JP4058210B2 - 光触媒部材 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換性に優れ、且つ脱臭性または抗菌性などの優れた空気清浄作用を有する光触媒部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場などにおける工業的に発生する悪臭や有害化学物質、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテルなどのサービス産業における廃棄物に起因した悪臭などによる従来からの環境汚染の問題に加えて、最近のアメニティ志向の高まりに伴い、一般生活空間、例えば室内や自動車内の悪臭、有害化学物質などによる室内環境汚染の問題がクローズアップされており、これら有害物質の除去に対するニーズが急速に高まっている。
【0003】
室内で発生するタバコ煙や各種臭気などを除去する方法としては、集塵や脱臭などの空気清浄と共に、換気が特に有効である。しかしながら、換気を行うと、室内空気に含まれる暖気や冷気、または調整された湿度(水分)などが失われる問題があった。
【0004】
これに対して、伝熱性、好ましくは透湿性を有する仕切板を所定間隔を置いて複数層に重ね合わせ、一次気流と二次気流とがこれらの各層間を交互に通るように成形してなる部材に室内空気と屋外空気を通気させて、熱交換を行いながら換気する装置が実用化されており、近年では小型化されて一般の家屋にも普及する傾向にある。
【0005】
このような熱交換装置においては、屋外空気に含まれるウイルスなどの有害微生物や臭気などを除去することが望まれており、例えば、熱交換素子に抗ウイルス性を付加する技術が特開平7−148407号公報に開示されており、また、光触媒を担持したフィルターを併用して脱臭する技術が特開平10−311581号公報に開示されている。
【0006】
中でも、光触媒は光による再生が可能で、脱臭性および抗菌性などの有害物除去効果が永続するため、上記の光触媒を担持したフィルターを併用する熱交換は特に好ましいものであるが、フィルターの併用に伴って、通気性が低下する、または装置が大型化するなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題を解決し、熱交換性、好ましくは全熱交換性を有し、且つ、空気清浄性に優れた光触媒部材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
【0009】
(1)伝熱性を有する仕切板を所定間隔を置いて複数層に重ね合わせ、一次気流と二次気流とがこれらの各層間を交互に通るように成形してなる通気性部材において、通気面の端部に光触媒を担持してなり、かつ、該仕切板が坪量30g/m 2 以下の薄葉紙からなる熱交換性の光触媒部材。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、伝熱性、好ましくは透湿性を有する仕切板を所定間隔を置いて複数層に重ね合わせ、一次気流と二次気流とがこれらの各層間を交互に通るように成形してなる熱交換型の通気性部材の通気面の端部に光触媒を担持してなる光触媒部材である。熱交換性、好ましくは全熱交換性を有し、且つ、光触媒の作用によって優れた空気清浄性を有するものである。
【0012】
本発明に係わる光触媒とは、0.5〜5eV、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有する、光触媒反応をもたらす光反応性半導体であり、励起光を照射することによって、抗菌、抗ウイルス、防黴、脱臭、防汚などの機能を発現する素材である。特にその抗菌性は優れたものであり、細菌の増殖を抑えるだけでなく、細菌が死滅する際に発生する毒素を分解して無害化し、また、細菌の死骸をも分解するため、その効果は従来の無機系抗菌剤などのように短期間で低下することがなく永続すると言われている。
【0013】
本発明に係わる光触媒としては、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、及び酸化セリウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。中でも、酸化チタンはその構造安定性、光反応性有害物除去能、更には取扱い上の安全性等から生活空間において使用するには最も適しており、また、酸化亜鉛は励起光が照射されない環境下でも抗菌性を有しており、この両者は本発明の光触媒として有利に用いられる。
【0014】
本発明に係わる酸化チタンは、白色顔料として用いられる汎用の二酸化チタン(但し、耐候処理が全くまたは部分的にしかされていないもの)の他、メタチタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化チタン、水酸化チタンおよび過酸化チタン等のチタン酸化物や水酸化物などが挙げられる。
【0015】
中でも一次粒径が数十nm程度で、アナターゼ結晶構造を有する微粒子酸化チタンは比較的安価で性能の優れた光触媒である。但し、本発明に係わる酸化チタンはアナターゼ結晶構造に限定されるものではなく、光触媒能を有するものであれば、ルチルやブルカイトなどの結晶構造を有するものや非晶性酸化チタンであっても良い。
【0016】
酸化チタンの形状として、立方体状、球状、真球状、薄片状またはナノクラスターなどが挙げられる。
【0017】
上記のチタン化合物以外にも、チタニウムアルコキシドやチタニウムキレートなどの有機チタネートを用いても良く、均一性が高く、且つ透明性の高い光触媒層を形成することが可能である。
【0018】
これらの酸化チタンの表面および結晶構造の内部に、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Co、Fe、Zn、Mo、Ir、Bi、W、Os、Rh、Nb、Zr、Sn、V、CrおよびRu等の種々の金属、そのイオンまたはその酸化物などの化合物を担持あるいはドーピングさせたりして複合しても良い。
【0019】
また、本発明に係わる光触媒はシリカまたはアルミナ−シリカなどの多孔性物質によって被覆されたマイクロカプセル化光触媒であっても良く、光触媒が基材と直接接触することがなく、担持性に優れるため好ましい。
【0020】
通気面の端部に光触媒を担持する方法としては、光触媒を含む塗液をスプレーや刷毛、ロールを用いて塗布する方法およびセル壁の端部に粘着性を付与した後に光触媒を付着させる方法などが挙げられ、特に限定されるものではないが、通気孔を塞いだり、潰したりしない方法を採用することが好ましい。
【0021】
通気面の端部に光触媒を担持する場合には、吸着剤を併用担持することが好ましく、光触媒と吸着剤を混合して担持しても良いが、予め担持した吸着剤層の上に光触媒を担持することが特に好ましい。
本発明に係わる吸着剤としては、活性炭、添着活性炭、活性炭素繊維、天然および合成ゼオライト、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、シリカ−酸化亜鉛複合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩、イオン交換樹脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0022】
これらの吸着剤の中でも、多孔質で表面積が多い物質は、光触媒に対する担体としても機能する場合があり、好ましい。
本発明に係わる吸着剤は物理吸着を主体とするもの、特に光触媒による分解の対象となる臭気物質の吸着熱量が46kJ/mol(11kcal/mol)以下であることが好ましく、臭気物質によって脱臭性が飽和すること無く光触媒により再生される。
【0023】
本発明に係わる吸着剤はアルデヒド吸着剤であることが好ましく、アルデヒド吸着剤の一例としてハイシリカゼオライトが挙げられる。
ハイシリカゼオライトは、化学的には通常のゼオライトと同じくアルミノシリケート金属塩の結晶であるが、特に結晶中のアルミナに対するシリカの割合が高く、シリカ構造中の酸素原子が塩基性をほとんど持たない。
【0024】
このようなハイシリカゼオライトは表面のSi−O−Si結合が水素結合の形成に関与せず、疎水性を示して水分子を吸着しないため、高湿度環境下および高温度環境下においても効率良くアルデヒド類を吸着することが可能である。そこでハイシリカゼオライトは疎水性ゼオライトと呼ばれる場合がある。
【0025】
更に、ハイシリカゼオライトはアルデヒド類のみならず、広範囲の臭気物質、例えば有機酸、アンモニア、アミン類、ケトン類、硫化水素やメルカプタン類などの含硫黄化合物、インドール類などを吸着できるため、本発明に係わる吸着剤としては殊更に好ましいものである。
【0026】
本発明に係わる光触媒の担持にはバインダーを用いることができる。バインダーの種類は特に限定されるものではなく、澱粉などの天然高分子、カルボキシメチルセルロースなどの変性高分子またはポリビニルアルコールなどの合成高分子等の各種バインダーを用いることができるが、光触媒などの表面を覆うことなく十分な接着性が得られるバインダーとして熱可塑性高分子エマルジョンが好ましい。
【0027】
熱可塑性高分子エマルジョンとして、ポリアクリロニトリルやポリアクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などの各種共重合樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0028】
本発明に用いられるバインダーは、耐酸化性が高くて光触媒反応に対して抵抗性を有するもの、例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系やシリコン樹脂系の抗酸化性バインダーや金属酸化物複合熱可塑性高分子エマルジョンなどの無機有機複合バインダー、無機系バインダーおよびこれらを適宜組み合わせて用いることが好ましい。中でも無機系バインダーが好ましく、具体例としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリナイト、ハロイサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、セピオライトなどの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナおよびこれらの変性物や合成無機高分子化合物などが挙げられる。
【0029】
次に、本発明に係わる仕切板について説明する。
本発明に係わる仕切板は伝熱性を有し、一次気流と二次気流の顕熱が交換されるものである。このような伝熱性を有する仕切板として、本発明においては坪量30g/m 2 以下の薄葉紙を用いる
【0030】
本発明に係わる仕切板は、伝熱性に加えて透湿性を有することが好ましく、一次気流と二次気流の顕熱交換に加えて潜熱が交換され、全熱交換を可能ならしめるものである。
【0033】
本発明に係わる仕切板を所定間隔を置いて重ね合わす方法として、特公昭47−19990号公報に開示されているように波板状の間隔板を用いる方法、および特開昭61−186795号公報に開示されているように直線状のリブを列状に配設する方法などが挙げられる。
【0034】
このように波板状の間隔板を用いる方法として、JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ライナに仕切板、中しんに間隔板を用いて作製される片面段ボールを用いることができ、このような片面段ボールを順次交差させながら積層すれば良い。なお、交差の角度は特に限定されるものではなく、直角以外で交差しても良く、交差の角度は60°(または120°)〜90°が好ましい。
また、波板状間隔板の波形状は、特に限定されるものではなく、正弦波、疑似正弦波、海波、三角波、方形波、半円や扇形の弧または台形がつながった波などの波形でも良い。
【0035】
本発明の光触媒部材は、上記の吸着剤以外に脱臭剤を含有しても良い。
本発明に用いられる脱臭剤は主に悪臭を除去する目的で用いられる薬剤であり、具体的には上記に例示したような吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルトまたはマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、トルマリン、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。これらの脱臭剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの脱臭剤を複合化したハイブリット脱臭剤としても良い。
【0036】
本発明の光触媒部材は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、抗菌剤、防黴剤、抗ウイルス剤、防虫剤、害虫忌避剤、芳香剤などの各種薬剤を含有しても良い。このような抗菌剤または防黴剤、抗ウイルス剤として、銀や亜鉛または燐酸カルシウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、クロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサンなどの高分子系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然物由来の抗菌剤およびこれらを複合したハイブリット抗菌剤などが挙げられる。
【0037】
上記の脱臭剤や抗菌剤などの各種薬品を含有する部位は特に限定されるものではないが、間隔板、特にその表層に担持することができ、気流と効果的に接するため好ましい。
また、仕切板と間隔板の接着などに用いられる接着剤が、例えば澱粉などのように微生物等の栄養となる物質を含む場合には、接着剤に抗菌剤、防黴剤または防ダニ剤などの防虫剤等を所望により含有させても良い。
【0038】
本発明の光触媒部材は、必要に応じて難燃性を有しても良く、本質的に難燃性のアラミド樹脂や本質的に不燃性の金属、ガラス、アルミナ等酸化物等の無機物を主成分とする、または難燃剤を含有させる等して難燃性を付与することができる。
【0039】
本発明の光触媒部材は、一般に4つの通気面、すなわち一次気流の流入面と流出面および二次気流の流入面と流出面を有するが、端部に光触媒を担持する通気面はこれらの何れでも良く、また、複数の通気面、特に4つの通気面全てであっても良い。
【0040】
本発明の光触媒部材を例えば屋内空気と屋外空気を交換する換気装置に用いる場合には、屋外空気側の通気面に光触媒を担持することによって、排気ガスやウイルスなどの有害物質を除去して室内空気の汚染を防止することが可能であり、一方、屋内空気側の通気面に光触媒を担持することによって、タバコ臭や料理臭等の家庭臭などを除去して室外空気の汚染を防止することが可能である。
特に屋内に吸入する屋外空気(外気)を清浄する場合には、流出側の通気面に光触媒を担持することが好ましく、夏季など外気が多湿の場合は光触媒反応の阻害物質である水が除去される利点があり、一方、冬季など外気が低温の場合は温度が上昇して室温に近づき光触媒反応が促進される利点がある。
【0041】
本発明の光触媒部材に励起光を照射する方法として、ブラックライト、捕虫灯、健康ランプ、殺菌灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよび高圧ナトリウムランプなど専用の光源を設けて照射することが好ましいが、それ以外にも、蛍光灯などの室内照明光の照射、および屋外や窓際での日光の照射などを利用することができ、これらの光を直接照射しても良く、また反射板や導光板を用いて照射しても良い。光触媒励起光の照射は連続または間欠のいずれを採ることも可能である。
【0042】
本発明の光触媒部材には通気することができ、通気する手段は特に限定されるものではないが、シロッコ型、軸流型、プロペラ型、ターボ型、ラジアル型、クロスフロー型などの各種ファンモータなどの送風機を用いる方法、自然風または換気扇等の排気ファンやエアコン等の空調機などが発する風を利用する方法、熱対流による方法、乗用車などの移動に伴って生じる気流を利用する方法などが挙げられる。
本発明に係わる通気は、一次気流または二次気流の一方のみに送風手段を配しても良いが、両者に送風手段を配することが好ましい。また、各種ファンモータなどの送風機は流入側に配置して圧し通気とすることが好ましい。
【0043】
本発明の光触媒部材に用いられる光触媒は、脱臭、抗菌または抗ウイルスなど有害物除去に優れ、高い空気清浄効果が得られるが、塵埃の除去には不向きであるため、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、集塵フィルターや電気集塵器など除塵手段を併用しても良く、光触媒および励起光源の風上に用いることが好ましい。集塵フィルターとして、粗塵フィルター、中性能フィルター、高性能フィルター、HEPA、ULPA、エレクトレットフィルターなどが挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施例に限定されるものではない。
【0045】
図1に示すように、本発明の一実施例を示す光触媒部材は、少なくとも伝熱性を有する仕切板1を間隔板2などを用いて所定間隔を置いて複数層に重ね合わせ、一次気流3と二次気流4とがこれらの各層間を交互に通るように成形してなる通気性部材の通気面の端部5に光触媒を担持してなる。
【0046】
本発明の一実施例に係わる通気性部材は、より具体的には、JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ライナとして仕切板1、中しんとして間隔板2を用いて作製される片面段ボールを順次交差させながら積層し、更に最上部(または最下部)に仕切板を積層してなる。交差の角度は、本発明の一実施例においては90°であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0047】
本発明の一実施例においては、仕切板1は、坪量30g/m2で密度が比較的高い薄葉紙からなるため伝熱性に優れ、更にJIS−Z−0208に準拠して測定される透湿度が5000cc/24時間・m2以上と高い透湿性を有するため、一次気流と二次気流の間で全熱交換が可能である。
【0048】
通気面の端部5は、一般に一次気流の流入面と流出面および二次気流の流入面と流出面の4面が存在し、光触媒の担持は所望に応じてこれらの通気面の何れか一つ以上の面に施すことができるが、本発明の一実施例においては一次気流の流出面に光触媒が担持されている。
【0049】
図2に示すように、通気面の端部5において、光触媒を含有する塗層6は、一方の気流の通気孔を構成する仕切板1と間隔板2aの端部、および他方の気流の通気孔を構成する仕切板2bの側面に主に担持されている。
【0050】
このような通気面の端部に担持された光触媒は、紫外線ランプ7が発する励起光を直接且つ比較的強力に受光するため、著しく高い光触媒性能が得られ、脱臭性や抗菌性などの空気清浄性に優れる。
【0051】
比較例として、従来技術である熱交換素子と光触媒フィルターを併用した場合は、光触媒の受光性を向上させようとすると光触媒フィルターの通気性が低下し、逆に通気性を確保しようとすると光触媒フィルターの受光性が低下するという問題があった。これに対して本発明の光触媒部材は、上記の通り受光性が高くて空気清浄性に優れ、且つ通気性に優れる特長を有する。
【0052】
光触媒を含有する塗層6は、光触媒として酸化チタンおよび吸着剤としてハイシリカゼオライトを含有しており、その脱臭性は特に優れたもので、中でも従来法では脱臭が困難であったアルデヒド類などの除去に有効である。また、このように吸着剤を併用担持すると紫外線ランプ7の照射は連続とはせずに間欠として脱臭性を再生することが可能であるため、励起光の発生に係わるエネルギーを節約することができ、また、紫外線ランプを用いずに日光の照射などを利用することもできるため、特に好ましい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、一次気流と二次気流の間で熱交換(顕熱交換)、または全熱交換が可能で、且つ、空気清浄性に優れた光触媒部材が得られる。
このような本発明の光触媒部材は、例えば熱交換型換気装置の熱交換素子として用いることができるが、室内への吸気から有害物質を除去することが可能であり、また室内からの排気に含まれる汚染物質を除去することが可能であるため、空気清浄を目的とした換気に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒部材の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の光触媒部材の通気面の端部において光触媒の担持状態の一実施例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 仕切板
2 間隔板
3 一次気流の方向を示す矢印
4 二次気流の方向を示す矢印
5 通気面の端部
6 光触媒を含有する塗層
7 紫外線ランプ

Claims (1)

  1. 伝熱性を有する仕切板を所定間隔を置いて複数層に重ね合わせ、一次気流と二次気流とがこれらの各層間を交互に通るように成形してなる通気性部材において、通気面の端部に光触媒を担持してなり、かつ、該仕切板が坪量30g/m 2 以下の薄葉紙からなる熱交換性の光触媒部材。
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