JPH0860543A - セルロース系織物の加工方法 - Google Patents

セルロース系織物の加工方法

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JPH0860543A
JPH0860543A JP21786794A JP21786794A JPH0860543A JP H0860543 A JPH0860543 A JP H0860543A JP 21786794 A JP21786794 A JP 21786794A JP 21786794 A JP21786794 A JP 21786794A JP H0860543 A JPH0860543 A JP H0860543A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いウオッシュアンドウエア性と引裂き強力
を具備し、安全性に優れたセルロース系織物の形態安定
加工法を提供する。 【構成】 セルロース系織物を、シリコン系柔軟仕上げ
油剤及び/又はウレタン系樹脂とビス−(β−ヒドロキ
シエチル)スルホン混合分散溶液で同浴処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用に耐える引裂き強
力を有し、しかも優れた風合いとウオッシュアンドウエ
ア性(以下W&W性という。)を具備したセルロース系
織物の形態安定加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルロース系繊維材料は、合
成繊維材料に比べて、良好な吸湿性及び風合いを示すの
で、衣料用素材として広く使用されている。しかし、セ
ルロース系繊維材料の織物は、合成繊維材料の織物と比
べて、風合いの良さとか、優れた吸湿性等の長所がある
が、シワになりやすい、又洗濯すると縮む、更には洗濯
を繰り返すと次第に繊維が堅くなる等欠点も多く、古く
からこれを解消する加工方法が数多く提案されてきた。
【0003】例えば、特公昭49−18517号公報に
は、架橋剤としてホルムアルデヒド蒸気を、触媒として
水分と二酸化イオウガスを併用し、生成する硫酸を使用
し、高温下で反応を進める加工法が開示されている。し
かし、この方法では、生成する硫酸の影響やホルムアル
デヒドによるセルロース分子の架橋固定化により、セル
ロース系繊維織物の引裂強力が極端に低下する欠点があ
るために、合成繊維のポリエステル繊維等をセルロース
系繊維に混繊又は交編織することによって強力の低下を
抑えているのが実状である。更に、(株)繊維社発行
「加工技術」誌(Vol.29,No.6,1994、
p.389〜395)には、液体アンモニアを使用した
マーセライズ加工によりセルロース繊維の断面をほぼ円
形になるよう均一に膨潤させるとともにフィブリル間隔
を平均に狭くすることにより、先にセルロース繊維にソ
フトな風合いを付与し、その後ホルムアルデヒド樹脂を
付与しアンモニアを除去する方法等が概説されている。
しかしながら、これらは何れもホルムアルデヒドガスま
たは低ホルムアルデヒド樹脂を使用する加工法であるた
め、加工後にホルムアルデヒドが布帛に残留し、衣料衛
生や安全性の面で問題が有る。
【0004】一方、セルロース繊維の非ホルムアルデヒ
ド加工については、繊維学会誌(Vol.25,No.
11,1969,P502〜513,Vol.26,N
o.7,1970,P124〜137)にエポキシ化合
物を用いた研究が、又、(株)色染社発行「染色工業」
誌(Vol.24,No.2,1976,P76〜8
3,Vol.24,No.3,1976,P142〜1
47)には、ビニルスルホン系誘導体を用いた研究が夫
々報告されているが、未だ実用に耐える引裂き強力と高
い形態安定性の両方をかね供えたセルロース系織物の加
工法は確立されていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形態安定性
の指標である高いW&W性と引裂き強力を具備し、しか
もホルムアルデヒドを使用しない、人体に毒性を与える
ことが無く安全性に優れたセルロース系織物の形態安定
加工法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の様
な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、セルロース系織物を、シリコン系
柔軟仕上げ油剤及び/又はウレタン系樹脂とビス−(β
−ビドロキシエチル)スルホン(以下BHESという)
の混合分散溶液で同浴処理することを特徴として構成さ
れるセルロース系織物の新規な加工方法である。
【0007】本発明のセルロース系織物とは、綿,レー
ヨン,ポリノジック等のセルロース系繊維を単独又は混
繊して得られたセルロース系繊維から織成された織物を
言うが、本発明は、セルロース系編物等にも応用可能で
ある。
【0008】本発明では、引裂き強力の低下を防止する
目的で、通常のマーセライズ又は漂白加工処理したセル
ロース系織物に架橋処理を行う際、シリコン系柔軟仕上
げ油剤及び/又はウレタン系樹脂を架橋剤のBHESと
混合分散させて同浴で用いる。該物質は、架橋反応の進
行と同時に繊維表面に、加熱処理によって高分子膜を生
成または固着させられることにより、架橋による引裂き
強力の低下を防止する効果を有する。ポリエチレンエマ
ルジョンを用いても同様の効果は得られるが、撥水性が
強いため仕上げ加工後にウオータースポットが発生する
など欠点があり好ましくない。本発明で用いられるウレ
タン系樹脂としては、ポリウレタン樹脂に若干の親水基
又は親水性のセグメントを配した水溶性又は自己分散性
の樹脂が用いられる。しかし、ポリウレタン分子の末端
をカルバモイル・スルホネート基でブロックしたもの等
は、BHESの触媒として用いられる炭酸ナトリウム等
のアルカリによりカルバモイル・スルホネート基が離脱
し、イソシアネート基が露出するため、このタイプのウ
レタン樹脂は同浴で使用することができない。水不溶性
又は分散性の悪いウレタン系樹脂を使用する場合は、例
えば三洋化成(株)製の商品名ニュウポールPE−64
やPE−68等の界面活性剤と用いると分散性が改善さ
れるので好ましい。
【0009】セルロース系織物へのウレタン系樹脂及び
/又はシリコン系柔軟仕上げ油剤の処理液濃度は、風合
い及び吸水性を損わないで且つ引裂き強力の低下を防ぐ
点を考慮して単独又は混合使用の場合を含めて濃度合計
が1〜5重量%となる範囲内で使用するのが好ましい。
【0010】架橋剤として用いるBHESは、安全性の
高い点と通常の含浸,乾燥,加熱処理で、乾湿ともにバ
ランスの取れた防しわ性と防縮性が得られる点で好まし
い。処理液濃度は、所望の防しわ性と防縮性に合せて適
宜設定でき、通常は100〜250g/lの範囲で使用
することが出来るが、3.3級以上の所謂ノーアイロン
レベルのW&W性を得るためには、150〜250g/
lの範囲で使用するのが好ましい。一方、加工品の防し
わ性の耐洗濯性は、架橋剤の処理濃度が高い方が良好で
あるが、織物に用いられる素材特有の風合いを残し実用
に耐える引裂き強力(緯)である750g以上を保持さ
せるには、架橋剤の処理濃度は150〜200g/lの
範囲で使用することが好ましい。
【0011】架橋反応を促進するために、触媒として炭
酸ナトリウム水溶液を添加使用することが好ましいが、
アルカリと熱によるセルロースの酸化分解でポリオキシ
カルボン酸誘導体が生じ、これがBHESにより再度セ
ルロースに付着させられることによって、織物が黄変す
る欠点がある。したがって、炭酸ナトリウムを使用する
時、黄変を軽減させるために、黄変防止剤としてホウ素
化合物例えばナトリウムボロハイドライドやホウ酸ソー
ダ等を併用使用すると良い。例えば、40%水酸化ナト
リウム水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを12%になる
よう添加した水溶液を、0.5〜2.0g/lの濃度で
BHESに混合使用すると良い。セルロース系織物の加
工処理は、上述のウレタン系樹脂及び/又はシリコン系
柔軟仕上げ油剤の混合水分散溶液にBHESを添加した
混合分散溶液に浸漬含浸させ、ローラーで80%で絞り
80〜120℃で乾燥処理後、150〜170℃で熱処
理を行えば良い。又、熱処理時間については、架橋反応
が充分進行するに足りる時間であれば特に限定はなく、
セルロース系織物の目付等により適宜設定することが出
来る。
【0012】次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥、又、仕上げ油剤処理等の仕上げ加工は、特に限定さ
れるものではなく、一般的に用いられている方法が採用
出来る。又、織物の白度を更に上げるためにソーピング
処理に代え、35%過酸化水素水溶液を5cc/lの濃
度で使用して漂白し、90%酢酸水溶液1cc/lの濃
度で使用し中和した後水洗、乾燥することも出来る。
又、蛍光増白剤を、適宜BHESと同浴に添加し使用す
ることも出来るし、通常の仕上げ加工と同様に仕上げ油
剤と同浴で所望の白度に応じて蛍光増白剤を適量添加し
て処理することも出来る。本発明の方法、即ち、セルロ
ース系織物をウレタン系樹脂及び/又はシリコン系柔軟
仕上げ油剤の混合分散水溶液に非ホルムアルデヒド系架
橋剤であるBHESを添加した混合分散溶液に浸漬含浸
させ、ローラーで絞った後乾燥し、次いでキュアリング
処理をする方法であるため、衛生上安全で、従来達成す
ることが出来なかった実用に耐える引裂き強力を具備す
ると同時に、乾湿ともにバランスの取れた防しわ性と防
縮性を有し、しかもセルロース系繊維の持つ吸湿性と風
合いを保持したW&W性に優れたセルロース系織物が得
られる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではな
い。又、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度は以下の方法で試験した。
【0014】1)W&W性 JIS L1096−19
79 6.23 A法 タンブル乾燥 2)引裂き強力 JIS L1096−1979 6.
15.5 D法 3)吸水性試験 試料を幅3cm,長さ15cmに切り
取り、100mlのイオン交換水を入れた200mlの
ビーカーに、その先端5mmを垂直に1分間漬けた後取
りだし、更にガラス板上に1分間放置し充分水を水上げ
させた後、この吸上げた高さを計測した。 4)風合い及び白度 5人の検査員よって官能検査で調
べ、次の基準で判定した。 5人全員良い;◎ 3人〜
4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;×
【0015】(実施例1)マーセライズ加工した幅50
cm,長さ2mの綿織物(目付:120g/m2,80
番双糸,経緯密度133本×73本/in.)を五枚準
備した。14重量%のシリコン系柔軟仕上げ油剤TX5
−15P(共栄社化学(株)製,有効性分:34%)を
含む水溶液を調整し、該水溶液を5つの容器に分け、各
々に触媒として、炭酸ナトリウムを4重量%,黄変防止
剤としてヴェンシル(登録商標Vensil,モートン
・インターナショナル製)を0.5重量%、蛍光増白剤
として商品名イルミナールBSN(昭和化工(株)製)
を0.3重量%含むよう添加し、次いで架橋剤としてB
HES−50(有効成分:50%,明成化学(株)製)
200g/l,300g/l,350g/l,400g
/l,500g/l含むよう添加して、BHESを夫々
100g/l,150g/l,175g/l,200g
/l,250g/l含む5水準の混合分散溶液を調合し
た。
【0016】該混合分散溶液に、上述の綿織物を夫々1
枚づつ浸漬し、ローラーで絞り率80%になるよう絞り
120℃で1分間乾燥処理後ベーキングマシンにかけ1
65℃で2分間キュアリングを行い、架橋処理を施し
た。
【0017】次いで、アデカノールTS−403A(旭
電化工業(株)製)1g/l水溶液で上述の架橋処理し
た5枚の綿織物を夫々ソーピングし水洗後乾燥し、仕上
げ油剤の商品名シリコーランAN−980S(有効成
分:25%、一方社油脂工業(株)製)を5重量%含む
よう添加混合して、パッドドライヤーにて仕上げ加工し
て、試料I−1,II−1,III −1,IV−1,V−1の
5種を得た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水
性,風合い及び白度を調べた結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、非イオン性シリ
コン系柔軟仕上げ油剤を4.76重量%添加し、架橋剤
濃度を150〜200g/lの濃度範囲に調整し、同浴
で加工した綿織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度ともに良好なものであった。
【0020】(実施例2)マーセライズ加工処理した5
0cm×長さ2mの綿/ポリノジック混紡糸製織物(混
紡率:綿45%/ポリノジック55%,60番単糸,経
緯密度:90本×88本/in.)を5枚準備した。
【0021】架橋剤としてBHES−50(有効成分:
50%,明成化学(株)製)を350g/l添加して、
BHESを175g/l含む水溶液を調整し、該水溶液
を5つの容器に分け、各々に触媒として、炭酸ナトリウ
ムを4重量%,黄変防止剤としてヴェンシル(登録商標
Vensil,モートン・インターナショナル製)を
0.5重量%、次いでシリコン系柔軟仕上げ油剤TX5
−15P(共栄社化学(株)製,有効成分:34%)を
夫々20g/l,30g/l,100g/l,147g
/l,180g/l含むよう添加して、5水準の混合分
散溶液を調合した。
【0022】混合分散溶液に、上述の織物を夫々1枚づ
つ浸漬し、ローラーで絞り率80%になるよう絞り、1
20℃で1分間乾燥処理後ベーキングマシンにかけ16
5℃で2分間キュアリングを行い、架橋処理を施した。
【0023】次いで、商品名アデカノールTS−403
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で上述の架橋
処理した5枚の織物を夫々ソーピングして水洗後乾燥
し、蛍光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和
化工(株)製)を0.3重量%含む水溶液に、仕上げ油
剤商品名シリコーランAN−980S(有効成分:25
%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう添加
混合し、パッドドライヤーにて仕上げ加工し、試料I−
2,II−2,III −2,IV−2,V−2の5種を得た。
これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及
び白度を調べた結果を表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤が1〜5重量%添加され、架橋剤濃度を17
5g/lに調整し加工した織物は、W&W性,引裂き強
力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なものであっ
た。
【0026】(実施例3)経糸に綿糸,緯糸にポリノジ
ック糸を使用したマーセライズ加工処理した幅50cm
×長さ2mの交織織物(目付:100g/m2 ,50番
単糸,経緯密度:133本×73本/in)を5枚準備
した。
【0027】シリコン系柔軟仕上げ油剤である商品名シ
リコンソフナー #100(有効成分:25%,松本油脂
工業(株)製)を4重量%含む水溶液に、ウレタン系樹
脂であるUPM−212HN(有効成分:20%,一方
社油脂工業(株)製)を10重量%になるよう水に分散
させて、シリコン系柔軟仕上げ油剤が1重量%とウレタ
ン系樹脂が2重量%の濃度で混合された水分散溶液を調
合し5つの容器に分けた。次に触媒として、炭酸ナトリ
ウムを4重量%黄変防止剤としてヴェンシル(登録商標
Vensil,モートン・インターナショナル製)を
0.5重量%,架橋剤としてBHES−50(有効成
分:50%,明成化学(株)製)を用い、BHESが夫
々100g/l,150g/l,175g/l,200
g/l,250g/l含むよう添加して、混合分散溶液
とした。該5種の混合分散溶液に上述の交織織物を浸漬
し、ローラーで絞り率80%で絞って100℃で5分間
乾燥し165℃で2分間キュアリング処理をした。
【0028】該処理織物を実施例2と同様の仕上げ加工
処理をして、試料I−3,II−3,III −3,IV−3,
V−3を得た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸
水性,風合い及び白度を調べた結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤1重量%とウレタン系樹脂を2重量%を混合
して用い、架橋剤濃度が150〜200g/lの濃度範
囲の混合分散溶液で架橋処理した交織織物は、W&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好な
ものであった。
【0031】(実施例4)漂白加工した幅50cm×長
さ2mのポリノジック織物(目付:120g/m2 ,5
0番単糸,経緯密度:130本×82本/in)を5枚
準備した。
【0032】シリコン系柔軟仕上げ油剤TX5−15P
(有効成分:34%,共栄社化学(株)製)を8重量%
含む水溶液に、ウレタン系樹脂であるUPM−212H
N(有効成分:20%,一方社油脂工業(株)製)を1
0重量%になるよう溶解させ、シリコン系柔軟仕上げ油
剤2.72重量%とウレタン系樹脂を2重量%含む水分
散溶液を5つの容器に準備した以外は、実施例1と同様
にBHES−50を添加した混合分散溶液を準備し、そ
の後の処理を同様に行って、試料I−4,II−4,III
−4,IV−4,V−4を得た。これら試料のW&W性,
引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果を表
4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】表4から明らかなように、2重量%のウレ
タン系樹脂と2.72重量%のシリコン系油剤を含み架
橋剤濃度が150〜200g/lの範囲で架橋処理した
ポリノジック織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度ともに良好であった。
【0035】(実施例5)マーセライズ加工処理した幅
50cm×長さ2mの綿織物(目付:120g/m2
80番双糸,経緯密度:133本×73本/in.)を
5枚準備した。
【0036】ウレタン系樹脂であるUPM−212HN
(有効成分:20%,一方社油脂工業(株)製)を夫
々、2.5重量%,5重量%,15重量%,25重量
%,30重量%になるように水に分散させてウレタン系
樹脂が夫々0.5%,1.0%,3.0%,5%,6%
含まれる水分散溶液5種を準備した。該水分散溶液それ
ぞれに、架橋剤としてBHES−50(有効成分:50
%,明成化学(株)製)を350g/l添加して、BH
ESを175g/l含む水溶液を調整し、各々に触媒と
して、炭酸ナトリウムを4重量%,黄変防止剤としてヴ
ェンシル(登録商標Vensil,モートン・インター
ナショナル製)を0.5重量%添加して5種の混合分散
溶液を調合した。
【0037】該混合分散容器に、上述の綿織物を、夫々
1枚づつ浸漬し、ローラーで絞り率80%で絞り、12
0℃で1分間乾燥処理後ベーキングマシンにかけ、16
5℃で1.5分間キュアリングを行い、架橋処理を施し
た。
【0038】次いで、商品名アデカノールTS−403
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で架橋処理し
た5枚の綿織物を夫々ソーピングして水洗後乾燥し、蛍
光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和加工
(株)製)を0.3重量%含む水溶液に、仕上げ油剤商
品名シリコーランAN−980S(有効成分:25%,
一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう添加混合
し、パッドドライヤーにて仕上げ加工し、試料I−5,
II−5,III −5,IV−5,V−5の5種を得た。これ
ら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度を調べた結果を表5に示した。
【0039】
【表5】
【0040】表5から明らかなように、ウレタン系樹脂
の濃度が1〜5重量%の範囲で架橋処理した綿織物は、
W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに
良好であった。又、ウレタン系樹脂濃度が1重量%未満
だと引裂き強力の低下を防止できず、5重量%を越える
と風合い,吸水性が悪くなる。
【0041】(実施例6)経糸に綿糸,緯糸にポリノジ
ック糸を使用し、マーセライズ加工処理した幅50cm
×長さ2mの交織織物(目付:100g/m2 ,50番
単糸,経緯密度:133本×73本/in.)を5枚準
備した。
【0042】シリコン系柔軟仕上げ油剤である商品名シ
リコンソフナー #100(有効成分:25%,松本油脂
工業(株)製)とウレタン系樹脂であるUPM−212
HN(有効成分:20%,一方社油脂工業(株)製)を
2重量%+1重量%=3重量%,2重量%+2.5重量
%=4.5重量%,5重量%+5重量%=10重量%,
10重量%+12.5重量%=22.5重量%,15重
量%+10重量%=25重量%になるよう水に分散させ
て、シリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタン系樹脂が夫々
0.5+0.2=0.7重量%,0.5+0.5=1.
0重量%,1.25+1.0=2.25重量%,2.5
+2.5=5重量%,3.75+2=5.75重量%含
まれる水分散液5種を準備した。
【0043】該水分散液それぞれに、触媒として炭酸ナ
トリウムを4重量%,黄変防止剤としてヴェンシル(登
録商標Vensil,モートン・インターナショナル
製)を0.5重量%,蛍光増白剤として商品名イルミナ
ールBSN(昭和化工(株)製)を0.3重量%含むよ
う添加し、次いで架橋剤としてBHES−50(有効成
分:50%,明成化学(株)製)を350g/l添加し
て、BHESを175g/l含む混合分散溶液を調整し
た。該混合分散溶液に、上述の交織織物を、夫々1枚づ
つ浸漬しローラーで絞り率80%で絞り、120℃で1
分間乾燥処理後ベーキングマシンにかけ165℃で1.
5分間キュアリングを行い、架橋処理を施した。
【0044】次いで、商品名アデカノールTS−403
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で架橋処理し
た5枚の交織製織物を夫々ソーピング後水洗し乾燥し
た。そして実施例1と同様の仕上げ加工を行い試料I−
6,II−6,III −6,IV−6,V−6を得た。これら
試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度
を調べた結果を表6に示した。
【0045】
【表6】
【0046】表6から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤とウレタン系樹脂の合計濃度が1〜5重量%
の範囲で架橋処理した交織製織物は、W&W性,引裂き
強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好であった。
又、シリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタンプレポリマー
変性物の合計濃度が1重量%未満だと引裂き強力の低下
を防止できず、5重量%を越えると風合い,吸水性が悪
くなる。
【0047】
【発明の効果】本発明のセルロース系織物の加工法は前
記構成をとるものであり、セルロース系織物に、シリコ
ン系柔軟仕上げ油剤及び/又はウレタン系樹脂とBHE
Sを混合した混合分散溶液とし、該溶液で処理して架橋
処理をするものであるため、従来の加工法により得られ
たセルロース系織物の形態安定加工法に比べて、高いW
&W性を具備すると同時に、実用に耐えるに充分な引裂
き強力を有している。又、架橋処理を非ホルムアルデヒ
ド系架橋剤であるBHESで行うため、安全性が極めて
高い。従って、本発明の加工法で加工したセルロール系
織物は、ワイシャツや制服等のユニホーム,病院用ベッ
ドシーツ及び白衣等の衛生材料,シーツ,フトンカバー
等の寝装材料等の素材として好適に使用することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系織物を、シリコン系柔軟仕
    上げ油剤及び/又はウレタン系樹脂とビス−(β−ヒド
    ロキシエチル)スルホン混合分散溶液で同浴処理するこ
    とを特徴とするセルロース系織物の加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109826016A (zh) * 2019-01-25 2019-05-31 达利(中国)有限公司 一种高效提升粘胶类织物湿态撕破强力的整理工艺
KR102116634B1 (ko) * 2019-08-22 2020-06-05 유한회사 충무타올 Efd 기반의 타올 염색 방법 및 이러한 방법을 수행하는 장치

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JPS56118966A (en) * 1980-02-18 1981-09-18 Daiwa Spinning Co Ltd Wrinkle and shringage preventing process of cellulosic fiber containing fiber product

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