JP6663375B2 - 光触媒用無機化合物、光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品 - Google Patents

光触媒用無機化合物、光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品 Download PDF

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Description

本発明は、光触媒用無機化合物、光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品に関する。
近年、住宅及びビルなどの建築外壁に防汚性能を付与するために、光触媒塗料が実用化され、その光触媒塗料を建築外壁に塗布して、光触媒塗膜を形成する方法が適用されている。この光触媒塗料には、光触媒活性を発揮すべく、光触媒活性を有する無機化合物材料が配合されている。
そのような無機化合物材料のうち、最もよく使われるのは二酸化チタン(TiO2)である。この二酸化チタンに光(紫外線)が当たると、励起電子と正孔とが生成され、その生成された励起電子と正孔とにより、触媒表面での酸素と水分の存在下で、スーパーオキシドアニオン(・O2-)及びヒドロキシラジカル(・OH)(「・」は不対電子を示し、これを付した化学種がラジカル種であることを意味する。)等の活性酸素種が生成される。正孔や生成した活性酸素種は、汚れ分解機能及び窒素酸化物除去機能等の重要な機能(光触媒活性)を発現する。
しかし、活性酸素種は、光触媒塗料が塗られる基材の塗膜(以下、「光触媒塗膜直下塗膜」とも記述する。)が有機塗膜の場合、かかる光触媒塗膜直下塗膜にダメージを与える。そこで、光触媒塗膜直下塗膜と光触媒塗膜との間に、シリコーン樹脂に代表される保護層を設ける2層コートタイプの光触媒塗料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、建築外壁の汚れのうち、カビや藻等の生物汚染による汚れに対しても防汚性能を付与した光触媒塗料も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
特開2003−73610号公報 特許第4110279号 特許第4395886号
光触媒塗膜や、2層コートタイプの光触媒塗料の保護層として用いられる塗膜は、その成分としてシリカやシリコーン樹脂が使用されており、該塗膜は硬くて脆いため、その膜における微小な貫通クラックの発生を完全に防ぐことは不可能である。その結果、前述の活性酸素種が、その貫通クラックを経由して光触媒塗膜直下塗膜にダメージを与えることを防ぐことはできな。また、2層コートタイプの光触媒塗料は、現場施工性について改良の余地がある。したがって、光触媒塗膜直下塗膜へのダメージを防止でき、かつ保護層が不要である1層コートタイプの光触媒塗料が待望されている。
また、上述のとおり、建築外壁にはカビや藻等の生物汚染も発生するため、外壁塗膜に防藻、防カビ機能を付与した塗料が提案されており、その防藻、防カビ機能の一つとして、防藻剤及び防カビ剤を使用することが一般的である。かかる防藻剤及び防カビ剤を光触媒光触媒塗膜に添加することは可能であるが、光触媒塗膜の膜厚は非常に薄く、添加できる防藻剤及び防カビ剤の量が制限されるため、光触媒塗膜に、十分な防藻、防カビ性を付与することは難しい。光触媒としては、抗菌性を持つ金属や、光触媒用無機化合物に抗菌性金属を担持させた化合物を含む、光触媒組成物がある。しかしながら、このような光触媒組成物もまた、光触媒塗膜直下塗膜にダメージを与える恐れがある。
本発明は、1層コートタイプ用の、現場施工性の高い光触媒塗料を提供でき、光触媒塗膜直下塗膜を損傷することなく、かつ、必要な光触媒活性を発揮し、さらに耐生物汚染性を向上し、透明性の高い塗膜をなす、光触媒用無機化合物、かかる無機化合物を含む光触媒組成物、光触媒塗膜、及び光触媒塗装製品の提供を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の条件を満たす、光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面に、特定量の抗菌性金属(B)を担持させた、光触媒用無機化合物が、現場施工性の高い光触媒塗料を提供でき、光触媒塗膜直下塗膜を損傷することなく、かつ、必要な光触媒活性を発揮し、さらに耐生物汚染性を向上し、透明性の高い塗膜になることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面に、前記無機化合物に対して0.5〜5質量%の抗菌性金属(B)が担持された、光触媒用無機化合物(AB)であって、
前記無機化合物(A)が、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす、光触媒用無機化合物(AB)。
(i)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素の量([H22])が、80μM以下である;
(ii)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカルの量([・OH])が、1.0μM以下である:
[2]
抗菌性金属(B)が、銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[3]
光触媒活性を有する無機化合物(A)が、酸化チタンである、[1]又は[2]に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[4]
光触媒活性を有する無機化合物(A)が、金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[5]
前記金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物の比表面積が、80〜180m2/gである、[4]に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[6]
抗菌性金属(B)が、前記金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物の表面に、担持されている、[4]又は[5]に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[7]
金属酸化物(C)が、二酸化ケイ素である、[4]〜[6]のいずれかに記載の光触媒用無機化合物(AB)。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の光触媒用無機化合物(AB)と、光触媒活性を有しない無機化合物(D)とを含む、光触媒組成物。
[9]
光触媒活性を有する無機化合物(A)の割合が、光触媒組成物全量に対し、1〜20質量%である、[8]に記載の光触媒組成物。
[10]
光触媒活性を有しない無機化合物(D)が、二酸化ケイ素である、[8]又は[9]に記載の光触媒組成物。
[11]
重合体粒子(E)をさらに含む、[8]〜[10]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[12]
フルオロカーボン界面活性剤(F)をさらに含む、[8]〜[11]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[13]
退色性色素(G)をさらに含む、[8]〜[12]のいずれかに記載の光触媒組成物。
[14]
光触媒活性を有する無機化合物(A)に金属酸化物(C)を修飾させ、金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物を得る工程、及び、
前記金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物に、抗菌性金属(B)を担持させる工程
を含む、光触媒用無機化合物(AB)の製造方法。
[15]
光触媒活性を有する無機化合物(A)を修飾する金属酸化物(C)の割合が、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し1〜30質量%であり、
担持させる抗菌性金属(B)の割合が、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し0.5〜5質量%である、
[14]に記載の光触媒用無機化合物(AB)の製造方法。
[16]
[8]〜[13]のいずれかに記載の光触媒組成物から形成された、光触媒塗膜。
[17]
[16]に記載の光触媒塗膜を備える、光触媒塗装製品。
本発明の光触媒用無機化合物を使用すれば、光触媒塗膜直下塗膜を損傷することなく、その上に保護層が不要のまま必要な光触媒活性を発揮する光触媒層を設けることができる。また、耐生物汚染性を付与でき、透明性の高い塗膜になる、現場施工性に優れる1層コートタイプの光触媒塗料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[光触媒用無機化合物(AB)]
本実施形態の光触媒用無機化合物は、光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面に、前記無機化合物(A)に対して0.1〜5質量%の抗菌性金属(B)が担持された、光触媒用無機化合物(AB)である。
また、本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)における前記無機化合物(A)は、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満たす。
(i)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光(以下、「特定紫外光」ともいう。)を60秒間照射した際に発生する過酸化水素の量([H22]とも表す)が、80μM以下である;
(ii)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカルの量([・OH]とも表す)の量が、1.0μM以下である:
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、後述の製造方法によって製造することができ、光触媒用無機化合物(AB)は水等を含む組成物として得ることができる。したがって、本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)には、水等の溶媒に、溶解又は懸濁した液体状、すなわち、光触媒水系組成物の態様が含まれる。また、本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、上記光触媒水系組成物の水の除去、乾燥等の操作を行うことによって、紛体等として得ることもでき、固体状であってもよい。
上記光触媒水系組成物中の光触媒用無機化合物(AB)は、該光触媒水系組成物全量に対し、0.1〜99.9質量%であれば特に制限されず、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1.0〜30質量%、さらに好ましくは1.5〜10質量%である。
本実施形態の光触媒用無機化合物における光触媒活性を有する無機化合物(A)は、該無機化合物(A)の粒子表面に、抗菌性金属(B)が担持されている。本実施形態における担持とは、無機化合物(A)を担体とし、無機化合物(A)粒子の表面に、抗菌性金属(B)の単原子が相互作用し、付着していることを指す。
ここで、無機化合物(A)の粒子表面が抗菌性金属(B)により担持されている状態は、無機化合物(A)の粒子表面に、直接抗菌性金属(B)が担持されている状態でもよく、後述する金属酸化物(C)のような別の物質を介して、該物質の表面に抗菌性金属(B)が担持されている状態でもよい。
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、光触媒としての性能及び塗膜透明性を向上、すなわち塗膜の白濁度を低下させる観点及び良好な分散性を示す観点から、その二次粒子径が平均(相加平均)で1〜400nmの範囲にあることが好ましく、1〜100nmの範囲にあることがより好ましく、40〜70nmであることがさらに好ましい。なお、光触媒用無機化合物(AB)の粒子形状がロッド形状等の長径と短径とを有する場合、その長径及び短径の相加平均が上記範囲内であることが好ましい。光触媒用無機化合物(AB)の二次粒子径は、任意に選択された50個の粒子を電子顕微鏡観察により測定し、それらの相加平均として導出される。なお、二次粒子径とは、粒子が塗膜中や、塗料中の粒子の状態での粒子径を指す。
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、該光触媒用無機化合物(AB)使用した光触媒塗膜の白濁度を低下させ、塗膜の透明性をさらに向上させることができる。これは、光触媒活性を有する無機化合物(A)に、所定の量の抗菌性金属(B)を担持させることにより、屈折率を低下させることができるためだと考えられる。
(光触媒活性を有する無機化合物(A))
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)における前記無機化合物(A)は、上述の(i)の条件を満たすか、上述の(i)及び上述の(ii)両方の条件を満たす。
特定紫外光を60秒間照射した際に発生する上記活性酸素種量のうち、ヒドロキシルラジカルの量([・OH])が、1.0μM以下であり、好ましくは1.0μM未満であり、より好ましくは0.5μM未満である。
ここで、紫外光とは400nm以下の波長領域のことをいう。また、μMはマイクロモーラーを表し、1μM=10-6M=10-6mol/Lのことである。
活性酸素種のうち、ヒドロキシラジカル(・OHとも表す)は、塗膜に損傷を与えるラジカル種である。[・OH]が1.0μM以下であることによって、上記無機化合物(A)は、・OHの発生量が少なく、光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与えることを抑制することができる、光触媒用無機化合物(AB)として使用できることを意味する。一方、[・OH]の値が1.0μMより大きい光触媒活性を有する無機化合物(A)から得られる光触媒用無機化合物(AB)を触媒塗膜に使用したとき、光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与える傾向にある。
光触媒塗膜直下塗膜を傷めないために、特定紫外光を60秒間照射した際に発生する上記活性酸素種量のうち、過酸化水素の量([H22])が、80μM以下であり、好ましくは20μM以下であり、より好ましくは10μM以下である。
ここで、紫外光とは400nm以下の波長領域のことをいう。また、μMはマイクロモーラーを表し、1μM=10-6M=10-6mol/Lのことである。
活性酸素種のうち、過酸化水素(H22とも表す)は、・OHのようなラジカル種に比べて、安定な物質であり、ラジカル種の寿命(1秒以下)に比べて長寿命であり、光触媒塗膜に存在するとき、遠距離まで移動して光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与える。すなわち、[H22]が80μM以下であることによって、無機化合物(A)は、H22の発生量が少なく、光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与えることを抑制することができる、光触媒用無機化合物(AB)として使用できることを意味する。一方、[H22]の値が80μMより大きい光触媒活性を有する無機化合物(A)から得られる光触媒用無機化合物(AB)を触媒塗膜に使用したとき、光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与える傾向にある。
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、本発明による効果をより有効かつ確実に奏する観点から、上述の(i)及び上述の(ii)両方の条件を満たすことが好ましい。
本実施形態における懸濁液とは、[H22]の測定においては、0.01M NaOH水溶液に、光触媒活性を有する無機化合物(A)を懸濁させた液であり、[・OH]の測定においては、0.1mMのクマリン水溶液に、光触媒活性を有する無機化合物(A)を懸濁させた液である。光触媒活性を有する無機化合物(A)の懸濁液は、具体的には実施例に記載の条件によって調製することができる。
[・OH]及び[H22]を上記範囲内に調整する方法としては、例えば、後述するように、光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面に修飾処理を施すこと等して、活性酸素種量を抑制する方法が挙げられる。メカニズムは完全には解明されていないが、表面修飾した物質により、活性種が失活したり、トラップされたりしていると考えられる。ただし、[・OH]及び[H22]の調整方法はこれらに限定されない。
[H22]の測定は、ルシゲニン化学発光法を用いて行うことができる。暗箱内のマグネティックスターラ上に設置した石英セル(光路(長さ)1cm×幅1cm)に、3.5mLの0.01M NaOH水溶液を添加し、pH9に調整し、そこにさらに15mgの無機化合物(A)の粉末(例えば、ゾルを乾燥して得られたもの。以下同様。)を投入し、懸濁させて懸濁液を得る。次いで、LED(Hamamatsu Photonics(浜松ホトニクス)社製、型番「LC−L2」、波長:365nm、強度5mW/cm2)を光源として、懸濁液が入った上記セルに60秒間の紫外光照射を行う。照射後、0.7mMのルシゲニン溶液を50μL添加し、H22によって生じた化学発光をバンドパスフィルターに通した後、電子冷却光電子増倍管で検出する。
[・OH]の測定は、クマリン蛍光プローブ法を用いて行うことができる。まず、0.1mMのクマリン水溶液を調製し、上記と同じ寸法の石英セル中に15mgのTiO2などの無機化合物(A)の粉末とクマリン水溶液35mLとを懸濁させて懸濁液を得る。この懸濁液に波長365nm、強度5mW/cm2のLED光を60秒照射する。次に、懸濁液からTiO2などの金属化合物(光触媒)粉末を分離するために、照射終了後の懸濁液にKClを0.5g添加し、24時間暗所に静置する。その後、上澄み液をとりサンプルとし、Fluorescence spectrophotometer(850型、HITACHI社製)で蛍光の測定をする(この時、KCl添加による蛍光測定時の光散乱は影響しないことを確認している。)。既知濃度のクマリンの蛍光強度を、上記サンプルの蛍光強度と比較することで・OHを定量する。
本実施形態の光触媒活性を有する無機化合物(A)は、金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物であることが好ましい。粒子表面を処理とは、粒子表面を金属酸化物(C)により、修飾処理することを指す。また、金属酸化物(C)により無機化合物(A)が修飾処理されると、無機化合物(A)の一部又は全部が、金属酸化物(C)により被覆される。
修飾処理をしない場合、H22や・OH等の活性酸素種の発生量が多くなり、光触媒塗膜直下塗膜に損傷を与える傾向がある。修飾する物質としては、例えば、二酸化ケイ素、アルミ、銅酸化物、鉄酸化物等の金属酸化物(C)が挙げられ、その中でも、二酸化ケイ素が好ましい。
ここで、光触媒活性を有する無機化合物(A)が金属酸化物(C)により粒子表面を処理した無機化合物である場合、無機化合物(A)の粒子表面に抗菌性金属(B)が担持されている状態は、無機化合物(A)の粒子表面に直接抗菌性金属(B)が担持されていている状態も、金属酸化物(C)を介して、該金属酸化物(C)の表面に抗菌性金属(B)が担持されている状態も含む。
光触媒活性を有する無機化合物(A)としては、例えば、TiO2、ZnO、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3、BaTiO4、BaTi49、K2NbO3、Nb25、Fe23、Ta25、K3Ta3Si23、WO3、SnO2、Bi2O3、BiVO4、NiO、Cu2O、SiC、MoS2、InPb、RuO2、及びCeO2等が挙げられる。
光触媒活性を有する無機化合物(A)としては、安全性及びコストの観点から、TiO2が好ましい。TiO2にはアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型の結晶構造があるが、いずれも使用できる。
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、上記金属酸化物(C)に抗菌性金属(B)が担持されていることが好ましい。このような状態を形成することにより、光触媒活性を有する無機化合物(A)に、抗菌性金属(B)が担持された上に、さらに金属酸化物(C)が被覆した状態と比較して、抗菌性金属(B)が光触媒用無機化合物(AB)粒子最表面に存在するため、耐生物汚染性の効果を発揮する。
上記光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面を金属酸化物(C)で処理した無機化合物(以下、単に「無機化合物(A’)」という)の比表面積は、好ましくは80〜180m2/gであり、より好ましくは90〜160m2/gであり、さらに好ましくは100〜150m2/gである。
比表面積を80〜180m2/gとすることにより、粒子表面積が増大し、抗菌性金属(B)を担持させる点が多くなるため、抗菌性金属(B)を非常に効率よく、光触媒活性を有する無機化合物(A)及び/又は金属酸化物(C)の表面上に担持させることができ、耐生物汚染性を向上する。
また、比表面積を80〜180m2/gとすることにより、光触媒活性を有する無機化合物(A)の光触媒活性も十分有する。
したがって、比表面積を80〜180m2/gとすることにより、耐生物汚染性と光触媒活性とが両立される。
上記のような比表面積を有する無機化合物(A’)を得る方法としては、例えば、光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面を処理する金属酸化物(C)の量を調整する方法や、反応濃度、温度、及び時間等をコントロールする方法が挙げられる。
比表面積は、窒素(N2)やアルゴン(Ar)等の気体分子を、固体粒子に吸着させ、吸着した気体分子の量から固体粒子の比表面積を測定するBET法で測定することができる。
本実施形態における、光触媒活性を有する無機化合物(A)を修飾する金属酸化物(C)の割合は、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し、上述の比表面積の範囲に調整するために、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。光触媒活性を有する無機化合物(A)を修飾する金属酸化物(C)の割合は、具体的には、実施例の3.表面修飾物の定量に記載の方法にしたがって、算出することができる。
(抗菌性金属(B))
本実施形態における抗菌性金属(B)は、例えば、大腸菌細胞に対する金属イオンの最小発育阻止濃度(MIC)が20mM以下の金属を指す。最小発育阻止濃度(MIC)とは菌の増殖を阻止するために必要な薬剤(ここでは金属イオンを指す)の最小濃度のことである。
本実施形態の抗菌性金属(B)としては、例えば、水銀、銀、金、パラジウム、白金、カドミウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、タリウム、鉛、マンガン等の重金属が挙げられる。これらの中でも、安全性及び実用性の観点から、好ましくは、銅、銀、金、白金、亜鉛であり、より好ましくは、銅、銀、金である。
これらの重金属は、1種であってもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)における抗菌性金属(B)の担持量は、光触媒活性を有する無機化合物(A)の質量に対して0.5〜5質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。抗菌性金属(B)の担持量は、具体的には、実施例に記載の方法によって測定することができる。抗菌性金属(B)の担持量が0.5質量%より小さいと、耐生物汚染性の効果が低くなる傾向にある。抗菌性金属(B)の担持量が5質量%より大きいと、金属による着色が発生し、塗膜外観が優れない傾向にある。
[光触媒用無機化合物(AB)の製造方法]
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、
光触媒活性を有する無機化合物(A)に金属酸化物(C)を修飾させ、金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物を得る工程、
前記金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物に、抗菌性金属(B)を担持させる工程
を含む。
金属酸化物(C)を修飾させた後に、抗菌性金属(B)を担持させる順番であることにより、光触媒活性を有する無機化合物(A)に、直接抗菌性金属(B)を担持させる方法と比較して、抗菌性金属(B)自身が金属コロイド粒子になることを抑制し、効率的に光触媒活性を有する無機化合物(A)や、金属酸化物(C)の表面に、抗菌性金属(B)を担持させることができる。
金属コロイド粒子となることを抑制し、抗菌性金属(B)を担持できる理由としては、光触媒活性を有する無機化合物(A)に金属酸化物(C)を修飾したものは、より比表面積が大きくなり、抗菌性金属(B)の担持が容易になるためであると思われる。
また、抗菌性金属(B)が光触媒用無機化合物(AB)粒子最表面に存在するため、光触媒用無機化合物(AB)が耐生物汚染性の効果を発揮する。
抗菌性金属(B)を担持させる方法としては、例えば、抗菌性金属(B)を含む水溶性化合物を使用し、該水溶性化合物を、無機化合物(A)を含む液中で還元剤により還元し、光触媒活性を有する無機化合物(A)又は金属酸化物(C)の表面に抗菌性金属(B)を析出させる方法等が挙げられる。
還元剤としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、ジボラン、水素化ホウ素塩、ホルムアルデヒド、エタノール等からなる群より選択される1種以上が好適に挙げられる。抗菌性金属(B)を含む水溶性化合物が還元されずに残存すると、抗菌性金属(B)が水溶性を有するため、塗膜中から抗菌性化合物が溶出しやすくなり、耐生物汚染性の持続性が劣る傾向があることから、上記還元剤を適宜選択するとよい。
抗菌性金属(B)を含む水溶性化合物としては、抗菌性金属(B)カチオンと、アニオンとの塩を使用することができる。
光触媒活性を有する無機化合物(A)に金属酸化物(C)を修飾させる方法としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタンを含む水系組成物に金属酸化物(C)の原料となる化合物(例えば二酸化ケイ素で修飾の場合、ケイ酸ナトリウムやテトラエトキシシランなど)を70〜90℃の加温条件で反応させる方法等が挙げられる。
二酸化ケイ素を修飾する方法としては、例えば酸化チタンのスラリーにケイ素の化合物を添加し、中和等して含水酸化物を析出させる。ケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩を用いることができ、それらの中でも、ケイ酸ナトリウムは、無色であり、酸化チタンゾルが着色しないので好ましい。ケイ素の含水酸化物の処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。処理量が前記範囲より少ないと、活性酸素種量が多くなり光触媒塗膜直下塗膜を傷めてしまい好ましくない。また、処理量が前記範囲より多いと、逆に酸化チタンが凝集し、ゾルの粘度が上昇しやすく、分散性が悪化し、透明性に優れたものが得られ難いため好ましくない。
本実施形態の製造方法において、光触媒活性を有する無機化合物(A)を修飾する金属酸化物(C)の割合は、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。
本実施形態の製造方法において、抗菌性金属(B)の担持量は、光触媒活性を有する無機化合物(A)の質量に対して0.5〜5質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。抗菌性金属(B)の担持量は、具体的には、実施例に記載の方法によって測定することができる。
[光触媒組成物]
本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)は、光触媒活性を有しない無機化合物(D)を配合し、光触媒組成物とすることができる。すなわち、本実施形態の一つは、本実施形態の光触媒用無機化合物(AB)と、光触媒活性を有しない無機化合物(D)とを含む、光触媒組成物である。
本実施形態の光触媒組成物は、塗膜外観の観点から、光触媒組成物中の、光触媒活性を有する無機化合物(A)の割合が1〜20質量%であることが好ましい。この範囲であることにより光触媒としての性能及び塗膜透明性を兼ね備えたものとなる。また、光触媒活性を有する無機化合物(A)の割合は、より好ましくは3〜15質量%であり、さらに好ましくは7〜15質量%である。
(無機化合物(D))
光触媒活性を有しない無機化合物(D)としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子、珪酸カルシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化ジルコニウム粒子、及び、これらの複合酸化物粒子等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、表面水酸基が多く、無機化合物粒子の表面積が大きくなり、無機化合物粒子同士の結合、又は、無機化合物と重合体粒子との結合を強固にできるという観点から、二酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子、及び、これらの複合酸化物粒子が好ましく、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカが溶媒中に分散した、コロイダルシリカ粒子がより好ましい。
コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法により調製したものを使用することもでき、市販品を利用することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober etal;J.Colloid and Interface Sci.,26,62−69(1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6,792−801(1990)、色材協会誌,61[9]488−493(1988)等を参照することができる。
コロイダルシリカとしては、例えば、水を分散媒体とする、酸性のコロイダルシリカ及び塩基性のコロイダルシリカ、並びに、水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカ等が挙げられる。
酸性のコロイダルシリカとしては、例えば、市販品として日産化学工業(株)製スノーテックス(登録商標)−O、スノーテックス−OS、旭電化工業(株)製アデライト(登録商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(登録商標)20H12、クレボゾール30CAL25等を挙げることができる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン等の添加により安定化したシリカ等が挙げられ、具体的には、日産化学工業(株)製スノーテックス−NS、スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−L等;旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50等;クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50等;デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30等;を挙げることができる。
水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPAST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)等を挙げることができる。
これらのコロイダルシリカは、1種、又は2種類以上を組み合わせてもよい。
コロイダルシリカは、少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウム等を含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)を含んでいてもよい。
無機化合物(D)の粒子径は、好ましくは平均で100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。また、粒子径が平均で10nm以下の無機酸化物粒子は、得られる光触媒塗膜の透明性が非常に高くなる観点から、よりさらに好ましい。
無機化合物(D)の粒子径(数平均粒子径)は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定することができる。
本実施形態の光触媒組成物は、塗膜の親水性、耐候性の観点から、光触媒活性を有しない無機化合物(D)の割合は、光触媒組成物全量に対し、好ましくは40〜99質量%であり、より好ましくは40〜90質量%であり、さらに好ましくは45〜85質量%である。
(重合体粒子(E))
本実施形態の光触媒組成物は、重合体粒子(E)をさらに含むことが好ましい。
本実施形態の光触媒組成物に使用できる重合体粒子(E)としては、全ての合成樹脂及び天然樹脂が使用可能である。また、その形態については、ペレットの形態であっても、溶媒に溶解あるいは分散した形態であってもよく、特に制限はないが、コーティング用としての樹脂塗料の形態が好ましい。
樹脂塗料の例としては、油性塗料、ラッカー、溶剤系合成樹脂塗料(アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン−アクリル樹脂系、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系、ビニル樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、塩化ゴム系等)、水系合成樹脂塗料(エマルジョン系、水性樹脂系等)、無溶剤合成樹脂塗料(粉体塗料等)、無機質塗料、電気絶縁塗料等を挙げることができる。
これらの樹脂塗料の中で、光触媒に対し難分解性であるシリコーン系樹脂やフッ素系樹脂、さらにはシリコーン系樹脂とフッ素系樹脂の併用系の樹脂塗料が好ましく用いられる。
このようなシリコーン系樹脂としては、例えばアルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシランやそれらの加水分解生成物(ポリシロキサン)及び/又はコロイダルシリカ、さらにはシリコーン含有量1〜80質量%のアクリル−シリコーン樹脂、エポキシ−シリコーン樹脂、ウレタン−シリコーン樹脂やアルコキシシラン及び/又はオルガノアルコキシシランやそれらの加水分解生成物(ポリシロキサン)及び/又はコロイダルシリカを1〜80質量%含有する樹脂等が挙げられる。これらのシリコーン系樹脂は、溶剤に溶けたタイプ、分散タイプ、粉体タイプのいずれであってもよく、また架橋剤、触媒等の添加剤が含まれていてもよい。
本実施形態の光触媒組成物は、耐候性の観点から、光触媒活性を有しない重合体粒子(E)の割合が、光触媒組成物全量に対し、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは0〜30質量%であり、さらに好ましくは0〜20質量%である。
(フルオロカーボン界面活性剤(F))
本実施形態の光触媒組成物は、フルオロカーボン界面活性剤(F)をさら更に含むことが好ましい。これにより、本実施形態の水系コーティング剤組成物やこれを含む水系塗料を用いて塗装する際における、有機基材等への濡れ性が一層向上し、はじき等の外観上のトラブルも一層抑制することができる。さらには、塗膜の均一性も一層向上する。これらの理由としては定かではないが、(F)成分を含有することにより、水系コーティング剤組成物の表面張力を低下させることができると推測される(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
(F)成分としては、特に限定されないが、両性界面活性剤が好ましい。両性界面活性剤としては、例えば、非イオン性両性界面活性剤、陰イオン性両性界面活性剤、陽イオン性両性界面活性剤等が挙げられる。好ましい具体例としては、例えば、炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤が挙げられる。
炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物等が挙げられる。これらの中でも、塗料の表面張力の低下の観点から、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物が好ましい。
パーフルオロアルキルカルボン酸塩としては、例えば、市販品を用いることもできる。パーフルオロアルキルカルボン酸塩の市販品としては、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−211」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルアミンオキシドとしては、例えば、市販品を用いることもできる。パーフルオロアルキルアミンオキシドの市販品としては、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−241」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物としては、例えば、市販品を用いることもできる。パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物のような市販品としては、例えば、DIC社製の「メガファックF−444」、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−242」等が挙げられる。
陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物としては、例えば、市販品を用いることもできる。陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物のような市販品としては、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」等が挙げられる。
これらパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系コーティング剤組成物中の(F)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0001〜0.50質量%であり、より好ましくは0.01〜0.10質量%である。(F)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、得られる塗膜の均一性が一層向上する。(F)成分の含有量を上記上限値以下とすることで、得られる塗膜の耐候性が一層向上する。
本実施形態の光触媒組成物は、退色性色素(G)をさらに含むことが好ましい。これにより、塗装忘れ、重複塗装、塗装むら等のトラブルを防ぐことができる。
(G)成分としては、太陽光の照射により失色し、下地の意匠性を損ねないものが好ましい。失色までの時間は季節や照射方角等により異なるが、通常、目視で失色が確認されるまでの期間が、好ましくは20日以下であり、より好ましくは10日以下であり、さらに好ましくは3日以下である。
(G)成分としては、太陽光の照射で失色する性質を有するものであれば特に限定されないが、好適例としては、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、及びファーストグリーンFCFからなる群より選ばれる1種等が挙げられる。これらの中でも、発色性が良く、失色速度も早い観点から、メチレンブルーがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系コーティング剤組成物中の(G)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0002〜0.01質量%であり、より好ましくは0.001〜0.007質量%である。水系コーティング剤組成物中の(G)成分の含有量を上記範囲とすることで、塗膜の発色性や退色性が一層向上する。ここでいう発色性とは、塗装面と未塗装面が色の違いから目視で区別される程度まで発色する性質をいい、退色性とは、基材の意匠性を損ねない色の程度まで退色する性質をいう。
水系コーティング剤組成物から得られる塗膜中の(G)成分の含有量は、特に限定され
ないが、好ましくは0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜0.2質
量%であり、更に好ましくは0.1〜0.2質量%である。(G)成分の含有量を上記下
限値以上とすることで、塗膜の発色性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜
の退色性が一層向上する。
[光触媒塗膜]
本実施形態の光触媒組成物は、光触媒塗膜を形成することができる。すなわち、本実施形態の一つは、本実施形態の光触媒組成物から形成された、光触媒塗膜である。
本実施形態の光触媒塗膜の膜厚は特に限定されないが、0.05〜50μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.2〜2.0μmであることが更に好ましい。この厚さが50μm以下であることにより、良好な透明性を確保することができ、0.05μm以上であることにより、防汚性、光触媒活性等の機能をより有効に発現することができる。
本実施形態の光触媒塗膜には、そこに含まれる各粒子の分散安定性の観点から、分散安定剤が含まれていてもよい。分散安定剤としては、例えば、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、アクリル樹脂に代表される合成若しくは天然の各種の高分子物質等が挙げられる。分散安定剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いられる。
また、本実施形態の光触媒塗膜には、その用途及び使用方法などに応じて、通常の塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、溶剤、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調製剤等が含まれていてもよい。前述したように防藻防カビ剤を光触媒塗膜に添加しても防藻防カビ性能は付与できないと推測されるが、もし添加してもその他塗膜性能には影響がないと思われる。
本実施形態の光触媒塗膜は、光触媒組成物を基体又は基体を被覆するコーティングの表面に塗布して乾燥することにより得られる。光触媒組成物を塗布する基体材料としては、例えば合成樹脂、天然樹脂、繊維に代表される有機基材、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリートに代表される無機基材や、それらの組み合わせが挙げられる。
上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂等)が挙げられる。その具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂が挙げられる。また、上記天然樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、天然ゴムに代表されるイソプレン系樹脂、カゼインに代表されるタンパク質系樹脂等が挙げられる。
基体が樹脂板や繊維である場合、その表面は、コロナ放電処理やフレーム処理、プラズマ処理等の表面処理がされていてもよいが、これらの表面処理は必須ではない。
本実施形態の光触媒塗膜は、光触媒組成物をその用途等に応じて、任意の方法で塗布され得られる。塗布方法としては、例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。
本実施形態の光触媒塗膜は、光触媒組成物を塗布した後、乾燥して揮発分を除去することにより得られる。この際、例えば、20℃〜80℃の低温で乾燥した後、所望により、好ましくは20℃〜500℃、より好ましくは40℃〜250℃の熱処理を行ってもよく、紫外線照射等を行ってもよい。
[光触媒塗装製品]
本実施形態の光触媒塗装製品は、本実施形態の光触媒塗膜を備える製品であり、基体と、その基体上に形成された上記光触媒塗膜とを備える。この光触媒塗装製品は、本実施形態の光触媒塗膜を備える他は公知の態様と同様であればよい。本実施形態の光触媒塗装製品の具体例としては、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、住宅等建築設備、車両用照明灯のカバー、窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用、鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等の外部で用いられる電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。この光触媒塗装製品は、基体の表面に光触媒組成物を塗布し乾燥し、基体上に光触媒塗膜を形成することによって得てもよいが、その製造方法はこれに限定されない。例えば、基体と光触媒塗膜とを同時に成形してもよく、より具体的には一体成形してもよい。
また、本実施形態の光触媒塗膜をある基体上に成形した後、その光触媒塗膜をその基体から剥離させた又はその基体と密着させた状態で、別の基体に接着、融着等により密着させてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限
定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である
以下の、製造例、実施例、及び比較例、並びに、製造実施例、及び製造比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。各種の物性は以下に示す方法で測定した。
1.H22の定量
[H22]の測定は、ルシゲニン化学発光法を用いて行った。
まず、暗箱内のマグネティックスターラ上に設置した石英セル(光路(長さ)1cm×幅1cm)に、3.5mLの0.01M NaOH水溶液を添加し、pH9に調整し、そこにさらに15mgの、ゾルを乾燥して得られた無機化合物(A)の粉末を投入し、懸濁させて懸濁液を得た。
次に、LED(Hamamatsu Photonics(浜松ホトニクス)社製、型番「LC−L2」、波長:365nm、強度5mW/cm2)を光源として、懸濁液が入った上記セルに60秒間の紫外光照射を行った。照射後、0.7mMのルシゲニン溶液を50μL添加し、H22によって生じた化学発光をバンドパスフィルターに通した後、電子冷却光電子増倍管で検出した。化学発光の検出量から、[H22]を導出した。
2.ヒドロキシラジカルの定量
[・OH]の測定は、クマリン蛍光プローブ法を用いて行った。
まず、0.1mMのクマリン水溶液を調製し、石英セル(光路(長さ)1cm×幅1cm)中に15mgの、ゾルを乾燥して得られた無機化合物(A)とクマリン水溶液35mLとを懸濁させて懸濁液を得た。この懸濁液に波長365nm、強度5mW/cm2のLED光を60秒照射した。
次に、無機化合物(A)粉末を分離するために、照射終了後の懸濁液にKClを0.5g添加し、24時間暗所に静置した。
その後、上澄み液をとりサンプルとし、Fluorescence spectrophotometer(850型、HITACHI社製)で蛍光の測定をした(この時、KCl添加による蛍光測定時の光散乱は影響しないことを確認している。)。既知濃度のクマリンの蛍光強度を、上記サンプルの蛍光強度と比較することで・OHを定量し、[・OH]の値を導出した。
3.表面修飾物の定量
蛍光X線分析装置を用いて、理論と基礎定数Fundamental Parameter(FP)により定量分析を行なうFP法にて定量を行った。
4.粒子径
(光触媒用無機化合物(AB)の二次粒子径)
光触媒用無機化合物(AB)の二次粒子径は、任意に選択された50個の粒子を電子顕微鏡観察により測定し、それらの相加平均として導出した。
(無機化合物(D)及び重合体粒子(E)の数平均粒子径)
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日本国日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
5.塗膜の膜厚
塗膜の膜厚を、ハロゲン光源装置(MORITEX社製、商品名「MHF−D100LR」)を装着した膜厚測定装置(SPECTRA・COOP社製、商品名「HandyLambda II THICKNESS」)を用いて測定した。
6.塗装性
試験板を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、NeoScope JCM-5000)にて塗膜表面状態を観察、撮影し、光触媒塗膜率を塗装率として算出した。
[評価基準]
○ :塗装率が80%以上であった。
△ :塗装率が80〜50%であった。
× :塗装率が50%以下であった。
7.光触媒活性(色素分解活性)
JIS R1703−2に準拠して求めた。試験片浄化条件は、照度1mW/cm2で24時間照射、メチレンブルー吸着条件は、吸着液濃度0.02mMで吸着時間24時間照射、メチレンブルーの分解測定条件は、照度1mW/cm2、試験液濃度0.01mM、注入量35mL、照射後に採取した試験液の吸光スペクトルを分光光度計で測定し、分解活性指数(nM/min)を算出した。吸光度測定波長は664nmであった。
[評価基準]
◎ :分解活性指数が10nM/min以上であった。
○ :分解活性指数が7nM/min以上、10nM/min未満であった。
○△:分解活性指数が5nM/min以上、7nM/min未満であった。
× :分解活性指数が5nM/min未満であった。
8.光触媒塗膜直下塗膜の劣化観察
試料をエポキシ樹脂(商品名、Quetol812)に包埋後、独国Reichert社製ULTRACUT−N型ミクロトーム(商品名)により50〜60nmの厚さの超薄切片を作製し、支持膜を張ったメッシュに積載した後、カーボン蒸着を行い、検鏡用試料とし、TEM(日立製HF2000型、加速電圧:125kV)により塗膜断面の観察を行い、光触媒塗膜直下塗膜の劣化状態を評価した。
[評価基準]
○ :光触媒塗膜直下塗膜の劣化が観察されなかった。
○△:光触媒塗膜直下塗膜の劣化が極僅かに観察されたが、全体的には問題ないと判断された。
△ :光触媒塗膜直下塗膜の劣化が一部観察された。
× :光触媒塗膜直下塗膜の劣化が全体的に観察された。
9.防藻性、防カビ性(短期)
藻類が存在するシャーレー中に試験体を入れ、一定温度に保った恒温槽中に入れ試験を実施した。判定は試験開始後4週間目で判定した。また、防カビ性はJIS Z2911:2010に準拠してカビ抵抗性試験を実施した。判定は試験開始後2週間目で判定した。
[評価基準]
○ :藻及びカビの生育が見られなかった。
△ :わずかな藻及びカビの生育が見られるが全体的には問題ないと判断された。
× :藻及びカビの生育が明らかに見られた。
10.防藻性、防カビ性(長期)
千葉県銚子市の近隣に森林があり、芝生の生えている土地に試験体を北面90°にて屋外曝露試験を実施した。判定は曝露後1年で判定した。
[評価基準]
○ :目視観察、顕微鏡観察(40倍)で藻、カビの生育は見られなかった。
△ :目視観察で藻、カビの生育はみられないが、顕微鏡観察(40倍)では生育が見られなかった。
× :目視観察で藻、カビの生育が見られた。
11.透明性(塗膜の白濁度)
ガラス板((株)テストピース製 並板ガラス;60mm*60mm*2mm)の下に黒紙を敷いた状態での色差を測定した。その後、ディップコーター(アイデン社製 DC4200、昇降速度:下降時 10mm/秒、上昇時 10mm/秒)にて塗布し、塗布後2日間乾燥。その後、照度5000Lxに調整した蛍光灯下で10日間放置し着色剤を脱色させた試験体の色彩色差を測定した。塗布前後での色差(明度差ΔL)を評価した。なお、色差は、カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。色差ΔLが低いほど、透明性が高く、外観性に優れることを意味する。
[評価基準]
○ :色差ΔLが1.6未満であった。
△ :色差ΔLが1.6〜3.0未満であった。
× :色差ΔLが3.0以上であった。
12.耐候性(SWOM5000時間曝露後の色差)
スガ試験機社製のサンシャインウエザーメーターを用いて曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行い、曝露前と曝露開始5000時間後との間での色差を上記7の方法で測定し、曝露前の色差を標準とし、曝露前後の状態変化をΔE*として評価した。なお、色差は、カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。色差ΔE*が低いほど、外観性に優れ、耐候性に優れることを意味する。
[評価基準]
○ :ΔE*が2未満であった。
○△:ΔE*が2以上、3未満であった。
△ :ΔE*が3以上、5未満であった。
× :ΔE*が5以上であった。
[製造例1]シリカ修飾ルチル型酸化チタン
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、系のpHを5〜9に維持するように水中に並行添加した。その後、系のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度28.3質量%の酸化チタン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有し、その平均粒径は8nmであった。
得られたルチル型酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、さらに、酸化チタンと硝酸とのモル比(酸化チタン/硝酸)が1となるよう、1規定の硝酸を1L添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間保持して、酸加熱処理を行った。次いで、酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いて中和(pH=6.7)して、濾過した後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、リパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散させ、pH=10.5、固形分濃度10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mlを添加し、その後90℃に昇温して、1時間熟成した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理した。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去、及び濃縮を行ない、pH=7.3、固形分濃度29質量%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。Ti2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの平均粒径は60nmであった。また、シリカ修飾ルチル型酸化チタンの比表面積は、145m2/gであった。
[製造例2]シリカ修飾アナタース型酸化チタン
チタン鉱石を硫酸と反応させ、得られた硫酸チタン溶液を加熱加水分解して生成させた凝集メタチタン酸をTiO2換算30質量%の水性スラリーとし、このスラリーをアンモニア水でpH7に中和し、その後濾過洗浄して硫酸根を除去し、脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキに硝酸を加えて解膠処理して、アナタース型結晶構造を含む酸化チタン微粒子(二次粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算200g/Lの酸化チタンゾル600mlとした後、70℃に昇温し、次いで、SiO2換算濃度432g/Lのケイ酸ナトリウム水溶液20.8mlを20%硫酸と同時に添加し、その後、30分間熟成した。次いで、10質量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを8に調整した後、2%硫酸水溶液でpHを6に調整し、濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定な酸化チタンゾル(固形分濃度20質量%。pH=7.5)を得た。この試料には、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2 100質量部に対して、SiO2換算で7質量部であった。また、シリカ修飾ルチル型酸化チタンの比表面積は、90m2/gであった。
[製造例1]、[製造例2]、[市販品1](石原産業(株)製、アナターゼ型酸化チタンST−01)、及び、[市販品2](テイカ(株)製、ルチル型酸化チタンMT150A)の[H22]、[・OH]を表1に示す。
[実施例1]銀担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度5質量%)を、担持量に応じて、1.26g〜5.04g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を0.85g〜3.4gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g〜12.72gとを添加した。添加後、1時間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は約60nm前後であった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、銀担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[実施例2]銅担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、塩化銅水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、0.11g〜0.22g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を0.85g〜3.4gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g〜12.72gとを添加した。添加後、1時間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は60〜70nmであった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[実施例3]金担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、塩化金酸水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、0.08g〜0.33g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を0.85g〜3.4gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g〜12.72gとを添加した。添加後、1時間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は60nm前後であった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、金担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[実施例4]銀−銅担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、1.89g〜2.52g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度=10%)を1.28g〜1.7gとタンニン酸水溶液(濃度=1%)を4.77g〜6.36gとを添加した。添加後、45分間撹拌し、その後塩化銅水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、0.11g〜0.16g添加し、その直後タンニン酸水溶液(濃度1質量%)3.18g〜4.77gを添加した。添加後、45分間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は約60nmであった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、銀−銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、銀−銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[実施例5]銅−金担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、塩化金酸水溶液(濃度5質量%)を0.17g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を1.7gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を6.36gとを添加した。添加後、45分間撹拌し、その後塩化銅水溶液(濃度5質量%)を0.11g添加し、その直後タンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g添加した。添加後、45分間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は約60nmであった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、銅−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、銅−金担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[実施例6]銀−金担持酸化チタン
[製造例1]及び[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体(固形分2質量%)400gを、それぞれについて、500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、硝酸銀水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、1.26g〜2.52g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を0.85g〜1.7gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g〜6.36gとを添加した。添加後、45分間撹拌し、その後塩化金酸水溶液(濃度5質量%)を0.17g添加し、その直後タンニン酸水溶液(濃度1質量%)を6.36g添加した。添加後、45分間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は約60nmであった。
[製造例1]で得られた酸化チタン水分散体から、銀−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを得た。[製造例2]で得られた酸化チタン水分散体から、銀−金担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを得た。
[比較例1]銅担持ルチル型酸化チタン
[市販品2](テイカ(株)製ルチル型酸化チタンMT150A)の水分散体(固形分2質量%)400gを500mLフラスコに仕込み、80℃に加温した。80℃に達したとき、塩化銅水溶液(濃度5質量%)を担持量に応じて、0.11g〜0.22g添加し、その直後クエン酸三ナトリウム水溶液(濃度10質量%)を0.85g〜3.4gとタンニン酸水溶液(濃度1質量%)を3.18g〜12.72gとを添加した。添加後、1時間撹拌し、撹拌後室温まで冷却したものを合成物とした。得られた合成物中の酸化チタンの平均二次粒子径は200nmであった。
[製造例3]重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水830g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン90.7g、メチルトリメトキシシラン83.5gからなる混合液と水10gとを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その際、ジメチルジメトキシシランとメチルトリメトキシシランからなる混合液を滴下後1時間経過した時点で10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液2gを投入した。ジメチルジメトキシシランとメチルトリメトキシシランからなる混合液を全量滴下後、反応器中の温度を80℃に維持して約30分撹拌を続けた後、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入し、反応器中の温度を80℃に維持して2.5時間撹拌を続けた。
次に、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液26.4gを投入し、アクリル酸n−ブチル0.1g、フェニルトリメトキシシラン36.7g、テトラエトキシシラン27.8g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液にさらに水10gを添加したものと、ジエチルアクリルアミド0.1g、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(商品名「アクアロンKH−1025」、第一工業製薬(株)製、固形分25%水溶液)2.3g、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液120g、及びイオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として、数平均粒子径20nmの重合体エマルジョン粒子(E−1)の水分散体を得た。
[製造例4]重合体エマルジョン粒子(E2)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン140.0g、フェニルトリメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン5.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液16.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、フェニルトリメトキシシラン26.8g、テトラエトキシシラン28.6g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、過硫酸アンモニウムの2.0質量%水溶液30g、及びイオン交換水170.0gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分量を10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径119nmの重合体(E2)の水分散体を得た。
[製造例5]重合体エマルジョン粒子(E3)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン110.0g、フェニルトリメトキシシラン73.0g、メチルトリメトキシシラン29.4gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン12.3g、テトラエトキシシラン28.6g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、過硫酸アンモニウムの2.0質量%水溶液30g、及びイオン交換水286.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分量を10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径155nmの重合体(E3)の水分散体を得た
[製造実施例1]
実施例1で作製した銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀担持量が酸化チタンに対し1質量%の銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを、光触媒用無機化合物(AB1)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、塩基性のコロイダルシリカである、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−1)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−1)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−1)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−1)を得た。この試験板(I−1)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例2]
実施例1で作製した銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀担持量が酸化チタンに対し2質量%の銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを、光触媒用無機化合物(AB2)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB2)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−2)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−2)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−2)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−2)を得た。この試験板(I−2)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例3]
実施例2で作製した銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銅担持量が酸化チタンに対し1質量%の銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを、光触媒用無機化合物(AB3)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB3)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−3)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−3)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−3)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−3)を得た。この試験板(I−3)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例4]
実施例3で作製した金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、金担持量が酸化チタンに対し1質量%の金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを、光触媒用無機化合物(AB4)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB4)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−4)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−4)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−4)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−4)を得た。この試験板(I−4)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例5]
実施例3で作製した金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、金担持量が酸化チタンに対し2質量%の金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB5)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB5)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−5)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−5)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−5)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−5)を得た。この試験板(I−5)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例6]
実施例4で作製した銀−銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀/銅担持量が酸化チタンに対し1質量%/0.5質量%の銀−銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB6)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB6)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−6)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−6)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−6)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−6)を得た。この試験板(I−6)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例7]
実施例4で作製した銀−銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀/銅担持量が酸化チタンに対し0.75質量%/0.75質量%の銀−銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(A7)として使用した。
光触媒用無機化合物(A7)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−7)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−7)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−7)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−7)を得た。この試験板(I−7)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例8]
実施例5で作製した銅−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銅/金担持量が酸化チタンに対し0.5質量%/1質量%の銅−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB8)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB8)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−8)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−8)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−8)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−8)を得た。この試験板(I−8)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例9]
実施例6で作製した銀−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀/金担持量が酸化チタンに対し0.5質量%/1質量%の銀−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB9)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB9)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−9)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−9)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−9)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−9)を得た。この試験板(I−9)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例10]
実施例6で作製した銀−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンのうち、銀/金担持量が酸化チタンに対し1質量%/1質量%の銀−金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB10)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB10)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−10)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−10)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−10)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−10)を得た。この試験板(I−10)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例11]
光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−11)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−11)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−11)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−11)を得た。この試験板(I−11)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例12]
光触媒用無機化合物(AB2)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−12)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−12)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−12)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−12)を得た。この試験板(I−12)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例13]
光触媒用無機化合物(AB3)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−13)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−13)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−13)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−13)を得た。この試験板(I−13)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例14]
光触媒用無機化合物(AB4)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−14)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−14)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−14)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−14)を得た。この試験板(I−14)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例15]
質量%光触媒用無機化合物(AB6)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−15)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−15)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−15)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−15)を得た。この試験板(I−15)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例16]
実施例1で作製した銀担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンのうち、銀担持量が酸化チタンに対し1質量%の銀担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB11)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB11)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−16)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−16)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−16)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−16)を得た。この試験板(I−16)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例17]
実施例2で作製した銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンのうち、銅担持量が酸化チタンに対し1質量%の銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB12)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB12)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−17)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−17)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−17)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−17)を得た。この試験板(I−17)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例18]
実施例4で作製した銀−銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンのうち、銀/銅担持量が酸化チタンに対し1質量%/0.5質量%の銀−銅担持シリカ修飾アナタース型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB13)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB13)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−18)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−18)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−18)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−18)を得た。この試験板(I−18)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例19]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)93.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体64.4g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水515.5gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−19)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−19)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−19)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−19)を得た。この試験板(I−19)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例20]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)65.7gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体128.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水515.5gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−20)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−20)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−20)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−20)を得た。この試験板(I−20)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例21]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)52.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体160.9g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水482.61gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−21)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−21)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−21)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−21)を得た。この試験板(I−21)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例22]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)273.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)82.1gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体64.4g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水439.0gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−22)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−22)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−22)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−22)を得た。この試験板(I−22)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例23]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)273.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)68.45gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体96.6g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水420.5gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−23)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−22)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−23)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−23)を得た。この試験板(I−23)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例24]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)273.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)27.35gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体193.2g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水364.98gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−24)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−24)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−24)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−24)を得た。この試験板(I−24)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例25]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、酸性のコロイダルシリカである、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水574.6gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−25)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−25)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−25)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−25)を得た。この試験板(I−25)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例26]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、酸性のコロイダルシリカである、数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(D3)(商品名「スノーテックスO−40」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水574.6gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−26)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−26)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−26)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−26)を得た。この試験板(I−26)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例27]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.5gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−27)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−27)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−27)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−27)を得た。この試験板(I−27)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例28]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)として163.8gと、数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスO−40」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水552.5gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−28)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−28)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−28)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−28)を得た。この試験板(I−28)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例29]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例4に示す重合体エマルジョン粒子(E2)水分散体32.9g(固形分10.0質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水558.3gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−29)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−29)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−29)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−29)を得た。この試験板(I−29)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例30]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例5に示す重合体エマルジョン粒子(E3)水分散体32.9g(固形分10.0質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水558.3gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−30)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−30)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−30)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−30)を得た。この試験板(I−30)の各種評価結果を表3に示す。
[製造実施例31]
光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、塩基性のコロイダルシリカである、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物である、フルオロカーボン界面活性剤(F2)(AGCセイミケミカル社製「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−31)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−31)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−31)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−31)を得た。この試験板(I−31)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例32]
光触媒用無機化合物(AB3)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F2)(AGCセイミケミカル社製「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−32)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−32)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−32)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−32)を得た。この試験板(I−32)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例33]
光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F2)(AGCセイミケミカル社製「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−33)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−33)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−33)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−33)を得た。この試験板(I−33)の各種評価結果を表2に示す。
[製造実施例34]
実施例2光触媒用無機化合物(AB3)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体38.7g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F2)(AGCセイミケミカル社製「サーフロンS−232」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水530.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−34)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−34)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−34)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−34)を得た。この試験板(I−34)の各種評価結果を表2に示す。
[製造比較例1]
[市販品1](石原産業(株)製アナターゼ型酸化チタンST−01)を光触媒用無機化合物(AB14)として163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−31)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−31)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−31)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−31)を得た。この試験板(I−31)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例2]
[市販品2](テイカ(株)製ルチル型酸化チタンMT150A)を光触媒用無機化合物(AB15)として163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−32)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−32)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−32)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−32)を得た。この試験板(I−32)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例3]
[製造例1]のシリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB16)として163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−33)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−33)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−33)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−33)を得た。この試験板(I−33)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例4]
[製造例2]のシリカ修飾アナタース型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB17)として163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−34)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−34)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−34)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−34)を得た。この試験板(I−34)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例5]
[実施例1]と同様の方法で作製した、銀担持が6質量%の銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB18)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB18)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−35)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−35)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−35)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−35)を得た。この試験板(I−35)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例6]
[実施例1]と同様の方法で作製した、銀担持が0.1質量%の銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB19)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB19)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−36)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−36)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−36)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−36)を得た。この試験板(I−36)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例7]
[比較例1]の銅担持ルチル型酸化チタンのうち、銅担持量が酸化チタンに対し1質量%の銅担持ルチル型酸化チタンを光触媒用無機化合物(AB20)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB20)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−37)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−37)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−37)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−37)を得た。この試験板(I−37)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例8]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gと、炭化水素系界面活性剤(F’)(商品名「ペレックスOT−P」、花王(株)製)0.99gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−38)を作製した。退色性色素(G)は使用しなかった。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−38)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−38)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−38)を得た。この試験板(I−38)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例9]
製造例光触媒用無機化合物(AB16)59.56gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)52.0gと、製造例4に示す重合体エマルジョン粒子(E2)水分散体160.9g(固形分10.0質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水586.55gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−39)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−39)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−39)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−39)を得た。この試験板(I−39)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例10]
実施例1質量%光触媒用無機化合物(AB1)826.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)22.8gと、製造例3に示す重合体エマルジョン粒子(E1)水分散体73.8g(固形分8.5質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−40)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−40)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−40)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−40)を得た。この試験板(I−40)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例11]
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D2)(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)104.0gと、製造例4に示す重合体エマルジョン粒子(E2)水分散体65.4g(固形分10.0質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水689.0gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−41)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−41)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−41)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−41)を得た。この試験板(I−41)の各種評価結果を表3に示す。
[製造比較例12]
実施例1で作製した銀担持酸化チタンのうち、シリカ修飾がされていない酸化チタン水分散体に、上記と同様の方法で銀を担持させ、その後に[製造例1]記載と同様の方法でシリカ修飾させた銀担持酸化チタン(銀担持量1質量%)を光触媒用無機化合物(AB1’)として使用した。
光触媒用無機化合物(AB1’)163.8gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(D1)(商品名「スノーテックスNS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)120.6gとフルオロカーボン界面活性剤(F)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.99gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(G)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)140gと、水656.2gとを、混合し攪拌することにより光触媒組成物(H−42)を作製した。
片面(裏面)に白色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め100μmの膜厚で塗工した10cm×10cmのガラス板を準備した。このガラス板の片面(表面)に上記光触媒組成物(H−42)をスプレー法にて塗布した。その後、塗布した光触媒組成物(H−42)を常温で1時間乾燥することにより、光触媒塗膜が形成された試験板(I−42)を得た。この試験板(I−42)の各種評価結果を表3に示す。
本発明の光触媒用無機化合物(AB)を使用すれば、光触媒塗膜直下塗膜の上に、保護層が不要のまま必要な光触媒活性を発揮する光触媒層を設けることができる。本発明の光触媒用無機化合物(AB)は、さらに抗菌性を付与することにより、防藻性及び防カビ性を付与でき、現場施工性に優れ、透明性の高い1層コートタイプの光触媒塗料を提供できる。本発明の光触媒塗膜は、セルフクリーニング性に優れ、建築外装、内装材、外装表示用途、自動車、ディスプレイ等の分野において産業上の利用可能性を有する。

Claims (15)

  1. 光触媒活性を有する無機化合物(A)の粒子表面に、前記無機化合物に対して0.5〜5質量%の抗菌性金属(B)が担持された、光触媒用無機化合物(AB)であって、
    前記無機化合物(A)が、以下の(i)の条件を満たすか、以下の(i)及び以下の(ii)両方の条件を満た
    前記無機化合物(A)が、金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物であり、
    前記抗菌性金属(B)が、前記金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物の表面に、担持されている、
    光触媒用無機化合物(AB)。
    (i)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生する過酸化水素の量([H22])が、80μM以下である;
    (ii)該無機化合物(A)を含む懸濁液に、波長380nm以下、強度5mW/cm2の紫外光を60秒間照射した際に発生するヒドロキシラジカルの量([・OH])が、1.0μM以下である:
  2. 抗菌性金属(B)が、銅、銀、金、白金、及び亜鉛からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
  3. 光触媒活性を有する無機化合物(A)が、酸化チタンである、請求項1又は2に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
  4. 前記金属酸化物(C)により、粒子表面を処理した無機化合物の比表面積が、80〜180m2/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
  5. 金属酸化物(C)が、二酸化ケイ素である、請求項のいずれか一項に記載の光触媒用無機化合物(AB)。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光触媒用無機化合物(AB)と、光触媒活性を有しない無機化合物(D)とを含む、光触媒組成物。
  7. 光触媒活性を有する無機化合物(A)の割合が、光触媒組成物全量に対し、1〜20質量%である、請求項に記載の光触媒組成物。
  8. 光触媒活性を有しない無機化合物(D)が、二酸化ケイ素である、請求項又はに記載の光触媒組成物。
  9. 重合体粒子(E)をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  10. フルオロカーボン界面活性剤(F)をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  11. 退色性色素(G)をさらに含む、請求項10のいずれか一項に記載の光触媒組成物。
  12. 光触媒活性を有する無機化合物(A)に金属酸化物(C)を修飾させ、金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物を得る工程、及び、
    前記金属酸化物(C)により、粒子表面が処理された無機化合物に、抗菌性金属(B)を担持させる工程
    を含
    金属酸化物(C)が、二酸化ケイ素であり、
    抗菌性金属(B)が、銅、銀、及び金からなる群より選択される1種以上である、
    光触媒用無機化合物(AB)の製造方法。
  13. 光触媒活性を有する無機化合物(A)を修飾する金属酸化物(C)の割合が、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し1〜30質量%であり、
    担持させる抗菌性金属(B)の割合が、光触媒活性を有する無機化合物(A)に対し0.5〜5質量%である、
    請求項12に記載の光触媒用無機化合物(AB)の製造方法。
  14. 請求項11のいずれか一項に記載の光触媒組成物から形成された、光触媒塗膜。
  15. 請求項14に記載の光触媒塗膜を備える、光触媒塗装製品。
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