JP4837996B2 - 撥水撥油性セルロース系繊維構造物 - Google Patents

撥水撥油性セルロース系繊維構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP4837996B2
JP4837996B2 JP2006009206A JP2006009206A JP4837996B2 JP 4837996 B2 JP4837996 B2 JP 4837996B2 JP 2006009206 A JP2006009206 A JP 2006009206A JP 2006009206 A JP2006009206 A JP 2006009206A JP 4837996 B2 JP4837996 B2 JP 4837996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber structure
water
cellulosic fiber
polymer compound
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006009206A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007191809A (ja
Inventor
崇史 三崎
克美 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiren Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiren Co Ltd filed Critical Seiren Co Ltd
Priority to JP2006009206A priority Critical patent/JP4837996B2/ja
Publication of JP2007191809A publication Critical patent/JP2007191809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4837996B2 publication Critical patent/JP4837996B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

本発明は、洗濯及びドライクリーニング時、特に着用時の摩擦などに対し、耐久性のある撥水撥油の耐久性を有するセルロース系繊維構造物及びその製造法に関する。
従来、布帛等の繊維構造物に高度の撥水撥油性を与える方法として、フッ素系化合物よりなる撥水撥油加工剤を付与し繊維表面に撥水撥油剤皮膜を形成させる方法が行われている。しかし、これらの加工剤皮膜は脆く、さらには繊維に対する接着性が乏しいため、洗濯及びドライクリーニング時、さらには着用時の布帛同士及び布帛と他の物体との摩擦などにより、加工剤皮膜が繊維より簡単に脱落し撥水撥油性能が大幅に低下する問題があった。
特に撥水性に関しては、セルロース系繊維などの親水性繊維では耐久性が悪く、これらを改善するものとして以下の様な提案がなされている。例えば、特許文献1には、活性水素基を含むフッ素系撥水撥油加工剤にブロックイソシアネート系架橋剤を混合する方法が開示され、また、特許文献2には、水系のフッ素系撥水撥油剤で処理後に溶剤系のフッ素系撥水撥油加工剤で処理する方法が開示され、特許文献3には、セルロース系繊維の活性水素基と反応する化合物によって架橋、又は充填し、フッ素系撥水撥油剤とブロックイソシアネート系架橋剤との反応物被膜で被覆する方法が提案されている。しかし、従来の撥水撥油加工方法においては、洗濯耐久性、ドライクリーニング耐久性は満足できるレベルのものもあったが、実際の衣料に要求される実用的な耐久性能である摩耗耐久性が不十分だった。
特開昭54−133468号公報 特開昭60−151380号公報 特許第368100号公報
本発明は、セルロース系繊維構造物に対して、従来では得られなかった、耐久性を付与してなる撥水撥油性セルロース系繊維構造物及びその製造法に関するものである。
通常、セルロース系繊維構造物を直接染料、或いは、反応染料で染色した後に、カチオン系高分子化合物で処理し、湿潤堅牢度を向上させる事が一般に行われている。しかし、カチオン系高分子化合物で処理したセルロース系繊維構造物に、フッ素系撥水撥油剤を付与しても耐久性のある撥水撥油性のあるものは得られない。本発明者らは、カチオン系高分子化合物を使用することにより、耐久性が落ちる原因について鋭意検討した結果、フッ素系撥水撥油剤が通常、中性〜酸性であることから、カチオン系高分子化合物とイオン的に反発することを見出した。
そこで、本発明者らは、セルロース系繊維からなる構造物にカチオン系高分子化合物を付与した後アニオン系高分子化合物を付与し、フッ素系撥水撥油加工剤を付与する必要があると考え、本発明に至った。
即ち本発明は、第1に、セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物を付与し、次にアニオン系高分子化合物を付与した後、フッ素系撥水撥油加工剤を付与することを特徴とし、セルロース系繊維構造物が形態安定処理されてなる撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物の製造方法である。
また第に、形態安定処理が、活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ化合物での処理であることを特徴とする上記のセルロース系繊維構造物の製造方法である。
また第に、アニオン系高分子化合物が、平均分子量1500〜75000のポリフェノール化合物を含む上記のセルロース系繊維構造物の製造方法である。
また第に、セルロース系繊維構造物がマーセル化処理されてなることを特徴とする上記のセルロース系繊維構造物の製造方法である。
また第に、セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物およびアニオン系高分子化合物を介してフッ素系撥水撥油加工剤が付与されてなり、セルロース系繊維構造物が形態安定処理されてなる撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物である。
また第6に、形態安定処理が、活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ化合物での処理であることを特徴とする上記のセルロース系繊維構造物である。
また第7に、撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物が、JIS L 1076−1992のC法によるアピアランス・リテンション形試験機にて湿潤状態でJIS L 0823−1992(染色堅牢度試験用添付白布)の綿3号で摩擦試験を30回行った時に撥水性の評価で3級以上であることを特徴とする上記のセルロース系繊維構造物である。
本発明の撥水撥油性セルロース系繊維は、カチオン性高分子化合物及びアニオン性高分子化合物を介してフッ素系撥水撥油剤を付与してあるので、従来のものと比較して、洗濯及び着用時の摩擦などに対する耐久性が格段に優れている。また、新規の設備を必要とせず従来から使用されている設備を用いて加工することができる。
本発明のセルロース系繊維構造物の処理方法では、まず、カチオン系高分子化合物、及び水系媒体を含む処理剤を繊維構造物に付与する。カチオン系高分子化合物としては、いわゆるセルロース用フィックス剤として用いられる公知の化合物を用いることができ、ジシアン系フィックス剤、ポリアミン系フィックス剤、ポリカチオン系フィックス剤などが好ましいカチオン系高分子化合物として挙げられる。ジシアン系フィックス剤としては、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ポリアミン系フィックス剤としては、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物、ポリカチオン系フィックス剤としては、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・二酸化硫黄共重合物、ジアリルアミン塩重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩重合物、ジアルキルアミノエチルアクリレート四級塩重合物などが挙げられる。
水系媒体としては、水または水溶性有機溶媒との混合物が挙げられるが、水のみが好ましい。
カチオン系高分子化合物による処理方法としては、吸着を確実に行える点から、吸尽法が好ましい。吸尽法における浴比、すなわちセルロース系繊維構造物に対する処理浴の重量比(セルロース系繊維:処理浴)は1:10〜1:50が好ましく、より好ましくは1:15〜1:35の範囲である。処理浴の重量比が10未満ではカチオン系高分子化合物の付着斑が起こりやすく、50を超えるとカチオン系高分子化合物がセルロース系繊維構造物と十分に反応せず、次の工程で使用するアニオン系高分子化合物があまり付与せず耐久性を発現しないおそれがある。処理温度としては30〜80℃が好ましく、より好ましくは40〜70℃の範囲である。30℃未満ではカチオン系高分子化合物の反応が不十分となり、80℃を超えるとカチオン系高分子化合物の反応速度が速すぎるため反応斑等が起こり十分な効果を発現しにくい。処理時間は通常1〜80分間であり、好ましくは5〜50分間である。
また、水系溶媒中の該カチオン系高分子化合物(有効成分)の使用量は、基質のセルロース系繊維構造物重量に対して0.2〜20%owfが好ましく、より好ましくは1〜10%owfである。カチオン系高分子の使用量が0.2%owf未満であると、次の工程で使用するアニオン系高分子があまり付与せず耐久性を発現しないおそれがあり、20%owfより多いと風合いが硬くなるおそれがある。
セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物を付与した後に、過剰に付与されたカチオン系高分子化合物を除去しておくことが好ましい。除去方法としては、通常の場合、水洗による方法が用いられる。
本発明においては、セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物を付与する前に、セルロース繊維構造物をマーセル化しておくことが好ましい。マーセル化は、高濃度アルカリ、例えば苛性ソーダ、有機アミン、アンモニア、第4級アンモニウム塩類などの1種、又は2種以上の混合液中で緊張下にセルロース系繊維を処理する工程である。例えば、セルロース系繊維は、濃厚な苛性ソーダ溶液中で膨潤することで断面積が増加するとともに円形に近くなる。セルロース系繊維の結晶形はこの処理で、天然セルロースの結晶形Iからアルカリの付加したNa−セルロースI及びIIを経て、脱アルカリによりセルロースIIの構造に変化する。セルロース系繊維が膨潤、可塑化している状態で、タテ及びヨコに張力を加えることにより、寸法の安定性が保たれる。また、膨潤した状態で張力が加わるので、配向度が高くなり、強度が増加する。撥水撥油性の低下は摩擦によりセルロース系繊維のフィブリル化が原因であったが、マーセル化により、形態が安定し、フィブリル化が減少し撥水撥油性の耐久性が向上する。
また、本発明においては、セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物を付与する前に、反応染料、直接染料などの染料で染色することもできる。
次に、カチオン系高分子化合物が付与されたセルロース系繊維構造物にアニオン系高分子水溶液を付与する。アニオン系高分子化合物は、分子内に陰イオン性残基を1個以上とベンゼン環を2個以上有する化合物が好ましく用いられる。陰イオン性残基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基などが挙げられる。アニオン系高分子化合物の陰イオン性残基が、カチオン系高分子化合物の陽イオン性残基とイオン吸着するものと考えられる。アニオン系高分子化合物の同一分子内の陰イオン性残基は1種類であっても2種類以上であってもよい。
該アニオン系高分子化合物の分子量は、平均分子量500〜75000が好ましく、1500〜73000がより好ましい。平均分子量75000より大きいと、繊維状に吸着しにくくなる。又は、風合いが硬くなるおそれがある。一方、平均分子量500より小さいと、親水性が強くなりすぎる傾向があるため、撥水性を阻害するおそれがある。
上記のアニオン系高分子化合物としては、いわゆるナイロン用合成フィックス剤として用いられる公知の化合物を用いることができる。アニオン系合成フィックス剤としては、フェノールスルホン酸ホルマリン重縮合物、チオフェノールホルマリン重縮合物、ビスフェノールSスルホンホルマリン重縮合物などが挙げられる。
撥水性発現のメカニズムは、ナイロン用フィックス剤の親水性基が、カチオン系高分子化合物に吸着することで疎水部が表面に現れ、次の工程で使用するフッ素系撥水撥油加工剤のパーフルオロアルキル基の配列を好ましい状態で維持する効果があると考えられる。また、水系媒体としては、水または水溶性有機溶媒との混合物が挙げられるが、水のみが好ましい。
アニオン系高分子化合物による処理方法としては、吸着を確実に行える点から、吸尽法が好ましい。吸尽法における浴比、すなわちセルロース系繊維構造物に対する処理浴の重量比(セルロース系繊維:処理浴)は1:10〜1:50が好ましく、より好ましくは1:15〜1:35の範囲である。処理浴の重量比が10未満ではアニオン系高分子化合物の付着斑が起こりやすく、50を超えるとアニオン系高分子化合物がカチオン系高分子化合物と十分に反応せず、次の工程で使用するフッ素系撥水撥油加工剤とイオン的に反発するおそれがある。処理温度としては50〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃の範囲である。50℃未満ではアニオン系高分子化合物の反応が不十分となり、100℃を超えるとアニオン系高分子化合物の反応速度が速すぎるため反応斑等が起こり十分な効果を発現しにくい。処理時間は通常1〜80分間であり、好ましくは5〜50分間である。
また、水系溶媒中の該アニオン系高分子化合物(有効成分)の使用量は、基質のセルロース系繊維構造物重量に対して0.2〜20%owfが好ましく、より好ましくは1〜10%owfである。アニオン系高分子化合物の使用量が0.2%owf未満であると、次の工程で使用するフッ素系撥水撥油加工剤とイオン的に反発するおそれがあり、20%owfより多いと風合いが硬くなるおそれがある。
上記の処理液には、アニオン系高分子化合物以外の他の成分を配合することもできる。添加成分としては加工浴のpHを調製し、カチオン系高分子化合物への吸着を促進する目的で、酢酸、ギ酸などの有機酸を含有させてもよい。
アニオン系高分子化合物を付与した後に、過剰に付与されたアニオン系高分子化合物を除去しておくことが好ましい。除去方法としては、通常の場合、水洗による方法が挙げられる。水洗が不充分であると処理液中の微粒子が凝集、沈殿などを発生したり、撥水性発現効果を阻害する。また、必要に応じてフッ素系撥水撥油剤を付与する前に、セルロース系繊維構造物を乾燥させておくことが好ましい。
次に、アニオン系高分子化合物を付与したセルロース繊維構造物にフッ素系撥水撥油加工剤を付与する。フッ素系撥水撥油加工剤としては、フッ素を含有する各種の有機系樹脂を用いることができるが、特に、パーフルオロアルキル基を含有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アルキルアクリルアミド、アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン等の不飽和モノマーの重合物、あるいは上記パーフルオロアルキル基含有不飽和モノマーとアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、マレイン酸エステル、ポリオキシエチレン基含有不飽和モノマーなどのパーフルオロアルキル基を含有しない不飽和モノマーとの共重合体が好ましい。これらは、単独で使用されても二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、皮膜強度の向上、接着性を改善する目的で、N−メチロール化合物、ケトン樹脂、アセタール樹脂、イソシアネート系化合物、エポキシ樹脂などを併用してもよい。特に、皮膜強度、風合いの面から、イソシアネート系化合物が好ましい。フッ素系撥水撥油加工剤の濃度は、フッ素系撥水撥油加工剤の種類などに応じて調整し得るが、水溶液では1〜25重量%の濃度とすることが好ましい。フッ素系撥水撥油加工剤の濃度が1重量%未満であると、十分な撥水性を付与しにくくなり、一方25重量%を超えると風合いが硬くなったり、チョークマークやクラックマークなどが発生し易くなる。
さらに、繊維表面の摩擦を低減させる目的及び加工後の風合いを改善するために、シリコーン系、脂肪族系の平滑剤及び柔軟剤なども併用できる。これらの化合物は、撥水撥油性、風合いを損なわない範囲内で使用するのが好ましく、セルロース系繊維への付与量は繊維重量に対して通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
フッ素系撥水撥油加工剤をセルロース系繊維構造物に付与する方法としては、捺染法、吸尽法、パディング法、コーティング法、スプレー法等が利用できる。これらの中でも、処理の簡便性の点からパディング法が好ましい。
また、本発明においては、アニオン系高分子化合物を付与する前に樹脂加工し摩擦によるフィブリル化を抑えておく方が好ましい。具体的には、セルロース系繊維が持つ活性水素基を、架橋反応性化合物を用いて、繊維内部あるいは繊維表面で架橋することが好ましい。具体的には、活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ架橋反応性化合物を繊維内部に浸透させ、あるいは繊維表面に付与し熱処理などにより架橋硬化させる。
活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ化合物としてはホルマリン、N−メチロール化合物、ケトン樹脂、アセタール樹脂、イソシアネート系化合物、エポキシ樹脂、グリオキザール樹脂、活性ビニル化合物、ポリカルボン酸化合物などが利用できる。これらの中でもエポキシ樹脂、グリオキザール樹脂が好ましい。
本発明でいうセルロース系繊維構造物とは、綿、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセルなどのセルロース系繊維を含む繊維、糸、織物、編物、不織布をいい、これらはセルロース系繊維以外の天然繊維、合成繊維、再生繊維等の他の繊維との混合物であっても差し支えない。
本発明で得られる撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物は、JIS L 1076−1992のC法によるアピアランス・リテンション形試験機にて湿潤状態でJIS L 0823−1992(染色堅牢度試験用添付白布)の綿3号で摩擦試験を30回行った時に撥水性の評価で3級以上を示す。
[実施例]
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例によって本発明は何等制限されるものではない。
[評価方法]
(洗濯試験)
撥水撥油加工後の加工布をタテ×ヨコ:20cm×20cmの正方形に切り取り、JIS L0217 103法により連続して洗濯を行った。
(摩耗試験)
撥水撥油加工後の加工布をタテ×ヨコ:20cm×20cmの正方形に切り取り、JIS L 1076C法に準じアピアランス・リテンション形試験機を用いて、下記の条件で試験を行った。なお、摩耗試験を過酷にするために、下部ホルダーに蒸留水で湿潤したJIS L 0823の綿3号を用いた。
アピアランス・リテンション形試験機:東洋精機社製T−13
生地:上部ホルダー 加工布
下部ホルダー 湿潤綿布
押圧荷重:2.5N
(撥水性評価方法)
撥水性評価方法JIS L1092法のスプレー試験により、撥水撥油加工後の加工布の初期及び洗濯試験、摩耗試験後の試料の撥水性を評価した。
撥水性の評価は、表1に基づいて行った。
Figure 0004837996
(撥油性評価方法)
撥油性評価方法A.A.T.C.C標準試験法118−1983により、撥水撥油加工後の加工布の初期及び洗濯試験、摩耗試験後の試料の撥油性を評価した。
撥油性の評価は、表2の各種の油に対する耐性に基づいてい行った。
Figure 0004837996
精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色した綿のツイル織物(80/2×80/2−185×95本/インチ)を用い、下記に示す処方1の前処理加工浴に浴比1:20で50℃で10分間浸漬し、その後乾燥した。次に、下記に示す処方2の前処理工程浴に浴比1:20で80℃で15分間浸漬し、その後乾燥した。最後に、処方3からなる撥水撥油浴をパッド処理(絞り率:70%)した後、130℃で90秒間乾燥後、170℃で60秒間熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
処方1
ポリカチオン系フィックス剤(カチオン系高分子化合物) 1g/L
(日華化学(株)製 ネオフィックスR−800コンク)
処方2
アニオン系合成フィックス剤(アニオン系高分子化合物)
(オー・ジー(株)製 SZ9904) 1.5g/L
硫安(東亜合成(株)製) 3g/L
酢酸(日本酢ビ・ポパール(株)製) 0.5cc/L
処方3
フッ素系撥水撥油剤(旭硝子(株)製 アサヒガード AG−950) 8重量%
ブロックイソシアネート架橋剤(明成化学(株)製 メイカネートMF) 1重量%
精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色した実施例1と同じ綿のツイル織物を用い、処方1からなる前処理加工浴に浴比1:20で50℃、10分間浸漬し、その後乾燥した。次に、処方4の前処理加工浴に浴比1:20でパッド処理(絞り率70%)した後、130℃で90秒乾燥後、150℃で120秒間熱処理を行い、70℃で10分間湯洗を行った。次に、処方2の前処理工程浴に浴比1:20で80℃、15分間浸漬し、その後乾燥した。最後に、処方3の撥水撥油浴をパッド処理(絞り率:70%)した後、130℃で90秒間乾燥後、170℃で60秒間熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
処方4
ジエチレングリコールジクリシジルエーテル(形態安定処理の
エポキシ樹脂) 6重量%
(共栄社化学(株)製 エポライト100E)
テトラフルオロホウ酸マグネシウム、ホウフッ化マグネシウム 6重量%
(ユニオン化学社製ユニカカタリストG35P)
緩衝液(ユニバッファーAG−22) 2.4重量%
[比較例1]
実施例1と同じ綿のツイル織物を、精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色し、処方3の撥水撥油浴をパッド処理(絞り率:70%)した後、130℃で90秒間乾燥後、170℃で60秒間熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
[比較例2]
精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色した実施例1と同じ綿のツイル織物を用い、処方4の前処理加工浴に浴比1:20でパッド処理(絞り率70%)した後、130℃で90秒乾燥後、150℃で120秒間熱処理を行い、70℃で10分間湯洗を行った。さらに、処方3の撥水撥油浴をパッド処理(絞り率:70%)した後、130℃で90秒間乾燥後、170℃で60秒間熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色した実施例1と同じ綿のツイル織物を用い、実施例1と同じ処方1での処理、処方2での処理を行った。次に、処方5の撥水撥油加工剤水溶液を起泡装置により約13倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて片面に約15g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で90秒間乾燥後、160℃で45秒間硬化処理を行った。次に、吸水剤水溶液(チバ・スペシャルティケミカルズ社製CYBERFIT TFC−1)8重量%をキスロール方式で、反対の面に、約38g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で90秒間乾燥後、150℃で45秒間の熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
処方5
フッ素系撥水撥油剤(旭硝子(株)製 アサヒガードAG−950) 8重量%
ブロックイソシアネート架橋剤(明成化学(株)製 メイカネートMF) 1重量%
起泡剤(明成化学(株)製 非イオン界面活性剤 メイフォーマーF−210)
0.5重量%
[比較例3]
精練、漂白、マーセル化、反応染料で染色した実施例1と同じ綿のツイル織物を用い、処方5の撥水撥油加工剤水溶液を起泡装置により約13倍に起泡させ、ロータリープリント方式にて片面に約15g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で90秒間乾燥後、160℃で45秒間熱処理を行った。次に、吸水剤水溶液(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製 CYBE RFIT TFC−1)8重量%をキスロール方式で、反対の面に、約38g/mの塗布量で塗布した。その後、120℃で90秒間乾燥後、150℃で45秒間の熱処理を行い、撥水撥油性を有する布帛を得た。評価結果を表3および4に示す。
Figure 0004837996
Figure 0004837996

Claims (7)

  1. セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物を付与し、次にアニオン系高分子化合物を付与した後、フッ素系撥水撥油加工剤を付与することを特徴とし、セルロース系繊維構造物が形態安定処理されてなる撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物の製造方法。
  2. 形態安定処理が、活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ化合物での処理であることを特徴とする請求項記載のセルロース系繊維構造物の製造方法。
  3. アニオン系高分子化合物が、平均分子量1500〜75000のポリフェノール化合物を含む請求項1または2記載のセルロース系繊維構造物の製造方法。
  4. セルロース系繊維構造物がマーセル化処理されてなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のセルロース系繊維構造物の製造方法。
  5. セルロース系繊維構造物にカチオン系高分子化合物およびアニオン系高分子化合物を介してフッ素系撥水撥油加工剤が付与されてなり、セルロース系繊維構造物が形態安定処理されてなる撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物。
  6. 形態安定処理が、活性水素基と反応する反応基を2個以上持つ化合物での処理であることを特徴とする請求項5記載のセルロース系繊維構造物。
  7. 撥水撥油性に優れたセルロース系繊維構造物が、JIS L 1076−1992のC法によるアピアランス・リテンション形試験機にて湿潤状態でJIS L 0823−1992(染色堅牢度試験用添付白布)の綿3号で摩擦試験を30回行った時に撥水性の評価で3級以上であることを特徴とする請求項5または6記載のセルロース系繊維構造物。
JP2006009206A 2006-01-17 2006-01-17 撥水撥油性セルロース系繊維構造物 Expired - Fee Related JP4837996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009206A JP4837996B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 撥水撥油性セルロース系繊維構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009206A JP4837996B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 撥水撥油性セルロース系繊維構造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007191809A JP2007191809A (ja) 2007-08-02
JP4837996B2 true JP4837996B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=38447730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006009206A Expired - Fee Related JP4837996B2 (ja) 2006-01-17 2006-01-17 撥水撥油性セルロース系繊維構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4837996B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5603067B2 (ja) * 2009-12-28 2014-10-08 東レ株式会社 繊維構造物およびその製造方法、ならびにそれを用いて構成される被服
JP6396684B2 (ja) * 2014-06-03 2018-09-26 セーレン株式会社 撥水撥油性ポリエステル繊維構造物およびその製造方法
JP7064083B2 (ja) * 2017-10-02 2022-05-10 ダイワボウレーヨン株式会社 撥水性再生セルロース繊維、その製造方法及びそれを含む繊維構造物
KR20200077140A (ko) * 2018-12-20 2020-06-30 주식회사 쇼미미디어앤트레이딩 방수 원단 제조방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5615471A (en) * 1979-07-12 1981-02-14 Toyo Boseki Antiistain processing method of cellulosic fiber product
JP2852494B2 (ja) * 1994-09-13 1999-02-03 富士紡績株式会社 セルロース系織物の形態安定加工方法
JP3752713B2 (ja) * 1995-11-29 2006-03-08 旭硝子株式会社 摩擦耐久性の高い繊維処理方法
JP4366644B2 (ja) * 2003-10-17 2009-11-18 東洋紡績株式会社 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007191809A (ja) 2007-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7713891B1 (en) Flame resistant fabrics and process for making
US8012890B1 (en) Flame resistant fabrics having a high synthetic content and process for making
JP4185593B2 (ja) ポリエステル/レイヨン混紡又は交織物の撥水、撥油、防汚及び抗菌加工方法
JP4837996B2 (ja) 撥水撥油性セルロース系繊維構造物
KR101037810B1 (ko) 면섬유의 방염ㆍ 발수ㆍ 항균가공방법
JP2002525451A (ja) テキスタイル仕上げ方法
JP2010144279A (ja) 模様のあるデニム製品及びその製造方法
JP6358803B2 (ja) 織物製品
US7037441B2 (en) Durable press cellulosic fibrous substrates with improved physical properties
JP2012153996A (ja) ウォッシャブル性及び撥水性を有する獣毛糸の製造方法
JP2009007680A (ja) デニム生地及びその色落ち防止加工方法
WO1995018258A1 (fr) Procede de traitement de produits textiles et produits textiles ainsi traites
JPH0559669A (ja) 防汚撥水性布帛の製造方法
JP4195679B2 (ja) 表面が平滑な綿繊維製品の製造方法
JP2008255527A (ja) 撥水撥油性繊維構造物およびその製造方法
JPH08134780A (ja) 羊毛繊維の撥水撥油加工方法
JP7501694B2 (ja) 防汚性繊維構造物
US20230167602A1 (en) Method for the Production of a Microporous Polymer Coated Fabric
JP2010144277A (ja) デニム製品及びその製造方法
JP2534216B2 (ja) 高耐久性撥水撥油加工品の通気性減少方法
JPS62141177A (ja) 油汚れ防止性繊維構造物およびその製造法
KR20000033845A (ko) 내 드라이크리닝성이 우수한 코팅 포지의 제조방법
JP2000096442A (ja) セルロース系繊維布帛の加工方法
KR100635862B1 (ko) 심색을 갖는 폴리에스테르 염색원단의 제조방법
KR100476538B1 (ko) 발수내구성과 대전방지성이 우수한 폴리에스터직물의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110929

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4837996

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees