JP2004041836A - 空気清浄フィルター - Google Patents

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火置 信也
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Abstract

【課題】本発明の課題は、除塵性と脱臭性を併せ持ち、加熱または光照射等の手段を用いた脱臭性の再生と、除塵性能の維持を両立させた空気清浄フィルターを提供することである。
【解決手段】ポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材、好ましくはポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材と脱臭シート、好ましくは光触媒シートからなるハニカムの空気清浄フィルター。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い通気性を有するハニカムの空気清浄フィルターに関し、更に詳しくは、除塵性と再生に優れた脱臭性とを併せ持つ空気清浄フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活環境の変化や健康志向の高まりなどにより、家庭や職場において空気清浄化装置の普及が進んでいる。タバコの煙や花粉、ダニの死骸などの塵埃を除去する方法として、家庭用空気清浄機ではエレクトレットを含有する除塵フィルター、いわゆるエレクトレットフィルターが広く普及している。
【0003】
その一環として、エアコンなどの空調機に空気清浄化機能を付加するケースが増加しており、ルームエアコンにおいてもエレクトレットフィルター方式が一般的な除塵手段として採用されている。
【0004】
更に、家庭用空気清浄機やルームエアコンには、除塵機能と共に脱臭機能等が付加されており、集塵機能に加えて脱臭機能等を備えたフィルターに対するニーズが高まってきている。
【0005】
このような除塵と脱臭の両目的を達成できる空気清浄フィルターとして、ライナ部にシート状活性炭、中しん部にエレクトレット化された不織布状シートを用いてハニカムに構成する技術が特開平7−241491号公報に開示されている。この空気清浄フィルターは、補強材等の補助部材が不要で通気性が高い特徴を有するが、活性炭の脱臭性を回復させようとして高温条件下に置くとエレクトレットの除塵性能が低下するという問題があった。
【0006】
また、除塵と脱臭の両目的を達成できる空気清浄フィルターとして、エレクトレット層および脱臭層、好ましくは光触媒剤を含有する脱臭層からなる複層基材をハニカムに構成する技術が特開2000−153115号公報に開示されている。この空気清浄フィルターは、空気清浄性に優れる特徴を有するが、脱臭性を回復させようとして日光の照射下に置くとエレクトレットの除塵性能が低下するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、除塵性と脱臭性を併せ持ち、加熱または光照射等の手段を用いた脱臭性の再生と、除塵性能の維持を両立させた空気清浄フィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記の発明を完成するに至った。
【0009】
(1)ポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材と脱臭シートからなるハニカムの空気清浄フィルター。
【0010】
(2)上記の発明(1)において、中しんまたはライナの内、一部がポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材、および残部が脱臭シートであることを特徴とするコルゲートハニカムの空気清浄フィルター。
【0011】
(3)上記の発明(1)において、ポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材と脱臭シートとを積層してなる複合シートをハニカムに成形してなる空気清浄フィルター。
【0012】
(4)上記の発明(1)、(2)または(3)において、該エレクトレット濾材がポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材であることを特徴とする空気清浄フィルター。
【0013】
(5)上記の発明(1)、(2)、(3)または(4)において、該脱臭シートが光触媒シートであることを特徴とする空気清浄フィルター。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、通気性に優れたハニカムであって、除塵性および再生式の脱臭性を有する空気清浄化フィルターを提供する。
【0015】
本発明に係わるポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材とは、特開平5−195399号公報に開示されているように、ポリブテン−1を所望に応じては他の熱可塑性樹脂と併用して作製されるシート状の繊維集合物であって、少なくともポリブテン−1が帯電していることを特徴とし、耐熱性に優れる利点がある。
【0016】
本発明に係わるポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材はポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材であることが好ましく、かかる複合構造を有するエレクトレット濾材は、特開平5−214655号公報および特開2001−98453号公報に開示されており、少なくとも鞘を構成するポリブテン−1が帯電していることを特徴とする。
【0017】
本発明に係わるポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維とは、ポリプロピレンを芯部とし、ポリブテン−1を鞘部とする複合構造の繊維を意味する。
【0018】
本発明に係わるポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材を作製する帯電方法は熱エレクトレット法が好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、他の帯電方法としてエレクトロエレクトレット法、ラジオエレクトレット法、メカノエレクトレット法、フォトエレクトレット法、およびマグネットエレクトレット法などが挙げられる。
【0019】
本発明に係わるエレクトレット濾材が、例えばメルトブロー不織布式エレクトレットなどであって力学的強度が不足する場合には、積層加工やハニカム加工に適するように乾式不織布やスパンボンド不織布などの補強材を貼り合わせて用いることができる。
【0020】
本発明に係わる脱臭シートとは、脱臭剤を基材シートに担持してなるシート状脱臭材である。
【0021】
本発明に用いられる脱臭剤とは、主に悪臭を除去する目的で用いられる薬剤であり、具体的には活性炭、添着活性炭、活性炭素繊維、備長炭、天然および合成ゼオライト、ハイシリカゼオライト、シリカ、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、有機酸系化合物またはイオン交換樹脂などの吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルトまたはマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。これらの脱臭剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの脱臭剤を複合化したハイブリッド脱臭剤としても良い。
【0022】
本発明に係わる脱臭シートは光触媒シートであることが好ましく、すなわち本発明に用いられる脱臭剤は光触媒であることが好ましい。光触媒は光の照射を受けて臭気物質が分解され、脱臭性が持続する利点がある。また、光触媒と吸着剤などの他の脱臭剤を併用しても良く、吸着剤の吸着容量が飽和しても光を照射すれば光触媒の作用によって吸着物質が分解され、脱臭性能を再生することができる。
【0023】
本発明に用いられる光触媒とは、0.5〜5eV、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有する、光触媒反応をもたらす光反応性半導体であり、励起光を照射することによって、脱臭、抗菌、抗ウイルス、防黴、防汚、有害物質分解などの機能を発現する素材であり、脱臭のみならず複合的な空気清浄機能を有する素材である。特にその抗菌性は優れたものであり、細菌の増殖を抑えるだけでなく、細菌が死滅する際に発生する毒素を分解して無害化し、また、細菌の死骸をも分解するため、その効果は従来の無機系抗菌剤などのように短期間で低下することがなく永続すると言われている。
【0024】
本発明に用いられる光触媒としては、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、及び酸化セリウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。中でも、酸化チタンはその構造安定性、光反応性有害物除去能、更には取扱い上の安全性等から生活空間において使用するには最も適しており、本発明においても有利に用いられる。酸化チタンは、白色顔料として用いられる汎用の二酸化チタン(但し、耐候処理が全くまたは部分的にしかされていないもの)の他、メタチタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化チタン、水酸化チタンおよび過酸化チタン等のチタン酸化物や水酸化物などが挙げられる。中でも一次粒径が数十nm程度で、アナターゼ結晶構造を有する微粒子酸化チタンは比較的安価で性能の優れた光触媒である。但し、本発明に係わる酸化チタンはアナターゼ結晶構造に限定されるものではなく、光触媒能を有するものであれば、ルチルやブルカイトなどの結晶構造を有するものや非晶性酸化チタンであっても良い。
【0025】
また、本発明に用いられる光触媒はシリカ、アルミナ−シリカ、ジルコニアまたはアパタイトなどの無機物質、好ましくは多孔性無機物質によって被覆されたマイクロカプセル化光触媒であっても良く、光触媒が基材と直接接触することがなく担持性に優れ、また、被覆物である多孔性無機物質が吸着剤として機能する場合があるため好ましい。
【0026】
本発明に用いられる光触媒は室内照明光、すなわち波長400nm以上の可視光によって励起され得る可視光対応型の光触媒であっても良く、バナジウムやクロムなどの金属元素または金属イオン、あるいは窒素などの還元性元素をドープした酸化チタン化合物、低温プラズマ処理などで改質された酸素欠陥型酸化チタン、および酸化チタン/酸化タングステン複合体などが知られている。
【0027】
本発明に係わる光触媒シートは、光触媒と吸着剤を併用担持したシートであることが好ましく、併用される吸着剤は特に限定されるものではないが、対象とする主な臭気物質に対して物理吸着を主体とするものが好ましく、特に臭気物質の吸着熱量が46kJ/mol(11kcal/mol)以下であることが好ましく、臭気物質によって脱臭性が飽和すること無く光触媒の作用により再生される。
【0028】
本発明に係わる脱臭シートに用いられる基材シートとして、洋紙、和紙、湿式不織布および乾式不織布などの繊維を主成分とする繊維状シート、織布または編布などの布帛、金属箔、樹脂フィルム、樹脂フォームなどの発泡体シート、セラミクスシートおよびこれらのシートを積層したラミネートシートなどが挙げられる。
【0029】
本発明に係わる脱臭シートを作製する方法として、基材シートに塗工および含浸などの方法によって脱臭剤を担持させる方法および基材シートの原料となる樹脂や金属などに練り混みなどの手段によって脱臭剤を担持する方法が挙げられる。また、基材シートが繊維状シートからなる場合には、上記の方法以外に湿式抄紙法における内添のように原料繊維をシート化する過程で脱臭剤を担持させる方法が挙げられる。
【0030】
本発明に係わる塗工および含浸の方法として、2ロールタイプのコンベンショナルサイズプレス、タブサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、及びフィルムトランファー方式のサイズプレス等や、ロールコーター、エアドクターコーター、ロッド(バー)コーター、ブレードコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、及びカーテンコーターを用いた方法等が挙げられる。
【0031】
本発明に係わる複合シートを作製する積層方法として、エレクトレット濾材と脱臭シートとを、部分的または全体的に融着、接着、縫合または交絡させるなどして積層しても良く、また積層は単に重ね合わせるだけでも良いが、特にこれに限定されるものではない。
【0032】
エレクトレット濾材と脱臭シートとを融着によって積層する方法として、いわゆるヒートシール法などの熱融着法、いわゆるピンソニック法などの超音波融着法、およびいわゆる高周波ウエルダー法またはいわゆる高周波ミシン法などの高周波融着法が挙げられる。
【0033】
エレクトレット濾材と脱臭シートとを接着によって積層する方法として、液状の接着剤を用いる接着法、エンボス装置などを用いて加圧接着する圧着法、一方のフィルター、好ましくは光触媒フィルターに熱可塑性樹脂を点状に散布して加熱により可塑化した後、または、可塑化した熱可塑性樹脂をスプレーノズルやカーテンスプレー塗布装置などを用いて塗布した後に、他方のシート、好ましくはエレクトレットを含有する除塵性シートを貼り合わせるホットメルト接着法などが挙げられる。ホットメルト接着法などの熱が介在する接着法においては、熱可塑性樹脂の余分な熱を除去する、またはエレクトレット濾材を冷却しながら貼り合わせるなどしてエレクトレットへの熱の影響を排除することが好ましい。
【0034】
熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体またはこの変性物、エチレンアクリレート共重合体、アイオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル共重合体系、セルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレート系、ポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネイト系の樹脂などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0035】
エレクトレット濾材と脱臭シートとを縫合によって積層する方法として、いわゆるステッチボンド法などが挙げられる。縫い目のパターンは特に限定されるものではなく、例えば縞状、菱形または無作為などが挙げられる。また、縫合に用いる糸は、特に限定されるものではないが、モノフィラメントよりもマルチフィラメントが好ましく、更にエレクトレット化された糸または抗菌防黴剤や吸着脱臭剤などを担持した糸であることが好ましい。
【0036】
エレクトレット濾材と脱臭シートとを交絡によって積層する方法として、ニードルパンチ法およびいわゆるスパンレース法などの水流交絡法等が挙げられる。中でも、ニードルパンチ法による交絡が好ましい。
【0037】
本発明に係わるハニカムとは、開孔を有するセル壁からなる構造体の形状であり、具体例として、JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される片面段ボールを積層してなるコルゲートハニカム、特開平3−67644号公報または特開平5−338065号公報に開示されている方法で作製される六角形セルからなるヘキサゴンハニカム、および正方形セルからなるハニカム、三角形セルからなるハニカム、中空円筒状セルを集合してなるハニカムなどが挙げられる。ここで、六角形や正方形などのセル形状は正式な多角形ではなく、角が丸いまたは辺が曲がっているなどした異形であっても良い。
【0038】
本発明に係わるハニカムは上記に説明したコルゲートハニカムであることが好ましく、中しん用シートとライナ用シートを異種とすることができるため、または片面段ボール単位でシートの種類を変更できるため、本発明の第二の発明のように、エレクトレット濾材と脱臭シートとを組み合わせて空気清浄フィルターを作製することができる。
【0039】
本発明の第二の発明に係わるエレクトレット濾材と脱臭シートとの構成の具体例として、エレクトレット濾材を中しんおよび脱臭シートをライナに用いて作製される片面段ボールAを順次積層してなるコルゲートハニカム、エレクトレット濾材をライナおよび脱臭シートを中しんに用いて作製される片面段ボールBを順次積層してなるコルゲートハニカム、エレクトレット濾材をライナおよび中しんに用いて作製される片面段ボールCと脱臭シートをライナおよび中しんに用いて作製される片面段ボールDとを交互に積層してなるコルゲートハニカム、および上記の片面段ボールA、B、C、およびDの内の少なくとも2種類以上の片面段ボールを特定の順序で、または無秩序に積層してなるコルゲートハニカムが挙げられる。
【0040】
本発明の第二の発明の空気清浄フィルターは通気性に優れる利点を有し、また、上記に例示したようにエレクトレット濾材と脱臭シートとの構成比を変化させることによって、除塵性能と脱臭性能のバランスを調整することができる。
【0041】
一方、本発明の第三の発明の空気清浄フィルターは、第二の発明の空気清浄フィルターと比較して通気性が下がる傾向があるものの、除塵性能および脱臭性能を高めることができ、優れた空気清浄効果が得られる利点を有する。
【0042】
本発明の空気清浄フィルターは抗菌機能を備えても良く、エレクトレット濾材状に捕集された微生物類の繁殖を抑制し、空気清浄フィルターを通過する空気中への微生物汚染を防ぐことができる。
【0043】
本発明の空気清浄フィルターに抗菌機能を付与する方法は特に限定されるものではないが、脱臭シート、エレエクトレット濾材、および所望によりエレクトレット濾材に貼り合わせる補強材への抗菌剤の担持が挙げられ、また、本発明の第三の発明においてはエレクトレット濾材と脱臭シートとを積層する過程で2枚のシート間に抗菌剤を封入して担持しても良い。
【0044】
本発明に用いられる抗菌剤は、細菌、黴類またはウイルスなどの有害微生物および病原体の除去、殺滅、失活または繁殖抑制などの目的で用いられる薬剤であり、具体的には、銀や亜鉛または燐酸カルシウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、有機ヒ素系、有機銅系、有機ヨード系、クロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサンなどの高分子系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然物由来の抗菌剤、リボソームや酵素などの生体化合物系抗菌剤およびこれらを複合したハイブリッド抗菌剤などが挙げられる。
【0045】
本発明の空気清浄フィルターは、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、防虫、殺虫、害虫忌避、芳香、感温、保温、蓄熱、蓄光、発熱、吸熱、耐熱、防炎、不燃、難燃、防水、耐水、撥水、疎水、親水、除湿、吸湿(乾燥)、調湿、水分(湿度)透過、撥油、親油、耐油、油等の吸着および水や揮発性薬剤等の蒸散または徐放などの各種機能を有しても良い。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により更に本発明を詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。
【0047】
実施例1
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材(商品名エレコン、大和紡績(株)製)を中しん、および光触媒として酸化チタンおよび吸着脱臭剤としてゼオライトを含有する光触媒シート(商品名アクア・ラジットS、三菱製紙(株)製)をライナに用いて片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボールを順次積層してコルゲートハニカムに成形し、実施例1の空気清浄フィルターを作製した。
【0048】
実施例2
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材(商品名エレコン、大和紡績(株)製)をライナ、および光触媒として酸化チタンおよび吸着脱臭剤としてゼオライトを含有する光触媒シート(商品名アクア・ラジットS、三菱製紙(株)製)を中しんに用いて片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボールを順次積層してコルゲートハニカムに成形し、実施例2の空気清浄フィルターを作製した。
【0049】
実施例3
実施例1において、光触媒シートに代えて、活性炭シート(商品名NS−70T−10、大阪ガスケミカル(株)製)とする以外は、すべて実施例1と同一の方法で空気清浄フィルターを作製し、これを実施例3の空気清浄フィルターとした。
【0050】
比較例1〜3
実施例1〜3において、ポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材に代えて、ポリプロピレンからなるエレクトレット濾材(商品名タピルス、東燃タピルス(株)製)とする以外は、すべて実施例1〜3と同一の方法で空気清浄フィルターを作製し、これらを実施例の番号に対応してそれぞれ比較例1、2および3の空気清浄フィルターとした。
【0051】
調製例1
光触媒として酸化チタンおよび吸着脱臭剤としてゼオライトを含有する光触媒シート(商品名アクア・ラジットS、三菱製紙(株)製)の上に粒状のエチレン酢酸ビニル樹脂を点状に散布して赤外線ヒーターで加熱し、該樹脂を可塑化した後、余分な熱を除去し、光触媒シートの樹脂散布側にポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材(商品名エレコン、大和紡績(株)製)を重ね合わせ、ロールに挟んで加圧、積層して複合シートを作製し、これを調製例1の複合シートとした。
【0052】
調製例2
調製例1において、光触媒シートに代えて、活性炭シート(商品名NS−70T−10、大阪ガスケミカル(株)製)とする以外は、すべて調製例1と同一の方法で複合シートを作製し、これを調製例2の複合シートとした。
【0053】
実施例4
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、調製例1の複合シートを中しんおよびライナに用いて片面段ボールを作製し、次いでこの片面段ボールを順次積層してコルゲートハニカムに成形し、実施例4の空気清浄フィルターを作製した。
【0054】
実施例5
実施例4において、調製例1の複合シートに代えて、調製例2の複合シートとする以外は、すべて実施例4と同一の方法で空気清浄フィルターを作製し、これを実施例5の空気清浄フィルターとした。
【0055】
調製例3、4
調製例1および2において、ポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材に代えて、ポリプロピレンからなるエレクトレット濾材(商品名タピルス、東燃タピルス(株)製)とする以外は、すべて調製例1および2と同一の方法で複合シートを作製し、これらを、元となる調製例の番号の小さいものから順に調製例3および4の複合シートとした。
【0056】
比較例4、5
実施例4において、調製例1の複合シートに代えて、調製例3または4の複合シートとする以外は、すべて実施例4と同一の方法で空気清浄フィルターを作製し、これらを調製例の番号の小さいものから順に比較例4および5の空気清浄フィルターとした。
【0057】
以上、実施例および比較例で得られた空気清浄フィルターの特性を以下の方法により評価した。
【0058】
[集塵試験1]
実施例および比較例の空気清浄フィルターを用いて、JISI−B−9908に記載の「換気用エアフィルタユニット」の形式1(質量法)に準拠して風速1m/秒における集塵効率(%)を測定した。なお、試験粒子として粒径0.3〜0.5μmの大気塵を用いた。
【0059】
[脱臭試験1]
実施例および比較例の空気清浄フィルターを市販の家庭用エアコン(商品名霧ケ峰、三菱電機(株)製)の吸気部に取り付けて1立米の密閉容器内に置き、容器内の濃度が100ppmとなるようにアセトアルデヒドを注入した後に家庭用エアコンを送風運転し、30分後のアセトアルデヒド濃度を測定し、アセトアルデヒド除去率(%)を測定した。
【0060】
[通気性試験]
実施例および比較例の空気清浄フィルターを用いて、JISI−B−9908に記載の「換気用エアフィルタユニット」に準拠して風速1m/秒における圧力損失(Pa)を測定した。圧力損失の値が小さい方が通気性が優れる。
【0061】
[再生処理]
上記の脱臭試験1に供した実施例および比較例の空気清浄フィルターを80℃の熱風乾燥機内に1時間放置し、次いで、晴天日の日中に太陽光を8時間当てて脱臭性を再生した。
【0062】
[脱臭試験2]
上記の再生処理を施した実施例および比較例の空気清浄フィルターを用いて、脱臭試験1と同一の方法で試験を行い、アセトアルデヒド除去率(%)を測定した。この脱臭試験2に於ける除去率と脱臭試験1に於ける除去効率との比を求め、これを脱臭再生率(%)として表す。
【0063】
[集塵試験2]
上記の脱臭試験2に供した実施例および比較例の空気清浄フィルターを用いて、集塵試験1と同一の方法で試験を行い、集塵効率(%)を測定した。次いで、この集塵試験2に於ける集塵効率と集塵試験1に於ける集塵効率との比を求め、これを集塵維持率(%)として表す。
【0064】
上記の方法により試験を行い、その性能を評価した結果を表1に記載する。
【0065】
【表1】
Figure 2004041836
【0066】
表1の結果から、本発明の空気清浄フィルターは、脱臭性の再生に優れ、且つ脱臭性の再生処理を行っても集塵性が維持されることが分かる。
【0067】
中でも本発明の第二の発明の空気清浄フィルターは通気性が優れ、一方、本発明の第三の発明の空気清浄フィルターは集塵性能が優れることが分かる。
【0068】
また、脱臭シートとして光触媒シートを用いる本発明の空気清浄フィルターは、脱臭性の再生が特に優れることが分かる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、除塵性と脱臭性を併せ持つ空気清浄フィルターであって、加熱または光照射等の手段を用いた脱臭性の再生に優れ、且つ加熱または光照射等の脱臭再生処理を施しても集塵性が維持される再生使用に適した空気清浄フィルターが得られる。このような本発明の空気清浄フィルターは、脱臭性の再生を繰り返しながら用いることができるため、空気清浄機やルームエアコン等の空調機器などに搭載される空気清浄フィルターとして特に有用である。

Claims (5)

  1. ポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材と脱臭シートからなるハニカムの空気清浄フィルター。
  2. コルゲートハニカムフィルターにおいて、中しんまたはライナの内、一部がポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材、および残部が脱臭シートであることを特徴とする請求項1記載の空気清浄フィルター。
  3. ポリブテン−1を主成分とする繊維からなるエレクトレット濾材と脱臭シートとを積層してなる複合シートをハニカムに成形してなる請求項1記載の空気清浄フィルター。
  4. 該エレクトレット濾材がポリプロピレンとポリブテン−1との芯鞘複合繊維からなるエレクトレット濾材であることを特徴とする請求項1、2または3記載の空気清浄フィルター。
  5. 該脱臭シートが光触媒シートであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の空気清浄フィルター。
JP2002199486A 2002-07-09 2002-07-09 空気清浄フィルター Withdrawn JP2004041836A (ja)

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