JP2018149522A - エアフィルター濾材及びエアフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着剤の脱落が殆ど無く、高負荷条件下においても十分な構造耐久性を有し、脱臭と集塵性能を備えたエアフィルター濾材及びエアフィルターをより少ない製造工程で製造する、又は使用する材料を減らすことにより、低コストで製造、提供することである。【解決手段】目付が40〜100g/m2の不織布に、粉末活性炭を15〜85g/m2担持した不織布層Aと、エレクトレット加工された目付6〜40g/m2で、5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下である不織布層Bの少なくとも2層により構成されることを特徴とするエアフィルター濾材、及び当該エアフィルター濾材を用いたエアフィルター。【選択図】なし
Description
本発明は、エアフィルター濾材及びエアフィルターに関するものである。さらに詳しくは、脱臭性能及び集塵性能の双方を有し、ビル、家屋などの一般室内、自動車、航空機内などにおける空気清浄化フィルターとして活用し得るエアフィルター濾材及びエアフィルターに関するものである。
近年、東アジア内陸部の砂漠、乾燥地域からの砂塵(黄砂)や、PM2.5、スギ、ヒノキなどの花粉の飛散、また、インフルエンザ等のウィルスによる感染症の流行が健康へ及ぼす影響から、窓を開けた室内空気の換気に代わり、空気清浄機やエアコンを用いて室内空気を浄化、調温、調湿する生活環境が多く見られる。特に、家庭や職場、自動車などの空間の快適性向上の機能に対する市場要望は強く、空気浄化装置の普及が進んでいる。身近なものとしては家庭用空気清浄機や自動車のエアコンなどがあり、塵の捕集性能は大前提として持ちながら、かつ、脱臭性能やその他機能性を兼ね備えたエアフィルター濾材へのニーズが高まっている。
従来、脱臭機能を有するフィルター濾材の製造方法としては、通気性不織布の間に活性炭とバインダーを挟み込むことで形成する方法が一般に知られている(例えば、特許文献1)。この方法で得られた活性炭封入濾材は、濾材中に多くの活性炭を封入することが可能であるため、高い脱臭性能を有する濾材を製造可能であった。
しかしながら、当該活性炭封入濾材においては、フィルター加工工程や製品の搬送で封入活性炭の脱落が発生することがあり、通常、製品の脱臭性能に影響を及ぼす程の脱落はないものの、外観上、好ましくなかった。
活性炭脱落の少ない集塵脱臭エアフィルターとしては、例えば、特許文献2及び特許文献3に示すような活性炭添着不織布と集塵不織布の2層からなる濾材を用いたエアフィルターがあるが、濾材の剛性が十分でないために高負荷条件下でプリーツ構造を保持できない点が課題であった。また、これを解決する手段として、ホットメルトによるビード補強があるが、製造工程及び使用する材料が増えることでコストアップに繋がり、好ましくなかった。
従って、吸着剤の脱落が少なく、高負荷条件下においても十分な構造耐久性を有し、脱臭性能と集塵性能を備えたエアフィルターをより少ない製造工程で製造する、又は使用する材料を減らすことにより、低コストで製造し、提供することが求められていた。
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、吸着剤の脱落が殆ど無く、高負荷条件下においても十分な構造耐久性を有し、脱臭と集塵性能を備えたエアフィルター濾材及びエアフィルターをより少ない製造工程で製造する、又は使用する材料を減らすことにより、低コストで製造し、提供することである。
本発明に係る課題は、目付が40〜100g/m2の不織布に、粉末活性炭を15〜85g/m2担持した不織布層Aと、エレクトレット加工された目付6〜40g/m2で、5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下である不織布層Bの少なくとも2層により構成されることを特徴とするエアフィルター濾材、及び当該エアフィルター濾材を用いたエアフィルターにより解決することができる。すなわち、本発明は以下の(I)〜(III)からなる。
(I)目付が40〜100g/m2の不織布に、粉末活性炭を15〜85g/m2担持した不織布層Aと、エレクトレット加工された目付6〜40g/m2で、5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下である不織布層Bの二層からなることを特徴とするエアフィルター濾材。
(II)不織布層AのMD方向とCD方向のガーレー剛軟度の平均値が1.5〜20mNであり、且つ、MD方向とCD方向の引裂強度の平均値が100〜600mNであることを特徴とする上記(I)記載のエアフィルター濾材。
(III)上記(I)又は(II)記載のエアフィルター濾材を用いてなるエアフィルター。
本発明により、吸着剤の脱落が殆ど無く、高負荷条件下においても十分な構造耐久性を有し、脱臭と集塵性能を備えたエアフィルター濾材及びエアフィルターをより少ない製造工程で製造する、又は使用する材料を減らすことにより、低コストで製造し、提供することができる。
本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターについて、以下に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明のエアフィルター濾材は、不織布に粉末活性炭を担持した不織布層Aと、エレクトレット加工不織布である不織布層Bの少なくとも2層により構成される。以下に不織布層A及び不織布層Bについて説明する。
[不織布層A]
本発明に係わる不織布層Aに用いられる不織布(不織布a)は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、竹パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、藁パルプ、バガスパルプ、コットンリンターパルプ、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、古紙再生パルプ、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン等のタンパク質、アルギン酸、キチン、キトサン、澱粉等の多糖類等を原料とした再生繊維等、あるいは、これらの繊維に親水性や難燃性等の機能を付与した繊維等を単独又は組み合わせて使用することができる。
本発明に係わる不織布層Aに用いられる不織布(不織布a)は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、竹パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、藁パルプ、バガスパルプ、コットンリンターパルプ、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、古紙再生パルプ、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン等のタンパク質、アルギン酸、キチン、キトサン、澱粉等の多糖類等を原料とした再生繊維等、あるいは、これらの繊維に親水性や難燃性等の機能を付与した繊維等を単独又は組み合わせて使用することができる。
前記不織布aの製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法などで得られたウェブを水流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方法、ケミカルボンド法やレジンボンド法などの接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
前記不織布aは、目付が40〜100g/m2であることが好ましく、より好ましくは50〜80g/m2である。目付が40g/m2未満であると、濾材剛性が十分でなく、プリーツ加工したエアフィルター成型品を高負荷条件下で使用する場合にプリーツ構造に乱れが生じることがあり、100g/m2超では、プリーツ加工適性の低下や、圧力損失(圧損)の上昇が起こることがあり、好ましくない。
本発明で使用する粉末活性炭について説明する。粉末活性炭の原料としては、ヤシ殻、石炭、木質、フェノール樹脂等の樹脂、古タイヤ等が挙げられる。これらの原料を加熱焼成することによって活性炭が得られる。活性炭に、薬剤やガスにより適宜賦活処理を施したり、酸性薬剤で適宜洗浄処理を施したりすることで、活性炭の細孔を発達させることができたり、吸着能力を向上させることができたりするため、より好ましい。ゼゴミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を使用して、活性炭を粉砕することで、粉末活性炭が得られる。粉末活性炭の平均粒子径D50は、JIS K 1474に記載の方法に準じて測定され、150μm未満であることが好ましい。粉末活性炭の比表面積(BET法)は、500〜2000m2/gであることが好ましい。これら粉末活性炭の不織布aへの担持量は15〜85g/m2であり、好ましくは30〜70g/m2である。前記粉末活性炭の担持量が不織布aに対し15g/m2未満であると、脱臭性能が十分得られないことがあり、85g/m2を超えると、活性炭脱落量が増加することがあり、好ましくない。
本発明においては、脱臭性能を強化する目的で粉末活性炭以外の脱臭剤を併用して用いても良く、具体的には、活性炭素繊維、備長炭、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ハイシリカゼオライト、シリカ、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、有機酸系化合物又はイオン交換樹脂などの吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルト又はマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。これらの脱臭剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの脱臭剤を複合化したハイブリッド脱臭剤としても良い。
なお、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱せず、他の性能を付加する目的において、抗菌、防カビ、抗ウィルス、抗アレルゲン、防虫、殺虫、消臭、芳香、感温、保温、蓄温、蓄熱、発熱、吸熱、防水、耐水、撥水、疎水、親水、除湿、調湿、吸湿、撥油、親油、油等の吸着、及び水や揮発性薬剤等の蒸散又は徐放等の各種機能を新たに付加しても良い。
本発明で使用するバインダー(接着剤)については、特に限定されるものではないが、水分散性バインダーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス等が挙げられ、水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールやデンプン等が挙げられ、適宜、添着液の液性や加工適性が安定するものの中から最適なものを選定すれば良い。
不織布aに粉末活性炭を担持させる方法としては、該不織布aにできるだけ均一に含有させることができる方法であれば、特に制限はなく、溶液あるいは分散液として、不織布aに含浸、塗工又はスプレー等の方法によって付与し、溶媒や分散媒を乾燥等の方法で除去して担持させる方法が例示される。また、不織布aの原料となる樹脂や金属等に練り込み等の手段によって担持させる方法も挙げられる。さらに、上記方法以外に、湿式法における内添のように、不織布aの製造工程において、原料繊維をシート化する工程で内添担持させる方法も挙げられる。
前記不織布層Aは、MD方向とCD方向のガーレー剛軟度の平均値が1.5〜20mNであることが好ましく、より好ましくは5〜15mNであり、且つ、MD方向とCD方向の引裂強度の平均値が100〜600mNであることが好ましい。不織布層Aの該ガーレー剛軟度の平均値が1.5mN未満であると、濾材剛性が低いためにエアフィルター成型品を高負荷条件下で使用した場合にプリーツ構造の乱れが発生することがあり、20mNを超えると、逆に剛性が高いためにプリーツ加工適性が低下することがある。同様に、不織布層Aの該引裂強度の平均値が100mN未満であると、高負荷条件下でプリーツ構造の乱れが発生することがあり、600mNを超えると、プリーツ加工適性やエアフィルター組立時の加工性が低下することがある。
[不織布層B]
本発明に係わる不織布層Bに用いられる不織布(不織布b)は、半永久的に電気分極を保持して外部に対して電気力を及ぼすエレクトレット(電石)からなることを特徴とし、特に限定されるものではないが、高い集塵性能を有し、且つ通気性に優れる特長があるため、メルトブローン製エレクトレットからなることが好ましい。
本発明に係わる不織布層Bに用いられる不織布(不織布b)は、半永久的に電気分極を保持して外部に対して電気力を及ぼすエレクトレット(電石)からなることを特徴とし、特に限定されるものではないが、高い集塵性能を有し、且つ通気性に優れる特長があるため、メルトブローン製エレクトレットからなることが好ましい。
メルトブローン製エレクトレットは、一般に、ポリプロピレン又はポリプロピレン系共重合樹脂を主体とし、熱エレクトレット法又はエレクトロエレクトレット法などによってエレクトレット化されたメルトブローンフィルターであり、耐熱性の向上などを目的として上記の樹脂原料にステアリン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩を適量添加する場合がある。
本発明に用いられる不織布層Bは、目付6〜40g/m2であり、好ましくは10〜30g/m2である。不織布層Bの目付が6g/m2未満であると、物理強度に劣るため、プリーツ加工時に破れが発生することがあり、40g/m2を超えると濾材の目詰まりが起こり易くなり、フィルター成型品のダスト保持量が低下することがあり、好ましくない。
前記不織布層Bは、JIS B 9908に準じて測定される5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下であり、好ましくは10Pa以下である。5.3cm/s時の単板圧損が15Paを超えると、エアフィルター濾材及びエアフィルターの圧力損失が上昇することやダスト保持容量が低下することがあり、好ましくない。
[エアフィルター濾材及びエアフィルター]
本発明に係わるエアフィルター濾材の作製において、不織布層Aと不織布層Bとを積層する方法として、部分的又は全体的に、ピンソニック法などによる融着、ホットメルトスプレー法やいわゆるシンター法等のホットメルトパウダー式ラミネート法などによる接着、ステッチボンド法などによる縫合又はニードルパンチ法やいわゆるスパンレース法等の水流交絡法などによる交絡などを施して、一体化する方法が例示される。
本発明に係わるエアフィルター濾材の作製において、不織布層Aと不織布層Bとを積層する方法として、部分的又は全体的に、ピンソニック法などによる融着、ホットメルトスプレー法やいわゆるシンター法等のホットメルトパウダー式ラミネート法などによる接着、ステッチボンド法などによる縫合又はニードルパンチ法やいわゆるスパンレース法等の水流交絡法などによる交絡などを施して、一体化する方法が例示される。
本発明におけるエアフィルター濾材の厚みは、特に限定されるものではないが、良好なプリーツ加工適性を得るためには、0.1〜1.4mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることがより好ましい。エアフィルター濾材の厚みが0.1mmよりも薄いと、物理強度に劣るため、プリーツ加工時に破れが発生することがあり、一方、1.4mmよりも厚いと、プリーツ加工を施し難くなり、プリーツの山高さの不揃いや濾材の蛇行が起きる等して加工適性が低下することがある。
本発明のエアフィルター濾材は、特に限定されるものではないが、一般にはプリーツ加工が施されて、エアフィルターとして使用される。プリーツ加工とは、山谷状の折り加工であり、一定の通気面積に対してエアフィルター濾材の面積を増やすことができるため好ましい。なお、プリーツの形状に関しても特に限定されるものではなく、該エアフィルターの用途に合わせて適宜選択すればよい。
本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターは、一般住宅用や業務用、自動車や鉄道車輌用等といった様々な場面で使用される空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿器、換気扇、熱交換装置等の各種空気処理装置に装着使用することにより、除塵や脱臭といった空気清浄効果が得られる。また、自然給排気のための外気流入口(通気口や窓等)に、本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を示す。
<実施例1>
(a)活性炭含有添着液母液の調製
水35部に対し、粉末活性炭としてヤシ殻を原料としリン酸により処理されている「MP−11(キャタラー製、固形分濃度50%)」35部、固形分濃度100%のゼオライト系吸着剤7部、バインダーとして固形分濃度47wt%のスチレン−アクリル共重合体分散液20部、分散剤として固形分濃度40wt%のポリアクリル酸系重合物分散液を0.9部加えて十分に混合し、活性炭含有添着液母液を調製した。
(a)活性炭含有添着液母液の調製
水35部に対し、粉末活性炭としてヤシ殻を原料としリン酸により処理されている「MP−11(キャタラー製、固形分濃度50%)」35部、固形分濃度100%のゼオライト系吸着剤7部、バインダーとして固形分濃度47wt%のスチレン−アクリル共重合体分散液20部、分散剤として固形分濃度40wt%のポリアクリル酸系重合物分散液を0.9部加えて十分に混合し、活性炭含有添着液母液を調製した。
(b)不織布層Aの調製
単繊維繊度6.6dtex、長さ38mmのポリエステル繊維80%、単繊維繊度1.4dtex、長さ38mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用い、(a)で得た活性炭含有添着液母液を適宜水で希釈した添着液に該ケミカルボンド不織布を含浸させ、120℃で乾燥させることで、粉末活性炭40g/m2を担持した不織布層Aを得た。
単繊維繊度6.6dtex、長さ38mmのポリエステル繊維80%、単繊維繊度1.4dtex、長さ38mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用い、(a)で得た活性炭含有添着液母液を適宜水で希釈した添着液に該ケミカルボンド不織布を含浸させ、120℃で乾燥させることで、粉末活性炭40g/m2を担持した不織布層Aを得た。
(c)不織布層Bの選定
不織布層Bとして目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した。
不織布層Bとして目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した。
(d)エアフィルター濾材の作製
(b)で作製した不織布層Aと(c)の不織布層Bとをウレタン系ホットメルトを用いたホットメルトスプレー法により接着することで、実施例1のエアフィルター濾材を得た。該エアフィルター濾材は、不織布層A側をエアー流入側、不織布層Bをエアー流出側とした。
(b)で作製した不織布層Aと(c)の不織布層Bとをウレタン系ホットメルトを用いたホットメルトスプレー法により接着することで、実施例1のエアフィルター濾材を得た。該エアフィルター濾材は、不織布層A側をエアー流入側、不織布層Bをエアー流出側とした。
(e)エアフィルターの作製
(d)で作製したエアフィルター濾材を用いて折山高さ27mmのプリーツ加工を行い、山数36山分の濾材の4辺に枠材を取り付け、長さ180mm、幅180mm、高さ29mm、プリーツ間隔約5mmのエアフィルターを作製した。
(d)で作製したエアフィルター濾材を用いて折山高さ27mmのプリーツ加工を行い、山数36山分の濾材の4辺に枠材を取り付け、長さ180mm、幅180mm、高さ29mm、プリーツ間隔約5mmのエアフィルターを作製した。
<実施例2>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の40g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の40g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例3>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の100g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の100g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例4>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を15g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を15g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例5>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を85g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を85g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例6>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が6g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が6g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例7>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が40g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が40g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例8>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が9Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が9Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例9>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が15Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が15Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例1>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の30g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の30g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例2>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の110g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、不織布aとして同一繊維構成の110g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例3>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例4>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を90g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、活性炭担持量を90g/m2とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例5>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が4g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が4g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例6>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が45g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が45g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例7>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が20Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が20Paであるエレクトレット加工されたメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<比較例8>
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、エレクトレット加工されていない目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(c)不織布層Bの選定において、エレクトレット加工されていない目付が15g/m2、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるメルトブロー不織布を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
[評価]
上記で作製したエアフィルター濾材について、以下に示すように圧力損失、捕集効率、ダスト保持容量、脱臭性能、プリーツ加工適性(プリーツ加工耐性、プリーツ加工性)を評価した。また、作製したエアフィルターを用いて、高負荷条件下でのプリーツ構造耐久性、及び活性炭脱落量を評価した。
上記で作製したエアフィルター濾材について、以下に示すように圧力損失、捕集効率、ダスト保持容量、脱臭性能、プリーツ加工適性(プリーツ加工耐性、プリーツ加工性)を評価した。また、作製したエアフィルターを用いて、高負荷条件下でのプリーツ構造耐久性、及び活性炭脱落量を評価した。
(試験1)圧損の測定
JIS B 9908に準じて、(d)で得られたエアフィルター濾材の圧損を風速5.3cm/秒にて測定し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:圧損が12Pa未満
△:圧損が12Pa以上20Pa未満
×:圧損が20Pa以上
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
JIS B 9908に準じて、(d)で得られたエアフィルター濾材の圧損を風速5.3cm/秒にて測定し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:圧損が12Pa未満
△:圧損が12Pa以上20Pa未満
×:圧損が20Pa以上
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験2)捕集効率の測定
JIS B 9908に準じて、(d)で得られたエアフィルター濾材の0.3〜0.5μm粒径の大気塵の捕集効率を風速5.3cm/秒にて測定し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:捕集効率が50%以上
△:捕集効率が20%以上50%未満
×:捕集効率が20%未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
JIS B 9908に準じて、(d)で得られたエアフィルター濾材の0.3〜0.5μm粒径の大気塵の捕集効率を風速5.3cm/秒にて測定し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:捕集効率が50%以上
△:捕集効率が20%以上50%未満
×:捕集効率が20%未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験3)ダスト保持容量試験
JIS B 9908に準じた試験装置を用い、ダスト保持容量(Dust Holding Capacity、DHC)を評価した。(d)で得られたエアフィルター濾材を、ホルダーにセットした際の開口面積がそれぞれ15cm×15cmとなるようにカットして検体とし、個々に試験した。風速1m/秒にて、濾材エアー流入側(上流側)から、試験用ダストJIS15種を70mg/m3の濃度にて負荷し、ダスト負荷前の初期の圧力損失から100Pa上昇するまでダストを負荷した。濾材が保持したダスト質量を測定し、単位面積当たりのダスト保持容量を算出し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:ダスト保持容量が15g/m2以上
△:ダスト保持容量が8g/m2以上、15g/m2未満
×:ダスト保持容量が8g/m2未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
JIS B 9908に準じた試験装置を用い、ダスト保持容量(Dust Holding Capacity、DHC)を評価した。(d)で得られたエアフィルター濾材を、ホルダーにセットした際の開口面積がそれぞれ15cm×15cmとなるようにカットして検体とし、個々に試験した。風速1m/秒にて、濾材エアー流入側(上流側)から、試験用ダストJIS15種を70mg/m3の濃度にて負荷し、ダスト負荷前の初期の圧力損失から100Pa上昇するまでダストを負荷した。濾材が保持したダスト質量を測定し、単位面積当たりのダスト保持容量を算出し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:ダスト保持容量が15g/m2以上
△:ダスト保持容量が8g/m2以上、15g/m2未満
×:ダスト保持容量が8g/m2未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験4)脱臭性能の評価
アクリル樹脂製の筐体に1m3/分のシロッコファン(試験時運転)を取り付けた簡易空気清浄化装置に、(d)で得られたエアフィルター濾材をそれぞれ開口部が210mm×297mmとなるよう装着し、日本電機工業会規格JEM1467「家庭用空気清浄機」に準じて脱臭性能試験を実施した。なお、試験は1サイクル(タバコ燃焼本数5本)とし、総合除去率(%)=(A+2B+C)/4を算出した。ここでAはアンモニアの除去率(%)、Bはアセトアルデヒドの除去率(%)、Cは酢酸の除去率(%)である。
測定結果を下記の判定基準に基づき判定した。
○:総合除去率が50%以上
△:総合除去率が35%以上50%未満
×:総合除去率が35%未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
アクリル樹脂製の筐体に1m3/分のシロッコファン(試験時運転)を取り付けた簡易空気清浄化装置に、(d)で得られたエアフィルター濾材をそれぞれ開口部が210mm×297mmとなるよう装着し、日本電機工業会規格JEM1467「家庭用空気清浄機」に準じて脱臭性能試験を実施した。なお、試験は1サイクル(タバコ燃焼本数5本)とし、総合除去率(%)=(A+2B+C)/4を算出した。ここでAはアンモニアの除去率(%)、Bはアセトアルデヒドの除去率(%)、Cは酢酸の除去率(%)である。
測定結果を下記の判定基準に基づき判定した。
○:総合除去率が50%以上
△:総合除去率が35%以上50%未満
×:総合除去率が35%未満
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験5)プリーツ加工耐性の評価
プリーツ加工機を用い、(d)で得られたエアフィルター濾材に27mmの山高さでプリーツ加工を施し、下記の判定基準に基づき濾材のプリーツ加工耐性(折加工耐性)を判定した。
○:折加工後の濾材に破れや層間剥離がなく、問題なく加工できる
×:折加工後の濾材に破れや層間剥離が見られる
なお、本発明においては○を実用レベルとした。
プリーツ加工機を用い、(d)で得られたエアフィルター濾材に27mmの山高さでプリーツ加工を施し、下記の判定基準に基づき濾材のプリーツ加工耐性(折加工耐性)を判定した。
○:折加工後の濾材に破れや層間剥離がなく、問題なく加工できる
×:折加工後の濾材に破れや層間剥離が見られる
なお、本発明においては○を実用レベルとした。
(試験6)プリーツ加工性の評価
試験5と同様の方法で、(e)で得られたエアフィルター濾材300mにプリーツ加工を施し、下記の判定基準に基づき濾材のプリーツ加工性(折加工性)を判定した。
○:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行の発生が無く、問題なく加工できる
△:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行が1回以上3回未満発生したが、加工条件調整により問題なく加工できる
×:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行が3回以上発生し、安定したプリーツ加工ができない
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
試験5と同様の方法で、(e)で得られたエアフィルター濾材300mにプリーツ加工を施し、下記の判定基準に基づき濾材のプリーツ加工性(折加工性)を判定した。
○:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行の発生が無く、問題なく加工できる
△:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行が1回以上3回未満発生したが、加工条件調整により問題なく加工できる
×:濾材300mの加工中に山高さ不揃いや蛇行が3回以上発生し、安定したプリーツ加工ができない
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験7)高負荷条件下での構造耐久性評価
JIS B 9908に準じた試験装置を用い、(e)で得られたエアフィルターに風速5.0m/sにて通風した際のプリーツ構造を目視観察し、下記の判定基準に基づき結果を判定した。
◎:プリーツ間隔に乱れが見られない
○:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が1箇所以上3箇所未満見られる
△:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が3箇所以上6箇所未満見られる
×:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が6箇所以上見られる
なお、本評価では△以上を実用レベルとした。
JIS B 9908に準じた試験装置を用い、(e)で得られたエアフィルターに風速5.0m/sにて通風した際のプリーツ構造を目視観察し、下記の判定基準に基づき結果を判定した。
◎:プリーツ間隔に乱れが見られない
○:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が1箇所以上3箇所未満見られる
△:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が3箇所以上6箇所未満見られる
×:折山間隔が3mm未満又は7mm以上となる箇所が6箇所以上見られる
なお、本評価では△以上を実用レベルとした。
(試験8)活性炭脱落試験
(e)で得られたエアフィルターを、エアー流出側を下向きとした状態で高さ60cmから5回自然落下させ、エアフィルターから脱落した活性炭を回収して質量を測定し、下記の判断基準に基づき結果を判定した。
○:1mg未満
△:1mg以上3mg未満
×:3mg以上
なお、本発明では△以上を発明の対象とした。
(e)で得られたエアフィルターを、エアー流出側を下向きとした状態で高さ60cmから5回自然落下させ、エアフィルターから脱落した活性炭を回収して質量を測定し、下記の判断基準に基づき結果を判定した。
○:1mg未満
△:1mg以上3mg未満
×:3mg以上
なお、本発明では△以上を発明の対象とした。
実施例1〜9及び比較例1〜8について、濾材構成と上記試験1〜8を実施した結果を表1に示す。
表1から明らかなように、目付が40〜100g/m2の不織布に、粉末活性炭を15〜85g/m2担持した不織布層Aと、エレクトレット加工された目付6〜40g/m2で、5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下である不織布層Bの少なくとも2層により構成された実施例1〜9のエアフィルター濾材と該エアフィルター濾材を用いてなる実施例1〜9のエアフィルターは、試験1〜8のいずれにおいても実用レベルの判定が得られた。
試験1及び3の結果から、実施例8及び9では、実施例1と比較して、エアフィルター濾材の圧損が高く、ダスト保持容量が低い結果となった。これは不織布層Bに単板圧損の高い不織布bを使用したことによると考えられ、不織布層Bに5.3cm/s時の単板圧損が15Pa超の不織布bを使用した比較例7では、試験1及び3ともに本発明の実用レベルとならなかった。
試験2の結果から、不織布層Bにエレクトレット加工されていない不織布を用いた比較例8では実用レベルの捕集効率を得られなかった。また、不織布層Bに実施例1よりも目付が高い不織布bを使用した実施例7では、実施例1と比較して捕集効率が低い結果となった。理由は定かではないが、これは、使用した不織布層Bの繊維径が太く、目が粗いものであったことに拠ると考えられる。実施例7よりも目付の高い不織布bを使用した比較例6では、捕集効率が本発明の実用レベルとならなかった。
試験4の結果から、不織布層Aの活性炭担持量を少なくした実施例4では、実施例1と比較して脱臭性能が低い結果となった。更に活性炭担持量を少なくした比較例3では、脱臭性能が本発明の実用レベルとならなかったことから、粉末活性炭は少なくとも実施例4程度担持することが望ましいと考えられる。
試験5の結果から、不織布層Bとして目付4g/m2の不織布bを用いた比較例5では、プリーツ加工時に濾材に折刃が当ることで不織布層B側に破れが発生することがあり、実用レベルとならなかった。
試験6の結果から、不織布層Aに100g/m2の不織布aを使用した実施例3では実施例1よりも折加工性が劣る結果となり、110g/m2の不織布aを使用した比較例2では実用レベルのプリーツ加工性が得られなかった。
試験7の結果から、不織布層Aに40g/m2の不織布aを使用した実施例2では実施例1よりも高負荷条件下でのプリーツ構造耐久性が劣る結果となり、30g/m2の不織布aを使用した比較例1では実用レベルの耐久性が得られなかった。また、実施例4及び比較例3と実施例1の比較から、不織布層Aの活性炭担持量が少ないほど、プリーツ構造耐久性が劣る傾向がみられた。これは、不織布aへの活性炭担持量が少ないと、不織布層Aの剛性が低下することに拠る可能性が考えられる。
試験8の結果から、不織布層Aの活性炭担持量を実施例1より多くした実施例5では、活性炭脱落量が増加する傾向がみられ、活性炭担持量を90g/m2とした比較例4では本発明で目指すレベルが得られなかった。ただし、比較例4の活性炭脱落量は3.4mg/個であり、実際の実用においては問題なく使用可能なレベルといえる。
<実施例10>
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を4部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を4部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例11>
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を6部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を6部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例12>
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を27部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を27部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例13>
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を30部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(a)活性炭含有添着液母液の調製において、バインダー添加量を30部とした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例14>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維繊度6.6dtex、長さ8mmのポリエステル繊維80%、単繊維繊度1.4dtex、長さ8mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維繊度6.6dtex、長さ8mmのポリエステル繊維80%、単繊維繊度1.4dtex、長さ8mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例15>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ12mmのポリエステル繊維80%、単繊維径1.4dtex、長さ12mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ12mmのポリエステル繊維80%、単繊維径1.4dtex、長さ12mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例16>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ51mmのポリエステル繊維80%、単繊維径1.4dtex、長さ51mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ51mmのポリエステル繊維80%、単繊維径1.4dtex、長さ51mmのポリエステル繊維20%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
<実施例17>
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ51mmのポリエステル繊維70%、単繊維径1.4dtex、長さ51mmのポリエステル繊維30%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
実施例1の(b)不織布層Aの調製において、単繊維径6.6dtex、長さ51mmのポリエステル繊維70%、単繊維径1.4dtex、長さ51mmのポリエステル繊維30%から成る60g/m2のケミカルボンド不織布を不織布aとして用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材及びエアフィルターを作製した。
[物性測定]
上記で作製した不織布層Aについて、以下の方法でMD方向及びCD方向のガーレー剛軟度、引裂強度を測定し、MD方向とCD方向の平均値を算出した。
上記で作製した不織布層Aについて、以下の方法でMD方向及びCD方向のガーレー剛軟度、引裂強度を測定し、MD方向とCD方向の平均値を算出した。
(1)ガーレー剛軟度の測定
不織布層AをMD方向88mm長、CD方向25mm巾、及びMD方向25mm巾、CD方向88mm長にカットした試験片を用い、JIS L 1085に記載のガーレー剛軟度の試験方法にて、不織布層Aの剛軟度を測定した。
不織布層AをMD方向88mm長、CD方向25mm巾、及びMD方向25mm巾、CD方向88mm長にカットした試験片を用い、JIS L 1085に記載のガーレー剛軟度の試験方法にて、不織布層Aの剛軟度を測定した。
(2)引裂強度の測定
不織布層AをMD方向63mm巾、CD方向100mm長、及びMD方向100mm長、CD方向63mm巾にカットした試験片を用い、JIS L 1096 8.17.4 D法(ペンジュラム法)に記載の方法にて、不織布層AのMD方向及びCD方向の引裂強度を測定した。
不織布層AをMD方向63mm巾、CD方向100mm長、及びMD方向100mm長、CD方向63mm巾にカットした試験片を用い、JIS L 1096 8.17.4 D法(ペンジュラム法)に記載の方法にて、不織布層AのMD方向及びCD方向の引裂強度を測定した。
実施例1及び10〜17について、濾材構成と上記物性測定値、試験1〜8を実施した結果を表2に示す。
表2から明らかなように、不織布層Aのガーレー剛軟度と引裂強度を様々に変えて得た実施例10〜17のエアフィルター濾材及びエアフィルターは、試験1〜8のいずれにおいても実用レベルの判定が得られた。
試験6の結果から、剛軟度23mNの不織布層Aを用いた実施例13及び引裂強度650mNの不織布層Aを用いた実施例17は、実施例1と比較して折加工適性が劣る結果であった。実施例13では剛軟度が高く、濾材の撓り性が劣っていたと考えられ、プリーツ加工時の折刃の動きにエアフィルター濾材が追従しきれずに、山高さ不揃いや蛇行の原因となった可能性がある。また、実施例17では不織布層Aに使用している不織布の繊維長が長かったことから引裂強度が高く、理由は定かではないが、折加工時に滑りが発生する等して折刃の動きにエアフィルター濾材が追従しきれず、山高さ不揃いや蛇行の原因となった可能性がある。
試験7の結果から、剛軟度1mNの不織布層Aを用いた実施例10及び引裂強度80mNの不織布層Aを用いた実施例14は、実施例1と比較して高負荷条件下でのプリーツ構造耐久性が劣る結果であった。実施例10では濾材の剛性が低いことが原因と考えられ、実施例14では、不織布層Aに使用している不織布の繊維長が短いことで引裂強度が低く、通風方向に対する強度が低めであったと考えられる。
本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターは、一般住宅用や業務用、自動車や鉄道車輌用等といった様々な場面で使用される空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿器、換気扇、熱交換装置等の各種空気処理装置に利用することができる。また、自然給排気のための外気流入口(通気口や窓等)に利用することもできる。
Claims (3)
- 目付が40〜100g/m2の不織布に、粉末活性炭を15〜85g/m2担持した不織布層Aと、エレクトレット加工された目付6〜40g/m2で、5.3cm/s時の単板圧損が15Pa以下である不織布層Bの少なくとも2層により構成されることを特徴とするエアフィルター濾材。
- 不織布層AのMD方向とCD方向のガーレー剛軟度の平均値が1.5〜20mNであり、且つ、MD方向とCD方向の引裂強度の平均値が100〜600mNであることを特徴とする請求項1記載のエアフィルター濾材。
- 請求項1又は2記載のエアフィルター濾材を用いてなるエアフィルター。
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020163800A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 大日本印刷株式会社 | 消臭防汚シート材料 |
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2017
- 2017-03-15 JP JP2017049650A patent/JP2018149522A/ja active Pending
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JP2020163800A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 大日本印刷株式会社 | 消臭防汚シート材料 |
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