JPH11342310A - 機能性エレクトレットフィルタ―およびその製造方法、並びに空気清浄化装置 - Google Patents

機能性エレクトレットフィルタ―およびその製造方法、並びに空気清浄化装置

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JPH11342310A
JPH11342310A JP11088590A JP8859099A JPH11342310A JP H11342310 A JPH11342310 A JP H11342310A JP 11088590 A JP11088590 A JP 11088590A JP 8859099 A JP8859099 A JP 8859099A JP H11342310 A JPH11342310 A JP H11342310A
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Japan
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filter
photocatalyst
electret filter
functional
electret
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JP11088590A
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English (en)
Inventor
Shinya Hioki
信也 火置
Junji Harada
純二 原田
Katsushi Ogami
勝志 大上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】抗菌性に優れ、集塵耐久性が高く、優れた脱臭
性を有する機能性エレクトレットフィルターおよびその
製造方法、この機能性エレクトレットフィルターの能力
を充分に発揮させる空気清浄化装置を提供する。 【解決手段】通気性基材に光触媒、好ましくは酸化チタ
ンまたは酸化亜鉛、および必要に応じて細菌に親和性を
有する物質、好ましくは燐酸カルシウム系化合物を担持
してなる光触媒フィルター或いは通気性基材に吸着剤を
担持した後に光触媒を担持してなる光触媒フィルターと
エレクトレットフィルターとを、望ましくは圧力損失の
比が特定の関係を有する光触媒フィルターとエレクトレ
ットフィルターとを、好ましくは両者の間に不連続高分
子層を存在させて重ね合わせ、特に好ましくは部分的に
交絡され、更に好ましくは重ね合わせた後に帯電加工し
てなる機能性エレクトレットフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塵埃等を除去する
ために用いられるエレクトレットフィルターに抗菌性や
脱臭性などを付与した機能性エレクトレットフィルター
およびその製造方法、並びに機能性エレクトレットフィ
ルターを搭載した空気清浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の変化や健康志向の高ま
りなどにより、家庭や職場において空気清浄化装置の普
及が進んでいる。空気清浄化装置の集塵方式としては、
電気集塵方式、濾過フィルター方式、エレクトレットフ
ィルター方式などがあり、コンパクトな家庭用空気清浄
機においてはエレクトレットフィルター方式が広く普及
している。
【0003】このようなエレクトレットフィルターはハ
ウスダストなどの塵埃以外にも、細菌、黴の胞子、ウイ
ルスなどを捕捉するため、これらの細菌などの有害物が
エレクトレットフィルター上で高密度化し、種々のアレ
ルギー性疾患や感染症などの原因となる恐れが高い。そ
こで、エレクトレットフィルターと重ね合わせるバック
アップ材やカバー材などの通気性基材に抗菌剤を担持す
る抗菌加工が実用化されている。しかしながら、従来の
無機系抗菌剤はその表面が細菌や汚れに覆われてしまう
とその作用が発現しなくなってしまい、また、有機系の
抗菌剤や防黴剤などはその薬剤自体が空気の汚染につな
がる恐れがあるなどの問題がった。
【0004】また、エレクトレットフィルターは低圧
損、且つ高集塵効率を特長とする優れた空気清浄機用フ
ィルターであるが、タバコのヤニなどの油滴状物質によ
って集塵効率が低下する問題があり、改良が望まれてい
た。
【0005】更に、最近の家庭用空気清浄機などでは、
集塵性能に加えて脱臭性能が付加されるものが多く、集
塵性能と脱臭性能の両者を有するフィルターに対するニ
ーズが高まってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、抗菌
性に優れ、更に集塵耐久性が高く、優れた脱臭性を有す
る機能性エレクトレットフィルターおよびその製造方
法、並びにこの機能性エレクトレットフィルターの能力
を充分に発揮させる空気清浄化装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。
【0008】(1)通気性基材に光触媒を担持してなる
光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね
合わせてなる機能性エレクトレットフィルター。
【0009】(2)上記の発明(1)において、光触媒
フィルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルタ
ーの圧力損失(B)との比(A/B)が0.1〜1の範
囲にあることを特徴とする機能性エレクトレットフィル
ター。
【0010】(3)上記の発明(1)または(2)にお
いて、光触媒フィルターとエレクトレットフィルターと
の間に不連続高分子層が存在することを特徴とする機能
性エレクトレットフィルター。
【0011】(4)上記の発明(1)において、光触媒
フィルターとエレクトレットフィルターが部分的に交絡
されてなる機能性エレクトレットフィルター。
【0012】(5)上記の発明(1)〜(4)の何れか
において、光触媒フィルターとエレクトレットフィルタ
ーとを重ね合わせた後に帯電加工してなる機能性エレク
トレットフィルター。
【0013】(6)上記の発明(1)〜(5)の何れか
において、光触媒フィルターが吸着剤を担持した後に光
触媒を担持してなることを特徴とする機能性エレクトレ
ットフィルター。
【0014】(7)上記の発明(1)〜(6)の何れか
において、光触媒が酸化チタンであることを特徴とする
機能性エレクトレットフィルター。
【0015】(8)上記の発明(1)〜(6)の何れか
において、光触媒が酸化亜鉛であることを特徴とする機
能性エレクトレットフィルター。
【0016】(9)上記の発明(1)、(7)または
(8)において、通気性基材に光触媒および細菌に対し
て親和性を有する物質を担持してなる光触媒フィルター
とエレクトレットフィルターとを重ね合わせてなる機能
性エレクトレットフィルター。
【0017】(10)上記の発明(9)において、細菌
に対して親和性を有する物質が燐酸カルシウム系化合物
であることを特徴とする機能性エレクトレットフィルタ
ー。
【0018】(11)通気性基材に光触媒を担持してな
る光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを融
着によって一体化することを特徴とする機能性エレクト
レットフィルターの製造方法。
【0019】(12)通気性基材に光触媒を担持してな
る光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを接
着によって一体化することを特徴とする機能性エレクト
レットフィルターの製造方法。
【0020】(13)通気性基材に光触媒を担持してな
る光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを縫
合によって一体化することを特徴とする機能性エレクト
レットフィルターの製造方法。
【0021】(14)通気性基材に光触媒を担持してな
る光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを交
絡によって一体化することを特徴とする機能性エレクト
レットフィルターの製造方法。
【0022】(15)通気性基材に光触媒を担持してな
る光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを重
ね合わせてなる機能性エレクトレットフィルター、該光
触媒を励起する光を発する光源、および送風手段を有す
ることを特徴とする空気清浄化装置。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、主に光触媒の作用によ
って抗菌性に優れ、更に集塵耐久性が高く、優れた脱臭
性を有する機能性エレクトレットフィルターおよびその
製造方法、並びにこの機能性エレクトレットフィルター
を応用した空気清浄化装置を提供する。
【0024】本発明に係わる光触媒とは、0.5〜5e
V、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有する、光触媒
反応をもたらす光反応性半導体であり、励起光を照射す
ることによって、抗菌、抗ウイルス、防黴、脱臭、防汚
などの機能を発現する素材である。特にその抗菌性は優
れたものであり、細菌の増殖を抑えるだけでなく、細菌
が死滅する際に発生する毒素を分解して無害化し、ま
た、細菌の死骸をも分解するため、その効果は従来の無
機系抗菌剤などのように短期間で低下することがなく永
続すると言われている。
【0025】本発明に係わる光触媒としては、酸化亜
鉛、酸化タングステン、酸化チタン、及び酸化セリウム
等の金属酸化物粒子が挙げられる。中でも、酸化チタン
はその構造安定性、光反応性有害物除去能、更には取扱
い上の安全性等から生活空間において使用するには最も
適しており、また、酸化亜鉛は励起光が照射されない環
境下でも抗菌性を有しており、この両者は本発明の光触
媒として有利に用いられる。
【0026】本発明に係わる酸化チタンは、白色顔料と
して用いられる汎用の二酸化チタン(但し、耐候処理が
全くまたは部分的にしかされていないもの)の他、メタ
チタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化
チタン、水酸化チタンおよび過酸化チタン等のチタン酸
化物や水酸化物などが挙げられる。
【0027】中でも一次粒径が数十nm程度で、アナタ
ーゼ結晶構造を有する微粒子酸化チタンは比較的安価で
性能の優れた光触媒である。但し、本発明に係わる酸化
チタンはアナターゼ結晶構造に限定されるものではな
く、光触媒能を有するものであれば、ルチルやブルカイ
トなどの結晶構造を有するものや非晶性酸化チタンであ
っても良い。
【0028】酸化チタンの形状として、立方体状、球
状、真球状、薄片状またはナノクラスターなどが挙げら
れる。
【0029】上記のチタン化合物以外にも、チタニウム
アルコキシドやチタニウムキレートなどの有機チタネー
トを用いても良く、均一性が高く、且つ透明性の高い光
触媒膜を形成することが可能である。
【0030】これらの酸化チタンの表面および結晶構造
の内部に、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、C
o、Fe、Zn、Mo、Ir、Bi、W、Os、Rh、
Nb、Sn、V、CrおよびRu等の種々の金属、その
イオンまたはその酸化物などの化合物を担持あるいはド
ーピングさせたりして複合しても良い。
【0031】次に、本発明に係わる通気性基材につい
て、以下に具体的に説明する。本発明に係わる通気性基
材は、光触媒を担持した光触媒フィルターの支持体とし
て機能するものである。このような基材の形態として
は、織布、不織布、各種の紙、ネット、ハニカム、フォ
ーム、スポンジ及びフェルト等の他、ポリエチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエステルフィ
ルムの様な汎用の樹脂フィルムや薄板、並びに金属箔な
どが挙げられる。これらの内、フィルム、薄板および金
属箔等の通気性に乏しいシートは、適度な大きさの穴を
あけて通気性を付与または向上させも良い。中でも、坪
量、通気性を制御し易く、加工性にも優れている点から
本発明に係わる通気性基材としては不織布が特に好まし
い。
【0032】不織布は、ポリアミド系繊維、ポリエステ
ル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊
維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊
維、フェノール系繊維などの合成繊維、ガラス繊維、金
属繊維、アルミナ繊維、活性炭素繊維などの無機繊維、
木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの
天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に親水性や
難燃性などの機能を付与した繊維などを使用し、各種方
法によって製造したものである。
【0033】不織布の製造方法については特に制限はな
く、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルト
ブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エア
レイド法などで得られたウェブを水流交絡法、ニードル
パンチ法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマ
ルボンド法などの熱による接着方法、レジンボンドなど
の接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜
組み合わせて製造することができる。
【0034】本発明の通気性基材に光触媒を担持させる
には、基材の原料に練り混み等によって担持する方法、
塗工や印刷、含浸などによって担持する方法、湿式抄造
によって担持する方法、2枚以上の基材の間に封入する
方法などを用いることができる。中でも、塗工や含浸に
よる方法が好ましく、各種ブレードコーター、ゲートロ
ールコーターやトランスロールコーター、シムサイザー
などの各種ロールコーター、エアーナイフコーター、バ
ーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェ
ルコーター、コンマコーター、ダイコーター、リバース
ロールコーター、キスコーター、ディップコーター、カ
ーテンコーター、エクストルージョンコーター、グラビ
アコーター、マイクログラビアコーター、スプレーコー
ター、2ロールタイプのサイズプレスまたはタブサイズ
プレスサイズプレスなどの各種塗工装置を用いることが
できる。
【0035】塗工や含浸などの方法によって通気性基材
に光触媒を担持して光触媒フィルターを作製する場合に
は、バインダーを用いることができる。バインダーの種
類は特に限定されるものではないが、光触媒反応に対し
て抵抗性を有するもの、例えばポリテトラフルオロエチ
レン等のフッ素樹脂系やシリコン樹脂系の抗酸化性バイ
ンダーや金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンな
どの無機有機複合バインダー、無機系バインダーおよび
これらを適宜組み合わせて用いることが好ましい。
【0036】本発明に係わる無機系バインダーの具体例
としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイ
トなどのスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリ
ナイト、ハロイサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、
セピオライトなどの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナおよびこれらの変性物や合成無
機高分子化合物などが挙げられる。
【0037】本発明で云う上記変性物における変性と
は、天然鉱物中より不純物や特定の原子団を除去した
り、天然鉱物構成元素中の特定の元素を適当な方法で処
理して他の元素と交換したり、別の化合物(特に有機化
合物)と共に化学処理して特に鉱物表面の物性を改変す
ることにより、元来の天然鉱物固有の特性を伸長した
り、あるいは新たなる特性を付与することであり、本発
明で云う変性物の具体例としては、Ca−モンモリロナ
イトを水の存在下で炭酸ナトリウムなどと処理してイオ
ン交換を行ったNa−モンモリロナイトや、カチオン界
面活性剤および/またはノニオン界面活性剤と処理した
ものなどが挙げられる。
【0038】また、本発明で云う合成無機高分子化合物
とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新た
な特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元素
で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて得
られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基をフ
ッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイトなどが
挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲
母[KMg3(AlSi3O10)F2]、フッ素四ケイ素雲母[KMg
2.5(Si4O10)F2]、テニオライト[KMg2Li(Si4O10)F
2]などが挙げられる。
【0039】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は、耐久消費材として使用されるばかりでなく、交換用
途などの消費材として使用されることもあり、使用条件
に応じては光触媒フィルターの作製に用いるバインダー
には高い耐久性が要求されない場合がある。
【0040】このように高い耐久性が要求されない場合
には通常のバインダーを用いることができ、単独で使用
しても良く、または上記の無機系バインダーなどと併用
しても良い。光触媒や所望により併用される吸着剤また
は細菌に対して親和性を有する物質などの表面を覆うこ
となく十分な接着性が得られるバインダーとして熱可塑
性高分子エマルジョンが好ましい。
【0041】熱可塑性高分子エマルジョンとして、ポリ
アクリロニトリルやポリアクリル酸エステルなどのアク
リル系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体などの各種共重合樹脂、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール
樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0042】また、塗工や含浸などに際しては、本発明
の趣旨を逸脱しない限り、分散剤、消泡剤、濡れ性改良
材、剥離剤、染料や顔料などの着色剤、防腐剤などを塗
液に添加しても良い。
【0043】酸化チタンなどの光触媒は、特開平8−2
66601号公報に開示されているように微細繊維を用
いて凝集体を形成させた後に担持することが好ましい。
特に、酢酸菌などを培養して得られる微生物セルロー
ス、中でも攪拌培養によって得られる微生物セルロース
は脱臭性および抗菌性が優れるのみならず、高い光触媒
活性によって集塵耐久性の向上が可能となる。
【0044】ここで云う微生物セルロースとは、微生物
により生産されたセルロース性物質であり、セルロース
の他にセルロースを主鎖としたヘテロ多糖、β−1,
3、β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ
多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビ
ノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖
および有機酸等である。
【0045】微生物セルロースを生産する微生物は、特
に限定されないが、アセトバクター・キシリナム(Acet
obactor xylinum)ATCC 10821、アセトバク
ター・キシリナム・サブスピーシーズ・シュクロファー
メンタンス(Acetobactor xylinum subsp. sucrofermen
tans)BPR2001株(FERM BP−454
5)、アセトバクター・パストウリアヌス(A. pasteur
iunus)等の酢酸菌、その他に、アグロバクテリウム
属、リゾビウム属、サルシナ属、シュードモナス属、ア
クロモバクター属、アルカリゲネス属、アエロバクター
属、アゾトバクター属及びズーグレア属並びにそれらを
ニトロソグアニジン等を用いる処理や紫外線照射等の公
知の方法によって変異処理することにより創製される各
種変異株で、セルロース性物質を生産するものを利用す
ることができる。
【0046】酢酸菌を用いた微生物セルロースの培養に
よってN−アセチルグルコサミンを含有するセルロース
物質を得る方法が特開平4−268301号公報に開示
されており、このようなアミノ基を含有するセルロース
物質は、後述の通り本発明の第9の発明に係わる細菌に
対して親和性を有する物質としても機能するため好まし
い。
【0047】微生物セルロースを培養する方法として
は、静置培養、振とう培養、攪拌培養などを使用するこ
とができる。中でも、本発明で用いる微生物セルロース
は培養液を撹拌しながら行う撹拌培養法により生産され
たものが好ましい。撹拌培養法における撹拌手段として
は、例えばインペラー、エアリフト発酵槽、発酵ブロス
のポンプ駆動循環等を使用でき、撹拌と同時に、必要に
応じて培養液に通気を行っても良い。
【0048】微生物セルロースは解繊処理を施すことが
好ましく、特公平6−72394号公報等に記載されて
いるミキサーなどの撹拌式離解装置を用いる方法、PC
T/US92/09642号明細書に記載されている高
圧式のホモジナイザ−を用いる方法等を用いることがで
きる。
【0049】上記の種々の方法によって通気性基材に光
触媒を担持した後には、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパ
ーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダーを用
いて平坦化、つや出し仕上げを行ったり、毛焼きなどの
処理やエンボス装置を用いた型付け処理等を行っても良
く、また、型抜きや高圧水流法などによって適度な大き
さの穴をあけ、通気性を付与または向上させも良い。
【0050】光触媒フィルターの一例を示すと、例えば
ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素樹脂と酸
化チタンなどの光触媒を混合して押し出し成形後に延伸
し、延伸により得られたフィルムに適度な大きさの穴を
あけて通気性を付与して得られるフィルター、または、
該フィルムを解繊して得られた繊維から前述した種々の
不織布製造方法によって作製されるフィルター、或い
は、一軸延伸によって得られる糸や解繊して得られた繊
維から得られる撚糸を織ってなる織布またはネットなど
の光触媒含有フッ素樹脂フィルターが挙げられる。
【0051】通気性基材に光触媒を担持して光触媒フィ
ルターを調製するに当たっては、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、吸着剤などの脱臭剤、抗菌剤、防黴
剤、抗ウイルス剤、防虫剤、害虫忌避剤、芳香剤などの
各種薬剤を併用しても良い。このような抗菌剤または防
黴剤、抗ウイルス剤として、銀や亜鉛または燐酸カルシ
ウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツイミダゾ
ール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、クロロヘキ
シジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサンなどの
高分子系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや
孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然物由来の
抗菌剤およびこれらを複合したハイブリット抗菌剤など
が挙げられる。なお、脱臭剤の詳細については後述す
る。
【0052】本発明に係わるエレクトレットフィルター
とは、半永久的に電気分極を保持し、外部に対して電気
力を及ぼすフィルターであって、その静電気力によって
粒子を捕捉するものである。帯電方法としては、エレク
トロエレクトレット、熱エレクトレット、ラジオエレク
トレット、メカノエレクトレット、フォトエレクトレッ
ト、マグネットエレクトレットなどが挙げられるが、工
業的に不織布フィルターで用いられているものは、主に
エレクトロエレクトレットおよび熱エレクトレットであ
り、フィルター材料としてはポリプロピレンまたはプロ
ピレン主体の共重合体が用いられることが多く、脂肪酸
金属塩などが添加される場合がある。
【0053】不織布は嵩高で3次元空隙が存在するた
め、コロナ放電などによる帯電処理では安定した帯電効
果を得ることが難しい場合があり、コロナ放電などで帯
電処理を施したフィルムを繊維状に断裁、それを不織布
化したスプリットファイバーエレクトレットフィルター
や、メルトブロー紡糸時および溶融紡糸時に高電圧を印
加して熱エレクトレット的に繊維を帯電させたメルトブ
ロー不織布式エレクトレットフィルターおよびスパンボ
ンド不織布式エレクトレットフィルターなどは、安定し
た分極電荷を得ることができ、好ましい。なお、メルト
ブロー不織布式エレクトレットフィルターなどは単体で
は力学的強度が小さいため、乾式不織布やスパンボンド
などを貼り合わせて使用される場合がある。
【0054】本発明に係わる光触媒フィルターは、比較
的軟らかいエレクトレットフィルターを補強してプリー
ツ適性を付与するために重ね合わされるバックアップ
材、または、エレクトレットフィルターの力学的強度を
補う目的や繊維の毛羽立ちを抑える目的などで使用され
るカバー材またはスクリーム材などの通気性基材を兼ね
ても良い。
【0055】本発明に係わる光触媒フィルターとエレク
トレットフィルターとを重ね合わせる場合には、単に重
ね合わせるだけでも良いが、部分的または全体的に融
着、接着、縫合または交絡させるなどして一体化しても
良い。
【0056】光触媒フィルターとエレクトレットフィル
ターとを融着によって一体化する方法として、いわゆる
ヒートシール法などの熱融着法、いわゆるピンソニック
法などの超音波融着法、およびいわゆる高周波ウエルダ
ー法またはいわゆる高周波ミシン法などの高周波融着法
が挙げられる。
【0057】光触媒フィルターとエレクトレットフィル
ターとを接着によって一体化する方法として、液状の接
着剤を用いる接着法、エンボス装置などを用いて加圧接
着する圧着法、一方のフィルター、好ましくは光触媒フ
ィルターに熱可塑性樹脂を点状に散布して加熱により可
塑化した後、または、可塑化した熱可塑性樹脂をスプレ
ーノズルなどで塗布した後に、他方のフィルター、好ま
しくはエレクトレットフィルターを貼り合わせるホット
メルト接着法などが挙げられる。ホットメルト接着法な
どの熱が介在する接着法においては、熱可塑性樹脂の余
分な熱を除去する、またはエレクトレットフィルターを
冷却しながら貼り合わせるなどしてエレクトレットフィ
ルターへの熱の影響を排除することが好ましい。
【0058】熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体またはこの変性物、エチレンアクリレート共
重合体、アイオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル共
重合体系、セルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレ
ート系、ポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリ
カーボネイト系の樹脂などが挙げられる。
【0059】光触媒フィルターとエレクトレットフィル
ターとを縫合によって一体化する方法として、いわゆる
ステッチボンド法などが挙げられる。縫い目のパターン
は特に限定されるものではなく、例えば縞状、菱形また
は無作為などが挙げられる。また、縫合に用いる糸は、
特に限定されるものではないが、モノフィラメントより
もマルチフィラメントが好ましく、更にエレクトレット
化された糸または光触媒を担持した糸であることが好ま
しい。
【0060】光触媒フィルターとエレクトレットフィル
ターとを交絡によって一体化する方法として、ニードル
パンチ法およびいわゆるスパンレース法などの水流交絡
法等が挙げられる。中でも、ニードルパンチ法による交
絡が好ましく、また、本発明の第5の発明に係わる帯電
加工は、メカノエレクトレット法によってニードルパン
チ法による交絡と同時に帯電を施しても良い。
【0061】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は、光触媒フィルターとエレクトレットフィルターが部
分的に交絡されてなることが好ましく、圧力損失が低く
通気性に優れる特長を有する。
【0062】本発明の目的の一部を充分に達成するため
に、エレクトレットフィルターと光触媒フィルターと
を、全面にわたって密着させることが好ましく、全面の
密着によって優れた抗菌性と高い集塵耐久性が得られ
る。
【0063】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は、光触媒フィルターの圧力損失(A)とエレクトレッ
トフィルターの圧力損失(B)との比(A/B)が0.
1〜1の範囲にあることが好ましい。この圧力損失の比
(A/B)が0.1以上の場合には一層高い脱臭効果が
得られる利点があり、一方、1を越える場合には一層高
い脱臭効果は維持されるものの、エレクトレットフィル
ターと重ね合わせる光触媒フィルターの通気性が低下す
るのに伴って、総体として機能性エレクトレットフィル
ターの圧力損失が高くなり、通気性が悪化するため好ま
しくない。
【0064】ここでいう圧力損失の比は、本発明の機能
性エレクトレットフィルターが使用される空気清浄機、
空調設備、脱臭装置などの風量を単位面積に換算したい
わゆる線風速の範囲において規定されるもので、具体的
な範囲として2cm/秒から200cm/秒までの範囲
で比較されるものである。
【0065】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は光触媒フィルターとエレクトレットフィルターとの間
に不連続高分子層が存在することが好ましく、該不連続
高分子層の存在によって高い通気性および優れた脱臭寿
命が得られる。
【0066】本発明に係わる不連続高分子層は特に限定
されるものではなく、紙、不織布、ネット、熱可塑性樹
脂など各種接着剤の接着層等が挙げられる。
【0067】本発明の機能性エレクトレットフィルター
はエレクトレットフィルターと光触媒フィルターとを重
ね合わせた後に、好ましくは前述の種々の方法などによ
って一体化した後に帯電加工を施すことが好ましく、帯
電加工によって集塵性能の一層の向上が達成される。な
お、帯電加工を施す場合には、光触媒フィルターを構成
する通気性基材または不連続高分子層は、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好
ましい。
【0068】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は脱臭剤を含有することが好ましく、中でも光触媒フィ
ルターが吸着剤を含有することが特に好ましい。殊に、
本発明の機能性エレクトレットフィルターは、光触媒フ
ィルターが吸着剤を担持した後に光触媒を担持してなる
ことが一層好ましく、著しく高い脱臭効果が得られるも
のである。
【0069】脱臭剤は主に悪臭を除去する目的で用いら
れる薬剤であり、具体的には吸着剤、鉄アスコルビン酸
や鉄、コバルトまたはマンガン等の金属フタロシアニン
誘導体などの酵素系脱臭剤、マンガン系酸化物やペロブ
スカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪
素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア
系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石など
の遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物
であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消
臭剤などが挙げられる。これらの脱臭剤は必要に応じて
複数のものを併用しても良く、また、これらの脱臭剤を
複合化したハイブリット脱臭剤としても良い。
【0070】本発明に係わる吸着剤として、活性炭、添
着活性炭、活性炭素繊維、天然および合成ゼオライト、
活性アルミナ、活性白土、セピオライト、酸化鉄などの
鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、シ
リカ−酸化亜鉛複合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複
合物、複合フィロケイ酸塩、イオン交換樹脂、あるいは
これらの混合物などが挙げられる。
【0071】本発明に係わる吸着剤の中でも、多孔質で
表面積が多い物質は、光触媒に対する担体としても機能
する場合があり、好ましい。
【0072】本発明に係わる吸着剤は、特に限定される
ものではないが、塩基性ガス吸着剤またはアルデヒド吸
着剤であることが特に好ましい。
【0073】塩基性ガス吸着剤とは、主に酸性物質を含
有する吸着剤であり、具体的には、フマル酸、マレイン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、スチレン
スルフォン酸、アルギン酸などの有機酸またはその多量
体やオリゴマーまたはポリマーなどの重合体、活性白土
などの酸性基を有する無機吸着剤および燐酸などの酸性
物質を添着した酸添着活性炭等が挙げられる。
【0074】本発明に係わるアルデヒド吸着剤とは、ア
セトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
と親和性が高い吸着剤であり、アミン添着活性炭、ハイ
シリカゼオライトおよびモレキュラーシーブなどが挙げ
られる。
【0075】本発明に係わるアミン添着活性炭とは、各
種アルデヒドと化学吸着反応を起こすアミン類を添着し
てなる活性炭である。
【0076】アミン添着活性炭に用いられるアミンとし
ては、第1アミン化合物としてアミノ基を有するアニリ
ン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシル
アミン、(イソ)プロパノールアミン、エタノールアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
スチレンメタクリル酸エチルアミン、スチレンアクリル
酸アミン等の化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマー
あるいはこれらの化合物から誘導されるアミノ基を含有
する誘導体などを用いることができる。
【0077】第1アミン以外のアミン化合物、たとえば
第2アミン化合物としてはエチルアニリン、ジエチルア
ミン、メチルビニルアミン、スチレンアクリル酸メチル
メチルアミン、ビニルベンジルメチルアミン、スチレン
メタクリル酸エチルメチルアミン等の化合物、モノマ
ー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物から
誘導される第2アミン化合物など、
【0078】あるいは第3アミン化合物としてビニルベ
ンジルジメチルアミン、ビニルベンジルジエチルアミ
ン、スチレンアクリル酸ジエチルアミン、スチレンメタ
クリル酸ジエチルアミン、スチレンアクリル酸ジメチル
アミン、スチレンメタクリル酸ジメチルアミン、スチレ
ンメタクリル酸エチルジメチルアミン、スチレンアクリ
ル酸エチルジメチルアミン、スチレンメタクリル酸エチ
ルジエチルアミン、スチレンアクリル酸エチルジエチル
アミン、トリエチルアミン等の化合物、モノマー、オリ
ゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物から誘導され
る第3アミン化合物なども用いることができるが、好ま
しくはアミノ基を有する第1アミン化合物が用いられ
る。
【0079】これらのアミン化合物は活性炭に吸着させ
るか、あるいは活性炭の表面に残る水酸基やアルカリ金
属などの官能基と部分的に反応させながらインターカレ
ーションを行うことによりアミン添着活性炭とすること
ができる。効率的にインターカレートできるアミン化合
物と活性炭の残存官能基の組み合わせは限定されるが、
アミン化合物が挿入されることによりより強固にアルデ
ヒドを吸着剤中に取り込むことが可能になる。
【0080】本発明に係わるハイシリカゼオライトは、
化学的には通常のゼオライトと同じくアルミノシリケー
ト金属塩の結晶であるが、特に結晶中のアルミナに対す
るシリカの割合が高く、シリカ構造中の酸素原子が塩基
性をほとんど持たない。
【0081】このようなハイシリカゼオライトは表面の
Si−O−Si結合が水素結合の形成に関与せず、疎水
性を示して水分子を吸着しないため、高湿度環境下およ
び高温度環境下においても効率良くアルデヒド類を吸着
することが可能である。そこでハイシリカゼオライトは
疎水性ゼオライトと呼ばれる場合がある。
【0082】更に、ハイシリカゼオライトはアルデヒド
類のみならず、広範囲の臭気物質、例えば有機酸、アン
モニア、アミン類、ケトン類、硫化水素やメルカプタン
類などの含硫黄化合物、インドール類などを吸着できる
ため、本発明に係わる吸着剤としては殊更に好ましいも
のである。
【0083】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は所望により難燃性を付与しても良い。難燃性を付与す
るための難燃性物質としては、本質的に難燃性のアラミ
ド樹脂、本質的に不燃性の金属、ガラス、アルミナなど
の酸化物等の無機物のほかに合成樹脂、及び天然繊維等
の中に難燃剤を化学的に組み込んだり、物理的に配合し
た複合物を挙げることができる。
【0084】本発明に係わる細菌と親和性を有する物質
とは、エレクトレットフィルターが捕捉した細菌を吸着
して光触媒が除菌または分解するのを補助する物質であ
り、燐酸カルシウム系化合物、キチンやキトサン、ポリ
ガラクトサミン、ポリエチレンイミンまたは前述したN
−アセチルグルコサミンを含有するセルロース物質など
のアミノ基を有する高分子物質および卵白などに含まれ
るリゾチーム等が挙げられるが、特に燐酸カルシウム系
化合物が好ましい。燐酸カルシウム系化合物としては、
水酸アパタイト、フッ素アパタイト、水酸アパタイトの
カルシウムを銀や銅や亜鉛と置換したアパタイト系抗菌
剤等のアパタイト系化合物および燐酸三カルシウム、燐
酸四カルシウム、燐酸水素カルシウムを挙げることがで
きる。
【0085】本発明に係わる光触媒を励起させる光と
は、光触媒の禁止帯幅以上のエネルギーを有する光であ
り、該光触媒を活性化させ、脱臭性や抗菌性、防汚性な
どの機能を発現させる光である。
【0086】本発明の機能性エレクトレットフィルター
に含まれる光触媒に励起光を照射する方法としては、ブ
ラックライト、捕虫灯、健康ランプ、殺菌灯、一般照明
用の蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、
高圧ナトリウムランプなど専用の光源を設けて照射する
以外にも、光触媒方式の空気清浄化装置が内蔵する光源
が発する直接光や反射光等の間接光や多孔質部材等から
もれる漏洩光の照射、蛍光灯などの室内照明光の照射、
および屋外や窓際での日光の照射などを利用することが
できる。光触媒励起光の照射は連続または断続のいずれ
を採ることも可能であり、特に、光源を有さない装置の
内部に設置されて使用中に励起光が当たらない場合に
は、装置の停止中などに一時的に日光や室内照明光を照
射する手段もある。
【0087】本発明の第15の発明の空気清浄化装置に
係わる光触媒を励起する光を発する光源は、専用の光源
として上記に例示したものなどを用いることができる。
【0088】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は、単板で使用しても良いが、プリーツ状に加工しても
良く、また、単板または山高さの比較的低いプリーツ状
でロール状に巻いたフィルターとして用いても良い。ロ
ール状フィルターでは、使用後のフィルターの取り外し
が容易となるようにミシン目を入れて切り取り易くして
も良い。
【0089】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は、所望によりハニカム状に成形加工を施しても良い。
ハニカムとは開孔を有するセル壁からなる構造体であ
り、ハニカムの具体例として、JIS−Z−1516に
記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される片段ボ
ールを積層してなるコルゲートハニカム、六角形セルか
らなるヘキサゴンハニカム、正方形セルからなるハニカ
ム、三角形セルからなるハニカム、および中空円筒状セ
ルを集合してなるハニカムなどが挙げられる。ここで、
六角形や正方形などのセル形状は正式な多角形ではな
く、角が丸いまたは辺が曲がっているなどした異形であ
っても良い。
【0090】本発明の機能性エレクトレットフィルター
は一般に通気して用いられるものであり、塵埃がエレク
トレットフィルターと接触する機会および臭気物質や細
菌などの有害物質が光触媒と接触する機会が増える。本
発明の機能性エレクトレットフィルターに通気する手段
は特に限定されるものではなく、シロッコ型、軸流型、
プロペラ型、ターボ型、ラジアル型、クロスフロー型な
どの各種ファンモータなどの送風機を用いる方法、自然
風または換気扇等の排気ファンやエアコン等の空調機な
どが発する風を利用する方法、熱対流による方法、乗用
車などの移動に伴って生じる気流を利用する方法などを
挙げられる。
【0091】本発明の第15の発明の空気清浄化装置に
係わる送風手段としては、上記の各種ファンモータなど
の送風機等を用いることができる。
【0092】本発明の機能性エレクトレットフィルター
に通気する際の向きは特に限定されるものではないが、
エレクトレットフィルター側を風上、光触媒フィルター
側を風下とすることが好ましく、空気清浄機などの装置
内に光触媒励起用の光源を設置する場合には本発明の機
能性エレクトレットフィルターよりも風下に配置するこ
とが好ましい。
【0093】本発明の機能性エレクトレットフィルター
の風上には電気集塵器を配置しても良く、この場合に
は、本発明の機能性エレクトレットフィルター、特にそ
のエレクトレットフィルター側を電気集塵器に近接させ
ることが好ましい。
【0094】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の趣旨を逸脱しない限り、実施例に限定されるもの
ではない。
【0095】調製例1 酸化チタン40重量%と、吸着剤として市販のゼオライ
ト40重量%と、バインダーとして市販のスチレン−ア
クリル共重合樹脂エマルジョン20重量%とを混合撹拌
して塗液を調製し、調製例1の機能性塗液とした。
【0096】調製例2 調製例1において、吸着剤として市販のゼオライト40
重量%に代えて塩基性ガス吸着剤としてフマル酸系有機
酸−亜鉛化合物40重量%、市販のスチレン−アクリル
共重合樹脂エマルジョン20重量%に代えて市販の酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン2
0重量%とする以外は、全て調製例1と同一の方法で塗
液を調製し、調製例2の機能性塗液とした。
【0097】調製例3 調製例1において、吸着剤として市販のゼオライト40
重量%に代えてアルデヒド吸着剤としてアニリン含有活
性炭40重量%とする以外は、全て調製例1と同一の方
法で塗液を調製し、調製例3の機能性塗液とした。
【0098】調製例4 調製例1において、吸着剤として市販のゼオライト40
重量%に代えてアルデヒド吸着剤としてハイシリカゼオ
ライト40重量%とする以外は、全て調製例1と同一の
方法で塗液を調製し、調製例4の機能性塗液とした。
【0099】調製例5 吸着剤としてハイシリカゼオライト80重量%と、バイ
ンダーとして市販のスチレン−アクリル共重合樹脂エマ
ルジョン20重量%とを混合撹拌して塗液を調製し、調
製例5の機能性塗液とした。
【0100】調製例6 酸化チタン75重量%と、バインダーとして市販の合成
ヘクトライト25重量%とを混合撹拌して塗液を調製
し、調製例6の機能性塗液とした。
【0101】予備操作1 市販のナイロン製マルチフィラメント撚糸に調製例6の
機能性塗液を塗布し、予備操作1の光触媒担持糸を作製
した。
【0102】実施例1 ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体
として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g
/m2の乾式不織布に調製例1の機能性塗液30g/m2
含浸塗工して光触媒フィルターを作製し、該光触媒フィ
ルターの上に熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共
重合樹脂15g/m2を散布し、散布側から表面温度15
0℃の赤外線ヒーターを当てて加熱し、次いで、熱可塑
性樹脂が可塑化した後に加熱を止め、速やかに光触媒フ
ィルターの熱可塑性樹脂散布側にエレクトレットフィル
ター30EP(三菱製紙製)と重ね合わせて2本の回転
ロール間に挟んで加圧し、接着により一体化し、実施例
1の機能性エレクトレットフィルターを得た。
【0103】実施例2〜4 実施例1において、エレクトレットフィルター30EP
(三菱製紙製)に代えてエレクトレットフィルター50
EP(三菱製紙製)、エレクトレットフィルター70E
P(三菱製紙製)およびエレクトレットフィルター90
EP(三菱製紙製)とする以外は、全て実施例1と同一
の方法で機能性エレクトレットフィルターを作製し、こ
れらの試料をエレクトレットフィルターの品番の小さい
ものから順にそれぞれ実施例2、実施例3および実施例
4の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0104】実施例5〜8 実施例1〜4において、ポリアクリレート繊維およびポ
リ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボ
ンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布にに代えて坪
量100g/m2のウレタンフォームとする以外は、全て
実施例1〜4と同一の方法で機能性エレクトレットフィ
ルターを作製し、これらの試料をエレクトレットフィル
ターの品番の小さいものから順にそれぞれ実施例5、実
施例6、実施例7および実施例8の機能性エレクトレッ
トフィルターとした。
【0105】実施例9 実施例2において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩
化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンド
してなる坪量50g/m2の乾式不織布にに代えて坪量4
5g/m2のポリエステル製ネットとする以外は、全て実
施例2と同一の方法で機能性エレクトレットフィルター
を作製し、これを実施例9の機能性エレクトレットフィ
ルターとした。
【0106】実施例10 実施例2において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩
化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンド
してなる坪量50g/m2の乾式不織布に代えてポリエス
テル繊維およびレーヨン繊維を主体としてアクリルレジ
ンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布とする以
外は、全て実施例2と同一の方法で機能性エレクトレッ
トフィルターを作製し、これを実施例10の機能性エレ
クトレットフィルターとした。
【0107】実施例11 実施例10において、光触媒フィルターとエレクトレッ
トフィルターとを一体化した後に、コロナ放電によって
帯電処理を施す以外は、全て実施例10と同一の方法で
機能性エレクトレットフィルターを作製し、これを実施
例11の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0108】実施例12〜14 実施例10において、調製例1の機能性塗液に代えて調
製例2、3および4の機能性塗液とする以外は、全て実
施例10と同一の方法で機能性エレクトレットフィルタ
ーを作製し、これらの試料を調製例の番号の小さいもの
から順にそれぞれ実施例12、実施例13、および実施
例14の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0109】実施例15 実施例10において、調製例1の機能性塗液30g/m2
を含浸塗工して光触媒フィルターを作製に代えて、調製
例5の機能性塗液15g/m2を含浸塗工した後に更に調
製例6の機能性塗液15g/m2を含浸塗工して光触媒フ
ィルターを作製とする以外は、全て実施例10と同一の
方法で機能性エレクトレットフィルターを作製し、これ
を実施例15の機能性エレクトレットフィルターとし
た。
【0110】実施例16 実施例10で用いた光触媒フィルターと同一の方法で作
製した光触媒フィルターにエレクトレットフィルター5
0EP(三菱製紙製)を重ね合わせ、これを実施例16
の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0111】実施例17 実施例16において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせた後に、エンボス加工機で加
圧して圧着により一体化する以外は、全て実施例16と
同一の方法で機能性エレクトレットフィルターを作製
し、これを実施例17の機能性エレクトレットフィルタ
ーとした。
【0112】実施例18 実施例16において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせた後に、ピンソニック加工を
施して融着により一体化する以外は、全て実施例16と
同一の方法で機能性エレクトレットフィルターを作製
し、これを実施例18の機能性エレクトレットフィルタ
ーとした。
【0113】実施例19 実施例18において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせた後に代えて、光触媒フィル
ターと、ポリプロピレン製ネットと、エレクトレットフ
ィルターとを順次重ね合わせた後とする以外は、全て実
施例18と同一の方法で機能性エレクトレットフィルタ
ーを作製し、これを実施例19の機能性エレクトレット
フィルターとした。
【0114】実施例20 実施例16において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせに代えて、光触媒フィルター
の片面に天然ゴムラテックス10g/m2を塗布、乾燥し
てエレクトレットフィルターを重ね合わせて加圧し、接
着により一体化しとする以外は、全て実施例16と同一
の方法で機能性エレクトレットフィルターを作製し、こ
れを実施例20の機能性エレクトレットフィルターとし
た。
【0115】実施例21 実施例20において、光触媒フィルターの片面に天然ゴ
ムラテックス10g/m2を塗布、乾燥に代えて、光触媒
フィルターの片面に熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビ
ニル共重合樹脂の加熱溶融物15g/m2を塗布とする以
外は、全て実施例20と同一の方法で機能性エレクトレ
ットフィルターを作製し、これを実施例21の機能性エ
レクトレットフィルターとした。
【0116】実施例22 実施例16において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせた後に、予備操作1の光触媒
担持糸を用いてステッチボンド加工を施し、縫合により
一体化する以外は、全て実施例16と同一の方法で機能
性エレクトレットフィルターを作製し、これを実施例2
2の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0117】実施例23 実施例16において、光触媒フィルターにエレクトレッ
トフィルターを重ね合わせた後に、エレクトレットフィ
ルター側からニードルパンチ加工を施し、交絡により一
体化する以外は、全て実施例16と同一の方法で機能性
エレクトレットフィルターを作製し、これを実施例23
の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0118】実施例24 実施例4において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩
化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンド
してなる坪量50g/m2の乾式不織布にに代えてポリエ
ステル繊維および熱溶融性ポリエステル系バインダー繊
維を主体としてサーマルボンドしてなる坪量60g/m2
の湿式不織布とする以外は、全て実施例4と同一の方法
で機能性エレクトレットフィルターを作製し、これを実
施例24の機能性エレクトレットフィルターとした。
【0119】比較例1〜4 市販のエレクトレットフィルター30EP(三菱製紙
製)、エレクトレットフィルター50EP(三菱製紙
製)、エレクトレットフィルター70EP(三菱製紙
製)およびエレクトレットフィルター90EP(三菱製
紙製)をエレクトレットフィルターの品番の小さいもの
から順にそれぞれ比較例1、比較例2、比較例3および
比較例4のエレクトレットフィルターとした。
【0120】以上、実施例で得られた機能性エレクトレ
ットフィルターおよび比較例のエレクトレットフィルタ
ーは、以下の方法で試験を行い、その結果を表1に示し
た。
【0121】[圧力損失測定]JIS−B−99008
に準拠して、風速30cm/秒における実施例および比
較例のフィルターの圧力損失(Pa)を測定した。ま
た、実施例の機能性エレクトレットフィルターを構成す
る光触媒フィルターの圧力損失(A)およびエレクトレ
ットフィルターの圧力損失(B)をそれぞれ上記の方法
で測定し、圧力損失比(A/B)を求めた。
【0122】[集塵試験]JIS−B−99008に準
拠して、風速30cm/秒における実施例および比較例
のフィルターの0.3〜0.5μm粒径の大気塵の集塵
効率(%)を測定した。
【0123】[脱臭試験A]実施例および比較例のフィ
ルターを10cm×10cmに裁断し、6Wのブラック
ランプを備えた5.6リットルの密閉容器の底部にブラ
ックランプからの距離が2cmとなるように静置した。
次いで、容器中にアセトアルデヒドを50ppm注入
し、ブラックランプを点灯して10分後に容器中のアセ
トアルデヒド濃度(ppm)をガスクロマトグラフを用
いて測定した。
【0124】[脱臭試験B]実施例および比較例のフィ
ルターを10cm×10cmに裁断し、6Wのブラック
ランプを備えた200リットルの密閉容器内にブラック
ランプからの距離が2cmとなるように静置した。次い
で、容器中にアンモニアガスを50ppm注入し、ブラ
ックランプを点灯して10分後に容器中のアンモニア濃
度(ppm)をガス検知管を用いて測定した。なお、ガ
ス検知管の検知限界以下の濃度の場合は0ppmと表し
た。
【0125】[脱臭耐久試験]実施例および比較例のフ
ィルターを10cm×10cmに裁断し、10Wのブラ
ックランプ3本を備えた試験用空気清浄機にエレクトレ
ットフィルター側が風上となるように装着して風量1m3
/分で運転し、JEM−1467−1995に準拠して
脱臭性能試験を行い、タバコ耐久本数(本)を求めた。
求めたタバコ耐久本数は小数点以下の値を切り捨て、整
数で表した。
【0126】
【表1】
【0127】表1の結果より、通気性基材に光触媒を担
持してなる光触媒フィルターとエレクトレットフィルタ
ーとを重ね合わせてなる本発明の機能性エレクトレット
フィルターは優れた脱臭性を有し、中でも、光触媒フィ
ルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルターの
圧力損失(B)との比(A/B)が0.1以上の場合に
は特に脱臭性が高いことが分かる。一方、上記の比(A
/B)が1を越えると、高い脱臭性は維持されるが圧力
損失が高くなり、通気性が低くなるため好ましくないこ
とが分かる。
【0128】また、光触媒フィルターとエレクトレット
フィルターとの間に不連続高分子層が存在することを特
徴とする本発明の機能性エレクトレットフィルターは、
同じフィルター素材を構成要素とする試料同士で比較す
ると、圧力損失が低い、または、脱臭耐久性が高く、脱
臭性の寿命が長い特長を有することが分かる。
【0129】或いは、光触媒フィルターとエレクトレッ
トフィルターが部分的に交絡されてなる本発明の機能性
エレクトレットフィルターは圧力損失が一層低くて通気
性が殊に優れ、光触媒フィルターとエレクトレットフィ
ルターとを重ね合わせた後に帯電加工してなる本発明の
機能性エレクトレットフィルターは特に高い集塵性を有
することが分かる。
【0130】更に、通気性基材に吸着剤を担持した後に
光触媒を担持してなる光触媒フィルターとエレクトレッ
トフィルターとを重ね合わせてなる本発明の機能性エレ
クトレットフィルターは、著しく優れた脱臭性を有する
ことが分かる。
【0131】次いで、本発明の機能性エレクトレットフ
ィルターが有する高い抗菌性を以下の実施例により確認
した。
【0132】調製例7 75℃に加熱した共重合ポリエステル樹脂の乳化重合液
100重量部に、エタノールで希釈したオルソケイ酸エ
チル(有効成分=40重量%)120重量部を徐々に滴
下した。さらに加熱を続けて系内よりエタノールを除去
し、実施例に用いる金属酸化物複合熱可塑性高分子エマ
ルジョンを調製した。
【0133】次いで、酸化チタン50重量%と、上記の
金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョン40重量%
と、皮膜形成性無機物として市販の合成ヘクトライト1
0重量%とを混合撹拌して塗液を調製し、調製例7の機
能性塗液とした。
【0134】調製例8 調製例7において、酸化チタンに代えて酸化亜鉛とする
以外は、全て調製例7と同一の方法で塗液を調製し、調
製例8の機能性塗液とした。
【0135】調製例9 調製例7において、酸化チタン50重量%に代えて酸化
チタン25重量%と燐酸カルシウム系化合物として多孔
質水酸タイト25重量%とする以外は、全て調製例7と
同一の方法で塗液を調製し、調製例9の機能性塗液とし
た。
【0136】調製例10 調製例9において、酸化チタンに代えて酸化亜鉛とする
以外は、全て調製例9と同一の方法で塗液を調製し、調
製例10の機能性塗液とした。
【0137】実施例25 市販のエレクトレットフィルター(3M社製、フィルタ
レットSMBF−40PF)からバックアップ材を剥が
し、このバックアップ材に調製例7の機能性塗液10g
/m2を含浸塗工した後に、先に剥がしたエレクトレット
フィルター本体部と重ね合わせ、実施例25の機能性エ
レクトレットフィルターを得た。
【0138】実施例26〜28 実施例25において、調製例7の機能性塗液に代えて調
製例8、9および10の機能性塗液とする以外は、全て
実施例25と同一の方法で機能性エレクトレットフィル
ターを作製した。これらの試料を、調製例の番号が小さ
い順に実施例26、実施例27および実施例28の機能
性エレクトレットフィルターとした。
【0139】実施例29 薄手の高通気性シート(三井化学社製、シンテックスM
Y−R−004)に調製例10の機能性塗液5g/m2
含浸塗工し、このシートをカバー材として市販のエレク
トレットフィルター(3M社製、フィルタレットG−1
00)の表裏に重ね合わせ、実施例29の機能性エレク
トレットフィルターを得た。
【0140】比較例5 市販のエレクトレットフィルター(3M社製、フィルタ
レットSMBF−40PF)を比較例5のエレクトレッ
トフィルターとした。
【0141】比較例6 カバー材として薄手の高通気性シート(三井化学社製、
シンテックスMY−R−004)を市販のエレクトレッ
トフィルター(3M社製、フィルタレットG−100)
の表裏に重ね合わせ、比較例6のエレクトレットフィル
ターを得た。
【0142】以上、実施例25〜29で得られた機能性
エレクトレットフィルターおよび比較例5、6のエレク
トレットフィルターは、以下の方法で抗菌試験を行い、
その結果を表2に示した。
【0143】[抗菌試験]ガラス製漏斗の出口にエアポ
ンプをつないだ簡易試験機を用いて漏斗の入口に実施例
の機能性エレクトレットフィルターまたは比較例のエレ
クトレットフィルターを取り付けて72時間運転した後
に、各試料のエレクトレットフィルターからバックアッ
プ材またはカバー材を剥がした。ここまでの操作は、蛍
光灯照明下および暗所下の2条件で行った。次いで、試
料のエレクトレットフィルター本体部の表面を標準寒天
培地に充分に接触さた後に取り除き、この培地を37℃
で24時間培養し、コロニー数をカウントし、0個の場
合を優、1〜10個の場合を良、11〜50個の場合を
並、51個以上を劣と評価した。
【0144】
【表2】
【0145】以下、第15の発明の空気清浄化装置の一
実施例を図面に基づき説明し、次いで、この空気清浄化
装置を用いた脱臭性能試験および集塵耐久性試験の結果
について説明する。
【0146】図1に示すように、第15の発明の一実施
例を示す空気清浄化装置は、前面にスリット状の吸気口
1および下方部の側面と背面および底面にスリット状の
排気口2を設けたケーシング3と、このケーシング3に
内蔵した回転式の送風機4と、紫外線ランプ5とプリー
ツ状の機能性エレクトレットフィルター6より構成さ
れ、紫外線ランプ5が発する光は機能性エレクトレット
フィルター6の光触媒7に直接照射されると同時に、ア
ルミニウム製光反射板8によって反射された励起光も光
触媒7に照射される。
【0147】機能性エレクトレットフィルター6とし
て、実施例25において機能性塗液10g/m2に代えて
機能性塗液25g/m2とする以外は全て実施例25と同
一の方法で作製した機能性エレクトレットフィルターを
プリーツ状に加工したものを搭載した実施例の空気清浄
化装置を用いて、紫外線ランプ5を点灯した場合と消灯
した場合について、以下の方法で脱臭性能試験および集
塵耐久試験を行い、その結果を表3に示した。
【0148】[脱臭性能試験]200リットルの密閉容
器の中に上記の実施例の空気清浄化装置を設置し、容器
中にアセトアルデヒドを10ppm注入し、紫外線ラン
プ5を点灯して送風機を運転した場合と紫外線ランプ5
を消灯して送風機を運転した場合の2通りについて、各
々運転開始30分後の容器中のアセトアルデヒド濃度
(ppm)をガスクロマトグラフで測定し、その除去率
を求めた。
【0149】[集塵耐久試験]予め集塵効率をJEM−
1467−1995に準拠して測定した上記の実施例の
空気清浄化装置2台を事業所内の喫煙場所に並べて設置
した。一方の装置は紫外線ランプ5を点灯し、他方の装
置は紫外線ランプ5を消灯して運転し、2ヶ月後の集塵
効率をJEM−1467−1995に準拠して測定し、
初期の集塵効率からの低下を求めた。
【0150】
【表3】
【0151】
【発明の効果】本発明によれば、通気性基材に酸化チタ
ンまたは酸化亜鉛などの光触媒と所望により吸着剤など
の脱臭剤をを担持してなる光触媒フィルター或いは通気
性基材に吸着剤を担持した後に光触媒を担持してなる光
触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを、望ま
しくは圧力損失の比が特定の関係を有する光触媒フィル
ターとエレクトレットフィルターとを、好ましくは両者
の間に不連続高分子層を存在させて重ね合わせ、所望に
より融着、接着、縫合または交絡によって一体化してな
る機能性エレクトレットフィルターは優れた脱臭性能と
高い通気性を有する。中でも、交絡によって一体化して
なる機能性エレクトレットフィルターは通気性が特に優
れる特長を有し、また、重ね合わせた後に帯電加工して
なる機能性エレクトレットフィルターは殊に集塵性能に
優れる特長を有する。このように、本発明の機能性エレ
クトレットフィルターは、脱臭性と集塵性が要求される
空気清浄用途において広く利用され得るものであり、特
に、空気清浄機や脱臭機などのプレフィルター等の交換
用フィルターとして有利に使用される。
【0152】また、通気性基材に光触媒を、好ましくは
酸化チタンを担持してなる光触媒フィルターとエレクト
レットフィルターとを重ね合わせてなる機能性エレクト
レットフィルターは、光照射によって抗菌性が発現し、
且つ、脱臭性などの有害物質除去性と集塵耐久性に優れ
た機能性エレクトレットフィルターを得る。特に集塵耐
久性の向上はエレクトレットフィルターの弱点を克服
し、空気清浄化装置用の集塵フィルターとしての実用的
価値を一層高めるものである。
【0153】更に、光触媒として酸化亜鉛を担持した場
合には、光が照射されない環境下でも恒常的に抗菌性を
有する機能性エレクトレットフィルターが得られ、空気
清浄化装置等の内部や暗室などでの使用に適した抗菌性
のエレクトレットフィルターを提供する。
【0154】加えて、光触媒と共に細菌に親和性を有す
る物質、好ましくは燐酸カルシウム系化合物を光触媒フ
ィルターに担持する本発明の機能性エレクトレットフィ
ルターは、抗菌性が格段に優れる。
【0155】第15の発明の空気清浄化装置は、光触媒
を励起する光を発する光源、および送風手段を有するこ
とを特徴とし、集塵耐久性や脱臭性などの機能性エレク
トレットフィルターが有する能力を充分に発揮させるこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第15の発明の空気清浄化装置の一実施例を示
す側面の断面図である。
【符号の説明】
1 吸気口 2 排気口 3 ケーシング 4 送風機 5 紫外線ランプ 6 機能性エレクトレットフィルター 7 機能性エレクトレットフィルターに担持した光触媒 8 アルミニウム製光反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/86 ZAB B01J 23/06 A B01J 21/06 35/02 J 23/06 B01D 53/36 H 35/02 ZABJ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性基材に光触媒を担持してなる光触
    媒フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わ
    せてなる機能性エレクトレットフィルター。
  2. 【請求項2】 光触媒フィルターの圧力損失(A)とエ
    レクトレットフィルターの圧力損失(B)との比(A/
    B)が0.1〜1の範囲にあることを特徴とする請求項
    1記載の機能性エレクトレットフィルター。
  3. 【請求項3】 光触媒フィルターとエレクトレットフィ
    ルターとの間に不連続高分子層が存在することを特徴と
    する請求項1または2に記載の機能性エレクトレットフ
    ィルター。
  4. 【請求項4】 光触媒フィルターとエレクトレットフィ
    ルターが部分的に交絡されてなる請求項1記載の機能性
    エレクトレットフィルター。
  5. 【請求項5】 光触媒フィルターとエレクトレットフィ
    ルターとを重ね合わせた後に帯電加工してなる請求項1
    〜4の何れかに記載の機能性エレクトレットフィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】 光触媒フィルターが吸着剤を担持した後
    に光触媒を担持してなることを特徴とする請求項1〜5
    の何れかに記載の機能性エレクトレットフィルター。
  7. 【請求項7】 光触媒が酸化チタンであることを特徴と
    する請求項1〜6の何れかに記載の機能性エレクトレッ
    トフィルター。
  8. 【請求項8】 光触媒が酸化亜鉛であることを特徴とす
    る請求項1〜6の何れかに記載の機能性エレクトレット
    フィルター。
  9. 【請求項9】 通気性基材に光触媒および細菌に対して
    親和性を有する物質を担持してなる光触媒フィルターと
    エレクトレットフィルターとを重ね合わせてなる請求項
    1、7または8に記載の機能性エレクトレットフィルタ
    ー。
  10. 【請求項10】 細菌に対して親和性を有する物質が燐
    酸カルシウム系化合物であることを特徴とする請求項9
    記載の機能性エレクトレットフィルター。
  11. 【請求項11】 通気性基材に光触媒を担持してなる光
    触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを融着に
    よって一体化することを特徴とする機能性エレクトレッ
    トフィルターの製造方法。
  12. 【請求項12】 通気性基材に光触媒を担持してなる光
    触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを接着に
    よって一体化することを特徴とする機能性エレクトレッ
    トフィルターの製造方法。
  13. 【請求項13】 通気性基材に光触媒を担持してなる光
    触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを縫合に
    よって一体化することを特徴とする機能性エレクトレッ
    トフィルターの製造方法。
  14. 【請求項14】 通気性基材に光触媒を担持してなる光
    触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを交絡に
    よって一体化することを特徴とする機能性エレクトレッ
    トフィルターの製造方法。
  15. 【請求項15】 通気性基材に光触媒を担持してなる光
    触媒フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合
    わせてなる機能性エレクトレットフィルター、該光触媒
    を励起する光を発する光源、および送風手段を有するこ
    とを特徴とする空気清浄化装置。
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