JP3419671B2 - 人造セルロ−ス繊維の加工方法 - Google Patents

人造セルロ−ス繊維の加工方法

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JP3419671B2
JP3419671B2 JP34677897A JP34677897A JP3419671B2 JP 3419671 B2 JP3419671 B2 JP 3419671B2 JP 34677897 A JP34677897 A JP 34677897A JP 34677897 A JP34677897 A JP 34677897A JP 3419671 B2 JP3419671 B2 JP 3419671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人造セルロ−ス繊
維又は該繊維を含む布帛に染色性を損なうことなく短時
間で効果的に高度の耐スレ性と高染色堅牢度を付与し、
優れた保水・吸水性とソフトな風合いを合わせ持たせた
改質加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロ−ス系繊維を含む布帛に布
帛のソフト風合いを損なわず、防縮性や防シワ性を付与
する方法として、水分含有状態で水溶性エポキシ化合物
を反応させる樹脂加工法が提案されている(特開平4−
343765号公報、特開平4−316687号公
報)。しかし、このような従来の加工方法は、水分含有
状態で樹脂を反応させるため、低温で長時間の処理時間
を要し、生産効率が悪く、かつ樹脂反応性も通常の加熱
処理に比べ低く、十分な耐スレ性効果を付与することが
出来なかった。また、均一な反応が起こりにくく、染色
斑が発生するという問題もあった。
【0003】さらに、特公平7−122218号公報に
は、ポリエチレングリコ−ル(以降はPEGと記す。)
をパッド・ドライしたセルロ−ス系繊維構造物に、多官
能性エポキシ化合物含有水溶液を含有させた後に湿熱処
理する加工方法が開示されている。しかしながら、この
方法は反応系に酸性触媒を用いておらず、PEGが触媒
として働いている。この場合、エポキシ樹脂のセルロ−
スに対する反応性は十分ではなく、その為フィブリル化
抑制効果が不十分である。よって液流染色機による染色
時にスレが発生したり、繰り返し洗濯するとフィブリル
が発生し、白化することと、風合が硬くなるという問題
があった。また、この方法はPEGを含浸し一度乾燥し
た後に反応性樹脂を含浸し加熱するという二段工程であ
るため、工程が長くコスト高となる問題があった。
【0004】このように、人造セルロ−ス繊維布帛にお
いては、耐スレ性と保水・吸水性、ソフトな風合ならび
に染色性を全て実用上充分に満足させた加工方法はなか
った。このため、風合が柔らかくなり生産性が高いとい
う利点のある液流染色を行うことが困難であり、しかも
繰り返し洗濯による色相変化や風合硬化があり、アウタ
−やインナ−展開上の障害となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人造セルロ
ース繊維又は該繊維を含む布帛に、液流染色や繰り返し
洗濯ができる高度な耐スレ性と高染色堅牢度を染色性を
損なわずに付与し、しかも保水・吸水性低下と風合硬化
が少ない新規な改質加工方法をコスト的に有利に提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、人造セルロ−ス繊維
にPEGの存在下で酸性触媒によりエポキシ化合物を反
応させると、人造セルロ−ス繊維の水膨潤率の低下を比
較的小さくすることができ、染色性の低下がほとんどな
く、染色斑がなく、風合硬化も少なく、しかも液流染色
にも耐え得る高度な耐スレ性と高湿摩擦堅牢度を付与で
きることを見いだした。また、エポキシ化合物とポリエ
チレングリコ−ルを反応させた人造セルロ−ス繊維を含
む布帛を液流染色機等で揉布すると、繊維交絡点に付着
した樹脂や未反応樹脂等が脱落し、繊維の自由度が増し
更に柔軟化すること、更に、湿摩擦堅牢度が顕著に向上
することを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本件発明は、 (1) 人造セルロース繊維にエポキシ化合物と酸性触
媒、及びポリエチレングリコールを付与した後、130
〜200℃で加熱処理する事を特徴とする人造セルロー
ス繊維の加工方法、 (2) (1)に記載の人造セルロース繊維の加工方法
の加熱処理の後に流液揉布する事を特徴とする人造セル
ロース繊維の加工方法、 (3) 人造セルロース繊維を含む布帛にエポキシ化合
物と酸性触媒、及びポリエチレングリコールを付与した
後、130〜200℃で加熱処理する事を特徴とする人
造セルロース繊維布帛の加工方法、 (4)(3)に記載の人造セルロース繊維布帛の加工方
法の加熱処理の後に流液揉布する事を特徴とする人造セ
ルロース繊維布帛の加工方法、である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける人造セルロ−ス繊維とは、木材パルプを原料に、
アルカリセルロ−スを得て、これを二硫化炭素を用いて
溶解し、ビスコ−ス原液を作り、酸水溶液中に紡糸して
凝固させる、いわゆる湿式紡糸法によるビスコ−スレ−
ヨンやポリノジック、コットンリンタ−を銅アンモニア
溶液に溶解して紡糸して得られる銅アンモニアレ−ヨン
等を指す。本発明は特にスレが問題となりやすい銅アン
モニアレーヨンに有効である。本発明を銅アンモニアレ
ーヨンに適用すると風合いの点でも良好な効果を奏す
る。
【0009】本発明に用いる人造セルロース系繊維は、
無撚糸、撚糸いずれでもよいが、撚糸織物の場合は、撚
数1000〜3000T/m、特に2000〜2800
T/mの強撚糸が好ましい。撚数1000T/m以上の
ものは、それ未満のものに比べて、水中で繊維が膨張し
たときに発生する解撚力と糸条の糸長方向及び断面方向
への寸法変化の関係が大きく異なり、撚数1000T/
m以上のものの方がより上述の関係によってシボ立ち性
の大小及び均一性に影響を及ぼす。この撚数が1000
T/m未満であると解撚力が小さいため短時間でも均一
なシボが発現されず、撚数が3000T/mを超えると
生地自身の強度低下が大きくなり強度低下防止効果が少
なくなる。
【0010】また、本発明に用いる人造セルロース繊維
は、長繊維、短繊維のいずれでもよいが、長繊維の方が
耐スレ性効果と湿摩擦堅牢度向上効果がより顕著に発現
し、更に布帛の表面光沢が優れているので好ましい。ま
た、これら人造セルロ−ス繊維とポリエステル等の合成
繊維との混繊、合撚等の複合糸、および人造セルロース
繊維と合成繊維との交編、交織したものや、これらの複
合糸との交編、交織したものも本発明の人造セルローズ
繊維或いは本発明の人造セルロース繊維を含む布帛に含
まれる。この混合される合成繊維は、無撚糸、撚糸のい
ずれでもよいが、撚数が1000〜3000T/mの撚
糸の方がシボ立ち性が高まるので好ましい。この場合、
人造セルロ−ス繊維の混用率は30%以上が好ましく、
更に好ましくは50%〜100%である。また用いられ
る人造セルロ−ス繊維の好ましいト−タルデニ−ルは3
0d〜150d、単糸デニ−ルは0.95〜2.2dで
ある。
【0011】本発明の加工方法が適用される人造セルロ
ース繊維の形態は、繊維そのものでも布帛でもよいが、
布帛に適用した方がより顕著な効果が発現するので好ま
しい。繊維の形態としては、繊維の製造工程である紡
糸、凝固、再生、水洗、乾燥といった連続工程中の乾燥
前の繊維、乾燥後の繊維のいずれでもよく、また、乾燥
後の繊維から構成される布帛の形態としては織物、編
物、不織布等が用いられ、その織物、編物の組織は特に
限定されない。
【0012】尚、本発明でいうスレとはシボ立て加工や
染色加工工程及び洗濯等でセルロ−ス系繊維中のセルロ
−ス分子鎖間の結合力が湿潤時に低下した状態で、布帛
同志または布帛と染色機械壁面等の他のものとの摩擦に
よる物理的な力が繊維に加えられる事により、繊維が割
繊状態になる現象であり、またフィブリルとはその割繊
されたものをさすものである。
【0013】本発明に用いられるエポキシ化合物として
は、エチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリプロ
ピレングリコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、ポリグ
リセロ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリス(2−ヒド
ロキシル)イソシアヌレ−ト、トリスメチロ−ルプロパ
ン、ネオペンチルグリコール、フェノールエチレンオキ
サイド、ラウリルアルコールエチレンオキサイドのモノ
およびポリグリシジルエーテルが挙げられる。エチレン
グリコール、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、フェノールエチレ
ンオキサイド、ポリグリセロ−ル等のポリグリシジルエ
ーテルが好ましい。特に、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエー
テル、およびこれらの混合物が顕著な効果を奏するので
好ましい。これらのエポキシ化合物は水に溶解して使用
するが、溶解度が低い物の場合には少量の有機溶剤例え
ばジオキサンまたはイソプロピルアルコールと水よりな
る媒体に溶解される。
【0014】本発明に用いられる酸性触媒としては、塩
酸、硫酸といった無機酸、有機酸、乳酸、酒石酸、クエ
ン酸、グリコ−ル酸といったオキシ酸、アミン塩酸塩等
が挙げられるが、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、ホウフッ
化亜鉛、塩化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウムと
いった無機金属塩等も酸性触媒に含まれる。これらはそ
れぞれ用いるエポキシ化合物に適したものを、単独で又
は2種以上組み合わせて用いることが出来る。特にホウ
フッ化マグネシウムが好ましい。
【0015】これらエポキシ化合物、酸性触媒の使用濃
度(有効成分濃度)としては、エポキシ化合物は2〜1
0重量%で、触媒量はエポキシ化合物使用濃度の6〜2
0%が好ましく、エポキシ化合物が2重量%未満である
と耐スレ性効果が不十分であり、10重量%を超えると
未反応樹脂の脱落が少なく、風合い、染色性が損なわれ
る。同じく触媒量がエポキシ化合物使用濃度の6%未満
であるとエポキシ化合物の架橋が不十分になり耐スレ性
が低下し、20%を超えると十分に架橋が行えるが触媒
によるセルロ−ス系繊維へのダメ−ジが大きくなる。
【0016】また、上記エポキシ化合物と酸性触媒との
混合溶液中に、加工剤調合時から常に加工剤pHが5〜
7になるように酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、アンモニ
ア水、リン酸等の安定剤を適当量加えておくのが、エポ
キシ化合物の分解抑制の点で好ましい。本発明の加工方
法の最大の特徴は上記エポキシ化合物と酸性触媒、並び
にポリエチレングリコール(PEG)の3種の化合物を
人造セルロース繊維に付与した後、加熱処理することで
ある。PEGは特にその使用濃度に比例して染色性及び
染色ムラ解消性が向上するため、エポキシ化合物使用濃
度に対応して決定されるが2〜20重量%の範囲で用い
るのが好ましい。2重量%未満であると染色性効果が不
十分であり、20重量%を超えると染色性効果が十分で
あるが、染色堅牢度の低下が大きくなる。また、PEG
は分子量が200から4万の範囲のものを用いることが
できるが、200から1000の範囲、特に300から
600の範囲のものが好ましい。分子量が200未満で
あるとエポキシ化合物との架橋において得られる架橋構
造物の架橋長が短すぎて染色性効果が不十分であり、分
子量が1000を超えると繊維内部に十分に浸透、拡散
することができず染色性、耐スレ性効果を十分に発揮す
ることが出来ない。
【0017】本発明における染色性及び吸水性向上の機
構としては次のように推定している。エポキシ化合物と
触媒及びPEGを人造セルロ−ス長繊維に付与すると、
該エポキシ化合物、触媒とPEGが繊維内部に浸透、拡
散する。加熱処理により水分が蒸発し、繊維内部には該
エポキシ化合物、触媒とPEGが残留し、PEGによる
繊維の膨潤状態を保つ。更に高温の加熱処理により、エ
ポキシ化合物が繊維分子上の水酸基と反応するのみなら
ずPEGとも反応して、PEGがエポキシ化合物を介し
て繊維と架橋し、架橋長の比較的長い架橋構造ができて
いると思われる。
【0018】それ故、従来のエポキシ化合物単独加工に
比べ、架橋長が長くかつ架橋したエポキシ化合物分子中
及びPEG分子中の親水基であるオキシエチレン基によ
り、水分子の浸透性が高まり、従来のエポキシ化合物単
独加工に比べ水膨潤率の低下が減少するものと思われ
る。更に、エポキシ化合物分子中及びPEG分子中のオ
キシエチレン基により、繊維分子上の未反応の水酸基の
求核性が高まり、染料分子の繊維分子上の水酸基への結
合効率が高まり、染色性が従来のエポキシ化合物単独加
工に比べ向上すると思われる。
【0019】また、この人造セルロ−ス繊維に前記3種
の化合物を付与する際には、柔軟剤や撥水剤等他の薬剤
を混合してもよい。前記3種の化合物を用いて人造セル
ロース繊維布帛を加工するには以下の工程が好ましく用
いられる。まず前記3種の化合物溶液に人造セルロ−ス
繊維布帛を浸す。布帛に対する化合物溶液のWet−P
ick−Up率は用いる人造セルロース繊維の布帛にお
ける混用率や生地形態によっても異なるが、好ましく4
0%owf以上、さらに好ましくは40〜120%ow
fになるようにマングル等で絞り調節する。その後、該
布帛を加熱処理する。加熱処理は、予備乾燥ー加熱(キ
ュアリング)の二段加熱処理法や、キュアリングのみの
一段加熱処理法が採られるが、80〜150℃で20秒
〜2分間の予備乾燥を事前に行い、130〜200℃で
30秒〜5分間の加熱処理を行うのが乾燥時に布帛全体
に付着した加工剤の布帛表面へのマイグレ−ション防止
の点で好ましい。
【0020】布帛への加工剤の付与方法としては、Di
p/Nip法やキスロールによる片面付与、スプレー法
等があるがいずれの方法でも良い。用いられる加熱装置
としてはピンテンタ−、ショ−トル−プ、シュリンクサ
−ファ−が挙げられる。また、人造セルロース繊維また
は該繊維を含む布帛に前記3種の化合物を付与する方法
としては、エポキシ化合物と酸性触媒およびPEGの3
種の混合溶液を調合し該繊維または該繊維を含む布帛に
付与させるのが好ましいが、予め該繊維または該繊維を
含む布帛にPEGを付与した後、エポキシ化合物と酸性
触媒を付与してもよい。
【0021】本発明における液流揉布とは、液流で揉布
することをいい、例えば液流染色機、ウインス染色機、
パドル染色機、ドラム染色機、ワッシャー等で布帛を処
理することをいう。液流としては水流が好ましい。この
液流揉布処理により、繊維上や繊維交絡点に付着した樹
脂や未反応物等が脱落し、繊維の自由度が増し、風合い
の柔軟化と強度低下防止効果が発現する。また、湿摩擦
堅牢度向上効果も発現する。この液流揉布処理は液流染
色機等で染色することで達成されるが、予め液流染色機
等でソーピング又は水洗を行って前記した付着した樹脂
や未反応物を除去してから染色した方が染色斑や色ぶれ
等を防止できるので好ましい。また、この液流揉布処理
は撚糸布帛の解撚・シボ立て工程を兼ねて行うことがで
きる。即ち、撚糸布帛のシボ立て前の生機に本改質加工
を行い、ワッシャー等を用い水でシボ立てと同時に前記
した付着した樹脂や未反応物を除去することができる。
【0022】またソ−ピングに用いられるソ−ピング剤
は、前記の付着した樹脂や未反応樹脂を繊維より脱落さ
せやすくする薬剤であり、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウムといったアルカリ剤、非イオン系のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、アルキルチオエーテル、脂肪
酸アルキロールアミドといった界面活性剤が挙げられる
が、薬剤を含まない水洗工程も含まれる。ソーピング剤
の使用濃度(有効成分濃度)及び処理条件としては、繊
維へのダメージを考え、0.2〜3g/Lで処理浴のp
Hが9〜11になるように、アルカリを適当量併用し、
40〜80℃で10〜40分処理することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例により本発
明をさらに詳しく説明する。なお、実施例で示した測定
項目は下記の方法により測定したものである。 (1)染色性:マクベス分光光度計MS−2020型を
用い、JIS−Z−8730に準じ、CIE Lab表
色系で、樹脂加工を施していない染色加工布帛(樹脂未
処理布帛)に対する△E*abを測定する。△E*abは
以下の式で表される。 △E*ab={(△L*2 +(△a*2 +(△
*2 1/2 この△E* abから、下記の基準に従い染色性を判定し
た。 0≦△E*ab<1 : ○(良好) 1≦△E*ab<5 : △(やや良好) 5≦△E*ab : ×(不十分) (2)洗濯試験法:本発明の樹脂加工を施したもの、樹
脂未加工のものをJIS−L−0217に準じ、10回
洗濯、乾燥を行った。 (3)耐スレ性:染色後と洗濯後の布帛の左右の端、中
央の3箇所、長さ方向に無作為に3箇所の計9箇所から
3cm四方の布帛をサンプリングし、ついで、光学顕微
鏡で観察し、さらに、スレ状態の最も大きい場所を中心
に1cm四方の布帛をサンプリングし、交絡単位数を2
0以上含むような倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)写
真を撮り、スレ状態を下記により定量化し、スレ率を算
出した。ここで交絡単位とは、織物の場合、布帛の経緯
糸がそれぞれ交絡し、表に出ている部分をいい、例え
ば、経糸の場合、交絡している緯糸の両隣の緯糸との交
絡により区切られ表に出ている部分をいい、布帛が平織
の場合、組織点が経緯糸交互に交絡単位となる。また、
編物の場合、シンカーループ面のシンカーループ1個を
1交絡単位とする。スレ状態は、写真を肉眼で見て、 1〜2本フィブリル化しているもの :0.5 3本以上フィブリル化、又はフィブリル1本が100μ
m以上のもの:1.0 として点数をつけ、下記式でスレ率を算出した。 スレ率(%)=フィブリル化の点数の合計/交絡単位総
数×100 (4)風合い(柔軟度):被験者10人で本発明の樹脂
加工を施したもの及び樹脂未加工のものに対して風合い
を触感判定し、風合いが硬化しているものを0点、風合
いが柔軟であるものを1点とし、各人に評価してもら
い、その総点から下記の基準に従い風合い(柔軟度)を
判定した。 8〜10点: ○(良好) 4〜 7点: △(やや良好) 0〜 3点: ×(不十分) (5)水膨潤率(保水性):20℃×60%Rhの調湿
状態で本発明の樹脂加工を施したもの及び樹脂未加工の
ものをイオン交換水に30分浸漬し、3500rpmで
5分間遠心脱水したものの重量をW1とし、その絶乾重
量をW2とし、以下の式で水膨潤率を算出した。また、
この水膨潤率が大きいほど、保水性が高いことを示す。 水膨潤率(%)=〔(W1−W2)/W2〕×100 (6)樹脂固着率:JIS−L−1041に準じ、繊維
への樹脂の定着樹脂量(%)を求める。 (7)湿摩擦堅牢度:JIS−L−0849に準じて測
定した。
【0024】
【実施例1及び2】経糸銅アンモニアレ−ヨン糸(75
d/45f)、緯糸銅アンモニアレ−ヨン糸(100d
/70f、撚数2700T/m)からなる経密度121
本/インチ、緯密度74本/インチの生機を通常の処方
でシボ立て、精練乾燥した布帛を用意し、該布帛をエポ
キシ化合物であるエチレングリコ−ルジグリシジルエ−
テル:5重量%、ホウフッ化マグネシウム(触媒):
0.5重量%、安定剤である酢酸マグネシウム:0.2
重量%、PEG400:5重量%、水89.3重量%の
混合加工剤溶液に浸漬後、マングル(5kg/cm2
でウェットピックアップ100%に絞り、100℃で1
分間予備乾燥し、160℃で3分間加熱処理し実施例1
を得た。次いで液流染色機を用いてSumifix B
lack B(住友化学工業社品)を5%owf用い、
助剤として無水芒硝50g/L及び炭酸ソ−ダ20g/
Lを含む染色浴を浴比1:20で染色を行い、染色後十
分なソ−ピング処理を施し、脱水後、ヒラノテクシ−ド
社製シュリンクサ−ファ−を用いて乾燥させ、実施例2
を得た。染色斑は全くなく、また引裂強度低下もなかっ
た。表1及び2にそれぞれ評価結果を示す。
【0025】
【実施例3】実施例1に、液流染色機を用いて、約40
℃の水で20分間液流揉布下で水洗を行い、排水後、S
umifix Black B(住友化学工業社品)を
5%owf用い、助剤として無水芒硝50g/L及び炭
酸ソ−ダ20g/Lを含む染色浴を浴比1:20で染色
を行い、染色後十分なソ−ピング処理を施し、脱水後、
シュリンクサ−ファ−(ヒラノテクシ−ド社製)を用い
て乾燥させ、実施例3を得た。染色斑は全くなく、また
引裂強度低下もなかった。表2に評価結果を示す。
【0026】
【実施例4及び5】湿式流下緊張紡糸法により凝固再生
された乾燥前の銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/45
f)にエポキシ化合物であるエチレングリコ−ルジグリ
シジルエ−テル:10重量%、ホウフッ化マグネシウム
(触媒):1.0重量%、安定剤である酢酸マグネシウ
ム:0.5重量%、PEG400:5重量%、水83.
5重量%の混合加工剤溶液をWet on Wetでキ
スロ−ルでウェットピックアップ率100%で付与し、
150℃で10秒間加熱処理した。同様に銅アンモニア
レ−ヨン糸(100d/70f)にも上記樹脂加工を施
した。これらの糸を用い、実施例1記載の方法と同様に
生機を作成、シボ立て、精練、乾燥を行い、実施例4の
布帛を得た。次いで実施例2と同様に染色、乾燥を行
い、実施例5を得た。染色斑は全くなく、また、引裂強
度低下もなかった。表1に評価結果を示す。
【0027】
【実施例6及び7】経糸銅アンモニアレ−ヨン糸(75
d/54f、撚数2000T/m)、緯糸銅アンモニア
レ−ヨン糸(75d/54f、撚数2000T/m)か
らなる経密度77本/インチ、緯密度77本/インチの
生機をエポキシ化合物であるエチレングリコ−ルジグリ
シジルエ−テル:4重量%とジエチレングリコールジグ
リシジルエーテル:4重量%、ホウフッ化マグネシウム
(触媒):0.8重量%、安定剤である酢酸マグネシウ
ム:0.3重量%、PEG400:8重量%、水82.
9重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、マングル(5kg
/cm2)でウェットピックアップ100%に絞り、1
00℃で1分間予備乾燥し、160℃で3分間加熱処理
し、その後ロータリーワッシャーでシボ立て、精練乾燥
し、実施例6を得た。 次いで実施例2と同様の方法で
染色、乾燥を行い、実施例7を得た。染色斑は全くな
く、また引裂強度低下もなかった。表1、2にそれぞれ
評価結果を示す。
【0028】
【比較例1及び2】実施例1において、エポキシ化合
物、触媒、PEGからなる混合加工剤を付与する工程を
省いた布帛を比較例1とし、次いで実施例2と同様に染
色、乾燥を行い、比較例2を得た。表1及び2にそれぞ
れ評価結果を示す。
【0029】
【比較例3、4】実施例1と同様にシボ立て、精練、乾
燥をした布帛をPEG400:30重量%、水95重量
%の溶液に浸漬後、マングル(5kg/cm2)でウェ
ットピックアップ100%に絞り、120℃で3分間加
熱処理した。更に上記方法で得られた布帛をエポキシ化
合物であるエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル:
5重量%の加工剤溶液に浸漬後、マングル(5kg/c
2)でウェットピックアップ90%に絞り、100℃
で1分間乾燥し、160℃で3分間キュアリングし、比
較例3を得た。次いで実施例2と同様に染色、乾燥を行
い、比較例4を得た。染色斑が認められた。表1及び2
にそれぞれ評価結果を示す。
【0030】
【実施例8】4枚筬、28ゲ−ジのラッシェル経編機を
使用し、前筬に銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/45
f)を、第1中筬にナイロンマルチフィラメント糸(3
0d/10f)を、第2中筬にポリウレタンからなる第
1伸縮弾性糸(70d)を、後筬にポリウレタンからな
る第2伸縮弾性糸(40d)をそれぞれフルセットに配
置し、前筬、第1中筬、第2中筬および後筬の編組織及
び編条件を下記の通りとし生機を得た。
【0031】 前筬 :11/10/11/11/12/11 第1中筬:10/12/21/23/21/12 第2中筬:00/22/11/33/11/22 後筬 :00/22/22/33/11/11 ランナー長 前筬 :30.6cm/ラック 第1中筬:98.6cm/ラック 第2中筬:10.3cm/ラック 後筬 :17.1cm/ラック 機上密度 90コース/インチ 該生機を90℃で20秒間湯通しし、幅210cm、1
90℃で45秒間予備セットを行い、目付190g/m
2の伸縮性弾性布帛を得た。
【0032】該布帛をエポキシ化合物であるエチレング
リコ−ルジグリシジルエ−テル:5重量%、ホウフッ化
マグネシウム(触媒):0.5重量%、安定剤である酢
酸マグネシウム:0.2重量%、PEG400:5重量
%、水89.3重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、マン
グル(5kg/cm2)でウェットピックアップ60%
に絞り、160℃で45秒間加熱処理した。次いで実施
例2と同様に染色し、180℃で乾燥セットを行い、実
施例8を得た。染色斑は全くなく、引裂強度低下もなか
った。表2に評価結果を示す。尚、湿摩擦堅牢度はシン
カーループ面(銅アンモニアレーヨン糸の露出率100
%)を測定した。
【0033】
【比較例5】実施例8において、エポキシ化合物、触
媒、PEGからなる混合加工剤を付与する工程を省いた
ものを比較例5とした。表1に評価結果を示す。
【0034】
【実施例9】経糸に銅アンモニアレーヨン糸(75d/
54f、撚数2500T/m)、緯糸に銅アンモニアレ
ーヨンステープル(単糸1.4d、52mm長)の40
綿番手(Z撚:1400T/m)からなる経密度77本
/インチ、緯密度77本/インチの生機をジエチレング
リコールジグリシジルエーテル:10重量%、ホウフッ
化マグネシウム(触媒):1.0重量%、安定剤である
酢酸マグネシウム:0.4重量%、PEG600:8重
量%、水80.6重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、実
施例3と同様に処理して実施例9を得た。この染色品の
染色性は良好であり、染色斑も全くなかった。湿摩擦堅
牢度は2級であった。また、引裂強度の低下もなく、染
色耐スレ性12%、洗濯耐スレ性18%と良好であり、
洗濯後の風合い硬化も僅かであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の人造セルロ−ス
繊維の加工方法によれば、人造セルロ−ス繊維に染色性
を損なうことなく、高度の耐スレ性と高染色堅牢度を付
与し、優れた保水・吸水性とソフトな風合を合わせ持た
せることができる。さらに繰り返し洗濯による色相変化
や風合硬化もない。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人造セルロース繊維にエポキシ化合物と
    酸性触媒、及びポリエチレングリコールを付与した後、
    130〜200℃で加熱処理する事を特徴とする人造セ
    ルロース繊維の加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の人造セルロース繊維の加
    工方法の加熱処理の後に流液揉布する事を特徴とする人
    造セルロース繊維の加工方法。
  3. 【請求項3】 人造セルロース繊維を含む布帛にエポキ
    シ化合物と酸性触媒、及びポリエチレングリコールを付
    与した後、130〜200℃で加熱処理する事を特徴と
    する人造セルロース繊維布帛の加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の人造セルロース繊維布帛
    の加工方法の加熱処理の後に流液揉布する事を特徴とす
    る人造セルロース繊維布帛の加工方法。
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