JP4903777B2 - 消臭性繊維布帛及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(i)フラボノイド類が、縮合型タンニンを含む植物抽出物である。
(ii)加水分解型タンニン類が、ピロガロールタンニン、没食子酸、及びm−ガロイル没食子酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む植物抽出物、または合成タンニンである。
(iii)加水分解型タンニン類がカルボン酸アミドとヒドロキシアリルスルホンのメチレン環縮合物である。
(iv)酢酸及びイソ吉草酸の初期消臭性が80%以上でありかつ家庭洗濯10洗後の消臭性が70%以上であり、アンモニアの初期消臭性が90%以上でありかつ家庭洗濯10洗後の消臭性が80%以上であり、黄色ブドウ球菌の初期菌数増減値差が2.2以上でありかつ家庭洗濯10洗後の菌数増減値差が2.2以上であり、滴下吸水性が10秒以下である。
(1)1万以上の重量平均分子量を有するキトサンを揮発酸で溶解させながら、キトサンと、フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類とからなる水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;そして
(2)熱処理によりキトサンを皮膜化させて、生地pHを6.0以上にする工程;
を含むことを特徴とする消臭性繊維布帛の製造方法である。
(1)フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類の水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;
(2)1万以上の重量平均分子量を有するキトサンを揮発酸で溶解させてキトサンの水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;そして
(3)熱処理によりキトサンを皮膜化させて、生地pHを6.0以上にする工程;
を含むことを特徴とする消臭性繊維布帛の製造方法である。
本発明の消臭性繊維布帛は、特定のキトサンと、フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類とを含む高分子組成物からなる皮膜で被覆されてなる繊維を含むことを特徴とする。
(1)洗濯試験
JIS−L−0217、103号に準拠して行った。洗剤は市販の中性洗剤(P&G製、商品名:モノゲンユニ)を使用した。乾燥方法はつり干しで行った。
JIS−L−1096 A法に準拠して行った。滴下吸水性は、吸水時間が短いほど吸水性が高いことを示す。
0.25%ニンヒドリンのホルマリン溶液(一級試薬)をスポイドで一滴(0.05cc)滴下して、滴下部に生蒸気を30秒吹き付けた後の紫色の呈色有無を判定する。(○:有り、×:なし)
JIS−L−1092(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の定量試験方法(菌液吸収法)に準拠して行った。培養後の菌数増減値差は混釈平板培養法(コロニー法)とした。
試験菌:黄色ブドウ状菌
培養温度:37°C
菌数増減値差=Mb−Mc 但しMc=0なら再試験する。
Mbは無加工布(又は標準布)の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値であり、Mcは抗菌加工布の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。因みに、繊維評価技術協議会(JAFET)の抗菌防臭基準では、菌数増減値差が2.2以上である場合に合格である。
所定濃度に調整した各ガスを個別に用意した(臭気濃度:アンモニア20ppm、酢酸15ppm、イソ吉草酸15ppm)。消臭性能容量5リットルのポリフッ化エチレン製の袋内に試料10.0gと所定の初期濃度の1種類のガスを注入して密閉し、密封直後(1分以内)、2時間後のガス濃度をGASTEC社製検知管により測定した。これらのガス濃度から以下の式により消臭率(%)を算出した。また、消臭の即効効果の指標として、30分の短い時間の消臭性も測定し、以下の式により消臭性(即効性)(%)を算出した。
消臭性(%)={(初期ガス濃度:ppm−2時間後のガス濃度:ppm)/初期ガス濃度:ppm}×100
消臭性(即効性)(%)={(初期ガス濃度:ppm−30分後のガス濃度:ppm)/初期ガス濃度:ppm}×100
JIS−L1096.6.40に準拠し、抽出液のpHから生地のpHを求めた。
粉体であるキトサンの必要量を別容器にとって、そこに50〜100倍の水を加えて攪拌しながらpH2.5〜3になるように酢酸を添加して、キトサンが溶解した粘調性のある水溶液を作成した。
ポリエチレンテレフタレートホモポリマーと艶消剤としてアナターゼ型二酸化チタン微粒子を0.5重量%混合させた後、公知の溶融紡糸法によって未延伸糸として巻取り、延伸処理を実施し、56デシテックス108フィラメントの丸断面のポリエステルフィラメント糸を得た。このフィラメントを用いて経密度189本/2.54cm、緯密度114本/2.54cmの平織物を製織し、織物を加工する一般的な条件で加工した。
綿100%の綿番手40番双糸を福原精機製丸編機(34“−22G)により編成糸長340mmの天竺編地を作成した。得られた編地の密度はインチ当たり27コース、32ウェールであった。この編地を常法により精練、漂白、シルケット加工を行い、拡布乾燥を行った。
PRODUCT DEOに代えて松尾薬品産業(株)製の柿渋抽出液(主成分 柿タンニン)PANCIL FG−50を同量使用した以外は実施例2と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
PRODUCT DEOに代えて、柿渋抽出液PANCIL FG−50を2.5%soln.(付着量1.5%owf)使用し、更に太陽化学株式会社製の茶カテキン抽出物サンフェノン90Sを2.5%soln.(付着量1.5%owf)使用した以外は実施例1と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
精製縮合型タンニンを用いない以外は全て実施例1と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
キトサンを用いず、共栄社化学工業(株)製シリコーン・アクリルコポリマーの水溶性アクリルバインダーライトエポックS−60NFEを3%soln.用いた以外は実施例1と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
キトサンとして脱アセチル化度90%、分子量4万のものを0.5%soln.で使用し、キトサンを溶解する酸として不揮発酸である塩酸を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた加工生地の生地pHは5.1であった。この生地の性能を表1に示す。
キトサンとして、pH7以上でも水溶性である分子量800のオリゴキトサンを用い、酢酸を用いなかった以外は実施例1と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
キトサンの代わりに水溶性アクリルバインダーS−60NFEを用い、また精製縮合型タンニンの代わりに消臭剤として油脂工業(株)製ライオナイトPC541S(光触媒:アナターゼ型酸化チタン)を用いた以外は実施例2と同様に行った。この生地の性能を表1に示す。
実施例2のシルケット加工後の拡布乾燥上りの生地に消臭加工を行わず、150℃で熱セットのみ行った。この生地の性能を表1に示す。
実施例1の染色上りの生地に消臭加工を行わず、水に浸漬してマングルで絞ってピンテンターで乾燥(150℃×120秒)した。この生地の性能を表1に示す。
Claims (7)
- 高分子組成物からなる皮膜で被覆されてなる繊維を含む消臭性繊維布帛であって、高分子組成物が、(a)1万以上の重量平均分子量を有するキトサンと、(b)フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類とを含み、かつ生地pHが6.0以上であることを特徴とする消臭性繊維布帛。
- フラボノイド類が、縮合型タンニンを含む植物抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の消臭性繊維布帛。
- 加水分解型タンニン類が、ピロガロールタンニン、没食子酸、及びm−ガロイル没食子酸からなる群から選択される少なくとも1種を含む植物抽出物、または合成タンニンであることを特徴とする請求項1に記載の消臭性繊維布帛。
- 加水分解型タンニン類がカルボン酸アミドとヒドロキシアリルスルホンのメチレン環縮合物であることを特徴とする請求項1に記載の消臭性繊維布帛。
- 酢酸及びイソ吉草酸の初期消臭性が80%以上でありかつ家庭洗濯10洗後の消臭性が70%以上であり、アンモニアの初期消臭性が90%以上でありかつ家庭洗濯10洗後の消臭性が80%以上であり、黄色ブドウ球菌の初期菌数増減値差が2.2以上でありかつ家庭洗濯10洗後の菌数増減値差が2.2以上であり、滴下吸水性が10秒以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭性繊維布帛。
- 消臭性繊維布帛の製造方法であって、
(1)1万以上の重量平均分子量を有するキトサンを揮発酸で溶解させながら、キトサンと、フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類とからなる水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;そして
(2)熱処理によりキトサンを皮膜化させて、生地pHを6.0以上にする工程;
を含むことを特徴とする消臭性繊維布帛の製造方法。 - 消臭性繊維布帛の製造方法であって、
(1)フラボノイド類及び/又は加水分解型タンニン類の水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;
(2)1万以上の重量平均分子量を有するキトサンを揮発酸で溶解させてキトサンの水溶液を作り、この水溶液を繊維布帛に付与する工程;そして
(3)熱処理によりキトサンを皮膜化させて、生地pHを6.0以上にする工程;
を含むことを特徴とする消臭性繊維布帛の製造方法。
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