JP4030231B2 - 空気清浄化フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の細菌類や黴類に対して有効で広範且つ高い抗菌防黴性を有し、且つ優れた脱臭性と除塵性を有し、更に高い通気性を有するハニカム状の空気清浄化フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活環境の変化や健康志向の高まりなどにより、家庭や職場において空気清浄化装置の普及が進んでいる。タバコの煙や花粉、ダニの死骸などの塵埃を除去する方法として、家庭用空気清浄機ではエレクトレットを含有する除塵フィルター、いわゆるエレクトレットフィルターが広く普及している。
【0003】
その一環として、エアコンなどの空調機に空気清浄化機能を付加するケースが増加しており、ルームエアコンにおいてもエレクトレットフィルター方式が一般的な除塵手段として採用されている。更に、家庭用空気清浄機やルームエアコンには、除塵機能と共に脱臭機能や抗菌機能が付加されており、集塵機能に加えて脱臭機能および抗菌機能を備えたフィルターに対するニーズが高まってきている。
【0004】
このような除塵と脱臭の両目的を達成できる空気清浄化フィルターとして、ライナ部にシート状活性炭、中しん部にエレクトレット化された不織布状シートを用いてハニカム状に構成する技術が特開平7−241491号公報に開示されている。この空気清浄化フィルターは、補強材等の補助部材が不要で通気性が高い特徴を有するが、活性炭の細孔内で細菌類が生息し易いため、使用環境によっては微生物汚染が生じる恐れがある。例えば、エアコンなど空調機は、細菌、黴の胞子、ウイルスなどをフィルター上に捕捉するため、これらの細菌などの有害物がフィルター上で高密度化し、種々のアレルギー性疾患や感染症などの原因となる恐れが高いと言われている。
【0005】
一方、除塵と抗菌防黴の両目的を達成できる空気清浄化フィルターが特開平11−90133号公報に開示されている。このようなフィルターは、菌や黴の抑制に効果的で、菌や黴に由来する臭いは防止できるが、外部で発生する臭気を除去する能力すなわち脱臭性を持ち合わせていない。そこで、除塵性に加えて脱臭性と抗菌防黴性を有し、且つ通気性に優れた空気清浄化フィルターが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、脱臭性、抗菌防黴性および除塵性を有する通気性に優れたハニカム形状の空気清浄化フィルター、詳しくは、脱臭性が高く、且つ種々の細菌類や黴類に対して有効で広範且つ高い抗菌防黴性を有し、集塵により捕捉した有害微生物による二次汚染を抑止し得る空気清浄化フィルターを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記の発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を含有する抗菌防黴性脱臭シートおよびエレクトレットを含有する除塵性シートからなる複層シートをハニカム状に成形加工してなり、該複層シートが抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有することを特徴とする空気清浄化フィルターである。
【0009】
本発明に係わる吸着脱臭剤とは、主に吸着作用によって悪臭を除去する脱臭剤であり、具体的には、活性炭、添着活性炭、ゼオライト、セピオライト、活性アルミナ、活性白土、イオン交換樹脂などの各種吸着剤、植物抽出成分に含まれる化合物であるフィトンチット、カテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などを挙げることができる。
【0010】
中でも、ゼオライト、セピオライト、活性アルミナ、活性白土などの無機吸着剤が好ましく、活性炭のように細孔内で細菌が棲息することがなく、高い脱臭性と優れた抗菌防黴性が得られる。
【0011】
本発明に係わる吸着脱臭剤はアルデヒド吸着剤であることが好ましく、アルデヒド吸着剤とは、アセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と親和性が高い吸着剤であり、アミン添着活性炭、ハイシリカゼオライトおよびモレキュラーシーブなどが挙げられる。
【0012】
本発明に係わるハイシリカゼオライトは、化学的には通常のゼオライトと同じくアルミノシリケート金属塩の結晶であるが、特に結晶中のアルミナに対するシリカの割合が高く、シリカ構造中の酸素原子が塩基性をほとんど持たない。
【0013】
このようなハイシリカゼオライトは表面のSi−O−Si結合が水素結合の形成に関与せず、疎水性を示して水分子を吸着しないため、高湿度環境下および高温度環境下においても効率良くアルデヒド類を吸着することが可能である。
【0014】
本発明に係わるアミン添着活性炭とは、各種アルデヒドと化学吸着反応を起こすアミン類を添着してなる活性炭である。これらのアミン類は活性炭に吸着させるか、あるいは活性炭の表面に残る官能基と部分的に反応させながらインターカレーションを行うことによりアミン添着活性炭とすることができる。効率的にインターカレートできるアミン化合物と活性炭の残存官能基の組み合わせは限定されるが、アミン化合物が挿入されることによりより強固にアルデヒドを吸着剤中に取り込むことが可能になる。
【0015】
また、本発明に係わる吸着脱臭剤は塩基性ガス吸着剤であることが好ましく、塩基性ガス吸着剤とは、主に酸性物質を含有する吸着剤であり、具体的には、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、スチレンスルフォン酸、アルギン酸などの有機酸の重合体、活性白土などの酸性基を有する無機吸着剤および燐酸などの酸を添着した活性炭等が挙げられる。
【0016】
本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいてはマンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、鉄アスコルビン酸や鉄フタロシアニン誘導体などの還元触媒、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒等の各種触媒、または炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系等の合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石等の遠赤外線セラミクスなどの各種脱臭剤を吸着脱臭剤と併用しても良く、また、これらの各種吸着脱臭剤と触媒等の脱臭剤を複合化したハイブリット脱臭剤としても良い。
【0017】
本発明に係わる抗菌防黴剤とは、細菌類に対して有効な抗菌作用と黴類に対して有効な防黴作用を併せ持ち、好ましくは抗ウイルス性を有する薬剤であり、例えば細菌類の繁殖を抑制または死滅させ、且つ黴類の繁殖または発芽を抑制するなどの効果を発現するものである。具体的には、ベンツイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、有機ヒ素系、有機銅系、有機ヨード系などの抗菌防黴剤が挙げられる。
【0018】
本発明に係わる抗菌防黴剤は、上記した有機系防黴化合物の抗菌性金属塩であることが好ましく、中でもメルカプトピリジン−N−オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を主成分とすることが特に好ましい。この抗菌防黴剤は、主に該金属塩に由来する細菌類に対する抗菌性および主にメルカプトピリジン−N−オキシド化合物に由来する黴類に対する防黴性を併せ持つため広範囲な細菌、黴類などの有害微生物に対して有効な抗菌防黴作用が得られ、さらに高速度且つ大容量で有効期間が長く、非常に優れた抗菌防黴性を付与することが可能である。従って、本発明に係わる抗菌防黴剤として殊更に有用である。
【0019】
また、メルカプトピリジン−N−オキシド化合物の金属塩に加えて、ベンゾイミダゾール化合物、イソチアゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物もしくはベンゾチアゾロン化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を併用することが更に好ましく、一層広範囲な細菌類および黴類に対して有効な抗菌防黴作用が得られる。
【0020】
メルカプトピリジン−N−オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を主成分とする抗菌防黴剤は、一般に、メルカプトピリジン−N−オキシドのナトリウム塩をイオン交換処理した水に溶かした水溶液と硝酸銀、硝酸銅、硝酸亜鉛またはこれら金属塩の混合物をイオン交換処理した水に溶かした水溶液を撹拌混合することによって調製される。生成した塩は水に不溶または難溶であるため固形物として析出するが、高い抗菌防黴性を得るためには、上記の2つの水溶液の混合過程において充分な撹拌を行って生成する金属塩を微粒子に分散することが好ましい。
【0021】
このような微粒子分散を達成し得る撹拌手段としては、アジテーター、ミキサー、高速ミキサー、パルプ離解装置などの回転式撹拌機、商品名ヒスコトロン((株)日音医理科機器製作所製)などの中空円筒形で切れ込みの入った固定外刃と外刃内で回転する内刃からなる2重刃回転式ホモジナイザー、振動体発振式の超音波破砕機、商品名ソノレータ(米国ソニック社製)などの自励式超音波分散機、コロイドミル、アトラター、ガラスビーズやジルコンビーズなどを媒体として用いる媒体撹拌式ミルおよびロールミルやニーダーなどの混練機等、各種撹拌機、分散機、破砕機などが挙げられる。
【0022】
本発明の空気清浄化フィルター、特にその構成要素である抗菌防黴性脱臭シートは、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいては上記の抗菌防黴剤以外に、ヒドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム類などを主成分とする無機系抗菌剤、ゼオライトやシリカゲルなどの担体に銀等の抗菌性金属イオン等を担持した複合型抗菌剤、キチン、キトサンなどの高分子系抗菌剤、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオール、リモネン、ピネンなどの天然物由来の抗菌剤、クロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤およびこれらを複合したハイブリット抗菌剤などを併用しても良く、また、防ダニ剤などの防虫剤や害虫忌避剤などを含有しても良い。
【0023】
本発明に係わる抗菌防黴性脱臭シートは基材に少なくとも吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を担持してなるものである。基材とは、抗菌防黴性脱臭シートの形態を保持するために必要な成分であり、例えば、洋紙、和紙、不織布などの繊維を主成分とする繊維状シート、布帛、金属箔、樹脂フィルムおよびこれらのシートを積層したラミネートシートなどを挙げることができる。
【0024】
基材に用いる合成樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の熱可塑性合成樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂の他、シリコン系樹脂及びフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0025】
これらの合成樹脂を繊維形態、いわゆる合成樹脂繊維として用いる場合には、その断面形状は特に制限はなく、円形のみならず楕円形、三角形、星形、T型、Y型、及び葉状等のいわゆる異型断面形状のものでも良い。更に、繊維表面に空隙を有するもの、枝別れした構造、及び芯鞘構造を有するものも使用できる。これらの合成樹脂繊維の中でも、支持体あるいは吸着性光触媒シートとした際の繊維間結合強度、柔軟性(腰)、及び加工性等を適度に制御できる点から主に軟化点の異なる芯鞘構造を有するものが好適である。芯鞘構造を有する合成樹脂繊維としては、芯部分がポリエステル、鞘部分がポリエステル共重合体からなる繊維や、芯部分がポリエステル、鞘部分がポリオレフィンからなる繊維等がある。
【0026】
基材に用いる天然繊維としては、針葉樹材及び広葉樹材からのクラフトパルプ、亜硫酸パルプ、及びアルカリパルプ等のケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、サーモメカニカルパルプ、メカニカルパルプ、グランドパルプ等の木材繊維、楮、ミツマタ、稲や小麦等の藁、麻、ケナフ、竹、木綿、木綿リンター、バガス、及びエスパルト等の植物性非木材繊維を挙げられる。また、これらは、古紙を原料とした再生パルプ、脱墨パルプ等でも良い。また、基材に用いる合成繊維樹脂及び天然繊維以外の繊維としては、レーヨン等の再生繊維、セルロース誘導体繊維等の天然物加工繊維、スチールウール及びステンレスウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、及び各種ガラス繊維等を挙げられる。
【0027】
本発明に係わる基材は、必要に応じて本質的に難燃性のアラミド樹脂や本質的に不燃性の金属、ガラス、アルミナ等酸化物等の無機物を主成分とする、または合成樹脂及び天然繊維等の中に難燃剤を含有させる、或いは基材を形成後に難燃剤で表面処理する等して難燃性を付与しても良い。
【0028】
本発明に係わる抗菌防黴性脱臭シートを得る方法としては、上記の基材に塗工および含浸などの方法によって吸着脱臭剤または抗菌防黴剤を担持させる方法および基材の原料となる樹脂や金属などに練り混みなどの手段によって担持する方法が挙げられる。また、基材が繊維状シートからなる場合には、上記の方法以外に湿式抄紙法における内添のように原料繊維をシート化する過程で吸着脱臭剤または抗菌防黴剤を担持させる方法が挙げられる。
【0029】
吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を担持させる順序は特に限定されるものではなく、吸着脱臭剤を担持した後に抗菌防黴剤を担持する方法、抗菌防黴剤を担持した後に吸着脱臭剤を担持する方法および吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を同時に担持させる方法の何れでも良い。
【0030】
本発明に係わる塗工および含浸の方法として、2ロールタイプのコンベンショナルサイズプレス、タブサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、及びフィルムトランファー方式のサイズプレス等や、ロールコーター、エアドクターコーター、ロッド(バー)コーター、ブレードコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、及びカーテンコーターを用いた方法等が挙げられる。
【0031】
本発明に係わる湿式抄紙には、円網抄紙機、長網抄紙機、フォードリニヤー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機等、及び複数の抄紙機を組み合わせたいわゆるコンビネーションフォーマー等を用いることができる。湿式抄紙においては、例えば基材の主成分である繊維を予め水性液に分散させ、必要に応じて叩解等の処理を施した後に、吸着脱臭剤または抗菌防黴剤、及び所望により凝集剤等と混合し、湿式抄紙することができ、特に抗菌防黴剤は繊維に担持することが好ましく、その理由については後述する。
【0032】
本発明に係わる凝集剤としては、アラム等の無機化合物、及びポリアクリルアミド等の高分子化合物等がある。中でも、電解質高分子化合物が好ましく、カチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、及びカチオン化グアーガム等のカチオン性電解質高分子化合物が特に好ましい。
【0033】
また、凝集体の核となる物質を併用しても良く、核となる物質としては例えば酢酸菌などの微生物が生産するバクテリアセルロースなどのバイオポリマー、或いは天然パルプや合成繊維などを高圧式ホモジナーザーなどで粉砕してなる微細繊維などが挙げられる。
【0034】
本発明に係わる吸着脱臭剤は、臭気物質の吸着が阻害されないようにその表面が十分に露出されている必要があるため、吸着脱臭剤の担持方法としては基材への練り混みや接着剤を用いる塗工などに比べて、基材の主成分である繊維と混合して抄紙する方法が好ましい。
【0035】
抄紙法によって吸着脱臭剤を担持して調製した脱臭シートに抗菌防黴剤を後担持して抗菌防黴性脱臭シートを作製する方法としては、塗工や含浸などの手段が用いられるが、抗菌防黴剤を定着させる目的で用いられる接着剤や抗菌防黴剤自体が吸着脱臭剤の表面を覆う恐れがある。
【0036】
上記の問題を回避するために、吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を同時に担持しようとすると、抗菌防黴剤が吸着脱臭剤の微細孔内に侵入する、或いはイオン交換されて失活するなどしてその効果が低下する場合がある。
【0037】
従って、本発明に係わる抗菌防黴性脱臭シートは、吸着脱臭剤を含有する脱臭シートの基材を構成する繊維が抗菌防黴剤を担持することが特に好ましく、抗菌防黴剤および吸着脱臭剤の効果が低下することなく、優れた抗菌防黴性と高い脱臭性が得られる。このような抗菌防黴性脱臭シートは、例えば、予め抗菌防黴剤を繊維に担持し、これを吸着脱臭剤および基材を構成する繊維などと混合して抄紙することによって製造される。
【0038】
本発明に係わるエレクトレットとは、半永久的に電気分極を保持し、外部に対して電気力を及ぼす素材であって、その静電気力によって粒子を捕捉するものである。帯電方法としては、エレクトロエレクトレット、熱エレクトレット、ラジオエレクトレット、メカノエレクトレット、フォトエレクトレット、マグネットエレクトレットなどが挙げられるが、工業的に不織布フィルターで用いられているものは、主にエレクトロエレクトレットおよび熱エレクトレットであり、材料としてはポリプロピレンまたはプロピレン主体の共重合体が用いられることが多い。
【0039】
不織布をエレクトレット化しようとすると、嵩高で3次元空隙が存在するためコロナ放電などによる帯電処理では安定した帯電効果を得ることが難しい。しかしながら、コロナ放電などで帯電処理を施したフィルムを繊維状に断裁、それを不織布化したスプリットファイバーエレクトレットフィルターや、メルトブロー紡糸時および溶融紡糸時に高電圧を印加して熱エレクトレット的に繊維を帯電させたメルトブロー不織布式エレクトレットフィルターおよびスパンボンド不織布式エレクトレットフィルターなどは、安定した分極電荷を得ることができる。なお、スプリットファイバーエレクトレットフィルターやメルトブロー不織布式エレクトレットフィルターなどは単体では力学的強度が小さいため、乾式不織布やスパンボンドなどの補強材を貼り合わせて使用されるのが一般的であり、本発明に係わるエレクトレットを含有する除塵性シートはこのような補強材の貼り合わせを施しても良い。なお、以下に詳述する複層シートにおいては、抗菌防黴性脱臭シートまたはその一部が補強材を兼ねても良い。
【0040】
本発明に係わる複層シートは、抗菌防黴性脱臭シートおよび除塵性シートからなり、これらのシートを一体化してなる複層構成のシートである。ハニカムのセルを構成するシートをこのような複層構成とすることにより、一層優れた脱臭性および抗菌防黴性が得られる。更に驚くべきことには、臭気保持性が高く、臭いの再放出が少ない空気清浄化フィルターが得られる。
【0041】
本発明に係わる複層シートは抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有することが好ましい。このような3層構成とすることにより、殊更に優れた脱臭性、臭気保持性および抗菌防黴性が得られる。なお、除塵性シートの少なくとも一方、望ましくは両方が、抗菌防黴性脱臭シートに臭気物質が到達し得るように適度な通気性を有することが好ましい。
【0042】
本発明に係わる複層シートを得る方法としては、抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートを、部分的または全体的に融着、接着、縫合または交絡させるなどして積層しても良く、また積層は単に重ね合わせるだけでも良いが、特にこれに限定されるものではない。
【0043】
抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートとを融着によって積層する方法として、いわゆるヒートシール法などの熱融着法、いわゆるピンソニック法などの超音波融着法、およびいわゆる高周波ウエルダー法またはいわゆる高周波ミシン法などの高周波融着法が挙げられる。
【0044】
抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートとを接着によって積層する方法として、液状の接着剤を用いる接着法、エンボス装置などを用いて加圧接着する圧着法、一方のフィルター、好ましくは光触媒フィルターに熱可塑性樹脂を点状に散布して加熱により可塑化した後、または、可塑化した熱可塑性樹脂をスプレーノズルやカーテンスプレー塗布装置などを用いて塗布した後に、他方のシート、好ましくはエレクトレットを含有する除塵性シートを貼り合わせるホットメルト接着法などが挙げられる。ホットメルト接着法などの熱が介在する接着法においては、熱可塑性樹脂の余分な熱を除去する、またはエレクトレットを含む除塵性シートを冷却しながら貼り合わせるなどしてエレクトレットへの熱の影響を排除することが好ましい。
【0045】
熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体またはこの変性物、エチレンアクリレート共重合体、アイオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル共重合体系、セルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレート系、ポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネイト系の樹脂などが挙げられる。
【0046】
抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートとを縫合によって積層する方法として、いわゆるステッチボンド法などが挙げられる。縫い目のパターンは特に限定されるものではなく、例えば縞状、菱形または無作為などが挙げられる。また、縫合に用いる糸は、特に限定されるものではないが、モノフィラメントよりもマルチフィラメントが好ましく、更にエレクトレット化された糸または抗菌防黴剤や吸着脱臭剤などを担持した糸であることが好ましい。
【0047】
抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートとを交絡によって積層する方法として、ニードルパンチ法およびいわゆるスパンレース法などの水流交絡法等が挙げられる。中でも、ニードルパンチ法による交絡が好ましい。
【0048】
本発明の目的の一部を充分に達成するために、抗菌防黴性脱臭シートと除塵性シートとを、全面にわたって密着させることが好ましく、全面の密着によって優れた抗菌防黴性が得られる。
【0049】
本発明に係わる複層シートは、除塵性シートおよび抗菌防黴性脱臭シートから構成されるものであり、本発明の効果を阻害しない限りにおいては、必要に応じて補強、接着、各種機能性付与などを目的とした中間層を有しても良い。
【0050】
本発明に係わるハニカムとは、開孔を有するセル壁からなる構造体の形状であり、具体例として、JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される片段ボールを積層してなるコルゲートハニカム、六角形セルからなるヘキサゴンハニカム、正方形セルからなるハニカム、三角形セルからなるハニカム、および中空円筒状セルを集合してなるハニカムなどが挙げられる。ここで、六角形や正方形などのセル形状は正式な多角形ではなく、角が丸いまたは辺が曲がっているなどした異形であっても良い。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により更に本発明を詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。
【0052】
調製例1
硝酸銀をイオン交換水に溶解した水溶液を高速回転式アジテーターで撹拌しながら等モル相当量の2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム液を添加し、銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシドの微粒子分散液を調製し、これを調製例1の抗菌防黴剤とした。
【0053】
調製例2
カルボキシメチル基置換度0.22(DS=0.22)の変性NBKPに、銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシドを吸着させた有機化合物の金属塩よりなる抗菌防黴剤を含有する抗菌防黴NBKPを以下の手順で調製した。上記の変性NBKP分散液に硝酸銀を加え、pHを5.5に調節してから30分間撹拌した後に、硝酸銀と等モル相当量の2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム液を添加した。30分間撹拌してから、硫酸でpHを4に調整した後、一旦脱水し、更に水を加えて撹拌水洗し、再度脱水して抗菌防黴NBKPを調製し、これを調製例2の抗菌防黴繊維とした。
【0054】
調製例3
芯鞘型熱融着性ポリエステル繊維(ユニチカ社製、#4080、繊度2デニール、繊維長5mm)50重量部、ポリエステル繊維(帝人社製、テピルス、繊度0.5デニール、繊維長5mm)40重量部およびNBKP10重量部を水に分散し、更に吸着脱臭剤としてゼオライト15重量部と、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(水澤化学工業社製、PAC)1重量部とを添加して湿式抄紙して坪量100g/m2の脱臭シートを調製し、これを調製例3の脱臭シートとした。
【0055】
調製例4
芯鞘型熱融着性ポリエステル繊維(ユニチカ社製、#4080、繊度2デニール、繊維長5mm)50重量部、ポリエステル繊維(帝人社製、テピルス、繊度0.5デニール、繊維長5mm)40重量部およびNBKP10重量部を水に分散し、湿式抄紙して坪量90g/m2の不織布基材を調製し、これを調製例4の不織布基材とした。
【0056】
調製例5
調製例1の抗菌防黴剤に接着剤として等量のスチレンアクリルエマルジョンを加えて撹拌、混合した抗菌防黴塗液に調製例4の不織布基材を含浸して乾燥し、調製例1の抗菌防黴剤0.5g/m2 を担持した抗菌防黴性シートを作製し、これを調製例5の抗菌防黴性シートとした。
【0057】
調製例6
調製例3の脱臭シートと調製例5の抗菌防黴性シートとを、エンボスロールで加圧して圧着により積層し、これを調製例6の抗菌防黴性脱臭シートとした。
【0058】
調製例7
調製例5において、調製例4の不織布基材に代えて市販の活性炭シート(商品名NS−70T−10、大阪ガスケミカル(株)製)とする以外は、すべて調製例5と同一の方法で抗菌防黴性脱臭シートを作製し、これを調製例7の抗菌防黴性脱臭シートとした。
【0059】
調製例8
調製例5において、調製例4の不織布基材に代えて調製例3の脱臭シートとする以外は、すべて調製例5と同一の方法で抗菌防黴性脱臭シートを作製し、これを調製例8の抗菌防黴性脱臭シートとした。
【0060】
調製例9
調製例3において、NBKP10重量部に代えて調製例2の抗菌防黴繊維10重量部とする以外は、すべて調製例3と同一の方法で抗菌防黴性脱臭シートを作製し、これを調製例9の抗菌防黴性脱臭シートとした。
【0061】
調製例10
調製例6の抗菌防黴性脱臭シートの上に粒状のエチレン酢酸ビニル樹脂を点状に散布して赤外線ヒーターで加熱し、該樹脂を可塑化した後、余分な熱を除去し、抗菌防黴性脱臭シートの樹脂散布側にエレクトレットを含有する除塵性シートとして市販のエレクトレットフィルター30EP(三菱製紙(株)製)を重ね合わせて水冷ロールで冷却しながら加圧、積層し、これを調製例10の複層シートAとした。
【0062】
調製例11〜13
調製例10において、調製例6の抗菌防黴性脱臭シートに代えて調製例7の抗菌防黴性脱臭シート、調製例8の抗菌防黴性脱臭シートおよび調製例9の抗菌防黴性脱臭シートとする以外は、すべて調製例10と同一の方法で複層シートを作製し、これらを抗菌防黴性脱臭シートの調製例の番号の小さいものから順に、調製例11の複層シートB、調製例12の複層シートCおよび調製例13の複層シートDとした。
【0063】
調製例14
調製例9の抗菌防黴性脱臭シートとエレクトレットを含有する除塵性シートとして市販のエレクトレットフィルターPO−20ULOG(東燃タピルス(株)製)とを、常温のエンボスロールで加圧して圧着により積層し、これを調製例14の複層シートEとした。
【0064】
調製例15
調製例13の複層シートDの抗菌防黴性脱臭シート側に市販のエレクトレットフィルターPO−20ULOG(東燃タピルス(株)製)を重ね合わせた後に、常温のエンボスロールで加圧して圧着により積層し、抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有する複層シートを作製し、これを調製例15の複層シートFとした。
【0065】
調製例16
調製例10において、調製例6の抗菌防黴性脱臭シートに代えて補強材として坪量が60g/m2のスパンボンド不織布とする以外は、すべて調製例10と同一の方法で積層してエレクトレットを含有する除塵性シートを作製し、これを調製例16の除塵性シートとした。
【0066】
参考例1
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ライナとして調製例9の抗菌防黴性脱臭シート、中しんとして調製例16の除塵性シートを用いて片段ボールを作製し、次いでこの片段ボールを積層してコルゲートハニカム状に成形し、参考例1の空気清浄化フィルターを作製した。
【0067】
参考例2
JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して、ライナおよび中しんとして調製例10の複層シートAを用いて片段ボールを作製し、次いでこの片段ボールを積層してコルゲートハニカム状に成形し、参考例2の空気清浄化フィルターを作製した。
【0068】
参考例3〜6および実施例1
参考例2において、調製例10の複層シートAに代えて、調製例11の複層シートB、調製例12の複層シートC、調製例13の複層シートD、調製例14の複層シートEおよび調製例15の複層シートFとする以外は、すべて参考例2と同一の方法で空気清浄化フィルターを作製し、これらを複層シートの調製例の番号の小さいものから順に、参考例3、4、5、6および実施例1の空気清浄化フィルターとした。
【0069】
比較例1
参考例1において、調製例9の抗菌防黴性脱臭シートに代えて、調製例3の脱臭シートとする以外は、すべて参考例1と同一の方法で空気清浄化フィルターを作製し、これを比較例1の空気清浄化フィルターとした。
【0070】
比較例2
参考例1において、調製例9の抗菌防黴性脱臭シートに代えて、調製例5の抗菌防黴性シートとする以外は、すべて参考例1と同一の方法で空気清浄化フィルターを作製し、これを比較例2の空気清浄化フィルターとした。
【0071】
以上、実施例、参考例および比較例で得られた空気清浄化フィルターの特性を以下の方法により評価した。
【0072】
[集塵試験]
実施例、参考例および比較例の空気清浄化フィルターを市販の家庭用エアコン(商品名霧ケ峰、三菱電機(株)製)の吸気部に取り付けて送風運転し、JEM−1467−1995に準拠して集塵性能を測定し、塵埃の除去率(%)を求めた。
【0073】
[脱臭試験]
実施例、参考例および比較例の空気清浄化フィルターを市販の家庭用エアコン(商品名霧ケ峰、三菱電機(株)製)の吸気部に取り付けて送風運転し、JEM−1467−1995に準拠して脱臭性能を測定し、初期の除去率(%)を求めた。
【0074】
[臭気保持性]
上記の脱臭試験に供した実施例、参考例および比較例の空気清浄化フィルターを3Lの臭い袋に入れて密封し、1週間後に袋内の空気の臭いを6段階臭気判定法により評価した。臭気強度は、無臭を0、やっと感知を1、弱いが何の臭いかわかるを2、楽に感知を3、強いを4、強烈を5と判定し、5人の判定者による評価結果の平均値を求めた。臭気保持性は数値が低いほど優れており、空気清浄化フィルターからの臭いの再放出が少ない。
【0075】
[抗菌性試験]
大腸菌(E−coli IFO3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で24時間前培養し、希釈して2×108セル/mlの試験液を調製した。試験片として実施例および比較例の空気清浄化フィルターを4cm×4cmに裁断して、ペトリ皿上に配置し、パスツールピペットで上記菌液を約0.1ml滴下し、乾燥しないようにカバーして38℃で24時間培養した後、試験片のそれぞれをNutrient Broth寒天培地上に押し当て、試験片上の菌を転写させて剥離し、再度38℃で24時間培養して菌の生育状況を観察した。抗菌性は、菌の成育が認められないものを優、試験片転写面に1コロニー以上で10コロニー以下のものを良、試験片転写面に11コロニー以上で100コロニー以下のものを並、試験片転写面に100コロニー以上のものを劣と判定した。
【0076】
[かび抵抗性試験]
JIS−Z−2911「かび抵抗性試験方法」の繊維製品の試験に準拠して、4cm×4cmに裁断した実施例および比較例の空気清浄化フィルターを試験片とし、混合胞子懸濁液のかびの種類をアスペルギルス・テレウス FERM S−3、ペニシリウム・フニクロスム FERM S−6、ケトミウム・グロボスム FERM S−11、ミロテシウム・ベルカリア FERM S−13としてかび抵抗性試験を行った。かび抵抗性は、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められないもの(表示3)を優、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積が全面積の1/3を超えないもの(表示2)を並、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積が全面積の1/3を超えるもの(表示1)を劣と判定した。
【0077】
上記の方法により試験を行い、その性能を評価した結果を表1に記載する。
【0078】
【表1】
Figure 0004030231
【0079】
表1の結果から、本発明の空気清浄化フィルターは、除塵性能に加えて高い脱臭性と優れた抗菌防黴性を併せ持つことが分かる。
【0080】
特に、複層シート、中でも調製例15及び実施例1より本発明の特徴である抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有する複層シートをハニカム状に成形加工してなる空気清浄化フィルターは、除塵性、脱臭性および臭気保持性が一層優れることが分かる。
【0081】
更に、基材を構成する繊維が抗菌防黴剤を担持することを特徴とする抗菌防黴性脱臭シートを構成要素として含む本発明の空気清浄化フィルターは、は脱臭性と抗菌防黴性がより高く、細菌や黴類など有害微生物の繁殖を抑え、不快な臭いを効率よく除去することが可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、吸着脱臭剤と抗菌防黴剤、好ましくはメルカプトピリジン−N−オキシド化合物の銀塩、銅塩または亜鉛塩を主成分とする抗菌防黴剤を含有する抗菌防黴性脱臭シートおよびエレクトレットを含有する除塵性シートをハニカム状に成形加工してなる空気清浄化フィルターは、除塵性能に加えて高い脱臭性と優れた抗菌防黴性を有し、且つ通気性が高く、家庭用エアコンや空気清浄機などに搭載されるフィルターとして特に有用である。
【0083】
中でも、抗菌防黴性脱臭シートと該除塵性シートからなる複層シート、特に抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有する複層シートをハニカム状に成形加工してなる空気清浄化フィルターは、一層優れた除塵性と脱臭性が得られるとのみならず、驚くべきことには臭気保持性が改良され、臭気が再放出し、使用中のフィルター自体が臭気発生の原因となる問題を解消することが可能である。
【0084】
殊に、本発明の空気清浄化フィルターの構成要素である抗菌防黴性脱臭シートにおいて、抗菌防黴剤がその基材を構成する繊維に担持される場合には、吸着脱臭剤と抗菌防黴剤の干渉を最小限に抑えることが可能であり、一層優れた脱臭性と抗菌防黴性を有する空気清浄化フィルターが得られる。

Claims (1)

  1. 吸着脱臭剤と抗菌防黴剤を含有する抗菌防黴性脱臭シートおよびエレクトレットを含有する除塵性シートからなる複層シートをハニカム状に成形加工してなり、該複層シートが抗菌防黴性脱臭シートの両面に除塵性シートを積層した3層構造を有することを特徴とする空気清浄化フィルター。
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