JP3598748B2 - 防水性ポリエステル織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノンコーティングタイプで高い防水性能とその洗濯耐久性および湿潤状態での摩耗耐久性に優れ、ソフトな風合でかつ、衣料に縫製後の仕立て映えの良好な防水性織物を提供するもので、特にスポーツ用の衣料などとして広く使用できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から防水性に優れた織物としてポリウレタン等のコーティング品等がスポーツ衣料用等で広く使用されている。しかし、かかるコーティング品等の織物は防水性には非常に優れているが、ソフト感に乏しい欠点があり、ノンコーティングタイプのソフト風合の防水性織物の要求は強い。
【0003】
このような要求に応えるため、織物を構成する繊維糸条の単繊維繊度を細くし、高密度に製織し、フッ素系撥水剤などで処理するなど種々の提案がなされている。例えば特開平2−269871号公報には、単繊維繊度が1.2デニール以下の極細繊維を用いて高密度に製織し、撥水剤を織物内部に浸透させるため、繰り返し撥水処理することが開示されているが、織物密度が不十分なため、実用上の必要耐水圧(800mm水柱)が満足されていない。
【0004】
また、特開平6−821848号公報には、繊維糸条の40重量%以上が単繊維繊度1.1デニール以下の繊維を用いた高密度織物で、断面重なり係数を規定した織物が開示されているが、縫製後の仕立て映えについては言及されていない。
【0005】
さらに洗濯による撥水および防水性能低下を防ぐため、フッ素系撥水剤、トリメチロールメラミンおよび有機アミンの存在下で処理する方法、特開昭54−133486号公報、特開昭56−165072号公報、および特開平5−272060号公報に記載の、フッ素系撥水剤および多官能ブロックイソシアネートウレタン化合物の存在下で処理する方法、特開昭58−208473号公報に記載の、フッ素系撥水剤、アミノブラスト樹脂および多官能ブロックイソシアネートウレタン化合物の存在下で処理する方法などが提案されている。これらの方法では、洗濯耐久性は向上しても、湿潤状態での摩耗耐久性は不十分であった。
【0006】
すなわち、従来、薄地織物で防水性に優れ、その洗濯耐久性および湿潤状態での摩耗耐久性に優れ、ソフトな風合でかつ、衣料に縫製後の仕立て映えも良好なノンコーティングタイプの織物は得ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ポリエステルからなる薄地織物で、防水性能、縫製後の仕立て映えの良さの相反する性能を改善し、高い防水性能とその洗濯耐久性および湿潤状態での摩耗耐久性に優れ、縫製後の仕立て映えにも優れ、かつ実用上問題ないレベルの引裂強力を有するとともに、ソフトな風合を有するノンコーティングタイプの防水性ポリエステル織物を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、つぎのような手段を採用するものである。すなわち、本発明の防水性ポリエステル織物は、単繊維繊度が0.6デニール以下、トータル繊度60〜120デニールの繊維糸条からなり、経糸および緯糸方向のカバーファクターの和が2320〜3000のポリエステル高密度織物であって、該高密度織物の表面にペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体、アミノブラスト樹脂、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂およびエチレンカーボネートからなる加工剤を有することを特徴とするものである。
【発明の実施の形態】
本発明は、上述数々の機能を有するノンコーティングタイプの防水性ポリエステル織物を提供せんと、鋭意検討したところ、特定の加工剤とポリエステル高密度織物とを組合わせたところ、一挙にかかる課題を解決することを究明したものである。
【0010】
本発明に係わる防水性ポリエステル織物はポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物であり、該織物を構成する繊維糸条の単繊維繊度が0.6デニール以下の極細の繊維を用いる。単繊維繊度が0.6デニールを越えると、織物の緻密性が低下して耐水圧が低くなるとともに、風合が硬くなり、防水性の要求される用途には好ましくないものとなる。
【0011】
また、該織物を構成する繊維糸条のトータル繊度は120デニール以下のものを用いる。トータル繊度が120デニールを越えると織物の緻密性が低下して耐水圧が低下するとともに目標の薄地織物が得られなくなるからである。一方60デニール未満では、高密度織物のため織物の引裂強力が実用上問題ないレベルを保つことができなくなり、高密度織物用としては好ましくないものとなる。
【0012】
本発明においては、該織物の経糸に捲縮加工糸を用いると、縫製後のパッカリングを防止することができるので好ましい。すなわち、高密度織物での衣料において、縫製後の仕立て映えの善し悪しは、縫目のパッカリング発生の有無が最大の判断基準である。高密度織物のパッカリングは、縫製時に縫針により緻密な織物に穴が開けられ、そこに細くても200デニールクラスのすなわち緻密な織物に織物構成糸よりはるかに太い縫糸が最低3本は入ることになる。この縫針により穴が開けられ、そこに縫糸が入ることにより、経糸および緯糸が押し退けられ、押し退けられた糸が湾曲するために、縫製前はストレートで均衡を保っていた織物構成糸が湾曲し、吊る状態となり、縫目パッカリングが発生するのである。かかる高密度織物において、上記の縫目パッカリングを解消するためには、織物構成糸が湾曲しても吊らないようにすることが必要である。かかる織物構成糸の湾曲に対して、捲縮加工糸では、その捲縮、すなわち、曲り構造が該湾曲部分でストレートになる余裕を有するので、縫目以外の織物構成糸を引っ張ることがなくなり、縫目パッカリングの解消に効果を発揮するのである。通常衣料の縫目は、80%は経方向であり、特に経糸に捲縮加工糸を用いることにより、縫製後の仕立て映えに優れた高密度織物を得ることができる。本発明のポリエステル長繊維糸条の捲縮加工糸としては、仮撚加工糸が好ましく使用されるが、これに限定するものではない。
【0013】
本発明においては、経糸のカバーファクターと緯糸のカバーファクターの和が2320〜3000であるものが使用される。2320未満であると充分な耐水圧が得られなく、3000以上では風合が硬くなるからである。
【0014】
本発明においては、経糸のトータル繊度(WD)および緯糸のトータル繊度(FD)とが、WD≦FDの関係にあることが好ましい。織物構成繊維糸条の経糸のトータル繊度と緯糸のトータル繊度の関係は、緯糸のトータル繊度が経糸のトータル繊度より細いと、高耐水圧の織物は得られても、高密度織物のため充分な緯引裂強力(緯糸を引裂く)が得られない。かかる緯引裂強力は、1000g以上であるものが好ましく使用される。ここでいう引裂強力とは、JIS L 1096に基づいて測定されるものをいう。高密度織物では、経糸と緯糸の拘束力が高くなり、糸のズレが起こりにくいため織物引裂強力は通常密度の織物よりむしろ弱くなり織物引裂強力は重要な要素となる。織物引裂強力は織物構成繊維糸条の緯トータル繊度が同一の場合、経トータル繊度が太くなると、緯引裂強力は下がるのである。通常の織物でも、特に高密度織物については緯糸織密度を経糸織密度より密にすることは現状の織機を用いては不可能であり。またもし可能であっても、製織コストの点から好ましくない。したがって織物引裂強力は緯引裂強力(緯糸を引裂く)が重要であり、緯引裂強力向上のためには緯トータル繊度が経トータル繊度と同じか、もしくは太いことが重要である。
【0015】
また、本発明においては充分な耐水圧を得る観点から、経糸のカバーファクター(WCF)を1450以上とすることが好ましい。ここで経糸のカバーファクター(WCF)および緯糸のカバーファクター(FCF)は次式により決定される値である。
【0016】
WCF=WN(WD)1/2 FCF=FN(FD)1/2
式中、WN:経の製品織密度(1インチ当たりの経糸本数)
WD:経糸の製織前のトータル繊度(デニール)
FN:緯の製品織密度(1インチ当たりの緯糸本数)
FD:緯糸の製織前のトータル繊度(デニール)を示す。
【0017】
また、本発明においては、経糸のカバーファクター(WCF)と緯糸のカバーファクター(FCF)とが、次の関係を満足することが好ましい。
【0018】
0.60≦FCF/WCF≦0.68
緯糸のカバーファクターと経糸のカバーファクターの比は、経糸のカバーファクター1450以上であっても、緯糸のカバーファクターが小さいと目的の耐水圧が得られない場合がある。また経糸のカバーファクターを非常に大きく、たとえば1700以上にすれば目的の耐水圧は得られるが、その時、緯糸密度が不足して、緯引裂強力が実用上問題ないレベルには達しない場合がある。
【0019】
またFCF/WCFが0.68より大であると高密度に成り過ぎ、風合が粗硬になると共に、経糸に捲縮加工糸を用いても、縫製後の仕立て映えにも優れた織物は得ることができない場合がある。
【0020】
本発明の該防水性ポリエステル織物は、かかる高密度織物の表面にペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体、アミノブラスト樹脂、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂およびエチレンカーボネートからなる加工剤を有することが特徴である。
【0021】
具体的には、ポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物100重量部に対し、ペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体を0.01〜10重量部、アミノブラスト樹脂を0.01〜2重量部、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂を0.01〜4重量部、およびエチレンカーボネートを0.1〜30重量部を一浴に含む処理液を、前記高密度織物に付与した後、加熱処理することによって、該高密度織物の表面に該加工剤を付与したものである。
【0022】
すなわち、かかる特定な加工剤、つまりペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体(フッ素系撥水剤)とアミノブラスト樹脂および多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂を用い、エチレンカーボネートを併用することにより、フッ素系撥水剤、アミノブラスト樹脂および多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂のみの配合では得られなかった、湿潤状態での摩耗に絶え得る防水性が得られるという効果を達成せしめ得たものである。
【0023】
かかるエチレンカーボネートを、該ポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物に付与すると、ポリエルテル繊維の表面が溶解し、該フッ素系撥水剤、アミノブラスト樹脂および多官能ブロックイソシアネート基との間で反応し架橋して、より強固な皮膜が形成されると考えられる。
【0024】
かかるエチレンカーボネートの使用量は、処理する該高密度織物100重量部に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは2〜10重量部であるのがよい。すなわち、エチレンカーボネートが多すぎると、ポリエステル織物の溶解が多くなり、織物風合が硬くなる傾向があり、一方少なすぎると防水性能の湿潤状態での摩耗耐久性が充分に得られない傾向がある。
【0025】
該ペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体は、特に限定されないが、例えば、C3 〜C20なるペルフルオロアルケニル基やペルフルオロアルキル基を有するビニル単量体のみの単独重合による共重合体、前記ビニル単量体とペルフルオロアルケニル基やペルフルオロアルキル基を有しない他のビニル単量体との共重合体を使用することができる。かかるペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体は、該高密度織物100重量部に対し、好ましくは0.01〜10%owf、さらに好ましくは0.03〜5%owf含まれる処理液で処理することが好ましい。
【0026】
また、アミノブラスト樹脂としては、例えば、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのメラミン樹脂、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールヒドロキシン尿素などの尿素系樹脂、ジメイロールウロンなどのウロン樹脂を用いることができる。
【0027】
かかるアミノブラスト樹脂の使用量は、処理する該高密度織物100重量部に対し、固形分換算で好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.02〜1重量部である。
【0028】
次に、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂は、分子中に2個以上のブロックイソシアネート官能基を含む有機化合物であれば特に限定されるものではない。
【0029】
またかかる多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂に加えて、アミノブラスト樹脂と共に一般に用いられる硬化触媒を用いてもさしつかえない。かかる硬化触媒としては、例えば、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸のアンモニュウム、アルミニュウムまたは亜鉛などの塩類;ギ酸、酢酸、アクリル酸、こはく酸などの有機酸の塩類などを使用することができる。
【0030】
かかる多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂の量は、ポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物100重量部に対し、固形分換算で0.01〜4重量部が好ましい。
【0031】
またブロックイソシアネートの熱分離速度の向上と、熱解離温度の低下とを促進するために用いる解離触媒として、例えば、ジブチルスズジオレート、ジブチルスズステアレート、ステアリル亜鉛、有機アミン化合物が好ましい。
【0032】
本発明においては、ペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体、アミノブラスト樹脂、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂およびエチレンカーボネートは、それぞれを水で希釈して一浴の処理液として使用する。すなわち、かかる一浴の処理液を、パッド法、コーティング法、スプレー法などの方法により均一にポリエステル長繊維糸条を用いた高密度織物に付与し、100℃前後で乾燥した後、できるだけ早い時間内に熱処理する。この熱処理は140〜180℃で0.5〜10分の条件で行なうのが好ましい。かくして得られる本発明の防水性ポリエステル高密度織物は、該樹脂組成物からなる加工剤が、該織物の織糸を構成する単繊維単位に付着しているので、織物の織り目ならびにそれを構成する織糸も、さらにそれを構成する単糸も肉眼で確認でき、あたかもノンコーティングの織物のような外観を有するという特徴を持ち、しかも風合いも極めてソフトであり、樹脂コーティングされているとは思えないものを提供することができる。
【0033】
また、本発明に係るポリエステル高密度織物に他の性能を付与するために、一般に用いられる処理剤、例えば、ポリアミン系やグアニジン系帯電防止剤、アミノやハイドロゼンポリシロキサン系シリコン柔軟剤、ポリエステルやフッ素系防汚剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、セラミック、抗菌剤、消臭剤、色素を併用して処理することもできる。
【0034】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
なお以下実施例で採用した測定方法は下記のとおりとした。
[10回洗濯法]
約45cm×45cmの試験試料を一枚採取する。自動反転渦巻き式電気洗濯機(東芝VH−1150形と同性能のもの)の洗濯槽に40±2℃の水25リットルを入れ、さらに弱アルカリ性合成洗剤(JIS K 3371弱アルカリ性・第1種)を50g入れる。あらかじめ準備した試験試料と追加布を合わせて約500gになるように調整する。
【0035】
(1) 洗濯機の強条件で試験試料と追加布を25分間洗濯する。
【0036】
(2) 試験試料と追加布を洗濯機付属の遠心脱水機で約30秒間脱水する。
【0037】
(3) 常温水を浸した洗濯機の洗濯槽に試験試料と追加布を移し、水をオーバーフローさせながら10分間すすぎを行なう。
【0038】
(4) (2) および(3) を再度繰り返す。
【0039】
(5) 試験試料を取りだし、風乾を行なう。
【0040】
(6) (1) から(5) を再度繰り返す。
【0041】
[湿潤摩耗法]
摩耗台(カスタム社製;Appearance Retetion Tester、以下ARTという)に直径17.5cmの試験布をセットし、その上に重ねて、直径10cmの綿布(染色堅牢度試験用カナキン3号)を蒸留水に浸漬し、200%の湿潤状態でセットした。押圧400gで50回摩擦した。
【0042】
[耐水圧測定方法]
JIS L 1092 A に規定されている、低水圧法により測定した。
【0043】
[引裂強力測定方法]
JIS L 1096に規定されている引裂き強さ(ペンジュラム法)を採用し、緯糸を引き裂く場合を緯引裂強力とした。
【0044】
[仕立て映え評価方法]
織物の経糸方向に40cm、緯糸方向が20cmの試料6枚準備し、2枚重ねで3組の本縫直線縫いをし、縫目近くを目視により善し悪しを判定した。
【0045】
実施例1
経糸として、75デニール144フィラメントのポリエステル仮撚加工糸に撚数S300T/Mの追撚を施し、緯糸は75デニール144フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を追撚無しで用い、平織物をエヤージェットルームで製織した。この生機の経糸密度は155本/吋、緯糸密度は105本/吋に設定した。得られた生機を常法により、精練、プレセットし、液流染色機で染色し、乾燥した。乾燥後下記成分を含む撥水処理液にパッドした、このピックアップは60%であった。次いで120℃で3分間乾燥し、160℃で45秒間熱処理を行なった。さらに150℃の熱カレンダー処理を行ない本発明の織物を得た。
【0046】
フッ素系撥水剤
マックスガードEC−400(有効成分30%) 60g/L
(株)京絹化成製
アミノブラスト樹脂
スミテックスレジンM−3(有効成分80%) 5g/L
住友化学工業(株)製
アミノブラスト樹脂用触媒
スミテックスアクセレレータACX 1g/L
住友化学工業(株)製
多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂
スーパーフレッシュJB−7200(有効成分34%) 8g/L
(株)京絹化成製
エチレンカーボネート 東亜合成化学工業(株)製 20g/L
ブロックイソシアネート用触媒
カタリスト WL−2(有効成分14%)(株)京絹化成製 1g/L
実施例2
実施例1と同様の経糸、緯糸を用い、同様の方法で製織した。この生機の経糸密度は170本/吋、緯糸密度は107本/吋に設定した。
【0047】
得られた生機を実施例1と同様の処理液および方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0048】
実施例3
実施例1と同様の経糸を用い、緯糸に60デニール144フィラメントのポリエステルフラットヤーンに変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で製織した
この生機の経糸密度は155本/吋、緯糸密度は106本/吋に設定した。
【0049】
得られた生機を実施例1と同様の処理液および方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0050】
実施例4
実施例1と同様の経糸、緯糸を用い、同様の方法で製織した。この生機の経糸密度は142本/吋、緯糸密度は105本/吋に設定した。
【0051】
得られた生機を実施例1と同様の処理液および方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0052】
実施例5
経糸として、60デニール144フィラメントのポリエステルフラットヤーンに撚数S300T/Mの追撚を施し、緯糸は60デニール144フィラメントのポリエステルフラットヤーンを追撚無しで用い、平織物をエヤージェトルームで製織した。この生機の経糸密度は172本/吋、緯糸密度は111本/吋に設定した。
【0053】
得られた生機を実施例1と同様の処理液および方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0054】
比較例1
実施例1と同じ生機を用いて、実施例1と同様の方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0055】
ただし撥水処理液はエチレンカーボネートを使用しなかった以外は実施例1と同様の撥水処理液を用いた。
【0056】
比較例2
実施例2と同じ生機を用いて、比較例1と同様の処理液および方法で、精練、プレセット、染色、乾燥、撥水処理、乾燥および熱カレンダー処理を施した。
【0057】
得られた織物の経糸密度、緯糸密度、緯引裂強力、耐水圧、および縫製後の仕立て映え評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
表1から明らかなように、実施例1、2のものは、薄地織物で、かつ、防水性、洗濯耐久性および湿潤状態での耐摩耗性のいずれにも優れ、縫製後の仕立て映えに優れ、さらに引裂強力も実用上問題なく、風合いもソフトなノンコーティングタイプと思われる外観を有する織物であった。
【0059】
なお、実施例3の織物は、緯糸繊度が経糸繊度よりも細く、緯方向の引裂強力が若干劣り、実施例4の織物は、防水性が若干劣り、実施例5の織物は、縫製後の仕立て映えが若干劣るものであったが、いずれもそれ以外は、実施例1、2と同様の性能を有するノンコーティング状の外観を有する織物であった。なお、実施例1〜5の織物は、いずれも単糸も織糸も、さらに織り目も明確に確認される薄地織物であった。
【0060】
これに対し比較例1、2の織物は、いずれも湿潤状態での耐摩耗性に劣る織物であった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステル長繊維糸条からなる薄地織物でありながら、防水性能、縫製後の仕立て映えの良さの相反する性能を改善することができる。すなわち、高い防水性能とその洗濯耐久性および湿潤状態での摩耗耐久性に優れ、縫製後の仕立て映えにも優れ、かつ引裂強力にもソフトな風合にも優れたノンコーティングタイプの防水性ポリエステル織物を提供することができるので、例えばスポーツ用衣料に好適な素材を提供することができる。
Claims (8)
- 単繊維繊度が0.6デニール以下、トータル繊度60〜120デニールの繊維糸条からなり、経糸および緯糸方向のカバーファクターの和が2320〜3000のポリエステル高密度織物であって、該高密度織物の表面にペルフルオロアルキル基含有アクリル共重合体、アミノブラスト樹脂、多官能ブロックイソシアネート基含有ウレタン樹脂およびエチレンカーボネートからなる加工剤を有することを特徴とする防水性ポリエステル織物。
- 該高密度織物が、経糸のトータル繊度(WD)、緯糸のトータル繊度(FD)および経糸のカバーファクター(WCF)の関係が下記(1)および(2)を同時に満足するものである請求項1記載の防水性ポリエステル織物。
(1) WD≦FD
(2) WCF>1450 - 該高密度織物が、経糸のカバーファクター(WCF)および緯糸のカバーファクター(FCF)が下記(3)を満足するものである請求項1記載の防水性ポリエステル織物。
(3) 0.60≦FCF/WCF≦0.68 - 該経糸が、捲縮加工糸である請求項1〜3のいずれかに記載の防水性ポリエステル織物。
- 該防水性ポリエステル織物が、10回洗濯後の耐水圧が800mm水柱以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水性ポリエステル織物。
- 該防水性ポリエステル織物が、湿摩擦50回後の耐水圧が800mm水柱以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水性ポリエステル織物。
- 該防水性ポリエステル織物が、1000g以上の緯引裂強力を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水性ポリエステル織物。
- 該加工剤が、該織物の織糸を構成する単繊維単位に付着しているものである請求項1〜3のいずれかに記載の防水性ポリエステル織物。
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