JP6076077B2 - エアフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、土埃、ハウスダスト、花粉等の粉塵を捕集するためのエアフィルターに関する。
近年、家屋、ビル、地下街、車両、アミューズメントスペース、研究所、工場等にいたるまで、ごみ、塵、埃のない空間への関心が高まっており、このような空間を提供する為に、空気清浄機の需要が増加している。空気清浄機用のエアフィルターには不織布が多く用いられており、それらは繊維径の細い繊維で形成した緻密なマトリックスによって微小な塵埃の捕集を可能としている。このような不織布としては、例えば、平均繊維径が数μmのメルトブロー極細繊維不織布やガラス繊維の繊維径が1μm以下のガラス繊維不織布が多く用いられている。しかし、このような空気清浄機用のエアフィルターは通風性能が低いという欠点があり、そのため、エアコンや網戸等の空気清浄機以外の用途に転用することは不可能である(空気清浄機は強力な吸い込み能力の吸気手段を備えるため、通風性能が低いエアフィルターでも使用可能である)。
不織布の中でも、エアレイド不織布は短繊維不織布であり、開繊された繊維が適度な空間を有して配列しているため通気性が良好である(圧力損失が小さい)という特徴を有する。このため、エアフィルターにおける粉塵の捕集能力と通風性能との両立を目的に、メルトブロー不織布にエアレイド不織布を積層したエアフィルターが提案されている(特許文献1)。しかし、このようなエアフィルターにおいても、結局、エアレイド不織布の優れた通気性はメルトブロー不織布によって打ち消されてしまうため、高い通風性能が必要なエアコンや網戸等に装着するエアフィルターとして使用することは困難である。
一方、市販されているエアコン用のエアフィルターや網戸用フィルター(網戸に装着して使用されるエアフィルター)は、良好な通風性能を有するが、粉塵の捕集能力は低く、土埃や花粉といった微細な粉塵の捕集能力は殆ど有していないのが実状である。特許文献2は、不織布からなる網戸用フィルターを提案しており、該文献には塵埃、有害粉塵の侵入を防止できると記載されているが、実際に評価しているのはフィルターの通風性能(圧力損失)のみで、粉塵の捕集能力は評価されていない。粉塵の捕集能力を高めるにはフィルター(不織布)の目開きを小さくすればよいが、フィルターの目詰まりが起こりやすくなり、通風性能が損なわれてしまう。
特開2008−13871号公報 特開2001−311372号公報
以上の事情に鑑みて、本発明は、通風性能および粉塵の捕集性能に優れ、空気清浄機だけでなく、エアコンや網戸等の空気清浄機以外の用途にも使用できるエアフィルターを提供することを課題とする。
また、通風性能および粉塵の捕集性能に優れるだけでなく、優れた紫外線遮蔽性と高い可視光透過率を備える、エアフィルターを提供することを課題とする。
さらにまた、通風性能および粉塵の捕集性能に優れるとともに、優れた紫外線遮蔽性と高い可視光透過率を備え、しかも、抗菌性、防かび性及び消臭性等も具備する、エアフィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の通気性を有する穴あき状湿式不織布に特定の通気性を有するエアレイド不織布を積層すると、その積層体は、優れた通風性能を有しつつ、粉塵の捕集性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[8]の態様を含む。
[1] 複数の穴部が平面全体に形成された、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、500ml/cm・sec以下の穴あき状湿式不織布を基材とし、
該基材の片側面に、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、600ml/cm・sec以下のエアレイド不織布層が配設されてなることを特徴とする、エアフィルター。
[2] 穴あき状湿式不織布における個々の穴部の面積が0.8mm以上、30mm以下であり、個々の隣接する2つの穴部の離間距離が0.5mm以上、5mm以下である、上記[1]記載のエアフィルター。
[3] 穴あき状湿式不織布における実部の坪量が15g/m以上、30g/m以下であり、個々の穴部の坪量が0g/m以上、5g/m以下であり、当該不織布全体に対する穴部の面積比率が20%以上、60%以下である、上記[1]または[2]記載のエアフィルター。
[4] 穴あき状湿式不織布およびエアレイド不織布層の少なくとも一方が合成繊維を含み、該合成繊維の熱融着によって、基材とエアレイド不織布層とが結合されている、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のエアフィルター。
[5] 合成繊維がポリエステル繊維を含む、上記[4]記載のエアフィルター。
[6] 穴あき状湿式不織布が、親水性高分子がその実体内に金属担持無機多孔結晶を有する金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含む、上記[1]〜[5]のいずれか一つに記載のエアフィルター。
[7] エアレイド不織布層が、繊度が2.2dtex以上、22dtex以下の繊維で形成されたものである、上記[1]〜[6]のいずれか一つに記載のエアフィルター。
[8] プリーツ加工を施してなる、上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のエアフィルター。
本発明のエアフィルターは、不織布の中でも、本来的に通気性に優れる穴あき状湿式不織布及びエアレイド不織布を使用しているために、良好な通風性能を有し、しかも、エアレイド不織布層内に入った空気の多くが穴あき状湿式不織布(基材)の穴部へ向うために、エアレイド不織布層内にはエアレイド不織布層の厚み方向と交差する方向に進行する気流が生じ、空気のエアレイド不織布層内を通過する距離が長くなって、粉塵が繊維に衝突する回数が確率的に高まり、粉塵の捕集効率が向上する。このため、通風性能および粉塵の捕集性能に優れたエアフィルターを実現できる。
また、基材の穴あき状湿式不織布として、親水性高分子がその実体内に金属担持無機多孔結晶を有する金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含ませることで、空気中の粉塵の捕集だけでなく、空気中に浮遊するウイルスやアレルゲンの不活化、消臭効果等も得ることができる。また、エアフィルターに抗菌性、防かび性等が付与されるので、エアフィルターを通過する空気の清浄性を保つことができる。
また、本発明のエアフィルターを、空気清浄機、エアコン等の吸気口に装着すると、排気部(空気の出口部)から発生する騒音値を軽減する効果が得られる。
図1は本発明の一例によるエアフィルターの模式断面図である。 図2は図1のエアフィルターの穴あき状湿式不織布(基材)の平面図(電子写真複写機による複写画像)である。 図3は本発明のエアフィルター内の空気の流れ(気流)を説明するためのエアフィルターの模式断面図である。 図4は図2に示す穴あき状湿式不織布(基材)の平面の一部の模式拡大図である。 図5は穴あき状湿式不織布(基材)の他の例の平面図(電子写真複写機による複写画像)である。 図6は本発明のエアフィルターにプリーツ加工を施したものの斜視図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
図1は本発明の一例によるエアフィルターの模式断面図を示す。
本発明のエアフィルターは、当該一例のエアフィルター10に示されるように、穴あき状湿式不織布からなる基材1と、該基材1の片側面に配設されたエアレイド不織布層2とを有することが主たる特徴である。
図2は上記一例のエアフィルター10の基材1に使用されている穴あき状湿式不織布の平面図である。かかる図2に示されるように、穴あき状湿式不織布(基材)1は、繊維が密に存在する実部1Aと、繊維が存在しないか、或いは、繊維が存在しても極微量しか存在しない穴部1Bとを有する湿式不織布であり、複数の穴部1Bが不織布の平面全体に一様に配列されたものである。なお、図2は実部1Aと穴部1Bの繊維の粗密状態を分かりやすくするために、黒色面を背景にした穴あき状湿式不織布の平面図(電子写真複写機による黒色面を背景にした複写画像)である。
不織布の中でも、湿式不織布及びエアレイド不織布は、本来的に通気性に優れる。このため、穴あき状湿式不織布(基材)1とエアレイド不織布層2との積層体は良好な通風性能を有し、本発明のエアフィルター10は良好な通風性能を有する。
図3は本発明のエアフィルター内の空気の流れ(気流)を模式的に示した断面図であり、かかる図3に示されるように、空気aが到来する方向にエアレイド不織布層2を向けてエアフィルター10を配置すると、エアレイド不織布層2に入った空気aは、その多くが穴あき状湿式不織布(基材)1における通気性の高い穴部1Bへ向かうため、エアレイド不織布層2内には、エアレイド不織布層2の厚み方向と平行に進行する気流a1と、エアレイド不織布層2の厚み方向と交差する方向に進行する気流(以下、この気流を「傾斜気流」ともいう)a2とが生じ、その結果、空気のエアレイド不織布層2内を通過する距離が長くなって、粉塵が繊維に衝突する回数が確率的に高まり、粉塵の捕集効率が向上する。このため、エアレイド不織布層2の繊維密度が比較的低くても、優れた粉塵の捕集性能が得られる。
また、後述の実施例1、2と比較例3との対比から明らかなように、穴あき状湿式不織布(基材)1の穴によって、エアフィルターは可視光が通過しやすくなっており、これは、網戸用のエアフィルター等において好適な特性である。
なお、本発明でいう「粉塵」とは、空気中の、ごみ、塵、埃、花粉、黄砂、ダニなどの死骸、糞、カビの胞子、鳥類の羽毛や動物の毛等である。
[穴あき状湿式不織布(基材)]
基材1に用いる穴あき状湿式不織布は、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、500ml/cm・sec以下の通気性を有するものが使用される。穴あき状湿式不織布の通気量が200ml/cm・sec未満では、エアフィルターの圧力損失が大きくなり、エアコンや網戸等に適用した場合に十分な通風性能が得られない。また、穴あき状湿式不織布の通気量が500ml/cm・secを超える場合、エアフィルター内における空気の滞留時間が減少して、優れた粉塵の捕集性能が得られなくなる。基材1に用いる穴あき状湿式不織布の通気量は、好ましくは250ml/cm・sec以上であり、より好ましくは300ml/cm・sec以上である。また、好ましくは450ml/cm・sec以下であり、より好ましくは400ml/cm・sec以下である。
穴あき状湿式不織布(基材)1における実部1Aの坪量、穴部1Bの面積、穴部1Bの坪量、隣接する2つの穴部1Bの離間距離等は、穴あき状湿式不織布が上記の通気量を示す範囲内で種々変更可能であるが、実部1Aの坪量は15g/m以上、30g/m以下が好ましく、18g/m以上、28g/m以下がより好ましい。坪量が15g/m未満では、エアフィルターの剛性が低下して、製造時の切断や巻き取り不具合、しわの発生を誘発させる傾向となり、30g/mを超えると、穴部1Bの坪量が増大し、通気性を著しく増大させる傾向となる。
個々の穴部1Bの坪量は0g/m以上、5g/m以下が好ましく、より好ましくは、0g/m以上、3g/m以下である。穴部1Bの坪量が5g/mを超えると、実部1Aの坪量との差が小さくなり過ぎることから、エアレイド不織布層2内で傾斜気流が生じにくくなって、エアフィルターの粉塵の捕集性能が低下する傾向となる。なお、不織布全体において、複数の穴部1Bの坪量は一様に揃っているのが好ましく、最大坪量の穴部の坪量と最小坪量の穴部の坪量との差(最大坪量−最小坪量)が2g/m以下であるのが好ましく、1g/m以下であるのがより好ましく、差がないのが特に好ましい。
個々の穴部1Bの面積は0.8mm以上、30mm以下が好ましく、1mm以上、18mm以下がより好ましい。穴部1Bの面積が0.8mm未満では、エアフィルターの圧力損失が高くなり、粉塵の捕集性能も低下する傾向となる。また、穴部1Bの面積が30mmを超えると、エアフィルターの圧力損失は低くなるが、エアレイド不織布層2内で生じる傾斜気流が少なくなって、粉塵の捕集性能が低下する傾向となる。なお、不織布全体において、複数の穴部1Bの面積は一様に揃っているのが好ましく、最大面積の穴部と最小面積の穴部の面積の差(最大面積−最小面積)は0.4mm以下であるのが好ましく、0.1mm以下であるのがより好ましく、差がないのが特に好ましい。
個々の穴部1Bの平面形状は特に限定されず、例えば、円、長円、楕円、多角形等が挙げられる。なかでも、円や正多角形(例えば、正方形、正五角形、正六角形等)が好ましく、円が特に好ましい。円や正多角形であれば、エアレイド不織布層2内により多くの傾斜気流が生じやすくなる。なお、不織布全体において、複数の穴部1Bの平面形状は一様に揃っているのが好ましく、複数の穴部1Bは互い同一の平面形状であることが好ましい。
隣接する2つの穴部1Bの離間距離は、0.5mm以上、5mm以下が好ましく、0.6mm以上、3.5mm以下がより好ましい。隣接する2つの穴部1Bの離間距離が0.5mm未満の場合、エアレイド不織布層2内で傾斜気流が生じにくくなり、粉塵の捕集性能が低下する傾向となる。また、隣接する2つの穴部1Bの離間距離が5mmを超えると、エアレイド不織布層2内で傾斜気流が少なくなって、粉塵の捕集性能が低下する傾向となる。図4は図2の穴あき状湿式不織布1の平面の一部の模式拡大図である。「隣接する2つの穴部1Bの離間距離」とは、図4に示されるように、最近接の2つの穴部1Bの中心点を結ぶ直線(L)に重なる実部1Aの幅(W)のことをいう。
穴あき状湿式不織布(基材)1の全体における複数の穴部1Bの配列形態は、特に限定されないが、千鳥状(図2は千鳥状である。)や行列状等の規則的な配列が好ましい。図5は穴あき状湿式不織布(基材)1の他の例の平面図(電子写真複写機による黒色面を背景にした複写画像)であり、穴部1Bが正方行列状に配列している。
なお、不織布全体において隣接する2つの穴部1Bの離間距離は変動が小さいのが好ましく、不織布内の離間距離が最大となっているところの離間距離(最大離間距離)と離間距離が最小となっているところの離間距離(最小離間距離)との差(最大離間距離−最小離間距離)は4mm以下であるのが好ましい。
穴あき状湿式不織布(基材)1における穴部の面積比率(すなわち、穴あき状湿式不織布の平面面積に対する複数の穴部の総面積の割合)は20%以上、60%以下が好ましく、25%以上、55%以下がより好ましい。当該面積比率が20%未満の場合、エアレイド不織布層2内で生じる傾斜気流が少なくなって、粉塵の捕集性能が低下する傾向となり、60%を超える場合、基材である穴あき状湿式不織布の強度が低下するだけでなく、通気性が高すぎて、エアレイド不織布層2内で生じる傾斜気流が少なくなって、粉塵の捕集性能が低下する傾向となり、また、エアフィルター自体の剛性が低下するため、プリーツ加工等の二次加工を行う際の加工性が低下する傾向となる。
穴あき状湿式不織布(基材)1の厚みは特に限定されないが、0.05〜0.2mmが好ましく、0.08〜0.15mmが特に好ましい。厚みが0.05mm未満であると、穴あき状湿式不織布自体の強度が低下し、製造時の切断や巻き取り不具合、しわの発生を誘発させる傾向となり、厚みが0.2mmを超えると、明瞭に穴が開かなくなり、本発明における穴あき状湿式不織布を使用することによる作用が十分に得られ難い傾向となる。
穴あき状湿式不織布(基材)1は、従来公知の穴あき状湿式不織布の製法、すなわち、穴部を形成するために、特殊な形状をしたメッシュワイヤーを用いて円網あるいは短網抄紙による湿式抄紙工程を経て製造される。原料成分(繊維)としては、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ジオールとテレフタル酸/イソフタル酸等を共重合した低融点ポリエステル繊維、ポリエステルエラストマー繊維等)、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維、フッ素樹脂繊維、セルロース繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)等の化学繊維、ウール、絹、綿、麻、ケナフ等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス等)等の無機繊維、活性炭繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維が挙げられる。なお、これらの繊維は、紫外線吸収剤、難燃剤、抗菌剤、防かび剤、消臭剤、アレルゲン不活化剤、ウイルス不活化剤、顔料、染料等の添加剤を混入されたものであってもよい。
後述するように、本発明のエアフィルターは、穴あき状湿式不織布(基材)1とエアレイド不織布層2とを、双方の繊維間を熱融着することによって結合した態様が好ましく、かかる繊維の熱融着のために、穴あき状湿式不織布(基材)1の原料成分(繊維)は、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維及びフッ素樹脂繊維からなる群から選択される少なくも一種の合成繊維(熱可塑性繊維)を含むことが好ましく、ポリエステル繊維を含むことがより好ましい。
また、エアフィルターを通過して排出される空気の清浄性、エアフィルターの耐久性、エアフィルターの外観の美麗性、空気中に浮遊するアレルゲン物質の不活化、空気中に浮遊するウイルスの不活化等の観点から、エアフィルターは、抗菌性、防かび性、消臭性、アレルゲン不活化性、ウイルス不活化性、色彩等を備えていることが好ましく、エアフィルターに抗菌性、防かび性、消臭性、アレルゲン不活化性、ウイルス不活化性、色彩等を付与する観点から、穴あき状湿式不織布(基材)1は原料成分(繊維)として、以下に説明する金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含むことが好ましい。
<金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維>
金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体は、その母材となる無機多孔結晶−親水性高分子複合体を触媒機能を有する金属塩の水溶液に浸漬することにより得られる。
(無機多孔結晶−親水性高分子複合体)
無機多孔結晶−親水性高分子複合体における無機多孔結晶としては、イオン交換能を有する無機イオン交換体結晶および多孔部分に吸着能を有する吸着体結晶が挙げられ、親水性高分子を溶解、分解または崩壊させないものであれば特に制限はなく、例えば、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、粘土鉱物類等が挙げられる。中でも、最も用途が広いという点からゼオライトが好ましく、その中でも比較的合成が容易であるという点から4Aゼオライト〔Na12Si12Al1248・27H2O〕が特に好ましい。
また、無機多孔結晶−親水性高分子複合体における親水性高分子としては、水に対して膨潤するものであれば特に制限はなく、例えば、天然セルロース(パルプ、ケナフ、木綿、麻)、再生セルロース(セロハン、セルロースビーズ、レーヨン、セルローススポンジ等)、木綿、バクテリアセルロースおよびセルロースを化学修飾したエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、更には絹、羊毛、麻、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等の天然、或いは人工の親水性高分子、ポリアクリルアミド等の高吸水性高分子ゲル、コラーゲン、木毛等が挙げられる。中でも、実際の使用形態、価格および取り扱い易さの点からパルプや再生セルロースが好ましく使用される。
上記の親水性高分子の実体内に無機多孔結晶が担持されることで、無機多孔結晶−親水性高分子複合体が形成される。ここで、親水性高分子の実体内とは、例えば、親水性高分子がセルロースの場合、セルロース基材を構成している高分子物質の内部を意味し、例えば、セルロース基材の細胞壁表面、細胞壁内に存在する細孔および細胞内腔(ルーメン)等は含まれない。セルロース基材の実体内に無機多孔結晶が担持されるとは、無機多孔結晶の一部または全部がセルロース基材の実体内に存在することを意味する。
無機多孔結晶−親水性高分子複合体は以下のようにして製造される。例えば、無機多孔結晶がゼオライトであり、親水性高分子がセルロースであるゼオライト−セルロース複合体である場合、特願平8−245538号(該特許出願(特願平8−245538号)を基礎とする特許出願(特願平9−199450号)の公開公報(特開平10−120923号公報)を参照のこと)に記載の方法(具体的には、1.0〜100mmol/lのケイ素化合物の水溶液を10分〜2時間含浸させたセルロースを、20〜90℃で1.0〜1000mmol/lのアルミニウム化合物および10〜5000mmol/lの塩基性物質の混合水溶液に2時間〜20日間浸漬させる方法等)が挙げられる。親水性高分子がパルプまたはレーヨンである場合、上記と同様の方法によって、無機多孔結晶−パルプ複合体、無機多孔結晶−レーヨン複合体を得ることができる。無機多孔結晶−親水性高分子複合体中の無機多孔結晶と親水性高分子の割合は特に制限されないが、無機多孔結晶−親水性高分子複合体中の無機多孔結晶の割合が1.0〜70.0重量%であることが好ましく、特に好ましくは、10.0〜50.0重量%である。
(金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体)
上記の無機多孔結晶−親水性高分子複合体を、触媒機能を有する金属塩の水溶液に浸漬することにより、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体が得られる。金属塩の水溶液における金属としては、例えば、銀、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金等が挙げられ、これらの金属を複数併用してもよい。金属塩の水溶液の濃度に特に制限はないが、好ましくは1.0〜100mmol/lであり、浸漬する温度や時間にも特に制限はない。この時、親水性高分子は水溶液を浸透させ得るので、親水性高分子の実体内の無機多孔結晶全体に無駄なく金属を担持させることができる。金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体中の金属の量は特に制限されないが、好ましくは0.001〜10.0重量%、特に好ましくは0.01〜1.0重量%である。
例えば、銀、銅または亜鉛を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体は抗菌性を示し、パラジウムまたは白金を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体はエチレンを吸着することができることから、青果物の鮮度を保持する効果があり、銀または銅を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体は、硫化水素を吸着、分解できることから金属の防錆効果または脱臭効果が、またアンモニアを吸着、分解できることから防臭効果がある。また、銀を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体はメチルメルカプタンを吸着、分解できることから防臭効果がある。この時、親水性高分子は気体を充分に透過させうるので、親水性高分子の実体内の金属担持無機多孔結晶全体を無駄なく利用して、気体を吸着、分解することができる。また、銅を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体(好ましくは銅含有ゼオライト−パルプ複合体)、銀を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体(好ましくは銀含有ゼオライト−パルプ複合体)、及び、銀と亜鉛を担持させた無機多孔結晶−親水性高分子複合体(好ましくは銀−亜鉛含有ゼオライト−パルプ複合体)等は、アレルゲン不活化性、ウイルス不活化性、抗ウイルス性等を有する。
金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体は、そのイオン交換体および吸着体としての機能以外にも、それ自体、強度、平滑性、難燃性、不透明性およびサイズ安定性等に優れることから、親水性高分子基材がセルロース繊維の場合で、これを抄いて湿式不織布を得る場合でも、抄紙ワイヤーが目詰まりする等の作業上の支障は現れない。
なお、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維の製造については、特許第4018284号公報、特許第4149066号公報、特許第3317660号公報等を参照することができる。
本発明のエアフィルターにおいて、穴あき状湿式不織布(基材)1が金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含むものである場合、穴あき状湿式不織布(基材)1は、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維のみからなるものであっても、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維と、前記で例示した化学繊維、天然繊維、無機繊維および活性炭繊維から選ばれる繊維とを含むものであってもよい。前記で例示した化学繊維、天然繊維、無機繊維、活性炭繊維等は、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維がもつ特性を改良あるいは該繊維が持たない特性を付与し得る繊維であることから、以下の記載においては、これらの繊維は総称して「機能向上繊維」とも称する。
穴あき状湿式不織布(基材)1が、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維と、機能向上繊維とを含むものである場合、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維と、機能向上繊維との使用割合は特に限定されないが、好ましくは5:95〜95:5(重量割合)、より好ましくは10:90〜90:10(重量割合)である。
穴あき状湿式不織布(基材)1には、前記で例示した化学繊維、天然繊維、無機繊維、活性炭繊維等や、金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維の他に、必要に応じて、紙力増強のためのポリアクリルアミド、澱粉等、白色度向上のための無機顔料、機能性付与のための活性炭、シリカゲル、疎水性ゼオライト、二酸化チタン等の添加剤等を加えることができる。
穴あき状湿式不織布(基材)1を構成する繊維の特に好ましい態様は、
(1)ポリエステル繊維の単体(単一繊維)、
(2)低融点に変性されたポリエステル(変性ポリエステル)−ポリエステルの芯鞘繊維の単体(単一繊維)、
(3)銅含有ゼオライト−パルプ複合体とポリエステル繊維との組み合わせ(2種混合)、
(4)銅含有ゼオライト−パルプ複合体と、低融点に変性されたポリエステル(変性ポリエステル)−ポリエステルの芯鞘繊維との組み合わせ(2種混合)、
(5)銅含有ゼオライト−パルプ複合体と、低融点に変性されたポリエステル(変性ポリエステル)−ポリエステルの芯鞘繊維と、ポリエステル繊維との組み合わせ(3種混合)等が挙げられる。
[エアレイド不織布層]
エアレイド不織布は、その製造方法に起因して、バルキーで繊維間空隙が大きいため、メルトブロー不織布やスパンボンド不織布等に比べて通気性に優れるが、それ単体では、粉塵の捕集性能は低い。本発明のエアフィルターでは、エアレイド不織布層2を穴あき状湿式不織布(基材)1との積層体にして使用することで、粉塵の捕集性能を向上させている。また、エアレイド不織布は、その製造方法に起因して、その構成繊維の先端部が、表面及びその近傍に無数存在しているとともに、その構成繊維が三次元的にランダムな状態で分散している。このため、穴あき状湿式不織布(基材)1との積層体とすることによって、エアレイド不織布層2内に前述の傾斜気流が生じると、粉塵が効果的に捕集される。
エアレイド不織布層2は、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、600ml/cm・sec以下の通気性を有するものが使用される。エアレイド不織布層2の通気量が200ml/cm・sec未満であると、エアフィルターの圧力損失が大きくなり、エアコンや網戸等に適用した場合に十分な通風性能が得られない。また、エアレイド不織布層2の通気量が600ml/cm・secを超える場合、エアフィルター内において、粉塵が繊維に衝突する回数が確率的に低下するため、優れた粉塵の捕集性能が得られなくなる。エアレイド不織布層2の通気量は、好ましくは250ml/cm・sec以上、より好ましくは300ml/cm・sec以上である。また、好ましくは550ml/cm・sec以下、より好ましくは500ml/cm・sec以下である。
エアレイド不織布層2の坪量(目付け)は、通気性および捕集性能の点から、30g/m2以上、200g/m2以下が好ましく、35g/m2以上、150g/m2以下がより好ましい。坪量が30g/m2未満であると、通気性に優れるが捕集性能が劣る傾向となり、坪量が200g/m2を超えると、捕集性能が向上するが、通気性が劣る傾向となる。
エアレイド不織布層2の厚みは特に限定されないが、0.5〜5mm程度が好ましく、1.0〜4mm程度がより好ましい。厚みが0.5mm未満であると、エアレイド不織布自体のコシがなくなり、加工しづらいだけでなく、通気性に優れるが捕集性能が劣る傾向となり、厚みが5mmを超えると、エアレイド不織布自体のコシはあるが、コシがありすぎるためにプリーツに折るなどの加工がしづらくなるだけでなく、捕集性能は優れるが、通気性が劣る傾向となる。
エアレイド不織布層2に使用される繊維としては、例えば、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ジオールとテレフタル酸/イソフタル酸等を共重合した低融点ポリエステル繊維、ポリエステルエラストマー繊維等)、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維、フッ素樹脂繊維、セルロース繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)等の化学繊維、ウール、絹、綿、麻、ケナフ等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維(例えば、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス等)等の無機繊維、活性炭繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維が挙げられる。また、穴あき状湿式不織布の原料繊維として挙げた金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維も使用することができる。この場合、かかる金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維は、エアレイド不織布層の構成繊維の5:95〜95:5(重量割合)、より好ましくは10:90〜90:10(重量割合)が好ましい。
後述するように、本発明のエアフィルターは、穴あき状湿式不織布(基材)1とエアレイド不織布層2とが双方の繊維の熱融着によって接着した態様が好ましく、かかる繊維の熱融着のために、エアレイド不織布層2に使用する繊維は、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維及びフッ素樹脂繊維からなる群から選択される少なくとも一種の合成繊維(熱可塑性繊維)を含むことが好ましく、ポリエステル繊維を含むことがより好ましい。
熱可塑性繊維は、単一成分の繊維でもよく、複数の樹脂を適宜組み合わせて構成される複合繊維、例えば、並列型、芯鞘型、偏心鞘芯型、三層以上の多層型、中空並列型、中鞘芯型、異形鞘芯型、海島型等で且つ低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成した構造の複合繊維とすることもできる。
エアレイド不織布層2に使用する繊維の繊維長は、通気性の維持とメッシュワイヤー上への積層適性の観点から、3mm以上、10mm以下が好ましく、5mm以上、8mm以下がより好ましい。また、繊維の太さ(繊度)は、エアレイド不織布自体の通気性および捕集性能の観点から、2.2dtex以上、22dtex以下が好ましく、2.5dtex以上、20dtex以下がより好ましく、3.0dtex以上、15dtex以下が特に好ましい。繊維の太さ(繊度)が2.2dtex未満であると、エアレイド不織布層が目詰まり、捕集性能は高いが、通気性が劣る傾向となる。反対に22dtexを超えると通気性は高いが、捕集性能が劣るだけなく、繊維同士の接着が弱まり、繊維脱落する傾向となる。これらは適宜混合して使用してもよい。
[穴あき状湿式不織布(基材)とエアレイド不織布層との結合]
本発明のエアフィルターにおいて、穴あき状湿式不織布(基材)1とエアレイド不織布層2との結合形態は特に限定されず、双方の繊維交点を熱処理や機械交絡によって結合する態様、液状のバインダー成分を噴霧して結合する態様等が挙げられる。中でも、穴あき状湿式不織布(基材)1およびエアレイド不織布層2の少なくとも一方を、合成繊維(熱可塑性繊維)を含む不織布に形成し、穴あき状湿式不織布(基材)1の構成繊維の一部とエアレイド不織布層2の構成繊維の一部とを熱融着して結合する態様が好ましい。こうすることで、穴あき状湿式不織布(基材)1及びエアレイド不織布層2の少なくとも一方が金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含む場合、かかる繊維が有する抗菌性、防かび性、消臭性、アレルゲン不活化性、ウイルス不活化性等の機能が低下または消失することを防止することができる。熱処理は合成繊維(熱可塑性繊維)を構成する樹脂の軟化点または融点以上に加熱して繊維の交点を融着する装置を用いて行うことができる。例えば、エアースルー型熱処理機、エンボスロール型熱処理機、フラットロール型熱処理機等が使用できる。
本発明のエアフィルターには、本発明の効果を損なわない範囲で、穴あき状湿式不織布(基材)1及びエアレイド不織布層2以外の層をさらに積層してもよい。このような層としては、例えば、エアフィルターの強度を向上させるためのプラスチック製のメッシュシート(例えば、商品名:Delnet(三晶(株)製、ワリフ(JX日鋼日石エネルギー(株)製)等)、低目付で通気性が高いメルトブローン不織布やスパンボンド不織布等が好適に用いられる。また、穴あき状湿式不織布の上にエアレイド不織布層を形成する際の液状バインダー成分の噴霧工程において、公知(市販)のアレルゲン不活化薬剤、抗菌剤、防かび剤、消臭剤、アレルゲン不活化剤、ウイルス不活化剤等を液状バインダー成分に混合して噴霧するか、或いは、液状バインダー成分の噴霧とは別に、これらを噴霧することで、エアフィルターに抗菌性、防かび性、消臭性、アレルゲン不活化性、ウイルス不活化性、抗ウイルス性等を付与若しくは増強することもできる。
本発明のエアフィルターには必要に応じてプリーツ加工を施すことができる。プリーツ加工とは、図6に示されるように、エアフィルターを蛇腹状(山折りと谷折りの繰り返し構造)となる折り目を形成することである。プリーツ加工は、例えば、レシプロまたはロータリープリーツ機械で繰り返しの折曲げを行った後、150〜180℃程度に余熱した熱板上に送り込んでクセ付けをすることで行うことができる。
プリーツ(折り目)は、通気性および捕集性能の向上の観点から、谷部と山部の高低差が10〜300mm程度、隣接する2つの山部(頂点)の間隔が8〜20mm程度となる状態が好ましい。
プリーツ加工を施すことで、エアフィルター10の設置面積(プリーツを有する状態での平面面積)に対する実面積(プリーツが無い状態での平面面積)が大きくなるので、エアフィルターの設置面積での単位面積当たりの粉塵の捕集効率が向上し、エアフィルターの捕集性能が一層向上する。また、プリーツが無い状態ではコシがないフィルターにプリーツの形成によってコシを付与できるので、フィルターの装着時に取扱性が向上する。また、図6に示されるように、プリーツ加工されたエアフィルター10の側部全周に枠体11の内側面を接着した枠付き構造とすることで、プリーツ加工されたエアフィルター10の使用時および保管時の形状安定性、使用時の取扱性、装着性、耐久性等を向上させることができる。枠体11としては、プラスチック、アルミニウム、亜鉛鋼板、木材、FRP等が使用される。プリーツ加工されたエアフィルター10に枠体11を取り付ける方法としては、ホットメルト接着剤、シリコーン系コーキング剤などによる接着等があげられる。
本発明のエアフィルターは、空気清浄機用のエアフィルターとして使用する場合、粉塵粒径5〜10μm程度の粉塵を除去する目的で使用するのに適しており、JIS B 9908でいう、換気用エアフィルタユニットのうちのプレフィルターに好適である。また、本発明のエアフィルターは優れた通風性能を有するため、エアコンの吸気口、網戸、家屋、工場またはビルディングの換気口、自動車、電車、船舶の換気口、空気清浄機、洗濯乾燥機、布団乾燥機、掃除機、加湿機、セラミックファンヒーター、レンジフード等に装着するエアフィルターとしても使用でき、従来のこれらの用途に使用されていたエアフィルターでは十分でなかった粉塵の捕集性能が大きく向上したものとなる。
本発明でいう、穴あき状湿式不織布(基材)1及びエアレイド不織布層2の「JIS K3832で測定される通気量」とは、23℃、50%RHの恒温恒湿室内に設置したパームポロメーター(Porous Material Inc.製、機種名:CFP-1100-AEXL)を使用し、JIS K3832の試験方法に準拠して、穴あき状湿式不織布及びエアレイド不織布の通気量を測定した値である。
以下、実施例と比較例を示して本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
直径4mmの円形の穴部(面積:12.56mm)が千鳥状に配列した(隣接する穴部の離間距離:4mm)、実部の坪量が20g/mで、穴部の不織布全体に対する面積比率が25%である、ポリエステル繊維(繊度:1.7dtex)からなる、通気量が473ml/cm・secの穴あき状湿式不織布(全体の坪量:16g/m、厚み0.08mm)を基材として、この基材上に、ポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が486ml/cm・secのエアレイド不織布層を形成し、150℃の熱風で加熱して基材とエアレイド不織布層を一体化して、エアフィルター(坪量:55g/m、厚み1.1mm)を得た。
(実施例2)
直径2mmの円形の穴部(面積:3.14mm)が正方行列に配列した(隣接する穴部の離間距離:0.8mm)、実部の坪量が25g/mで、穴部の不織布全体に対する面積比率が50%である、材質が変性ポリエステル繊維(繊度:1.1dtex)からなる、通気量が294ml/cm・secの穴あき状湿式不織布(全体の坪量:12g/m、厚み0.07mm)を基材として、この基材上に、材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が473ml/cm・secであるエアレイド不織布層を形成し、180℃の熱風で加熱して基材とエアレイド不織布層とを一体化して、エアフィルター(坪量:51g/m、厚み1.0mm)を得た。
(実施例3)
直径1.5mmの円形の穴部(面積:1.77mm)が正方行列に配列した(隣接する穴部の離間距離:0.6mm)、実部の坪量が30g/mで、穴部の不織布全体に対する面積比率が21%である、材質がポリエステル繊維(繊度:1.7dtex)からなる、それ単体での通気量が210ml/cm・secの穴あき状湿式不織布(全体の坪量:20g/m、厚み0.08mm)を基材として、この基材上に、材質がポリエステル繊維(繊維長:7.0mm、繊度:22dtex)からなる、それ単体での通気量が243ml/cm・secであるエアレイド不織布層を形成し、150℃の熱風で加熱して基材と一体化して、エアフィルター(坪量:120g/m、厚み1.5mm)を得た。
(実施例4)
直径6mmの円形の穴部(面積:28.26mm)が千鳥状に配列した(隣接する穴部の離間距離:5mm)、実部の坪量が15g/mで、穴部の不織布全体に対する面積比率が35%である、材質が変性ポリエステル−ポリエステル芯鞘繊維(繊度:1.1dtex)からなる、それ単体での通気量が643ml/cm・secの穴あき状湿式不織布(全体の坪量:8g/m、厚み0.07mm)、を基材として、この基材上に、材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex:22dtex=50:50の配合比)からなる、それ単体での通気量が643ml/cm・secであるエアレイド不織布層を形成し、180℃の熱風で加熱して基材と一体化して、エアフィルターを得た(坪量:60g/m、厚み3.0mm)。
(実施例5)
直径約30μm、繊維長約5mmの銅含有ゼオライト−パルプ複合体(銅含有量45mg/g(銅含有ゼオライトとして450mg/g))を製造した。その後、これを原料の一部に使用して、その他は実施例1と同様にして、直径4mmの円形の穴部(面積:12.56mm)が千鳥状に配列した(隣接する穴部の離間距離:4mm)、実部の坪量が20g/mで。穴部の不織布全体に対する面積比率が25%、材質がポリエステル繊維(繊度:1.7dtex)90%と銅含有ゼオライト−パルプ複合体10%からなる、通気量が294ml/cm・secの穴あき状不織布(全体の坪量:16g/m)を作製し、これを基材として、その上に、材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)とポリエチレン繊維(繊維長:7.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が476ml/cm・secであるエアレイド不織布層を形成し、180℃の熱風で加熱して基材と一体化して、エアフィルターを得た。
(実施例6)
直径4mmの円形の穴部(面積:12.56mm)が千鳥状に配列した(隣接する穴部の離間距離:4mm)、実部の坪量が20g/mで、穴部の不織布全体に対する面積比率が25%、材質がポリエステル繊維(繊度:1.7dtex)90%と銅含有ゼオライト−パルプ複合体10%からなる、通気量が294ml/cm・secの穴あき状不織布(全体の坪量:16g/m、厚み0.08mm)を作製し、これを基材として、この上に材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が486ml/cm・secであるエアレイド不織布層をホットメルト系接着剤を用いて形成し、一体化したエアフィルターを得た(坪量:55g/m、厚み1.1mm)。
(比較例1)
通気量が752ml/cm・secの網戸20メッシュを基材として、この上に、材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が486ml/cm・secのエアレイド不織布層をホットメルト系接着剤を用いて形成し、エアフィルター(坪量:70g/m、厚み0.8mm)を得た。
(比較例2)
材質が変性ポリエステル−ポリエステル芯鞘繊維(繊度:1.7dtex)からなる、通気量が45ml/cm・sec、坪量が50g/mの湿式不織布を基材として、この上に材質がポリエステル繊維(繊維長:5.0mm、繊度:2.2dtex)からなる、それ単体での通気量が473ml/cm・secのエアレイド不織布層を形成し、180℃の熱風で加熱して一体化し、エアフィルター(坪量:90g/m、厚み1.5mm)を得た。
(実験例1)
実施例1〜4および比較例1〜2のエアフィルターのフィルター性能を下記の表1に示す。
なお、フィルター性能試験はJIS B 9908重量法に準拠して測定した。フィルターユニットの外寸法は460×460mmの平版状で、風量19.0m/min、風速は1.5m/secとした。
(実験例2)
実施例1〜2および比較例2の紫外線遮蔽率および可視光透過率を下記の表2に示す。なお、測定方法は以下の通りである。
・紫外線遮断率の測定
測定波長領域280〜400nmにおいて、分光光度計(島津 UV−3600PC)を用いて、試験片に照射下紫外線の透過率(%)を測定する。下記の式に従い遮断率(%)を算出する。
遮断率(%)=100−透過率(%)(測定波長領域における平均値として算出)
・可視光線透過率の測定
測定波長領域380〜780nmにおいて、分光光度計(島津 UV−3600PC)を用いて、試験片に照射下紫外線の透過率(%)を測定する。下記の式に従い遮断率(%)を算出する。
遮断率(%)=100−透過率(%)(測定波長領域における平均値として算出)
(実験例3)
実施例5、実施例6、比較例2の抗菌性、防カビ性、消臭性の試験結果を下記の表3に示す。なお、試験方法は以下の通りである。
(1)抗菌性試験:JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法」
菌種:黄色ブドウ球菌(NBRC 12732)、大腸菌(NBRC 3301)
(2)防カビ性試験:かび抵抗性試験IS Z 2911:2010繊維製品の試験
乾式法:下記4菌株の胞子を付着乾燥した素焼き板を試料に載せ、26±2℃で28日間培養
菌種:クロコウジカビ(NBRC 105649)、アオカビ(NBRC 6352)、ケタマカビ(NBRC 6347)、クワ暗班病菌(NBRC 6113)
(3)消臭性試験:繊維技術協議会「消臭加工繊維製品認証基準」
10cm角 ガス容量3L
ガス種:アンモニア(初期濃度100ppm)、硫化水素(初期濃度4ppm)
2時間後のガス濃度を測定
※1:0…菌糸の発育が認められない。2…菌糸の発育が認められ、菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超える。
※2:N.D.…検出限界以下
(実験例4)
実施例1、2、比較例1の消音性能試験結果を以下に示す。
試験機器:騒音計…リオン(株)積分型騒音計
風速計…TSI社 VELOCICALC8345−M−GB
試験方法:シャープ(株)社製プラズマクラスターイオン発生器(IG−A100)を風量「弱」で運転、それぞれのフィルターを給気部にセットした時の、風の出口直後の風速と騒音値を測定した。
フィルターを装着しない時の風速は6.71m/secであり、その時の騒音値は62.3dBであった。実施例1のエアフィルターをセットした時の風速は6.13m/secであり、その時の騒音値は60.5dBであった。比較例1のエアフィルターをセットした時の風速は6.22m/secであり、その時の騒音値は61.8dBであった。実施例1のエアフィルターの使用により、風速は92.4%に落ちたが、騒音レベルは約81%に低下している。一方、比較例1のエアフィルターの使用では、風速は92.7%に低下し、騒音レベルは約94%に低下しているに過ぎないことから、本発明のエアフィルターは、消音性に優れていることが確認できた。かかる消音性の効果は、穴あき状湿式不織布とエアレイド不織布との積層によって形成される特異な通気構造によるものと考えられる。
1 穴あき状湿式不織布(基材)
1A 実部
1B 穴部
2 エアレイド不織布層
10 エアフィルター

Claims (9)

  1. 複数の穴部が平面全体に形成され、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、500ml/cm・sec以下であり、厚みが0.05〜0.2mmである、穴あき状湿式不織布を基材とし、
    該基材の片側面に、JIS K3832で測定される通気量が200ml/cm・sec以上、600ml/cm・sec以下のエアレイド不織布層が配設されてなることを特徴とする、エアフィルター。
  2. 穴あき状湿式不織布における個々の穴部の面積が0.8mm以上、30mm以下であり、個々の隣接する2つの穴部の離間距離が0.5mm以上、5mm以下である、請求項1記載のエアフィルター。
  3. 穴あき状湿式不織布における実部の坪量が15g/m以上、30g/m以下であり、個々の穴部の坪量が0g/m以上、5g/m以下であり、当該不織布全体に対する穴部の面積比率が20%以上、60%以下である、請求項1または2記載のエアフィルター。
  4. 穴あき状湿式不織布およびエアレイド不織布層の少なくとも一方が合成繊維を含み、該合成繊維の熱融着によって、基材とエアレイド不織布層とが結合されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のエアフィルター。
  5. 合成繊維がポリエステル繊維を含む、請求項4記載のエアフィルター。
  6. 穴あき状湿式不織布が、親水性高分子がその実体内に金属担持無機多孔結晶を有する金属担持無機多孔結晶−親水性高分子複合体から造られる繊維を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載のエアフィルター。
  7. エアレイド不織布層が、繊度が2.2dtex以上、22dtex以下の繊維で形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項記載のエアフィルター。
  8. プリーツ加工を施してなる、請求項1〜7のいずれか1項記載のエアフィルター。
  9. エアレイド不織布層の厚みが、0.5〜5mmであり、
    穴あき状湿式不織布の個々の穴部の面積が、0.8mm 以上、30mm 以下であり、かつ、該穴あき状湿式不織布の平面面積に対する複数の穴部の総面積の割合が、20%以上、60%以下である、
    請求項1〜8のいずれか1項記載のエアフィルター。
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