JPH07300772A - 絹フィブロイン加工方法 - Google Patents

絹フィブロイン加工方法

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JPH07300772A
JPH07300772A JP8945094A JP8945094A JPH07300772A JP H07300772 A JPH07300772 A JP H07300772A JP 8945094 A JP8945094 A JP 8945094A JP 8945094 A JP8945094 A JP 8945094A JP H07300772 A JPH07300772 A JP H07300772A
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JP
Japan
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silk fibroin
treatment
silk
fiber
agent
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JP8945094A
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Takashi Tabata
孝 田畑
Shigeru Takeuchi
茂 竹内
Akihiro Katagiri
朗弘 片桐
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Shinano Kenshi Co Ltd
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Shinano Kenshi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維製品に付着した絹フィブロインの耐久性
を容易に向上させることができ、且つ充分な絹用の風合
等を呈する繊維製品が得られる絹フィブロイン加工方法
を提供する。 【構成】 単繊維群、糸、或いは布帛等の繊維製品に絹
フィブロインを付着し固定する際に、該繊維製品に、絹
フィブロイン、固着剤、及び前記固着剤の硬化剤を含有
する処理液を付着した後、前記繊維製品に付着した処理
液に、スチーミング等の硬化処理を施し、処理液中の固
着剤を硬化させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絹フィブロイン加工方法
に関し、更に詳細には単繊維群、糸、或いは布帛等の繊
維製品に絹フィブロインを付着し固定する絹フィブロイ
ン加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維等の繊維製品に絹様の特
性を付加すべく、特開平5−5275号公報には、繊維
製品に絹フィブロインを付着することが提案されてい
る。この公報に記載された絹フィブロイン加工方法は、
絹フィブロインが溶解された絹フィブロイン溶液に、繊
維製品を浸漬してから乾燥し、乾熱又は湿熱処理を行う
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様に、絹フィブロ
インが付着された繊維製品は、絹様の風合、反撥性等を
呈し、且つ温湿度調整機能を有することができる。しか
し、前記絹フィブロイン加工方法によって得られる繊維
製品は、付着された絹フィブロインの耐久性が劣り、染
色や洗濯等において絹フィブロインが脱落し易いため、
繊維製品の呈する絹様の風合等が次第に消失する。この
ため、本発明者等は、繊維製品に付着させた絹フィブロ
インの固定を図るべく、絹フィブロイン溶液に浸漬処理
した繊維製品を、再度、架橋能を有するプレポリマーが
含有された処理液に浸漬した後、付着したプレポリマー
を架橋して樹脂皮膜を繊維表面に形成する、いわゆる二
浴処理することを試みた。しかしながら、最終的に得ら
れた繊維製品の呈する風合はやや硬く、ソフトな風合等
を呈する絹様風合にやや乏しいことが判明した。二浴処
理では、繊維製品に付着された絹フィブロインの多く
が、プレポリマー含有の処理液に繊維製品を浸漬したと
きに脱落するためである。
【0004】そこで、本発明の目的は、繊維製品に付着
した絹フィブロインの耐久性を容易に向上させることが
でき、且つ充分な絹用の風合等を呈する繊維製品が得ら
れる絹フィブロイン加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成すべく検討した結果、絹フィブロインと架橋能を
有するプレポリマーとを含む処理液を用い、繊維製品を
一浴処理することによって、絹フィブロインの耐久性が
良好で且つ絹用の風合等を充分に呈する繊維製品が得ら
れることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、単繊維群、糸、或いは布帛等の繊維製品に絹フィ
ブロインを付着し固定する際に、該繊維製品に、絹フィ
ブロイン、固着剤、及び前記固着剤の硬化剤を含有する
処理液を付着した後、前記繊維製品に付着した処理液
に、スチーミング等の硬化処理を施し、処理液中の固着
剤を硬化させることを特徴とする絹フィブロイン加工方
法にある。
【0006】かかる構成を有する本発明において、処理
液中に、固着剤としての多価アルコール系エポキシ化合
物又はイソシアネート基を有する熱反応性ウレタン化合
物と、硬化剤としての前記固着剤の架橋反応を促す触媒
とを配合することによって、絹フィブロインを含有する
樹脂皮膜を容易に形成できる。その際に、処理液中に、
浸透剤としての界面活性剤を配合することにより、絹フ
ィブロイン含有の樹脂皮膜を繊維製品を構成する繊維に
均一に形成できる。また、本発明は、ポリエステル繊維
等の合成繊維から成る繊維製品に好適に適用できる。
【0007】
【作用】本発明によれば、絹フィブロインと架橋能を有
するプレポリマーとを含む処理液を用い、繊維製品を一
浴処理することによって、繊維製品に絹フィブロインを
含有した樹脂皮膜を形成し、繊維製品に付着された絹フ
ィブロインの固定化を図ることができる。このため、二
浴処理の如く、一浴目の処理で繊維製品に付着した絹フ
ィブロインを二浴目の処理で脱落させることがなく、充
分な量の絹フィブロインを繊維製品に固定化できる。
【0008】
【発明の概要】本発明の対象とする繊維製品は、フィラ
メント糸や混紡糸等の糸、織編物や不織布等の布帛(紙
を含む)、縫製品は勿論のこと、非収束状のフィラメン
ト群や短繊維群から構成される綿等の単繊維群も含む。
かかる繊維製品を構成する繊維としては、任意の繊維を
用いることができ、例えばポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維、アクリル繊維等の合成繊維、絹、綿、羊毛、麻
等の天然繊維、或いはレーヨン繊維、アセテート繊維等
の半合成繊維は勿論のこと、二種以上の繊維を混繊した
混繊品も挙げることができる。特に、本発明は、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等の合成繊
維に好適に適用できる。
【0009】この様な繊維製品を処理する処理液中の絹
フィブロインは、絹フィブロイン溶液として配合され
る。かかる絹フィブロイン溶液としては、公知の絹フィ
ブロイン溶液を使用できるが、絹フィブロイン溶液用の
溶媒としては、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸化銅
−アンモニア水溶液(シュワイザー試薬)、水酸化銅−
アルカリ−グリセリン水溶液(ローエ試薬)、臭化リチ
ウム水溶液、カルシウム或いはマグネシウム又は亜鉛の
塩酸塩或いは硝酸塩又はチオシアン酸塩の水溶液、チオ
シアン酸ナトリウム水溶液を使用できる。但し、コスト
や作業性等の観点からは、溶媒としては、カルシウム又
はマグネシウムの塩酸塩又は硝酸塩の水溶液が好まし
い。
【0010】一方、絹フィブロインとしては、生糸工程
又は絹紡工程で副生する絹の屑繊維を、マルセル石鹸及
びソーダ灰を使用して通常の方法で精錬し、残留セリシ
ンを1重量%以下にしたものを使用する。かかる絹フィ
ブロインが溶解された、絹フィブロイン溶液は、そのま
ま使用してもよいが、最終製品の品質や工程管理等の観
点からは、チューブ状又はフィルム状の半透膜、或いは
電気透析等の脱塩基・脱塩処理方法を使用し、絹フィブ
ロイン溶液に脱塩基・脱塩処理を施すことが好ましい。
【0011】この絹フィブロイン溶液と併用される固着
剤としては、多価アルコール系エポキシ化合物又はイソ
シアネート基を有する熱反応性ウレタン化合物を好適に
使用することができる。かかる多価アルコール系エポキ
シ化合物としては、下記に示すグリシジルエステル型、
又はグリシジルエーテル型を好ましく使用できる。
【化1】
【化2】 尚、エポキシ化合物としてグリシジルエステル型を使用
する場合には、前記化合物の各々を単独でも混合状態で
も使用できる。また、イソシアネート基を有する熱反応
性ウレタン化合物としては、遊離のイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーの重亜硫酸塩ブロック物が
好ましい。かかる固着剤には、硬化剤を添加する。本発
明において使用し得る硬化剤としては、一般的に知られ
ている硬化剤(触媒)を使用できるが、多価アルコール
系エポキシ化合物であるグリシジルエステル型を固着剤
として使用する場合には、硼沸化亜鉛を好適に使用で
き、グリシジルエーテル型を固着剤として使用する場合
には、プロピオン酸ナトリウムを好適に使用できる。ま
た、イソシアネート基を有する熱反応性ウレタン化合物
を固着剤として使用する場合には、硬化剤として第三級
アミンやスズ化合物等を使用できる。
【0012】本発明においては、繊維製品に付着する処
理液には、前述した絹フィブロイン溶液、固着剤、及び
硬化剤(触媒)を配合する。かかる配合の際に、絹フィ
ブロインと固着剤との配合比(絹フィブロイン/固着
剤)は、固着剤の種類によって異なるが、10/3〜1
0/40、特に10/5〜10/25とすることが好ま
しい。更に、処理液には、エポキシ樹脂等の安定剤とし
て、例えは酸化亜鉛等を添加してもよい。また、かかる
処理液には、浸透剤としての界面活性剤を配合すること
が好ましい。浸透剤としての界面活性剤によって、繊維
製品を構成する繊維の脱脂等がなされ、絹フィブロイン
を含有する処理液を均一に付着できるからである。この
界面活性剤としては、処理液を付与する繊維製品を構成
する繊維との関係で選択する。例えば、絹製品の場合に
は、カチオン系界面活性剤よりもノニオン系界面活性剤
を使用することが好ましく、綿製品の場合には、ノニオ
ン系界面活性剤を使用することが好ましい。
【0013】この様な処理液を繊維製品に付着する方法
としては、繊維製品を処理液に浸漬する浸漬法、処理液
を繊維製品に噴霧する噴霧法、処理液を含浸させたパッ
ドによって繊維製品を叩くパッディング法等を採用でき
る。繊維製品に付着する処理液の付着量を、処理後の繊
維製品に対して好ましくは1〜20重量%、更に好まし
くは3〜15重量%、特に好ましくは5〜10重量%と
なるように調整する。繊維製品に対する処理液の付着量
の調整は、浸漬や噴霧する処理液の液量、又はパッディ
ングするパッドに含浸させる処理液量等で行ってもよ
く、或いは処理液が付着された繊維製品をローラー等で
絞ってもよい。
【0014】本発明では、繊維製品に付着された処理液
中に配合された硬化剤を活性化して固着剤の硬化を図る
べく、固着剤に対して硬化処理を施して絹フィブロイン
を繊維表面に固着する。かかる硬化剤の活性化には、熱
を付与することによって行うことができ、特に蒸気を吹
き付けるスチーミングによって行うことが好ましい。こ
のスチーミング処理は、70〜130℃、特に好ましく
は85〜120℃の加熱蒸気を15分間以上吹き付ける
ことによって行う。この様にして固着剤を硬化した繊維
製品には、過剰に付着した絹フィブロインや固着剤を除
去すべく、ソーピング等の仕上加工を施した後に、乾燥
を施してもよい。
【0015】本発明の様に、絹フィブロインと固着剤と
が配合された処理液によって、繊維製品を処理する、い
わゆる一浴処理によれば、絹フィブロインと固着剤との
付着を別浴でおこなう二浴処理の如く、繊維製品に付着
された絹フィブロインが固着剤含有の処理液に繊維製品
を浸漬したときに脱落することを防止でき、最終的に得
られる繊維製品に充分な量の絹フィブロインを付着でき
る。このため、繊維製品に絹様の風合等を付与できる。
特に、単に絹フィブロイン溶液を付着した後、乾燥した
だけでは充分な絹フィブロインを付着することが困難
な、ポリエステル繊維等の合成繊維から成る繊維製品に
は、絹様の風合を呈しうる量の絹フィブロインを固着さ
せることができる。また、本発明の絹フィブロイン加工
が施された繊維製品には、水不溶化されて耐久性が向上
された絹フィブロインが付着されている。このため、絹
フィブロインを付着した繊維製品を染色や洗濯等を施し
ても、絹フィブロインの脱落を防止でき、染色や洗濯後
の繊維製品も絹様の特性を保持できる。更に、繊維本体
を形成する分子鎖よりも低分子量の絹フィブロインが、
付着されているため、繊維製品の染色性を向上させるこ
とができる。しかも、絹フィブロインは草木染可能であ
るため、草木染が不可能な合成繊維から成る繊維製品で
あっても、絹フィブロインを付着することによって、草
木染を可能とすることができる。
【0016】
〔遊離のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重亜硫酸塩ブロック 物;エラスロンC−52、第一工業製薬(株)〕
ウレタン化合物の硬化剤(触媒) 2重量% 〔エラスロンキャタリスト64、第一工業製薬(株)〕 浸透剤(界面活性剤) 0.3重量% 〔アデカトールSO−135、旭電化工業(株)〕 (6)F液 イソシアネート基を有する熱反応性ウレタン化合物 10重量% 〔遊離のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重亜硫酸塩ブロック 物;エラスロンC−52、第一工業製薬(株)〕 ウレタン化合物の硬化剤(触媒) 2重量% 〔エラスロンキャタリスト64、第一工業製薬(株)〕
【0017】実施例1、比較例1〜2 紡績工程を通過した絹紡糸に、絹フィブロイン加工を施
した。かかる絹フィブロイン加工は、先ず、絹紡糸(EC3
6/2)の5ハンク綛を、室温のA液に30分間浸漬した
後、水分率70〜100%の脱水処理を行い、次いで、
A液が付着された絹紡糸に、97℃のスチームで60分
間のスチーミングを施すことによって、A液中に含有さ
れた固着剤であるエポキシ化合物の硬化処理を行った。
更に、絹紡糸を、マンセル石鹸0.5重量%の浴中に浸
漬し、60℃、15分間のソーピングした後、乾燥し
た。
【0018】また、比較例として、絹紡糸に絹フィブロ
イン加工を二浴処理で施した。この二浴処理としては、
C液に浸漬処理して絹フィブロインを付着した絹紡糸
に、80℃で30分間の乾燥を施し、次いで、グリシジ
ルエーテル型のエポキシ化合物が含有されているD液を
付着した後、97℃のスチームで60分間のスチーミン
グを施した水準(比較例1)と、C液に浸漬処理して絹
フィブロインを付着した絹紡糸に、80℃で30分間の
乾燥を施し、次いで、イソシアネート基を有する熱反応
性ウレタン化合物が含有されているF液を付着した後、
97℃のスチームで60分間のスチーミングを施した水
準(比較例2)とを行った。
【0019】これら絹フィブロイン加工を施した絹紡糸
について、下記に示す方法で処理剤の付着率、及び沸水
処理後の処理剤の付着率を測定し、表1に示した。ま
た、表1には、絹フィブロイン加工として、絹紡糸に二
浴処理を施して得られた絹紡糸(比較例)についての結
果も併せて示した。 処理剤の付着率(%) 絹フィブロイン加工(以下、単に加工と称することがあ
る)が終了したとき、加工前後の重量を測定し、下記式
によって算出した。
【数1】 沸水処理後の処理剤の付着率(%) 加工を施した試料に、沸騰水中に30分間浸漬する沸水
処理を施した後、沸水処理の前後の重量を測定し、下記
式によって算出した。
【数2】 尚、表1においては、Boil後付着率として示した。
【0020】
【表1】 表1から明らかな様に、実施例である一浴処理を施した
NO.1〜2 の絹紡糸は、二浴処理を施した比較例であるN
O.3〜4 の絹紡糸に比較して、処理剤の付着率が良好で
ある。二浴処理においては、第一浴で付与された処理剤
が第二浴で脱落するため、加工終了後の繊維製品に付着
した処理液の付着量が少なくなるからである。
【0021】実施例2 絹布、羊毛布、綿布、ポリエステル布、ナイロン布、及
びアクリル布の各々に、絹フィブロイン加工を施した。
かかる絹フィブロイン加工においては、300 ×500mm の
布地をA〜F液に浸漬した後、実施例1と同様の処理を
行った。本実施例においては、絹フィブロイン加工が完
了してから布地に軽くアイロン掛けを施した後、処理剤
の付着率、沸水処理後の処理剤の付着率、しわ、沸水収
縮率、吸湿性、保湿性、及び風合について測定した。そ
の結果を表2に併せて示す。尚、表2においては、絹フ
ィブロイン加工を施さない布地の特性も「Blank 」とし
て併記した。
【0022】処理剤の付着率及び沸水処理後の処理剤の
付着率は、実施例1と同様にして測定し、「風合」、
「しわ」、「沸水収縮率」、「吸湿性」、及び「保湿
性」については、下記方法によって測定した。 風合 加工を施した試料の触感による官能評価を行った。 沸水収縮率(%) 布地を沸騰水中に30分間浸漬し、下記式によって算出
した。
【数3】 吸湿性 温度25℃、湿度60%の雰囲気中に24時間放置した
布地の重量を測定し、下記式によって算出した。
【数4】 保湿性 温度25℃、湿度80%の雰囲気中に24時間放置した
布地の重量を測定した後、この布地を更に温度25℃、
湿度20%の雰囲気中に8時間放置してから布地重量を
測定し、下記式によって算出した。
【数5】 しわ 50mlの注射器のシリンジ内に布地を挿入し、シリン
ダーによってシリンジ容積を25mlに縮小して約5分
間保持した。その後、シリンジ内から布地を取り出し、
「しわ」の状態を目視で判定した。
【0023】
【表2】
【0024】表2から明らかな様に、実施例であるA
液、B液、及びE液のいずれか一つの処理液を使用した
一浴処理によれば、絹フィブロイン加工を施さなかった
水準(Blank )に比較して、しわ、沸水収縮率、吸湿
率、保湿率の特性が改善されている。また、実施例にお
いては、C/D液又はC/F液を使用した二浴処理に比
較して、繊維製品に付着する処理液量を多くすることが
できる。しかも、表2のNO.5 〜8 に示す様に、一浴処
理で処理した絹布(NO. 5 〜6 )の風合を、二浴処理で
処理した絹布(NO. 7〜8 )よりもソフト感を与えるこ
とができる。更に、絹様風合を付与することが困難なポ
リエステル布等の合成繊維から成る布にも、絹様のドレ
ープ性やシャリ感を付与することができる。
【0025】実施例3 ペニー染色された絹紡糸(EC36/2)を使用し、実施例1
のNO. 1 、2 の水準と同様にして絹フィブロイン加工を
施し、摩擦堅牢度、洗濯堅牢度、耐光堅牢度について測
定した。その結果を、表3に示した。また、絹フィブロ
イン加工を施さなかった水準(Blank) についても同様な
測定を行い、その結果を、表3に併せて示した。尚、こ
れらの測定は、下記に示すJISに記載された測定方法
に準拠して行った。 (1)摩擦堅牢度 JIS L−0849 II形 に準拠し、乾摩擦堅牢度
と湿摩擦堅牢度とを測定した。 (2)洗濯堅牢度 JIS L−0844 A−4法 に準拠し、綿白布、
絹白布、アセテート白布を添加し、所定時間の洗濯を行
った。洗濯後に、試料の変褪色、各白布の変色程度を測
定した。 (3)耐光堅牢度 JIS L−0842に準拠し、試料に対してカーボン
アークランプによって20時間の連続照射を行った。
【0026】
【表3】
【0027】表3から明らかな様に、本実施例の絹フィ
ブロイン加工を施したものは、絹フィブロイン加工を施
さなかった水準(Blank) よりも湿摩擦堅牢度を向上する
ことができる。このため、衣服の襟等における褪色現象
の改善が可能である。
【0028】比較例 実施例2で使用したポリエステル布を、絹フィブロイン
濃度が4重量%で且つ浸透剤(ノニオン系界面活性剤)
濃度が0.3重量%である絹フィブロイン溶液に30分
間の浸漬した後、水分率70〜120%の脱水処理を施
してから110℃で30分間の乾燥処理を施した。かか
る絹フィブロイン加工を施したポリエステル布において
は、処理剤の付着率が4.6重量%で且つ沸水処理後の
処理剤の付着率(Boil後付着率)が0.6重量%に過ぎ
ず、風合もやや硬いものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、付着された絹フィブロ
インの耐久性が向上された、絹様の風合を呈し得る繊維
製品を短縮された工程で得ることができる。更に、繊維
製品に対して、防しわ性、形態安定性、防収縮性、吸水
性、保湿性の向上を図ることができ、絹紡糸の毛羽伏せ
及び染色堅牢度の向上も図ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維群、糸、或いは布帛等の繊維製品
    に絹フィブロインを付着し固定する際に、 該繊維製品に、絹フィブロイン、固着剤、及び前記固着
    剤の硬化剤を含有する処理液を付着した後、 前記繊維製品に付着した処理液に、スチーミング等の硬
    化処理を施し、処理液中の固着剤を硬化させることを特
    徴とする絹フィブロイン加工方法。
  2. 【請求項2】 処理液中に、固着剤としての多価アルコ
    ール系エポキシ化合物又はイソシアネート基を有する熱
    反応性ウレタン化合物と、硬化剤としての前記固着剤の
    架橋反応を促す触媒とが含有されている請求項1記載の
    絹フィブロイン加工方法。
  3. 【請求項3】 処理液中に、浸透剤としての界面活性剤
    が配合されている請求項1又は請求項2記載の絹フィブ
    ロイン加工方法。
  4. 【請求項4】 繊維製品が、ポリエステル繊維等の合成
    繊維から成る繊維製品である請求項1記載の絹フィブロ
    イン加工方法。
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