JP2989131B2 - 蛋白繊維製品の蛍光染色化剤及びこれを用いた染色法 - Google Patents

蛋白繊維製品の蛍光染色化剤及びこれを用いた染色法

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JP2989131B2
JP2989131B2 JP7310629A JP31062995A JP2989131B2 JP 2989131 B2 JP2989131 B2 JP 2989131B2 JP 7310629 A JP7310629 A JP 7310629A JP 31062995 A JP31062995 A JP 31062995A JP 2989131 B2 JP2989131 B2 JP 2989131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は羊毛、絹などから作
られた蛋白繊維製品の高耐光堅牢蛍光染色化剤及びこれ
を用いた蛍光染料の染色法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蛋白繊維製品の蛍光染色
は、一般に酸性染浴中で行われている。そのため、蛋白
質の黄変、強度低下などの種々のトラブルが発生する。
特に耐光堅牢度がきわめて弱い。一方、これらの問題を
解決するために、ハイドロサルファイトや過酸化水素を
用いて生地を晒すだけの仕上げ法を採るか、或いは生地
を晒した後に蛍光染色する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記晒しだけ
では繊維製品に十分な白度は得られず、また晒しを行っ
た後に蛍光染色を行っても、繊維製品の耐光堅牢度を向
上させるまでには至っていない。本発明の目的は、蛋白
繊維の物性を損なわずに高い耐光堅牢度が得られる蛋白
繊維製品の蛍光染色化剤及びこれを用いた染色法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
溶率が95重量%以上のポリオキシラン型誘導体と、
このポリオキシラン型誘導体を溶解し、溶解度パラメー
タが13.0〜10.1(cal/cm31/2で沸点が
101〜190℃の範囲にあってかつ水に任意に溶け合
う溶剤と、上記ポリオキシラン型誘導体に対して10〜
62.5重量%含まれ、ジシアンジアミド、オキシカル
ボン酸塩、チオシアン酸塩、L−システィン及びL−シ
スティンの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも2
種のオキシラン化合物用触媒とを含み、上記ポリオキシ
ラン型誘導体が次の式(1)に示されるエチレン又はポ
リエチレングリコールジグリシジールエーテル型誘導体
(以下、PEGDEという)であることを特徴とする蛋
白繊維製品の蛍光染色化剤である。
【0005】
【化4】
【0006】請求項に係る発明は、水溶率が95重量
%以上のポリオキシラン型誘導体と、このポリオキシラ
ン型誘導体を溶解し、溶解度パラメータが13.0〜1
0.1(cal/cm31/2で沸点が101〜190℃
の範囲にあってかつ水に任意に溶け合う溶剤と、上記ポ
リオキシラン型誘導体に対して10〜62.5重量%含
まれ、ジシアンジアミド、オキシカルボン酸塩、チオシ
アン酸塩、L−システィン及びL−システィンの誘導体
からなる群より選ばれた少なくとも2種のオキシラン化
合物用触媒とを含み、上記ポリオキシラン型誘導体が請
求項1記載の式(1)に示されるPEGDE、次の式
(2)に示されるプロピレン又はポリプロピレングリコ
ールジグリシジールエーテル型誘導体(以下、PPGD
Eという)、及び次の式(3)に示されるポリグリセロ
ールポリグリシジールエーテル型誘導体(以下、PGP
DEという)、グリセロールポリグリシジールエーテル
型誘導体(以下、GPGDEという)及びグリセロール
グリシジール型誘導体からなる群より選ばれた誘導体の
うちの2種以上であることを特徴とする蛋白繊維製品の
蛍光染色化剤である。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】請求項に係る発明は、蛋白繊維製品の重
量に対してポリオキシラン型誘導体を2.5〜25重量
%含む請求項1又は2記載の第1の蛍光染色化剤にこの
蛋白繊維製品を浸漬した後、熱処理して架橋反応させ、
この架橋反応した蛋白繊維製品を乾燥し、この乾燥した
蛋白繊維製品を第2の蛍光染色化剤に浸漬して40〜6
0℃の染色開始温度で処理し、この処理液に蛍光染料液
を加え、60〜80℃に昇温してこの温度で染色する蛋
白繊維製品の染色法であって、上記第2の蛍光染色化剤
が、水と;水1リットルに対して0.025〜40g含
まれ、界面活性剤の存在下又は不存在下で、ドナー数が
24〜40の範囲にあって、アクセプター数が10〜2
4の範囲にある、水と自由に混和可能な1種又は2種以
上の溶剤と;水1リットルに対して0.05〜40g含
まれ、水和エンタルピー(−△H KJ mo1 -1 )が200
〜290である1種又は2種以上の陰イオンと;水1リ
ットルに対して0.025〜4.0g含まれるトリブト
キシエチルホスヘート(以下、TBXPという)とを含
み、かつpHが3.5〜9.5であることを特徴とす
。請求項に係る発明は、請求項に係る発明であっ
て、処理液に蛍光染料液を加えた後、酸を分割して添加
しながらこの処理液を60〜80℃に昇温してこの温度
で染色する蛋白繊維製品の染色法である。
【0010】第2の蛍光染色化剤で処理した後、又は処
理しながら染色すると、上記溶剤、TBXP、陰イオン
等により蛋白繊維は高次構造が緩み、染料吸尽に対する
抵抗が低下して易染化される。即ち、溶剤は前述のよう
に蛋白繊維の水素結合の切断や蛋白繊維を溶媒に親和さ
せて染料の拡散浸透を促進するが、その量を多く用いる
と組織の溶出を伴い高次構造を破壊する危険がある。従
ってその溶剤の使用量を可能な限り少なくし、かつ染料
の定着を促進するためには水和エンタルピー(−ΔHKJ
mol 1)が200〜290の陰イオンの添加が効果的で
ある。水和エンタルピー(−ΔHKJ mol 1)が200未
満では水素結合の切断作用が小さく、290を越えると
染料の定着を妨害する。またTBXPは蛋白繊維の高次
構造のある特定部位、例えば羊毛繊維のC.M.Cのβ層
に選択的に親和性を示し浸透膨潤をして染料の蛋白質の
内部通路の形成を助長する。このとき本発明の蛍光染色
化剤は蛋白繊維の高次構造を最大限に緩めるのみで高次
構造を破壊せず、処理した蛋白繊維製品を乾燥すれば高
次構造を再構築する。このため、蛋白繊維の物性に対す
る影響も少なく、かつ耐光堅牢度も良好である。
【0011】従来の通常の染色法では強い酸性条件で染
色される染料が、請求項3又は4に係る染色法ではより
緩やかな酸性条件で染色可能であり、このことは蛋白繊
維の黄変、収縮、強度低下等の物性の劣化を防止する。
また請求項1又は2記載の第1の蛍光染色化剤に浸漬し
た蛋白繊維製品を熱処理すると、触媒が溶液間反応に優
先してポリオキシラン型誘導体を蛋白繊維製品に架橋反
応させる。このポリオキシラン型誘導体は所定の分子長
を有するため、蛋白繊維製品の各繊維に適切に反応し蛋
白繊維製品を耐加水分解性の強い繊維構造にする。
【0012】
【発明の実施の形態】(a) 蛋白繊維製品 請求項1ないしに係る蛋白繊維製品は、羊毛、カシミ
ヤ毛、アルパカ毛等の獣毛繊維、家蚕、野蚕等の繭から
得られる繭繊維、またこれらの繊維から作られる毛糸、
絹糸、或いはこれらの繊維又は糸から作られる織物、編
物、不織布である。
【0013】(b) 請求項に係る溶剤 請求項に係る溶剤は、ドナー数が24〜40の範囲に
あって、アクセプタ数が10〜24の範囲にある、水と
自由に混和可能な溶剤である。この溶剤を例示すれば、
ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)、N−メ
チルピロドリン(以下、N−MPという)、N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(以下、DMS
Oという)、N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモ
ルホリン(以下、N−MMという)、ピリジン等が挙げ
られる。蛋白繊維の高次構造には水素結合の寄与がかな
り大きいために、蛋白繊維の水素結合を切断し、蛋白繊
維を溶媒に親和させて染料の拡散浸透を促進するには、
ドナー数が24以上の溶剤が必要である。しかし、ドナ
ー数が40を越えると、水素結合の切断には有利である
が、染料の定着をかえって妨げるようになる。またアク
セプタ数が10未満では染着が速すぎて均染性が損なわ
れ、また24を越えるとそのプロトン供与性が強すぎる
ようになり、ドナー数の高い効果が減少され、かえって
染料の拡散浸透が不十分になる。この溶剤の使用濃度
は、水1リットルに対して0.025g以上が適合し、
濃度が高い程効果的であるが、経済的見地からその上限
は40gが適当である。ただし、それ自身がアルカリ性
を示す溶剤ではpHが9.5以上では、染色挙動に悪影
響を及ぼしかつ物性劣化が伴うので、pHが9.5以下
になるような濃度の制限で、最高使用濃度が決定され
る。染色の見地から下限のpHは3.5である。
【0014】(c) 請求項に係るTBXP 従来、水に難溶であるTBXPは乳化剤と水に可溶な低
級アルコールのみで水に可溶化していたため、希薄水溶
液で分離現象を発生する問題があったのに対して、第2
の蛍光染色剤では、水に可溶なグリコールコールエーテ
ル類を存在させることによりこのような問題を生じさせ
ずに自己乳化性にする。この水に可溶なグリコールエー
テル類を例示すれば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ
る。このTBXPの使用濃度は、水1リットルに対して
0.025g以上が適合し、濃度が高い程効果的である
が、経済的見地から上限は4.0gが適当である。
【0015】(d) 請求項に係る水和エンタルピー(−
ΔHKJ mol 1)が200〜290である陰イオン 水和エンタルピー(−ΔHKJ mol 1)が200〜290
の陰イオンを例示すれば、チオシアン酸カリ、チオシア
ン酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等の塩の陰イオン
(SCN-、ClO4 -)が挙げられる。この陰イオンの
使用濃度は、水1リットルに対して0.05gが最低で
あり、濃度が高い程効果的であるが、経済的見地から上
限は40gが適当である。
【0016】(e) 請求項に係る界面活性剤 請求項に係る第2の蛍光染色化剤は界面活性剤を必ず
しも必要としないが、蛋白繊維製品に迅速に浸透させる
観点から含ませた方がよい。この界面活性剤を例示すれ
ば、非イオン系ではラウリルアルコールのエチレンオキ
サイド付加物(付加モル数が3〜6)等が挙げられ、ア
ニオン系ではアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ
る。これらを単独で或いは組合せて使用する。この界面
活性剤の使用濃度は、水1リットルに対して2g以下の
割合が好ましい。
【0017】(f) 請求項1又は2に係るポリオキシラン
型誘導体 請求項に係るポリオキシラン型誘導体は、上記式
(1)に示されるPEGDEである。また請求項に係
るポリオキシラン型誘導体は、上記式(1)に示される
PEGDE、上記式(2)に示されるPPGDE、及び
次の式(3)に示されるPGPDE、GPGDE及びグ
リセロールグリシジール型誘導体からなる群より選ばれ
た誘導体のうちの2種以上の誘導体である。これらのポ
リオキシラン型誘導体の水溶率はいずれも95重量%以
上である。そのうちPEGDE又はPPGDEは、エチ
レングリコール又はプロピレングリコールの付加モル数
がそれぞれ1〜4の範囲にある。
【0018】(g) 請求項1又は2に係る溶剤 上記ポリオキシラン型誘導体は水に完全に溶けないもの
もあるため、所定の溶剤により水に可溶な溶液にする。
即ち、請求項1又は2に係る溶剤は溶解度パラメータが
13.0〜10.1(cal/cm31/2で沸点が10
1〜190℃の範囲にあってかつ水に任意に溶け合う溶
剤である。この溶剤を例示すれば、DMF、1,4−ジ
オキサン、DMSO等が挙げられる。これらの溶剤は単
独で用いても2種以上混合して用いてもよい。水の存在
下で乳化剤を使用することなく安定なポリオキシラン型
誘導体の水溶液を調製できる溶剤であれば、例示した溶
剤に限定するものではない。 (h) 請求項1又は2に係るオキシラン化合物用触媒 請求項1又は2に係るオキシラン化合物用触媒は、(1)
ジシアンジアミド、(2)オキシカルボン酸塩、(3)チオシ
アン酸塩、(4)L−システィン及びL−システィン誘導
体からなる群より選ばれた触媒を少なくとも2種以上組
合せて用いられる。この組合せの中で上記(4)のL−シ
スティン及びL−システィン誘導体を含ませると反応が
十分に促進され、好ましい。なお、上記(1)〜(4)の触媒
のいずれかを単独で用いた場合には、蛋白繊維製品の風
合が粗硬になり好ましくない。これらのポリオキシラン
化合物用触媒は、ポリオキシラン型誘導体100重量%
に対して、10〜62.5重量%添加する。10重量%
未満では反応が十分に促進されず、62.5重量%を超
えると風合に関して蛋白繊維製品の実用可能な範囲を超
えるようになる。
【0019】(i) 請求項に係る染色法 請求項3又は4に係る染色法では、蛋白繊維製品の重量
に対してポリオキシラン型誘導体を2.5〜25重量%
を含む請求項1又は2記載の第1の蛍光染色化剤を所定
の浴槽に貯え、この中に蛋白繊維製品を浸漬して、パデ
ィングマングル(padding mangle)等により絞って脱水
する。この蛍光染色化剤中のポリオキシラン型誘導体の
含有量を蛋白繊維製品に対して2.5〜25重量%にす
るのは、2.5重量%未満では繊維の安定化に寄与せ
ず、25重量%を越えると蛋白繊維製品の風合が粗硬に
なり易いからである。この含有量は好ましくは5〜15
重量%である。脱水した後、処理した蛋白繊維製品を熱
処理する。この熱処理には湿式と乾式の2通りがある。
繊維製品の変色を防ぐために湿式の方が望ましい。湿式
の熱処理は60〜100℃の温度の熱水に、脱水した蛋
白繊維製品を60〜20分間浸漬する。乾式の熱処理は
脱水した蛋白繊維製品を80〜100℃の温度で30〜
10分間予備乾燥した後、120〜165℃の温度で2
0〜1分間ベーキングする。熱処理の温度は(g)で述べ
た溶剤の沸点に依存する。使用溶剤の沸点より10〜1
5℃低い温度で熱処理すると、本発明の溶剤の沸点は水
の沸点より高いため、水は蒸発により減少し、かつポリ
オキシラン型誘導体及び触媒を含有した溶剤膜が蛋白繊
維製品に存在するようになる。この熱処理により、蛋白
繊維製品の各繊維に所定の分子長のポリオキシラン型誘
導体が架橋反応し、耐加水分解性の強い繊維構造にな
る。次いで架橋反応した蛋白繊維製品を脱水、乾燥し、
以下、第2の蛍光染色化剤に浸漬し、40〜60℃の染
色開始温度で処理した後、この処理液に蛍光染料液を加
え、60〜80℃に昇温してこの温度で染色する。
【0020】(j) 請求項に係る染色法 請求項に係る染色法では、請求項の易染化処理を完
了し、更に蛍光染料を含む染液を添加した後、蛋白繊維
製品の染色に必要な酸性化に適するように計算量の酸を
昇温完了までに分割添加して染色する。酸を分割添加し
て昇温することにより、均一に染色される利点がある。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技
術範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
【0022】 第2の蛍光染色化剤の調製 水1リットルに対してDMSO(旭化学工業(株)製)
の溶剤125gと、N−MM(キシダ化学(株)製 特
級試薬)の溶剤100gと、N−MP(キシダ化学
(株)製 特級試薬)の溶剤50gとを混合して混合溶
剤を調製した。また水1リットルに対してチオシアン酸
アンモニウム(日本化学産業(株)製)の陰イオンSC
-(水和エンタルピー(−△HKJmo1 -1)が290)
65gと、過塩素酸ナトリウム(無水)(キシダ化学
(株)製 特級試薬)の陰イオンClO4 -(水和エンタ
ルピー(−△HKJmo1 -1)が200)57gとを混合
して陰イオン液を調製した。上記混合溶剤と上記陰イオ
ン液とを混合して第1原液を調製した。全量を100重
量%とするとき、TBXP20重量%と、メタノール4
0重量%と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
7重量%と、ポリオキシエチレンフェニルエーテル付加
モル20.7重量%と、水26重量%とを均一に混合し
てTBXPの自己乳化液である第2原液を調製した。
2の蛍光染色化剤は上記第1原液及び第2原液からな
る。
【0023】 第1の蛍光染色化剤の調製 1,4−ジオキサン(キシダ化学(株)製 特級試薬)
100重量%に、PEGDE系のデナコールEX−85
0(ナガセ化成工業(株)製)28重量%と、デナコー
ルEX−810(ナガセ化成工業(株)製)2重量%
と、GPGDE系のデナコールEX−313(ナガセ化
成工業(株)製)10重量%とを均一に混合したポリオ
キシラン型誘導体を溶解させた。このポリオキシラン型
誘導体を40重量%含む、水に可溶な1,4−ジオキサ
ン溶液を第3原液とした。水100重量%に、ジシアン
ジアミド5.1重量%と、クエン酸三カリウム5.4重
量%と、チオシアン酸カリウム5.0重量%と、N−ア
セチル−L−システイン1.8重量%と、L−システイ
ン0.8重量%とからなる5種類の触媒とDMSO:5
重量%とを添加した後、均一に混合して水溶液を調製
し、この水溶液を第4原液とした。第1の蛍光染色化剤
は上記第3原液及び第4原液からなる。
【0024】<実施例1> 経緯とも梳毛糸からなる羊毛布の蛍光染色化処理と染色
を1浴法により行った。即ち、経糸密度が2/22メー
トル番手×18本/cmで、緯糸密度が2/22メート
ル番手×18本/cmである平織のパナマ羊毛布を用意
した。第1原液を7g採取し、水1リットルに希釈し
た。また第2原液を4g採取し、水1リットルに希釈し
た。ミニカラー染色試験機((株)テクサム技研製)に
この羊毛布と上記希釈した第1及び第2原液からなる
2の蛍光染色化剤を1:20の浴比で入れ、40℃で3
0分間処理した。次に、蛍光染料(ホスタラックスP
N;ヘキスト(株)製)を0.1%owf(羊毛布重量
に対する染料重量割合)採取し、処理液を染色試験機か
ら排出せずに、この処理液に上記染料を添加して、40
℃から2.0℃/分の速度で80℃まで昇温し、この昇
温の間、ギ酸を2回分割して染液に添加した。80℃で
25分間染色し、染料を吸尽させた。染色後、羊毛布を
染色試験機から取り出し、水洗、乾燥して蛍光染色布を
得た。この蛍光染色布をJIS 0841「日光に対す
る染色堅牢度試験方法」に基づいて耐光堅牢度試験を行
ったところ、3級であった。
【0025】<比較例1> 実施例1と同一のパナマ羊毛布を用意し、第2の蛍光染
色化剤で処理せずにミニカラー染色試験機に蛍光染料と
ギ酸と上記の羊毛布を同時に入れ、40℃から2.0℃
/分の速度で80℃まで昇温し、80℃で25分間染色
し、染料を吸尽させた。染色後、水洗、乾燥して得られ
た蛍光染色布の耐光堅牢度を実施例1と同様に測定した
ところ、1〜2級であった。
【0026】<実施例2> 第3原液を25g採取し、水1リットルに希釈した。ま
た第4原液を50g採取し、水1リットルに希釈した。
これらの希釈した第3及び第4原液からなる 1の蛍光
染色化剤をビーカーに貯え、このビーカー内の蛍光染色
化剤に未処理のパナマ羊毛布を浸漬し、ピックアップ率
100重量%で脱水した後、湿式法で熱処理した。即
ち、80〜100℃の温度の熱水にこの羊毛布を浸漬さ
せ、1日放置して自然に温度を下げた。その後水洗、パ
ディングマングルにより脱水し、100℃の温度で乾燥
することにより、架橋反応処理した羊毛布を得た。この
羊毛布を実施例1と同じ蛍光染料を用いて実施例1と同
様に第2の蛍光染色化剤で処理した後、染色を行い、水
洗、乾燥して蛍光染色布を得た。この染色布の耐光堅牢
度を実施例1と同様に測定したところ、4級であった。
【0027】<実施例3> 実施例2と同一の未処理のパナマ羊毛布に実施例2と同
様に第1の蛍光染色化剤を用いて架橋反応させた後、水
洗、脱水、乾燥させて架橋反応処理した羊毛布を得た。
次に、ハイドロサルファイト(Na224、商品名:
BlankitD;BASF(株)製)5g/リットル
とギ酸を水に溶解させ、pH2.5〜3.0の溶液にし
て、処理した羊毛布とこの溶液を1:20の浴比でミニ
カラー染色試験機に入れ、70℃で20分処理した。そ
の後、染色試験機から処理液を排出して、処理した羊毛
布を水洗し、この羊毛布を実施例1と同じ蛍光染料を用
いて実施例1と同様に第2の蛍光染色化剤で処理した
後、染色を行い、水洗、乾燥して蛍光染色布を得た。こ
の染色布は実施例2で得られた染色布よりも白度に優れ
ており、また耐光堅牢度については4級であった。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、第1の蛍光染色化剤
によれば、染色前又は染色時に蛋白繊維の高次構造を弛
緩し、この繊維を膨潤させて蛋白繊維の持つ優れた物性
を損なわせない優れた効果を有する。特に請求項に係
るポリオキシラン型誘導体を用いて架橋反応を行うこと
によって蛋白繊維製品の性質をより安定化させることが
可能となる。また請求項3又は4に係る染色法によれ
ば、上記蛍光染色化剤を用いて染色することにより、こ
の物性を損なわずに優れた耐光堅牢度を持つ蛋白繊維製
品を得ることができる。更に請求項3又は4に係る染色
法に、従来の蛍光染色技術であるハイドロサルファイト
や過酸化水素を用いた晒し加工を併用すれば、高い耐光
堅牢度に加えて所望の白度を持った蛋白繊維製品を得る
こともできる。特に請求項3又は4に係る染色法は、染
料の繊維への内部吸尽率が非常に高いことから、使用す
る蛍光染料の少量化にもつながる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/18 (56)参考文献 特開 昭48−64013(JP,A) 特開 平2−308865(JP,A) 特開 平7−126988(JP,A) 「ドナーとアクセプター」(1998−1 −5)、学会出版センター、第19−36 頁. 「溶液反応の化学」(1997−6− 30)、学会出版センター、第37−38, 214−216頁. (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/44 D06M 13/165 D06P 1/613 D06P 5/00 102 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶率が95重量%以上のポリオキシラ
    ン型誘導体と、 前記ポリオキシラン型誘導体を溶解し、溶解度パラメー
    タが13.0〜10.1(cal/cm31/2で沸点が
    101〜190℃の範囲にあってかつ水に任意に溶け合
    う溶剤と、 前記ポリオキシラン型誘導体に対して10〜62.5重
    量%含まれ、ジシアンジアミド、オキシカルボン酸塩、
    チオシアン酸塩、L−システィン及びL−システィンの
    誘導体からなる群より選ばれた少なくとも2種のオキシ
    ラン化合物用触媒とを含み、 前記ポリオキシラン型誘導体が次の式(1)に示される
    エチレン又はポリエチレングリコールジグリシジールエ
    ーテル型誘導体であることを特徴とする蛋白繊維製品の
    蛍光染色化剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 水溶率が95重量%以上のポリオキシラ
    ン型誘導体と、 前記ポリオキシラン型誘導体を溶解し、溶解度パラメー
    タが13.0〜10.1(cal/cm31/2で沸点が
    101〜190℃の範囲にあってかつ水に任意に溶け合
    う溶剤と、 前記ポリオキシラン型誘導体に対して10〜62.5重
    量%含まれ、ジシアンジアミド、オキシカルボン酸塩、
    チオシアン酸塩、L−システィン及びL−システィンの
    誘導体からなる群より選ばれた少なくとも2種のオキシ
    ラン化合物用触媒とを含み、 前記ポリオキシラン型誘導体が請求項1記載の式(1)
    に示されるエチレン又はポリエチレングリコールジグリ
    シジールエーテル型誘導体、次の式(2)に示されるプ
    ロピレン又はポリプロピレングリコールジグリシジール
    エーテル型誘導体、及び次の式(3)に示されるポリグ
    リセロールポリグリシジールエーテル型誘導体、グリセ
    ロールポリグリシジールエーテル型誘導体及びグリセロ
    ールグリシジール型誘導体からなる群より選ばれた誘導
    体のうちの2種以上であることを特徴とする蛋白繊維製
    品の蛍光染色化剤。 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】 蛋白繊維製品の重量に対してポリオキシ
    ラン型誘導体を2.5〜25重量%含む請求項1又は2
    記載の第1の蛍光染色化剤に前記蛋白繊維製品を浸漬し
    た後、熱処理して架橋反応させ、前記架橋反応した蛋白
    繊維製品を乾燥し、前記乾燥した蛋白繊維製品を第2の
    蛍光染色化剤に浸漬して40〜60℃の染色開始温度で
    処理し、この処理液に蛍光染料液を加え、60〜80℃
    に昇温してこの温度で染色する蛋白繊維製品の染色法
    あって、 前記第2の蛍光染色化剤が、水と;水1リットルに対し
    て0.025〜40g含まれ、界面活性剤の存在下又は
    不存在下で、ドナー数が24〜40の範囲にあって、ア
    クセプター数が10〜24の範囲にある、水と自由に混
    和可能な1種又は2種以上の溶剤と;水1リットルに対
    して0.05〜40g含まれ、水和エンタルピー(−△
    KJ mo1 -1 )が200〜290である1種又は2種以
    上の陰イオンと;水1リットルに対して0.025〜
    4.0g含まれるトリブトキシエチルホスヘートとを含
    み;かつpHが3.5〜9.5であることを特徴とする
    蛋白 繊維製品の染色法
  4. 【請求項4】 処理液に蛍光染料液を加えた後、酸を分
    割して添加しながら前記処理液を60〜80℃に昇温し
    てこの温度で染色する請求項記載の蛋白繊維製品の染
    色法。
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