JPH0827675A - ポリノジック布帛の裏抜け性改善法 - Google Patents

ポリノジック布帛の裏抜け性改善法

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JPH0827675A
JPH0827675A JP6183860A JP18386094A JPH0827675A JP H0827675 A JPH0827675 A JP H0827675A JP 6183860 A JP6183860 A JP 6183860A JP 18386094 A JP18386094 A JP 18386094A JP H0827675 A JPH0827675 A JP H0827675A
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博昭 谷邊
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欣吾 吉川
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健一 岡林
Isamu Okuda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に毒性が無く、安全性の極めて高い耐久
性に富む抗菌防臭性を有し、しかも捺染色時の裏抜けを
改善したポリノジック布帛の加工法を提供する。 【構成】 キトサンを有するポリノジック繊維製布帛
を、エポキシ化合物でアルキル化及び/又は架橋処理す
るポリノジック繊維製布帛の新規な加工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に富む抗菌防臭
性を有し、しかも裏抜け性が良く、捺染色性に優れたハ
ンカチやスカーフ等の服飾品に好適なポリノジック繊維
製布帛の加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリノジック繊維は、ビスコースレーヨ
ンの改質繊維で、綿繊維に較べて良好な吸湿性及び風合
いを示すことから、従来よりハンカチやスカーフ等の服
飾品の材料として使用することが熱望されていた。しか
し、これらの用途は通常捺染色される事が多く、ポリノ
ジック繊維製布帛は、捺染色する際、布帛の一面より処
理されるが、染料が布帛の裏面に、色彩,模様等として
型くずれなく鮮明に発現されず、所謂裏抜けが悪く、所
望の染色が十分出来ないのが実情である。
【0003】また、近年健康的で快適な生活環境作りの
必要性から、抗菌防臭加工を施した繊維製品が数多く提
案されている。例えば、特開平3−76801号公報に
は、抗菌性を付与するために、粉粒状キチン及びキトサ
ンを合成樹脂または熱可塑性樹脂と混合し、布地上に付
着させる方法が提案されている。また、特開平4−25
7301号公報には、レッグ製品を、キトサンを希酸に
溶解した液を合成樹脂及び架橋剤と混合して得られた処
理液に含浸した後、加熱処理して繊維重量に対して0.
05%以上キトサンを固着させる方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法は何れも通常の場合、
染色工程以降の仕上げ工程で実施されるものであるとと
もに、キチン及びキトサンを合成樹脂もしくは熱可塑性
樹脂と混合して布帛へ固着させるため、捺染色処理には
適用することは出来ず、裏抜け解決の開示はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に毒性
が無く、安全性の極めて高い耐久性に富む抗菌防臭性を
有し、しかも捺染色時の裏抜けを改善したポリノジック
繊維製布帛の加工法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の様
な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、キトサンを有するポリノジック繊
維製布帛を、エポキシ化合物でアルキル化及び/又は架
橋処理するポリノジック繊維製布帛の新規な加工法であ
る。
【0006】本発明では、抗菌防臭性を付与すると共
に、捺染色時の裏抜け性改善のためにキトサンを用い
る。キトサンの分子量には限定はないが、取扱い易さの
点で比較的分子量の低い10,000〜100,000
のものが好ましい。また、脱アセチル化度は、有機酸や
無機酸への溶解性および抗菌性を考慮して70%以上で
あることが好ましく、更に好ましくは80%以上であ
る。キトサンは、ポリノジック繊維製布帛の表面に固着
させるか、又は、ポリノジック繊維自体にキトサンを含
有させる。
【0007】まず、キトサンをポリノジック繊維製布帛
表面に固着させるには、キトサンを有機酸又は無機酸の
水溶液に溶解しキトサン塩とし、布帛に含浸させた後、
ローラー等で絞り、その後で乾燥熱処理してから、塩基
性溶液中でキトサンを凝固再生させた後、水で中和洗浄
し、再度乾燥することによって、ポリノジック繊維製ロ
ーン織物に固着させる。ポリノジック繊維製ローン織物
としては、ハンカチやスカーフに使用される目付が70
〜50g/m2 範囲の、所謂ローンでも目付の軽いポリ
ノジック繊維から成る織物を使用することが好ましい。
【0008】ポリノジック繊維からなるローン織物への
キトサンの固着は、更に詳しくは、キトサンを蟻酸,酢
酸、乳酸、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸
などの有機酸又は、塩酸、硝酸などの無機酸に溶解させ
たキトサン酸性溶液を用い浸漬法、噴霧法、パッドドラ
イ法等によりポリノジック繊維製ローン織物に含浸さ
せ、次いで乾燥熱処理し、次いでジエチルアミン、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基性溶液、好まし
くは水酸化ナトリウム水溶液と接触させて、キトサンを
凝固再生させた後、中性になるまで水洗し乾燥する。こ
のように、キトサンを凝固再生して布帛表面に固着する
ことが、耐久性と、次に用いるエポキシ化合物との反応
を充分に進めるためには好適である。
【0009】乾燥を行う温度や時間は、適宜設定するこ
とが出来る。キトサンをポリノジック繊維製ローン織物
に固着させることにより、該ローン織物の風合いは堅く
なる。これに対処するためにキトサン固着量は、仕上げ
工程で柔軟性を出すために特別に柔軟剤等処理してこれ
を回復させる煩雑さをなくすため、抗菌性能が発現し、
しかもエポキシ化合物との反応が充分進行するに足りる
量であれば良い。
【0010】従って、ポリノジック繊維製ローン織物へ
固着させるキトサン量は、該ローン織物重量に対し0.
03〜0.8%、好ましくは0.05〜0.5%の範囲
が良い。この範囲の下限を下回ると、ポリノジック繊維
製ローン織物に抗菌防臭性を付与できないと共に、次に
行うアルキル化及び/又は架橋反応を充分に進行させ難
くなり、結果的に裏抜け性を改善することが出来なくな
る。また、この範囲の上限を越えると、風合いが損われ
る欠点を生ずる。
【0011】次にキトサンを含有するポリノジック繊維
よりなるポリノジック繊維製布帛について述べる。
【0012】該ポリノジック繊維製布帛は、キトサンの
微小粒状体を紡糸前にポリノジックビスコースに対繊維
素当り1%混合し紡糸して得られたキトサン微小粒状体
含有ポリノジック繊維を100%用いて織成した織物
で、又該キトサン含有ポリノジック繊維と他のキトサン
を含有していないポリノジック繊維との混繊した糸で織
成した織物、及びこれらの繊維からなる紡績糸を経糸,
緯糸に組合せて用いて、織成した織物を云う。そしてキ
トサン含有ポリノジック繊維の混繊率が、抗菌防臭効果
の点では少なくとも30%以上である、ハンカチやスカ
ーフに使用される目付が70〜50g/m2 範囲の所謂
ローン織物でも目付の軽いポリノジック繊維製ローン織
物が好適である。
【0013】キトサン含有ポリノジック繊維は、本出願
人が先に提案した特願平3−47777号(特開平4−
289211号)の方法に従って得ることが出来る。即
ち、キトサンを酸性水溶液に溶解してキトサン酸性水溶
液とし、該水溶液を塩基性溶液中に落下の手段で加え、
凝固再生させた再生キトサンを、中性になるまで充分水
洗いした後、ホモジナイザー等通常の湿式粉砕機で予め
粉砕分散せしめて、平均粒子径を50μm以下の懸濁液
としスプレイドライヤーで噴霧乾燥する。得られた粒子
径が10μm以下の微小粒状再生キトサンを、ポリノジ
ック繊維の紡糸前に、ポリノジックビスコースに対繊維
素当り適宜混合し紡糸してキトサン含有ポリノジック繊
維を得る。
【0014】該ポリノジック繊維製布帛表面に固着され
た再生キトサン、又はポリノジック繊維中の再生キトサ
ンは、その分子内アミノ基を利用し、抗菌防臭性のみな
らず、エポキシ化合物を用いてのアルキル化及び/又は
架橋処理を容易に行わせる目的も合せ持つものである。
【0015】ポリノジック繊維製ローン織物の裏抜け性
の悪い原因は、発明者等が鋭意検討した結果、捺染色時
にポリノジック繊維の高い吸水性のため、水の拡散が先
行し、比較的分子量の大きい染料の拡散が遅れるため
と、繊維自体が捺染色時に水を吸収して極度に膨潤し
て、繊維間空隙部を塞ぐことにより、織物裏側に高粘度
の捺染色用の染色液が抜け難くなることにあることが判
った。
【0016】即ち、裏抜け性の改善は、キトサンを有す
るポリノジック繊維製ローン織物をアルキル化及び/又
は架橋処理することにより、ポリノジック繊維の親水性
と疎水性のバランスを調整することで、水の拡散先行を
適度に制御すること及びポリノジック繊維の水酸基を利
用して架橋剤で架橋処理することによって、繊維の膨潤
を抑えること、さらにはこれらの組合わせによっても達
成出来ると考えられた。
【0017】上述の理由により、アルキル化及び/又は
架橋処理を行うが、何れの場合もエポキシ化合物を用い
る。アルキル化剤としては、高級アルコール及びその誘
導体のグリシジルエーテルが用いられるが、エチレンオ
キシドラウリルアルコールグリシジルエーテル及びドデ
シルアルコールグリシジルエーテル等を用いることが好
ましい。又、架橋剤としては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル,ソルビトールポリグリシジルエーテル,ソ
ルビタンポリグリシジルエーテル,ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテル,ペンタエリスリトールポリグリ
シジルエーテル,トリジグリシジルトリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレイト,トリメチロールプロパ
ンポリグリシジルエーテル,ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル,レゾルシンジグリシジルエーテ
ル,1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル,
プロピレングリシジルグリコールジグリシジルエーテ
ル,ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル,
ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等
の多官能エポキシ化合物が挙げられ、これらの一種又は
二種以上を混合し使用することができる。
【0018】アルキル化剤及び架橋剤として使用するエ
ポキシ化合物の反応を促進するために水酸化カリウム,
炭酸ナトリウム,水酸化ナトリウム等の塩基性触媒を使
用するが、ポリノジック繊維は高濃度の水酸化ナトリウ
ム水溶液中では膨潤し強力が低下するので、ポリノジッ
ク繊維製ローン織物の強力低下を考慮して、水酸化ナト
リウムの0.5〜2.0重量%水溶液を使用することが
好ましい。
【0019】尚、これらのエポキシ化合物が水に不溶又
は溶け難いときは、乳化剤を用いてエマルジョンとして
用いることができる。乳化剤としては特に限定されるも
のではなく、通常用いられるもので、目的に叶うもので
あれば良く、例えば三洋化成(株)製の商品名ニューポ
ールPE−64やPE−68などが挙げられるが、操作
の簡便さの点で水溶性のエポキシ化合物を用いることが
好ましい。更に好ましくは、風合いや吸収性を考慮する
と、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。又、
ポリノジック繊維製ローン織物の引裂強力の低下を防ぐ
ためには、エチレングリコール基を4個以上もつポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルを用いて架橋す
ることが好ましい。
【0020】架橋処理によって裏抜け製を改善するに
は、ポリノジック繊維製ローン織物に対するエポキシ化
合物の処理濃度は、用いる架橋剤が一種のときは、4.
55×10-3モル重量%以上が良く、また、風合いの点
からと、導入過多になると逆に親水性が高まり裏抜け性
が悪くなることから、1.82×10-2モル重量%以下
が好ましい。又、混合して使用するときには、用いる架
橋剤の合計モル濃度が上述の範囲内になるよう溶解して
用いるのが好ましい。アルキル化の場合には、アルキル
化剤の処理濃度は、同様の理由で1.11×10-2モル
重量%以上が良く、導入量が多すぎると疎水性が高くな
り裏抜け性が悪くなるため、2.25×10-2モル重量
%以下が好ましい。
【0021】更に、アルキル化と架橋処理を同時に行っ
て裏抜け性を改善することもできる。その場合の架橋剤
の処理濃度は2.27×10-3モル〜4.52×10-3
モル重量%、アルキル化剤の処理濃度は6.10×10
-3モル〜1.10×10-2モル重量%の範囲内であれ
ば、どんな組合わせでも裏抜けは良く、また風合いも自
由に変えることが出来る。捺染色以降の処理は、通常一
般的に行われている方法で処理すればよく、特に限定さ
れるものではない。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるもので
はない。尚、裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染
色堅牢度、物性は、以下に示した方法で調べた。
【0023】1.裏抜け性 判定者5名により、ポリノジック繊維製ローン織物の表
裏の濃度、模様、型くずれ、にじみをもって総合的に良
否を判定した。 非常に良い;◎, 良い;○, やや悪い;△, 悪
い;×
【0024】2.風合い 判定者5名により、官能検査によりポリノジック繊維製
ローン織物の風合いの良否を判定した。 非常に良い;◎, 良い;○, やや悪い;△, 悪
い;×
【0025】3.抗菌性能 抗菌性を評価する為の菌数測定法は、下記の抗菌防臭加
工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定されている
菌数測定法(繊維製品衛生加工協議会 昭和63年)に
よって行った。
【0026】(菌数測定法)滅菌した液体ブイヨンに下
記の菌を懸濁させ、この液を0.2gの試験片上に0.
2ml接種(菌数は約28万個)し、温度37℃で18
時間培養した後取りだす。培養前後の試験片上の生菌数
を測定し、下記の計算式により菌数の増減値及び増減値
差を算出する。 試験菌;黄色ぶどう状球菌(Staphylococc
us,aureusATCC 6538P(IFO 1
2732)) 試験片質量;0.2g 培養温度・時間;37℃×18時間 洗濯方法;JIS L0217,103号
【0027】
【数1】
【0028】4.吸水性試験 試料を幅3cm、長さ15cmに切り取り、100ml
のイオン交換水を入れた200mlのビーカーに、その
先端5mmを垂直に1分間漬けた後取り出し、更にガラ
ス板上に1分間放置し充分水を吸上げさせた後、この吸
上げた高さを計測した。
【0029】5.染色堅牢度 摩擦(乾,湿) JIS−L0849 耐光 JIS−L0842 20時間露
光 汗(酸,アルカリ) JIS−L0848A法 洗濯 JIS−L0844 酸化窒素ガス JIS−L0855
【0030】6.物性 引張強力 JIS−L1096 6.12.1 A
法 引張伸度 JIS−L1096 6.12.1 A
法 引裂強力 JIS−L1096 6.15.5 D
【0031】〈実施例1〉脱アセチル化度82%、平均
分子量100,000の低分子量キトサンを用いて、キ
トサン濃度が0.0375重量%となるように酢酸水溶
液に溶解してキトサン酢酸塩水溶液50Kgを調整し
た。尚、溶解に用いた酢酸量はキトサン量の1/2とし
た。該キトサン酢酸塩水溶液にピースマーセライズ上が
りのポリノジック繊維を100%用いたローン織物(幅
1m,目付60g/m2 ,80番手,経緯密度98本×
80本/in.)60メートルを30秒浸漬させ、絞り
率80%になるようにロールで絞った。
【0032】次いで、該キトサン酢酸塩付着織物をテン
ターに仕掛け120℃,70m/分の速度で2分間通
し、キトサン酢酸塩を織物に乾燥固着させた後、2%苛
性ソーダ水溶液に30秒間浸漬しキトサン酢酸塩を凝固
再生させてキトサンとし、更に中性になるまで十分水洗
後同様にして乾燥し、キトサン固着ポリノジック繊維製
ローン織物を準備した。該ローン織物のキトサン固着量
を重量法で確認したところ、ローン織物重量に対し0.
05%であった。
【0033】架橋剤として0.8%水酸化ナトリウム水
溶液に、ナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールE
X−841(エポキシ当量=382)とEX−861
(エポキシ当量=587)をそれぞれ(1)0、(2)
4.00×10-3モル重量%、(3)4.55×10-3
モル重量%、(4)8.52×10-3モル重量%、
(5)1.82×10-2モル重量%、(6)2.50×
10-2モル重量%の濃度になるよう水に溶解して各50
Kgの架橋剤水溶液を準備した。
【0034】そして、先にキトサンを織物重量に対し
0.05%固着させたポリノジック繊維製ローン織物6
0mを、各5mに切り12枚に分割した。次いで、上述
の2種類の夫々の架橋剤の各濃度溶液に、該5m長ロー
ン織物1枚ずつを別々に30秒間浸漬し、次いで、ロー
ラーで絞り率80%になるよう絞った後、100℃で2
分間スチーミング処理しキトサン及びキトサンとセルロ
ースとを架橋結合させた。そして、未反応化合物を洗い
落とすため水で充分洗浄したのちテンターに仕掛け乾燥
した。次いで各試料をスクリーン捺染色機に仕掛け、ハ
ンカチプリント用10色捺染型にて、プリント速度が
6.5m/分、スキージ速度が1.0m/秒、スキージ
ゴム硬度が45度、乾燥条件が125℃/2分45秒の
条件で捺染色した。次いで、102〜103℃/10分
蒸した後水洗機に掛け、90℃でソーピングをした後乾
燥して試料1−1〜6−1(架橋剤がEX−841)、
1−2〜6−2(架橋剤がEX−861)を得た。
【0035】これらの試料の裏抜け性、風合い、抗菌性
能、吸水性、染色堅牢度、物性を調べた。その結果を表
1,表2に示した。表1,表2から明らかな如く、架橋
剤の濃度は、裏抜け性の点で4.55×10-3モル重量
%以上が良く、また、風合いと強力の点から1.82×
10-2モル重量%以下が好ましく、全てに抗菌性能か認
められた。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】〈実施例2〉脱アセチル化度82%、平均
分子量46,000のキトサンを、実施例1と同様の方
法で、キトサンを0.075重量%含むキトサン酢酸塩
水溶液を調整した。該キトサン酢酸塩水溶液をポリノジ
ック繊維製ローン織物に含浸させた後、ロールで絞り1
%水酸化ナトリウム水溶液中でキトサンを凝固再生後水
洗乾燥してキトサン固着ポリノジックのローン織物25
mを得た。該織物のキトサン固着量を重量法で確認した
ところ、織物重量に対し0.1%であった。このキトサ
ン固着ポリノジック繊維製ローン織物を各5m長に5等
分した。
【0039】1.0%水酸化ナトリウム水溶液に、アル
キル化剤として、ナガセ化成工業(株)製,商品名デナ
コールEX−171(エポキシ当量=952)を(7)
0、(8)5.60×10-3モル重量%、(9)1.1
1×10-2モル重量%、(10)2.50×10-2モル重
量%、(11)4.43×10-2モル重量%、(12)5.
00×10-2モル重量%の濃度に溶解して各総重量を5
0Kgとしアルキル化剤水溶液を準備した。
【0040】前述の各5m長のキトサン固着ポリノジッ
ク繊維製ローン織物を夫々の所定濃度のアルキル化剤水
溶液に夫々30秒間ずつ浸漬し、ついでロールで絞り率
80%になるよう絞り、直ちに100℃で2分間スチー
ミング処理した。該織物を充分水洗し未反応化合物を除
去して乾燥した。次いで、各濃度のアルキル化剤で処理
したローン織物を実施例1と同様に捺染色して試料7−
1〜12−1を得た。これら試料の裏抜け性、風合い、
抗菌性能、吸水性、染色堅牢度、物性を調べ、その結果
を表3に示した。表3から明らかな如く、アルキル化剤
の処理濃度は、裏抜け性の点で、1.11×10-2モル
重量%以上が良く、また風合いと吸水性の点から4.4
3×10-2モル重量%以下が好ましく、全てについて抗
菌性能が認められた。
【0040】
【表3】
【0041】〈実施例3〉脱アセチル化度90%、平均
分子量10,000の低分子量キトサンを用いて、キト
サン濃度が0.4375重量%となるように酢酸水溶液
に溶解してキトサン酢酸塩水溶液50Kgを準備した。
尚、溶解に用いた酢酸量はキトサン量の1/2とした。
該キトサン酢酸塩水溶液に、精練漂白上がりのポリノジ
ック繊維製ローン織物(幅1m,目付70g/m2 ,7
0番手,経緯密度:100本×90本/in.)30メ
ートルを、実施例1と同様に処理してキトサンをローン
織物に再生固着させた。該ローン織物のキトサン固着量
を重量法で確認したところ、固着量はポリノジック織物
重量に対し0.5%であった。このキトサン固着ポリノ
ジック繊維製ローン織物を各5m長6枚に分けた。
【0042】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、実施
例2で用いたアルキル化剤のデナコールEX−171と
実施例1で用いた架橋剤のデナコールEX−861とを
混合して表4に示す各濃度のアルキル化剤と架橋剤の混
合水溶液を各50Kgの6種を準備した。
【0043】
【表4】
【0044】前述の夫々の5m長のキトサン固着ポリノ
ジック繊維製ローン織物を架橋剤とアルキル化剤の6種
の混合水溶液に30秒間浸漬し、絞り率80%になるよ
うにローラーで絞った後、直ちに100℃で2分間スチ
ーミング処理をした。該ローン織物を充分水洗し未反応
化合物を洗浄除去して乾燥した。次いで実施例1と同様
にして、捺染色機にて染色し、試料13−1〜18−1
を得た。これら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸
水性、染色堅牢度、物性を調べ、その結果を表5に示し
た。表5から明らかな如く、架橋剤の処理濃度は2.2
7×10-3〜4.52×10-3モル重量%、アルキル化
剤の処理濃度は6.10×10-3〜1.10×10-2
ル重量%の範囲内で組合せれば、裏抜け性も風合いも良
く、全てに抗菌性能があった。
【0045】
【表5】
【0046】〈実施例4〉脱アセチル化度82%、平均
分子量72,000の低分子量キトサンを用いて、キト
サン濃度が0.0375重量%になるように酢酸水溶液
に溶解してキトサン酢酸塩水溶液を調整した。溶解に用
いた酢酸量は使用したキトサン量の1/2とした。
【0047】該キトサン酢酸塩水溶液に実施例1で用い
たと同じポリノジック繊維製ローン織物30mを1分間
浸漬し、絞り率80%になるようローラーで絞った後、
実施例1と同様にしてキトサンをローン織物に固着させ
た。該ローン織物のキトサン固着量を重量法で確認した
ところ、ポリノジック繊維製ローン織物重量に対し0.
05%であった。
【0048】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、架橋
剤としてナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールE
X−614B(エポキシ当量=180)を(19)0、
(20)4.00×10-3モル重量%、(21)4.55×
10-3モル重量%、(22)8.52×10-3モル重量
%、(23)1.82×10-2モル重量%、(24)2.5
0×10-2モル重量%の濃度になるよう溶解して50K
gの架橋剤水溶液を準備した。
【0049】そして、先にキトサンをローン織物重量に
対し0.05%固着させたポリノジック繊維製ローン織
物30mを、各5mに切り6枚に分割した。次いで先に
調整しておいた架橋剤の各濃度溶液に該ローン織物1枚
ずつを別々に30秒間浸漬し、次いでローラーで絞り率
80%になるように絞った後、、100℃で2分間スチ
ーミング処理しキトサン及びキトサンとセルロースとを
架橋結合させた。そして、未反応化合物を洗い落すため
水で充分洗浄したのちテンターに仕掛け乾燥した。次い
で実施例1と同様にして、各試料をスクリーン捺染色機
に仕掛け捺染色して試料19−1〜24−1を得た。こ
れら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染色
堅牢度、物性を調べ、その結果を表6に示した。表6か
ら明らかな如く、架橋剤の濃度は、実施例1の架橋剤の
エポキシ当量と異なったものでも、裏抜け性、風合い並
びに強力の点から4.55×10-3モル重量%以上が良
く、また、1.82×10-2モル重量%以下が好まし
く、全てに抗菌性能があった。
【0050】
【表6】
【0051】〈実施例5〉脱アセチル化度82%、平均
分子量100,000の低分子量キトサンを用いて、キ
トサン濃度が0.375重量%になるように酢酸水溶液
に溶解してキトサン酢酸塩水溶液50Kgを準備した。
尚、溶解に用いた酢酸量はキトサン量の1/2とした。
【0052】該キトサン酢酸塩水溶液に実施例1で用い
たと同じポリノジック繊維製ローン織物の漂白織物30
mを実施例1と同様に処理してキトサンをローン織物に
再生固着させた。該ローン織物のキトサン固着量を重量
法で確認したところ、固着量はポリノジック繊維製ロー
ン織物重量に対し0.5%であった。このキトサン固着
ポリノジック織物を各5m長6枚に分けた。
【0053】0.8%水酸化ナトリウム水溶液に、ナガ
セ化成工業(株)製の架橋剤,商品名デナコールEX−
841とデナコールEX−614Bとを実施例3と同様
にして混合し表7に示す各濃度の6種の混合架橋剤水溶
液を各50Kgを準備した。
【0054】
【表7】
【0055】2種類の架橋剤を混合して調整した各濃度
の架橋剤混合水溶液にキトサン固着ポリノジックローン
織物をそれぞれ30秒間浸漬し、絞り率80%になるよ
うにローラーで絞った後、直ちに100℃で2分間スチ
ーミング処理をした。該ローン織物を充分水洗し未反応
化合物を洗浄除去して乾燥した。次いで、実施例1と同
様にして、捺染色機にて捺染色し試料25−1〜30−
1を得た。これら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、
吸水性、染色堅牢度、物性を調べ、その結果を表8に示
した。表8から明らかな如く、2種類の架橋剤混合液の
処理濃度は裏抜け性、風合い並びに強力の点から、その
合計が4.55×10-3モル重量%以上が良く、また、
1.82×10-2モル重量%以下が好ましく、全てに抗
菌性能があった。
【0056】
【表8】
【0057】〈実施例6〉脱アセチル化度90%、平均
分子量10,000の低分子量キトサンを用いて、キト
サン濃度が0.375重量%となるよう酢酸水溶液に溶
解してキトサン酢酸塩水溶液50Kgを準備した。尚、
溶解に用いた酢酸量はキトサン量の1/2とした。
【0058】該キトサン酢酸塩水溶液に実施例1で用い
たと同じピースマーセライズ上りのポリノジック繊維製
ローン織物30mを、実施例1と同様に処理してキトサ
ンをローン織物に再生固着させた。該ローン織物のキト
サン固着量を重量法で確認したところ、固着量はポリノ
ジック繊維製ローン織物重量に対し0.5%であった。
このキトサン固着ポリノジック繊維製ローン織物を各5
m長6枚に分けた。
【0059】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、実施
例2で用いたアルキル化剤のデナコールEX−171及
び実施例1で用いた架橋剤のデナコールEX−861又
実施例4で用いた架橋剤デナコールEX−614Bの3
種類のエポキシ化合物を混合して表9に示す各濃度のア
ルキル化剤と架橋剤の6種の混合水溶液を各50Kg準
備した。
【0060】
【表9】
【0061】準備しておいた架橋剤とアルキル化剤の各
濃度の混合溶液に各5m長のキトサン固着ポリノジック
繊維製ローン織物夫々を30秒間浸漬し、絞り率80%
になるようにローラーで絞った後、直ちに100℃で2
分間スチーミング処理をした。
【0062】該ローン織物を充分水洗し未反応化合物を
洗浄除去して乾燥した。次いで実施例1と同様にして、
捺染色機にて捺染色し試料31−1〜36−1を得た。
これら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染
色堅牢度、物性を調べ、その結果を表10に示した。表
10から明らかな如く、架橋剤の3種の合計処理濃度が
2.27×10-3〜4.52×10-3モル重量%の範囲
にあって、且つ、アルキル化剤の処理濃度が、6.10
×10-3〜1.10×10-2モル重量%の範囲であれ
ば、裏抜け性も風合いも良く、全てに抗菌性能があっ
た。
【0063】
【表10】
【0064】〈比較例1〉脱アセチル化度82%、平均
分子量46,000のキトサンを使用して、キトサンを
0.0225重量%、0.0375重量%、0.075
重量%、0.375重量%、0.750重量%含む5種
のキトサン酢酸塩水溶液を実施例1と同様の方法で準備
した。
【0065】該キトサン酢酸塩水溶液に実施例1で用い
たと同じピースマーセライズ上がりのポリノジック繊維
製ローン織物5m長を1分間ずつ各キトサン濃度溶液に
夫々浸漬し、絞り率80%になるようローラーで絞った
後、実施例1と同様にしてキトサンをローン織物に固着
させた。該ローン織物のキトサン固着量を重量法で確認
したところ、固着量はポリノジック繊維製ローン織物重
量に対し、それぞれ(37)0.03%、(38)0.05
%、(39)0.1%、(40)0.5%、(41)1.0%
であった。
【0066】架橋剤としてナガセ化成工業(株)製,商
品名デナコールEX−861(エポキシ当量=587)
を8.52×10-3モル重量%になるよう0.8%水酸
化ナトリウム水溶液に溶解して架橋剤水溶液を50Kg
準備した。
【0067】上述のキトサン再生固着5m長ポリノジッ
ク繊維製ローン織物を、各々架橋剤溶液に浸漬し、次い
でローラーで絞り率80%になるように絞り、直ちに1
00℃で2分間スチーミング処理した。該ローン織物を
充分水洗し未反応化合物を洗浄除去して乾燥した。次い
で、各々の処理織物を実施例1と同様に捺染色処理して
試料37−1〜41−1を得た。これら試料の裏抜け
性、風合い、抗菌性能、吸水性、染色堅牢度、物性を調
べた。その結果を表11に示した。表11より明らかな
ように、ポリノジック繊維製ローン織物へ固着させるキ
トサン量は、ローン織物重量に対し0.05〜0.5%
が好ましい。この範囲の下限を下回ると、ポリノジック
繊維製ローン織物に充分な抗菌防臭性を付与できないと
共に、結果的に裏抜け製を改善することが出来なくな
る。また、この範囲の上限を越えると、ポリノジック繊
維製ローン織物の風合いが損なわれる。
【0068】
【表11】
【0069】〈参考例〉試料4−1,4−2,10−
1,16−1,22−1,28−1を用いて、抗菌防臭
加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定されてい
る菌数測定法(繊維製品衛生加工協議会 昭和63年)
によって繰り返し洗濯30回後の抗菌性能を調べ、表1
2に示した。表12から明らかな如く本発明のポリノジ
ック繊維製ローン織物の裏抜け性改善法により処理され
たポリノジック繊維製ローン織物は、洗濯30回を繰り
返し後も高い抗菌性能を有していた。
【0070】
【表12】
【0071】〈実施例7〉粒子径が10μm以下の脱ア
セチル化度82%、平均分子量46,000の微小粒状
再生キトサンをポリノジック繊維の紡糸前に、ポリノジ
ックビスコースに対繊維素当り1%混合し紡糸すること
によって得た再生キトサン含有ポリノジック繊維からな
るピースマーセライズ上がりのキトサン含有ポリノジッ
ク繊維100%を用いて織成したローン織物(幅:1
m、目付60g/m2 、80番手、経緯密度:98本×
80本/in.)を各5m長12枚準備した。
【0072】架橋剤として0.8%水酸化ナトリウム水
溶液に、ナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールE
X−841(エポキシ当量=382)とEX−861
(エポキシ当量=587)をそれぞれ(101)0、
(102)4.00×10-3モル重量%、(103)
4.55×10-3モル重量%、(104)8.52×1
-3モル重量%、(105)1.82×10-2モル重量
%、(106)2.50×10-2モル重量%の濃度にな
るよう水に溶解して各50Kgの架橋剤水溶液を準備し
た。
【0073】2種類の架橋剤の各濃度水溶液に該5m長
のローン織物を1枚ずつ別々に30秒間浸漬し、次い
で、ローラーで絞り率80%になるよう絞った後、10
0℃で2分間スチーミング処理しポリノジック繊維に含
有するキトサン及びそのキトサンとセルロースとを架橋
結合させた。そして、未反応化合物を洗い落とすため水
で充分洗浄したのちテンターに仕掛け乾燥した。次いで
各試料をスクリーン捺染色機に仕掛け、ハンカチプリン
ト用10色捺染型にて、プリント速度が6.5m/分、
スキージ速度が1.0m/秒、スキージゴム硬度が45
度、乾燥条件が125℃/2分45秒の条件で捺染色し
た。次いで、102〜103℃/10分蒸した後水洗機
に掛け90℃でソーピングをした後乾燥して試料101
−1〜106−1(架橋剤がEX−841)、101−
2〜106−2(架橋剤がEX−861)を得た。
【0074】これらの試料の裏抜け性、風合い、抗菌性
能、吸水性、染色堅牢度、物性を調べた。その結果表1
3,表14に示した。表13,表14から明らかな如
く、架橋剤の濃度は、裏抜け性の点で4.55×10-3
モル重量%以上が良く、また、風合いと強力の点から
1.82×10-2モル重量%以下が好ましく、全てに抗
菌効果があった。
【0075】
【表13】
【0076】
【表14】
【0077】〈実施例8〉実施例7と同様のキトサン含
有ポリノジックローン織物を各5m長5枚準備した。
1.0%水酸化ナトリウム水溶液に、アルキル化剤とし
て、ナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールEX−
171(エポキシ当量=952)を(107)0、(1
08)5.60×10-3モル重量%、(109)1.1
1×10-2モル重量%、(110)2.50×10-2
ル重量%、(111)4.43×10-2モル重量%、
(112)5.00×10-2モル重量%の濃度に溶解し
てアルキル化剤水溶液各50Kgを準備した。
【0078】次いで、該ポリノジック繊維製ローン織物
を一枚ずつ別々に上述の所定濃度のアルキル化剤水溶液
に30秒間ずつ浸漬し、ついでローラーで絞り率80%
になるよう絞り、直ちに100℃で2分間スチーミング
処理した。該ローン織物を充分水洗し未反応化合物を除
去して乾燥し、実施例7と同様に捺染色して試料107
−1〜112−1を得た。これら試料の裏抜け性、風合
い、抗菌性能、吸水性、染色堅牢度、物性を調べ、その
結果を表15に示した。表15から明らかな如く、アル
キル化剤の処理濃度は、裏抜け性の点で、1.11×1
-2モル重量%以上が良く、また風合いと吸水性の点か
ら4.43×10-2モル重量%以下が好ましく、全てに
抗菌効果があった。
【0078】
【表15】
【0079】〈実施例9〉粒子径が10μm以下の脱ア
セチル化度82%、平均分子量46,000の微小粒状
再生キトサンをポリノジック繊維の紡糸前に、ポリノジ
ックビスコースに対繊維素当り1%混合し紡糸すること
によって得た再生キトサン含有ポリノジック繊維から得
た精練漂白上がりのキトサン含有ポリノジック繊維製ロ
ーン織物(幅1m,目付70g/m2 ,70番手,経緯
密度:100本×90本/in.)を各5m長6枚準備
した。
【0080】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、実施
例8で用いたアルキル化剤のデナコールEX−171と
実施例7で用いた架橋剤のデナコールEX−861とを
混合して表16に示す各濃度のアルキル化剤と架橋剤の
6種の混合水溶液を各50Kg準備した。
【0081】
【表16】
【0082】先に準備しておいたローン織物を上述の如
く準備した架橋剤とアルキル化剤の各混合水溶液に夫々
30秒間浸漬し、絞り率80%になるようにローラーで
絞った後、直ちに100℃で2分間スチーミング処理し
た。該ローン織物を充分水洗し未反応化合物を洗浄除去
して乾燥した。次いで実施例7と同様にして、捺染色機
にて捺染色し試料113−1〜118−1を得た。これ
ら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染色堅
牢度、物性を調べ、その結果を表17に示した。表17
から明らかな如く、架橋剤の処理濃度は2.27×10
-3〜4.52×10-3モル重量%、アルキル化剤の処理
濃度は6.10×10-3〜1.10×10-2モル重量%
の範囲内で組合せれば、裏抜け性,風合いが良く、全て
に抗菌効果があった。
【0083】
【表17】
【0084】〈実施例10〉粒子径が10μm以下の脱
アセチル化度82%、平均分子量46,000の微小粒
状再生キトサンをポリノジック繊維の紡糸前に、ポリノ
ジックビスコースに対繊維素当り1%混合し紡糸するこ
とによって得た再生キトサン含有ポリノジック繊維30
%とキトサン不含有ポリノジック繊維70%を混繊し、
その紡績糸で織成して得たピースマーセライズ上がりの
ポリノジックローン織物(幅1m,目付60g/m2
80番手,経緯密度:98本×80本/in.)を各5
m長6枚準備した。
【0085】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、架橋
剤としてナガセ化成工業(株)製,商品名デナコールE
X−614B(エポキシ当量=180)を(119)
0、(120)4.00×10-3モル重量%、(12
1)4.55×10-3モル重量%、(122)8.52
×10-3モル重量%、(123)1.82×10-2モル
重量%、(124)2.50×10-2モル重量%の濃度
になるよう溶解して各50Kgの架橋剤水溶液を準備し
た。
【0086】該架橋剤水溶液の各濃度溶液に上述の5m
長のローン織物1枚ずつを夫々に1分間浸漬し、次いで
ローラーで絞り率80%になるように絞った後、、10
0℃で2分間スチーミング処理し繊維中に含有するキト
サン及びそのキトサンとセルロースとを架橋結合させ
た。そして、未反応化合物を洗い落すため水で充分洗浄
したのちテンターに仕掛け乾燥した。次いで実施例7と
同様にして、各試料をスクリーン捺染色機に仕掛け捺染
色して試料119−1〜124−1を得た。これら試料
の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染色堅牢度、
物性を調べ、その結果を表18に示した。表18から明
らかな如く、実施例7と架橋剤のエポキシ当量を変えて
も架橋剤の濃度は、裏抜け性、風合い並びに強力の点か
ら4.55×10-3モル重量%以上で、1.82×10
-2モル重量%以下の範囲が好ましく、全てに抗菌効果が
あった。
【0087】
【表18】
【0088】〈実施例11〉粒子径が10μm以下の脱
アセチル化度82%、平均分子量46,000の微小粒
状再生キトサンをポリノジック繊維の紡糸前に、ポリノ
ジックビスコースに対繊維素当り1%混合し紡糸するこ
とによって得た再生キトサン含有ポリノジック繊維の紡
績糸を経糸に、通常のキトサン不含ポリノジック紡績糸
を緯糸にして織成した精練漂白上がりのポリノジック繊
維製ローン織物(幅1m,目付60g/m2 ,80番
手,経緯密度:98本×80本/in.)を各5m長6
枚準備した。
【0089】0.8%水酸化ナトリウム水溶液に、ナガ
セ化成工業(株)製の架橋剤、商品名デナコールEX−
841,とデナコールEX−614Bとを実施例9と同
様にして混合し表19に示す各濃度の6種の混合架橋剤
水溶液の各50Kgを準備した。
【0090】
【表19】
【0091】各ローン織物を上述の2種類の架橋剤を混
合して調整した各濃度の架橋剤混合水溶液に30秒間浸
漬し、絞り率80%になるようにローラーで絞った後、
100℃で2分間スチーミング処理をした。該ローン織
物を充分水洗し未反応化合物を洗浄除去して乾燥した。
次いで実施例7と同様にして、捺染色機にて捺染色して
試料125−1〜130−1を得た。これら試料の裏抜
け性、風合い、抗菌性能、吸水性、染色堅牢度、物性を
調べ、その結果を表20に示した。表20から明らかな
如く、2種類の架橋剤の処理濃度は、裏抜け性、風合い
並びに強力の点からその合計が4.55×10-3モル重
量%以上で1.82×10-2モル重量%以下の範囲が好
ましく、全てに抗菌効果があった。
【0092】
【表20】
【0093】〈実施例12〉粒子径が10μm以下の脱
アセチル化度82%、平均分子量46,000の微小粒
状再生キトサンをポリノジック繊維の紡糸前に、ポリノ
ジックビスコースに対繊維素当り1%混合し紡糸するこ
とによって得た再生キトサン含有ポリノジック繊維55
%とキトサン不含ポリノジック繊維45%を混繊して得
た紡績糸を経糸に、キトサンを含んでいない普通のポリ
ノジック繊維の紡績糸を緯糸に用いて織成したピースマ
ーセライズ上がりのポリノジック繊維製ローン織物(幅
1m,目付70g/m2 ,70番手,経緯密度:100
本×90本/in.)を各5m長6枚準備した。
【0094】0.5%水酸化ナトリウム水溶液に、実施
例8で用いたアルキル化剤のデナコールEX−171及
び実施例7で用いた架橋剤のデナコールEX−861又
実施例10で用いた架橋剤EX−614Bの3種類のエ
ポキシ化合物を混合して表21に示す各濃度のアルキル
化剤と架橋剤の6種の混合水溶液各50Kgを準備し
た。
【0095】
【表21】
【0096】準備したローン織物を夫々別々に上述の架
橋剤とアルキル化剤の各濃度の混合溶液に30秒間浸漬
し、絞り率80%になるようにローラーで絞った後、直
ちに100℃で2分間スチーミング処理した。
【0097】該ローン織物を充分水洗し未反応化合物を
洗浄除去して乾燥した。次いで実施例7と同様にして、
捺染色機にて捺染色し試料131−1〜136−1を得
た。これら試料の裏抜け性、風合い、抗菌性能、吸水
性、染色堅牢度、物性を調べ、その結果を表22に示し
た。表22から明らかな如く、架橋剤の合計処理濃度が
2.27×10-3〜4.52×10-3モル重量%の範囲
にあって、且つ、アルキル化剤の処理濃度が、6.10
×10-3〜1.10×10-2モル重量%の範囲であれ
ば、裏抜け性も風合いも良く、全てに抗菌効果があっ
た。
【0098】
【表22】
【0099】〈比較例2〉キトサンを含んでいない普通
のポリノジック繊維の紡績糸を経糸とし、粒子径が1
0μm以下の脱アセチル化度82%、平均分子量46,
000の微小粒状再生キトサンをポリノジック繊維の紡
糸前に、ポリノジックビスコースに対繊維素当り1%混
合し紡糸することによって得た再生キトサン含有ポリノ
ジック繊維55%とキトサン不含ポリノジック繊維45
%を混繊した紡績糸を緯糸に使用して織成した精練漂白
上がりのポリノジック繊維製ローン織物(試料No.1
37)、上述の再生キトサン含有ポリノジック繊維2
0%とキトサン不含ポリノジック繊維80%を混繊した
紡績糸を緯糸に用い織成した精練漂白上がりのポリノジ
ック繊維製ローン織物(試料No.138)、上述の
再生キトサン含有ポリノジック繊維30%とキトサン不
含ポリノジック繊維70%を混繊した紡績糸を緯糸に用
い織成した精練漂白上がりのポリノジック繊維製ローン
織物(試料No.139)、上述の再生キトサン含有
ポリノジック繊維55%とキトサン不含ポリノジック繊
維45%を混繊した紡績糸を緯糸に用い織成した精練漂
白上がりのポリノジック繊維製ローン織物(試料No.
140)の4種類(幅:1m,目付60g/m2 ,80
番手,経緯密度:98本×80本/in.)の織物を各
5m長1枚ずつ合計4枚準備した。
【0100】ナガセ化成工業(株)製,商品名デナコー
ルEX−861(エポキシ当量=587)を8.52×
10-3モル重量%になるよう0.5%水酸化ナトリウム
水溶液に溶解して架橋剤水溶液を50Kg4つを準備し
た。
【0101】上述の4種類の5m長ポリノジック繊維製
ローン織物を、各々の架橋剤溶液に浸漬し、次いでロー
ラーで絞り率80%になるように絞り、直ちに100℃
で2分間スチーミング処理した。該ローン織物を充分水
洗し未反応化合物を洗浄除去して乾燥した。次いで、各
々の処理ローン織物を実施例7と同様に捺染色処理して
試料137−1〜140−1を得た。これら試料の洗濯
0回と洗濯50回後の抗菌防臭性能を調べた。その結果
を表23に示した。表23より明らかなように、再生キ
トサン含有ポリノジツク繊維の、ポリノジック繊維製ロ
ーン織物への混戦率が30%以上であれば、抗菌防臭効
果が有り、しかも洗濯50回後も、抗菌防臭効果が低下
することの無い、極めて高い耐久性を有する抗菌防臭性
を具備している。
【0102】
【表23】
【0103】
【発明の効果】本発明によるポリノジック繊維製布帛の
裏抜け性改善法は、前記構成をとるものであり、優れた
裏抜け性を有する。しかも、キトサンをポリノジック繊
維製ローン織物表面に再生固着せしめるか、キトサンを
微小粒状体に成形し紡糸前にポリノジックビスコースと
混合紡糸したキトサン含有ポリノジック繊維を用いて織
成したローン織物に、エポキシ化合物を用いてアルキル
化及び/又は架橋処理を施しているため、独特の風合い
を具備し、耐久性に富む抗菌防臭性、及び優れた吸水性
と染色堅牢度を有する。従って、本発明のポリノジック
繊維製ローン織物の裏抜け性改善法で加工したポリノジ
ック繊維製ローン織物は、ハンカチやスカーフ等の服飾
品の素材としてローン織物の片面に捺染された模様等が
型くずれもなく鮮明な色彩で反対面に発現されるので、
好適に使用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンを有するポリノジック繊維製布
    帛を、エポキシ化合物でアルキル化及び/又は架橋処理
    することを特徴とするポリノジック繊維製布帛の裏抜け
    性改善法。
  2. 【請求項2】 キトサンを有するポリノジック繊維製布
    帛が、該布帛をキトサン酸性水溶液中に含浸後、塩基性
    溶液中で処理してキトサンを凝固再生してキトサンを固
    着せしめたものである請求項1に記載のポリノジック繊
    維製布帛の裏抜け性改善法。
  3. 【請求項3】 キトサンを有するポリノジック繊維製布
    帛が、ポリノジック繊維紡糸前にキトサン微小粒状体を
    混合し紡糸してなる、キトサン含有ポリノジック繊維を
    用いたものである請求項1に記載のポリノジック繊維製
    布帛の裏抜け性改善法。
  4. 【請求項4】 アルキル化に用いるエポキシ化合物が高
    級アルコール及びその誘導体のグリシジルエーテルであ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリノジック繊維製
    布帛の裏抜け性改善法。
  5. 【請求項5】 架橋処理に用いる架橋剤が、水溶性の多
    官能エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記
    載のポリノジック繊維製布帛の裏抜け性改善法。
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