JPH0881884A - セルロース系織物の形態安定加工方法 - Google Patents

セルロース系織物の形態安定加工方法

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JPH0881884A
JPH0881884A JP24464794A JP24464794A JPH0881884A JP H0881884 A JPH0881884 A JP H0881884A JP 24464794 A JP24464794 A JP 24464794A JP 24464794 A JP24464794 A JP 24464794A JP H0881884 A JPH0881884 A JP H0881884A
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五男 倉橋
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勇 奥田
Hironobu Matsuzawa
博信 松澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いウオッシュアンドウエア性と引裂き強力
を具備し、人体に毒性を与えることなく、安全性に優れ
たセルロース系織物の形態安定加工方法を提供する。 【構成】 セルロース系織物を、ウレタン系樹脂及び/
又はウレタンプレポリマーの変性物とシリコン系柔軟仕
上げ油剤とよりなる混合水分散液にを含浸熱処理をし、
該樹脂を付着させた後、エポキシ化合物で架橋処理し
た。又、ウレタンプレポリマーの変性物がカルバモイル
・スルホネート基で変性されたウレタンプレポリマーで
あり、エポキシ化合物が、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル又はジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルであるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用に耐える引裂き強
力を有し、しかも優れた風合いとウオッシュアンドウエ
ア性(以下W&W性という。)を具備したセルロース系
織物のエポキシ化合物を用いた形態安定加工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルロース系繊維材料は、合
成繊維材料に比べて、良好な吸湿性及び風合いを示すの
で、衣料用素材として広く使用されている。しかし、セ
ルロース系繊維材料の織物は、合成繊維材料の織物と比
べて、風合いの良さとか、優れた吸湿性等の長所がある
が、シワになりやすい、又洗濯すると縮む、更には洗濯
を繰り返すと次第に繊維が堅くなる等欠点も多く、古く
からこれを解消する加工方法が数多く提案されてきた。
【0003】例えば、特公昭49−18517号公報に
は、架橋剤としてホルムアルデヒド蒸気を、触媒として
水分と二酸化イオウガスを併用し、生成する硫酸を使用
し、高温下で反応を進める加工法が開示されている。し
かし、この方法では、生成する硫酸の影響やホルムアル
デヒドによるセルロース分子の架橋固定化により、セル
ロース系繊維の引裂強力が極端に低下する欠点があるた
めに、合成繊維のポリエステル繊維等をセルロース系繊
維に混繊又は交編織することによって強力の低下を抑え
ているのが実状である。更に、(株)繊維社発行「加工
技術」誌(Vol.29,No.6,1994、p.3
89〜395)には、液体アンモニアを使用したマーセ
ライズ加工によりセルロース繊維の断面をほぼ円形にな
るよう均一に膨潤させるとともにフィブリル間隔を平均
に狭くすることにより、先にセルロース繊維にソフトな
風合いを付与し、その後ホルムアルデヒド樹脂を付与し
アンモニアを除去する方法等が概説されている。しかし
ながら、これらは何れもホルムアルデヒドガスまたは低
ホルムアルデヒド樹脂を使用する加工法であるため、加
工後にホルムアルデヒドが布帛に残留し、衣料衛生や安
全性の面で問題が有る。
【0004】一方、セルロース繊維の非ホルムアルデヒ
ド加工については、繊維学会誌(Vol.25,No.
11,1969,P502〜513,Vol.26,N
o.7,1970,P124〜137)にエポキシ系化
合物を用いた研究が、また、(株)色染社発行「染色工
業」誌(Vol.24,No.2,1976,P76〜
83,Vol.24,No.3,1976,P142〜
147)にはビニルスルホン系誘導体を用いた研究が夫
々報告されているが、未だ実用に耐える引裂き強力と高
い形態安定性の両方を兼ね供えたセルロース系織物の加
工法は確立されていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形態安定性
の指標である高いW&W性と引裂き強力を具備し、しか
もホルムアルデヒドを使用しない、人体に毒性を与える
ことなく、安全性に優れたセルロース系織物の形態安定
加工方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の様
な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、セルロース系織物を、ウレタン系
樹脂及び/又はウレタンプレポリマーの変性物とシリコ
ン系柔軟仕上げ油剤よりなる混合水分散液に含浸熱処理
し、該樹脂を付着させた後、エポキシ化合物で架橋処理
する新規な形態安定加工方法である。
【0007】本発明のセルロース系織物とは、綿,レー
ヨン,ポリノジック等のセルロース系繊維を単独又は混
繊して得られたセルロース系繊維から織成された織物を
言う。しかし編物等の布帛にも応用出来る。
【0008】本発明では、引裂き強力の低下を防止する
目的で、通常のマーセライズ又は漂白加工処理したセル
ロース系織物に、最初にウレタン系樹脂及び/又はウレ
タンプレポリマーの変性物とシリコン系柔軟仕上げ油剤
の混合水分散液を含浸熱処理をして付着させる。繊維表
面に高分子膜を生成または付着させると、風合いが粗硬
になり、また高分子の種類によっては、撥水性が付与さ
れて、セルロース繊維本来の親水性が消滅する。従っ
て、本発明で用いられるウレタン系樹脂としては、ポリ
ウレタン樹脂に若干の親水基又は親水性のセグメントを
配した、水溶性又は自己分散性にしたものが用いられ、
又、ウレタンプレポリマーの変性物としては、分子の末
端をカルバモイル・スルホネート基の親水性基でブロッ
クしたものが、乳化剤を用いなくても水溶性であるので
好ましい。
【0009】これらのウレタン系樹脂やウレタンプレポ
リマーの変性物は、加熱処理により強力な被膜を形成す
るので、次いで架橋処理によって生ずる引裂き強力の低
下を防止する役目を果たす効果がある。尚、ポリエチレ
ンエマルジョンを用いても同様の効果は得られるが、撥
水性が強いので、仕上げ加工後にウオータースポットが
発生するため好ましくない。
【0010】セルロース系織物へのウレタン系樹脂及び
/又はウレタンプレポリマーの変性物の処理液濃度は、
織物に用いられる綿素材特有の風合いを損わないで且つ
引裂き強力の低下を防ぐ点を考慮して1〜5重量%で使
用するのが好ましく、又、このときに、繊維織物の強力
及び風合等改善のため、撥水性でないアミノシリコン系
又はシリコン系柔軟仕上げ油剤を0.5〜2重量%の範
囲で混合使用することが必須であるが、2重量%を越え
ると吸水量が3.0cmを下回るので好ましくない。
【0011】該混合水分散溶液に、セルロース系織物を
含浸させた後、ローラーで絞り率80%に絞り、次いで
60〜170℃、好ましくは80〜160℃で乾燥熱処
理を行う。熱処理時間については、適宜設定することが
出来る。架橋剤としては、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル又はジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルが、安全性の高い点と通常の含浸,乾燥,キュア
リングで、乾湿ともにバランスの取れた防しわ性と防縮
性が得られる点で好ましい。処理液濃度は、所望の防し
わ性と防縮性に合せて適宜設定でき、通常は100〜2
50g/lの範囲で使用することが出来るが、3.3級
以上の所謂ノーアイロンレベルのW&W性を得るために
は、150〜200g/lの範囲で使用するのが好まし
い。一方、加工品の防しわ性の耐洗濯性は、架橋剤の処
理濃度が高い方が良好であるが、織物に用いられる素材
特有の風合いを残し且つ実用に耐える引裂き強力(緯)
である750g以上を保持させるには、架橋剤の処理濃
度は150〜200g/lの範囲で使用することが好ま
しい。
【0012】エポキシ系化合物の架橋触媒としては、酸
又はアルカリを使用できるが、一般には酸触媒例えばホ
ウフッ化亜鉛,ホウフッ化マグネシウム等の強酸性金属
塩が使用される。
【0013】架橋処理は、上述のウレタン系樹脂及び/
又はウレタンプレポリマーの変性物とシリコン系柔軟仕
上げ油剤を含浸熱処理をして付着させたセルロース系織
物を、該処理水溶液に浸漬含浸させ、ローラーで絞り率
80%で絞り、80〜120℃で乾燥処理後、150〜
170℃でキュアリングを行えば良い。又、熱処理時間
については、架橋反応が充分進行するに足りる時間であ
れば特に限定はなく、セルロース系織物の目付等により
適宜設定することが出来る。
【0014】次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥又仕上げ油剤処理等の仕上げ加工は、特に限定される
ものではなく、一般的に用いられている方法で行えば良
い。また、織物の白度を更に上げるために蛍光増白剤を
使用することもできるが、この場合は、通常の仕上げ加
工と同様に仕上げ油剤と同浴で所望の白度に応じて蛍光
増白剤を適量添加して処理すれば良い。本発明の方法、
即ち、セルロース系織物に、ウレタン系樹脂及び/又は
ウレタンプレポリマーの変性物とシリコン系柔軟仕上げ
油剤を含浸熱処理をして付着させた後、エポキシ化合物
のエチレングリコールジグリシジルエーテル又はジエチ
レングリコールジグリシジルエーテルで架橋処理するこ
とによって、従来達成することが出来なかった実用に耐
える引裂き強力を具備すると同時に、乾湿ともにバラン
スの取れた防しわ性と防縮性を有し、しかもセルロース
系繊維の持つ吸湿性と風合いを保持したW&W性に優れ
たセルロース系織物が得られる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を以て本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度は
以下の方法で試験した。
【0016】1)W&W性 JIS L1096−19
79 6.23 A法 タンブル乾燥 2)引裂き強力 JIS L1096−1979 6.
15.5 D法 3)吸水性試験 試料を幅3cm,長さ15cmに切り
取り、100mlのイオン交換水を入れた200mlの
ビーカーに、その先端5mmを垂直に1分間漬けた後取
りだし、更にガラス板上に1分間放置し充分水を吸上げ
させた後、この吸上げた高さを計測した。 4)風合い及び白度 5人の検査員よって官能検査で調
べ、次の基準で判定した。 5人全員良い;◎ 3人〜
4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;×
【0017】(実施例1)マーセライズ加工した幅50
cm,長さ10mの綿織物(目付:120g/m2 ,8
0番双糸,経緯密度133本×73本/in.)を準備
した。2重量%のシリコン系柔軟仕上油剤TX5−15
P(有効成分:34%,共栄社化学(株)製)を含む水
溶液に、ウレタン系樹脂であるUPM−211H(有効
成分20%,一方社油脂工業(株)製)を10重量%に
なるよう水に分散させて2重量%のウレタン系樹脂と
0.68重量%のシリコン系柔軟仕上げ油剤を含む水分
散混合溶液を得た。該水分散混合溶液に上述の綿織物を
浸漬し、ローラーで絞り率80%になるよう絞った。次
に、乾燥機にかけ80℃で8分間乾燥熱処理を行い、綿
織物にウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を固
着させた後、各2m長の5枚にわけた。又、これとは別
に上述の綿織物の無処理布も幅50cm×2m長の5枚
をコントロールとして準備した。
【0018】触媒として、ホウフッ化亜鉛を4重量%を
含む水溶液に、架橋剤として商品名デナコールEX−8
10(エポキシ当量:112,ナガセ化成工業(株)
製)を夫々100g/l,150g/l,175g/
l,200g/l,250g/l含むよう添加して5水
準の架橋処理液を調合した。
【0019】該架橋処理液に、上述のウレタン系樹脂と
シリコン系柔軟仕上げ油剤を固着させ2m長にした綿織
物と無処理のコントロール織物を、夫々1枚づつ浸漬し
架橋処理液を含浸させた後、ローラーで絞り率80%に
なるよう絞り、120℃で1分間乾燥処理後ベーキング
マシンにかけ、165℃で2分間キュアリングを行い、
架橋処理を施した。
【0020】次いで、商品名アデカノールTS−403
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で、架橋処理
した10枚の綿織物を夫々ソーピング後水洗乾燥し、蛍
光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和化工
(株)製)を0.3重量%含む水溶液に、仕上げ油剤の
商品名シリコーランAN−980S(有効成分:25
%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう添加
混合して、パッドドライヤーにて仕上げ加工して、試料
I−1,II−1,III −1,IV−1,V−1とコントロ
ール−I,II,III,IV,Vの10種を得た。これら試料の
W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べ
た結果を表1,表2に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1と表2から明らかなように、架橋処理
前にウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤で処理
した後、架橋剤濃度を150g/l〜200g/lの濃
度範囲に調整し架橋処理した綿織物は、W&W性,引裂
き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なものであ
った。又、架橋処理前にウレタン系樹脂とシリコン系仕
上げ油剤で処理しない場合は、引裂き強力が極端に低下
する。
【0024】(実施例2)マーセライズ加工した幅50
cm×長さ10mの綿/ポリノジック混紡糸製織物(混
紡率:綿45%/ポリノジック55%,60番単糸,経
緯密度:90本×88本/in.)を準備した。
【0025】ウレタン系樹脂UPM−211H(有効成
分:20%,一方社油脂工業(株)製)を15重量%と
アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤商品名シリコーランA
N−980S(有効成分:25%,一方社油脂工業
(株)製))を5重量%含むよう水に混合分散させて、
ウレタン系樹脂濃度が3重量%でアミノシリコン系柔軟
仕上げ油剤濃度が1.25重量%の混合分散液を調合
し、該分散液に上述の綿/ポリノジック混紡糸製織物を
浸漬し、ローラーで絞って絞り率80%ととし、80℃
で10分間乾燥熱処理を行った。
【0026】該綿/ポリノジック混紡糸製織物を仕上げ
油剤を商品名ソフミンSN−12(有効成分:20%,
ミヨシ油脂 (株) 製)の5重量%水溶液に変えて、他は
全て実施例1と同様に架橋処理等の処理をして、試料I
−2,II−2,III −2,IV−2,V−2を得た。これ
ら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度を調べた結果を表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】表3から明らかなように、ウレタン系樹脂
とアミノシリコン系柔軟仕上げ油剤を混合して用いれ
ば、架橋剤濃度が150〜200g/lの濃度範囲で架
橋処理した綿/ポリノジック混紡糸製織物は、W&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好な
もので有ることが判る。
【0029】(実施例3)経糸に綿糸,緯糸にポリノジ
ック糸を使用したマーセライズ加工した幅50cm×長
さ10mの交織織物(目付:100g/m2 ,50番単
糸,経緯密度:133本×73本/in.)を準備し
た。
【0030】シリコン系柔軟仕上げ油剤である商品名シ
リコンソフナー# 100(有効成分:25%,松本油脂
工業(株)製)を2重量%含む水溶液に、ウレタンプレ
ポリマーの変性物である商品名エラストロンC−52
(有効成分:15%,第一工業製薬(株)製)とウレタ
ン系樹脂である商品名アデカボンタイターHUX−26
0(有効成分:34%,旭電化工業(株)製)を夫々1
0重量%と7重量%になるよう混合して水に分散させ
て、シリコン系柔軟仕上げ油剤が0.5重量%とウレタ
ンプレポリマーの変性物が1.5重量%及びウレタン系
樹脂が2.38重量%の濃度で混合された分散液を調合
した。油剤0.5重量%,樹脂量3.88重量%で混合
された該混合分散液に、上述の交織織物を浸漬し、ロー
ラーで絞り率80%で絞って100℃で5分間乾燥し、
165℃で2分間キュアリングをして2m長の5枚に分
けた。
【0031】該処理織物を実施例1の架橋処理液で実施
例1と同様に処理し、仕上げ加工処理も実施例1と同様
にして、試料I−3,II−3,III −3,IV−3,V−
3を得た。これらの試料のW&W性,引裂き強力,吸水
性,風合い及び白度を調べた結果を表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】表4から明らかなように、ウレタン系樹脂
とウレタンプレポリマー変性物及びシリコン系柔軟仕上
げ油剤を混合して用いても、架橋剤濃度が150〜20
0g/lの濃度範囲で架橋処理した交織織物は、W&W
性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好な
ものであった。
【0034】(実施例4)漂白加工した幅50cm×長
さ10mのポリノジック織物(目付:120g/m2
50番単糸,経緯密度:130本×82本/in.)を
準備した。
【0035】シリコン系柔軟仕上げ油剤TX5−15P
(有効成分:34%,共栄社化学(株)製)を6重量%
含む水溶液に、ポリエーテル型ウレタン系樹脂である商
品名バイプレット−USV(BAYPRET−USV,
有効成分:28%,バイエル(株)製)を10重量%に
なるよう溶解させ、シリコン系柔軟仕上げ油剤2.04
重量%とウレタン系樹脂を2.8重量%含む水分散溶液
を得た。
【0036】該ウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ
油剤混合水分散液に、上述のポリノジック織物を浸漬
し、ウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を含浸
させた後、ローラーで絞り率80%で絞った後、100
℃で8分間乾燥し、165℃で2分間キュアリングをし
て各2m長5枚に分けた。該処理織物を実施例1の商品
名デナコールEX−810(エポキシ当量:112,ナ
ガセ化成工業(株)製)をジエチレングリコールジグリ
シジルエーテルである商品名デナコールEX−850
(エポキシ当量:121,ナガセ化成工業(株)製)に
かえた以外は、実施例1と同様の架橋処理液で処理し、
試料I−4,II−4,III −4,IV−4,V−4を得
た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合
い及び白度を調べた結果を表5に示した。
【0037】
【表5】
【0038】表5から明らかなように、ウレタン系樹脂
とシリコン系柔軟仕上げ油剤で前処理をおこない架橋剤
濃度が150〜200g/lの濃度範囲で架橋処理した
ポリノジック織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度ともに良好であった。
【0039】(実施例5)マーセライズ加工処理した幅
50cm×長さ2mの綿織物(目付:120g/m2
80番双糸,経緯密度:133本×73本/in.)
を、5枚準備した。
【0040】商品名シリコーランAN−980S(有効
成分:25%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含
むよう水に混合分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上
げ油剤が1.25重量%の水分散液を調合し、該水分散
液にウレタン系樹脂であるUPM−211H(有効成
分:20%,一方社油脂工業(株)製)を各0,3,
5,25,30重量%になるよう添加分散させて、アミ
ノシリコン系柔軟仕上げ油剤1.25重量%にウレタン
系樹脂が夫々0重量%,0.6重量%,1.0重量%,
5.0重量%,6.0重量%含む水分散液5水準を準備
した。該分散液に上述の綿織物を夫々1枚づつ浸漬し、
ローラーで絞り率80%で絞った。次に、乾燥機にかけ
80℃で8分間乾燥熱処理を行い、各2m長の5枚の綿
織物に夫々アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタン
系樹脂を固着させた。
【0041】触媒として、ホウフッ化亜鉛4重量%,架
橋剤として商品名デナコールEX810(エポキシ当
量:112,ナガセ化成工業(株)製)を175g/l
添加し架橋処理液を調合した。
【0042】該架橋処理液に、上述のアミノシリコン系
柔軟仕上げ油剤とウレタン系樹脂を固着させた各綿織物
を、夫々1枚づつ浸漬し架橋処理液を含浸させた後ロー
ラーで絞り率80%で絞り、120℃で1分間の乾燥処
理後ベーキングマシンにかけ165℃で1.5分間キュ
アリングを行い、架橋処理を施した。
【0043】次いで、商品名アデカノールTS−403
A(旭電化工業(株)製)1g/l水溶液で架橋処理し
た5枚の綿織物を夫々ソーピング後水洗し乾燥した。そ
して実施例1と同様の仕上げ加工を行い試料I−5,II
−5,III −5,IV−5,V−5を得た。これら試料の
W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べ
た結果を表6に示した。
【0044】
【表6】
【0045】表6から明らかなように、アミノシリコン
系柔軟仕上げ油剤1.25重量%を含みかつウレタン系
樹脂濃度が1重量%〜5重量%の濃度範囲で使用して樹
脂を付着後架橋処理した綿織物は、W&W性,引裂き強
力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なものであっ
た。
【0046】(実施例6)経糸に綿糸,緯糸にポリノジ
ック糸を使用し、マーセライズ加工処理した幅50cm
×長さ2mの交織織物(目付:100g/m2 ,50番
単糸,経緯密度:133本×73本/in.)を5枚準
備した。
【0047】商品名シリコーランAN−980S(有効
成分:25%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含
むよう水に分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上げ油
剤濃度が1.25重量%の水分散液を調合し、該水分散
液にウレタンプレポリマーの変性物である商品名エラス
トロンC−52(有効成分:15%,第一工業製薬
(株)製)とウレタン系樹脂である商品名アデカボンタ
イターHUX−260(有効成分:34%,旭電化工業
(株)製)を夫々2重量%+1重量%=3重量%,4重
量%+2重量%=6重量%,10重量%+5重量%=1
5重量%,14重量%+8重量%=22重量%,20重
量%+10重量%=30重量%になるよう水に分散させ
て、アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤を1.25重量%
含み且つウレタン系樹脂とウレタンプレポリマーの変性
物が合せて各0.64重量%,1.28重量%,3.2
重量%,4.82重量%,6.2重量%で混合された分
散液を5種類調合した。該混合分散液に、上述の交織織
物を夫々1枚づつ浸漬し、ローラーで絞り率80%で絞
って100℃で5分間乾燥し、更に165℃で1.5分
間キュアリングをして5種類の2m長の交織織物を得
た。
【0048】該処理織物を実施例5と同じ架橋処理液を
用い、実施例1と同様に仕上げ加工をして、試料I−
6,II−6,III −6,IV−6,V−6を得た。これら
試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度
を調べた結果を表7に示した。
【0049】
【表7】
【0050】表7から明らかなように、ウレタン系樹脂
とウレタンプレポリマーの変性物を混合して用いても、
合計濃度が1重量%〜5重量%の範囲で使用して樹脂を
付着後架橋処理した交織製織物は、W&W性,引裂き強
力,吸水性,風合い及び白度ともに良好ものであった。
【0051】(実施例7)上述の実施例6においては、
商品名シリコーランAN−980S(有効成分:25
%,一方社油脂工業(株)製)を5重量%含むよう水に
分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上げ油剤濃度が
1.25重量%の水分散液を調合したがこれを10重量
%含むよう水に分散させて、アミノシリコン系柔軟仕上
げ油剤濃度を2.5重量%含むように代えた以外は、全
て実施例6と同様に処理して試料I−7,II−7,III
−7,IV−7,V−7を得た。これら試料のW&W性,
引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果を表
8に示した。
【0052】
【表8】
【0053】表8から明らかなように、ウレタン系樹脂
とウレタンプレポリマーの変性物を混合して用い、合計
濃度が1重量%〜5重量%の範囲であっても、アミノシ
リコン系柔軟仕上げ油剤濃度が2.0重量%を越える
と、架橋処理した交織織物は、W&W性,引裂き強力,
吸水性,風合い及び白度は満足なものであったが吸水性
に劣る。
【0054】
【発明の効果】本発明のセルロース系織物の形態安定加
工方法は前記構成をとるものであり、セルロース系織物
に、シリコン系柔軟仕上げ油剤とウレタン系樹脂及び/
又はウレタンプレポリマーの変性物を含浸熱処理して付
着させた後、エポキシ化合物、特に好ましくはエチレン
グリコールジグリシジルエーテル又はジエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルで架橋処理するものであるた
め、従来の加工法により得られたセルロース系織物の形
態安定加工品に比べて、高いW&W性を具備すると同時
に、実用に耐えるに充分な引裂き強力を有している。
又、架橋処理を非ホルムアルデヒド系架橋剤であるエポ
キシ化合物で行なうため、安全性が極めて高い。従っ
て、本発明の加工法で加工したセルロース系織物は、ワ
イシャツや制服等のユニホーム,病院用ベッドシーツ、
及び白衣等の衛生材料,シーツ,フトンカバー等の寝装
材料等の素材として好適に使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系織物を、ウレタン系樹脂及
    び/又はウレタンプレポリマーの変性物とシリコン系柔
    軟仕上げ油剤とよりなる混合水分散液に含浸熱処理を
    し、該樹脂を付着させた後、エポキシ化合物で架橋処理
    することを特徴とするセルロース系織物の形態安定加工
    方法。
  2. 【請求項2】 ウレタンプレポリマーの変性物が、カル
    バモイル・スルホネート基で変性されたウレタンプレポ
    リマーであることを特徴とする請求項第1項記載のセル
    ロース系織物の形態安定加工方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物が、エチレンジグリシジ
    ルエーテル又はジエチレンジグリシジルエーテルである
    ことを特徴とする請求項第1項記載のセルロース系織物
    の形態安定加工方法。
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JPS5291993A (en) * 1976-01-24 1977-08-02 Shikibo Ltd Modification of cellulosic fiber
JPH04249151A (ja) * 1991-02-05 1992-09-04 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 処理方法

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