解反応に
より粒子表面の吸着水が消費されて、金属酸化物による
粒子表面への被覆が終了した後、遠心分離によりチタニ
ア粒子と未反応金属アルコキシドを含んだ有機溶剤を分
離し、さらに有機溶剤により数回洗浄することによりチ
タニア粒子から未反応アルコキシドを除去する。洗浄終
了後、チタニア粒子をメチルアルコールなどの表面張力
の小さい溶剤に分散させ、真空乾燥器などにおいて、低
温で溶剤を徐々に蒸発させ、さらに100〜200℃程
度で真空乾燥する。乾燥したチタニア粒子に有機質が付
着している場合には、空気中において300〜400℃
で有機質を酸化分解させる。最後に、焼成を行うことに
より、表面に光触媒として不活性なセラミックスを島状
に担持したチタニア粒子が得られる。
【0015】本発明の光触媒粒子を製造する際の焼成温
度は、アモルファスのチタニアを担持させる場合で40
0℃以下、それ以外のセラミックスを担持させる場合に
は600℃以下、最大でも700℃以下が好ましい。焼
成温度が高いとセラミックスの粒成長が起こり、島の高
さが高くなるが、焼成温度が700℃より高い場合に
は、チタニアが光触媒として低活性なルチルの結晶形に
変わるため、好ましくない。また、上記手順の最初の段
階の疎水性有機溶剤にアルコールを添加しなかった場合
には、チタニア粒子の表面に島状に担持されるべき光触
媒として不活性なセラミックスが、表面に担持されない
で、チタニア粒子から分離した粉体の状態になってしま
い、非常に不都合となる。
【0016】こうして得られた本発明による光触媒粒子
は、チタニア粒子の表面に光触媒として不活性なセラミ
ックスが島状に付着しているため、有機繊維やプラスチ
ックスなどに練り込んで使用する場合、有機繊維やプラ
スチックスと接触している部分が光触媒として不活性な
セラミックスであり、繊維やプラスチックス自身の分解
を生じることなく、悪臭やNOxなどの空気中の有害物
質あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬などの環
境を汚染している有機化合物を吸着し、蛍光灯、白熱
灯、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンラ
ンプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプなどから
の人工光や太陽光の照射によってチタニアに生成した電
子と正孔の酸化還元作用によって迅速に、かつ連続的に
分解除去することができ、抗菌抗かびにも使用できる。
しかも、光を照射するだけで、低コスト・省エネルギー
的でかつメンテナンスフリーで使用できる。そして、そ
の表面に白金あるいはロジウム、ルテニウム、パラジウ
ム、銀、銅、鉄、亜鉛の金属を担持した場合には、その
触媒作用により有機化合物の分解除去効果や抗菌抗かび
効果などの環境浄化効果が一層増大する。
【0017】本発明による光触媒粒子は、ポリエチレン
やナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、
ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレー
ト、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセ
タール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エポキシ樹
脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース、セルロース誘導体、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリス
チレン、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、デンプンシ
ートなど、あらゆる種類の有機繊維やプラスチックスあ
るいはそれらの共重合体に適用可能である。
【0018】
【実施例】本発明の実施例の内で特に代表的なものを以
下に示す。
【0019】実施例1 ヘキサン約100mlに、まずイソプロピルアルコール
10vol%を加えて混合した後、単位表面積当り11
mgの水を吸着させた粒径約100nm、BET比表面
積14m2/gのアナターゼ型チタニア3gを加え、超
音波により粉体を分散させ、チタニウムイソプロポキシ
ド1.2mlを溶解させたヘキサン溶液20mlを滴下
した。さらに、スターラーにより240rpmでかき混
ぜながら25℃において5時間反応させた。この反応生
成物を超音波処理によって分散させ、ヘキサンで3回、
メタノールで3回洗浄し、常温で乾燥させた後、さらに
350℃で焼成した。その結果、径約2nmの島状のア
モルファスのチタニアを表面に担持したチタニア粒子が
得られた。得られた粒子をポリプロピレンに練り込み、
繊維に紡糸して防臭繊維として使用した結果、アナター
ゼ型チタニアをそのまま練り込んで使用した場合に比
べ、防臭効果はほとんど変わらず、10倍以上の寿命が
得られた。
【0019】実施例2 リグロイン約120mlに珪素エトキシド24mlとイ
ソプロピルアミン0.01mol/l、イソプロパノー
ル10vol%を加えて溶解した後、単位表面積当り2
mgの水を吸着させた粒径約20nm、比表面積65m
2/gのアナターゼ型チタニア3gを加えて超音波で分
散させ、スターラでかき混ぜながら25℃で48時間反
応させた。反応生成物をリグロインにより3回、さらに
メタノールにより3回洗浄し、常温で乾燥させた後、4
50℃で焼成し、シリカで被覆されたチタニア粒子を得
た。この粉体は、分析電子顕微鏡による観察の結果、径
約2nmのシリカ超微粒子により島状に被覆されたチタ
ニア粒子であった。得られた粒子をシリコン樹脂に練り
込み、シートに成形して、タバコの煙などによる汚れ分
解除去用シートとして使用した結果、アナターゼ型チタ
ニアをそのまま練り込んで使用した場合に比べ、汚れの
分解除去効果はほとんど変わらず、15倍以上の寿命が
得られた。
【0020】実施例3 キシレン約150mlにジルコニウムプロポキシド30
mlとn−ヘキシルアミン0.01mol/l、n−プ
ロパノール10vol%を加えて溶解した後、単位表面
積当り2mgの水を吸着させた粒径約40nm、BET
比表面積55m 2/gの70%アナターゼ型30%ルチ
ル型のチタニア3gを加えて超音波で分散させ、スター
ラでかき混ぜながら25℃で48時間反応させた。反応
生成物をキシレンにより3回、さらにメタノールにより
3回洗浄し、常温で乾燥させた後、450℃で焼成し
た。得られた粉体について分析電子顕微鏡観察を行った
結果、径約8nmのジルコニア超微粒子で島状に被覆さ
れたチタニア粒子であった。得られた粒子をシリコン樹
脂に練り込み、シートに成形して、空気中のNOxの分
解除去用シートとして使用した結果、処理しないチタニ
アをそのまま練り込んで使用した場合に比べ、NOxの
分解除去効果はほとんど変わらず、10倍以上の寿命が
得られた。
【0021】実施例4 トルエン約100mlに、まずイソプロピルアルコール
5vol%を加えて混合した後、単位表面積当り2mg
の水を吸着させた粒径約100nm、BET比表面積3
2m2/gのアナターゼ型チタニア3gを加え、超音波
により粉体を分散させ、アルミニウムイソプロポキシド
1.2mgを溶解させたトルエン溶液20mlを滴下し
た。さらに、スターラーにより300rpmでかき混ぜ
ながら25℃において5時間反応させた。この反応生成
物を超音波処理によって分散させ、トルエンで3回、メ
タノールで3回洗浄し、常温で乾燥させた後、さらに4
50℃で焼成した。その結果、径約1nmの島状のアル
ミナを表面に担持したチタニア粒子が得られた。得られ
た粒子をポリエステルに練り込み、繊維に紡糸して防臭
繊維として使用した結果、アナターゼ型チタニアをその
まま練り込んで使用した場合に比べ、防臭効果はほとん
ど変わらず、約5倍の寿命が得られた。
【0022】実施例5 実施例4におけるチタニア粒子の含水量を単位表面積当
り3mg、焼成温度を500℃に代えて同様の操作を行
い、得られた粉体について分析電子顕微鏡観察を行った
結果、径約3nmのアルミナ超微粒子で島状に被覆され
たチタニア粒子であった。得られた粒子をポリエステル
に練り込み、同様に防臭繊維として使用した結果、アナ
ターゼ型チタニアをそのまま練り込んで使用した場合に
比べ、防臭効果はほとんど変わらず、約10倍の寿命が
得られた。
【0023】実施例6 実施例4におけるチタニア粒子の含水量を単位表面積当
り4mg、焼成温度を550℃に代えて同様の操作を行
い、得られた粉体について分析電子顕微鏡観察を行った
結果、径約5nmのアルミナ超微粒子で島状に被覆され
たチタニア粒子であった。得られた粒子をポリエステル
に練り込み、同様に防臭繊維として使用した結果、アナ
ターゼ型チタニアをそのまま練り込んで使用した場合に
比べ、防臭効果はほとんど変わらず、約15倍の寿命が
得られた。
【0024】実施例7 実施例4におけるチタニア粒子の含水量を単位表面積当
り11mg、焼成温度を600℃に代えて同様の操作を
行い、得られた粉体について分析電子顕微鏡観察を行っ
た結果、径約10nmのアルミナ超微粒子で島状に被覆
されたチタニア粒子であった。得られた粒子をポリエス
テルに練り込み、同様に防臭繊維として使用した結果、
アナターゼ型チタニアをそのまま練り込んで使用した場
合に比べ、防臭効果は若干低下したが、約25倍の寿命
が得られた。
【0025】実施例8 ベンゼン約150mlにマグネシウムエトキシド15m
gとジオクチルアミン0.02mol/l、エタノール
10vol%を加えて溶解した後、単位表面積当り3m
gの水を吸着させた粒径約20nm、BET比表面積6
5m2/gの銀担持のアナターゼ型チタニア3gを加え
て超音波で分散させ、スターラでかき混ぜながら25℃
で48時間反応させた。反応生成物をベンゼンにより3
回、さらにメタノールにより3回洗浄し、常温で乾燥さ
せた後、450℃で焼成し、マグネシアで被覆されたチ
タニア粒子を得た。この粉体は、分析電子顕微鏡による
観察の結果、径約1nmのマグネシア超微粒子により島
状に被覆された銀担持のチタニア粒子であった。得られ
た粒子をポリエチレンに練り込み、シートに成形して抗
菌抗かびシートとして使用した結果、銀担持のアナター
ゼ型チタニアをそのまま練り込んで使用した場合に比
べ、抗菌抗かび効果はほとんど変わらず、15倍以上の
寿命が得られた。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、悪臭や空
気中の有害物質、汚れの分解除去あるいは廃水処理や浄
水処理、抗菌抗かびなど、環境の浄化を効果的かつ経済
的に安全に行うことができ、しかも有機繊維やプラスチ
ックスなどに練り込みなどによって添加されて使用され
た場合、耐久性の面からも優れた特性を有する光触媒粒
子及びその製造方法の提供を目的としたものである。本
発明に用いられる酸化チタンは塗料や化粧品、歯磨き粉
などにも使用され、食品添加物としても認められてお
り、安価で耐候性や耐久性に優れ、無毒かつ安全など、
数多くの利点を持っている。本発明による光触媒粒子
は、表面に水を吸着させたチタニア粒子を少量のアルコ
ールを添加した疎水性有機溶媒中に分散させ、金属アル
コキシドを溶解した疎水性有機溶媒を加えるという簡単
な方法によって製造され、チタニア粒子への水の吸着量
を調節することによって、表面に島状に担持する光触媒
として不活性なセラミックスの量をコントロールするこ
とができる。本発明による光触媒粒子は有機繊維やプラ
スチックスなどに練り込んで使用され、電灯あるいは太
陽光などの光を受けてフィルター表面の酸化チタンに生
成した電子と正孔の酸化還元作用により、悪臭やタバコ
の煙、NOx、SOxなどの空気中の有害物質あるいは
水中に溶解している有機溶剤や農薬などの環境を汚染し
ている有機化合物を分解するほか、MRSAなどによる
院内感染の防止、汚れの防止などの居住環境の浄化を効
率良く行うことができる。しかも、有機繊維やプラスチ
ックスと接触している部分が光触媒として不活性なセラ
ミックスであるため、繊維やプラスチックスの分解を生
じにくく、長期間その効果を持続させることができる。
本発明による光触媒粒子を練り込んだ有機繊維やプラス
チックスは、自動車の車内や居間や台所、トイレなどの
脱臭、廃水処理、プールや貯水の浄化だけでなく、菌や
カビの繁殖防止、食品の腐敗防止を効果的に行うことが
できるなど、幅広い用途に適用でき、化学薬品やオゾン
のような有毒な物質を使用せず、光を照射するだけでよ
く、電灯の光や自然光でもよいため、低コスト・省エネ
ルギー的かつ安全に、メンテナンスフリーで長期間使用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61L 9/00 A61L 9/00 Z 9/01 9/01 E B01D 53/86 B01J 21/06 M B01J 21/06 ZABA ZAB 23/06 M 23/06 23/38 M 23/38 23/72 M 23/72 B01D 53/36 J (56)参考文献 特開 平7−265714(JP,A) 特開 平9−239277(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニア粒子の表面に光触媒として不活
    性なセラミックスを島状に担持したことを特徴とする光
    触媒粒子。
  2. 【請求項2】 チタニア粒子が白金、ロジウム、ルテニ
    ウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から選ばれた少な
    くとも一種の金属を表面に担持したものであることを特
    徴とする請求項1記載の光触媒粒子。
  3. 【請求項3】 光触媒として不活性なセラミックスがア
    ルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、カルシア、
    アモルファスのチタニアの内から選ばれた少なくとも一
    種のセラミックスであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の光触媒粒子。
  4. 【請求項4】 チタニアの結晶形がアナターゼであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の光触媒粒子。
  5. 【請求項5】 少量のアルコール及び必要に応じアミン
    類を添加した疎水性有機溶媒中に水を表面に吸着させた
    チタニア粒子を分散させ、金属アルコキシドを溶解した
    疎水性有機溶媒を加え、該チタニア粒子表面で金属アル
    コキシドによる局部的な加水分解を起こさせ、光触媒と
    して不活性なセラミックスを表面に島状に担持させるこ
    とを特徴とする光触媒粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 疎水性有機溶媒に溶解した金属アルコキ
    シドの濃度が0.1〜20重量%であることを特徴とす
    る請求項5記載の光触媒粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 チタニア粒子が白金、ロジウム、ルテニ
    ウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から選ばれた少な
    くとも一種の金属を表面に担持したものであることを特
    徴とする請求項5記載の光触媒粒子の製造方法。
JP8061815A 1996-02-23 1996-02-23 光触媒粒子及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2832342B2 (ja)

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