JP4050417B2 - 脱臭性エレクトレットフィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塵埃等を除去するために用いられるエレクトレットフィルターに脱臭性を付与した脱臭性エレクトレットフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活環境の変化や健康志向の高まりなどにより、家庭や職場において空気清浄化装置の普及が進んでいる。空気清浄化装置の集塵方式としては、電気集塵方式、濾過フィルター方式、エレクトレットフィルター方式などがあり、コンパクトな家庭用空気清浄機においてはエレクトレットフィルター方式が広く普及している。
【0003】
最近の家庭用空気清浄機などでは、集塵性能に加えて脱臭性能が付加されるものが多く、集塵性能と脱臭性能の両者を有するフィルターに対するニーズが高まってきている。
【0004】
また、このようなエレクトレットフィルターはハウスダストなどの塵埃以外にも、細菌、黴の胞子、ウイルスなどを捕捉するため、これらの細菌などの有害物がエレクトレットフィルター上で高密度化し、悪臭などの原因となる場合があり、種々の抗菌加工が実用化されている。このような抗菌加工は細菌などの繁殖の抑制には有効な手段ではあるものの、抗菌加工のみでは悪臭の発生を十分に抑えることができない場合があり、脱臭性の付与が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れた脱臭性を有する脱臭性エレクトレットフィルターおよびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達したものである。
【0007】
本発明は次の通りである。
1.通気性基材に脱臭剤を担持してなる脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わせてなる脱臭性エレクトレットフィルターであって、
2.脱臭フィルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルターの圧力損失(B)との比(A/B)が0.1〜1の範囲にあり、
3.脱臭フィルターとエレクトレットフィルターが部分的に交絡されてなる
脱臭性エレクトレットフィルター。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、優れた脱臭性を有する脱臭性エレクトレットフィルターを提供する。
【0019】
本発明に係わる脱臭剤は主に悪臭を除去する目的で用いられる薬剤であり、具体的には下記に例示するような吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルトまたはマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、酸化チタンなどの光触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。これらの脱臭剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの脱臭剤を複合化したハイブリット脱臭剤としても良い。
【0020】
本発明に係わる吸着剤として、活性炭、添着活性炭、活性炭素繊維、天然および合成ゼオライト、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、シリカ−酸化亜鉛複合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩、イオン交換樹脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0021】
本発明に係わる吸着剤は、特に限定されるものではないが、塩基性ガス吸着剤またはアルデヒド吸着剤であることが特に好ましい。
【0022】
塩基性ガス吸着剤とは、主に酸性物質を含有する吸着剤であり、具体的には、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、スチレンスルフォン酸、アルギン酸などの有機酸またはその多量体やオリゴマーまたはポリマーなどの重合体、活性白土などの酸性基を有する無機吸着剤および燐酸などの酸性物質を添着した酸添着活性炭等が挙げられる。
【0023】
本発明に係わるアルデヒド吸着剤とは、アセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と親和性が高い吸着剤であり、アミン添着活性炭、ハイシリカゼオライトおよびモレキュラーシーブなどが挙げられる。
【0024】
本発明に係わるアミン添着活性炭とは、各種アルデヒドと化学吸着反応を起こすアミン類を添着してなる活性炭である。
【0025】
アミン添着活性炭に用いられるアミンとしては、第1アミン化合物としてアミノ基を有するアニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン、(イソ)プロパノールアミン、エタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、スチレンメタクリル酸エチルアミン、スチレンアクリル酸アミン等の化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物から誘導されるアミノ基を含有する誘導体などを用いることができる。
【0026】
第1アミン以外のアミン化合物、たとえば第2アミン化合物としてはエチルアニリン、ジエチルアミン、メチルビニルアミン、スチレンアクリル酸メチルメチルアミン、ビニルベンジルメチルアミン、スチレンメタクリル酸エチルメチルアミン等の化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物から誘導される第2アミン化合物など、
【0027】
あるいは第3アミン化合物としてビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルジエチルアミン、スチレンアクリル酸ジエチルアミン、スチレンメタクリル酸ジエチルアミン、スチレンアクリル酸ジメチルアミン、スチレンメタクリル酸ジメチルアミン、スチレンメタクリル酸エチルジメチルアミン、スチレンアクリル酸エチルジメチルアミン、スチレンメタクリル酸エチルジエチルアミン、スチレンアクリル酸エチルジエチルアミン、トリエチルアミン等の化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物から誘導される第3アミン化合物なども用いることができるが、好ましくはアミノ基を有する第1アミン化合物が用いられる。
【0028】
これらのアミン化合物は活性炭に吸着させるか、あるいは活性炭の表面に残る水酸基やアルカリ金属などの官能基と部分的に反応させながらインターカレーションを行うことによりアミン添着活性炭とすることができる。効率的にインターカレートできるアミン化合物と活性炭の残存官能基の組み合わせは限定されるが、アミン化合物が挿入されることによりより強固にアルデヒドを吸着剤中に取り込むことが可能になる。
【0029】
本発明に係わるハイシリカゼオライトは、化学的には通常のゼオライトと同じくアルミノシリケート金属塩の結晶であるが、特に結晶中のアルミナに対するシリカの割合が高く、シリカ構造中の酸素原子が塩基性をほとんど持たない。
【0030】
このようなハイシリカゼオライトは表面のSi−O−Si結合が水素結合の形成に関与せず、疎水性を示して水分子を吸着しないため、高湿度環境下および高温度環境下においても効率良くアルデヒド類を吸着することが可能である。そこでハイシリカゼオライトは疎水性ゼオライトと呼ばれる場合がある。
【0031】
更に、ハイシリカゼオライトはアルデヒド類のみならず、広範囲の臭気物質、例えば有機酸、アンモニア、アミン類、ケトン類、硫化水素やメルカプタン類などの含硫黄化合物、インドール類などを吸着できるため、本発明に係わる吸着剤としては殊更に好ましいものである。
【0032】
次に、本発明に係わる通気性基材について、以下に具体的に説明する。
本発明に係わる通気性基材は、脱臭剤を担持した脱臭フィルターの支持体として機能するものである。このような基材の形態としては、織布、不織布、各種の紙、ネット、ハニカム、フォーム、スポンジ及びフェルト等の他、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエステルフィルムの様な汎用の樹脂フィルムや薄板、並びに金属箔などが挙げられる。これらの内、フィルム、薄板および金属箔等の通気性に乏しいシートは、適度な大きさの穴をあけて通気性を付与または向上させも良い。中でも、坪量、通気性を制御し易く、加工性にも優れている点から本発明に係わる通気性基材としては不織布が特に好ましい。
【0033】
不織布は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維などの合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、活性炭素繊維などの無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に親水性や難燃性などの機能を付与した繊維などを使用し、各種方法によって製造したものである。
【0034】
不織布の製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法などで得られたウェブを水流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方法、レジンボンドなどの接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
【0035】
本発明の通気性基材に脱臭剤を担持させるには、基材の原料に練り混み等によって担持する方法、塗工や印刷、含浸などによって担持する方法、湿式抄造によって担持する方法、2枚以上の基材の間に封入する方法などを用いることができる。中でも、塗工や含浸による方法が好ましく、各種ブレードコーター、ゲートロールコーターやトランスロールコーター、シムサイザーなどの各種ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、コンマコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、キスコーター、ディップコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、スプレーコーター、2ロールタイプのサイズプレスまたはタブサイズプレスサイズプレスなどの各種塗工装置を用いることができる。
【0036】
塗工や含浸などの方法によって通気性基材に脱臭剤を担持して脱臭フィルターを作製する場合には、バインダーを用いることができる。バインダーの種類は特に限定されるものではなく、樹脂バインダーや無機系バインダーおよびこれらを適宜組み合わせて用いることが好ましい。
【0037】
樹脂バインダーの中では、脱臭剤の表面を覆うことなく十分な接着性が得られるものとして熱可塑性高分子エマルジョンが好ましい。
【0038】
熱可塑性高分子エマルジョンとして、ポリアクリロニトリルやポリアクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などの各種共重合樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂などが挙げられる。
【0039】
本発明に係わる無機系バインダーの具体例としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリナイト、ハロイサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、セピオライトなどの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナおよびこれらの変性物や合成無機高分子化合物などが挙げられる。
【0040】
本発明で云う上記変性物における変性とは、天然鉱物中より不純物や特定の原子団を除去したり、天然鉱物構成元素中の特定の元素を適当な方法で処理して他の元素と交換したり、別の化合物(特に有機化合物)と共に化学処理して特に鉱物表面の物性を改変することにより、元来の天然鉱物固有の特性を伸長したり、あるいは新たなる特性を付与することであり、本発明で云う変性物の具体例としては、Ca−モンモリロナイトを水の存在下で炭酸ナトリウムなどと処理してイオン交換を行ったNa−モンモリロナイトや、カチオン界面活性剤および/またはノニオン界面活性剤と処理したものなどが挙げられる。
【0041】
また、本発明で云う合成無機高分子化合物とは、天然鉱物と同等の組成を得るべく、あるいは新たな特性を付与するべく同等組成の特定の元素を他の元素で置換したもので、2種類以上の化合物を反応させて得られるものであって、天然雲母族の構造中の水酸基をフッ素で置換したフッ素雲母や、合成スメクタイトなどが挙げられる。フッ素雲母の代表例としては、フッ素金雲母[KMg3(AlSi3O10)F2]、フッ素四ケイ素雲母[KMg2.5(Si4O10)F2]、テニオライト[KMg2Li(Si4O10)F2]などが挙げられる。
【0042】
また、塗工や含浸などに際しては、本発明の趣旨を逸脱しない限り、分散剤、消泡剤、濡れ性改良材、剥離剤、染料や顔料などの着色剤、防腐剤などを塗液に添加しても良い。
【0043】
上記の種々の方法によって通気性基材に脱臭剤を担持した後には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダーを用いて平坦化、つや出し仕上げを行ったり、毛焼きなどの処理やエンボス装置を用いた型付け処理等を行っても良く、また、型抜きや高圧水流法などによって適度な大きさの穴をあけ、通気性を付与または向上させても良い。
【0044】
通気性基材に脱臭剤を担持して脱臭フィルターを調製するに当たっては、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、抗菌剤、防黴剤、抗ウイルス剤、防虫剤、害虫忌避剤、芳香剤などの各種薬剤を併用しても良い。このような抗菌剤または防黴剤、抗ウイルス剤として、銀や亜鉛または燐酸カルシウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、クロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサンなどの高分子系抗菌剤、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然物由来の抗菌剤およびこれらを複合したハイブリット抗菌剤などが挙げられる。
【0045】
本発明に係わるエレクトレットフィルターとは、半永久的に電気分極を保持し、外部に対して電気力を及ぼすフィルターであって、その静電気力によって粒子を捕捉するものである。帯電方法としては、エレクトロエレクトレット、熱エレクトレット、ラジオエレクトレット、メカノエレクトレット、フォトエレクトレット、マグネットエレクトレットなどが挙げられるが、工業的に不織布フィルターで用いられているものは、主にエレクトロエレクトレットおよび熱エレクトレットであり、フィルター材料としてはポリプロピレンまたはプロピレン主体の共重合体が用いられることが多く、脂肪酸金属塩などが添加される場合がある。
【0046】
不織布は嵩高で3次元空隙が存在するため、コロナ放電などによる帯電処理では安定した帯電効果を得ることが難しい場合があり、コロナ放電などで帯電処理を施したフィルムを繊維状に断裁、それを不織布化したスプリットファイバーエレクトレットフィルターや、メルトブロー紡糸時および溶融紡糸時に高電圧を印加して熱エレクトレット的に繊維を帯電させたメルトブロー不織布式エレクトレットフィルターおよびスパンボンド不織布式エレクトレットフィルターなどは、安定した分極電荷を得ることができ、好ましい。なお、メルトブロー不織布式エレクトレットフィルターなどは単体では力学的強度が小さいため、乾式不織布やスパンボンドなどを貼り合わせて使用される場合がある。
【0047】
本発明に係わる脱臭フィルターは、比較的軟らかいエレクトレットフィルターを補強してプリーツ適性を付与するために重ね合わされるバックアップ材、または、エレクトレットフィルターの力学的強度を補う目的や繊維の毛羽立ちを抑える目的などで使用されるカバー材またはスクリーム材などの通気性基材を兼ねても良い。
【0048】
本発明に係わる脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わせる場合には、単に重ね合わせるだけでも良いが、部分的または全体的に融着、接着、縫合または交絡させるなどして一体化しても良い。
【0049】
脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを融着によって一体化する方法として、いわゆるヒートシール法などの熱融着法、いわゆるピンソニック法などの超音波融着法、およびいわゆる高周波ウエルダー法またはいわゆる高周波ミシン法などの高周波融着法が挙げられる。
【0050】
脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを接着によって一体化する方法として、液状の接着剤を用いる接着法、エンボス装置などを用いて加圧接着する圧着法、一方のフィルター、好ましくは脱臭フィルターに熱可塑性樹脂を点状に散布して加熱により可塑化した後、または、可塑化した熱可塑性樹脂をスプレーノズルなどで塗布した後に、他方のフィルター、好ましくはエレクトレットフィルターを貼り合わせるホットメルト接着法などが挙げられる。ホットメルト接着法などの熱が介在する接着法においては、熱可塑性樹脂の余分な熱を除去する、またはエレクトレットフィルターを冷却しながら貼り合わせるなどしてエレクトレットフィルターへの熱の影響を排除することが好ましい。
【0051】
熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体またはこの変性物、エチレンアクリレート共重合体、アイオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル共重合体系、セルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレート系、ポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネイト系の樹脂などが挙げられる。
【0052】
脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを縫合によって一体化する方法として、いわゆるステッチボンド法などが挙げられる。縫い目のパターンは特に限定されるものではなく、例えば縞状、菱形または無作為などが挙げられる。また、縫合に用いる糸は、特に限定されるものではないが、モノフィラメントよりもマルチフィラメントが好ましく、更にエレクトレット化された糸または脱臭剤を担持した糸であることが好ましい。
【0053】
脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを交絡によって一体化する方法として、ニードルパンチ法およびいわゆるスパンレース法などの水流交絡法等が挙げられる。中でも、ニードルパンチ法による交絡が好ましく、また、本発明の第5の発明に係わる帯電加工は、メカノエレクトレット法によってニードルパンチ法による交絡と同時に帯電を施しても良い。
【0054】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、脱臭フィルターとエレクトレットフィルターが部分的に交絡されてなることが好ましく、圧力損失が低く通気性に優れる特長を有する。
【0055】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、脱臭フィルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルターの圧力損失(B)との比(A/B)が0.1〜1の範囲にあることが好ましい。この圧力損失の比(A/B)が0.1以上の場合には一層高い脱臭効果が得られる利点があり、一方、1を越える場合には一層高い脱臭効果は維持されるものの、エレクトレットフィルターと重ね合わせる脱臭フィルターの通気性が低下するのに伴って、総体として脱臭性エレクトレットフィルターの圧力損失が高くなり、通気性が悪化するため好ましくない。
【0056】
ここでいう圧力損失の比は、本発明の脱臭性エレクトレットフィルターが使用される空気清浄機、空調設備、脱臭装置などの風量を単位面積に換算したいわゆる線風速の範囲において規定されるもので、具体的な範囲として2cm/秒から200cm/秒までの範囲で比較されるものである。
【0057】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとの間に不連続高分子層が存在することが好ましく、該不連続高分子層の存在によって高い通気性および優れた脱臭寿命が得られる。
【0058】
本発明に係わる不連続高分子層は特に限定されるものではなく、紙、不織布、ネット、熱可塑性樹脂など各種接着剤の接着層等が挙げられる。
【0059】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターはエレクトレットフィルターと脱臭フィルターとを重ね合わせた後に、好ましくは前述の種々の方法などによって一体化した後に帯電加工を施すことが好ましく、帯電加工によって集塵性能の一層の向上が達成される。なお、帯電加工を施す場合には、脱臭フィルターを構成する通気性基材または不連続高分子層は、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。
【0060】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは所望により難燃性を付与しても良い。難燃性を付与するための難燃性物質としては、本質的に難燃性のアラミド樹脂、本質的に不燃性の金属、ガラス、アルミナなどの酸化物等の無機物のほかに合成樹脂、及び天然繊維等の中に難燃剤を化学的に組み込んだり、物理的に配合した複合物を挙げることができる。
【0061】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、単板で使用しても良いが、プリーツ状に加工しても良く、また、単板または山高さの比較的低いプリーツ状でロール状に巻いたフィルターとして用いても良い。ロール状フィルターでは、使用後のフィルターの取り外しが容易となるようにミシン目を入れて切り取り易くしても良い。
【0062】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、所望によりハニカム状に成形加工を施しても良い。ハニカムとは開孔を有するセル壁からなる構造体であり、ハニカムの具体例として、JIS−Z−1516に記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される片段ボールを積層してなるコルゲートハニカム、六角形セルからなるヘキサゴンハニカム、正方形セルからなるハニカム、三角形セルからなるハニカム、および中空円筒状セルを集合してなるハニカムなどが挙げられる。ここで、六角形や正方形などのセル形状は正式な多角形ではなく、角が丸いまたは辺が曲がっているなどした異形であっても良い。
【0063】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは一般に通気して用いられるものであり、塵埃がエレクトレットフィルターと接触する機会および臭気物質や細菌などの有害物質が脱臭剤と接触する機会が増える。本発明の脱臭性エレクトレットフィルターに通気する手段は特に限定されるものではなく、シロッコ型、軸流型、プロペラ型、ターボ型、ラジアル型、クロスフロー型などの各種ファンモータなどの送風機を用いる方法、自然風または換気扇等の排気ファンやエアコン等の空調機などが発する風を利用する方法、熱対流による方法、乗用車などの移動に伴って生じる気流を利用する方法などを挙げられる。
【0064】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターに通気する際の向きは特に限定されるものではないが、エレクトレットフィルター側を風上、脱臭フィルター側を風下とすることが好ましく、空気清浄機などの装置内に殺菌灯などの光源を設置する場合には本発明の脱臭性エレクトレットフィルターよりも風下に配置することが好ましい。
【0065】
本発明の脱臭性エレクトレットフィルターの風上には電気集塵器を配置しても良く、この場合には、本発明の脱臭性エレクトレットフィルター、特にそのエレクトレットフィルター側を電気集塵器に近接させることが好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施例に限定されるものではない。
【0067】
調製例1
脱臭剤として市販のゼオライト80重量%と、バインダーとして市販のスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン20重量%とを混合撹拌して塗液を調製し、調製例1の脱臭剤塗液とした。
【0068】
調製例2
調製例1において、市販のゼオライトに代えて塩基性ガス吸着剤であるフマル酸系有機酸−亜鉛化合物、市販のスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョンに代えて市販の酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョンとする以外は、全て調製例1と同一の方法で塗液を調製し、調製例2の脱臭剤塗液とした。
【0069】
調製例3
調製例1において、市販のゼオライトに代えてアルデヒド吸着剤であるアニリン含有活性炭とする以外は、全て調製例1と同一の方法で塗液を調製し、調製例3の脱臭剤塗液とした。
【0070】
調製例4
調製例1において、市販のゼオライトに代えてアルデヒド吸着剤であるハイシリカゼオライトとする以外は、全て調製例1と同一の方法で塗液を調製し、調製例4の脱臭剤塗液とした。
【0071】
調製例5
脱臭剤として塩基性ガス吸着剤である活性白土25重量%と、アルデヒド吸着剤であるハイシリカゼオライト55重量%と、バインダーとして市販のスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン20重量%とを混合撹拌して塗液を調製し、調製例5の脱臭剤塗液とした。
【0072】
予備操作1
市販のナイロン製マルチフィラメント撚糸に調製例4の脱臭剤塗液を塗布し、予備操作1の脱臭剤担持糸を作製した。
【0073】
参考例1
ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布に調製例1の脱臭剤塗液30g/m2を含浸塗工して脱臭フィルターを作製し、該脱臭フィルターの上に熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂15g/m2を散布し、散布側から表面温度150℃の赤外線ヒーターを当てて加熱し、次いで、熱可塑性樹脂が可塑化した後に加熱を止め、速やかに脱臭フィルターの熱可塑性樹脂散布側にエレクトレットフィルター30EP(三菱製紙製)と重ね合わせて2本の回転ロール間に挟んで加圧し、接着により一体化し、参考例1の脱臭性エレクトレットフィルターを得た。
【0074】
参考例2〜4
参考例1において、エレクトレットフィルター30EP(三菱製紙製)に代えてエレクトレットフィルター50EP(三菱製紙製)、エレクトレットフィルター70EP(三菱製紙製)およびエレクトレットフィルター90EP(三菱製紙製)とする以外は、全て参考例1と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これらの試料をエレクトレットフィルターの品番の小さいものから順にそれぞれ参考例2、参考例3および参考例4の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0075】
参考例5〜8
参考例1〜4において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布に代えて坪量100g/m2のウレタンフォームとする以外は、全て参考例1〜4と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これらの試料をエレクトレットフィルターの品番の小さいものから順にそれぞれ参考例5、参考例6、参考例7および参考例8の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0076】
参考例9
参考例2において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布に代えて坪量45g/m2のポリエステル製ネットとする以外は、全て参考例2と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例9の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0077】
参考例10
参考例2において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布に代えてポリエステル繊維およびレーヨン繊維を主体としてアクリルレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布とする以外は、全て参考例2と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例10の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0078】
参考例11
参考例10において、脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを一体化した後に、コロナ放電によって帯電処理を施す以外は、全て参考例10と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例11の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0079】
参考例12〜15
参考例10において、調製例1の脱臭剤塗液に代えて調製例2、3、4および5の脱臭剤塗液とする以外は、全て参考例10と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これらの試料を調製例の番号の小さいものから順にそれぞれ参考例12、参考例13、参考例14、および参考例15の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0080】
参考例16
参考例10で用いた脱臭フィルターと同一の方法で作製した脱臭フィルターにエレクトレットフィルター50EP(三菱製紙製)を重ね合わせ、これを参考例16の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0081】
参考例17
参考例16において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせた後に、エンボス加工機で加圧して圧着により一体化する以外は、全て参考例16と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例17の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0082】
参考例18
参考例16において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせた後に、ピンソニック加工を施して融着により一体化する以外は、全て参考例16と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例18の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0083】
参考例19
参考例18において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせた後に代えて、脱臭フィルターと、ポリプロピレン製ネットと、エレクトレットフィルターとを順次重ね合わせた後とする以外は、全て参考例18と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例19の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0084】
参考例20
参考例16において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせに代えて、脱臭フィルターの片面に天然ゴムラテックス10g/m2を塗布、乾燥してエレクトレットフィルターを重ね合わせて加圧し、接着により一体化する以外は、全て参考例16と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例20の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0085】
参考例21
参考例20において、脱臭フィルターの片面に天然ゴムラテックス10g/m2を塗布、乾燥に代えて、脱臭フィルターの片面に熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂の加熱溶融物15g/m2を塗布する以外は、全て参考例20と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例21の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0086】
参考例22
参考例16において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせた後に、予備操作1の脱臭剤担持糸を用いてステッチボンド加工を施し、縫合により一体化する以外は、全て参考例16と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例22の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0087】
実施例1
参考例16において、脱臭フィルターにエレクトレットフィルターを重ね合わせた後に、エレクトレットフィルター側からニードルパンチ加工を施し、交絡により一体化する以外は、全て参考例16と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを実施例1の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0088】
参考例24
参考例4において、ポリアクリレート繊維およびポリ塩化ビニル繊維を主体として塩化ビニリデンレジンボンドしてなる坪量50g/m2の乾式不織布にに代えてポリエステル繊維および熱溶融性ポリエステル系バインダー繊維を主体としてサーマルボンドしてなる坪量60g/m2の湿式不織布とする以外は、全て参考例4と同一の方法で脱臭性エレクトレットフィルターを作製し、これを参考例24の脱臭性エレクトレットフィルターとした。
【0089】
比較例1〜4
市販のエレクトレットフィルター30EP(三菱製紙製)、エレクトレットフィルター50EP(三菱製紙製)、エレクトレットフィルター70EP(三菱製紙製)およびエレクトレットフィルター90EP(三菱製紙製)をエレクトレットフィルターの品番の小さいものから順にそれぞれ比較例1、比較例2、比較例3および比較例4のエレクトレットフィルターとした。
【0090】
以上、実施例又は参考例で得られた脱臭性エレクトレットフィルターおよび比較例のエレクトレットフィルターは、以下の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0091】
[圧力損失測定]
JIS−B−99008に準拠して、風速30cm/秒における実施例、参考例および比較例のフィルターの圧力損失(Pa)を測定した。また、実施例又は参考例の脱臭性エレクトレットフィルターを構成する脱臭フィルターの圧力損失(A)およびエレクトレットフィルターの圧力損失(B)をそれぞれ上記の方法で測定し、圧力損失比(A/B)を求めた。
【0092】
[集塵試験]
JIS−B−99008に準拠して、風速30cm/秒における実施例、参考例および比較例のフィルターの0.3〜0.5μm粒径の大気塵の集塵効率(%)を測定した。
【0093】
[脱臭試験A]
実施例、参考例および比較例のフィルターを10cm×10cmに裁断し、5.6リットルの密閉容器内に静置した。次いで、容器中にアセトアルデヒドを20ppm注入して15分後に容器中のアセトアルデヒド濃度(ppm)をガスクロマトグラフを用いて測定した。
【0094】
[脱臭試験B]
実施例、参考例および比較例のフィルターを10cm×10cmに裁断し、200リットルの密閉容器内に静置した。次いで、容器中にアンモニアガスを60ppm注入して20分後に容器中のアンモニア濃度(ppm)をガス検知管を用いて測定した。なお、ガス検知管の検知限界以下の濃度の場合は0ppmと表した。
【0095】
[脱臭耐久試験]
実施例、参考例および比較例のフィルターを10cm×10cmに裁断し、試験用空気清浄機にエレクトレットフィルター側が風上となるように装着して風量1m3/分で運転し、JEM−1467−1995に準拠して脱臭性能試験を行い、タバコ耐久本数(本)を求めた。求めたタバコ耐久本数は小数点以下の値を切り捨て、整数で表した。
【0096】
【表1】
Figure 0004050417
【0097】
表1の結果より、通気性基材に脱臭剤を担持してなる脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わせてなる本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは優れた脱臭性を有し、中でも、脱臭フィルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルターの圧力損失(B)との比(A/B)が0.1以上の場合には特に脱臭性が高いことが分かる。一方、上記の比(A/B)が1を越えると、高い脱臭性は維持されるが圧力損失が高くなり、通気性が低くなるため好ましくないことが分かる。
【0098】
また、脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとの間に不連続高分子層が存在することを特徴とする本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、同じフィルター素材を構成要素とする試料同士で比較すると、圧力損失が低い、または、脱臭耐久性が高く、脱臭性の寿命が長い特長を有することが分かる。
【0099】
或いは、実施例1より、脱臭フィルターとエレクトレットフィルターが部分的に交絡されてなる本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは圧力損失が一層低くて通気性が殊に優れ、脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わせた後に帯電加工してなる本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは特に高い集塵性を有することが分かる。
【0100】
更に、脱臭剤が塩基性ガス吸着剤またはアルデヒド吸着剤である場合には、脱臭性が特に優れ、殊に塩基性ガス吸着剤とアルデヒド吸着剤を併用した場合には、アンモニア等の塩基性ガスとアセトアルデヒド等のアルデヒド類の脱臭性が共に優れ、著しく高い脱臭耐久性が達成されることが分かる。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、通気性基材に塩基性ガス吸着剤またはアルデヒド吸着剤などの脱臭剤を担持してなる脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを、望ましくは圧力損失の比が特定の関係を有する脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを、好ましくは両者の間に不連続高分子層を存在させて重ね合わせ、所望により融着、接着、縫合または交絡によって一体化してなる脱臭性エレクトレットフィルターは優れた脱臭性能と高い通気性を有する。
【0102】
中でも、交絡によって一体化してなる脱臭性エレクトレットフィルターは通気性が特に優れる特長を有し、また、重ね合わせた後に帯電加工してなる脱臭性エレクトレットフィルターは殊に集塵性能に優れる特長を有する。
【0103】
このように、本発明の脱臭性エレクトレットフィルターは、脱臭性と集塵性が要求される空気清浄用途において広く利用され得るものであり、特に、空気清浄機や脱臭機などのプレフィルター等の交換用フィルターとして有利に使用される。

Claims (1)

  1. 1.通気性基材に脱臭剤を担持してなる脱臭フィルターとエレクトレットフィルターとを重ね合わせてなる脱臭性エレクトレットフィルターであって、
    2.脱臭フィルターの圧力損失(A)とエレクトレットフィルターの圧力損失(B)との比(A/B)が0.1〜1の範囲にあり、
    3.脱臭フィルターとエレクトレットフィルターが部分的に交絡されてなる
    脱臭性エレクトレットフィルター。
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