JP2000073297A - 酸化チタン塗料組成物及び酸化チタン担持シ―ト - Google Patents

酸化チタン塗料組成物及び酸化チタン担持シ―ト

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JP2000073297A
JP2000073297A JP11090188A JP9018899A JP2000073297A JP 2000073297 A JP2000073297 A JP 2000073297A JP 11090188 A JP11090188 A JP 11090188A JP 9018899 A JP9018899 A JP 9018899A JP 2000073297 A JP2000073297 A JP 2000073297A
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titanium oxide
binder
coating composition
weight
organic polymer
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Toshiaki Minami
敏明 南
Hisami Satake
寿巳 佐竹
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 悪臭物質などの光分解能力及び耐候性に優れ
たシートを提供すること。 【解決手段】 少なくとも酸化チタン微粉末と結着剤
とからなる水系酸化チタン塗料組成物において、結着剤
がシリカゾルまたはアルミナゾルから選ばれる無機結着
剤と酸化チタンの光触媒機能を活性化する輻射線を実質
的に透過する水溶性有機高分子結着剤とからなり、酸化
チタン微粉末と該無機結着剤の配合比率が重量比で5:1
〜1:5で、かつ該有機高分子結着剤の配合比率が塗料組
成物の全固形分に対して5〜30重量%である水系酸化チ
タン塗料組成物を支持体の少なくとも一方の面に塗布乾
燥し、酸化チタン含有層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系酸化チタン塗
料組成物及びこの酸化チタン塗料組成物を支持体の少な
くとも一方の面に塗設した脱臭能力及び耐候性等に優れ
た酸化チタン担持シートに関する。
【0002】
【従来の技術】生活環境に対する関心の高揚に伴い、悪
臭などの日常生活における有害物質の除去の要求が増え
てきており、悪臭除去装置などを組み込んだ空気清浄器
の開発が盛んに行われている。これらの装置では、主に
活性炭を含有したフィルターが使われ、活性炭に悪臭物
質を吸着させる方式が採用されてきた。しかしながら、
活性炭は吸着作用はあるが分解能力がないため、一定量
の悪臭物質を吸収すると飽和してしまい、定期的にフィ
ルターを交換しなければならなかった。
【0003】近年、このような問題の解決策として、活
性炭と有害物質を光分解する触媒とを組み合わせた複合
材料が開発されつつある。例えば、特開平1-234729号公
報では、ハニカム状活性炭に酸化チタンを担持させた光
反応性半導体複合体を組み込んだ空気調和機が記載され
ている。この場合、吸着される悪臭成分の一部は光反応
性半導体で生成したOHラジカルにより分解されるた
め、活性炭の吸着能を比較的長期間保つことができる。
しかし、この方法では光反応性半導体を担持し、かつ光
反応効率を高めるために、特殊なハニカム構造の活性炭
が必要であり、また、その表面およびハニカム内部に酸
化チタンを保持させるために特別な工程が必要であっ
た。
【0004】また、特開平2-251241号公報では、紫外線
照射ランプの周囲に金属酸化物触媒からなる中空円筒状
ハニカム構造体を設置した光触媒装置について記載され
ている。
【0005】さらに、光触媒酸化チタンを利用した気相
での有害物質の除去方法が開示されている。例えば、特
開平2-253848号公報では、無機質繊維状担体にアナター
ゼ型酸化チタンを担持させたオゾン分解触媒について記
載されている。また、特開平3-233100号公報では、二酸
化チタンと活性炭との混合物と、これに、波長が300n
m以上の光を照射する光源とからなる換気設備に関して
記載されている。特開平4-256755号公報では、二酸化チ
タンを粒状パルプに担持させることにより、家庭用の脱
臭、消臭剤として使用できることが記載されている。さ
らに、久永らは、セラミックペーパーに二酸化チタンを
保持することにより、有機ハロゲン化合物の光分解を行
っている(電気化学協会誌、60巻、107ペ−ジ、1992
年)。
【0006】光触媒酸化チタンによる気相有害物質の光
触媒分解は、酸化チタン光触媒への気相有害物質の接
近、吸着、近紫外光による光分解、酸化チタン光触媒表
面に生成した副生成物の離脱といったプロセスで進むこ
とが確認されている。
【0007】一方、酸化チタンの有害物質光分解能力は
酸化チタン種により大きく変化する。例えば、従来から
白色度及び不透明度向上を目的として、製紙用内添顔料
として酸化チタンが幅広く利用されているが、製紙用内
添酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.2ミクロンの大きな
粒子のため、比表面積が10m2/g程度と低く、高濃度
の気相有害物質の光触媒分解能力は低いと認識されてい
た。
【0008】そこで、本発明者は製紙用内添酸化チタン
粉体の光触媒分解能力を詳細に調査した結果、100pp
mオーダー以下の気相有害物質であれば、製紙用内添酸
化チタン粉体にも近紫外光照射により、気相有害物質を
効率良く分解できる能力のあることを見出した。
【0009】しかしながら、製紙用内添酸化チタンをポ
リビニルアルコール、ラテックス等の結着剤とともに、
紙、プラスチック、不織布等の基材にコーティングし、
シート化した場合、結着剤が酸化チタン微粒子を基材に
固定化するが、同時に酸化チタン微粒子の表面をも被覆
してしまうため、気相有害物質が酸化チタン微粒子の表
面に吸着できず、光触媒分解能力が十分発揮されないこ
とが確認された。
【0010】また、光触媒分解能力を向上させるため
に、平均粒径が0.002〜0.05ミクロンで比表面積が100〜
350m2/gの超微粒子酸化チタンが開発され実用化され
つつある。しかしながら、超微粒子酸化チタンは光触媒
分解能力が極めて大きく、これと接触する有機化合物を
分解してしまうため、ポリビニルアルコール、ラテック
ス等の結着剤とともに、紙、プラスチック、不織布等の
基材にコーティングし、シート化した場合、結着剤及び
基材を短時間で分解するので超微粒子酸化チタンを基材
に固定化し続けることは困難であった。
【0011】さらに、特開平9-234375号公報には、光反
応性半導体、コロイダルシリカ、熱可塑性高分子エマル
ジョンよりなる光反応性有害物除去剤が記載されてい
る。しかしながら、一般に熱可塑性高分子エマルジョン
から造膜されるフィルムは光触媒能力に有効な400nm
以下の近紫外線に対する透明性が低いため光触媒効果が
十分に発揮できない。また、コロイダルシリカ溶液と熱
可塑性高分子エマルジョンを混合した場合、ゲル化を起
こし光を反射してコロイダルシリカと熱可塑性高分子エ
マルジョンの複合フィルムを透過して酸化チタン表面に
到達する光量が減少する結果、酸化チタン微粒子の光触
媒機能は低下してしまうといった欠点のあることが分か
った。また、この公報には、光反応性半導体とコロイダ
ルシリカとの適正な混合比率及び光反応性半導体とコロ
イダルシリカ混合物に対する熱可塑性高分子エマルジョ
ンの適性な添加比率に関する記載がない。ところが、本
発明者が鋭意研究した結果、酸化チタン微粒子とシリカ
またはアルミナゾルとの混合物に対しては、有機高分子
化合物からなる結着剤の適正な添加比率のあることが確
認された。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】光触媒酸化チタンによ
る気相有害物質の光触媒分解は、酸化チタン光触媒への
気相有害物質の接近、吸着、近紫外光による光分解、酸
化チタン光触媒表面に生成した副生成物の離脱といった
プロセスで進むことが知られている。
【0013】一方、酸化チタンの有害物質光分解能力は
酸化チタン種により大きく変化する。例えば、従来から
白色度及び不透明度向上を目的として、製紙用内添顔料
として酸化チタンが幅広く利用されているが、製紙用内
添酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.2ミクロンの大きな
粒子のため、比表面積が10m2/g程度と低く、気相有
害物質の光触媒分解能力は低いと認識されていた。
【0014】そこで、本発明者は製紙用内添酸化チタン
粉体の光触媒分解能力を詳細に調査した結果、100pp
mオーダー以下の気相有害物質であれば、製紙用内添酸
化チタン粉体にも近紫外光照射により、気相有害物質を
効率良く分解できる能力のあることを見出した。
【0015】しかしながら、製紙用内添酸化チタンをポ
リビニルアルコール、ラテックス等の結着剤とともに、
紙、プラスチック、不織布等の基材にコーティングし、
シート化した場合、結着剤が酸化チタン微粒子を基材に
固定化するが、同時に酸化チタン微粒子の表面をも被覆
してしまうため、気相有害物質が酸化チタン微粒子の表
面に吸着できず、光触媒分解能力が十分発揮されないこ
とが確認された。
【0016】また、光触媒分解能力を向上させるため
に、平均粒径が0.002〜0.05ミクロンで比表面積が100〜
350m2/gの超微粒子酸化チタンが開発され実用化され
つつある。しかしながら、超微粒子酸化チタンは光触媒
分解能力が極めて大きく、これと接触する有機化合物を
分解してしまうため、ポリビニルアルコール、ラテック
ス等の結着剤とともに、紙、プラスチック、不織布等の
基材にコーティングし、シート化した場合、結着剤及び
基材を短時間で分解するので超微粒子酸化チタンを基材
に固定化し続けることは困難であった。
【0017】このような状況に鑑み本発明の目的は、水
系酸化チタン塗料組成物及び支持体の少なくとも一方の
面に水系酸化チタン塗料組成物を設けることにより、悪
臭物質などの光分解能力及び耐候性に優れた酸化チタン
担持シートの製造方法を提供することであり、更に詳し
くは、光触媒機能が最適に発現する状態に酸化チタンが
配置されて支持体に強固に担持されるばかりでなく、光
触媒能および担持力が光触媒機能を活性化する輻射線の
長時間照射によっても低下し難い酸化チタン担持シート
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、第一
に、酸化チタン微粉末と結着剤からなる塗料組成物にお
いて、結着剤がシリカゾルまたはアルミナゾルから選ば
れる無機結着剤と酸化チタンの光触媒機能を活性化する
輻射線を実質的に透過する水溶性有機高分子結着剤とか
らなり、酸化チタン微粉末と該無機結着剤の配合比率が
重量比で5:1〜1:5であり、かつ該水溶性有機高分子結
着剤の配合比率が塗料組成物の全固形分に対して5〜30
重量%となるように構成した水系酸化チタン塗料組成物
とすることにより、第二に、この組成物を支持体上に塗
布乾燥して酸化チタン含有層を設けた酸化チタン担持シ
ートとすることにより解決された。
【0019】更に、上記課題は、酸化チタン微粉末を分
散剤とともに水に分散し、次にシリカまたはアルミナの
コロイダル溶液を酸化チタンに対して一定の割合で添加
し数時間撹拌し分散液とし、その後、上記水溶性有機高
分子結着剤を水溶液として添加・撹拌して酸化チタン塗
料組成物を調製することによりその効果を有効に発揮せ
しめる水系酸化チタン塗料組成物が得られる。
【0020】上記手段により課題が達成されるメカニズ
ムは明らかではないが、以下のように考えられる。
【0021】本発明においては、酸化チタン微粉末を分
散剤とともに水に分散し、次にシリカまたはアルミナの
コロイダル溶液を一定の割合で添加し数時間撹拌する。
その後、水溶性有機高分子結着剤を添加・撹拌し酸化チ
タン塗料分散液を調製し、支持体上に塗布乾燥し、目的
の酸化チタン担持シートが得られる。この塗布後の乾燥
工程中に、先ず酸化チタン微粒子とミリミクロンオーダ
ーの粒子径を有する超微粒子からなるシリカまたはアル
ミナとの複合化が優先的に起こり、酸化チタン複合粒子
が形成される。続いて水溶性有機高分子結着剤による酸
化チタン複合粒子間の結着及び支持体への固定化が起こ
ると考えられる。こうして、酸化チタン微粒子はシリカ
またはアルミナ微粒子と酸化チタン複合粒子を形成して
おり、酸化チタン複合粒子には、気体分子が通過できる
無数の細孔が形成されており、有害物質の気体分子は容
易に酸化チタン微粒子表面に到達できる。しかも、光触
媒能力を活性化する輻射線に対して透過性に優れた水溶
性有機高分子結着剤を使用しているので、輻射線が効率
良く酸化チタン含有層を透過し光分解反応が促進され
る。そのため酸化チタン微粒子は結着剤及び支持体と直
接的に接触せず、高い光触媒活性を維持しながら、しか
も結着剤及び支持体を分解しないものと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明において使用する酸化チタ
ン源としては、製紙用に使用される酸化チタンの他、含
水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルト
チタン酸、及び水酸化チタンと呼称されているチタン酸
化物または水酸化物を全て包含する。これら酸化チタン
は酸化チタン源から種々の方法で製造することができ
る。例えば、硫酸チタニル、塩化チタン、及び有機チタ
ン化合物等を必要に応じて核形成用種子の共存下に加水
分解する方法(加水分解法)、必要に応じて核形成用種
子を共存させながら、硫酸チタニル、塩化チタン、及び
有機チタン化合物等にアルカリ剤を添加して中和する方
法(中和法)、塩化チタン及び有機チタン化合物等を気
相酸化する方法(気相酸化法)、更に加水分解法及び中
和法で得られた酸化チタンを焼成する方法(焼成法)等
が挙げられる。本発明に係わる酸化チタンは、その表面
に水酸基を多く有するものが特に好ましい。
【0023】本発明の目的である有害物質分解能を決定
する重要な因子の一つは、酸化チタン含有塗料の乾燥工
程中での酸化チタン微粉末と、シリカゾルまたはアルミ
ナゾルより形成される酸化チタン複合粒子及びこの酸化
チタン複合粒子と水溶性有機高分子結着剤との微妙な結
合バランスにあり、その分解能は酸化チタン微粒子が被
分解物とより多く接触することで向上し、従って傾向的
には酸化チタンの比表面積は大きい程良い。本発明に係
わる酸化チタンの比表面積は、BET表面積測定器にて
容易に測定できるが、実用的分解能を勘案すれば、本発
明に係わる酸化チタン微粉末の好ましい比表面積は10〜
350m2/gである。また、殆んどの酸化チタンは多孔質
性を有さず、単純に小粒径をもって充てることができ
る。本発明に係わる酸化チタン微粉末の好ましいX線一
次粒子の粒径は2〜150nmで、一次粒子の凝集で生じる
二次粒子の粒径は0.1〜5ミクロンが望ましい。また、適
当な輻射線で光触媒機能が活性化されるものであれば純
粋な酸化チタン表面を化学修飾した酸化チタン粒子であ
っても良い。
【0024】本発明では、酸化チタン微粉末と、シリカ
ゾルまたはアルミナゾルの混合比率が本発明の効果を決
定する重要な因子の一つである。すなわち、この混合比
率が乾燥工程で形成される酸化チタン複合粒子の構造及
び機能を決定する。最も適正な酸化チタン微粉末と、シ
リカゾルまたはアルミナゾルの混合比率は重量比で5:1
〜1:5である。
【0025】本発明に係わる酸化チタン含有層に添加さ
れる光触媒機能を活性化する輻射線に対して透過性が高
い水溶性有機高分子結着剤とは、水に溶解させた時に透
過性の高いコロイド溶液となり、乾燥により造膜される
皮膜も高い透過性を有する有機高分子化合物を意味して
いる。具体的には、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコ
ール、変性ポリビニルアルコール、シリコン変性ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、クラスターデキ
ストリン、キトサン、アルギン酸塩、カルボキシメチル
セルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等が挙げられる。透過性を高くするには反
射、散乱、吸収ができるだけ少ないものが好ましく、そ
の点で、水に完全に溶解するポリビニルアルコールやポ
リアクリルアミドが好ましい。
【0026】酸化チタン微粒子と、シリカゾルまたはア
ルミナゾルとの混合物に対する水溶性有機高分子結着剤
の適正な添加比率は塗料固形分全体の5〜30重量%であ
る。5重量%未満では酸化チタン微粒子と、シリカゾル
またはアルミナゾルから形成される酸化チタン複合粒子
間の結着及び支持体への固定化は不十分である。また、
30重量%を超える場合は結着力は増すものの、活性輻射
線の透過力が減少し光分解能力の低下が認められる。
【0027】光触媒機能を活性化する輻射線は、通常40
0nm以下の近紫外線である。
【0028】本発明に係わる酸化チタン担持シートは、
支持体上に酸化チタン含有層を設けたものであるが、支
持体の両面に酸化チタン含有層を設けても良く、ダブル
コーティングにより光触媒効率を最大限に発揮できる。
酸化チタン含有層の支持体への塗布量は紫外線の透過効
率を考慮すると、片面で0.1〜20g/m2が望ましく、最
も望ましいのは1〜10g/m2である。また、接着性向上
等のため所望により支持体と酸化チタン含有層との間に
アンダー層を設けても良い。
【0029】本発明の水系酸化チタン塗料組成物の支持
体への塗設方法は、コンベンショナルサイズプレス、ゲ
ートロールサイズプレス、及びフィルムトランスファー
方式のサイズプレス装置等により含浸する方法、ロール
コーター、ロッド(バー)コーター、ブレードコータ
ー、スプレーコーター、エアードクター(ナイフ)コー
ター、及びカーテンコーター等のコーターにより一般の
塗工工程と同様の方法で所望により少量の他の適当な結
着剤と共に塗布する方法等が挙げられる。特に含浸法に
おいては、予め支持体を湿潤させておいても良い。
【0030】本発明に係わる支持体は、本発明の水系酸
化チタン塗料組成物が塗布できるものであれば特に限定
されないが、主に植物繊維で構成された紙及び主に合成
樹脂(繊維)で構成された不織布が用いられる。本発明
に係わる支持体原料に用いられる植物繊維としては、針
葉樹材及び広葉樹材からのクラフトパルプ、亜硫酸パル
プ、及びアルカリパルプ等の化学パルプ、セミケミカル
パルプ、セミメカニカルパルプ、及び機械パルプ等の木
材繊維や、楮、ミツマタ、藁、ケナフ、竹、リンター、
バガス、及びエスパルト等の植物性非木材繊維の他、レ
ーヨン等の再生繊維及びセルロース誘導体繊維等の天然
物加工繊維等を用いても良い。
【0031】更に、ポリエチレン及びポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂、デクロン等のポリエステル系樹
脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹
脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリアクリロニト
リル、アクリラン、オーロン、ダイネル、及びベレル等
のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケ
トン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール系樹脂、ジ
エン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等からなる熱可塑
性合成樹脂繊維、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性合
成樹脂繊維の他、シリコーン系繊維、フッ素系繊維、ス
テンレスウール等の金属繊維、各種ガラス繊維等が挙げ
られる。本発明に用いられる繊維群は単一種でも、また
は2種以上を組合わせて用いても良い。
【0032】更に、支持体に難燃剤を添加することによ
り防炎性を付与させることも可能である。難燃剤として
は、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニ
ジン、テトラホウ酸グアニジン、スルファミン酸アンモ
ニウム、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、テトラ
ブロモビスフェノールA、三酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。難
燃剤の添加方法としては、抄紙工程でのサイズプレスで
含浸させてもよいし、あらかじめ紙料調成の段階で添加
し抄紙してもよい。
【0033】上記植物繊維原料を本発明に係わる支持体
に加工する際には、所望によりロジン及びその変性物、
植物蝋または無水マレイン酸系、α−オレフィン系、及
びスチレン/アクリル酸エステル系合成樹脂のエマルジ
ョン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク
酸、及び無水ステアリン酸等のサイズ剤、澱粉及びその
変性物、グァーガム及びその変性物、デキストリン、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリアク
リルアミド、ポリアミドエピクロルヒドリン、各種エマ
ルジョン(含むラテックス)、尿素ホルマリン樹脂、及
びメラミンホルマリン樹脂等の紙力増強剤及び結着剤の
他、歩留まり向上剤、界面活性剤、消泡剤、染料、蛍光
増白剤、酸化防止剤、及びスライムコントロール剤等の
各種添加剤を添加して抄造しても良い。支持体抄造に
は、丸網抄紙機、長網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツイン
ワイヤー抄紙機、ハイブリッドフォーマー及びトップフ
ォーマー等のコンビネーション抄紙機等が使用できる。
【0034】更に、本発明に係わる支持体に用いる植物
繊維としては、シート化する前にこの植物繊維に水溶性
無機物を作用させた後、この無機物を水不溶化して担持
させた無機物担持繊維を用いても良い。植物繊維(パル
プ)に水溶性無機物を不溶化して担持させる方法として
は、特開平3-146766号公報、特開平3-152295号公報、特
開平4-18193号公報、特開平4-24299号公報、及び特開平
4-57964号公報等に記載の方法がある。即ち、親水性繊
維材料に特定の気体または水溶液と反応して水不溶性の
無機物を生成する水溶性無機化合物を含有する水溶液を
含浸させた後、これらの無機物を水不溶化させる気体ま
たは水溶液と接触させることで、この繊維材料内部に水
不溶性の無機物を担持させることができる。
【0035】本発明に係わる支持体として、紙基材に無
機顔料または有機顔料などをバインダーとともにコーテ
ィングし、平滑処理したコート紙を使用することもでき
る。
【0036】また、本発明に係わる支持体として用いる
不織布は、上記合成樹脂繊維を水に懸濁し抄紙法により
シート状にする湿式法、樹脂接着によるレジンボンド、
針による交錯を利用したニードルパンチ、糸により編み
上げたステッチボンド、或は熱により接着させるサーマ
ルボンド等の所謂乾式法、高圧水をノズルから噴射して
繊維同士を交絡させる水流交絡法、直接紡糸しながらシ
ート化するスパンボンド、直接紡糸する際に霧吹きの原
理を応用して微細繊維を作りながらシート化するメルト
ブロー法等によって製造することができる。不織布の厚
み、空隙率、空隙の形状、開孔度、柔軟性、弾力性、毛
羽立ち、及び風合い等は、上記製造方法を適宜選択する
ことによって調製できる。また、本発明では水系処理を
施すため、不織布にある程度の水濡れ性が必要となり、
親水性繊維によりウェブを製造したものが好ましい。更
に、シート強度の点からスパンボンドやスパンレース法
にて不織布を加工することが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。尚以下に説明する重量部
は乾燥固形分重量部を示す。
【0038】[実施例1] <酸化チタン塗料組成物の調製>製紙用酸化チタン微粉
末(商品名:タイペ−クW−10、X線粒径150nm、
石原産業製)100重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品
名:アロンT−40、東亜合成製)2重量部を水に混合
し、ラボミキサーで1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉
末を分散した。次に、シリカゾル(商品名:スノーテッ
クス ST−30、日産化学製)160重量部をこの分散
液に添加し、1時間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸
化チタン・シリカゾル分散液を調製した。さらに、この
酸化チタン・シリカゾル分散液に有機高分子結着剤とし
て、ポリビニルアルコール46重量部を添加し、泡を立て
ないようにゆっくりと30分撹拌し、酸化チタン塗料組成
物を調製した。この時の酸化チタン・シリカゾルに対す
る有機高分子結着剤の配合比率は15重量%であった。
【0039】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0040】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、2ppmであり、光触媒分解率
は90%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ90%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下
は認められなかった。
【0041】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はなく、紫外線照射による被膜強度
の低下は認められなかった。
【0042】[実施例2] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリカ
ゾル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリ
カゾル分散液に有機高分子結着剤として、澱粉46重量部
を添加し、泡を立てないようにゆっくりと30分撹拌し、
酸化チタン塗料組成物を調製した。この時の酸化チタン
・シリカゾルに対する有機高分子結着剤の配合比率は15
重量%であった。
【0043】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量がF面4g
/m2、W面4g/m2になるように両面塗布・乾燥し、
酸化チタン担持シートを作製した。
【0044】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、0ppmであり、光触媒分解率
は100%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化
チタン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガ
ラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。こ
のテストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めた
ところ100%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の
低下は認められなかった。
【0045】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテ−プを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はなく、紫外線照射による被膜強度
の低下は認められなかった。
【0046】[実施例3] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)10
0重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−
40、東亜合成)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−O、
日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時間高
速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリカゾル
分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリカゾ
ル分散液に有機高分子結着剤として、シリコン変性ポリ
ビニルアルコール14重量部を添加し、泡を立てないよう
にゆっくりと30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製
した。この時の酸化チタン・シリカゾルに対する有機高
分子結着剤の配合比率は5重量%であった。
【0047】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0048】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1ppmであり、光触媒分解率
は95%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シ−ト表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ95%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下
は認められなかった。
【0049】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はなく、紫外線照射による被膜強度
の低下は認められなかった。
【0050】[実施例4] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、アルミナゾル(商品名:アルミナゾル520、日産
化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時間高速撹
拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・アルミナゾル分
散液を調製した。さらに、この酸化チタン・アルミナゾ
ル分散液に有機高分子結着剤として、変性澱粉(商品
名:クラスターデキストリン、江崎グリコ製)111.4重
量部を添加し、泡を立てないようにゆっくりと30分撹拌
し、酸化チタン塗料組成物を調製した。この時の酸化チ
タン・アルミナゾルに対する有機高分子結着剤の配合比
率は30重量%であった。
【0051】<酸化チタン担持シートの作製>厚さ50ミ
クロンの透明PETフィルム上に上記の酸化チタン塗料
組成物塗液をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量
が8g/m2になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持
シートを作製した。
【0052】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1ppmであり、光触媒分解率
は95%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ94%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下
は殆んど認められなかった。
【0053】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はなく、紫外線照射による被膜強度
の低下は認められなかった。
【0054】[実施例5] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)10
0重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−
40、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサ
ーで1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。
次に、アルミナゾル(商品名:アルミナゾル520、日
産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時間高速
撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・アルミナゾル
分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・アルミナ
ゾル分散液に有機高分子結着剤として、ポリアクリルア
ミド46重量部を添加し、泡を立てないようにゆっくりと
30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。この時
の酸化チタン・アルミナゾルに対する有機高分子結着剤
の配合比率は15重量%であった。
【0055】<酸化チタン担持シートの作製>あらかじ
め、下記の方法で不織布を作製した。繊度0.15デニール
(繊維径4ミクロン)、繊維長7.5mmのポリエチレンテ
レフタレート繊維40重量部と繊度1.5デニール(繊維径1
2.4ミクロン)、繊維長15mmのポリエステル系難燃繊
維60重量部とを界面活性剤と共に水中に投入し、パルパ
ーにて繊維の束がなくなるまで強撹拌した。水で希釈
後、アジテーターにて穏やかに撹拌しながら高分子ポリ
アクリルアミド水溶液を添加して増粘させ、撹拌を継続
して均一に分散した繊維のスラリーを得た。このスラリ
ーを用い目付け量が80g/m2になるように円網抄紙機
にて抄造して不織布を得た。この不織布上に上記の酸化
チタン塗料組成物塗液をメイヤーバーを使用して、乾燥
後の塗布量が8g/m2になるように塗布・乾燥し、酸化
チタン担持シートを作製した。
【0056】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、1ppmであり、光触媒分解率
は95%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ93%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下
は殆んど認められなかった。
【0057】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はなく、紫外線照射による被膜強度
の低下は認められなかった。
【0058】[比較例1] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリカ
ゾル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリ
カゾル分散液に有機高分子結着剤として、ポリビニルア
ルコール5.2重量部を添加し、泡を立てないようにゆっ
くりと30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。
この時の酸化チタン・シリカゾルに対する有機高分子結
着剤の配合比率は2重量%であった。
【0059】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0060】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、3ppmであり、光触媒分解率
は85%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ80%であり、繰り返しにより光触媒分解率の低下が
認められた。
【0061】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着がかなり認められ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は非常に多かった。紫外線照射によ
る被膜強度の低下が認められた。
【0062】[比較例2] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリカ
ゾル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリ
カゾル分散液に有機高分子結着剤として、ポリビニルア
ルコール143.1重量部を添加し、泡を立てないようにゆ
っくりと30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製し
た。この時の酸化チタン・シリカゾルに対する有機高分
子結着剤の配合比率は35.3重量%であった。
【0063】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0064】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、4ppmであり、光触媒分解率
は80%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ74%であり、繰り返しにより光触媒分解率の低下が
認められた。
【0065】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はかなり認められた。紫外線照射に
よる被膜強度の低下がかなり認められた。
【0066】[比較例3] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1
時間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリ
カゾル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シ
リカゾル分散液に熱可塑性高分子エマルジョン(商品
名:バイロナ−ル MD−193、東洋紡製)46重量部
を添加し、泡を立てないようにゆっくりと30分撹拌し、
酸化チタン塗料組成物を調製した。この時の酸化チタン
・シリカゾルに対する有機結着剤の配合比率は15重量%
であった。
【0067】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0068】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、6ppmであり、光触媒分解率
は70%で高いものではなかった。さらに、上記のテスト
終了後の酸化チタン担持シートサンプルを再び5リット
ル容の石英ガラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃
度が20ppmになるように飽和ホルムアルデヒドガスを
マイクロシリンジで注入した。さらに、酸化チタン担持
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して1.5時間紫外線照
射を行った。このテストを100回繰り返し、平均光触媒
分解率を求めたところ68%であり、繰り返しにより光触
媒分解率の低下は殆んど認められなかった。
【0069】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はかなり認められた。紫外線照射に
よる被膜強度の低下がかなり認められた。
【0070】[比較例4] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、アルミナゾル(商品名:アルミナゾル520、日産
化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時間高速撹
拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・アルミナゾル分
散液を調製した。さらに、この酸化チタン・アルミナゾ
ル分散液に熱可塑性高分子エマルジョンであるフェノキ
シ樹脂エマルジョン(商品名:KE−316、東都化成
製)46重量部を添加し、泡を立てないようにゆっくりと
30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。この時
の酸化チタン・アルミナゾルに対する有機結着剤の配合
比率は15重量%であった。
【0071】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0072】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、6ppmであり、光触媒分解率
は70%で高いものではなかった。さらに、上記のテスト
終了後の酸化チタン担持シートサンプルを再び5リット
ル容の石英ガラス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃
度が20ppmになるように飽和ホルムアルデヒドガスを
マイクロシリンジで注入した。さらに、酸化チタン担持
シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよう
に、20Wのブラックライトを使用して1.5時間紫外線照
射を行った。このテストを100回繰り返し、平均光触媒
分解率を求めたところ68%であり、繰り返しにより光触
媒分解率の低下は殆んど認められなかった。
【0073】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着はかなり認められた。紫外線照射に
よる被膜強度の低下がかなり認められた。
【0074】[比較例5] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。さ
らに、この分散液にポリビニルアルコール46重量部を添
加し、泡を立てないようにゆっくりと30分撹拌し、酸化
チタン塗料組成物を調製した。この塗料組成物中の有機
高分子結着剤の割合は31.1重量%であった。
【0075】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0076】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、6ppmであり、光触媒分解率
は70%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ50%であり、繰り返しにより光触媒分解率の低下が
非常に認められた。
【0077】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は著しく、紫外線照射による被膜強
度の著しい低下が認められた。
【0078】[比較例6] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)160重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分量20重量%の酸化チタン・シリカ
ゾル分散液を調製した。
【0079】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0080】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、4ppmであり、光触媒分解率
は80%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ80%であり、何度繰り返しても光触媒分解率の低下
は認められなかった。
【0081】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は著しく認められ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は著しく、紫外線照射による被膜強
度の著しい低下が認められた。
【0082】[比較例7] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)700重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分20重量%の酸化チタン・シリカゾ
ル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリカ
ゾル分散液に有機高分子結着剤として、ポリビニルアル
コール143重量部を添加し、泡を立てないようにゆっく
りと30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。こ
の時の酸化チタン・シリカゾルに対する有機高分子結着
剤の配合比率は15重量%であった。
【0083】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0084】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、12ppmであり、光触媒分解率
は40%であり極めて不十分であった。さらに、上記のテ
スト終了後の酸化チタン担持シートサンプルを再び5リ
ットル容の石英ガラス製の密閉容器に入れ直し、容器内
の濃度が20ppmになるように飽和ホルムアルデヒドガ
スをマイクロシリンジで注入した。さらに、酸化チタン
担持シート表面の紫外線強度が2.5mW/cm2になるよ
うに、20Wのブラックライトを使用して1.5時間紫外線
照射を行った。このテストを100回繰り返し、平均光触
媒分解率を求めたところ35%であり、繰り返しにより光
触媒分解率の低下が認められた。
【0085】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへの付着は認められなかっ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は少なく、紫外線照射による被膜強
度の低下は殆ど認められなかった。
【0086】[比較例8] <酸化チタン塗料組成物の調製>セラミックスコンデン
サー用超微粒子酸化チタン微粉末(商品名:FINNT
I S−150、X線粒径2nm、KEMIRA製)100
重量部とポリカルボン酸ソーダ(商品名:アロンT−4
0、東亜合成製)2重量部を水に混合し、ラボミキサー
で1時間高速撹拌し、酸化チタン微粉末を分散した。次
に、シリカゾル(商品名:スノーテックス ST−3
0、日産化学製)10重量部をこの分散液に添加し、1時
間高速撹拌し、固形分20重量%の酸化チタン・シリカゾ
ル分散液を調製した。さらに、この酸化チタン・シリカ
ゾル分散液に有機高分子結着剤として、ポリビニルアル
コール20重量部を添加し、泡を立てないようにゆっくり
と30分撹拌し、酸化チタン塗料組成物を調製した。この
時の酸化チタン・シリカゾルに対する有機高分子結着剤
の配合比率は15重量%であった。
【0087】<酸化チタン担持シートの作製>坪量100
g/m2の上質紙上に上記の酸化チタン塗料組成物塗液
をメイヤーバーを使用して、乾燥後の塗布量が8g/m2
になるように塗布・乾燥し、酸化チタン担持シートを作
製した。
【0088】<光触媒効果の確認試験>この酸化チタン
担持シートを10×10cm角に裁断し、5リットル容の石
英ガラス製の密閉容器に入れ、容器内の濃度が20ppm
になるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリ
ンジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の
紫外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラ
ックライトを使用して紫外線照射を行った。1.5時間後
の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマトグ
ラフで測定したところ、5ppmであり、光触媒分解率
は75%であった。さらに、上記のテスト終了後の酸化チ
タン担持シートサンプルを再び5リットル容の石英ガラ
ス製の密閉容器に入れ直し、容器内の濃度が20ppmに
なるように飽和ホルムアルデヒドガスをマイクロシリン
ジで注入した。さらに、酸化チタン担持シート表面の紫
外線強度が2.5mW/cm2になるように、20Wのブラッ
クライトを使用して1.5時間紫外線照射を行った。この
テストを100回繰り返し、平均光触媒分解率を求めたと
ころ55%であり、繰り返しにより光触媒分解率の著しい
低下が認められた。
【0089】<被膜強度の確認試験>酸化チタン担持シ
ート表面にセロテープを貼り付け、剥がしたところ酸化
チタン含有層のセロテープへのかなりの付着が認められ
た。さらに、上記の連続100回のホルムアルデヒドガス
光分解試験を行った酸化チタン担持シート表面にもセロ
テープを貼り付け、剥がしたところ酸化チタン含有層の
セロテープへの付着は著しく、紫外線照射による被膜強
度の著しい低下が認められた。
【0090】
【発明の効果】本発明の効果を以下に示す。 1)酸化チタン塗料組成物の支持体への塗布後の乾燥工程
で、酸化チタン微粒子へのミリミクロンオーダーの粒子
径を有する超微粒子からなるシリカまたはアルミナとの
複合化が優先的に起こり酸化チタン複合粒子が形成さ
れ、引き続いて水溶性有機高分子結着剤による酸化チタ
ン複合粒子間の結着及び支持体への固定化が起こるた
め、酸化チタン微粉末が結着剤及び支持体を分解しな
い。 2)光触媒機能を活性化する輻射線の透過性に優れた水溶
性有機高分子結着剤を使用しているので、紫外線が効率
良く酸化チタン含有層中の酸化チタン微粉末に到達し、
光触媒分解能力が促進される。 3)酸化チタン塗料組成物が酸化チタン微粒子、シリカゾ
ルまたはアルミナゾル、水溶性有機高分子結着剤の適正
な比率で構成されているので、被膜強度が強いと同時に
紫外線照射による被膜の劣化がない。 4)酸化チタン塗料組成物の光触媒機能が高いと同時に、
酸化チタン含有層中の結着剤及び支持体の分解がないの
で、支持体として紙、プラスチックフィルム、不織布、
木材、合板、鉄板などの面状物に使用できる上、コルゲ
−ト、ハニカム等の構造体にも応用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも酸化チタン微粉末と結着剤と
    からなる水系酸化チタン塗料組成物において、結着剤が
    シリカゾルまたはアルミナゾルから選ばれる無機結着剤
    と酸化チタンの光触媒機能を活性化する輻射線を実質的
    に透過する水溶性有機高分子結着剤とからなり、酸化チ
    タン微粉末と該無機結着剤の配合比率が重量比で5:1〜
    1:5であり、かつ該有機高分子結着剤の配合比率が塗料
    組成物の全固形分に対して5〜30重量%である水系酸化
    チタン塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機高分子結着剤が澱
    粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、シリコン変性ポ
    リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、クラスター
    デキストリンから選択される少なくとも1種である請求
    項1記載の水系酸化チタン塗料組成物。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも一方の面に請求項1
    あるいは2記載の水系酸化チタン塗料組成物を塗布乾燥
    して酸化チタン含有層を設けた酸化チタン担持シート。
  4. 【請求項4】 支持体が難燃紙である請求項3記載の酸
    化チタン担持シート。
  5. 【請求項5】 少なくとも酸化チタン微粉末と結着剤と
    からなる水系酸化チタン塗料組成物の調製法において、
    1)水に酸化チタン微粉末を分散し、2)次に、この分散液
    中に無機結着剤であるシリカゾルまたはアルミナゾルを
    酸化チタン微粉末に対し重量比で5:1〜1:5の割合で添
    加、分散して酸化チタン・シリカあるいはアルミナゾル
    分散液とした後、3)この分散液に別に設けた酸化チタン
    の光触媒機能を活性化する輻射線を実質的に透過する有
    機高分子結着剤水溶液を塗料組成物の全固形分に対して
    固形分で5〜30重量%となるように添加し攪拌して均一
    な分散液とする水系酸化チタン塗料組成物の調製法。
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