JPH10237766A - 人造セルロ−ス繊維の加工法 - Google Patents

人造セルロ−ス繊維の加工法

Info

Publication number
JPH10237766A
JPH10237766A JP9346784A JP34678497A JPH10237766A JP H10237766 A JPH10237766 A JP H10237766A JP 9346784 A JP9346784 A JP 9346784A JP 34678497 A JP34678497 A JP 34678497A JP H10237766 A JPH10237766 A JP H10237766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
epoxy compound
fiber
artificial
cellulose fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9346784A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Okajima
真一 岡嶋
Masataka Ikeda
昌孝 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9346784A priority Critical patent/JPH10237766A/ja
Publication of JPH10237766A publication Critical patent/JPH10237766A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度低下と風合い硬化を抑え、さらに高度な
耐スレ性、高染色堅牢度を染色性を損なわずに付与す
る、コスト的に有利な、新規な改質加工方法の提供。 【解決手段】 人造セルロース繊維にエポキシ化合物と
酸性触媒を付与した後、加熱処理し、次いで、人造セル
ロース繊維を含む布帛を揉布下でソーピング又は水洗を
行い、染色することを特徴とする人造セルロース繊維の
加工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人造セルロース繊
維の加工法に関する。さらに詳しくは、人造セルロ−ス
繊維を含む布帛に染色性を損なうことなく高度の耐スレ
性と高染色堅牢度を付与し、かつソフトな風合いと強度
低下のない新規な加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロ−ス系繊維を含む布帛に、
布帛のソフト風合いを損なわず、防縮性や防シワ性を付
与する方法として、水分含有状態で水溶性エポキシ化合
物を反応させる樹脂加工法が提案されている(特開平4
−343765号公報、特開平4−316687号公
報、特公平7−122218号公報)。
【0003】しかし、このような従来の加工方法は、布
帛に樹脂を付与した後、未反応樹脂の除去を目的とし
て、オ−プンソ−パ−等を用いての、拡布状態でのソ−
ピングを行っていたため、加工後の布帛は繊維上もしく
は繊維交絡点部分に付着した繊維との未反応樹脂は完全
に除去できず、ソフトな風合いが得られなかったり、強
度低下が起こる、また、このような加工方法は水分含有
状態で樹脂を反応させるため、低温で長時間の処理時間
を要し、生産効率が悪く、かつ樹脂反応性も通常の加熱
処理に比べ低く、効果も少なくなるということがあっ
た。その後続けて染色を行う場合、残留した未反応樹脂
に染料が染着したりして、染色堅牢度が低下したり、色
ムラが発生することがあるといった問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明る目的は、強度
低下と風合い硬化を抑え、さらに高度な耐スレ性、高染
色堅牢度、発色性をを損なわずに付与する、コスト的に
有利な、新規な改質加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、人造セルロ−ス繊維
を含む布帛に特定のエポキシ化合物で樹脂加工を行い、
揉布下でソーピング又は水洗を行うと、繊維上や繊維交
絡点に付着した樹脂や未反応樹脂等が脱落し、繊維の自
由度が増し、柔軟化し強度低下が少なく、染色性の低下
もほとんどなく、染色斑がなく、しかも液流染色にも耐
え得る高度な耐スレ性と高湿摩擦堅牢度、高洗濯堅牢度
を付与できることを見いだし、本発明を完成させるに至
った。
【0006】即ち、本発明は、下記の通りである。 (1)人造セルロース繊維にエポキシ化合物と酸性触媒
を付与した後に、加熱処理し、次いで上記人造セルロー
ス繊維を含む布帛を揉布下でソーピング又は水洗を行う
ことを特徴とする人造セルロ−ス繊維の加工法。 (2)人造セルロース繊維にエポキシ化合物と酸性触媒
を付与した後に、加熱処理し、次いで上記人造セルロー
ス繊維を含む布帛を揉布下でソーピング又は水洗し、し
かる後に染色することを特徴とする人造セルロ−ス繊維
の加工法。 (3)人造セルロース繊維が長繊維であることを特徴と
する上記(1)または(2)記載の人造セルロ−ス繊維
の加工法。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける人造セルロ−ス繊維とは、木材パルプを原料に、
アルカリセルロ−スを得て、これを二硫化炭素を用いて
溶解し、ビスコ−ス原液を作り、酸水溶液中に紡糸して
凝固させる、いわゆる湿式紡糸法によるビスコ−スレ−
ヨンやポリノジック、コットンリンタ−を銅アンモニア
溶液に溶解して紡糸して得られる銅アンモニアレ−ヨン
などを指す。
【0008】本発明は、スレが問題になり易い銅アンモ
ニアレ−ヨンやポリノジックに有効である。本発明は、
銅アンモニアレ−ヨンに適用すると風合の点でも良好な
効果が得られる。本発明に用いる人造セルロ−ス繊維
は、無撚糸、撚糸いずれでもよいが、撚糸の場合は、撚
数1000〜3000T/mが好ましく、特に2000
〜2800T/mが好ましい。撚数1000T/m以上
のものは、1000未満のものに比べて、水中で繊維が
膨張したときに発生する解撚力と糸条の長さ方向及び断
面方向への寸法変化の関係が大きく異なり、撚数100
0T/m以上のものの方がより上述の関係によってシボ
立ち性の大小および均性に影響を及ぼす。この撚数10
00T/m未満であると解撚力が小さいため短時間でも
均一なシボが発現されず、撚数3000T/mを越える
と生地自信の強度低下が大きくなり強度低下低下紡糸の
効果が少なくなる。
【0009】また、人造セルロ−ス繊維は、長繊維、短
繊維いずれでもよいが、長繊維の方が耐スレ性効果と湿
摩擦堅牢度の向上効果がより顕著に発現し、更に布帛の
表面光沢がすぐれているので好ましい。また、本発明に
おける人造セルロ−ス繊維および人造セルロ−ス繊維を
含む布帛には、人造セルロ−ス繊維とポリエステル等と
の混繊、交撚等の複合糸、および人造セルロ−ス繊維と
合成繊維と交編、交織したものやこれらの複合糸との交
編、交織したものも含まれる。混合される合成繊維は、
無撚糸、撚糸いずれでもよいが、撚糸の場合は、撚数1
000〜3000T/mが好まく、シボ立ち性が高ま
る。この場合、人造セルロ−ス繊維の混用率は、30%
以上が好ましく、更に好ましくは50%〜100%であ
る。
【0010】また、本発明に用いられる人造セルロ−ス
繊維は、ト−タルデニ−ルが30d〜150dであるこ
とが好ましく、単糸デニ−ルが0.95〜2.2dであ
ることが好ましい。本発明に用いる人造セルロ−ス繊維
は、繊維の形態が、繊維そのものでも布帛でもよいが、
布帛に処理した方がより顕著な効果が発現するので好ま
しい。
【0011】繊維そのものは繊維製造工程中の乾燥前の
繊維、乾燥後の繊維のいずれでもよく、また、布帛は織
物、編物、不織布等いずれでもよく、織物、編物の組織
は特に限定されない。尚、本発明でいうスレとはシボ立
て加工や染色加工工程及び洗濯等でセルロ−ス系繊維中
のセルロ−ス分子鎖間の結合力が湿潤時に低下した状態
で、布帛同士または布帛と染色機械壁面等の他のものと
の摩擦による物理的な力が繊維に加えられる事により、
繊維が割繊状態になる現象をいい、またフィブリルとは
その割繊されたものをいう。
【0012】本発明に用いられるエポキシ化合物として
は、エチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリプロ
ピレングリコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、ポリグ
リセロ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリス(2−ヒド
ロキシル)イソシアヌレ−ト、トリスメチロ−ルプロパ
ン、ネオペンチルグリコール、フェノールエチレンオキ
サイド、ラウリルアルコールエチレンオキサイドのモノ
およびポリグリシジルエーテルが挙げられる。
【0013】エチレングリコール、ポリエチレングリコ
−ル、プロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、フェノールエチレンオキサイド、ポリグリセロ−ル
等のポリグリシジルエーテルが好ましい。特に、エチレ
ングリコ−ルジグリシジルエーテル、ジエチレングリコ
−ルジグリシジルエーテル、およびこれらの混合物が顕
著な効果が得られるので好ましい。
【0014】これらのエポキシ化合物は水に溶解して使
用するが、溶解度が低い物の場合には少量の有機溶剤例
えばジオキサンまたはイソプロピルアルコールと水より
なる媒体に溶解される。本発明に用いられる酸性触媒と
しては、塩酸、硫酸といった無機酸、有機酸、乳酸、酒
石酸、クエン酸、グリコ−ル酸といったオキシ酸、アミ
ン塩酸塩等が挙げられるが、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、
ホウフッ化亜鉛、塩化マグネシウム、ホウフッ化マグネ
シウム、といった無機金属塩等も酸性触媒に含まれる。
これらはそれぞれ用いるエポキシ化合物に適したもの
を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることが出来
る。特にホウフッ化マグネシウムが好ましい。
【0015】これらエポキシ化合物、酸性触媒の使用濃
度(有効成分濃度)としては、エポキシ化合物は2〜2
0重量%が好ましく、触媒量はエポキシ化合物使用濃度
の5〜20%が好ましく、エポキシ化合物が2重量%以
下であると耐スレ性効果が不十分であり、20重量%以
上であると未反応樹脂の脱落が少なく、風合い、染色性
が損なわれる。同じく触媒量がエポキシ化合物使用濃度
の5%以下であるとエポキシ化合物の架橋が不十分にな
り耐スレ性が低下し、20%以上では十分に架橋が行え
るが触媒によるセルロ−ス系繊維へのダメ−ジが大きく
なる。さらに好ましくは、エポキシ化合物が3〜10重
量%で触媒量がエポキシ化合物使用濃度の5〜15%で
ある。
【0016】また、上記エポキシ化合物と酸性触媒との
混合溶液(加工剤)中に、加工剤調合時から常に加工剤
pHが5〜7になるように酢酸マグネシウム、酢酸亜
鉛、アンモニア水、リン酸等の安定剤を適当量加えてお
くのが好ましく、エポキシ化合物の分解を抑制できる。
また、この人造セルロース繊維に前記加工剤を付与する
際には、柔軟剤や撥水剤等他の薬剤を混合してもよい。
【0017】前記加工剤を用いて人造セルロース繊維布
帛を加工する方法は、以下の工程が好ましく用いられ
る。まず前記加工剤に人造セルロ−ス繊維布帛を浸す。
布帛に対する加工剤のWet−Pick−Up率は、用
いる人造セルロース繊維の布帛における混用率や生地形
態によっても異なるが、好ましくは40%owf以上、
さらに好ましくは40〜120%owfになるようにマ
ングル等で絞り、調節する。その後、該布帛を加熱処理
する。加熱処理は、予備乾燥ー加熱(キュアリング)の
二段加熱処理法や、キュアリングのみの一段加熱処理法
が採られるが、80〜150℃で20秒〜2分間の予備
乾燥を事前に行い、好ましくは130〜200℃で5秒
〜5分間特に140〜180℃で30秒〜3分間の加熱
処理を行うのが好ましく、乾燥時に布帛全体に付着した
加工剤の布帛表面へのマイグレ−ションを防止できる。
【0018】布帛への加工剤の付与方法としては、Di
p/Nip法やキスロールによる片面付与、スプレー法
等があるがいずれの方法でもよい。用いられる加熱装置
としてはピンテンタ−、ショ−トル−プ、シュリンクサ
−ファ−が挙げられる。本発明の加工法は、この加工剤
を付与した布帛を揉布下にてソ−ピングまたは水洗する
ことを最大の特徴とする。揉布するということは、例え
ばロ−プ状の布帛形態で使用する液流染色機、ウインス
染色機、パドル染色機、ドラム染色機、ワッシャー等を
用いて水中で布帛を揉むことを意味する。この様な工程
を有することにより繊維上や繊維交絡点に付着した樹脂
や未反応樹脂等が脱落し、繊維の自由度が増し、風合い
の柔軟化と強度低下の防止効果、及び染色堅牢度の向上
効果が発現される。染色工程については、前述のソ−ピ
ング又は水洗工程の後に続けて染色を行うのが好まし
い。またソ−ピングに用いられるソ−ピング剤は前述の
付着した樹脂や未反応樹脂を繊維より脱落させやすくす
る薬剤であり、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムとい
ったアルカリ剤、非イオン系のポリオキシエチレンアル
キルエ−テル、アルキルチオエ−テル、アルキルフェノ
−ルエ−テル、脂肪酸アルキロールアミドといった界面
活性剤、等が挙げられる。ソ−ピング剤の使用濃度(有
効成分濃度)及び処理条件としては、繊維へのダメ−ジ
を考慮して、0.2〜3g/リットルで処理浴のpHが
9〜11になるようにアルカリを適当量併用し、40〜
80℃で10〜40分で処理するのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、実施例で示した測定項
目は下記の方法により測定したものである。 (1)風合い(柔軟度):被験者10人で本発明の樹脂
加工を施したもの及び樹脂未加工のものに対して風合い
を触感判定し、風合いが硬化しているものを0点、風合
いが柔軟であるものを1点とし、各人に評価してもら
い、その総点から下記の基準に従い風合い(柔軟度)を
判定した。
【0020】 8〜10点: ○(良好) 4〜 7点: △(やや良好) 0〜 3点: ×(不十分) (2)引裂強度:織物の場合、JIS−L−1096
ペンジュラム法に準じ、編物の場合、JIS−L−10
18 シングルタンク法に準じて行う。 (3)染色性:マクベス分光光度計MS−2020型を
用い、JIS−Z−8730に準じ、CIE Lab表
色系で、樹脂加工を施していない染色加工布帛(樹脂未
処理布帛)に対する△E*abを測定する。△E*abは
以下の式で表される。
【0021】△E*ab={(△L*2+(△a*2
(△b*21/2 この△E*abから、下記の基準に従い染色性を判定し
た。 0≦△E*ab<1 : ○(良好) 1≦△E*ab<5 : △(やや良好) 5≦△E*ab : ×(不十分) (4)耐スレ性:染色後の布帛の左右の端、中央の3箇
所、長さ方向に無作為に3箇所の計9箇所から3cm四
方の布帛をサンプリングし、ついで、光学顕微鏡で観察
し、さらに、スレ状態の最も大きい場所を中心に1cm
四方の布帛をサンプリングし、交絡単位数を20以上含
むような倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮
り、スレ状態を下記により定量化し、スレ率を算出し
た。
【0022】ここで交絡単位とは、織物の場合、布帛の
経緯糸がそれぞれ交絡し、表に出ている部分をいい、例
えば、経糸の場合、交絡している緯糸の両隣の緯糸との
交絡により区切られ表に出ている部分をいい、布帛が平
織の場合、組織点が経緯糸交互に交絡単位となる。ま
た、編物の場合、シンカーループ面のシンカーループ1
個を1交絡単位とする。
【0023】スレ状態は、写真を肉眼で見て、 1〜2本フィブリル化しているもの :0.5 3本以上フィブリル化、又は フィブリル1本が100μm以上のもの:1.0 として点数をつけ、下記式でスレ率を算出した。
【0024】スレ率(%)=フィブリル化の点数の合計
/交絡単位総数×100 (5)樹脂固着率:JIS−L−1041に準じ、繊維
への樹脂の定着樹脂量(%)を求める。 (6)湿摩擦堅牢度:JIS−L−0849に準じて測
定した。
【0025】
【実施例1】経糸が銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/
45f)、緯糸が銅アンモニアレ−ヨン糸(100d/
70f、撚数2700T/m)からなる経密度121本
/インチ、緯密度74本/インチの生機を通常の処方で
シボ立て、精練乾燥した布帛を用意し、該布帛をエポキ
シ化合物であるエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テ
ル:5重量%、ホウフッ化マグネシウム(触媒):0.
5重量%、安定剤である酢酸マグネシウム:0.2重量
%、水94.3重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、マン
グル(5kg/cm2)でウェットピックアップ100
%に絞り、100℃で1分間予備乾燥し、160℃で3
分間加熱処理し、次いで液流染色機を用いて、約40℃
の水で20分間液流揉布下で水洗を行い、洗浄、排水
後、続けてSumifix Black B(住友化学
工業社品)を5%owf用い、助剤として無水芒硝50
g/リットル及び炭酸ソ−ダ20g/リットルを含む染
色浴を浴比1:20で染色を行い、染色後十分なソ−ピ
ング処理を施し、脱水後、ヒラノテクシ−ド社製シュリ
ンクサ−ファ−を用いて乾燥させ、染色布帛を得た。染
色斑は全くなかった。表1に評価結果を示す。
【0026】
【実施例2】4枚筬、28ゲ−ジのラッシェル経編機を
使用し、前筬に銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/45
f)を、第1中筬にナイロンマルチフィラメント糸(3
0d/10f)を、第2中筬にポリウレタンからなる第
1伸縮弾性糸(70d)を、後筬にポリウレタンからな
る第2伸縮弾性糸(40d)をそれぞれフルセットに配
置し、前筬、第1中筬、第2中筬および後筬の編組織及
び編条件を下記の通りとし、生機を得た。
【0027】 前筬 :11/10/11/11/12/11 第1中筬:10/12/21/23/21/12 第2中筬:00/22/11/33/11/22 後筬 :00/22/22/33/11/11 ランナ−長 前筬 :30.6cm/ラック 第1中筬:98.0cm/ラック 第2中筬:10.3cm/ラック 後筬 :17.1cm/ラック 機上密度 90コ−ス/インチ 得られた生機を90℃で20秒間湯通しし、幅210c
m、190℃で45秒間予備セットを行い、目付190
g/m2の伸縮性弾性布帛を得た。得られた布帛を実施
例1と同様に樹脂加工し、エポキシ化合物であるエチレ
ングリコ−ルジグリシジルエ−テル:5重量%、ホウフ
ッ化マグネシウム(触媒):0.5重量%、安定剤であ
る酢酸マグネシウム:0.2重量%、水94.3重量%
の混合加工剤溶液に浸漬後、マングル(5kg/c
2)でウェットピックアップ60%に絞り、160℃
で45秒間加熱処理し、次いで液流染色機を用いて、約
40℃の水で20分間液流揉布下で水洗を行い、洗浄、
排水後、続けて実施例1と同様に染色し、180℃で乾
燥セットを行い、実施例2の染色伸縮性弾性布帛を得
た。染色斑は全くなかった。また、この染色伸縮性弾性
布帛を家庭用洗濯機10回洗濯したところ、風合い変化
と変色はなかった。表1に評価結果を示す。なお、湿摩
擦堅牢度はシンカーループ面(銅アンモニアレ−ヨン糸
の露出率100%)を測定した。
【0028】
【比較例1】実施例1と同様にシボ立て、精練、乾燥を
した布帛を実施例1と同様に樹脂加工を行い、次いでJ
−Box型の拡布処理オ−プンソ−パ−を用いて、約4
0℃の水で60m/分の速度で連続水洗、乾燥を行っ
た。続けて実施例1と同様に染色、脱水、乾燥させ、比
較例1の染色布帛を得た。染色斑が認められた。表1に
評価結果を示す。
【0029】
【比較例2】実施例2において、液流染色機を用いた液
流揉布ソ−ピングの代わりに、J−Box型の拡布処理
オ−プンソ−パ−を用いて、約40℃の水で60m/分
の速度で連続水洗、乾燥を行い、得られた布帛をそれぞ
れ比較例2とした。染色斑が認められた。表1に評価結
果を示す。
【0030】
【実施例3】経糸、緯糸とも銅アンモニアレ−ヨン糸
(75d/45f、撚数2500T/m)からなる経密
度71本/インチ、緯密度77本/インチの生機を、エ
チレングリコ−ルジグリシジルエ−テル:4重量%、ジ
エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル:4重量%、
ホウフッ化マグネシウム(触媒):0.8重量%、安定
剤である酢酸マグネシウム:0.3重量%、水90.9
重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、マングル(5kg/
cm2)でウェットピックアップ100%に絞り、10
0℃で1分間予備乾燥し、160℃で3分間加熱処理
し、次いで室温の水で30分間ロータリーワッシャーで
水洗を行い、乾燥後、実施例1と同様に染色、ソーピン
グ、乾燥を行った。染色斑は全くなかった。表1に評価
結果を示す。
【0031】
【実施例4】湿式流下式緊張紡糸法により凝固再生され
た乾燥前の銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/45f)
に、エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル:10重
量%、ホウフッ化マグネシウム(触媒):1.0重量
%、安定剤である酢酸マグネシウム:0.5重量%、水
88.5重量%の混合加工剤溶液にウェットオンウェッ
トでキスロールでウェットピックアップ率100%付与
し、150℃で10秒間加熱処理した。
【0032】得られた銅アンモニアレ−ヨン糸を用い、
実施例3と同様に、生機を作成し、加工処理し、染色
し、ソーピング、乾燥を行った。染色斑は全くなかっ
た。表1に評価結果を示す。
【0033】
【実施例5】経糸が銅アンモニアレ−ヨン糸(75d/
45f、撚数2500T/m)、緯糸が銅アンモニアレ
−ヨンステープル(単繊維纎度1.4d、カット長52
mm)の綿番手40’S(Z:1400T/m)からな
る経密度77本/インチ、緯密度77本/インチの生機
を、ジエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル:10
重量%、ホウフッ化マグネシウム(触媒):1.0重量
%、安定剤である酢酸マグネシウム:0.5重量%、水
88.5重量%の混合加工剤溶液に浸漬後、実施例3と
同様に、加工処理し、染色した。得られた染色布帛は、
風合、染色性は良好であり、染色斑は全くなかった。湿
摩擦堅牢度は2級、またスレ率は12%であった。
【0034】
【比較例3、4】実施例3、4において、ロータリーワ
ッシャーを用いた液流揉布水洗の代わりに拡布処理オー
プンソーパーを用いて連続水洗した他は実施例3、4と
同様に、加工処理し、染色した。得られた比較例3、4
の染色布帛は、染色斑が認められた。表1に評価結果を
示す。
【0035】
【比較例5、6】実施例1、2において、エポキシ化合
物等の混合加工剤を付与する工程を省いた他は、実施例
1、2と同様に、処理し、染色した。得られた比較例
5、6の染色布帛の評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の人造セルロ−ス繊維の加工法
は、人造セルロ−ス繊維の強度低下と風合い変化を抑
え、染色性を損なうことなく、高度の耐スレ性、高染色
堅牢度を付与することができる。さらに繰り返し洗濯に
よる色相変化や風合硬化もない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人造セルロース繊維にエポキシ化合物と
    酸性触媒を付与した後に、加熱処理し、次いで上記人造
    セルロース繊維を含む布帛を揉布下でソーピング又は水
    洗を行うことを特徴とする人造セルロ−ス繊維の加工
    法。
  2. 【請求項2】 人造セルロース繊維にエポキシ化合物と
    酸性触媒を付与した後に、加熱処理し、次いで上記人造
    セルロース繊維を含む布帛を揉布下でソーピング又は水
    洗し、しかる後に染色することを特徴とする人造セルロ
    −ス繊維の加工法。
  3. 【請求項3】 人造セルロース繊維が長繊維であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の人造セルロ
    −ス繊維の加工法。
JP9346784A 1996-12-17 1997-12-16 人造セルロ−ス繊維の加工法 Pending JPH10237766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9346784A JPH10237766A (ja) 1996-12-17 1997-12-16 人造セルロ−ス繊維の加工法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33721396 1996-12-17
JP8-337213 1996-12-17
JP9346784A JPH10237766A (ja) 1996-12-17 1997-12-16 人造セルロ−ス繊維の加工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10237766A true JPH10237766A (ja) 1998-09-08

Family

ID=26575708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9346784A Pending JPH10237766A (ja) 1996-12-17 1997-12-16 人造セルロ−ス繊維の加工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10237766A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137436A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 日清紡テキスタイル株式会社 織物製品
CN115323678A (zh) * 2022-07-21 2022-11-11 海盐嘉源色彩科技股份有限公司 一种铜氨人棉水波纹桃皮绒短流程染整工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137436A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 日清紡テキスタイル株式会社 織物製品
CN115323678A (zh) * 2022-07-21 2022-11-11 海盐嘉源色彩科技股份有限公司 一种铜氨人棉水波纹桃皮绒短流程染整工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000256960A (ja) 精製セルロース繊維織編物の加工方法
JPH10237766A (ja) 人造セルロ−ス繊維の加工法
JP5600270B2 (ja) 洗濯耐久性に優れるセルロース系織物
US6652598B1 (en) Process for the treatment of weft knitted fabrics
JPH11350358A (ja) 人造セルロース繊維の加工法
JP3419671B2 (ja) 人造セルロ−ス繊維の加工方法
JP2674030B2 (ja) 手切れ性に優れた伸縮性織物
JP2863893B2 (ja) セルロース系織物の加工法
JPH07122219B2 (ja) ウォッシャブル絹織物
JP3229307B2 (ja) 人造セルロース系繊維の改質加工方法
JP2001159079A (ja) 人造セルロース繊維の加工方法
JP4015289B2 (ja) 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止加工方法
JP2004124316A (ja) 着用快適性に優れた布帛
JP3197510B2 (ja) 人造セルロース系繊維からなるシボ織物の製造方法
JP3267746B2 (ja) 複合繊維織編物の製造方法
JP4366644B2 (ja) 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品
JP3874518B2 (ja) シボ織物およびその製造方法
JP2001159077A (ja) 人造セルロース系繊維の改質加工方法
JPH11189945A (ja) 複合撚糸布帛
JP3323260B2 (ja) セルロース系繊維撚糸織物の加工方法
JP2000054268A (ja) 溶剤紡糸セルロース繊維布帛の加工方法
JPH04316687A (ja) 蛋白質繊維含有セルロース繊維構造物の着色法
JPH11189946A (ja) 人造セルロース短繊維撚糸織物
JP4254440B2 (ja) 繊維製品の製造方法
JP3655007B2 (ja) 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法