JPH10234837A - 光反応性有害物除去材 - Google Patents
光反応性有害物除去材Info
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- JPH10234837A JPH10234837A JP9045931A JP4593197A JPH10234837A JP H10234837 A JPH10234837 A JP H10234837A JP 9045931 A JP9045931 A JP 9045931A JP 4593197 A JP4593197 A JP 4593197A JP H10234837 A JPH10234837 A JP H10234837A
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Abstract
臭、大気汚染物質等の有害物質を除去することのできる
光反応性有害物除去材を提供する。 【解決手段】少なくとも2枚の通気性シートの間に吸着
剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の通気性
シートに、光反応性半導体と所望により担体や金属酸化
物複合高分子エマルジョンが担持されている光反応性有
害物除去材、またこれら光反応性有害物除去材にエレク
トレットが張り合わされたか、これら光反応性有害物除
去材に用いた少なくとも一方の通気性シートがエレクト
レットシートである空気清浄機用フィルター部材して有
用な光反応性有害物除去材。
Description
悪臭、大気汚染物質等の有害物を除去することのでき
る、光反応性有害物除去材に関する。
臭や大気汚染物質等の日常生活における有害物の除去の
要求が増えて来ており、悪臭や大気汚染物質等除去装置
を組み込んだ空気清浄機の開発が盛んに行われている。
一般的な空気清浄方法としては、活性炭等の吸着剤を用
い、これらに有害物を吸着させる方法がとられてきた。
しかし、これらの吸着剤では吸着作用しか示さないた
め、多くの有害物を均等に除去したり、ppb領域の極
低濃度の有害物を効率よく除去し、なおかつ長期に渡っ
て効果を持続させることは実質的に不可能であった。
等は多数知られている。例えば、特開昭61−1192
69号公報には、簡便で低いコストで脱臭シートを作製
できる方法が記載されている。しかし、この方法では、
脱臭剤は活性炭等の吸着剤しか使用できず、先にも述べ
たように吸着飽和による能力の低下や、低濃度大気汚染
物質に対する吸着能等の問題が多い。
着剤と有害物の分解触媒である光反応性半導体が組み合
わせれた材料が開発され出した。例えば、特開平1−1
89322号公報には、ハニカム状活性炭に光反応性半
導体である酸化チタンを付加し、ハニカム状活性炭表面
を光反応性とすることが提案されている。その製造方法
は、ゾル状の酸化チタン水溶液に焼成したハニカム状活
性炭を浸漬させるとあるが、ハニカム状であるので空気
清浄機用のフィルター部材等には適している。しかし、
焼成ハニカム状活性炭は特殊であり、そのコストは高
く、簡便な光反応性のフィルター部材とは言えない。ま
た、ゾル状の酸化チタンは、それ自身では強い皮膜を形
成し得ない一方、ハニカム状活性炭へのゾル状の酸化チ
タン水溶液付与は単に浸漬して乾燥するだけなので、活
性炭表面に酸化チタンを付加しても脱離し易いという問
題があった。
は、酸化チタンと活性炭の混合物に300nm以上の波
長の光を照射することが記載されている。実際的な使用
方法では、ガラス管の外周面に接着剤を塗布し、その上
にサブミクロンオーダーに粉砕した酸化チタン、活性炭
及び酸化鉄混合粉をまぶすようにして付着させて使用す
ることが記載されている。しかし、このようにして構成
された光反応性半導体を含む空気浄化装置は、トンネル
内などに固定されており、大規模な装置としては適して
いるが、ガラス管を基材としているために柔軟性に欠
け、フィルターへの加工や取り扱いが難しいことや、接
着剤の影響で光反応性半導体の有効表面積が減少してし
まうという問題があった。
107ページ、1992年発行においてセラミックペー
パーに保持された酸化チタンを利用して有機ハロゲン化
合物の光分解を行っている。この酸化チタンを保持した
シートは500℃から800℃で焼成されており、作製
が煩雑である他にこのような高温に酸化チタンを曝した
場合、粒子の結晶が成長して、酸化チタンの比表面積を
減少させ光反応性を低下させてしまう問題があった。
な問題点を解決して、高い光反応性を維持しながら、従
来の方法とは全く異なった、空気清浄機等のフィルター
部材にも利用できる光反応性有害物除去材を提供するも
のである。
題を検討した結果、少なくとも2枚の通気性シートの間
に吸着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の
通気性シートに、光反応性半導体が担持されている光反
応性有害物除去材、またシート間内包体の少なくとも一
方の通気性シートに、光反応性半導体と担体が担持され
ている光反応性有害物除去材により上記問題を解決し
た。
に吸着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の
通気性シートに光反応性半導体を担持するに当たり、金
属酸化物複合高分子エマルジョンを用いて光反応性半導
体を担持することにより、光反応性半導体の光反応性を
大きく損なうことなく、強固に通気性シートに担持でき
ることを見いだした。
に吸着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の
通気性シートに光反応性半導体が担持されている光反応
性有害物除去材か、該シート間内包体の少なくとも一方
の通気性シートに、光反応性半導体と担体が担持されて
いる光反応性有害物除去材か、または該シート間内包体
の少なくとも一方の通気性シートに光反応性半導体を金
属酸化物複合高分子エマルジョンを用いて担持させた光
反応性有害物除去材かの何れかの形態の光反応性有害物
除去材において、少なくとも一方の通気性シートがエレ
クトレットシートである光反応性有害物除去材は、高性
能の空気清浄機用のフィルター部材となることを見いだ
した。
の通気性シートの吸着剤内包面と反対面にエレクトレッ
トシートを張り合わせた光反応性有害物除去材は、高性
能の空気清浄機用のフィルター部材となることを見いだ
した。
除去材について、まずその構成要素とその製造方法を説
明し、次にこれら構成要素から光反応性有害物除去材を
製造する方法について説明する。本発明の光反応性有害
物除去材は、少なくとも2枚の通気性シートの間に吸着
剤を内包したシート間内包体(但し、1枚の通気性シー
トを折り返して用いても、2枚の通気性シート間に内包
したことと見なす。)の少なくとも一方の通気性シート
に、光反応性半導体が担持されている光反応性有害物除
去材である。
圧力損失を目安にする方法があり、本発明においては風
量5cm3/cm2/secの時に、シート間の吸着剤が脱
落しない範囲で10mmAq以下の圧力損失を示すシー
トが好ましい。圧力損失が10mmAqを上回ると、シ
ートの通気性が不十分であるために、シートを通過する
風量が制限され、ファン容量への負荷が大きくなるなど
空気清浄機用のフィルターとしては適さなくなる。ま
た、一定のシート強度を保持し、かつ通気性を確保した
い場合には、密度の粗なシートを作製する必要がある。
このようなシートの密度に関してはかさ密度という概念
が適応できて、本発明に用いる通気性シートのかさ密度
は0.01から0.5g/cm3程度が好ましく、0.0
2から0.1g/cm3程度がより好ましい。
しては、織布、不織布、ネット、及びスポンジ等の他、
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及び
ポリエステルフィルムの様な汎用の熱可塑性フィルムや
薄板等が挙げられる。これらの内、フィルムや薄板等の
通気性に乏しいシートは、微細な穴をあけて通気性を向
上させても良い。これらの内、特に不織布等を用いれ
ば、比較的均一な通気性を確保することができるばかり
か、内包加工及び光反応性有害物除去材形成後の加工も
容易であるため、優位に使用される。
布に使用する繊維としては、ポリエチレン及びポリプロ
ピレン等のオレフィン系、デクロン等のポリエステル
系、ポリ酢酸ビニル、スチレン酢酸ビニル共重合体、ナ
イロン等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アク
リラン、オーロン、ダイネル及びベレン等のアクリル
系、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエー
テル、ポリビニルアルコール系、ジエン系、ポリウレタ
ン系等の繊維が挙げられる。これらの繊維の形状は特に
制限はなく、その断面形状は略円形のみならず楕円形、
三角形、星形、T型、Y型、あるいは葉状等のいわゆる
異型断面形状であっても差し支えない。加えて、繊維表
面に空隙を有するもの、あるいは枝別れした構造を有す
るものでも良い。
度や腰等を適度に制御できる点で、芯鞘構造を有する繊
維も好ましい。芯鞘構造を有する繊維とは、芯部分がポ
リエステル、鞘部分がポリエステル共重合体からなる繊
維や、芯部分がポリエステル、鞘部分がポリオレフィン
からなる繊維等がある。芯鞘構造の特徴は、芯部分と鞘
部分で軟化点が異なることにあるが、芯部分は加工時の
熱処理において繊維の形状を保持する必要から、230
℃程度以上の軟化点を有することが好ましく、鞘部分は
繊維自身が互いに熱接着し充分な結合を形成させる必要
等から、90〜120℃程度の軟化点が好ましい。この
ように芯鞘構造の繊維を用いると、高温熱処理加工を行
わずとも強度を保持できる。
い不織布を構成する成分としては、これまでの述べてき
た構成要素の他に、木材パルプ、麻パルプ、エスパル
ト、及び木綿繊維等の天然繊維、レーヨン繊維及びアセ
テート繊維等の再生及び半合成繊維、ガラス繊維及びア
ルミナ繊維等の無機繊維等が挙げられる。これらの繊維
は、上記熱可塑性繊維群だけで構成された不織布が有す
る強度及び通気度等の特性を悪化させない範囲で併用す
ることが好ましい。
井材、壁紙、及びカーテン等に用いて生活空間における
有害物除去に供するのであれば、少なくとも光反応性有
害物除去材に用いる通気性シートは難燃性であることが
望ましい。本発明に係わる通気性シートに難燃性を付与
する繊維としては、繊維分子自体が本質的に難燃性のア
ラミド繊維、本質的に不燃性の金属繊維、セラミック繊
維、ロックウール繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ジ
ルコニア繊維、チッ化珪素繊維、炭化珪素繊維、炭素繊
維、及びポリ塩化ビニルの他に、汎用繊維中に難燃剤を
化学的に組込んだり物理的に配合した繊維等が挙げられ
るが、汎用繊維で構成された不織布を難燃剤で処理した
ものでも良い。これらの内、加工性や材料価格の面か
ら、ポリエステル系、ポリオレフィン系、アクリル系、
及びレーヨン系等の汎用繊維中に、リン系、ハロゲン
系、及び無機系等の公知の難燃剤を化学的に組込んだり
物理的に配合した繊維から構成された不織布、あるいは
汎用繊維の不織布を難燃剤で処理したものが好ましい。
する繊維としては、活性炭素繊維も好適である。活性炭
素繊維は、吸着速度が一般の粉体状活性炭もより100
から1000倍も速く、単位量当りの吸着量も10倍程
度有する。本発明で好ましく用いられる活性炭素繊維
は、繊維長が0.5から50mm程度、繊維径は1から
100μm程度で、特に10μm程度のものが好まし
い。
不織布は、上記繊維を水に懸濁し、湿式抄紙法によりシ
ート状にする湿式法、樹脂接着によるレジンボンド、針
による交絡を利用したニードルパンチ、糸で縫いつけて
ウェブを綴じたり、糸を用いずにウェブを構成する繊維
同士でウェブを綴じるステッチボンド、あるいは熱によ
り接着したサーマルボンドと呼ばれるいわゆる乾式法、
高圧水をノズルから噴射して交絡させる水流交絡、直接
紡糸しながらシート化するスパンボンド、直接紡糸する
際に高温のジェット空気を噴出させ、紡糸された繊維を
延伸及び切断してシート化するメルトブロー等によって
製造される。
気性シートとして用いる不織布に適度な力学強度を付与
するために、三次元交絡処理を施しても良い。三次元交
絡処理とは、不織布を単層あるいは複数積層して支持体
に載置し、不織布に機械的処理を施して繊維を三次元交
絡させる方法である。具体的にはニードルパンチ法及び
水流交絡法が挙げられる。
不織布における繊維径は1〜50μmの範囲が好まし
く、目付量は20〜100g/m2が好ましい。繊維径が
1μm未満の場合は空隙が小さくなり、従って通気性に
乏しくなるし、逆に50μmを超えると通気度は大きく
なるものの、通気性シートの空隙が大きくなり、内包し
た吸着剤等の粉落ちが発生して好ましくない。また、目
付量が20g/m2未満の場合は、粉落ちが多くなるばか
りか、不織布の強度が不十分となって加工時や使用時の
破損の原因となる。一方、目付量が100g/m2を超え
ると、通気度が小さくなるか、通気度を確保しようとす
ると空隙孔が大きくなって粉落ちの原因となって好まし
くない。
も一方の通気性シートは、光反応性半導体が担持された
ものである。本発明に係わる光反応性半導体とは、0.
5〜5eV、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有す
る、光触媒反応をもたらす半導体である。本発明に係わ
るこのような光反応性半導体としては、酸化亜鉛、酸化
タングステン、酸化チタン、及び酸化セリウム等の金属
酸化物粒子が挙げられるが、殊に酸化チタンはその構造
安定性、光反応性有害物除去能、更には取扱い上の安全
性等から生活空間において使用するには最も適してお
り、本発明に係わる光反応性半導体として有利に用いら
れる。
化チタンは、白色顔料として用いる汎用の二酸化チタン
の他、メタチタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタ
ン、水和酸化チタン、及び水酸化チタン等のチタン酸化
物やチタン水酸化物等が挙げられる。これらの酸化チタ
ンは、四塩化チタンや硫酸チタン、あるいは酸化硫酸チ
タンを原料として、気相燃焼法、加水分解法、あるいは
加熱分解法等によって工業的に製造される。これらの中
でも、10nm以下の大きさを中心とするアナターゼ構
造を持つ微粒子酸化チタンは、優れた光反応性半導体で
ある。更に、これらの製造方法の他に有機チタネートを
用いる方法があり、この方法は均一性が高く透明性のあ
る光反応性膜が得られる。また、これらの酸化チタンの
表面に、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Rh、
Nb、Sn、Cr及びRu等の金属を担持あるいはドー
ピングさせたり、酸化ルテニウム、酸化ニッケル、酸化
マンガン、及び酸化鉄等の他の金属酸化物を担持させて
も良い。
は、光反応性半導体が活性光を受けるとその表面にフリ
ーラジカルを生成し、このフリーラジカルが光反応性半
導体の表面と接触した有害物を攻撃して有害物を分解す
る。この過程を充分に発揮させるには、光反応性半導体
の比表面積を大きくし、フリーラジカルの生成点を増加
させることが効果的である。加えて、比表面積を大きく
すると、光反応性半導体の単位量当りの有害物との接触
面積も増大することから、有害物を分解するためには、
その比表面積が大きいほど効果的である。しかし、光反
応性半導体の比表面積を大きくしていくと、光反応性半
導体自体安定性が低下するし、凝集力が強くなって分散
が困難になり、実質的に有害物の接触の向上が図れな
い。そこで、本発明に係わる光反応性半導体の比表面積
は50〜500m2/g程度が好ましく、更には100〜
500m2/g程度が良い。また、特に酸化チタンの場合
は、比表面積は50〜400m2/g程度が好ましく、更
には150〜350m2/g程度が良い。
導体の使用量は、1〜50g/m2が好ましく、更には2
〜30g/m2が良い。光反応性半導体の使用量が1g/
m2を下回ると、実質的に有害物の分解効果が期待でき
ず、逆に光反応性半導体の使用量が50g/m2を上回る
と、通気性シートに保持することができなくなり、光反
応性半導体の漏散の原因となる。光反応性半導体の絶対
量は、傾向的には高い程有害物の分解効果が期待できる
から、ハンドリング性等のその他特性を満足する範囲で
光反応性半導体含有量を増加させることが望ましい。
表面積の大きな光反応性半導体は上記の様に粒子径が非
常に小さく、また単独での皮膜成形性に乏しいため、通
気性シートに保持しても、使用中に光反応性半導体が落
剥する可能性がある。そこで、光反応性半導体と共に担
体を併用し、より大きな粒状体として通気性シートに担
持させることが好ましい。これにより、製造時及び使用
時に光反応性半導体の漏散を抑止されると共に、光反応
性半導体単独凝集体に比して光反応性半導体表面の活性
点の失活を相当低く抑えられるため、優位である。
リカ、アルミナ、ジルコニア、活性白土、ゼオライト、
セピオライト、ハロイサイト、ハイドロアパタイト、酸
化亜鉛、シリカ−アルミナ複合物、シリカ−酸化亜鉛複
合物、シリカ−マグネシア複合物、酸化亜鉛−マグネシ
ア複合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、シリカ
−アルミナ−マグネシア複合物、及び木片や椰子殻等の
各種素材より調製した活性炭等が挙げられる。
オライト、及び活性炭の様に担体それ自体が吸着能を有
する場合には、全ての担体に光反応性半導体を担持させ
る必要はなく、担持品と非担持品とを一緒にまたは別々
に使用しても良い。また、それ自体で触媒作用を有する
鉄系金属化合物、例えば三二酸化鉄等は、それらに上記
の光反応性半導体を担持させても良く、それらと既に光
反応性半導体を担持させた担体粒子とを混合して用いる
こともできる。更に、担体によっては、特に特定の化学
的または物理的特性を有する物質、例えば酸性物質や塩
基性物質、を優先的に吸着するので、使用条件等により
担体群から最適種を選定し、場合によっては組合わせて
用いることが好ましい。
2000m2/g程度が好ましく用いられるが、活性炭の
場合は特に500〜1500m2/g程度が好ましい。一
方、担体の粒径は、本発明の目的からはある程度のサイ
ズ、少なくとも併用する光反応性半導体より10倍程度
以上大きいことが好ましい。本発明に係わる担体の好ま
しい粒径は100nm〜50μmであり、特に活性炭の
場合は50nm〜10μmである。担体はそのままの粒
子状で用いても良いが、粒子を成形したペレット状や錠
剤状の担体を使用しても良い。
反応性半導体と共に担体を併用する場合の使用量は、光
反応性半導体と担体の混合比によって決定する。すなわ
ち、光反応性半導体と担体の混合比は1:30〜10:
1、より好ましくは1:10〜5:1程度で用いられ
る。光反応性半導体の絶対量を一定として光反応性半導
体に対して担体の混合比が高すぎると、通気性シートに
これらを保持することが困難になり、逆に混合比が低す
ぎると、光反応性半導体同士が凝集して有害物除去能が
低下する可能性があるばかりか、経時での粉落ちの原因
となる。
性半導体を用い、通気性シートに光反応性を付与するこ
とができる。光反応性半導体の通気性シートへの担持方
法は後に詳述するが、例えば特開平1−189322号
公報に記載されているようにゾル状の酸化チタン分散液
に含浸するのも一つの方法である。しなしながら、繊維
と光反応性半導体の間に強い相互作用がないと、通気性
シートから光反応性半導体が脱離してしまうために使用
には耐えない。光反応性半導体の皮膜強度を向上させる
には、焼結による粒子の成長と脱水反応によってその向
上を図る方法が一般的であるが、焼結に必要な温度は3
00℃以上であり、有機性繊維からなる通気性シートに
おいては耐えられる温度ではない。この改良方法とし
て、コロイダルシリカや板状粘土鉱物等の無機性バイン
ダーと混合して含浸させる方法がある。
液によって通気性シートに光反応性を付与することは、
本発明には重要な技術的要素である。しかし、形成され
た光反応性膜は耐水性がなく、結露等の問題がある場所
には使用できないし、膜強度も十分ではない。そこで、
耐水性及び膜強度の向上を図り得るものとして、以下の
金属酸化物複合高分子エマルジョンをバインダーとして
用いると耐水性の付与が期待できる。
アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の高分
子エマルジョンの表面に、コロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナ等が複合されたもので、光反応性である例え
ば酸化チタンと混合し成膜化した際に、高分子粒子と酸
化チタンの直接的な接触を押さえて、膜の安定化を図り
得るものである。このような金属酸化物複合高分子エマ
ルジョンの作製方法には2種類あって、一つはコロイダ
ルシリカやコロイダルアルミナを予め水中にて分散して
おき、この酸化物と反応する例えば3−トリメトキシシ
リルプロピルメタクリレート等のモノマーを構成要素と
して有するアクリル樹脂やアクリル樹脂をグラフトした
ポリエステル等を合成することによって得られる。更に
別な方法では、金属アルコキシドの状態で、水中に分散
する高分子エマルジョン中に予め分散させて、その後水
と反応して金属酸化物とする方法である。両者はその性
質によって使い分けることができる。
間には、吸着剤を内包する。本発明に係わる吸着剤とし
ては、椰子殻活性炭、添着活性炭、活性白土、ゼオライ
ト、シリカアルミナ亜鉛塩、及び酸化亜鉛複合物等が挙
げられる。一般的に、吸着剤としては比表面積の高い材
料が適しているが、その比表面積は150から1500
m2/g程度、好ましくは200から1200m2/g程度
である。
着効果が減少し、多すぎると光反応性有害物除去材とし
ての通気性に支障が出てくるので、10から350g/
m2程度、好ましくは80から250g/m2程度であ
る。また、吸着剤は微粉砕されたものでは通気性シート
から脱離する可能性があるので、その形態は粒状が好ま
しい。粒径は10から120メッシュ程度なら作製可能
であるが、あまり大きな粒子では圧等が加えられると破
砕する場合があるので、30から80メッシュ程度が好
ましい。
物除去材の製造法を説明する。本発明に係わる光反応性
半導体と所望により担体とを、更に所望により金属酸化
物複合高分子エマルジョンを用いて担持した通気性シー
トは、以上によって作製された通気性シートに、光反応
性半導体と所望により担体とが、更に所望により金属酸
化物複合高分子エマルジョンを用いて担持したもの(以
下、後担持と略記する)の他、通気性シートを形成する
成分と光反応性半導体を含有する本発明に係わるシート
担持成分とを混合し、光反応性半導体を担持する通気性
シートを形成して(以下、同時担持と略記する)も得ら
れる。
び金属酸化物複合高分子エマルジョンを含有する水性塗
液を通気性シートに塗設して光反応性有害物除去材が得
られる。通気性シートへの塗設方法としては、水性塗液
に通気性シートを浸漬する含浸及びコーターによる塗布
が挙げられる。本発明に係わる含浸及び塗布の方法とし
て、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイ
ズプレス、及びフィルムトランファー方式のサイズプレ
ス等や、ロールコーター、エアドクターコーター、ロッ
ド(バー)コーター、ブレードコーター、スプレーコー
ター、及びカーテンコーターを用いた方法等が挙げられ
る。
際しては、グロー放電処理、火焔処理、プラズマ処理、
電子線照射処理、紫外線照射処理、及びオゾン処理等に
より、支持体表面を処理した後に塗設することも好まし
い方法である。これら表面処理は二種以上の方法を組み
合わせて用いても良く、通気性シートの一方の面と他方
の面で異なる処理を施しても良い。塗設は通気性シート
の一方の面だけでも差し支えないので、表面処理は塗設
面だけ行なっても良い。
た通気性シートの同時担持による形成方法としては、シ
ート形成成分に光反応性半導体と所望により担体、及び
所望により金属酸化物複合高分子エマルジョンを通気性
シートを形成する過程で担持しても得られる。本発明で
云うシート形成成分とは、光反応性半導体を担持した通
気性シートとした時、その形態を保持するために必要な
成分である。シート形成成分としては繊維状のものが好
ましく、支持体形成性及び後加工性から繊維の素材とし
ては熱可塑性樹脂が良い。
た通気性シートを構成する熱可塑性繊維を全て用いるこ
とができる。更に、光反応性有害物除去材としての強度
を向上させるため、アニリン樹脂、アルキド樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、フラン樹脂、及びメラミン樹脂等の熱硬化性
合成樹脂や、木材パルプ、藁、ケナフ、リンター、バガ
ス、及びエスパルト等の植物繊維、レーヨン等の再生繊
維、アセテート等の半合成繊維、シリコーン系繊維、フ
ッ素系繊維、金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、及
び各種ガラス繊維等を少量混合して用いても良い。
度調整剤(増粘剤)を添加して粘度を調整した後、抄紙
機等を用いて公知の湿式抄造法にてシート化し、乾燥す
ることで光反応性半導体を担持された通気性シートを得
ることができる。シート形成成分は、予め水性液に分散
させたものを光反応性半導体、所望により担体、及び金
属酸化物複合高分子エマルジョンと混合することが好ま
しい。シート形成成分の分散に際しては、界面活性剤を
併用しても良い。
強固に保持させるため、更に少なくとも自己皮膜形成性
の結着剤を少量併用することもできる。本発明に用いら
れる結着剤としては、澱粉、天然ガム類、キトサン、ア
ルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリド
ン、アクリル系エマルション、スチレン系エマルショ
ン、ポリ塩化ビニルエマルション、及びポリ塩化ビニリ
デンエマルション等の合成樹脂エマルション、NBR及
びSBR等の各種ラテックス等が挙げられる。
とも一方に光反応性半導体が担持された通気性シートを
用い、少なくとも2枚の通気性シートの間に吸着剤を内
包して得られる。少なくとも2枚の通気性シートの間に
吸着剤を内包するに当たっては、通気性シート自体が熱
または光や圧力によって接着するものであれば、それら
により通気性シート同士を接着させて内包しても良い
が、吸着剤と共に熱接着性を有する熱可塑性樹脂を併用
すれば、加熱により熱可塑性樹脂を熱融着させて通気性
シート間を強固に接着させることができるし、通気性シ
ート間により多くの内包物を内包できるために非常に有
効である。
により溶融して通気性シート間の結合効果を発現させる
樹脂で、エチレン酢酸ビニル共重合体またはこの変性ポ
リマー、エチレンアクリレート共重合体、アイオノマ
ー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、酢酸ビニル共重合体系、三酢酸セ
ルロース等のセルロース誘導体系、ポリメタクリル酸エ
ステル系、ポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、及
びポリカーボネート系等の樹脂が挙げられる。これらの
樹脂は、深田寛著「ホットメルト接着の実際」高分子刊
行会(1979)に記載されている。
の接着性を向上させるために通気性シートの接着部での
み融着して使用することが好ましい。この様にして使用
することにより、内包された吸着剤等の内包物の有効な
表面積の実質的な減少を抑止できる。熱可塑性樹脂の内
包は、吸着剤等の熱可塑性樹脂以外の内包物の総量が2
0g/m2以上内包する場合に併用するのが好ましく、吸
着剤等の熱可塑性樹脂以外の内包物100重量部に対し
1〜30重量部が好ましく、更に2〜20重量部が好適
である。
し、本発明に係わる通気性シート間にこれら内包物を封
入するには、通気性シート上に内包物を敷き詰め、更に
別の通気性シートで覆って通気性シート間を接合すれば
良い。また、少なくとも一方の通気性シートに波状ある
いは袋状の凹凸の加工を施し、凹部分(下方に凸)に内
包物を充填し、もう一方の通気性シートを載置して凸部
分を接合しても良い。何れか一方の通気性シートに凹凸
加工を施す場合には、より広域に光反応性半導体が配置
されるように、凹凸加工側に光反応性半導体を担持した
通気性シートを配置する方が好ましい。
剤による接着、熱プレス及び熱エンボスロール等による
熱融着、及び縫合等が挙げられる。これらの接合方法
は、部分部分により二種以上の接合方法を組み合わせて
用いても良い。また、熱融着部あるいは接着部を縫合し
たり、熱可塑性樹脂繊維で縫合した部分を熱融着したり
して、同一部分を二種以上の方法で接合しても良い。
面接合しても良いし、網の目上に間隔をあけて接合して
も良い。網の目に接合するのであれば、その間隔は1〜
50mm程度の範囲が好ましい。網の目の形は、四角
形、三角形、円形、楕円形、あるいはこれらの組み合わ
せ等多様なものが使用できる。これらの方法により、通
気性を確保しながら内包物が内包できる。また、周辺部
の接合部分が裂けても内包物の飛散を最少限に留めるこ
とができるし、接合部分を裁断して任意の大きさで使用
できる。
物除去材において、吸着剤等の内包物を内包する少なく
とも2枚の通気性シートは、少なくとも一方の通気性シ
ートが光反応性半導体を担持したものであれば良いか
ら、2枚以上の通気性シートの1枚だけが光反応性半導
体を担持した通気性シートであっても良いし、2枚以上
の全部または全部ではない何枚かが少なくとも光反応性
半導体を担持した通気性シートであっても良い。光反応
性半導体を担持した通気性シートを2枚以上用いる場合
は、光反応性半導体等の担持量やシートの製造方法が異
なったシートを組み合わせて用いても構わない。また、
光反応性半導体を担持した通気性シートとして、上記の
ようにシートの片面だけに後担持したシートを用いる場
合には、内包物側に光反応性半導体担持面を向けても良
いが、その逆の方が好ましい。
吸着特性と光反応性の双方の効果を持ち、これのみでフ
ィルター部材としても使用できる。しかし、フィルター
部材として空気清浄機に用いるには除塵性能も要求され
る場合が多く、この要求を満たすためにエレクトレット
を付与しても良い。エレクトレットとは、絶縁性かつ異
方性高分子を強電界中で凝固させて、その表面電荷を存
続させるもので、通常のエレクトレットシートは矩形断
面や円形断面のポリプロピレンやポリカーボネイト繊維
をランダムにかつ穏やかに充填したものである。電荷密
度としては10-2から10-4C/m2程度好ましくは10
-3C/m2のオーダー程度で使用され、フィルム状で帯電
した後、繊維化してからシート化する方法や、予めシー
トとしておいて帯電させる方法がある。
る花粉、煙草の煙の粒子、ディーゼル車の排ガス煙等帯
電している粒子を表面に電気的に引き寄せて除去する。
この除去性能を向上させるため、空気中の浮遊粒子を電
界中で予め帯電させる方法等もある。
述べた光反応性有害物除去材と張り合わせて空気清浄機
用のフィルター部材として用いることができる他、エレ
クトレットシートを本発明の光反応性有害物除去材に係
わる一方の通気性シートとしても構わない。エレクトレ
ットシートを光反応性有害物除去材と張り合わせる場合
は、除去材の片面だけでも差し支えないし、その両面に
張り合わせても良い。また、光反応性有害物除去材に用
いる少なくとも一方の通気性シートとしてエレクトレッ
トシートを用いる場合には、光反応性有害物除去材の作
製時に加熱行程が含まれると、エレクトレットシートの
電荷密度が低下するので、繊維の軟化点以下で加工する
必要があるし、光反応性半導体等を担持しない方が好ま
しい。
性有害物除去材は、そのままフラットな形状で使用する
こともできるが、吸着剤やエレクトレットシートの寿命
を延ばすため、プリーツ状に加工して使用しても良い。
害物除去材は、従来の吸着剤単独の脱臭シートに比べて
光反応性が付与されているため、悪臭等の有害物を除去
するための寿命が延びる他に、低濃度の大気汚染物質も
除去することができる。更に、エレクトレットの性能を
付与することによって、低コストで優れた性能の空気清
浄機用の除塵及び脱臭フィルター部材として利用でき
る。
るが、本発明はその主旨を越えない限り、これらに限定
されるものではない。
(a)の作製、(2)光反応性半導体を担持したシート
(a′)の作製、(3)吸着剤の内包、の順で作製し
た。 (1)通気性シート(a)の作製 長さ38mm、繊度3デニール、長さ51mm、繊度6
デニールの2種のポリエステル繊維と、長さ51mm、
繊度3デニールのビスコースレーヨン繊維を5:3:2
の重量比で解繊混合してウエッブを作製し、次に熱可塑
性のバインダーであるアクリル系エマルジョン中に含浸
し、繊維間強度を持たせて目付量約50g/m2、かさ密
度0.05g/cm3の通気性シート(a)を作製した。
(a′)の作製 クニミネ工業製スメクトンSAを水中で分散し、これに
石原産業製メタチタン酸中和物スラリーを固形分比で
1:2となるように混合した。この混合液に、上記で作
製した通気性シート(a)を含浸させ、ヤンキードラム
にて乾燥させて光反応性半導体を担持した通気性シート
(a′)を得た。
品工業製添着活性炭を用い、熱可塑性樹脂である50メ
ッシュの住友精化製粒状エチレン−酢酸ビニル樹脂を
4:1となるように混合して、上記通気性シート(a)
と光反応性半導体を担持して光反応性を付与した通気性
シート(a′)の間に150g/m2となるように内包
し、光反応性有害物除去材(A)を得た。
維とパルプを9:1の重量比で混合し、繊維分散液を得
た。この繊維分散液を用い、抄造法により目付量30g
/m2のウエッブを得た。このウエッブを水流交絡法によ
って繊維間強度を向上させ、かさ密度0.09g/cm3
の通気性シート(b)を得た。
(b′)の作製 日産化学工業製コロイダルシリカと光反応性半導体とし
て石原産業製メタチタン酸中和物スラリー及び担体とし
てミズカナイトを固形分重量比1:1:1で混合し、こ
の水溶液を通気性シート(b)に含浸させて光反応性半
導体を担持した通気性シート(b′)を得た。
ナイトと、熱可塑性樹脂である50メッシュのエチレン
−酢酸ビニル樹脂粒子を4:1で混合し、上記通気性シ
ート(b)と光反応性半導体を担持した通気性シート
(b′)との間に、180g/m2となるように内包させ
て光反応性有害物除去材(B)を作製した。
応性半導体の担持方法は実施例1と変え、以下の手順で
光反応性半導体を担持したシート(a″)を作製した。 (1)金属酸化物複合高分子エマルジョンの作製 予めコロイダルシリカを水中に分散しておき、これにメ
チルメタクリレート、ブチルメクリレート、ブチルアク
リレート、及び3−トリメトキシシリルプロピルメタク
リレートを重量比3:2:3:2:0.2となるように
混合し、窒素置換後過硫酸カリウムを添加して60℃で
8時間乳化重合を行い、金属酸化物複合高分子エマルジ
ョンを作製した。
(a″)の作製 作製した金属酸化物複合高分子エマルジョンと光反応性
半導体として堺化学製メタチタン酸中和物スラリーを重
量比1:1となるように混合し、通気性シート(a)に
含浸させて光反応性半導体を担持した通気性シート
(a″)を得た。
の代わりに(a″)を用いた以外は、実施例1と同様に
して光反応性有害物除去材(C)を作製した。
脂である粒状エチレン−酢酸ビニル樹脂を4:1となる
ように混合して、実施例1で作製した2枚の通気性シー
ト(a)の間に150g/m2となるように内包し、実施
例1と同様にして添着活性炭を内包した光反応性を有さ
ない有害物除去材(D)を作製した。
樹脂である粒状エチレン−酢酸ビニル樹脂を4:1とな
るように混合して、実施例2で作製した2枚の通気性シ
ート(b)の間に180g/m2となるように内包し、実
施例2と同様にしてミズカナイトを内包した光反応性を
有さない有害物除去材(E)を作製した。
3M製エレクトレットシートを同時にプリーツ加工を施
し、縦横幅30cm長の空気清浄機用フィルターとし
た。使用したシート面積は0.8m2であった。
石油化学製エレクトレットを同時にプリーツ加工を施
し、縦横30cm長の空気清浄機用フィルターとした。
使用したシート面積は0.8m2であった。
る通気性シート(a)の代わりに住友3M製エレクトレ
ットシートを用いた他は、実施例3と同様にして光反応
性有害物除去材(F)を作製した。この光反応性有害物
除去材(F)にプリーツ加工を施し、縦横30cm長の
空気清浄機用のフィルター部材(う)を作製した。使用
した光反応性有害物除去材の面積は0.8m2であっ
た。
害物除去材(A)〜(C)及び(F)、及び比較例1及
び2で作製した有害物除去材(D)及び(E)の気相ホ
ルムアルデヒドの除去効果をみるため、各除去材を10
cm角に切り取り、5.6リットルの攪拌機付きの容器
中でホルムアルデヒドの除去効果の測定を行った。ホル
ムアルデヒドは計30ppmとなるように10分間隔で
飽和ガスで56μlずつ3回注入した。また、6wのブ
ラックランプを励起光源として使用した。
除去剤も入れていない)のホルムアリデヒド濃度は30
ppmであった。しかし、光反応性有害物除去材(A)
〜(C)及び(F)のいずれの場合も0ppmであっ
た。これに対し、有害物除去剤(D)では12ppm、
有害物除去剤(E)では25ppmであった。この結
果、光反応性有害物除去材(A)〜(C)及び(F)は
どれも優秀な脱臭効果を有することが判った。
害物除去材(C)、(B)、及び(F)を用いたフィル
ター部材(あ)〜(う)を30wのシロッコファン及び
6wブラックランプ2本を組み合わせて室内での脱臭除
塵効果を調べた。まず、新築の約12畳マンションの一
室に設置したところ、ファン未稼働時で室内のホルムア
ルデヒド濃度が25ppbであったものが、いずれのフ
ィルター部材を用いた場合でも稼働時間2時間で3pp
bまで低下した。次に、ファン未稼働時に煙草を1本吸
ったところ、10分後の室内の浮遊粉塵量は、スチレン
粒子換算で0.2mg/m3程度であったが、フィルター
部材(あ)(い)または(う)を用いた場合にいずれも
稼働時では0.02mg/m3以下になり、非常に効果的
に除塵及び有害物の除去を行っていることが判った。
明による光反応性有害物除去材は低コストで良好な有害
物除去性能を有する他に、エレクトレットと組み合わせ
ることによって優秀なフィルター部材としても用いるこ
とができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも2枚の通気性シートの間に吸
着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の通気
性シートに、光反応性半導体が担持されていることを特
徴とする光反応性有害物除去材。 - 【請求項2】 少なくとも2枚の通気性シートの間に吸
着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の通気
性シートに、光反応性半導体と担体が担持されているこ
とを特徴とする光反応性有害物除去材。 - 【請求項3】 金属酸化物複合高分子エマルジョンを用
いて光反応性半導体が担持されていることを特徴とする
請求項1又は2記載の光反応性有害物除去材。 - 【請求項4】 少なくとも2枚の通気性シートの間に吸
着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の通気
性シートがエレクトレットシートであることを特徴とす
る請求項1〜3の何れかに記載の光反応性有害物除去
材。 - 【請求項5】 少なくとも2枚の通気性シートの間に吸
着剤を内包したシート間内包体の少なくとも一方の通気
性シートの吸着剤内包面と反対面にエレクトレットシー
トが張り合わされていることを特徴とする請求項1〜4
の何れかに記載の光反応性有害物除去材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000320026A (ja) * | 1999-05-07 | 2000-11-21 | Ykk Architectural Products Inc | 建築用ガス吸着パネル |
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JP2017131890A (ja) * | 2017-04-19 | 2017-08-03 | ダイワボウホールディングス株式会社 | 静電フィルター |
JP2018103163A (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-05 | 東洋紡株式会社 | エレクトレット濾材の製造方法 |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP04593197A patent/JP4030146B2/ja not_active Expired - Fee Related
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