JP5509342B2 - 繊維構造物の恒久・耐久撥水加工法 - Google Patents

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Description

本発明は、2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物を、繊維構造物に適用することを含む、撥水性繊維構造物の製造方法に関する。
従来から、繊維構造物に耐久性ある撥水加工を付与する場合、フッ素系撥水剤を使用することが必須条件である。そのフッ素系撥水剤としては、炭素数が8個以上の長鎖のCF基を有した物質でなければ撥水性を付与できなかった。更に磨耗耐久性を向上させるためにメラミン樹脂及びウレタン樹脂を併用して撥水耐久性を維持していた。
近年、炭素数8以上のフッ素系撥水剤には、その製造過程で、自然界には存在し得ないとされる人工の化学物質が発生することが、米国で明らかになった。そのような化学物質は、フッ素系撥水剤炭素数8個の場合はパーフルオロオクタン酸(以下、PFOAという)及びパーフルオロオクタンスルホン酸(以下、PFOSという)になる。フッ素系撥水剤が炭素数8以上の長鎖を有する場合はパーフルオロカルボン酸となる。
これらの物質は非意図的な不純物として前記フッ素系撥水剤に含まれるが、化学的に極めて安定な物質であるため、自然界では分解されずに残留すると考えられている。人体に取り込まれると排出されにくい性質すなわち生体蓄積性を有し、長期にわたり摂取した場合は発ガン性が指摘されている。
このように、炭素数8以上のフッ素系撥水剤が人体や環境に与える影響や、その安全性が取りざたされるようになってきている。安全性を問う学者や学術者は、その使用を差し止め、フッ素系撥水剤製造従業者・繊維染色加工従業者及び消費者は、これらの懸念される物質を全く含有しないフッ素系撥水剤を用いる繊維構造物の加工方法を望んでいる。懸念される物質を全く含有していないフッ素系撥水剤とは、炭素数6以下のフッ素系撥水剤である。
しかし、炭素数6以下のフッ素系撥水剤の撥水性能は、繊維構造物が摩耗していない状態での撥水性能ですら、繊維染色加工業界及び消費者の目標にははるかに及ばない。従って、現在は、一時的な撥水加工品にのみ使用されている。
炭素数8以上のフッ素系撥水剤であって、前述した不純物、PFOA及びPFOSを全く含有しない物を製造することは不可能である。従って、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を使用して、現状の撥水性能を維持するか、又は更なる恒久的な耐久性ある撥水性能を得る加工方法を見出す必要が生じてきた。
これまでに、ジハロゲノトリアジン化合物を用い、天然繊維、再生繊維又は合成繊維に浴中吸尽法あるいは2段階の熱処理加工を施して、これら繊維の疎水化を図る加工手法が提案されている(特許文献1)。
特開2008−63708号公報
本発明は、炭素数8以上のフッ素系撥水剤を用いることなく、それを使用した場合と同等又はそれ以上の撥水耐久性を繊維構造物へ付与することを課題とする。
従って、本発明は、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を使用しても撥水耐久性を発揮させることができるような繊維構造物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、前記繊維構造物に、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を適用することを含む、撥水性繊維構造物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記製造方法により製造された撥水性繊維構造物から形成される撥水性繊維製品を提供することを目的とする。
炭素数6以下のフッ素系撥水剤は、現在の要求される撥水性能を満たさない低レベルの化合物として撥水剤としては疎外されていたが、本発明者は、繊維改質剤として、2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩とジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物を使用し、係る繊維改質剤を介して繊維構造物に適用すると、炭素数6以下のフッ素系撥水剤であっても、現在主流となっている炭素数8以上のフッ素系撥水剤を超える耐久性のある撥水性能を繊維構造物に付与できることを見いだした。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明により、以下の製造方法及び繊維製品を提供する:
1.繊維改質剤として、(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物であって、(A)と(B)とのモル比が(A):(B)=1:1〜1:3である反応混合物を繊維構造物に適用することを含む、繊維構造物の製造方法。
2.前記反応混合物を含有する水溶液に繊維構造物を含浸する工程、及び
60〜135℃で前記繊維構造物を熱処理する工程を含む、前記1項記載の製造方法。
3.前記熱処理を10〜40分間行う、前記2項記載の製造方法。
4.前記繊維構造物が、セルロース系繊維、動物性繊維、アセテート系繊維、PVA繊維、PVC繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ポリエステル繊維、ポリエーテル系繊維、アクリル系繊維、これらの混紡又は混用物である前記1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
5.前記1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られた繊維構造物に、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を付与する工程を含む、撥水性繊維構造物の製造方法。
6.炭素数6以下のフッ素系撥水剤を含有する水溶液に、前記1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られた繊維構造物を含浸する工程、及び
150〜190℃で前記繊維構造物を熱処理する工程を含む、前記5項記載の撥水性繊維構造物の製造方法。
7.熱処理を、20〜240秒間行う、前記5又は6項記載の製造方法。
8.フッ素系撥水剤が、パーフルオロヘキシル基を有する化合物又はパーフルオロブチル基を有する化合物である前記5〜7のいずれか1項記載の製造方法。
9.フッ素系撥水剤の付与量が、純分換算で、ウェット時1〜10%o.w.mである、前記5〜8のいずれか1項記載の製造方法。
10.前記5〜9のいずれか1項記載の製造方法により製造した撥水性繊維構造物から形成される繊維製品。
炭素数6以下のフッ素系撥水剤の撥水耐久性がない原因の一つは、CF長鎖の配列乱れ及び長鎖の倒壊が撥水性能を低下させているためとされてきた。
如何なる理論にも拘束されるものではないが、本発明によれば、(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物が、炭素数6以下のフッ素系撥水剤のCF鎖の間に留まり、熱処理によりイオン結合をするか又はそれらと縮合反応してCF鎖の配列乱れ及びCF鎖の倒壊を抑止し、その結果、耐久性のある撥水性を付与できたものと推察する。
従って、本発明によれば、繊維構造物の表面だけでなく、内部にもフッ素系撥水剤が存在することになり、例えば、繰り返し使用により繊維製品が摩耗し、繊維内部が露出したとしても、その露出部分にもフッ素系撥水剤が存在しているので、耐久性が向上したものと思われる。
また、従来から、撥水耐久性を向上させるほど、繊維構造物から発生する静電気に悩まされてきた。北川徹三氏の学説によると、物質の帯電機構には、一般的に接触−分離−摩擦過程があり、帯電に寄与する要因として、物理的性質及び周囲条件があり、中でも湿度、すなわち水分の影響が一番大きいとされている。炭素数8以上のフッ素系撥水剤は、炭素数6以下のフッ素系撥水剤と比較してCF鎖が長いためより疎水性になり、助剤も樹脂などの疎水性の化合物を使用しなければ目標の耐久性は得られなかった。この結果、水分の影響により、繊維構造物から静電気が発生していた。
如何なる理論にも拘束されるものではないが、本発明によれば、繊維改質剤が、親水性置換基を有する2つの反応混合物であることと、フッ素系撥水剤が、炭素数が6個以下の化合物であるために、静電気の発生を極めて少なくすることが可能となり、問題になっているホコリ付着の解消につながったものと推察する。
本発明によれば、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を用いた場合にも、現在要求されている100回以上の実用洗濯にも耐えられるほど、恒久的な耐久性のある撥水性繊維構造物を得ることができる。本発明の撥水性繊維構造物は、長年の課題であった耐摩擦・耐磨耗性にも極めて優れる。
本発明によればまた、撥水性能を向上させれば必然的に問題となる、繊維構造物の静電気の発生を抑制することができる。本発明によればまた、撥水性繊維構造物へのホコリ付着を防止しかつ、繊維構造物の耐油性、耐水性、防汚性を向上させることができる。
本発明の概要を説明する。
まず、本願所定の繊維改質剤を繊維構造物に付与する。本明細書において、これを、前処理ということもある。その後、繊維改質剤を付与した繊維構造物に、フッ素系撥水剤を付与する。
第一の前処理法は、浴中処理方法である。本願所定の繊維改質剤を1〜30%o.w.sに希釈した水溶液を、繊維構造物重量に対して、5〜30%o.w.mに調製し、該水溶液のpHを、繊維構造物がイオン化がしやすいpHに調整する。熱処理を、繊維構造物に適合した温度及び時間で行う。例えば、60〜135℃の範囲で10〜40分間行う。熱処理は、定温で行っても、上記範囲内で温度を変更して行ってもよい。その後、湯洗い水洗をして乾燥した後、撥水剤付与を実施する。
第二の前処理法は、乾熱方法である。これは処理浴中に被繊維構造物を含浸した後、マングル等で均一に絞り、第一次の熱処理60〜120℃で乾燥する。その後、撥水剤付与を実施する。または第二次の熱処理を乾熱として、例えば、150〜190℃で20〜240秒間、好ましくは30〜120秒、乾熱処理して、撥水剤を付与する。処理浴は、本願所定の繊維改質剤を1〜30%o.w.sに希釈した水溶液を、15〜50g/LとpH調整剤によって調製する。マングル等の絞り機で5〜30%o.w.mに絞る。
繊維構造物を、前述した浴中処理方法により、連続拡布水洗機を利用して、連続して浴中で吸尽させることも可能である。処理浴は、本願所定の繊維改質剤を1〜30%o.w.sに希釈した水溶液5〜30g/LとpH調整剤によって調製する。水洗槽中に30秒から120秒間浸積加工な時間を保持するのが望ましい。繊維構造物が連続拡布水洗機を通過後、湯水洗、乾燥し、撥水剤付与を実施する。
前処理を終えた繊維構造物に、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を付与する。撥水剤の付与量は純分換算で、好ましくは、ウェット時1〜10%o.w.mである。
乾熱方法の処理浴中に、フッ素系撥水剤処理剤を混合してもよい。その後、パッディング乾燥して第二次の乾熱処理をして撥水する。
以下、詳細に説明する。
1.繊維改質剤
本発明において用いる繊維改質剤は、(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物である。
(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩は、化学式C33Cl2ONaで表される物質である(官報公示整理番号5−988(化審法)・CAS.No.2736−18−7)。
(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩は、化学式C682SO3Na等で表される物質である(官報公示整理番号3−2057(化審法)CAS.No.3177-22-8)。(B)成分のアルカリ塩としてはナトリウム塩が好ましい。
前記繊維改質剤を用いることにより、炭素数6以下のフッ素系撥水剤であっても、繊維構造物に恒久的に保持させることができる。
前記反応混合物を製造するには、(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩とを、モル比率で(A):(B)=1:1〜1:3の範囲で混合する。撥水性能からみて1:2が最適である。
混合させる時点の(A)成分の最高濃度は0.5モルである。(B)成分の最高濃度は1モルである。これは(A)成分及び(B)成分の臭気・沈殿などの安定性からそれ以下の濃度で取り扱うことが重要である。
(A)成分と(B)成分とを混合させる際に用いる溶媒は水が好ましい。水としては、精製水を使用するのが望ましい。
例えば、予め水のpHを8に調液し、(A)成分を撹拌しながらゆっくりと投入していく。次に、その浴を60℃に昇温させて、ゆっくりと撹拌しながら指定比率の量の(B)成分を徐々に投入し、混合する。30分放置後、混合溶液を20℃以下に冷却させる。その後、撹拌しながら12時間放置し、5倍量に希釈して、pHを8程度、例えば8.1〜8.3になるように調液して、不純物を濾過する。その後、15℃以下の温度をキープ出来る温調室にて保管し、反応混合物を得る。なお、pH調整剤のアルカリ剤としては、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、重炭酸ナトリウム(重炭酸ソーダ)、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)があげられるが、最も安定しているのが水酸化ナトリウムである。
反応混合物の状態は液体であり、反応混合物中の(A)成分と(B)成分との反応物の量は、固形分換算で30〜80質量%であるのが好ましい。なお、本明細書において、単に「%」と記載した場合、質量%を意味する。
2.フッ素系撥水剤
本発明において用いるフッ素系撥水剤は、炭素数6以下のフッ素系撥水剤である。このような撥水剤としては、市販品を使用することができる。具体的には、クラリアント社製、商品名「NUVA.N2114」(炭素数6の化合物とイソシアネートとの混合物);旭化成株式会社製、商品名「アサヒガードE−082」(C6,PFOA対策品)、「アサヒガードE−081」(C6)等があげられる。
2.繊維構造物
本発明において、繊維構造物とは、繊維を綿や糸にしたもの及びそれ以降の物品を指し、例えば、綿、糸、編織物、不織布、縫製品をいう。
本発明の製造方法において用いることのできる繊維構造物を構成する繊維としては、特に制限されず、例えば、セルロース系繊維、アミノ基を有する繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、動物性繊維、PVA繊維、PVC繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ポリエーテル系繊維、これらの混紡又は混用物があげられる。
2.1 セルロース系繊維の処理方法
セルロース系繊維としては、天然繊維に分類される綿、麻類や、再生繊維に分類されるビスコースレーヨン、ポルノジック、強力レーヨン、グラフト重合レーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、及びこれらの混紡又は混用物があげられる。
セルロース系繊維構造物に本発明の繊維改質剤を適用する前に、これらセルロース系繊維を、所定の染料で無地染め又は捺染したり、蛍光増白又は生成りの状態にしたりしてもよい。
(1)繊維改質剤による前処理
本発明により、セルロース系繊維構造物に前記繊維改質剤を適用する方法としては、例えば、浴中吸尽法、連続浴中浸漬法及びパッドスチームのバッチ式又は連続式乾熱処理法があげられる。セルロース系繊維は、いずれもOH基及びSH基を有することから、繊維改質剤処理は水溶液中で行うことが有効で効果が大きい。
前処理後、セルロース系繊維構造物を好ましくは80〜120℃で乾燥する。次に、乾燥後の繊維構造物を、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を含む水溶液に浸漬して、所定量を均一に繊維構造体に付着させる。更に乾燥した後、熱処理して恒久的な耐久性ある撥水繊維構造物を完成させる。
(1−1)浴中吸尽法
繊維改質剤を含む浴は、繊維改質剤を該繊維構造物重量に対して、10〜20%o.w.mを秤量して、無水炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムでpH7.2〜7.5になるように調整し、無水硫酸ナトリウム5〜10g/Lを加えて水浴液を作製するのが好ましい。浴比は、通常1:10〜50とするが、25以下が望ましい。
通常、繊維構造物を、30℃以下の温度の浴液に投入し、2℃/分の速度で昇温し、60℃で10分間維持した後、再び2℃/分の速度で昇温し、90℃で20〜30分間維持する。その後60℃以下まで冷却して、排液する。その後、水温40℃で湯洗いし、水洗し、80〜130℃で乾燥する。その後、撥水付与工程を実施する。
(1−2) 連続浴中浸漬法
連続浴中浸漬法とは、連続で行われる精練槽や水洗槽を利用する繊維構造物の加工方法である。槽は7槽以上が望ましい。例えば、3槽を浸漬槽に使用して、2槽を湯洗に、残り2槽を水洗槽として実施する。前の3槽の浴液組成は、繊維改質剤50〜100g/L、炭酸ナトリウム5g/L、無水硫酸ナトリウム20g/Lの浴液とするのが好ましい。通常、第一槽は60℃、第二槽第三槽は90℃として、三つの槽の通過時間は最低90秒を加工条件とする。第一槽への追加液濃度は倍量濃度を目安として、減っていく液量分を足していけば良い。この方法は、軽量な繊維構造物に適している。前処理後、通常、80〜120℃で乾燥し、撥水加工工程を実施する。
(1−3) パッドスチーム法
パディング浴液は、ウェット状態の繊維構造物の質量を基準として、繊維改質剤を20〜30%含有するのが好ましい。浴液は、繊維改質剤に加え、必要により、炭酸ナトリウム5g/L、重炭酸ナトリウム20g/Lを含んでも良い。なお、本明細書において、ウェット状態の繊維構造物とは、絞り率65〜75%程度の繊維構造物を指す。
繊維構造物にパディング液を浸した後、繊維構造物を絞る。絞りには、マングル、遠心脱水機、吸引機(スリット型・ケーク型など)等の機器を用いることができる。繊維構造物を絞った後、直ちに蒸熱するのがよい。連続スチーマーの場合、通常、100〜120℃で2〜5分蒸熱した後、湯通し水洗をする。プリントで使用する木製箱型やデデコ式巻取り型のスチーマーの場合、通常、100〜120℃で10〜20分間蒸熱する。その後、湯通し、水洗及び乾燥して、次の撥水加工工程を実施する。
(2) 撥水剤付与
乾燥を終えたセルロース系繊維構造物に、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を付与する。パディング液には、フッ素系撥水剤に加え、必要により、ブロックイソシアネート架橋剤(反応促進剤)及びりんご酸を含ませても良い。パディング液のpHは、通常、pH5.2〜6.2とするのが良い。
炭素数6以下のフッ素系撥水剤としては、パーフルオロヘキシル基(C6F13基)を有する化合物、パーフルオロブチル基(C4F9基)を有する化合物があげられる。
炭素数6以下のフッ素系撥水剤を繊維構造物に付与する際、これらの化合物の純分に換算して1.5〜5%o.w.mで付与するのが好ましい。フッ素系撥水剤のパディング浴濃度は、絞り率(ピックアップ)と化合物純分濃度によって決めることができる。
パディング浴の水温は、30℃を超えないのが望ましい。30℃を超えると、気泡が発生したり、汚れ(スカム)が浴槽の淵やマングルのヘリに付着したりしてしまうためである。
パディングの条件は2ディップ2ニップ(浸漬−絞り−浸漬−絞り)が好ましい。これにより、繊維構造物内の空気を十分に外部に排出させる事が可能となり、その結果、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を含む水溶液が、繊維内部まで均一に浸透できる。
繊維構造物を絞り上げた後、乾燥する。この時、高温にて速乾する事は避ける事が好ましい。乾燥温度が、撥水性能の効果そのものに直接影響を及ぼすと考えられるからである。繊維構造物の内部から外部へと乾燥させることによって、恒久的な耐久性ある撥水性能が得られると考えられる。薬剤の種類を選択するだけでなく、乾燥温度を調整することにより、より高い撥水性が得られる。理想的には、予備浸漬槽を持った2ディップ2ニップのマングルで60%前後の絞り率でもって均一に絞り、ノンタッチゾーン赤外線装置付き乾燥機を使用して半乾きにし、その後、本乾燥ゾーンで過乾燥にならぬように完全にゆっくりと乾燥する。温度は125℃を越えないのが好ましい。その後、フッ素系撥水剤を繊維構造物と完全に反応させ、繊維構造物に保持固定化するため、熱処理を実施する。熱処理は、ヒート乾燥機を用いることにより行うことができる。熱処理の温度及び時間は、通常、160〜190℃で30〜120秒である。これにより、セルロース系繊維構造物の恒久的な耐久撥水加工を完了する。
2.2 アミノ基を有する繊維
アミノ基を有する繊維としては、動物繊維である羊毛、アルパカ、カシミヤ、モヘヤ、絹と、合成繊維であり、ポリアミド系繊維として分類されているナイロン、ナイロン66とがある。
(1)繊維改質剤による前処理
何れもアミノ基NH2を有し、水系中でイオン化してNH+となって、容易に他のマイナスイオンとイオン結合や配位結合・置換結合する性質があるため、加工処理し易い繊維である。従って、繊維改質剤中のジクロロトリアジン環の親水性置換基である塩素基(Cl-)と、NH2から遊離したH+とでHClとして結合除去されると、繊維のNH+と繊維改質剤中のジクロロトリアジン環とが電子置換反応されると考えられる。また繊維組成中のカルボキシル基(COOH)、スルホン基(SO3H)、メルカプト基(SH)、水酸基(OH)などは、繊維改質剤中のジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩とのイオン結合、電子置換反応、ファンデルワールス結合など多様な結合が考えられ、より強固に繊維と一体化を成すと考えられる。
このようにアミノ基を有する繊維構造物は、水系下でイオン化し易いことから、繊維改質剤処理は、基本的に、染色やプリントが完了した後に、撥水加工の前処理として実施した方が良い。蛍光漂白や極淡色染めの場合は染色、同時処理も可能でもある。繊維改質剤の組成構造上から反応性染料、カチオン染料、酸性染料等と同様な反応形態であるため、常に染色ムラになり易いことを注意しながら加工を実施する。
前処理方法として、浴中吸尽法を用いることができる。
具体的には、通常、繊維改質剤を15〜25%o.w.mを秤量し、希釈した後、撹拌しながら、30℃以下の水中に投入する。水溶液のpHは、酢酸やりんご酸を添加して4.0〜5.0に調整するのが良い。ただし、羊毛はpHが低いと風合いが粗硬化するため、pH5.0〜5.5にしたほうが良い。繊維構造物と水との重量比(浴比)は、1:10〜50であるのが好ましい。使用する処理機は、ウインス染色機及び液流型染色機が望ましい。糸形態の場合は、かせ染め機の中でもスミスドラム型やマフ染色機を推奨する。布帛形態でビーム型染色機があるが、均一処理が不安定であり推奨出来ない。通常、常温から運転し、1℃/分の速度で昇温し、60℃に達した後10分間維持し、その後再び2℃/分の速度で昇温し、80℃に達した後20〜30分間維持する。その後60℃まで冷却し、排液、湯洗い、水洗、脱水乾燥して、次工程の撥水加工工程を実施する。
アミノ基を有する繊維は、通常、目的の濃度を超える量の染料を使用して染料固着処理を実施するが、本発明の繊維改質剤処理をすると、この染色処理をしなくても良い。更に、固着処理(タンニン酸処理や合成フィックス処理)を省略することが出来る。
また、アミノ基を有する繊維構造物は、黄変(黄ばみ)が問題となっているが、本発明により繊維改質剤を適用すると、黄変(黄ばみ)を防止することができる。これは、繊維改質剤が、繊維構造物のアミノ基を、電子置換反応によって封鎖するためと考えられる。このことは、バニリンで染色することで検証することが出来る。これを検証することにより、恒久的な耐久性ある撥水性能を得ることが出来るか、撥水加工前に確認することが可能となる。このような事前の検証により、生産品の品質安定管理が容易となる。
染色と同浴で繊維改質処理をする場合は、浴中吸尽法と同じ水溶液組成で繊維構造物に使用する染料の条件に合わせて処理を実施すればよい。
前処理方法として、浴中吸尽法のバッチ式のほかに、拡布式連続精練機、連続リラクサー機、連続水洗機、連続式反応性染料染色機を使用して処理することが出来る。
連続処理機の槽は、7槽以上であるのが好ましい。前4槽を、繊維改質剤による処理用槽として使用し、次の1槽を湯洗、次の2槽をオーバーフロー水洗槽として使用するのが良い。水溶液組成は、第一槽を、繊維改質剤50〜100g/L、りんご酸でpH4.5〜5.0とし、第二槽〜第四槽を、繊維改質剤50〜70g/L、りんご酸でpHを5.0〜5.5とするのが好ましい。処理温度は、40℃−60℃−80℃−80℃−40℃−RT−RTとするのが良い。それぞれの槽における滞留時間は、第一槽及び第二層を20秒、第三槽及び第四槽を40〜90秒とするのが望ましい。乾燥後、次の撥水加工工程を実施する。乾燥には、熱風乾燥機を用いた後、ヒート乾燥機を用いるのが良い。
(2) 撥水剤付与
2.1(2)に記載したのと同じ条件において、撥水性付与加工を行うことができる。
アミノ基を有する繊維構造物の内、特にアスレチックウェア、アウトドアウェア、ゴルフウェア、合羽、テント、水廻り作業着類、前掛けなどに多く用いられているナイロンやナイロン66の繊維構造物は、繊維構造物の形態形状によって、撥水耐久性が劣る場合がある。この場合、繊維改質剤を、通常の使用量より2〜5g/L多くしたパディング浴を使用することにより、その効果は著しく向上する。
2.3 ポリエステル繊維
ポリエステル繊維は他の合成繊維と異なり、主鎖中に芳香族環を含み、緻密な繊維構造をもつために、疎水性が大きく、水溶液中では高い負の表面電位を示す特性がある。
ポリエステル繊維は、耐久性・防シワ性に優れているが、吸湿性は著しく少ない。ポリエステル繊維は、これらの特性を活かして多くの衣料や産業資材に用いられている。本発明では、この吸湿性の少ない性質を利用して、恒久的な耐久性ある撥水性を付与する。
現在市場に提供されているポリエステル繊維には4種類の組成の異なる繊維がある。その殆どが高圧可染型(135℃で染色する)である。他に、常圧可染型(100℃で染色する)、カチオン可染型高圧(125℃で染色する)、カチオン可染型常圧(100℃で染色する)があるが、染色最高温度を参考にすれば、恒久的な耐久性を有する撥水加工を容易に行うことができる。
ポリエステル繊維の染色方法は、高圧分散染料染色とサーモゾル染色の2つに絞られることから、繊維改質剤による前処理も、それに準じた方法を取り入れることにより、コストアップを避ける事が可能である。処理方法としては、4種類あげられる。
(1−1)第一に、分散染料染色時、同浴に、繊維改質剤10〜20%owmを加え、りんご酸でpH6程度に調整した溶液を使用する方法があげられる。多くの場合、液流染色機が使用される。監視窓から繊維構造物の流れや、泡の状態をみて、生地の走行安定性に問題がないかチェックしておくのが良い。染色完了後、60℃まで水溶液を冷却して排液する。その後、水洗等、還元洗浄、湯洗い、水洗して、乾燥する。次いで、撥水加工付与工程を実施する。染料の増量等により、汚れ(スカム)が付着する可能性があるため、中間検査を工程として品質安定化を図るのが良い。何故ならば、ポリエステルには未重合のオリゴマーが表面に付着しているため、これと繊維改質剤が物理的に電子置換反応するため、恒久的な耐久性ある撥水性能を疎外する可能性があるからである。
(1−2)第二に、前処理として繊維改質剤を染色完了後に付与させておく連続乾熱法があげられる。繊維改質剤水溶液によるパディング−乾燥−熱処理−フッ素系撥水剤によるパディング−乾燥−熱処理の各工程を含む。
繊維改質剤水溶液によるパディングは、繊維改質剤の濃度50〜100g/L、りんご酸でpH5〜6に調整したパディング液を用いて行う。このパディング液に繊維構造物を浸し、繊維改質剤が、実質純分換算2%±0.5の付着するようにするように、均一にマングル等を用いて繊維構造物を絞る。マングル等で絞る前に、パディング液を充填した予備浸漬槽に繊維構造物を通過させるのがよい。前で述べた理由から、繊維構造物中の空気を排出するのが好ましい。その後、80〜120℃における熱乾燥により、繊維改質剤を繊維構造物に付着させる。
前処理を終えたポリエステル繊維構造物は次の工程である、フッ素系撥水剤付与加工工程を実施する。熱風乾燥機を用いた後、次にヒート乾燥機を用いる同じ条件にて加工を実施するが、ポリエステル繊維の場合は、撥水剤を含有する水溶液の浸透性が悪いため、イソプロピルアルコール等の低級アルコール及び非イオン系浸透剤を40g/L浴に加えると良い。パディング後の乾燥は、ゆっくりと、繊維の深部から乾かすのが望ましい。乾燥機の第一ゾーンは、ノンタッチ赤外線装置付き乾燥機を使用するのが好ましい。ただしノンタッチゾーン内で繊維構造物を完全に乾燥するのは避けた方が良い。何故ならば、繊維内部に撥水剤が浸透せずに、繊維表面のみで撥水剤が被膜化し、ひび割れ状態となり、撥水耐久性が低下してしまう可能性があるからである。乾燥後の熱処理は、通常、160〜190℃で30〜120秒間行う。第一番目の染色同浴繊維改質剤処理をした繊維構造物に、フッ素系撥水剤パディング浴に、繊維改質剤5g/Lを追加して浸漬し、絞って、乾燥することが、より撥水効果を上げる手段として考えられる。
(1−3)第三に、染色後、繊維改質剤と同浴においてフッ素系撥水剤を付与する方法があげられる。最もコスト合理化であり。広く利用可能であるが、素材の形態、形状、厚さなど構造物によって加工条件を選択するのが望ましい。前述した熱風乾燥機を用いた後、ヒート乾燥機を用いる同条件に、2.3(1−2)に記載の組成の繊維改質剤を加えて、かつイソプロピルアルコール40g/L及び非イオン系浸透剤1g/Lを加えて水溶液を作製する。
2.4 ポリエステル繊維と綿やレーヨンの混紡または混用された繊維構造物
ポリエステル繊維と綿やレーヨンの混紡または混用された繊維構造物の場合、その混率よって処理方法を変更するのが好ましい。
具体的には、ポリエステル繊維が60%以上で綿またはレーヨンが40%以下の場合、両繊維の染色工程が完了後、繊維改質剤とフッ素系撥水剤とを同浴で調製し、パディング−乾燥−熱処理−湯通し−水洗−乾燥により加工を実施する。繊維改質剤とフッ素系撥水剤の混浴の割合及びパディング方法、その他全て2.3(1−2)及び2.3(1−3)に記載したのと同様である。
ポリエステル繊維が55%以下で綿又はレーヨンが45%以上の場合、両繊維を所定の染料方法にて染色した後、連続吸尽水溶液法にて、繊維改質剤付与処理を実施する。
連続とは精練機、水洗機、リラクサー機、連続反応染色機等を言う。槽は7槽以上使用するのが望ましい。例えば、前の3槽は繊維改質剤付与槽として使用し、後ろの2槽は湯通し槽として使用し、残りの2槽は水洗とする。ただし、前の繊維改質剤付与槽の滞留通過時間が90秒を確保出来ない場合は、1槽増やして合計4槽とするのが良い。
基本的には、2.1(1−2)に記載の加工方法条件に基づくが、処理浴槽組成は、繊維改質剤50〜100g/L、炭酸ナトリウム5g/L、無水硫酸ナトリウム20g/Lとするのが好ましい。第一槽の浴温は60℃とし、第二槽及び第三槽の浴温は90℃とするのがよい。第四槽を使用する場合、通常、同じく90℃とする。湯洗いは、40℃で1〜2槽使用して行う。乾燥は、通常、80〜130℃で行う。
次いで、フッ素系撥水剤の付与加工工程にはいる。パディング浴組成条件は、2.1(1−3)に記載の加工と同条件で良いが、T/C混又はT/R混の繊維構造物は、繊維改質剤による前処理を、当初パディング浴に繊維改質剤を5g/Lを追加しておくのが良い。炭素数6以下のフッ素系撥水剤を、純分濃度30%、浴濃度70g/L、絞り率60%として、42g/kgなる量で繊維構造物に付着せしめると、純分換算約13g/kg当り付着している。これを標準として、パディング記載の同浴水液組成を決める。イソプロピルアルコール40g/L及び非イオン系浸透剤1g/Lを加え、2.3(1−2)に記載の条件通りに加工を実施する。
2.5 アクリル繊維
アクリル繊維は、アクリルニトリルを主成分とするが、多種多様の製法により製造されている。その組成は複雑であるが、2種に大別される。一種は、繊維中にスルホン基やスルホン酸エステル基等の酸性基を持ち、カチオン染料で染色されるグループである。もう一種は、繊維中にビニールピリジンかアクリルアミド等の塩基性基を持ち、酸性染料で染色出来るグループである。これらの何れの共重合物に対して、本発明の繊維改質剤の骨格をなす反応混合物である、2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩とジアミドベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物は、アクリル繊維の2種のグループに対して、イオン結合あるいは共有結合することが可能である。すなわち、繊維改質剤を強力に保持固定化して、撥水剤との親和性を高め、反応を促進することにより、より恒久的な耐久性ある撥水性能を付与できる。
尚、アクリル繊維と繊維改質剤の反応が早いため、同浴染色することは避けるのが望ましい。同浴染色すると、ムラ染めになってしまうからである。単独で染色したアクリル繊維構造物を、新浴にて繊維改質剤のバッチ式水溶液吸尽法に従い、前処理する。水溶液組成は、例えば、繊維改質剤10〜15%o.w.m、酢酸(48%)2g/L、酢酸ナトリウム5g/L、無水硫酸ナトリウム10g/Lとする。30℃以下の水浴液からスタートして、2℃/分の速度で昇温させ、80℃に達した後10分間保温する。更に2℃/分の速度で昇温し、95℃に達した後、30分間保温工する。その後、40℃まで冷却して排水、湯水洗、脱水及び乾燥する。
アクリル繊維は、水を含んだ状態では伸び易い性質があるため、ノンテンションの乾燥機を使用するのが好ましい。
次いで、フッ素系撥水剤を付与する。フッ素系撥水剤の付与は、パディング−乾燥−熱処理により行う。パディングは、2.1(1−3)及び2.3(1−2)に記載したとおりである。乾燥は、通常、60〜120℃までの温度で行う。熱処理は、160℃〜180℃、処理時間40秒のネットコンベア型セット機が最良と考える。
アクリル繊維との混紡および混用された繊維構造物の、羊毛、セルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル繊維これらすべてアクリル繊維はカチオン性を有する。恒久的な耐久性ある撥水加工処方についても、2.5に記載のバッチ式水溶液吸尽法に従って加工処理をして、フッ素系撥水剤を用いて恒久的な耐久撥水性が得られる。
2.6 アセテート繊維
アセテート繊維は、セルロース系繊維の水酸基を酢化したアセチルセルロースで、54〜56%酢化度のジアセテートと62〜63%酢化度のトリアセテートがある。何れも熱可塑性で、吸湿性が低く、疎水性能を保持している。多くは分散染料で染色されるが、染色堅牢度の向上は無い。
近年これらの繊維は、ピグメントレジンカラーでパッド染色が増加している。この加工方法により、本発明においても、連続パディング乾燥熱処理方法により、繊維改質剤を効率よく付与出来ることが確認された。その付与保持固定化に伴い、今まで不可能であった、恒久的な耐久性ある撥水加工が可能となった。
繊維改質剤である反応混合物中の2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩(分子量188)及びジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩(分子量210)から推定して、分子が染料よりもはるかに小さく、アセチルセルロース中に熱運動(ブラウン運動)でグルコースに入り易いと考えられる。
パディング浴組成は、繊維改質剤50〜100g/L、炭酸ナトリウム5g/L、無水硫酸ナトリウム20g/Lとして、繊維重量kg当り繊維改質剤がウェット時で30g以上保持出来るように絞り率を調整して加工するのが好ましい。
パディング後、60〜120℃で緩やかに乾燥して、次の工程のフッ素系撥水加工工程を実施するのが良い。フッ素系撥水加工条件は、2.1(1−3)及び2.3(1−2)に記載の条件と同条件で、恒久的な耐久性ある撥水性能が得られる。
〔任意成分〕
本発明において、炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウムを使用することができる。これらは、繊維を染色する際に通常用いられているが、本発明において使用すると、繊維改質剤が繊維構造物の内部により押し込まれ、その結果、撥水剤も繊維内部で繊維改質剤と反応することになると思われる。
補助剤として、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸等のカルボン酸又はヒドキシカルボン酸を使用することができる。
炭素数1〜4の低級アルコールを使用することもできる。イソプロパノールを使用するのが好ましい。反応混合物が凝集することがあるが、低級アルコールにより、分散させることができる。低級アルコールはまた、浸透剤としても作用する。
反応促進剤又は架橋剤として、ブロックイソシアネートやイソシアネート(例えば、明成化学社製、メイカネートNEO、メイカネートMO)を使用することができる。ブロックイソシアネートは天然繊維に用い、イソシアネートは化繊に用いるのが好ましい。これらを使用することにより、繊維改質剤と、炭素数6以下のフッ素系撥水剤との反応をより強固にすることができる。
本発明により、繊維構造物又は撥水性繊維構造物を製造する際、必要に応じ、例えば、染料、柔軟剤、紫外線吸収剤、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩等の帯電防止剤(例えば、明成化学社製、商品名「ディレクトール2000」)等を使用してもよい。
〔繊維製品〕
本発明によれば、殆どの繊維組成に対して有効な撥水性向上を示す。これにより、消費者のライフスタイルの巾を広げ、楽しさとゆとりを与えることができる。
具体的には、綿のジーンズやデニムでスキーウェア・スノーボード用のユニフォーム、ウールの登山防寒雨衣、アクリルの防寒着等にも活用できる。一方産業界においての水廻りの作業服、特に漁業関係水産加工業におけるフルシーズン向けの衣料として種々の繊維構造物から選択することが可能となった。
従って、本発明の製造方法により得られる撥水性繊維構造物から、あらゆるスポーツ衣類;カジュアルウェア類;スーツ類、シャツ類、コート類、パンツ類、ボトム類、スカート類;その他セーター類を含む衣料品全般を製造することができる。
また、水を使用する環境で着用される繊維製品、例えば、作業着類、エプロン類、帽子類;水ないし水分がかかる態様で使用される繊維製品、例えば、傘・クツ・鞄類、テント類、寝袋類、床材シート・テーブルクロス類、パラグライダー関連類、パラシュート類、カーシート類、カーカバー類、ヨットカバー類、船舶救助用艇カバー類、障子用布帛類、壁材クロス類、ペット関連用類等を製造することもできる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例1
綿100%ギャバ30番手タテヨコ使い織物(仕上げ巾152cm、仕上げ長さ50m、重量34.56kg)を、スレン染料(建染め染料=バット染料とも呼称される)を用いて、連続パディング−乾燥−還元スチィーミング・ソーピング−乾燥工程に供し、染め上がり品を得た。これを300m(総重量207.36kg)用意した。この染め上がり品に、繊維改質剤を浴中吸尽法にて付与した。その後乾燥して、パディング−乾燥−熱処理によりフッ素系撥水剤を適用し、撥水性綿織物を得た。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩とジアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩との反応混合物の純分10質量%水溶液を、繊維重量に対して16%owm(33.18kg)となるよう秤量した。これを、サーキュラー式染色機(日阪社製)に投入した。
炭酸ナトリウム5g/L(12kg)及び硫酸ナトリウム(無水芒硝)10g/L(24kg)を、水または温湯で溶解し、前記染色機に投入した。全量は2400Lとした。そこに、染め上げた綿織物を投入し、230m/分の布速にて、前記染色機を運転した。なお、この時の染色機内の溶液のpHは7.4であった。
その後、2℃/分の速度で昇温して60℃にて10分間運転した。更に2℃/分で昇温して90℃にて30分間運転した。その後60℃まで冷却し、運転を止め、排液し、吸水し、運転を再開し、40℃で10分湯洗いした。再び運転を止め、排液し、吸水し、10分運転した後、生地を染色機から取り出した。その後、綿織物を拡布し、水洗し、マングルにより絞り、110〜130℃の32本シリンダー乾燥機で乾かした。
(2)フッ素系撥水剤付与
次に、フッ素系撥水剤(C6、炭素数6個の成分とイソシアネートとの混合物、クラリアント社製、NUVA.N2114)55g/L及びりんご酸0.25g/Lを含有する、pH5.2の水溶液を調製した。これをパディング液とし、200L準備した。
このパディング液を入れた浴に、前処理した綿織物を浸漬し、次いでマングルにより絞った。これを再度繰り返した(2ディップ2ニップ)。なお、絞り率は65%とした。
絞った綿織物を、ノンタッチゾーンガス赤外装置付き乾燥機を用いて40%程乾燥させて、続く32本シリンダー乾燥機で完全に乾かした。
その後、連続する10チャンバー(ch)のピンテンターにて熱処理を実施した。熱処理は、160℃×2ch,185℃×8chとし、10チャンバーの滞留処理時間26秒で行った。
その後、5tコットンカレンダーで風合いを整え加工を完了し、撥水性綿織物を得た。
このようにして撥水性を付与した綿織物を種々の試験に供した。試験項目、試験方法とともに、試験結果を表1に記す。
比較例1
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、撥水性綿織物を得た。但し、パディング液の組成は、フッ素系撥水剤No.N2114 55g/L、メラミン樹脂M−3 3g/L、触媒(住友化学株式会社製有機アミン系触媒ACX)0.2g/Lとした。実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に記す。なお、表中、試験結果の数値は「級」を表す。
Figure 0005509342
実施例2
ウール100%52/1番手2/2サージを、1:2型含金染料を用いて染色した。この染色した織物を、繊維改質剤を用いて浴中吸尽法で前処理した。次いで、撥水処理を行い、撥水性ウールサージを得た。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
ウインスに、繊維改質剤の純分10質量%液を20%owm、酢酸48%水溶液の2g/Lを投入した。次いで、染色したウールサージをウインスに投入した。ウインス内の溶液のpHを5.2に調整した。処理浴量は、1ton浴比1:30とした。
浴温30℃から開始し、1℃/分の速度で昇温して、60℃に達した後、15分間定温で運転した。更に2℃/分の速度で昇温して、80℃に達した後、30分間運転した。その後50℃まで冷却し、排液し、40℃で湯洗いし、10分間水洗した。その後、ウインスからウールサージを取り出し、拡布し、マングルにより絞った。4段乾燥機を用い、110〜120℃で乾燥した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次に、フッ素系撥水剤(クラリアント社製、NUVA−No.N2114)47g/L、イソプロピルアルコール5g/L、りんご酸0.15g/Lの浴液を作成した。これをパディング液とした。
予備浸漬槽を使用して、乾燥したウールサージに、パディング液を充分に含浸させた。その後、マングルにて絞り率75%で絞った。4段乾燥機を用い、110〜120℃にてゆっくりと充分に乾燥した。
次に、ピンテンターで170℃×35秒間熱処理し、ペーパープレス/デカタイザー工程を経て加工を完了し、撥水性ウールサージを得た。実施例1と同様に試験した。結果を表2に記す。
比較例2
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、撥水性ウールサージを得た。但し、パディング液の組成は、フッ素系撥水剤(C8、旭化成株式会社製、アサヒガードAG7600)70g/L、イソシアネート(明成化学社製、メイカネートNEO)5g/L、酢酸(48%)0.5g/L、帯電防止剤(ディレクトール2000、明成化学社製)10g/Lとし、絞り率は72%とした。その後、実施例2と同様に試験を行った。結果を表2に記す。
Figure 0005509342
実施例3
ナイロン6の100%織物 110t−20fオックスフォード 148cm×50m=18.5kgを400m(総重量148kg)準備し、これを、液流染色機2200L(浴比1:15)を使用して、染色水洗・フィックス処理(フェノール系合成フィックス剤使用)した。これに、繊維改質剤を浴中吸尽法により適用し、次いでフッ素系撥水剤を適用し、撥水性ナイロン6を得た。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理s
繊維改質剤の純度15%水溶液20%owm(29.6kg)、りんご酸0.25g/Lの浴液を調製して染色機に投入した。そこへ染色後のナイロン6を投入し、浴液温度30℃にて運転を開始した。布速度380m/分とし、2℃/分の速度で昇温し、60℃に達した後、15分間定温にて運転した。更に2℃/分の速度で昇温し、90℃に達した後、20分間運転した。60℃まで冷却し、排液し、湯洗し、水洗した。染色機からナイロン6生地を取り出し、拡布し、マングルにより絞った。ショートループにて120℃で乾燥した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次に、フッ素系撥水剤(C6、旭化成株式会社製、アサヒガードE−082(PFOA対策品))90g/L、実施例1で調製した繊維改質剤 5g/L、りんご酸0.25g/L、ブロックイソシアネート3g/L、イソプロピルアルコール40g/Lを加え、全量を400Lとしたものをパディング液とした。
予備浸漬槽を使用して、ナイロン6生地に充分にパディング液を含浸させた。ナイロンフィラメントの深部までパディング液が浸み込んでいることを確認した後、2ディップ2ニップで、更にパディング液を生地に適用した。均一にマングルで絞った。絞り率は45%であった。
ノンタッチゾーンガス赤外線装置付きシリンダー乾燥機を用い、絞ったナイロン6生地を120℃で乾した。
次に、10チャンバーのテンターを使用し、熱処理を行った。熱処理は、最初の2チャンバーの温度を160℃、次の4チャンバーの温度を180℃、後4チャンバーの温度を190℃に設定し、10チャンバーの滞留時間28秒で行った。
この後コールドカレンダー5tonで風合いを整え加工を完了し、撥水性ナイロン6を得た。その後、実施例1と同様に試験した。その結果を表3に記す。
比較例3
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例3と同様にして撥水性ナイロン6を得た。但し、パディング液の組成は、フッ素系撥水剤(C8,旭化成株式会社製、アサヒガードGS−10)90g/L、メラミン樹脂M−3 5g/L、触媒(住友化学株式会社製有機アミン系触媒ACX)0.3g/L、ブロックイソシアネート(明成化学社製、メイカネートME)5g/L、りんご酸0.25g/L、帯電防止剤(ポリジアリルジメチルアンモニウム塩)8g/Lとし、熱処理を、最初の2チャンバーの温度を160℃、残り8チャンバーの温度を180℃に設定し、10チャンバーの滞留時間を23秒で行った。実施例3と同様に試験を行った。結果を表3に記す。
比較例4
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例3と同様にして、撥水性ナイロン6を得た。但し、パディング液の組成は、フッ素系撥水剤(C6、旭化成株式会社製、アサヒガードE−082)90g/L、ブロックイソシアネート3g/L、イソプロピルアルコール40g/L、メラミン樹脂M−3 5g/L、触媒(住友化学株式会社製有機アミン系触媒ACX)0.3g/Lとした。その後、実施例3と同様に試験を行った。結果を表3に記す。
Figure 0005509342
実施例4
ポリエステル繊維100%のタフタ82.5t−36fの196本トータル密度の織物を、分散染料を使用して液流染色し、ネイビー色とした。このポリエステル織物を、繊維改質剤による前処理に供した。前処理は、連続乾熱法にて行った。その後、PFOA対策されたフッ素系撥水剤を適用し、パッド乾燥及び熱処理を行った。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
繊維改質剤の純分15%水溶液100g/L、りんご酸0.25g/L、イソプロピルアルコール20g/Lでパディング浴を調製した。このパディング浴にポリエステル織物を浸漬し、マングルにて絞った。絞り率は35%であった。その後、110〜120℃で乾燥した。次に、7チャンバーのテンターにて160℃×22秒間処理した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次いで、PFOA対策されたフッ素系撥水剤(クラリアント社製NUVA−N2114)を110g/L、りんご酸0.15g/L、イソプロピルアルコール40g/Lのパディング浴を調製し、ポリエステル織物をパディングした。これをマングルで絞った。絞り率は30%であった。乾燥はノンタッチゾーンガス赤外線装置付きシリンダー乾燥機を使用し、90〜110℃で乾燥した。
次に、熱処理を行った。熱処理は、10チャンバーのピンテンターにて、最初の2チャンバーの温度を160℃に設定し、次の4チャンバーの温度を180℃に設定し、最後の4チャンバーの温度を190℃に設定し、10チャンバーの滞留時間28秒間で処理した。
冷却後、常温にてペーパーカレンダーを通してチョークマークを消して加工を完了し、撥水性ポリエステル織物を得た。これを実施例1と同様に試験した。結果を表4に記す。
実施例5
実施例4では、染色と別浴で繊維改質剤による前処理を行ったが、実施例5では、染色と同浴で、連続乾熱法により繊維改質剤による前処理を行った。以下、具体的に述べる。
実施例4で使用したのと同じポリエステルタフタ50m(7.3kg)を1500m(総重量219kg)準備した。液流染色機2チューブ中で、ネイビー色分散染料及び所定の分散剤及び助剤を用いて染液浴を調製した。これに、繊維改質剤の純度15%品を10%owm(21.9kg)量を希釈しながら染液浴に投入した。全液量を2700Lとし、ポリエステルタフタを投入し、浴比1:12にて染色した。染色は、定められた条件を堅持して行った。135℃×25分間で染色後、70℃まで冷却した。次いで、排液し、吸水し、水洗し、定法により還元洗浄し、湯洗及び水洗して染色機から取り出した。拡布−水洗−乾燥を経たポリエステルタフタを撥水加工に供した。
実施例4で調製したのと同じ、繊維改質剤5g/Lのパディング浴を仕立てた。
以降の工程は、実施例4と全く同条件にて加工を行い、撥水性ポリエステルタフタを得た。実施例4と同様に試験を行った。結果を表4に記す。
比較例5
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例4と同様にして、撥水性ポリエステルタフタを得た。但し、パディング液の組成は、フッ素系撥水剤(クラリアント社製NUVA−N2114)110g/L、りんご酸0.15g/L、イソプロピルアルコール40g/L、メラミン樹脂M−3 3g/L、触媒0.3g/Lとし、予備槽を使用して、撥水液が充分に浸透していることを確認しながら、2ディップ2ニップにてパディング液を適用した。その後、実施例4と同様に試験を行った。結果を表4に記す。
Figure 0005509342
実施例6
ポリエステルスパン45%、綿55%の混紡CVC(チーフバリュコットン)のオックスフォード30/s織物(148cm巾×50m、生地重量18.15kg)を1000m用意した。分散染料を使用して、ポリエステル側をサーモゾル染色してベージュ色に染め上げた。染色した生地を、反応染料を使用して、パットバッチアップし、常温にて回転させながら、8時間コールドバッチ染色した。これを連続オープンソーパーにて、無水炭酸ナトリウム、重曹及び芒硝でアルカリ処理をした。その後、ソーピング、湯洗、水洗、脱水絞りを経て、繊維改質剤による前処理を連続乾熱法で行った。
(1)繊維改質剤による前処理
7槽の連続水洗機を用意し、前4槽を繊維改質剤付与に、後3槽を湯通し水洗槽として使用した。前4槽の浴組成は、繊維改質剤の純分10%溶液 60g/L、炭酸ナトリウム5g/L、無水ボウ硝20g/Lとした。第一槽にのみ二倍濃度の組成液を1L/分追加した。各槽の温度は、前から順に60℃、90℃、90℃、90℃に設定した。前4槽の通過滞留時間は約130秒とした。後3槽のうちの第一槽を40℃湯洗いに、残り2槽を水洗とした。その後、120〜130℃の温度で生地をショートループ乾燥した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次に、フッ素系撥水剤(旭化成株式会社製、アサヒガードE−082)70g/L、イソシアネート(メイカネートMO)3g/L、りんご酸0.25g/L、繊維改質剤の純分10%水溶液 5g/Lのパディング液を調液した。
予備槽を使用し、生地にパディング液を充分に浸透させた。次いで、2ディップ2ニップで生地にパディング液を均一にパディングした。生地を、絞り率65%で絞った。ノンタッチゾーンガス赤外線装置付き乾燥機で40%程度乾燥した。次いで、120℃に設定した4ユニットロールチャンバー内で充分に乾燥させた。
次に、10チャンバー(ch)のピンテンターにて熱処理を行った。前の2chの温度を160℃に、後の8chの温度を190℃に設定して、通過滞留時間32秒とした。冷却後、コットンカレンダーを通してチョークマーク対策をして加工を完了し、撥水性生地を得た。これを実施例1と同様に試験した。結果を表5に記す。
比較例6
繊維改質剤による前処理は行わず、かつフッ素系撥水剤(旭化成株式会社製、アサヒガードE082)を使用しなかったこと以外は実施例6と同様の処理を行った。実施例6と同様に試験を行った。結果を表5に記す。
尚、処理後の生地の風合いは、実施例6で仕上げたものよりもザラツキと粗硬感があった。またチョークマークもコットンカレンダーだけでは消せなかった。
Figure 0005509342
実施例7
アクリル繊維スフ70%/ウール30%トップ染め霜降り濃グレー32/1毛番の3段スムースニットで薄起毛された生地(東レ製、切開巾162cm/30m/13.5kg規格)を、5反(総重量67.5kg)用意した(防寒フード付きブルゾン企画)。繊維改質剤による前処理を浴中吸尽法で行い、その後フッ素系撥水剤を付与した。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
繊維改質処理剤の純分10%水溶液を16%owm、酢酸(48%)5g/L、酢酸ナトリウム3g/Lの浴液を調製した。900Lの液流染色機に上記生地を投入し、浴比1:13とした。布速180m/分、RTからスタートし、2℃/分の速度で昇温し、80℃に達した後30分間その温度で運転した。その後、50℃まで冷却し、排液した。繊維構造物を、湯洗い及び水洗して染色機から取り出し、遠心脱水機にて充分に絞った。ショートループ乾燥機を用い、生地を120℃にて乾かした後、撥水加工を実施した。
(2)フッ素系撥水剤付与
フッ素系撥水剤(クラリアント社製NUVA−N2114)45g/L、りんご酸0.15g/Lのパディング浴を調製した。これに、ショートループ乾燥機により乾燥した生地を浸し、絞り率75%で絞った。その後、ショートループ120℃で乾燥した。
次いで、絞った生地を熱処理に供した。熱処理は、ネットコンベア式3段ドライヤーを用い、170℃で4分間、生地を滞留させることにより行った。放冷後、ブラッシング−セミデカで風合いを調整して、加工を完了し、撥水性生地を得た。実施例1と同様に試験した。その結果を表6に記す。
比較例7
繊維改質剤を使用しなかったこと以外は実施例7と同様にして、撥水性生地を得た。但し、パディング液組成は、フッ素系撥水剤(旭化成株式会社製、アサヒガードAG970)70g/L、イソシアネート(明成化学社製、メイカネートNEO)30g/L、酢酸(48%)0.5g/L、イソプロピルアルコール0.2g/Lとした。75%の絞り率で、実施例7と全く同条件にて加工を実施した。実施例7と同様に試験を行った。結果を表6に記す。
得られた生地は、ふくらみ感及びコシが無く、かつ反発性が不足していた。
Figure 0005509342
実施例8
縦トリアセテート78t−34f/、横ビスコースレーヨン137t−48f使いのグログランタッサー織物128cm×46m/9.5kgを、分散/反応染料でライトピンク色に染色した。この染色織物460mを用い、浴中吸尽法にて繊維改質剤処理を実施した。次いで、フッ素系撥水剤を適用し、撥水性トリアセテート/レーヨン織物を得た。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
液流染色機に、繊維改質剤の純分10%水溶液 12%owm、重炭酸ナトリウム10g/L、無水ボウ硝20g/Lを投入し、全量2700Lとした。ここに染色した生地を投入し、浴比1:28とした。
常温、布速230m/分で染色機の運転を開始し、2℃/分の速度で昇温し、60℃に達した後、15分間定温にて運転した。更に2℃/分の速度で90℃まで昇温し、30分間処理した。その後、クーリング、排液、湯洗い、水洗を行い、染色機から生地を取り出した。これを、拡布し、水洗し、マングルにより絞り、シリンダー乾燥した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次いで、フッ素系撥水剤(旭化成株式会社製、アサヒガードE−082)60g/L、イソシアネート(メイカネートNEO)20g/L、イソプロパノール20g/L、りんご酸0.15g/Lの溶液を調製し、パディング液とした。
予備槽を使って、シリンダー乾燥した生地にパディング液を充分に含浸させた。更に、2ディップ2ニップパッダーで、パディング液を生地に適用した。絞り率70%で均一に絞った。
これを、ノンタッチゾーンガス赤外線装置付き乾燥機を用いて110〜120℃で40%乾燥した。次いで、120℃以下の温度の32本シリンダーで充分に乾燥させた。
次に、7チャンバーのピンテンターを使用して、熱処理を行った。最初の2チャンバーの温度を160℃に、残りの5チャンバーの温度を180℃に設定して、滞留時間25秒で処理した。放冷後、コットンカレンダーを通してチョークマークを消した。風合い調整し、加工を完了した。実施例1と同様に試験した。結果を表7に記す。
比較例8
繊維改質剤による前処理を行わなかったこと以外は実施例8と同様にして、撥水加工を行った。ただし、事前の確認試験の結果、風合いに粗硬感があって当該素材のイメージに合わないので、パッディング浴に、柔軟剤としてアミノシリコーン(日華化学社製)3g/Lを追加した。実施例8と同様に試験を行った。結果を表7に記す。
Figure 0005509342
実施例9
ポリエステル100%のタフタ生地(目付重量96g/m2)を、分散染料でブラックに染色後、同液流染色機を用いて、浴中吸尽法にて繊維改質剤による前処理を実施した。次いで、フッ素系撥水剤を適用し、撥水性ポリエステルタフタを得た。以下、具体的に述べる。
(1)繊維改質剤による前処理
液流染色機に、繊維改質剤の純分10%水溶液 20%o.w.mを投入後、水酸化ナトリウムを用い、染色機内の水溶液のpHを13.5に調整した。全量を1500Lとした。浴比は1:10とした。5分間常温で運転した。その後、2℃/分の速度で昇温し、80℃に達した後20分間定温して運転した。40℃まで降温して排水した。水洗、酸中和、水洗を行い、染色機から生地を取り出し、テンター乾燥した。
(2)フッ素系撥水剤付与
次いで、フッ素系撥水剤(旭化成株式会社製、アサヒガードE−081)60g/L及び(明成化学社製、イソシアネート(メイカネートNEO)5g/L、イソプロピルアルコール20g/L、蟻酸0.5g/Lを含む溶液を調製し、これをパディング液とした。
予備槽を使って、テンター乾燥した生地にパディング液を充分に含浸させた。その後、1ディップ1ニップパッダーにて生地をパディング液に浸した。絞り率70%で絞った後、テンター乾燥機を用い、120℃で60秒間乾燥した。
同乾燥機を用い、熱処理を行った。すべてのチャンバーを180℃に設定して滞留時間40秒で処理した。冷却後、ワッシャー染色機で10分間風合いを調整して、加工を完了した。実施例1と同様に試験した。結果を表8に記す。
比較例9
繊維改質剤の代わりに2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩を用いたこと以外は、実施例9と同様の処理を行った。その後、実施例9と同様に試験を行った。結果を表8に記す。
Figure 0005509342
実施例10
ナイロン100%のタフタ生地(目付重量120g/m2)を、酸性染料でブラックに染色後、フィックス処理を実施した。同液流染色機を用いて、浴中吸尽法にて繊維改質剤前処理を実施した。
(1)繊維改質剤による前処理
液流染色機に、繊維改質剤の純分10%水溶液 15%o.w.mを投入後、クエン酸を用い、染色機内の水溶液のpHを5.0に調整した。全量を2000Lとした。浴比1:15として、5分間常温で運転した。その後、2℃/分の速度で昇温し、90℃に達した後、30分間定温で運転した。40℃まで降温して排水した。湯洗、水洗し、染色機から生地を取り出し、テンター乾燥を実施した。
(2)フッ素系撥水剤付与
撥水加工の条件は実施例9と同様とした。実施例9と同様に試験した。結果を表9に記す。
比較例10
繊維改質剤の代わりに2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩を用いたこと以外は、実施例10と同様の処理を行った。その後、実施例10と同様に試験を行った。結果を表9に記す。
Figure 0005509342

Claims (10)

  1. 繊維改質剤として、(A)2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩と、(B)ジアミノベンゼンスルホン酸アルカリ塩との反応混合物であって、(A)と(B)とのモル比が(A):(B)=1:1〜1:3である反応混合物を繊維構造物に適用する工程を含む、繊維構造物の製造方法。
  2. 前記反応混合物を含有する水溶液に繊維構造物を含浸する工程、及び
    60〜135℃で前記繊維構造物を熱処理する工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記熱処理を10〜40分間行う、請求項2記載の製造方法。
  4. 前記繊維構造物が、セルロース系繊維、動物性繊維、アセテート系繊維、PVA繊維、PVC繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、ポリエステル繊維、ポリエーテル系繊維、アクリル系繊維、これらの混紡又は混用物である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られた繊維構造物に、炭素数6以下のフッ素系撥水剤を付与する工程を含む、撥水性繊維構造物の製造方法。
  6. 炭素数6以下のフッ素系撥水剤を含有する水溶液に、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法により得られた繊維構造物を含浸する工程、及び
    150〜190℃で前記繊維構造物を熱処理する工程を含む、請求項5記載の撥水性繊維構造物の製造方法。
  7. 熱処理を、20〜240秒間行う、請求項5又は6記載の製造方法。
  8. フッ素系撥水剤が、パーフルオロヘキシル基を有する化合物又はパーフルオロブチル基を有する化合物である請求項5〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. フッ素系撥水剤の付与量が、純分換算で、ウェット時1〜10%o.w.mである、請求項5〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項記載の製造方法により製造した撥水性繊維構造物から形成される繊維製品。
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