JP5603067B2 - 繊維構造物およびその製造方法、ならびにそれを用いて構成される被服 - Google Patents

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Description

本発明は、着用および使用時の保水量が少なく、水切れ性に優れたポリアミド含有繊維構造物に関する。
従来から、織編物の水切れ性を良好にするために、織編物に撥水加工を施すことが行われている。しかし、被服の着用時や使用時等を想定した、織編物を引き伸ばした状態における撥水性能や保水率を考慮した工夫は行われてこなかった。特許文献1においては、面積空隙率45%以下で、且つ撥水加工された繊維構造物が低水濡れ性に優れるという報告がなされているが、これは非伸長状態での含水率に基づくものにすぎない。
また、特許文献2には、ジハロゲノトリアジン系化合物をナイロンに付与した後、撥水加工を施す方法が記載されているが、薬剤が高価であることに加え、実着用や実使用を想定した撥水性能や保水性については報告されていない。
また、特許文献3には、ポリアミドを含む繊維に合成タンニン酸を吸尽した後、フッ素系撥水剤と架橋性樹脂を付与する耐久性に優れた撥水加工が記載されているが、着用を想定した引き伸ばされた状態での撥水性能や保水率を考慮した工夫は行われていない。
実際、水着やウエットスーツ、ウインドブレーカー、ライダースーツ、スキーウエアなど着用中に引き伸ばされる被服においては、撥水加工が施されたものであっても、水中や雨天屋外での着用中に、織編物の内部へ水が浸透し保水する問題があった。このため、着用状態でも低保水性や水切れ性に優れ、且つ耐久性を有するものが求められていた。
特開2002−294563号公報 特開2005−281952号公報 特開平8−199476号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、着用時や使用時のように張力がかかった状態でも、保水率が小さく水切れ性に優れ、且つ耐久性に優れる繊維構造物を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る繊維構造物は、ポリアミド系繊維を60重量%以上含有する繊維構造物に、ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%と、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%と、ホルムアルデヒド5〜15重量%とを反応させてなる縮合体を、その有効成分が40重量%になるように水で希釈調製した水溶液を、繊維構造物に対する重量対比で5〜20%の使用量にて付与した後、さらにフッ素系撥水処理剤を付与してなることを特徴とするものである。
本発明の繊維構造物によれば、張力が加えられた状態における保水率が低く抑えられ水切れ性に優れているので、被服製品として着用または使用する際にも十分な水切れ性能を発揮させることが可能となる。
ポリアミド系繊維を含む繊維構造物に、染料の固着を目的として染色加工後、天然タンニン酸または合成タンニン酸を付与することは従来より行われてきた。また、ポリアミド系繊維を含む繊維構造物の撥水加工を行う際、当該加工の前に天然タンニン酸または合成タンニン酸を付与することにより撥水性を向上させる例が報告されているが、タンニン酸の使用量は、染料固着を目的とする使用量と同範囲の繊維重量対比0.5〜3重量%であった。
本発明の繊維構造物の撥水加工前において、合成タンニン酸の中でもフェノール樹脂をアルカリ触媒で反応させたレゾール型のタンニン酸を付与することが好ましく、ジヒドロキシジフェニルスルホンとフェノールスルホン酸ソーダおよびホルムアルデヒドを反応させた縮合体を付与する。また、その縮合体の成分構成は、ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%、ホルムアルデヒドを5〜15重量%の割合で反応させた縮合体である。所定の反応組成からなる縮合体を繊維構造物に付与する時は、縮合体を有効成分40重量%になるように水で希釈調製した水溶液を繊維構造物の重量対比5〜20重量%使用する。
本発明において、繊維構造物のフッ素系撥水処理を行う時、メラミン樹脂と多官能ブロックドイソシアネートを併用することが好ましい。メラミン樹脂としては、トリメチロールメラミンやヘキサメチロールメラミン等の各種メラミンが適用可能であり、多官能ブロックドイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の、分子中に2個以上のブロックドイソシアネート官能基を含む有機化合物が適用可能である。このようなメラミン樹脂と多官能ブロックドイソシアネートをフッ素系撥水処理剤と併用することにより、上述の水切れ性能に対し十分な耐久性を付与することができる。
本発明の繊維構造物は、水中50分間浸漬直後の保水率が40%以下であるものであることが好ましい。本指標は品質管理に有効であり、繊維構造物の水切れ性能を一定に保つ上で好ましく使用される。
また、本発明の繊維構造物は、ポリウレタン弾性糸を含有することが好ましい。繊維構造物がポリウレタン弾性糸を含有することにより、水着等のように高い伸長性が要求される被服の材料として用いられる場合においても、繊維構造物の品質を確保することが可能となる。
本発明に係る繊維構造物を用いて、水着、ウエットスーツ、ライダーウエア、ウインドブレーカー、トレッキングウエア、雨衣、スキーウエア、またはおむつカバーを構成することが可能である。これらの被服においては、着用または使用時に比較的大きな張力がかかることがあるので、本発明に係る繊維構造物の有する水切れ性能の引っ張り特性を効果的に利用することが可能である。
さらに、本発明に係る繊維構造物の製造方法は、ポリアミド系繊維を60重量%以上含有する繊維構造物に、ジヒドロキシジフェニルスルホンと、フェノールスルホン酸ソーダと、ホルムアルデヒドとを反応させてなる縮合体をその有効成分が40重量%になるように水で希釈して調製した水溶液を、繊維構造物に対し重量対比で5〜20%使用して浴中処理にて付与した後、さらにフッ素系撥水処理剤をパディング処理にて付与することを特徴とする方法からなる。より具体的には、上記縮合体は、ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%、ホルムアルデヒドを5〜15重量%で反応させた縮合体である。ナイロン繊維にフッ素系撥水処理剤を付与して撥水加工を行う際、有効な水切れ性能を発現させるためには、フッ素系撥水処理剤を均一に塗布することが重要である。所定の反応組成からなるレゾール型合成タンニン酸の縮合体を撥水加工前に、染料固着を目的とした使用量以上の5〜20重量%の使用量で処理することにより、フッ素系撥水処理剤が均一に且つ強固に付着するものである。このように、ポリアミド系繊維からなる繊維構造物に所定の水溶液を付与する工程と、さらにフッ素系撥水処理剤を付与する工程を設けることで、より好ましい水切れ性能を備えた繊維構造物を製造することが可能となる。
本発明に係る繊維構造物およびその製造方法ならびにそれを用いて構成される被服によれば、着用時や使用時のような張力がかかった状態でも保水が少なく水切れ性に優れた製品を提供することができる。
本発明は、前記課題つまり着用および使用時の張力がかかった状態でも保水が少なく水切れ性に優れた繊維構造物について鋭意検討した結果、ポリアミド系繊維を60重量%以上含む繊維構造物に、ジヒドロキシジフェニルスルホンと、フェノールスルホン酸ソーダと、ホルムアルデヒドとを反応させた縮合体の水溶液を繊維構造物の重量対比5〜20%の使用量にて付着させた後、撥水加工を行うことで、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の一実施態様において、ポリアミド系繊維としては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、芳香族ナイロンなどのポリアミドなどこれらポリアミドのコポリマー等からなるナイロン繊維を使用できるが、汎用性、生産性、物性・堅牢度の面から、ナイロン6およびナイロン66が好ましく使用される。
ナイロン6およびナイロン66の繊維単独で構成されたもの、混繊、混紡、交織、交編またはカバーリング糸として用いていてもよく、フィラメントの場合は加工糸、生糸を問わず、いずれにしてもポリアミド系繊維が60重量%以上使用されていれば良い。60重量%以下であると水切れ性能の効果が不足する恐れがある。
ポリアミド系繊維のトータル繊度は、15〜300デシテックスであることが好ましい。また、単糸繊度は1〜10デシテックスであることが好ましい。
とくに、水着など高伸長が要求される用途においては、ポリウレタン弾性糸を含有することが好ましく、耐塩素性に優れたタイプのポリウレタン弾性糸を含有することが好ましい。ポリウレタン弾性糸の繊度は22〜300デシテックスであることが好ましい。
繊維構造物には、ポリウレタン弾性糸以外に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレンなどの合成繊維を含有させることができる。繊維構造物は、ポリアミド系繊維を含有していれば織物、編物のいずれの形態のものでもよいが、織物では空隙率が比較的小さく保水しにくくなることから、織物の形態のものが好ましい。
繊維構造物が織物の形態をとる場合には、織物の組織として平織、綾織、朱子織、平二重織、およびこれらの変化組織を有するもののいずれに対しても、本発明は適用可能であるが、とくに、空隙率の小さい平織の組織の織物に適用することが好ましい。
また、繊維構造物が編物の形態をとる場合には、編物の組織として、丸編タイプのシングル丸編地、ダブル丸編地、経編タイプのシングルトリコット地、ダブルトリコット地、ラッセル地を有するもののいずれに対しても、本発明は適用可能であるが、とくに、空隙率が比較的小さいシングルトリコット地を有する編物に適用することが好ましい。
本実施態様において用いられる縮合体は、合成タンニン酸の中でもレゾール型のタンニン酸の一種である。レゾール型のタンニン酸はノボラック型のタンニン酸と比較しナイロンのアミノ末端基を封鎖しやすい。レゾール型のタンニン酸の縮合体は、ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%、ホルムアルデヒドを5〜15重量%の割合で反応させた縮合体であることが好ましい。縮合体を繊維構造物に付与する方法として、水溶液形態で付与することが好ましく、その有効成分が40重量%になるように水で希釈調製することが好ましい。
上記縮合体の有効成分が40重量%になるように水で希釈調製した水溶液の使用量は、繊維構造物の重量に対し5〜20重量%が好ましく、8〜15重量%がより好ましい。縮合体の有効成分の付着量は、繊維構造物に対し固形分で2〜8重量%が好ましく、より好ましくは3.2〜6重量%である。2重量%より少ないと効果が不十分となる恐れがあり、また8重量%を超えると風合い粗硬となる懸念が生じる。
上記水溶液を固着させるにあたり、該縮合体を含有した水溶液(前処理液)に繊維構造物を浸漬処理する浴中加工を前処理として実施することが好ましい。浴中で上記水溶液を固着させることにより、ポリアミド系繊維の糸と糸の交錯点内部の単繊維表面までを被膜し、その上にフッ素系撥水処理剤を均一に且つ、強固に固着させることが可能となる。よって、前処理時や撥水加工時に、繊維構造物の表面に現れていなかったポリアミド系繊維が、着用や使用により引き伸ばされて表面に現れた際にも、撥水加工剤が固着していることから、保水することが少なく水切れ性に優れた状態が形成されることになる。
前処理液は、上記特性を効果的に得るために、pH2〜4に調整することが好ましい。pHが2より小さいとポリアミド繊維の劣化が起こる恐れがあり、pHが4を超えると効果が十分に発揮されない恐れがある。前処理液のpH調整剤としては酢酸、マレイン酸、塩酸、硫酸、ギ酸などの酸を適宜使用すればよい。
繊維構造物と前処理液との浴比(重量比)は特に限定されるものではないが、繊維構造物1に対して前処理液10〜50の範囲であることが好ましい。
前処理液の温度としては、40〜100℃の範囲内であることが好ましく、70〜90℃の範囲内であることがより好ましい。また、前処理時間は10〜60分が好ましく、15〜30分がより好ましい。
本実施態様において、撥水加工に使用されるフッ素系撥水処理剤は、耐久性の面からペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体を含むものが好ましい。フッ素系撥水処理剤は、風合いが硬くなるのを防止し、十分な洗濯耐久性を得る観点から、繊維構造物の重量に対し固形分で0.03〜10重量%を付与するのが好ましく、0.5〜5重量%を付与するのがより好ましい。
フッ素系撥水処理剤が含有し得るメラミン樹脂としては、トリメチロールメラミンからヘキサメチロールメラミンまで、各種メラミンから選ぶことができる。メラミン樹脂は大量に使用すると架橋効果は向上するが、風合いが硬化する傾向がある。そこで、十分な架橋効果を得る一方、風合い硬化を防ぐ点から、繊維構造物の重量に対し固形分で0.01〜5重量%を付与することが好ましく、0.05〜2重量%を付与することがより好ましい。また、メラミン樹脂とともに、触媒として、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛などの無機酸塩やギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、アクリル酸アンモニウム、こはく酸アンモニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、こはく酸アルミニウム、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、こはく酸亜鉛などの有機酸塩を併用することが好ましい。
フッ素系撥水処理剤との併用が好ましい多官能ブロックドイソシアネートとしては、分子中に2個以上のブロックドイソシアネート官能基を含む有機化合物が挙げられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルトリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、グリセリントリレンジイソシアネートなどに対し、加熱時に解離して活性なイソシアネート基が再生するフェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾール、ε−カプロラクタム等を反応させてイソシアネート基をブロックした化合物等を含有することが可能である。通常、多官能ブロックドイソシアネートは、少量の界面活性剤を配合して強制乳化した水分散液体として使用される。多官能ブロックドイソシアネートは、多量に使用すると架橋効果を向上させるものの、風合いの硬化、加工時の熱黄変や、染色堅牢度の低下などを生じる恐れがある。十分な架橋効果を確保する一方、これらの不都合を回避する観点から、繊維構造物の重量に対し、固形分で0.01〜4重量%を付与することが好ましく、0.03〜2重量%を付与することがより好ましい。
また、フッ素系撥水処理剤で処理する際、浸透剤の併用により、繊維構造物の糸と糸の隙間にまで撥水処理剤の浸透を促すことができる。浸透剤の使用量は10〜50g/Lが好ましい。
本実施態様においては、フッ素系撥水処理剤、メラミン樹脂および多官能ブロックドイソシアネートを混合した処理液を繊維構造物に付与し熱処理する。洗濯耐久性のある撥水加工を施す上で熱処理は重要である。乾燥処理は、80〜130℃で10秒〜3分間施すことが好ましく、乾燥後の熱処理は、140〜180℃で30秒〜5分間施すことが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中の品質評価は次の方法で実施した。
〔撥水性〕
JIS L1092 スプレー法
〔保水率〕
1.試料として、タテ20cm×ヨコ20cmの繊維構造物を3枚用意する。
2.試料の中央に直径10.6cmの円を描く。
3.直径40cm以上の容器に、蒸留水を水深12cm注ぎ入れる。
4.測定
(1)試料の重量(W0)を測定する。
(2)直径15cm、高さ2cmの金属製の枠に試料の表面を上向きに取り付け、直径10.6cmの円を少しずつ均一に伸長させ、枠のネジを締める。これを何度か繰り返し、円の直径が14.2cmにまで広がるように(面積として80%の伸長割合で)、試料を伸長させる。伸びが小さく面積として80%の割合まで伸長できないものは、伸長可能な最大限まで引き伸ばす。
(3)金属枠に取り付け伸長した試料の表面を上向きに蒸留水を入れた容器に入れ、水深10cmを確認し、50分間浸漬する。
(4)水中から取り出し金属枠から試料を外し、試料の重量(W1)を測定する。
(5)保水率=[(W1−W0)/W0×100]を算出する。
[実施例1]
東レ・オペロンテックス株式会社製33dtexの耐塩素ライクラ、タイプ254Bを芯に24dtex、7フィラメントのナイロン66加工糸を鞘にしたカバーリング糸を、タテ糸、ヨコ糸に使用し、筬密度90羽/鯨寸、筬入れ2本入れ、ヨコ密度100本/2.54cmにて平織物を製織した。次いで、得られた織物について、開布式精練機により常法に従いリラックス精練、190℃で中間セットを行った後、液流染色機で通常のナイロン染色を実施し、水洗した。得られた染色布に以下に示す前処理をした。
反応容器内にジヒドロキシジフェニルスルホンを300g、フェノールスルホン酸ソーダを165g、水170g、37%ホルマリンを110gの順に仕込み、140℃で5時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合体を有効成分40重量%になるように水で希釈調整し目的の縮合体水溶液を得た後、酢酸でpH3.5に調整し前処理液として準備した。
液流染色機を用い、前処理液を織物の重量対比で10重量%使用し、前記で得られた染色布を、浴比1:20、温度90℃で30分間処理し、水洗い後乾燥した。
〔撥水処方〕
フッ素系撥水処理剤 日華化学株式会社製 NKガードNDN−7E 100g/L
メラミン樹脂 DIC株式会社製“ベッカミン” M−3 3g/L
メラミン樹脂反応触媒 DIC株式会社製“ベッカミン” ACX 2g/L
ブロックドイソシアネート系架橋剤 日華化学株式会社製 NKアシストNY 5g/L
浸透剤 日華化学株式会社製 テキスポートBG 10g/L
絞り率70%でパディングし、120℃で2分間乾燥後、180℃で1分間熱処理を行って加工布を得た。撥水度は5、保水率は37%であった。
[実施例2]
実施例1と同様の染色布に、以下に示す前処理をした。
反応容器内にジヒドロキシジフェニルスルホンを300g、フェノールスルホン酸ソーダを120g、水150g、37%ホルマリンを100gの順に仕込み、140℃で5時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合体を有効成分40重量%になるように水で希釈調整し目的の縮合体水溶液を得た後、酢酸でpH3.5に調整し前処理液として準備した。
液流染色機を用い、前処理液を織物の重量対比で8重量%使用し、前記で得られた染色布を、浴比1:20、温度90℃で30分間処理し、水洗い後乾燥した。撥水処方は、実施例1と同じ条件とした。得られた織物の撥水度は5、保水率は39%であった。
[比較例1]
実施例1の織物において、反応容器内に、無水酢酸を200g、ジヒドロキシジフェニルスルホンを300g、98%硫酸を95gの順に仕込み、120℃で5時間反応させた。次いで反応物を水70gで希釈後、37%ホルマリンを85g加え110℃で5時間縮合反応させ、有効成分が40重量%になるよう水で希釈調整して縮合体水溶液を得た後、前処理液として準備した。該前処理液のpHは2.3であり、pH調整は不要であった。該前処理液を織物重量対比で10重量%使用し、撥水処方は実施例1と同様として、加工布を得た。得られた織物の撥水度は5、保水率は58%であった。
[比較例2]
実施例1の織物において、実施例1と同じ前処理液を織物重量対比で3重量%使用した。撥水処方は実施例と同様として、加工布を得た。得られた織物の撥水度は5、保水率は62%であった。
本発明に係る繊維構造物は、着用時や使用時において高い水切れ性を必要とする被服等を製造するための被服生地等として広く使用される。

Claims (6)

  1. ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%と、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%と、ホルムアルデヒド5〜15重量%とを反応させてなる縮合体を、その有効成分が40重量%になるように水で希釈して調製した水溶液を、ポリアミド系繊維を60重量%以上含有する繊維構造物に対し重量対比5〜20%の使用量にて付与した後、さらにフッ素系撥水処理剤を付与してなることを特徴とする繊維構造物。
  2. 前記フッ素系撥水処理剤が、メラミン樹脂および多官能ブロックドイソシアネートと併用されて付与される、請求項1に記載の繊維構造物。
  3. 水中50分間浸漬直後の保水率が40%以下である、請求項1または2に記載の繊維構造物。
  4. ポリウレタン弾性糸を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物を用いて構成される、水着、ウエットスーツ、ライダーウエア、ウインドブレーカー、トレッキングウエア、雨衣、スキーウエア、またはおむつカバー。
  6. ポリアミド系繊維を60重量%以上含有する繊維構造物に、ジヒドロキシジフェニルスルホンを50〜70重量%と、フェノールスルホン酸ソーダを15〜40重量%と、ホルムアルデヒド5〜15重量%とを反応させてなる縮合体をその有効成分が40重量%になるように水で希釈して調製した水溶液を、前記繊維構造物に対し重量対比で5〜20%使用して浴中処理にて付与した後、さらにフッ素系撥水処理剤をパディング処理にて付与することを特徴とする繊維構造物の製造方法。
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