JP3270923B2 - 改質セルロース再生繊維構造物の染色加工方法 - Google Patents
改質セルロース再生繊維構造物の染色加工方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質セルロース再生繊
維からなる構造物の、染色加工方法に関するものであ
る。
維からなる構造物の、染色加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、セルロース系繊維は、直接染料
及び反応染料に対しては、良好な染色性を示すが、カチ
オン染料に対しては殆ど染色性を示さない。一方、カチ
オン染料はその発色の鮮明なことから、セルロース系繊
維への適用が強く望まれており、古くからセルロース系
繊維に酸性基を導入することによって、カチオン染料に
対する染色性を具備させる試みがなされてきた。
及び反応染料に対しては、良好な染色性を示すが、カチ
オン染料に対しては殆ど染色性を示さない。一方、カチ
オン染料はその発色の鮮明なことから、セルロース系繊
維への適用が強く望まれており、古くからセルロース系
繊維に酸性基を導入することによって、カチオン染料に
対する染色性を具備させる試みがなされてきた。
【0003】例えば、特公昭57−19207号公報に
は、芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸を用いて、
セルロース繊維の表面部分に芳香族アシル基又は芳香族
スルホン基を導入し、カチオン染料に対する染色性を具
備させ、次いで、硫酸エステル基又はスルホン酸基を持
った陰イオン界面活性剤の存在下で、カチオン染料で染
色する方法が開示されている。しかしこの方法は、セル
ロース繊維のセルロース分子を直接化学修飾するもので
あるため、操作が煩雑であるばかりでなく、セルロース
繊維が本来具備している風合いや吸湿性を損うと共に、
濃色に染色した場合、セルロース繊維の表面部分のみに
芳香族アシル基又は芳香族スルホン基を導入しているた
め、染色堅牢度、特に耐光堅牢度と洗濯堅牢度の面で問
題がある。
は、芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸を用いて、
セルロース繊維の表面部分に芳香族アシル基又は芳香族
スルホン基を導入し、カチオン染料に対する染色性を具
備させ、次いで、硫酸エステル基又はスルホン酸基を持
った陰イオン界面活性剤の存在下で、カチオン染料で染
色する方法が開示されている。しかしこの方法は、セル
ロース繊維のセルロース分子を直接化学修飾するもので
あるため、操作が煩雑であるばかりでなく、セルロース
繊維が本来具備している風合いや吸湿性を損うと共に、
濃色に染色した場合、セルロース繊維の表面部分のみに
芳香族アシル基又は芳香族スルホン基を導入しているた
め、染色堅牢度、特に耐光堅牢度と洗濯堅牢度の面で問
題がある。
【0004】セルロース再生繊維については、例えば特
公平5−4474号公報には、分子量が1,000〜
2,000,000のポリスチレンスルホン酸塩を、
0.1〜20重量%含有する再生繊維素繊維又は繊維構
造物をカチオン染料で染色する際に、染色前又は染色後
にタンニン酸の水溶液で処理する方法が開示されてい
る。しかしこの方法は、処理したタンニン酸が単に繊維
表面に付着しているだけであるため耐久性に乏しく、従
って実用に充分耐える染色堅牢度が得られない欠点を有
する。
公平5−4474号公報には、分子量が1,000〜
2,000,000のポリスチレンスルホン酸塩を、
0.1〜20重量%含有する再生繊維素繊維又は繊維構
造物をカチオン染料で染色する際に、染色前又は染色後
にタンニン酸の水溶液で処理する方法が開示されてい
る。しかしこの方法は、処理したタンニン酸が単に繊維
表面に付着しているだけであるため耐久性に乏しく、従
って実用に充分耐える染色堅牢度が得られない欠点を有
する。
【0005】又、セルロース再生繊維構造物は、これを
構成する再生セルロース繊維が水を吸って膨潤する度合
いが大きいと共に伸びやすいため、洗濯時塑性変形を起
こして残留収縮を持ちやすく、又、織布においては、縫
製段階でのスチームプレスやスチームアイロン仕上げ等
によって、生地が伸びる、或いはシームパッカリングが
発生しやすいことが知られている。
構成する再生セルロース繊維が水を吸って膨潤する度合
いが大きいと共に伸びやすいため、洗濯時塑性変形を起
こして残留収縮を持ちやすく、又、織布においては、縫
製段階でのスチームプレスやスチームアイロン仕上げ等
によって、生地が伸びる、或いはシームパッカリングが
発生しやすいことが知られている。
【0006】本出願人は、特開平8−158263号公
報において、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホ
ン酸塩縮合物を、分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ化合物で架橋処理して得られる不
溶性重合物を、紡糸直前にセルロースビスコースに混合
し紡糸することによって、カチオン染料に対する染色
性、染着率、堅牢度の優れた改質セルロース再生繊維が
得られることを開示した。しかし、上述のセルロース再
生繊維構造物の欠点を全て解消する改質セルロース繊維
構造物の染色加工方法を見出すには至らなかった。
報において、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホ
ン酸塩縮合物を、分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ化合物で架橋処理して得られる不
溶性重合物を、紡糸直前にセルロースビスコースに混合
し紡糸することによって、カチオン染料に対する染色
性、染着率、堅牢度の優れた改質セルロース再生繊維が
得られることを開示した。しかし、上述のセルロース再
生繊維構造物の欠点を全て解消する改質セルロース繊維
構造物の染色加工方法を見出すには至らなかった。
【0007】カチオン染料に対する染色性を具備した改
質セルロース再生繊維からなる繊維構造物においては、
カチオン染料に対し優れた染色堅牢度を有すると共に、
W&W性にすぐれ、洗濯により収縮せず、強力の低下も
無く、更に風合いの良好な染色加工方法は今だ確立され
ていないのが実状である。
質セルロース再生繊維からなる繊維構造物においては、
カチオン染料に対し優れた染色堅牢度を有すると共に、
W&W性にすぐれ、洗濯により収縮せず、強力の低下も
無く、更に風合いの良好な染色加工方法は今だ確立され
ていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カチ
オン染料に対し優れた染色堅牢度を有すると共に、W&
W性にすぐれ、強力の低下も無く、洗濯やアイロン仕上
げによる収縮の無い、しかも風合いの良好なカチオン染
料可染化セルロース再生繊維からなる、改質セルロース
再生繊維構造物の染色加工方法の提供にある。
オン染料に対し優れた染色堅牢度を有すると共に、W&
W性にすぐれ、強力の低下も無く、洗濯やアイロン仕上
げによる収縮の無い、しかも風合いの良好なカチオン染
料可染化セルロース再生繊維からなる、改質セルロース
再生繊維構造物の染色加工方法の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1に
記載の発明は、改質セルロース再生繊維構造物をカチオ
ン染料で染色した後、タンニン酸水溶液で処理し、次い
で吐酒石水溶液で処理した後、更に繊維素反応型樹脂で
架橋処理することを特徴とする。改質セルロース再生繊
維構造物は、ポリスチレンスルホン酸塩、又は、ジヒド
ロキシジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮合物を、分
子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物で架橋処理して得られる不溶性重合物、の何れ
か一つを含有せしめた改質セルロース再生繊維によって
構成することにより、カチオン染料可染化能を具備させ
る。架橋処理を行う繊維素反応型樹脂としては、N−メ
チロール系化合物を使用する。
記載の発明は、改質セルロース再生繊維構造物をカチオ
ン染料で染色した後、タンニン酸水溶液で処理し、次い
で吐酒石水溶液で処理した後、更に繊維素反応型樹脂で
架橋処理することを特徴とする。改質セルロース再生繊
維構造物は、ポリスチレンスルホン酸塩、又は、ジヒド
ロキシジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮合物を、分
子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物で架橋処理して得られる不溶性重合物、の何れ
か一つを含有せしめた改質セルロース再生繊維によって
構成することにより、カチオン染料可染化能を具備させ
る。架橋処理を行う繊維素反応型樹脂としては、N−メ
チロール系化合物を使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいう改質セルロース再生
繊維構造物は、カチオン染料可染化再生セルロース繊維
からなる編織物をいい、ポリスチレンスルホン酸塩、又
は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮
合物を、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物で架橋処理して得られる不溶性重合
物のいずれかを、紡糸直前にビスコース中のセルロース
に対し、所定量混合紡糸して得られる改質セルロース再
生繊維で構成される。改質セルロース再生繊維は、ビス
コース(ポリノジックを含む)法,銅アンモニア法の何
れにより製造されたものでも差し支えなく、ダル化のた
め酸化チタン等の無機顔料を用いることも出来る。
繊維構造物は、カチオン染料可染化再生セルロース繊維
からなる編織物をいい、ポリスチレンスルホン酸塩、又
は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮
合物を、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物で架橋処理して得られる不溶性重合
物のいずれかを、紡糸直前にビスコース中のセルロース
に対し、所定量混合紡糸して得られる改質セルロース再
生繊維で構成される。改質セルロース再生繊維は、ビス
コース(ポリノジックを含む)法,銅アンモニア法の何
れにより製造されたものでも差し支えなく、ダル化のた
め酸化チタン等の無機顔料を用いることも出来る。
【0011】本発明でいうポリスチレンスルホン酸塩
は、分子量として通常5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜500,000のもので
ある。含有量としてはセルロースに対して通常0.5〜
10重量%、好ましくは1.0〜7重量%である。
は、分子量として通常5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜500,000のもので
ある。含有量としてはセルロースに対して通常0.5〜
10重量%、好ましくは1.0〜7重量%である。
【0012】又、本発明でいうジヒドロキシジフェニル
スルホン・スルホン酸塩縮合物を、分子内に少なくとも
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物で架橋処
理して得られる不溶性重合物は、本出願人が特開平8−
158263号公報において開示した如く、一般式
スルホン・スルホン酸塩縮合物を、分子内に少なくとも
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物で架橋処
理して得られる不溶性重合物は、本出願人が特開平8−
158263号公報において開示した如く、一般式
【化1】 で示されるジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホン
酸塩縮合物を、ソルビトールポリグリシジルエーテル,
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル,グリセ
ロールポリグリシジルエーテル,レゾルシンジグリシジ
ルエーテル,1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル,エチレングリコールジグリシジルエーテル,ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の多官能
エポキシ化合物の1種又は2種以上の組合わせにより、
pH7.5〜10の弱塩基性水溶液中、30〜90℃で
4〜12時間反応させ架橋することで、不溶性の重合物
の水分散液として得られる。
酸塩縮合物を、ソルビトールポリグリシジルエーテル,
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル,グリセ
ロールポリグリシジルエーテル,レゾルシンジグリシジ
ルエーテル,1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル,エチレングリコールジグリシジルエーテル,ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の多官能
エポキシ化合物の1種又は2種以上の組合わせにより、
pH7.5〜10の弱塩基性水溶液中、30〜90℃で
4〜12時間反応させ架橋することで、不溶性の重合物
の水分散液として得られる。
【0013】尚、ジヒドロキシジフェニルスルホン・ス
ルホン酸塩縮合物と架橋剤であるエポキシ化合物との混
合率は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホン酸
塩縮合物の水酸基当量とエポキシ化合物のエポキシ当量
の比で表す時、1:1〜1:3の範囲であり、又2種以
上のエポキシ化合物を用いたエポキシ当量は、用いたエ
ポキシ化合物のエポキシ当量の合計で表す。該不溶性の
重合物の対セルロース添加量は、カチオン染料染着率及
び繊維強力を考慮して、5〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%である。
ルホン酸塩縮合物と架橋剤であるエポキシ化合物との混
合率は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・スルホン酸
塩縮合物の水酸基当量とエポキシ化合物のエポキシ当量
の比で表す時、1:1〜1:3の範囲であり、又2種以
上のエポキシ化合物を用いたエポキシ当量は、用いたエ
ポキシ化合物のエポキシ当量の合計で表す。該不溶性の
重合物の対セルロース添加量は、カチオン染料染着率及
び繊維強力を考慮して、5〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%である。
【0014】本発明による染色加工方法は、改質セルロ
ース再生繊維構造物を、常法によりカチオン染料で染色
した後水洗し、繊維素反応型樹脂で架橋処理を行う前
に、先にタンニン酸水溶液で処理し、次いで吐酒石水溶
液で処理するが、これは、染色堅牢度を向上させるとと
もに、繊維素反応型樹脂浴での、カチオン染料の脱離を
防止する目的で行うものである。
ース再生繊維構造物を、常法によりカチオン染料で染色
した後水洗し、繊維素反応型樹脂で架橋処理を行う前
に、先にタンニン酸水溶液で処理し、次いで吐酒石水溶
液で処理するが、これは、染色堅牢度を向上させるとと
もに、繊維素反応型樹脂浴での、カチオン染料の脱離を
防止する目的で行うものである。
【0015】従って、先に、吐酒石水溶液で処理し、次
いで、タンニン酸水溶液で処理した場合、及び、タンニ
ン酸と吐酒石の混合水溶液で処理した場合には、吐酒石
処理の効果、即ち、タンニン酸を、カチオン染料を染着
した改質セルロース再生繊維上に、固着させる効果が低
下するため好ましくない。
いで、タンニン酸水溶液で処理した場合、及び、タンニ
ン酸と吐酒石の混合水溶液で処理した場合には、吐酒石
処理の効果、即ち、タンニン酸を、カチオン染料を染着
した改質セルロース再生繊維上に、固着させる効果が低
下するため好ましくない。
【0016】タンニン酸水溶液は、通常酢酸にてpH3
〜6、好ましくはpH4〜5に調整して処理されるが、
タンニン酸の付与量は、処理する改質セルロース再生繊
維構造物の重量に対して、通常2〜10%、好ましくは
3〜8%であり、処理温度は通常30〜90℃、好まし
くは50〜70℃、処理時間は通常10〜60分、好ま
しくは20〜40分で行う。処理が終了次第タンニン酸
水溶液を排出し、水洗を行わないで、続けて、酢酸にて
pH3〜6、好ましくはpH4〜5に調整した吐酒石水
溶液で処理する。
〜6、好ましくはpH4〜5に調整して処理されるが、
タンニン酸の付与量は、処理する改質セルロース再生繊
維構造物の重量に対して、通常2〜10%、好ましくは
3〜8%であり、処理温度は通常30〜90℃、好まし
くは50〜70℃、処理時間は通常10〜60分、好ま
しくは20〜40分で行う。処理が終了次第タンニン酸
水溶液を排出し、水洗を行わないで、続けて、酢酸にて
pH3〜6、好ましくはpH4〜5に調整した吐酒石水
溶液で処理する。
【0017】吐酒石の付与量は、通常は、処理する改質
セルロース再生繊維構造物の重量に対して、0.5〜3
%、好ましくは1〜2%であり、処理温度は通常30〜
90℃、好ましくは50〜70℃、処理時間は通常10
〜60分、好ましくは20〜40分で処理する。処理が
終了次第、吐酒石水溶液を排出し、十分水洗した後乾燥
する。
セルロース再生繊維構造物の重量に対して、0.5〜3
%、好ましくは1〜2%であり、処理温度は通常30〜
90℃、好ましくは50〜70℃、処理時間は通常10
〜60分、好ましくは20〜40分で処理する。処理が
終了次第、吐酒石水溶液を排出し、十分水洗した後乾燥
する。
【0018】次いで、繊維素反応型樹脂で架橋処理し
て、タンニン酸−セルロース分子及びセルロース分子間
を架橋するが、本発明の繊維素反応型樹脂としては、ジ
メチロールエチレン尿素,ジメチロールジヒドロキシエ
チレン尿素,ジメチロールアルキルカーバメート,メチ
ル化ジメチロールジメトキシエチレン尿素等のNーメチ
ロール系化合物,ポリアルキレングリコールジグリシジ
ルエーテル,グリセリンジグリシジルエーテル等のエポ
キシ系化合物,ヘキサメチレンジイソシアネート,ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート系化
合物,ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホンに代表
されるビニルスルホン誘導体が挙げられ、該樹脂以外に
も必要に応じて触媒及び柔軟剤、強力向上剤、風合い調
節剤等を併用して用いることができる。
て、タンニン酸−セルロース分子及びセルロース分子間
を架橋するが、本発明の繊維素反応型樹脂としては、ジ
メチロールエチレン尿素,ジメチロールジヒドロキシエ
チレン尿素,ジメチロールアルキルカーバメート,メチ
ル化ジメチロールジメトキシエチレン尿素等のNーメチ
ロール系化合物,ポリアルキレングリコールジグリシジ
ルエーテル,グリセリンジグリシジルエーテル等のエポ
キシ系化合物,ヘキサメチレンジイソシアネート,ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート系化
合物,ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホンに代表
されるビニルスルホン誘導体が挙げられ、該樹脂以外に
も必要に応じて触媒及び柔軟剤、強力向上剤、風合い調
節剤等を併用して用いることができる。
【0019】しかし、エポキシ系化合物は、触媒添加溶
液の放置安定性が低く、ホウフッ化金属塩等の触媒を使
用すると、染色物の変色が見られること、イソシアネー
ト化合物は、概して経時変化や熱等で着色を呈するとと
もに比較的高価につき経済性の点で劣ること、ビニルス
ルホン誘導体であるビス−(β−ヒドロキシエチル)ス
ルホンは、加工による強度低下が大きく、触媒として使
用するアルカリと熱によるセルロース酸化分解で、ポリ
オキシカルボン酸誘導体が生じるため、鮮明淡色の染色
物の加工では、加工後漂白処理を施さなければならない
等操作が煩雑となる欠点があることから、N−メチロー
ル系化合物を使用することが好ましい。
液の放置安定性が低く、ホウフッ化金属塩等の触媒を使
用すると、染色物の変色が見られること、イソシアネー
ト化合物は、概して経時変化や熱等で着色を呈するとと
もに比較的高価につき経済性の点で劣ること、ビニルス
ルホン誘導体であるビス−(β−ヒドロキシエチル)ス
ルホンは、加工による強度低下が大きく、触媒として使
用するアルカリと熱によるセルロース酸化分解で、ポリ
オキシカルボン酸誘導体が生じるため、鮮明淡色の染色
物の加工では、加工後漂白処理を施さなければならない
等操作が煩雑となる欠点があることから、N−メチロー
ル系化合物を使用することが好ましい。
【0020】樹脂の付着量は、改質セルロース再生繊維
構造物の用途に応じて適宜選択すれば良いが、カチオン
染料の染色堅牢度、洗濯収縮率を考慮して、通常、改質
セルロース再生繊維構造物重量に対して1.5〜6重量
%、好ましくは2.5〜4重量%であり、繊維構造物全
体に充分含浸させる。処理方法としては、パッドードラ
イーキュアー法が一般的であり、樹脂を含浸させた後、
従来より公知の如き、ローラー等で絞り率70〜80%
で絞り、80〜120℃で乾燥処理後、130〜180
℃で乾熱処理を行うが、湿熱処理で行うこともできる。
構造物の用途に応じて適宜選択すれば良いが、カチオン
染料の染色堅牢度、洗濯収縮率を考慮して、通常、改質
セルロース再生繊維構造物重量に対して1.5〜6重量
%、好ましくは2.5〜4重量%であり、繊維構造物全
体に充分含浸させる。処理方法としては、パッドードラ
イーキュアー法が一般的であり、樹脂を含浸させた後、
従来より公知の如き、ローラー等で絞り率70〜80%
で絞り、80〜120℃で乾燥処理後、130〜180
℃で乾熱処理を行うが、湿熱処理で行うこともできる。
【0021】又、熱処理時間については、架橋反応が十
分進行するに足りる時間であれば特に限定はなく、セル
ロース再生繊維構造物の目付等により適宜設定すること
ができる。次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥、又、必要に応じて仕上げ油剤処理等の仕上げ加工
は、特に限定されるものではなく、一般的に用いられて
いる方法で行えばよい。
分進行するに足りる時間であれば特に限定はなく、セル
ロース再生繊維構造物の目付等により適宜設定すること
ができる。次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥、又、必要に応じて仕上げ油剤処理等の仕上げ加工
は、特に限定されるものではなく、一般的に用いられて
いる方法で行えばよい。
【0022】
【実施例】以下に実施例を以て本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W
性,引き裂き強力,破裂強力の測定、風合い及び樹脂浴
への染料の脱離の判定は以下の方法で行った。
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W
性,引き裂き強力,破裂強力の測定、風合い及び樹脂浴
への染料の脱離の判定は以下の方法で行った。
【0023】 染色堅牢度 摩擦(乾,湿) JIS−L0849−1971 耐光 JIS−L0842−1988 20時間露光 汗(酸,アルカリ) JIS−L0848−1978 A法 洗濯 JIS−L0844−1986 洗濯収縮率 JIS−L1042−1992 F3法(タンブラー,つり干し) プレス収縮率 JIS−L1042−1992 H−3法 W&W性 JIS−L1096−1979 6.23 A法タンブル乾燥 引き裂き強力 JIS−L1096−1979 6.15.5 D法 破裂強力 JIS−L1018−1990 A法(ミューレン形法) 風合い 5人の検査員によって官能検査で調べ、次の基準で判定 した。 5人全員良い;◎ 3人〜4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;× 樹脂浴への染料の脱離 樹脂加工処理前、処理後の樹脂浴液を比色管に採って、 染料の脱離状態を、5人の検査員によって官能検査で調 べ、次の基準で判定した。 5人全員脱離しない;◎ 3人〜4人脱離しない;○ 脱離しない2人以下;△ 全員脱離する;×
【0024】〔実施例1〕ジヒドロキシジフェニルスル
ホン・スルホン酸塩縮合物水溶液(商品名;ナイロック
ス1500,一方社油脂工業(株)製,純分40%)4
00部に、水酸化ナトリウムを加え、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン・スルホン酸塩結合とした後、架橋剤と
してレゾルシンジグリシジルエーテル(商品名;デナコ
ールEX−201,ナガセ化成工業(株)製、エポキシ
当量=118)とネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル(商品名;デナコールEX−211,ナガセ化
成工業(株)製、エポキシ当量=140)を夫々55部
+65部=121部加えて、ジヒドロキシジフェニルス
ルホン・スルホン酸塩縮合物の水酸基当量と架橋剤の各
エポキシ当量の合計の比が概ね1:1となるよう調整し
た。
ホン・スルホン酸塩縮合物水溶液(商品名;ナイロック
ス1500,一方社油脂工業(株)製,純分40%)4
00部に、水酸化ナトリウムを加え、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン・スルホン酸塩結合とした後、架橋剤と
してレゾルシンジグリシジルエーテル(商品名;デナコ
ールEX−201,ナガセ化成工業(株)製、エポキシ
当量=118)とネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル(商品名;デナコールEX−211,ナガセ化
成工業(株)製、エポキシ当量=140)を夫々55部
+65部=121部加えて、ジヒドロキシジフェニルス
ルホン・スルホン酸塩縮合物の水酸基当量と架橋剤の各
エポキシ当量の合計の比が概ね1:1となるよう調整し
た。
【0025】次いで水を加えて、ホモジナイザーを用い
て十分混合分散させながら、水酸化ナトリウムを加えp
Hを8.0になるよう調節し分散液とした。この時の水
と水酸化ナトリウムの添加量は合計479部であった。
該分散液を攪拌下50℃で6時間反応させてジヒドロキ
シジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮合物の架橋した
重合物の水分散液を得た。
て十分混合分散させながら、水酸化ナトリウムを加えp
Hを8.0になるよう調節し分散液とした。この時の水
と水酸化ナトリウムの添加量は合計479部であった。
該分散液を攪拌下50℃で6時間反応させてジヒドロキ
シジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮合物の架橋した
重合物の水分散液を得た。
【0026】該水分散液を、通常の方法で得られるポリ
ノジックビスコースのセルロースに対し40重量%の混
合量になるよう紡糸直前で添加混合し、1.25デニー
ル、38mmの改質ポリノジックステープルを得た。
ノジックビスコースのセルロースに対し40重量%の混
合量になるよう紡糸直前で添加混合し、1.25デニー
ル、38mmの改質ポリノジックステープルを得た。
【0027】該改質ポリノジックステープルを用いて、
40´S の紡績糸とし、密度経110、緯75(本/
吋)の平組織織物を得た。該平組織織物を通常の、毛
焼,糊抜き,精練,漂白,マーセライズ加工をした後、
水洗し乾燥した。
40´S の紡績糸とし、密度経110、緯75(本/
吋)の平組織織物を得た。該平組織織物を通常の、毛
焼,糊抜き,精練,漂白,マーセライズ加工をした後、
水洗し乾燥した。
【0028】次いで液流染色機に投入し、青色カチオン
染料(商品名;CathilonBlue 3GLH,
保土ケ谷化学工業(株)製)1.2%owf、ラウリル
硫酸ナトリウム1%owf、分散剤(商品名;ダイデス
パ−X−45,一方社油脂工業(株)製)2%owf、
酢酸0.5g/l、酢酸ナトリウム0.25g/lを含
むpH4.0の染色液で浴比1:30、温度100℃で
40分間染色し水洗した後、タンニン酸5%owfを含
むpH4.0の酢酸水溶液で浴比1:30として70℃
で30分間処理した後、処理液を交換して、吐酒石1.
5%owfを含むpH4.0の酢酸水溶液で浴比1:3
0として70℃で30分間処理し水洗し、120℃で1
分間の条件で乾燥した。
染料(商品名;CathilonBlue 3GLH,
保土ケ谷化学工業(株)製)1.2%owf、ラウリル
硫酸ナトリウム1%owf、分散剤(商品名;ダイデス
パ−X−45,一方社油脂工業(株)製)2%owf、
酢酸0.5g/l、酢酸ナトリウム0.25g/lを含
むpH4.0の染色液で浴比1:30、温度100℃で
40分間染色し水洗した後、タンニン酸5%owfを含
むpH4.0の酢酸水溶液で浴比1:30として70℃
で30分間処理した後、処理液を交換して、吐酒石1.
5%owfを含むpH4.0の酢酸水溶液で浴比1:3
0として70℃で30分間処理し水洗し、120℃で1
分間の条件で乾燥した。
【0029】次いでN−メチロール化合物(商品名;リ
ケンレジンRG−10E,三木理研工業(株)製、有効
成分50%)80g/l、反応触媒(商品名;リケンフ
ィクサーMX−18,三木理研工業(株)製)25g/
l、シリコン系柔軟剤(商品名;ライトシリコンA−5
44,共栄社化学(株)製)50g/l、ポリオレフィ
ン系柔軟剤(商品名;マーボゾルPO,松本油脂製薬
(株)製)20g/lからなる処理液をピックアップ率
70%にパッドし、120℃で1分間乾燥を行い、引続
き165℃にて1.5分間乾熱にて熱処理を行い、試料
1を得た。
ケンレジンRG−10E,三木理研工業(株)製、有効
成分50%)80g/l、反応触媒(商品名;リケンフ
ィクサーMX−18,三木理研工業(株)製)25g/
l、シリコン系柔軟剤(商品名;ライトシリコンA−5
44,共栄社化学(株)製)50g/l、ポリオレフィ
ン系柔軟剤(商品名;マーボゾルPO,松本油脂製薬
(株)製)20g/lからなる処理液をピックアップ率
70%にパッドし、120℃で1分間乾燥を行い、引続
き165℃にて1.5分間乾熱にて熱処理を行い、試料
1を得た。
【0030】上述の染色加工方法は、カチオン染料で染
色した後、タンニン酸水溶液処理−吐酒石水溶液処理−
樹脂処理の順序で行ったが、比較例として上述と同じ平
組織織物を用いて処理濃度等の条件は上述と同一とし、
タンニン酸水溶液処理のみを行い他の処理を行わない染
色加工方法で試料2を得、吐酒石水溶液処理を省略しタ
ンニン酸水溶液処理後樹脂処理をした染色加工方法で試
料3を得、吐酒石水溶液処理−タンニン酸水溶液処理−
樹脂処理をした染色加工方法で試料4を得、タンニン酸
と吐酒石を混合した水溶液で処理し、次いで樹脂処理し
た染色加工方法で試料5を得、樹脂処理−タンニン酸水
溶液処理−吐酒石水溶液処理をした染色加工方法で試料
6を得た。
色した後、タンニン酸水溶液処理−吐酒石水溶液処理−
樹脂処理の順序で行ったが、比較例として上述と同じ平
組織織物を用いて処理濃度等の条件は上述と同一とし、
タンニン酸水溶液処理のみを行い他の処理を行わない染
色加工方法で試料2を得、吐酒石水溶液処理を省略しタ
ンニン酸水溶液処理後樹脂処理をした染色加工方法で試
料3を得、吐酒石水溶液処理−タンニン酸水溶液処理−
樹脂処理をした染色加工方法で試料4を得、タンニン酸
と吐酒石を混合した水溶液で処理し、次いで樹脂処理し
た染色加工方法で試料5を得、樹脂処理−タンニン酸水
溶液処理−吐酒石水溶液処理をした染色加工方法で試料
6を得た。
【0031】得られた試料1〜6の染色堅牢度,洗濯収
縮率,プレス収縮率,W&W性,引き裂き強力を測定
し、風合い及び加工時の樹脂浴への染料の脱離を評価し
た。その結果を表1に示す。
縮率,プレス収縮率,W&W性,引き裂き強力を測定
し、風合い及び加工時の樹脂浴への染料の脱離を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1からも明らかなように、試料2は吐酒
石水溶液処理と樹脂処理をしていないために染色堅牢
度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W性及び風合いに
劣り、試料3〜5は樹脂浴での染料の脱離が見られ染色
堅牢度が劣り、試料6は樹脂浴への染料の脱離が甚だし
く染色堅牢度もやや劣り好ましくない。本発明の試料1
のカチオン染料で染色した改質ポリノジック繊維からな
る平組織織物は、タンニン酸水溶液で処理し、次いで吐
酒石水溶液で処理することによって、樹脂浴での染料の
脱離が完全に防止でき、又、更に樹脂処理することによ
って、優れた染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,
W&W性,引き裂き強力,風合いが得られることが判
る。
石水溶液処理と樹脂処理をしていないために染色堅牢
度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W性及び風合いに
劣り、試料3〜5は樹脂浴での染料の脱離が見られ染色
堅牢度が劣り、試料6は樹脂浴への染料の脱離が甚だし
く染色堅牢度もやや劣り好ましくない。本発明の試料1
のカチオン染料で染色した改質ポリノジック繊維からな
る平組織織物は、タンニン酸水溶液で処理し、次いで吐
酒石水溶液で処理することによって、樹脂浴での染料の
脱離が完全に防止でき、又、更に樹脂処理することによ
って、優れた染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,
W&W性,引き裂き強力,風合いが得られることが判
る。
【0034】〔実施例2〕実施例1の青色カチオン染料
(商品名;Cathilon Blue 3GLH,保土ケ谷化学工業
(株)製)1.2%owfを赤色カチオン染料(商品
名;Astra Phloxine FFconc.,保土ケ谷化学工業
(株)製)0.25%owfに、タンニン酸5%owf
をタンニン酸3%owfに、吐酒石1.5%owfを吐
酒石1%owfに変え、N−メチロール化合物(商品
名;リケンレジンRG−10E,三木理研工業(株)
製、有効成分50%)80g/lを57g/l、72g
/l、114g/l、171g/lの4水準に変えた以
外は実施例1と同様にして処理を行い、夫々試料7〜1
0を得た。該試料の染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収
縮率,W&W性,引き裂き強力を測定し、風合い及び加
工時の樹脂浴への染料の脱離を評価した。その結果を表
2に示す。
(商品名;Cathilon Blue 3GLH,保土ケ谷化学工業
(株)製)1.2%owfを赤色カチオン染料(商品
名;Astra Phloxine FFconc.,保土ケ谷化学工業
(株)製)0.25%owfに、タンニン酸5%owf
をタンニン酸3%owfに、吐酒石1.5%owfを吐
酒石1%owfに変え、N−メチロール化合物(商品
名;リケンレジンRG−10E,三木理研工業(株)
製、有効成分50%)80g/lを57g/l、72g
/l、114g/l、171g/lの4水準に変えた以
外は実施例1と同様にして処理を行い、夫々試料7〜1
0を得た。該試料の染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収
縮率,W&W性,引き裂き強力を測定し、風合い及び加
工時の樹脂浴への染料の脱離を評価した。その結果を表
2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2からも明らかなように、カチオン染料
で染色した改質ポリノジック繊維からなる平組織織物
は、処理中の樹脂浴での染料の脱離が無く、又、優れた
染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W性,引
き裂き強力,風合いを合わせて具備させることが出来る
が、試料7は樹脂付着量がやや少ないために洗濯収縮
率,プレス収縮率,W&W性にやや劣り、試料10は樹
脂付着量がやや多いために、引き裂き強力,風合いにや
や劣ることが判った。
で染色した改質ポリノジック繊維からなる平組織織物
は、処理中の樹脂浴での染料の脱離が無く、又、優れた
染色堅牢度,洗濯収縮率,プレス収縮率,W&W性,引
き裂き強力,風合いを合わせて具備させることが出来る
が、試料7は樹脂付着量がやや少ないために洗濯収縮
率,プレス収縮率,W&W性にやや劣り、試料10は樹
脂付着量がやや多いために、引き裂き強力,風合いにや
や劣ることが判った。
【0037】〔実施例3〕分子量300,000のポリ
スチレンスルホン酸塩(一方社油脂工業(株)製)を、
紡糸直前にポリノジックビスコースに添加紡糸して、該
ポリスチレンスルホン酸塩を4重量%含有する1.25
デニール、38mmの改質ポリノジックステープルを得
た。該改質ポリノジックステープルを用いて20´s の
紡績糸とし、シングル丸編機(30吋,22ゲージ,針
本数2088本,福原精機(株)製)を用いて、天竺生
機4反を編成した。
スチレンスルホン酸塩(一方社油脂工業(株)製)を、
紡糸直前にポリノジックビスコースに添加紡糸して、該
ポリスチレンスルホン酸塩を4重量%含有する1.25
デニール、38mmの改質ポリノジックステープルを得
た。該改質ポリノジックステープルを用いて20´s の
紡績糸とし、シングル丸編機(30吋,22ゲージ,針
本数2088本,福原精機(株)製)を用いて、天竺生
機4反を編成した。
【0038】該各天竺生機を通常実施されているシルケ
ット処理した後、水洗し乾燥した。次いで液流染色機に
投入し、過酸化水素(35%)4g/l、安定剤(商品
名;ハイパー,大東薬品(株)製)1g/l、炭酸ナト
リウム2g/l、浸透剤(商品名;ダイサーフP−3
0,第一工業製薬(株)製)0.5g/lの液組成で、
浴比1:30、温度95℃で30分間精練・漂白し、水
洗し乾燥して天竺編物を得た。
ット処理した後、水洗し乾燥した。次いで液流染色機に
投入し、過酸化水素(35%)4g/l、安定剤(商品
名;ハイパー,大東薬品(株)製)1g/l、炭酸ナト
リウム2g/l、浸透剤(商品名;ダイサーフP−3
0,第一工業製薬(株)製)0.5g/lの液組成で、
浴比1:30、温度95℃で30分間精練・漂白し、水
洗し乾燥して天竺編物を得た。
【0039】次いで、黄色カチオン染料(商品名;Ca
thilon Yellow 3GLH 200%,保
土ケ谷化学工業(株)製)1.2%owf、ラウリル硫
酸ナトリウム1%owf、分散剤(商品名;ダイデスパ
ーX−45,一方社油脂工業(株)製)2%owf、酢
酸0.5g/l、酢酸ナトリウム0.25g/lを含む
pH4.0の染色液で浴比1:30、温度100℃で4
0分間染色し水洗した後、タンニン酸8%owfを含む
pH4.0の酢酸水溶液で、浴比1:30として70℃
で30分間処理した後、処理液を交換して、吐酒石2%
owfを含むpH4.0の酢酸水溶液で、浴比1:30
として70℃で30分間処理した後、水洗し乾燥して、
染色後タンニン酸及び吐酒石処理をした4反の天竺編物
を準備した。
thilon Yellow 3GLH 200%,保
土ケ谷化学工業(株)製)1.2%owf、ラウリル硫
酸ナトリウム1%owf、分散剤(商品名;ダイデスパ
ーX−45,一方社油脂工業(株)製)2%owf、酢
酸0.5g/l、酢酸ナトリウム0.25g/lを含む
pH4.0の染色液で浴比1:30、温度100℃で4
0分間染色し水洗した後、タンニン酸8%owfを含む
pH4.0の酢酸水溶液で、浴比1:30として70℃
で30分間処理した後、処理液を交換して、吐酒石2%
owfを含むpH4.0の酢酸水溶液で、浴比1:30
として70℃で30分間処理した後、水洗し乾燥して、
染色後タンニン酸及び吐酒石処理をした4反の天竺編物
を準備した。
【0040】N−メチロール系化合物(商品名;スミテ
ックスレジンNS−10,住友化学工業(株)製、有効
成分45%)を56g/l、69g/l、111g/
l、167g/lの4水準とし、夫々に塩化マグネシウ
ム塩複合塩素系反応触媒(商品名;スミテックスアクセ
ラレーターX−80,住友化学工業(株)製)30g/
l、アミノシリコン系柔軟剤(商品名;ニッカシリコン
AM−202,日華化学(株)製)20g/l、ポリエ
チレン系柔軟剤(商品名;ヨドゾールPE−400,カ
ネボウ・エヌエスシー(株)製)15g/l、ホルマリ
ンキャッチャー(商品名;ファインデックスFCK,大
日本インキ化学工業(株)製)5g/lを加えて4種類
の処理液を調整した。該処理液に準備しておいた、染色
後タンニン酸及び吐酒石処理をした4反の天竺編物を1
反ずつ調整した各処理液にピックアップ率80%でパッ
ドし、120℃で1分間乾燥を行い、引続き165℃に
て1.5分間乾熱にて熱処理を行い、試料11〜14を
得た。該試料の染色堅牢度,洗濯収縮率,W&W性,破
裂強力を測定し、風合い及び加工時の樹脂浴への染料の
脱離を評価した。その結果を表3に示す。
ックスレジンNS−10,住友化学工業(株)製、有効
成分45%)を56g/l、69g/l、111g/
l、167g/lの4水準とし、夫々に塩化マグネシウ
ム塩複合塩素系反応触媒(商品名;スミテックスアクセ
ラレーターX−80,住友化学工業(株)製)30g/
l、アミノシリコン系柔軟剤(商品名;ニッカシリコン
AM−202,日華化学(株)製)20g/l、ポリエ
チレン系柔軟剤(商品名;ヨドゾールPE−400,カ
ネボウ・エヌエスシー(株)製)15g/l、ホルマリ
ンキャッチャー(商品名;ファインデックスFCK,大
日本インキ化学工業(株)製)5g/lを加えて4種類
の処理液を調整した。該処理液に準備しておいた、染色
後タンニン酸及び吐酒石処理をした4反の天竺編物を1
反ずつ調整した各処理液にピックアップ率80%でパッ
ドし、120℃で1分間乾燥を行い、引続き165℃に
て1.5分間乾熱にて熱処理を行い、試料11〜14を
得た。該試料の染色堅牢度,洗濯収縮率,W&W性,破
裂強力を測定し、風合い及び加工時の樹脂浴への染料の
脱離を評価した。その結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3からも明らかなように、カチオン染料
で染色したポリスチレンスルホン酸塩含有ポリノジック
繊維からなる天竺編物は、加工時の樹脂浴への染料の脱
離が無く、又、優れた染色堅牢度,洗濯収縮率,W&W
性,破裂強力,風合いを合わせて具備させることが出来
るが、試料11は樹脂付着量がやや少ないためW&W性
にやや劣り、試料14は樹脂付着量がやや多いため破裂
強力と風合いにやや劣ることが判った。尚、カチオン染
料可染化能を具備させた改質セルロース再生繊維と繊維
素反応型樹脂を変更しても本発明の染色仕上げ加工方法
によれば、樹脂浴への染料の脱離が全く無く、優れた染
色堅牢度,洗濯収縮率,W&W性,破裂強力,風合いを
合わせて具備させることができる。
で染色したポリスチレンスルホン酸塩含有ポリノジック
繊維からなる天竺編物は、加工時の樹脂浴への染料の脱
離が無く、又、優れた染色堅牢度,洗濯収縮率,W&W
性,破裂強力,風合いを合わせて具備させることが出来
るが、試料11は樹脂付着量がやや少ないためW&W性
にやや劣り、試料14は樹脂付着量がやや多いため破裂
強力と風合いにやや劣ることが判った。尚、カチオン染
料可染化能を具備させた改質セルロース再生繊維と繊維
素反応型樹脂を変更しても本発明の染色仕上げ加工方法
によれば、樹脂浴への染料の脱離が全く無く、優れた染
色堅牢度,洗濯収縮率,W&W性,破裂強力,風合いを
合わせて具備させることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明方法によれば、ポリスチレンスル
ホン酸塩、又は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・ス
ルホン酸塩縮合物を、分子内に少なくとも2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ化合物で、架橋処理して得ら
れる不溶性重合物の何れか一つを含有せしめて、カチオ
ン染料可染化能を具備させた改質セルロース再生繊維で
構成される改質セルロース再生繊維構造物を、カチオン
染料で染色した後、タンニン酸水溶液で処理し次いで吐
酒石水溶液で処理することによって、タンニン酸をカチ
オン染料を染着した改質セルロース再生繊維上に、しっ
かりと固着させているため次工程の樹脂浴へのカチオン
染料の脱離が完全に防止でき、更に繊維素反応型樹脂で
架橋処理をすることによって、カチオン染料に対して優
れた染色堅牢度を有すると共に、W&W性に優れ、洗濯
により収縮せず、強力の低下も無く、更に風合いの良好
な、カチオン染料によって染色された改質セルロース再
生繊維構造物を得ることができる。
ホン酸塩、又は、ジヒドロキシジフェニルスルホン・ス
ルホン酸塩縮合物を、分子内に少なくとも2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ化合物で、架橋処理して得ら
れる不溶性重合物の何れか一つを含有せしめて、カチオ
ン染料可染化能を具備させた改質セルロース再生繊維で
構成される改質セルロース再生繊維構造物を、カチオン
染料で染色した後、タンニン酸水溶液で処理し次いで吐
酒石水溶液で処理することによって、タンニン酸をカチ
オン染料を染着した改質セルロース再生繊維上に、しっ
かりと固着させているため次工程の樹脂浴へのカチオン
染料の脱離が完全に防止でき、更に繊維素反応型樹脂で
架橋処理をすることによって、カチオン染料に対して優
れた染色堅牢度を有すると共に、W&W性に優れ、洗濯
により収縮せず、強力の低下も無く、更に風合いの良好
な、カチオン染料によって染色された改質セルロース再
生繊維構造物を得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−85380(JP,A) 特開 昭61−174485(JP,A) 特開 平8−158263(JP,A) 特開 昭58−23976(JP,A) 特開 平7−238167(JP,A) 特公 平5−4474(JP,B2) 特公 昭57−19207(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 3/60 D06M 13/00 D06P 5/04 D06P 5/08 D06P 5/22
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリスチレンスルホン酸塩、又は、ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン・スルホン酸塩縮合物を、
分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物で架橋処理して得られる不溶性重合物、の何
れか一つを含有する改質セルロース再生繊維で構成され
る改質セルロース再生繊維構造物をカチオン染料で染色
した後、タンニン酸水溶液で処理し、次いで吐酒石水溶
液で処理した後、更にN−メチロール系繊維素反応型樹
脂で架橋処理することを特徴とする、改質セルロース再
生繊維構造物の染色加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28757996A JP3270923B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 改質セルロース再生繊維構造物の染色加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28757996A JP3270923B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 改質セルロース再生繊維構造物の染色加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10121383A JPH10121383A (ja) | 1998-05-12 |
JP3270923B2 true JP3270923B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=17719149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28757996A Expired - Fee Related JP3270923B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 改質セルロース再生繊維構造物の染色加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270923B2 (ja) |
-
1996
- 1996-10-09 JP JP28757996A patent/JP3270923B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10121383A (ja) | 1998-05-12 |
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---|---|---|---|
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