JP4228113B2 - 高密度織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維で構成された高密度織物に関するものであり、更に詳しくはスポーツ用の衣料素材等として広く使用することが可能な高強力で防水性を有し、ソフトで軽量な高密度織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリエステル、ナイロンなどの合成繊維を使った高密度織物が製造、商品化され広く利用されている。該高密度織物は比較的、単糸繊度の細いマルチフィラメントを使用し、且つカバーファクターと呼ばれる織物面積に対する経糸及び緯糸が占める面積割合を示す係数が2000から3000クラスの高密度となるように製織、染色加工することによって得ることができ、該高密度織物は優れた高強力、防水性を有し、尚且つソフトで柔軟な風合いを有しており、とりわけスポーツ衣料分野への用途展開はめざましいものである。しかしながら、従来のスポーツ衣料用の高密度織物においては地合いを丈夫にし、高い防水性・耐水圧を得る為に織物を構成する地部分のすべての織組織をヒラ組織とした織物が多いが、ヒラ組織で織成された高密度織物は経糸と緯糸の組織点が多いが故に織物の引裂き強力が小さくなる傾向にある。従って、ヒラ組織で耐水圧が高く、なお且つ織物の引裂き強力を高くすることは容易なことではない。高い引裂き強力を得る対策としては、太い糸条の使用が考えられるが、織物が硬く、また重たくなってスポーツ衣料としては好ましくないものとなる。
【0003】
一方、従来の合成繊維から構成された高密度織物は繊維表面の屈折率の高さ等から好ましくない光沢感が発生し、消費者から嫌われる要素となっていた。光沢感を軽減した織物として、仮撚加工された合成繊維で構成された高密度織物があるが、仮撚加工を施すとコストアップにつながることから、繊維内部に屈折率の高い無機微粒子を含有させた所謂フルダルと呼ばれたフィラメントを使って光沢感を解消する試みもある。しかしながら、光沢感を抑え、なお且つ単糸繊度の小さい合成繊維で構成された薄地軽量の優れた防水性を有する高密度織物は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は前記のような課題を解決しようとするものであって、高い耐水圧、高い引裂き強力を有し、なお且つ光沢感を軽減したソフトで軽量な合成繊維から構成された高密度織物を提供しようとするものである。
【0005】
【発明が解決するための手段】
即ち、本発明は下記の構成からなる。
1.合成繊維からなる経糸と緯糸のカバーファクターの総和が2000以上である高密度織物において、経糸及び/又は緯糸が、単糸繊度が1.0デシテックス以下であり、無機微粒子を1.5重量%以上、2.5重量%以下含有するポリエステルマルチフィラメントからなり、耐水圧が6.0kPa以上であり、織物の地部分を構成する織組織の少なくとも一部がヒラ組織以外からなることを特徴とする高密度織物。
2.経糸及び/又は緯糸が総繊度が100デシテックス以下で、且無機微粒子の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする上記第1に記載の高密度織物。
3.目付けが150g/m以下であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の高密度織物。
4.織組織がリップストップ組織であり、経糸切断方向及び緯糸切断方向切断の引裂き強力が共に9.8N以上であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の高密度織物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の高密度織物は経糸と緯糸のカバーファクターの総和が2000以上であることが好ましい。これは優れた防水性(耐水圧)と引き裂き強力を得るためである。本発明で言うカバーファクターとは式:{糸の総繊度(デシテックス)}1/2 ×{織物密度(本/in)}で表され、その総和は経糸、緯糸別に求められたカバーファクターの和で表される。カバーファクターの総和が大きいことは織物面積に占める糸の面積が大きいことを意味し、織物の緻密性が高いと言える。優れた防水性を有する高密度織物を得るためには、高密度織物の耐水圧は6.0kPa以上であることが好ましい。さらに好ましくは8.0kPa以上、最も好ましくは10.0kPa以上である。前記の耐水圧を満足させる上においても、カバーファクターが2000以上であることが好ましい。但し、4000を越えると風合いが硬く織物が重たくなってスポーツ衣料用途としては好ましくない。
【0007】
また、高い引裂き強力を得るために織物の地部分を構成する織組織の少なくとも一部がヒラ組織以外からなるものとすることが好ましい。織物の地部分とは織物の左右両端部分に必要に応じて設けられた耳部分を除く、本来の織物部分のことである。織組織の少なくとも一部がヒラ組織以外であるとは、ヒラ組織を基本組織とし、部分的にヒラ組織以外の組織が複合された複合組織を包含するものである。具体的には、綾組織、朱子組織、または梨地、経2重、緯2重、経緯2重組織、、リップストップ組織(前記のヒラ組織を基本組織とし、部分的にヒラ組織以外の組織が複合された格子柄を持つ複合組織の代表的なもの)等で構成された織物が例示される。中でも、織物の耐水圧が高く、且つ地合いの丈夫な石目組織やナナコ組織とヒラ組織を複合したリップストップ組織の織物が好ましい。織物の地部分の織組織がヒラ組織ばかりで構成されたヒラ織物では単位面積当たりの組織点が多いことから引裂き強力の低下を招き好ましくない。リップストップ組織の格子柄の間隔は1インチ以下が好ましく、更に好ましくは1cm以下、最も好ましくは5mm以下である。なお、ヒラ組織以外の組織を含んで構成される高密度織物では、経糸と緯糸の組織点が少なくなって、耐水圧が下がることも起こり得るので、必要に応じて染色仕上げ加工においてカレンダー加工や樹脂加工等を施すことも好ましい。
【0008】
そして、スポーツ衣料を主用途とする高密度織物は、例えば雨中のゴルフ用レインウェア等、防水効果と共に動きやすさが重視される。そのため軽量化すべく織物の目付けは150g/m2以下、更には120g/m2以下を満たすことが好ましい。そして、織物の厚みで0.15mm以下とすることによってスポーツ衣料として薄く、軽量感を有する好ましい高密度織物と言える。
【0009】
本発明の高密度織物の構成糸はポリエステルマルチフィラメントまたはナイロンマルチフィラメントであることが好ましく、総繊度が100デシテックス以下、単糸繊度が1.0デシテックス以下で、平均粒径が0.5μm以下の無機微粒子を0.2重量%以上、10.0重量%以下含有していることが好ましい。総繊度を100デシテックス以下とすることによって、高いカバーファクターとしながらも薄地で軽量の高密度織物が得られる。好ましくは90デシテックス以下、更に好ましくは60デシテックス以下である。また、高密度織物の耐水圧を高め、風合いをソフトにするために単糸繊度が細いものが好ましく、1.0デシテックス以下、さらに好ましくは0.7デシテックス以下、最も好ましくは0.6デシテックス以下である。マルチフィラメントが有するフィラメント数は特に限定されないが、耐水圧を高めるために70本以上が好ましく、より好ましくは100本以上である。織物設計において経緯単位密度間、即ち経方向、緯方向1インチ間の総フィラメント数を各々少なくとも10000本以上することによって耐水、防水性に非常に優れた高密度織物とすることができ、好ましい。そしてフィラメントの光沢感を軽減するために平均粒径が0.5μm以下の屈折率の高い無機微粒子を0.2重量%以上含有することが好ましく、無機微粒子を含有することによって織物の落ち感、ドレープ性を高め、紫外線を遮蔽する効果も見られる。無機微粒子としては酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられるが、中でも白度が高く、光沢感の軽減効果が高い二酸化チタンが好ましく使用され、製糸する上で最も適した無機微粒子と言える。また、繊維間の摩擦力を小さくすることができるので高密度織物の引裂き強力を高める効果もある。但し、平均粒径が0.5μmを超えた無機微粒子を添加することや10.0重量%を超えて添加することは製糸性を損ね、工業生産を悪化させる事になるので、平均粒径はより好ましくは0.4μm以下、無機微粒子の添加量は5重量%以下とすることが好ましく、更に好ましくは1.5重量%以上、2.5重量%以下である。
【0010】
本発明の合成繊維で構成された高密度織物の製織方法については特に限定されないが、通常の整経工程などの経糸準備工程や、緯糸準備工程の後、製織される。ここで経糸には無撚若しくは加撚されていても撚係数(T√D、Tは撚数(回/m、Dは糸の総繊度(dtex)を示す)が5000以下の甘撚であることが好ましい。染色加工工程で必要に応じてカレンダー工程にて織物を押圧し、繊維を偏平化させることによって組織間の隙間を小さくすることができるが、その場合にも経糸の撚数が高くなると繊維の集束性が増し、カレンダー工程において繊維が偏平化しにくくなるため、撚係数は小さいことが好ましく、より好ましい範囲として無撚若しくは撚係数が4000以下を例示できる。緯糸の撚数も前述に記載のとおり無撚、若しくは撚係数が5000以下の甘撚糸が好ましい。そして、甘撚を施す場合にはアップツイスターの1つに分類されるイタリー撚糸機、ラージアップツイスターやダウンツイスターの1つに分類されるリング撚糸機、合撚機、またはダブルツイスターなどの一般の撚糸機を使用して撚糸され、取り分け汎用性に優れ、取り扱いが簡単な合撚機や生産性に優れたダブルツイスターが好ましく利用される。なお、無撚で製織する際には合成繊維に混繊交絡が施されていることが好ましく、混繊交絡度が20ケ/m以上、100ケ/m以下が好ましく、より好ましくは40ケ/m以上、80ケ/m以下である。しかし、100ケ/Mを越えると風合い硬化と好ましくないムラ外観をもたらし、好ましくない。混繊交絡手段についてはエアー交絡ノズルが好ましく、インターレーサーノズルやタスランノズルなどが好適である。
【0011】
経糸には必要に応じてサイジングを行っても良い。サイジング工程においては製織工程における織機或いは合成繊維の種類に応じてアクリル系糊とポリビニルアルコール糊などを使い分け、糊剤の配合比を適正化する。また、糊剤には平滑剤、柔軟剤、帯電防止剤、浸透剤などの添加も必要に応じて行われる。糊付着量としては合成繊維の形態にもよるが10%以下を目安にサイジングされる。なお、あらゆる工程において共通することであるが、接糸部の摩耗が無機微粒子の少ない合成繊維に比べて激しくなる場合があり、製糸時、例えば直接紡糸延伸時に適切な油剤を選択することや、耐摩耗性に優れた接糸部品を選択すること、また張力管理など適切な対策を取ることが好ましく、製織工程においては耐摩耗に優れた筬、ヘルドの選択、筬番手の適正化、或いは、サイジング糸・緯糸にオイリング処理をするなどの方策が必要に応じて立てられることが好ましい。
【0012】
本発明の合成繊維で構成された高密度織物は経糸・緯糸の密度バランスを適切に設計して得ることが好ましい。即ち、経糸と緯糸のカバーファクターの総和に対する経糸のカバーファクターの比率を50%以上、70%以下とすることが好ましい範囲であり、この範囲を満たさない場合は、高密度織物において防水性が低下したり、経緯の引裂き強力のバランスが崩れたりなど織物特性を損ね、緯糸密度が多い場合には織物生産性が下がることにもつながる。また、本発明では限定されないが、製織工程における筬番手も適切に選択する必要があり、規格にもよるが60番/鯨(鯨:3.79cm)以下のような荒い筬を使うと生機において筬筋が発生しやすくなって生機の品位を下げることになり、仕上がり品の高密度織物における防水性を下げる懸念もあるので使用は避けたほうが好ましい。但し、筬番手が100番/鯨以上になると目が細かく作業性を害する場合があるので好ましくない。
【0013】
本発明の高密度織物はレピア織機、エアージェット織機、ウオータジェット織機、フライシャトル織機、グリッパ織機から選択されるいずれかで製織することできる。そして、高付加価値を付与できる多色自由交換装置を有した織機、変化組織に対応することが可能なドビー装置を有した織機などは更に好ましく使用することができる。中でも、生産性の高く、製造コストが比較的安価なドビー装置を有するウォータージェット織機が好ましく採用される。
【0014】
染色仕上げ加工については通常の精練リラックス、染色加工を施す事によって仕上げることができる。耐水圧を大きくする上で、カレンダー加工を施しておくことも好ましい。カレンダー加工は染色仕上げ加工工程のどの段階でも可能であるが、染色後に行うことが好ましい。カレンダー加工の条件として、加熱温度を130〜190℃、圧力を5〜100kg/cm2、速度を1〜30m/分に設定することを例示できる。又、必要に応じて織物片面若しくは両面に樹脂加工することもできる。コーティング法、ラミネート法、吸塵法、パッド法等により、撥水剤、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等により樹脂加工し、撥水性や透湿防水性等、所望の特性を得ることができる。
【0015】
前述の例の様にして得られた合成繊維で構成された本発明の高密度織物は引裂き強力が経方向、緯方向ともに9.8N以上を満たすことが好ましい。本発明の高密度織物はスポーツ衣料用途が中心であり、例えば雨中のゴルフ用レインウェア等の運動に耐え得る衣料とするためには経方向、緯方向ともに9.8N以上の引裂き強力を備えていることが好ましい。
【0016】
本発明に用いられる合成繊維としてはポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレンなどいずれでも構わないが、中でもポリエステル、ナイロンが好ましい。ポリエステルとしては主たる成分がポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルが代表例であり、通常の公知の方法で重合することにより得られるが、本発明の目的を損なわない程度の範囲内で他の第3成分を共重合してもよい。具体的にはアジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、イソフタル酸、5―ソジュームスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、ビスフェノールAまたはそのエチレンオキサイド付加物、ヒドキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを単独あるいは2種以上を組み合わて用いることができる。また光沢感を抑制する目的の無機微粒子の他、本発明の目的を損なわない範囲で抗酸化剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、制電剤、難燃剤などの添加物を配合しても良い。また、ナイロンとはアミド結合を有した高分子を指し、主に脂肪族ポリアミドを指す。中でもナイロン66、ナイロン6が好適であり、ポリエステルと同様、他の共重合物や添加物を含有していても構わない。
【0017】
本発明の高密度織物を構成する合成繊維の断面形状は丸、三角、四角などの多角形、偏平、中空、星、歯車型などどんな形状でも構わず、特に限定されないが、光沢感を抑制する上で丸断面が好ましい。また、合成繊維がマルチフィラメントである場合、溶融紡糸されたものを延伸機で延伸する方法によって得ることが出来るが、直接紡糸延伸した、所謂、スピンドロー方式で得ることが低コストで好ましい。更には混繊機で収縮率の異なる繊維を混繊した異収縮混繊糸・自発伸長混繊糸、タスラン加工糸など糸加工を施した合成繊維マルチフィラメントでも構わない。
【0018】
また、本発明の高密度織物を構成する合成繊維糸は少なくとも3.5cN/dtexの強度と少なくとも25%の伸度を有していることが好ましい。更に好ましくは強度が4.0cN/dtex以上、伸度が30%以上である。合成繊維の乾熱収縮率は衣料用を目的にしたものであれば40%以下、更に好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。
【0019】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に発明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、本発明で用いる測定方法は下記である。
[耐水圧] JIS L−1092に記載される耐水度試験装置(低水圧用)に準じて測定した。
[引裂き強力] JIS L−1096に記載されるペンジュラム法に準じて測定した。
[目付け]織物から50cm2 の円形試料を2枚作成し、2枚合わせて重量を測定し、100倍した数値を用いた(単位:g/m2)。
【0020】
(実施例1)
二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートフルダルレジンを使用し、直接紡糸延伸方法によって得られた56デシテックス108フィラメント丸断面のスピンドロー糸を得た。先ず経糸準備として、ヤマダ製の一本糊付機YS−6型にて速度200M/分、乾燥温度70℃、糊液温度40℃、付着量を7.0重量%に設定し糊付けを行った。なお、糊は互応化学工業株式会社製のアクリル酸エステル共重合体アンモニウム塩タイプのプラスサイズJ−60と、日本合成化学工業株式会社製のポリビニルアルコール糊としてゴーセノールGL−05を使用し、各々の混合比率を6:4に調整した濃度が8%、粘度が5mPasの混合糊を使用した。また混合糊には平滑剤、柔軟剤、浸透剤として互応化学工業株式会社製のサイテックスK−380(有効成分25%)、サイテックスT−190(同35%)、サイテックス24(同40%)を添加し、帯電防止剤として大日本インキ化学工業株式会社製のAS−20(同35%)を用い、夫々2%、2%、0.2%、0.2%添加した。次いで得られた各々の糊付糸を(有)スズキワーパー製NAS SUPER−130W型を用いて筬入巾130cm、経糸本数9300本で整経を行った。次いで、(株)石川製作所製2001Sレピア織機に整経ビームを仕掛け、6mm程度間隔の格子柄を形成するリップストップ組織で、緯糸として経糸と同じ56デシテックス108フィラメントを打ち込み、製織した。製織性は非常に良好であり、毛羽発生による経糸切れはなく、接糸品、筬などの摩耗は問題にならない程度であった。そして、得られた生機品質は高いものであり、筬筋などは見られなかった。該生機を通常の精練リラックス、染色、カレンダー、撥水加工などの仕上げ工程に通し、染色加工布を得た。なお、染色加工布のカバーファクターの総和は2570であった。該染色加工布の引裂き強力は経糸方向13.6N、緯糸方向10.5Nであり、また耐水圧が9.8kPaを有した高強力、透湿防水性、ソフト感で軽量感に優れた光沢感のないフルダル調ポリエステルマルチフィラメント高密度織物でありスポーツ衣料用途に適したものであった。結果を表1に示す。
【0021】
(比較例1)
織組織をヒラ組織で製織した以外は実施例1と全く同様にして高密度織物を得た。なお、染色加工布のカバーファクターの総和は2447であった。得られた高密度織物は実施例1と同様に高い耐水性、防水性を示したが、引裂き強力が低くなりスポーツ衣料用途には適していない高密度織物であった。結果を表1に示す。
【0022】
参考例1
実施例1において、二酸化チタンを0.4重量%含有したポリエチレンテレフタレートセミダルレジンを用いて直接紡糸延伸し、以下、実施例1と全く同様にして染色加工布を得た。該染色加工布はスポーツ衣料用途に好適なポリエステルマルチフィラメント高密度織物であり、高強力、透湿防水性、ソフト感で軽量感に優れており、実施例1の高密度織物と比較してやや光沢感を強く感じるものの、総合的には好ましい高密度織物であった。結果を表1に示す。
【0023】
参考例2
実施例1において、二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0重量%含有したナイロン6レジンを使用し、直接紡糸延伸方法によって得られた56デシテックス48フィラメント丸断面のナイロン6マルチフィラメントを使用し、以下実施例1と同様にして織物生機を得た。得られた生機を通常の精練リラックス、染色を行い、カレンダー加工を施して染色加工布を得た。なお、染色加工布のカバーファクターの総和は2282で得られた高密度織物は高強力、高い耐水圧・防水性を示し、スポーツ衣料に好適な高密度織物であった。結果を表1に示す。
【0024】
(比較例2)
参考例2で用いた経糸、緯糸を使用し、染色加工布のカバーファクターの総和を1850とした以外は実施例1と同様にして染色加工布を得た。該染色加工布の耐水圧は5.5kPaであり、耐水圧・防水性において満足し得るものではなかった。結果を表1に示す。
【0025】
(実施例
経糸用として、二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、2.0重量%含有した直接紡糸延伸方法によって得られた84デシテックス144フィラメント丸断面のポリエステルマルチフィラメント、緯糸用として5―ソジュームスルホイソフタル酸を共重合させ、二酸化チタンの平均粒径が0.3μm、0.4重量%含有した直接紡糸延伸方法によって得られた84デシテックス72フィラメント丸断面のカチオン可染ポリエステルマルチフィラメントを使用し、以下若干の密度修正を施した以外は実施例1と同様にして織物生機を得た。得られた生機を通常の精練リラックスの後、分散染料と分散型カチオン染料を用いて異色相に染色し、カレンダー加工を施し染色加工布を得た。なお、染色加工布のカバーファクターは2560であった。得られた高密度織物は高強力、高い耐水圧・防水性を示し、スポーツ衣料に好適で玉虫調の色彩外観効果を持つ極めて好ましい高密度織物であった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004228113
【0027】
【発明の効果】
本発明によって、スポーツ衣料用途等の素材として広く使用することが可能な高強力で防水性を有し、ソフトで軽量であり、なお且つ光沢感を軽減した合成繊維から構成された高密度織物を提供することが可能となった。

Claims (4)

  1. 合成繊維からなる経糸と緯糸のカバーファクターの総和が2000以上である高密度織物において、経糸及び/又は緯糸が、単糸繊度が1.0デシテックス以下であり、無機微粒子を1.5重量%以上、2.5重量%以下含有するポリエステルマルチフィラメントからなり、耐水圧が6.0kPa以上であり、織物の地部分を構成する織組織の少なくとも一部がヒラ組織以外からなることを特徴とする高密度織物。
  2. 経糸及び/又は緯糸が総繊度が100デシテックス以下で、且無機微粒子の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高密度織物。
  3. 目付けが150g/m以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高密度織物。
  4. 織組織がリップストップ組織であり、経糸切断方向及び緯糸切断方向切断の引裂き強力が共に9.8N以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高密度織物。
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