JP2852494B2 - セルロース系織物の形態安定加工方法 - Google Patents
セルロース系織物の形態安定加工方法Info
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Description
力を有し、しかも優れた風合いとウオッシュアンドウエ
ア性(以下W&W性という。)を具備したセルロース系
織物のエポキシ化合物を用いた形態安定加工方法に関す
るものである。
成繊維材料に比べて、良好な吸湿性及び風合いを示すの
で、衣料用素材として広く使用されている。しかし、セ
ルロース系繊維材料の織物は、合成繊維材料の織物と比
べて、風合いの良さとか、優れた吸湿性等の長所がある
が、シワになりやすい、又洗濯すると縮む、更には洗濯
を繰り返すと次第に繊維が堅くなる等欠点も多く、古く
からこれを解消する加工方法が数多く提案されてきた。
は、架橋剤としてホルムアルデヒド蒸気を、触媒として
水分と二酸化イオウガスを併用し、生成する硫酸を使用
し、高温下で反応を進める加工法が開示されている。し
かし、この方法では、生成する硫酸の影響やホルムアル
デヒドによるセルロース分子の架橋固定化により、セル
ロース系繊維の引裂強力が極端に低下する欠点があるた
めに、合成繊維のポリエステル繊維等をセルロース系繊
維に混繊又は交編織することによって強力の低下を抑え
ているのが実状である。更に、(株)繊維社発行「加工
技術」誌(Vol.29,No.6,1994、p.3
89〜395)には、液体アンモニアを使用したマーセ
ライズ加工によりセルロース繊維の断面をほぼ円形にな
るよう均一に膨潤させるとともにフィブリル間隔を平均
に狭くすることにより、先にセルロース繊維にソフトな
風合いを付与し、その後ホルムアルデヒド樹脂を付与し
アンモニアを除去する方法等が概説されている。しかし
ながら、これらは何れもホルムアルデヒドガスまたは低
ホルムアルデヒド樹脂を使用する加工法であるため、加
工後にホルムアルデヒドが布帛に残留し、衣料衛生や安
全性の面で問題が有る。
ド加工については、繊維学会誌(Vol.25,No.
11,1969,P502〜513,Vol.26,N
o.7,1970,P124〜137)にエポキシ系化
合物を用いた研究が、また、(株)色染社発行「染色工
業」誌(Vol.24,No.2,1976,P76〜
83,Vol.24,No.3,1976,P142〜
147)にはビニルスルホン系誘導体を用いた研究が夫
々報告されているが、未だ実用に耐える引裂き強力と高
い形態安定性の両方を兼ね供えたセルロース系織物の加
工法は確立されていないのが実状である。
の指標である高いW&W性と引裂き強力を具備し、しか
もホルムアルデヒドを使用しない、人体に毒性を与える
ことなく、安全性に優れたセルロース系織物の形態安定
加工方法を提供するものである。
な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、セルロース系織物を、ウレタン系
樹脂及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート
基で変性したウレタンプレポリマーと撥水性でないシリ
コン系柔軟仕上げ油剤よりなる混合水分散液に含浸し、
熱処理し、次いでエチレングリコールジグリシジルエー
テル又はジエチレングリコールジグリシジルエーテル水
溶液に含浸し、架橋処理する新規な形態安定加工方法で
ある。
ヨン,ポリノジック等のセルロース系繊維を単独又は混
繊して得られたセルロース系繊維から織成された織物を
言う。しかし編物等の布帛にも応用出来る。
目的で、通常のマーセライズ又は漂白加工処理したセル
ロース系織物を、最初にウレタン系樹脂及び/又は分子
末端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレタ
ンプレポリマーと撥水性でないシリコン系柔軟仕上げ油
剤の混合水分散液に含浸し、熱処理をしてこれらを付着
させる。繊維表面にこれらの膜を生成または付着させる
と、風合いが粗硬になり、また樹脂の種類によっては、
撥水性が付与されて、セルロース繊維本来の親水性が消
滅する。従って、本発明で用いられるウレタン系樹脂と
しては、ポリウレタン樹脂に若干の親水基又は親水性の
セグメントを配した、水溶性又は自己分散性にしたもの
が用いられ、又、分子末端をカルバモイル・スルホネー
ト基で変性したウレタンプレポリマーの変性物は、親水
性基でブロックされているので、乳化剤を用いなくても
水溶性であるので好ましい。
リマーは、加熱処理により強力な被膜を形成するので、
次いで架橋処理によって生ずる引裂き強力の低下を防止
する役目を果たす効果がある。尚、ポリエチレンエマル
ジョンを用いても同様の効果は得られるが、撥水性が強
いので、仕上げ加工後にウオータースポットが発生する
ため好ましくない。
脂及び/又はウレタンプレポリマーの処理液濃度は、織
物に用いられる素材特有の風合いを損わないで且つ引裂
き強力の低下を防ぐ点を考慮して1〜5重量%で使用す
るのが好ましく、又、このときに、繊維織物の強力及び
風合等改善のため、撥水性でないシリコン系柔軟仕上げ
油剤を0.5〜2重量%の範囲で混合使用することが必
須であるが、2重量%を越えると吸水性が3.0cmを
下回るので好ましくない。撥水性でないシリコン系柔軟
仕上げ油剤には撥水性でないアミノシリコン系柔軟仕上
げ油剤も含まれる。
含浸させた後、ローラーで絞り率80%に絞り、次いで
60〜170℃、好ましくは80〜165℃で乾燥熱処
理を行う。熱処理時間については、適宜設定することが
出来る。次いで架橋処理をする。架橋剤としては、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル又はジエチレング
リコールジグリシジルエーテルが、安全性の高い点と通
常の含浸,乾燥,キュアリングで、乾湿ともにバランス
の取れた防しわ性と防縮性が得られる点で好ましい。処
理液濃度は、所望の防しわ性と防縮性に合せて適宜設定
でき、通常は100〜250g/lの範囲で使用するこ
とが出来るが、3.3級以上の所謂ノーアイロンレベル
のW&W性を得るためには、150〜200g/lの範
囲で使用するのが好ましい。一方、加工品の防しわ性の
耐洗濯性は、架橋剤の処理濃度が高い方が良好である
が、織物に用いられる素材特有の風合いを残し且つ実用
に耐える引裂き強力(緯)である750g以上を保持さ
せるには、架橋剤の処理濃度は150〜200g/lの
範囲で使用することが好ましい。
ルカリを使用できるが、一般には酸触媒例えばホウフッ
化亜鉛,ホウフッ化マグネシウム等の強酸性金属塩が使
用される。
又はウレタンプレポリマーと撥水性でないシリコン系柔
軟仕上げ油剤の混合水分散溶液に含浸し、熱処理をして
これらを付着させたセルロース系織物を、該架橋処理水
溶液に浸漬含浸させ、ローラーで絞り率80%で絞り、
80〜120℃で乾燥処理後、150〜170℃でキュ
アリングを行えば良い。又、熱処理時間については、架
橋反応が充分進行するに足りる時間であれば特に限定は
なく、セルロース系織物の目付等により適宜設定するこ
とが出来る。
燥又仕上げ油剤処理等の仕上げ加工は、特に限定される
ものではなく、一般的に用いられている方法で行えば良
い。また、織物の白度を更に上げるために蛍光増白剤を
使用することもできるが、この場合は、通常の仕上げ加
工と同様に仕上げ油剤と同浴で所望の白度に応じて蛍光
増白剤を適量添加して処理すれば良い。本発明の方法、
即ち、セルロース系織物を、ウレタン系樹脂及び/又は
ウレタンプレポリマーと撥水性でないシリコン系柔軟仕
上げ油剤の混合水分散液に含浸し、熱処理をして付着さ
せた後、次いでエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル又はジエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶
液に含浸し、架橋処理することによって、従来達成する
ことが出来なかった実用に耐える引裂き強力を具備する
と同時に、乾湿ともにバランスの取れた防しわ性と防縮
性を有し、しかもセルロース系繊維の持つ吸湿性と風合
いを保持したW&W性に優れたセルロース系織物が得ら
れる。
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度は
以下の方法で試験した。
79 6.23 A法 タンブル乾燥 2)引裂き強力 JIS L1096−1979 6.
15.5 D法 3)吸水性試験 試料を幅3cm,長さ15cmに切り
取り、100mlのイオン交換水を入れた200mlの
ビーカーに、その先端5mmを垂直に1分間漬けた後取
りだし、更にガラス板上に1分間放置し充分水を吸上げ
させた後、この吸上げた高さを計測した。 4)風合い及び白度 5人の検査員よって官能検査で調
べ、次の基準で判定した。 5人全員良い;◎ 3人〜
4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;×
(目付:120g/m2 ,80番双糸,経緯密度133
本×73本/in.)を準備した。2重量%の撥水性で
ないシリコン系柔軟仕上油剤TX5−15P(有効成
分:34%,共栄社化学(株)製)を含む水溶液に、ウ
レタン系樹脂であるUPM−211H(有効成分20
%,一方社油脂工業(株)製)を10重量%になるよう
水に分散させて2重量%のウレタン系樹脂と0.68重
量%のシリコン系柔軟仕上げ油剤を含む水分散混合溶液
を得た。該水分散混合溶液に上述の綿織物を浸漬し、ロ
ーラーで絞り率80%になるよう絞った。次に、乾燥機
にかけ80℃で8分間乾燥熱処理を行い、綿織物にウレ
タン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を固着させた
後、各2m長の5枚にわけた。又、これとは別に上述の
綿織物の無処理布も幅50cm×2m長の5枚をコント
ロールとして準備した。
含む水溶液に、架橋剤としてエチレングリコールジグリ
シジルエーテル(商品名デナコールEX−810,エポ
キシ当量:112,ナガセ化成工業(株)製)を夫々1
00g/l,150g/l,175g/l,200g/
l,250g/l含むよう添加して5水準の架橋処理液
を調合した。
シリコン系柔軟仕上げ油剤を固着させ2m長にした綿織
物と無処理のコントロール織物を、夫々1枚づつ浸漬し
架橋処理液を含浸させた後、ローラーで絞り率80%に
なるよう絞り、120℃で1分間乾燥処理後ベーキング
マシンにかけ、165℃で2分間キュアリングを行い、
架橋処理を施した。
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で、架橋処理
した10枚の綿織物を夫々ソーピング後水洗乾燥し、蛍
光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和化工
(株)製)を0.3重量%含む水溶液に、仕上げ油剤の
商品名シリコーランAN−980S(有効成分:25
%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう添加
混合して、パッドドライヤーにて仕上げ加工して、試料
I−1,II−1,III −1,IV−1,V−1とコントロ
ール−I,II,III,IV,Vの10種を得た。これら試料の
W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べ
た結果を表1,表2に示した。
前にウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤で処理
した後、架橋剤濃度を150g/l〜200g/lの濃
度範囲に調整し架橋処理した綿織物は、W&W性,引裂
き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なものであ
った。又、架橋処理前にウレタン系樹脂とシリコン系柔
軟仕上げ油剤で処理しない場合は、引裂き強力が極端に
低下する。
リノジック混紡績糸製織物(混紡率:綿45%/ポリノ
ジック55%,60番単糸,経緯密度:90本×88本
/in.)を準備した。
分:20%,一方社油脂工業(株)製)を15重量%と
撥水性でないアミノシリコン系柔軟仕上げ油剤商品名シ
リコーランAN−980S(有効成分:25%,一方社
油脂工業(株)製))を5重量%含むよう水に混合分散
させて、ウレタン系樹脂濃度が3重量%でアミノシリコ
ン系柔軟仕上げ油剤濃度が1.25重量%の混合分散液
を調合し、該分散液に上述の綿/ポリノジック混紡績糸
製織物を浸漬し、ローラーで絞って絞り率80%とし、
80℃で10分間乾燥熱処理を行った。
仕上げ油剤を撥水性でないアミノシリコン系柔軟仕上げ
油剤である商品名ソフミンSN−12(有効成分:20
%,ミヨシ油脂 (株) 製)の5重量%水溶液に変えて、
他は全て実施例1と同様に架橋処理等の処理をして、試
料I−2,II−2,III −2,IV−2,V−2を得た。
これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及
び白度を調べた結果を表3に示した。
とアミノシリコン系柔軟仕上げ油剤を混合して用いれ
ば、架橋剤濃度が150〜200g/lの濃度範囲で架
橋処理した綿/ポリノジック混紡績糸製織物は、W&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好な
もので有ることが判る。
イズ加工した幅50cm×長さ10mの交織織物(目
付:100g/m2 ,50番単糸,経緯密度:133本
×73本/in.)を準備した。
ある商品名シリコンソフナー# 100(有効成分:25
%,松本油脂工業(株)製)を2重量%含む水溶液に、
分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウ
レタンプレポリマーである商品名エラストロンC−52
(有効成分:15%,第一工業製薬(株)製)とウレタ
ン系樹脂である商品名アデカボンタイターHUX−26
0(有効成分:34%,旭電化工業(株)製)を夫々1
0重量%と7重量%になるよう混合して水に分散させ
て、シリコン系柔軟仕上げ油剤が0.5重量%とウレタ
ンプレポリマーが1.5重量%及びウレタン系樹脂が
2.38重量%の濃度で混合された分散液を調合した。
該混合分散液に、上述の交織織物を浸漬し、ローラーで
絞り率80%で絞って100℃で5分間乾燥し、165
℃で2分間キュアリングをして2m長の5枚に分けた。
例1と同様に処理し、仕上げ加工処理も実施例1と同様
にして、試料I−3,II−3,III −3,IV−3,V−
3を得た。これらの試料のW&W性,引裂き強力,吸水
性,風合い及び白度を調べた結果を表4に示した。
とウレタンプレポリマー及びシリコン系柔軟仕上げ油剤
を混合して用いても、架橋剤濃度が150〜200g/
lの濃度範囲で架橋処理した交織織物は、W&W性,引
裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なもので
あった。
物(目付:120g/m2 ,50番単糸,経緯密度:1
30本×82本/in.)を準備した。
X5−15P(有効成分:34%,共栄社化学(株)
製)を6重量%含む水溶液に、ポリエーテル型ウレタン
系樹脂である商品名バイプレット−USV(BAYPR
ET−USV,有効成分:28%,バイエル(株)製)
を10重量%になるよう溶解させ、シリコン系柔軟仕上
げ油剤2.04重量%とウレタン系樹脂を2.8重量%
含む混合水分散液を得た。
油剤混合水分散液に、上述のポリノジック織物を浸漬
し、ウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を含浸
させた後、ローラーで絞り率80%で絞った後、100
℃で8分間乾燥し、165℃で2分間キュアリングをし
て各2m長5枚に分けた。該処理織物を実施例1のエチ
レングリコールジグリシジルエーテル(商品名デナコー
ルEX−810,エポキシ当量:112,ナガセ化成工
業(株)製)をジエチレングリコールジグリシジルエー
テルである商品名デナコールEX−850(エポキシ当
量:121,ナガセ化成工業(株)製)にかえた以外
は、実施例1と同様の架橋処理液で処理し、試料I−
4,II−4,III −4,IV−4,V−4を得た。これら
試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度
を調べた結果を表5に示した。
とシリコン系柔軟仕上げ油剤で前処理をおこない架橋剤
濃度が150〜200g/lの濃度範囲で架橋処理した
ポリノジック織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度ともに良好であった。
物(目付:120g/m2 ,80番双糸,経緯密度:1
33本×73本/in.)を、5枚準備した。
油剤の商品名シリコーランAN−980S(有効成分:
25%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう
水に混合分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤
が1.25重量%の水分散液を調合し、該水分散液にウ
レタン系樹脂であるUPM−211H(有効成分:20
%,一方社油脂工業(株)製)を各0,3,5,25,
30重量%になるよう添加分散させて、アミノシリコン
系柔軟仕上げ油剤1.25重量%にウレタン系樹脂が夫
々0重量%,0.6重量%,1.0重量%,5.0重量
%,6.0重量%含む水分散液5水準を準備した。該分
散液に上述の綿織物を夫々1枚づつ浸漬し、ローラーで
絞り率80%で絞った。次に、乾燥機にかけ80℃で8
分間乾燥熱処理を行い、各2m長の5枚の綿織物に夫々
アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタン系樹脂を固
着させた。
橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル
(商品名デナコールEX810,エポキシ当量:11
2,ナガセ化成工業(株)製)を175g/l添加し架
橋水処理液を調合した。
系柔軟仕上げ油剤とウレタン系樹脂を固着させた各綿織
物を、夫々1枚づつ浸漬し架橋処理液を含浸させた後ロ
ーラーで絞り率80%で絞り、120℃で1分間の乾燥
処理後ベーキングマシンにかけ165℃で1.5分間キ
ュアリングを行い、架橋処理を施した。
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で架橋処理し
た5枚の綿織物を夫々ソーピング後水洗し乾燥した。そ
して実施例1と同様の仕上げ加工を行い試料I−5,II
−5,III −5,IV−5,V−5を得た。これら試料の
W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べ
た結果を表6に示した。
系柔軟仕上げ油剤1.25重量%を含みかつウレタン系
樹脂濃度が1重量%〜5重量%の濃度範囲で使用して樹
脂を付着後架橋処理した綿織物は、W&W性,引裂き強
力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なものであっ
た。
イズ加工処理した幅50cm×長さ2mの交織織物(目
付:100g/m2 ,50番単糸,経緯密度:133本
×73本/in.)を5枚準備した。
成分:25%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含
むよう水に分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上げ油
剤濃度が1.25重量%の水分散液を調合し、該水分散
液に分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変性し
たウレタンプレポリマーである商品名エラストロンC−
52(有効成分:15%,第一工業製薬(株)製)とウ
レタン系樹脂である商品名アデカボンタイターHUX−
260(有効成分:34%,旭電化工業(株)製)を夫
々2重量%+1重量%=3重量%,4重量%+2重量%
=6重量%,10重量%+5重量%=15重量%,14
重量%+8重量%=22重量%,20重量%+10重量
%=30重量%になるよう水に分散させて、アミノシリ
コン系柔軟仕上げ油剤を1.25重量%含み且つウレタ
ン系樹脂とウレタンプレポリマーが合せて各0.64重
量%,1.28重量%,3.2重量%,4.82重量
%,6.2重量%で混合された分散液を5種類調合し
た。該混合分散液に、上述の交織織物を夫々1枚づつ浸
漬し、ローラーで絞り率80%で絞って100℃で5分
間乾燥し、更に165℃で1.5分間キュアリングをし
て5種類の2m長の交織織物を得た。
用い、実施例1と同様に仕上げ加工をして、試料I−
6,II−6,III −6,IV−6,V−6を得た。これら
試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度
を調べた結果を表7に示した。
とウレタンプレポリマーを混合して用いても、合計濃度
が1重量%〜5重量%の範囲で使用して樹脂を付着後架
橋処理した交織織物は、W&W性,引裂き強力,吸水
性,風合い及び白度ともに良好ものであった。
980S(有効成分:25%,一方社油脂工業(株)
製)を5重量%含むよう水に分散させて、アミノシリコ
ン系柔軟仕上げ油剤濃度が1.25重量%の水分散液を
調合したがこれを10重量%含むよう水に分散させて、
アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤濃度を2.5重量%含
むように代えた以外は、全て実施例6と同様に処理して
試料I−7,II−7,III −7,IV−7,V−7を得
た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合
い及び白度を調べた結果を表8に示した。
とウレタンプレポリマーを混合して用い、合計濃度が1
重量%〜5重量%の範囲であっても、アミノシリコン系
柔軟仕上げ油剤濃度が2.0重量%を越えると、架橋処
理した交織織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,風
合い及び白度は満足なものであったが吸水性に劣る。
工方法は前記構成をとるものであり、セルロース系織物
に、撥水性でないシリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタン
系樹脂及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネー
ト基で変性したウレタンプレポリマーを含浸し、熱処理
して付着させた後、次いでエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル又はジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル水溶液に含浸し、架橋処理するものであるため、
従来の加工法により得られたセルロース系織物の形態安
定加工品に比べて、高いW&W性を具備すると同時に、
実用に耐えるに充分な引裂き強力を有している。又、架
橋処理を非ホルムアルデヒド系架橋剤であるエチレング
リコールジグリシジルエーテル又はジエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルで行なうため、安全性が極めて
高い。従って、本発明の加工法で加工したセルロース系
織物は、ワイシャツや制服等のユニホーム,病院用ベッ
ドシーツ、及び白衣等の衛生材料,シーツ,フトンカバ
ー等の寝装材料等の素材として好適に使用することがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 セルロース系織物を、ウレタン系樹脂及
び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変
性したウレタンプレポリマーと撥水性でないシリコン系
柔軟仕上げ油剤とよりなる混合水分散液に含浸し、熱処
理をし、次いでエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル又はジエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶
液に含浸し、架橋処理することを特徴とするセルロース
系織物の形態安定加工方法。
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JP6244647A JP2852494B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | セルロース系織物の形態安定加工方法 |
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