JP6684258B2 - エアフィルター濾材及びエアフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、エアフィルター濾材及びエアフィルターに関するものである。さらに詳しくは、脱臭性能及び集塵性能の双方を有し、ビル、家屋などの一般室内、自動車、航空機内などにおける空気清浄化フィルターとして活用し得るエアフィルター濾材及びエアフィルターに関するものである。
近年、東アジア内陸部の砂漠、乾燥地域からの砂塵(黄砂)や、PM2.5、スギ、ヒノキなどの花粉の飛散、また、インフルエンザ等のウィルスによる感染症の流行が健康へ及ぼす影響から、窓を開けた室内空気の換気に代わり、空気清浄機やエアコンを用いて室内空気を浄化、調温、調湿する生活環境が多く見られる。特に、家庭や職場、自動車などの空間の快適性向上の機能に対する市場要望は強く、空気浄化装置の普及が進んでいる。身近なものとしては家庭用空気清浄機や自動車のエアコンなどがあり、塵の捕集性能は大前提として持ちながら、且つ、脱臭性能やその他機能性を兼ね備えたエアフィルター濾材へのニーズが高まっている。
従来、脱臭機能を有するフィルター濾材の製造方法としては、通気性不織布と集塵不織布の間に吸着剤を挟み熱可塑性接着剤により封入する方法(例えば、特許文献1)や、吸着剤担持不織布と集塵不織布を熱可塑性接着剤により積層加工する方法(例えば、特許文献2)がある。これらのフィルター濾材は、粒状熱可塑性接着剤を用いることにより、不織布を積層加工するのと同じ装置を用いて製造することが可能であった。
しかしながら、吸着剤担持不織布と集塵不織布を当該装置により積層加工する場合、得られるフィルター濾材の通気性が悪くなることがあり、好ましくなかった。一方で、通気性を確保するために、粒状熱可塑性接着剤の担持量を少なくすると、通気性不織布と集塵不織布の接着性が十分得られないことがあり、好ましくなかった。
したがって、粒状熱可塑性接着剤を用いて2枚の不織布を積層してなるエアフィルター濾材において、2枚の不織布が十分な接着性を有し、且つ良好な通気性を有するエアフィルター濾材を提供することが求められていた。
特開2016−171875号公報 特開2013−154289号公報
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、2枚の不織布を積層してなるエアフィルター濾材において、2枚の不織布が十分な接着性を有し、且つ良好な通気性を有するエアフィルター濾材を提供することである。
上記課題を解決する手段として、本発明は以下の(I)〜(II)からなる。
(I)吸着剤を担持した不織布層Aとエレクトレット加工された不織布層Bが2〜20g/mの粒状熱可塑性接着剤Cによって積層されてなるエアフィルター濾材において、不織布層Aと不織布層Bとの貼り合わせ面に粒状熱可塑性接着剤Cが完全に溶融せずに冷却固化した状態で点在し、粒状熱可塑性接着剤Cが無機粒子を含有することを特徴とするエアフィルター濾材。
(II)上記(I)記載のエアフィルター濾材を用いてなるエアフィルター
本発明により、2枚の不織布を積層してなるエアフィルター濾材において、2枚の不織布が十分な接着性を有し、且つ良好な通気性を有するエアフィルター濾材を製造し、提供することができる。
本発明のエアフィルター濾材及び製造方法について、以下に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明のエアフィルター濾材は、不織布に吸着剤を担持した不織布層Aと、エレクトレット加工不織布である不織布層B、及び粒状熱可塑性接着剤Cの少なくとも3層により構成され、不織布層Aと不織布層Bの間に熱可塑性接着剤が粒状を維持した状態で点在し、積層されている。
本発明者は、熱可塑性接着剤が粒状を維持した状態で点在する場合、不織布層Aと不織布層Bは粒状熱可塑性接着剤Cを介した点状の接着により接着しており、熱可塑性接着剤が完全に溶融して接着する場合よりも得られるエアフィルター濾材の圧力損失(圧損)が低くなることを見出した。
本発明における「不織布層Aと不織布層Bとの貼り合わせ面に熱可塑性接着剤が粒状を維持した状態で点在する」とは、粒状熱可塑性接着剤Cが粒子中心部まで完全に融解しない、又は融解後の流動性が低い等の要因から、熱可塑性接着剤が溶融後も完全に広がらず、粒状を維持して冷却固化した状態である。「不織布層Aと不織布層Bとの貼り合わせ面に熱可塑性接着剤が粒状を維持した状態で点在する」状態の判定方法は、貼り合わせ加工後の不織布層Aと不織布層Bとを分離し、単純に貼り合わせ面を肉眼又はルーペ等により目視観察することにより判定することができ、本発明の判別方法は特定の手法に限定されない。
以下に、前記の不織布層A、不織布層B及び粒状熱可塑性接着剤Cについて順次説明する。
[不織布層A]
本発明に係わる不織布層Aに用いられる不織布(不織布a)は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、竹パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、藁パルプ、バガスパルプ、コットンリンターパルプ、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、古紙再生パルプ、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン等のタンパク質、アルギン酸、キチン、キトサン、澱粉等の多糖類等を原料とした再生繊維等、あるいは、これらの繊維に親水性や難燃性等の機能を付与した繊維等を単独又は組み合わせて使用することができる。
前記不織布aの製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法などで得られたウェブを水流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方法、ケミカルボンド法やレジンボンド法などの接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
前記不織布aの目付は、特に限定されるものではないが、40〜120g/mであることが好ましく、より好ましくは50〜100g/mである。目付が40g/m未満であると、濾材剛性が十分でなく、エアフィルター成型品を高負荷条件下で使用する場合にプリーツ構造に乱れが生じることがあり、120g/m超では、圧力損失が高くなることがある。
本発明で使用する吸着剤は目的とする脱臭性能に合わせて適宜選択され、特に限定されるものではないが、具体的には、粉末活性炭や活性炭素繊維、備長炭、天然ゼオライト、合成ゼオライト、ハイシリカゼオライト、シリカ、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、有機酸系化合物又はイオン交換樹脂などの吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルト又はマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などから適宜選択することができる。これらの吸着剤は必要に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの吸着剤を複合化したハイブリッド吸着剤としても良い。
本発明の吸着剤として粉末活性炭を使用する場合に、使用する粉末活性炭について説明する。粉末活性炭の原料としては、ヤシ殻、石炭、木質、フェノール樹脂等の樹脂、古タイヤ等が挙げられ、これらの原料を加熱焼成することによって活性炭が得られる。活性炭は、薬剤やガスにより適宜賦活処理を施したり、酸性薬剤で適宜洗浄処理を施したりすることで、活性炭の細孔を発達させたり、吸着能力を向上させたものを用いても良い。ゼゴミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を使用して、活性炭を粉砕することで、粉末活性炭が得られる。粉末活性炭の平均粒子径D50は、JIS K 1474に記載の方法に準じて測定され、150μm未満であることが好ましく、比表面積(BET法)は、500〜2000m/gであることが好ましい。
なお、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱せず、他の性能を付加する目的において、抗菌、防カビ、抗ウィルス、抗アレルゲン、防虫、殺虫、消臭、芳香、感温、保温、蓄温、蓄熱、発熱、吸熱、防水、耐水、撥水、疎水、親水、除湿、調湿、吸湿、撥油、親油、油等の吸着、及び水や揮発性薬剤等の蒸散又は徐放等の各種機能を新たに付加しても良い。
本発明で不織布aに吸着剤を担持する際に使用するバインダーについては、特に限定されるものではないが、水分散性バインダーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス等が挙げられ、水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールやデンプン等が挙げられる。添着液の液性や加工適性が安定するものの中から適宜、最適なものを選定すれば良い。
不織布aに吸着剤を担持させる方法としては、該不織布aにできるだけ均一に含有させることができる方法であれば、特に制限はなく、溶液あるいは分散液として、不織布aに含浸、塗工又はスプレー等の方法によって付与し、溶媒や分散媒を乾燥等の方法で除去して担持させる方法が例示される。また、不織布aの原料となる樹脂や金属等に練り込み等の手段によって担持させる方法も挙げられる。さらに、上記方法以外に、湿式法における内添のように、不織布aの製造工程において、原料繊維をシート化する工程で内添担持させる方法も挙げられる。
不織布aへの吸着剤担持量は、特に限定されるものではないが、不織布aの目付や吸着剤を担持させる際の加工性、得られる脱臭性能等に合わせて5〜90g/m程度とすることが好ましい。
[不織布層B]
本発明に係わる不織布層Bに用いられる不織布(不織布b)は、半永久的に電気分極を保持して外部に対して電気力を及ぼすエレクトレット(電石)からなることを特徴とし、特に限定されるものではないが、高い集塵性能を有し、且つ通気性に優れる特長があるため、メルトブローン製エレクトレットからなることが好ましい。
メルトブローン製エレクトレットは、一般に、ポリプロピレン又はポリプロピレン系共重合樹脂を主体とし、熱エレクトレット法又はエレクトロエレクトレット法などによってエレクトレット化されたメルトブローンフィルターであり、耐熱性の向上などを目的として上記の樹脂原料にステアリン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩を適量添加する場合がある。
本発明に用いられる不織布層Bは、特に限定されるものではないが、目付6〜40g/mが好ましく、更に好ましくは10〜30g/mである。不織布層Bの目付が6g/m未満であると、物理強度に劣るため、プリーツ加工時に破れが発生することがあり、40g/mを超えると濾材の目詰まりが起こり易くなることがある。
[粒状熱可塑性接着剤C]
本発明で使用する粒状熱可塑性接着剤Cは、熱可塑性樹脂を主体とするものであり、熱可塑性樹脂として、エチレン酢酸ビニル共重合体又はこの変性物、エチレンアクリレート共重合体、アイオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン系などの樹脂が挙げられる。
本発明における粒状熱可塑性接着剤Cは、無機粒子を含むことが好ましい。理由は定かではないが、加熱により熱可塑性接着剤が溶融する際に、粒状熱可塑性接着剤Cが無機粒子を含むことで、無機粒子が核となり、溶融後も熱可塑性接着剤が広がり難くなり、粒状を維持して冷却固化され、不織布層の通気性が損なわれず、得られたエアフィルター濾材の圧損が低くなり、無機粒子を含まない粒状熱可塑性接着剤Cよりも好ましい。
粒状熱可塑性接着剤Cに添加される無機粒子は特に限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン、アパタイト等が挙げられ、熱可塑性接着剤の融点で安定な物性を示す無機粒子を適宜用いることができる。
粒状熱可塑性接着剤Cの軟化点又は融点は特に限定されるものではなく、不織布層Aと不織布層Bを積層加工後の後加工条件や使用環境温度、粒状熱可塑性接着剤C以外のエアフィルター構成材料の耐熱性などを考慮して適宜選択すれば良い。
本発明における粒状熱可塑性接着剤Cは、粒径に関しては特に限定されるものではないが、全粒子の80質量%以上が20〜150メッシュであることが好ましく、更に好ましくは32〜100メッシュである。20メッシュ未満の粒子が多いと、得られるエアフィルター濾材の特に不織布層B側に凹凸が発生し、プリーツ加工等の後工程で濾材に傷が付く場合があり、150メッシュ超の粒子が多いと、不織布の目から離脱するなどの問題が生じる場合がある。
[エアフィルター濾材]
次いで、本発明のエアフィルター濾材を作製する方法を説明する。
本発明におけるエアフィルター濾材製造工程は特に限定されるものではないが、一般に空気流入側の不織布層Aの一面上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布し、空気流出側の不織布層Bを重ね合わせ、加熱によって熱可塑性接着剤の接着性を発現させ、一体化して作製される。
一方の不織布の一面上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布する方法は、特に制限はなく、ホッパー下部からの自由落下による撒布、送風による撒布、水系分散してのスプレー塗工やダイ塗工などから適宜選択することができる。
不織布への粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量は、2〜20g/mであり、より好ましくは4〜15g/mである。撒布量が2g/m未満であると、十分な接着性が得られないことがあり、20g/mを超えると、圧損が高くなることがある。
粒状熱可塑性接着剤Cの接着性を発現させるための加熱工程は、特に限定されるものではないが、基本的には2方式に大別される。すなわち、一つは、一方の不織布上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布した後に加熱する方式である。もう一つは、一方の不織布上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布して、他方の不織布を重ね合わせた後に加熱する方式である。本発明のエアフィルター濾材を作製するには、所望に応じてどちらの加熱方式を用いても良く、また、両方の加熱方式を併用しても良い。
不織布層A上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布した後に加熱する方式として、接触式の熱伝導による加熱は困難であるため、熱風などの非接触式の加熱手段を採ることが好ましく、中でも赤外線ヒーターやガスバーナーヒーターのような放射熱による手段が特に好ましい。
非接触式の加熱手段において、放射熱又は熱風等を当てる側は特に限定されるものではないが、粒状熱可塑性接着剤Cを撒布した側から加熱することが好ましい。
不織布層A上に粒状熱可塑性接着剤Cを撒布して不織布層Bを重ね合わせた後に加熱する方式として、少なくとも一方が加熱された2本のロールに挟む加熱方式、及び少なくとも一方が加熱された2枚のベルト搬送器に挟む加熱方式など接触式の加熱方式が挙げられる。
不織布層Aと不織布層Bを重ね合わせた後の一体化は加圧することにより達成でき、例えば加圧したロール間を通す方法などを採用できる。加圧の程度は、接着強度、通気性などへの影響を考慮して、適宜設定すれば良い。
本発明のエアフィルター濾材は、特に限定されるものではないが、一般にはプリーツ加工が施されて、エアフィルターとして使用される。プリーツ加工とは、山谷状の折り加工であり、一定の通気面積に対してエアフィルター濾材の面積を増やすことができるため好ましい。なお、プリーツの形状に関しても特に限定されるものではなく、該エアフィルターの用途に合わせて適宜選択すれば良い。
本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターは、一般住宅用や業務用、自動車や鉄道車輌用等といった様々な場面で使用される空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿器、換気扇、熱交換装置等の各種空気処理装置に装着使用することにより、除塵や脱臭といった空気清浄効果が得られる。また、自然給排気のための外気流入口(通気口や窓等)に、本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターを用いても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例5は参考例である。
<実施例1>
(a)不織布層Aの作製
ポリエステル繊維を主体としてなる目付60g/mの乾式不織布に対し、アクリル系バインダーを用いてヤシ殻を原料とする粉末活性炭を25g/m担持し、不織布層Aを得た。
(b)不織布層Bの選定
不織布層Bとして目付が15g/m、5.3cm/s時の単板圧損が3Paであるエレクトレット加工されたメルトブローン不織布を選定した。
(c)粒状熱可塑性接着剤Cの選定
粒状熱可塑性接着剤Cとして三酸化アンチモンを含むエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)系の粒状熱可塑性接着剤を選定した。
(d)エアフィルター濾材の作製
(a)で作製した不織布層Aの一面上に、(c)で選定した粒状熱可塑性接着剤Cを10g/m撒布した。撒布側から表面温度150℃の赤外線ヒーターを当てて加熱し、次いで、粒状熱可塑性接着剤Cが可塑化した後に加熱を止め、速やかに不織布層Aの粒状熱可塑性接着剤撒布側に不織布層Bを重ね合わせ、2本の回転ロール間に挟んで加圧し、一体化することで実施例1のエアフィルター濾材を得た。
<実施例2>
(c)粒状熱可塑性接着剤Cの選定において、無機粒子としてシリカを含むEVA系粒状熱可塑性接着剤を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<実施例3>
(d)エアフィルター濾材の作製において、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を2g/mとした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<実施例4>
(d)エアフィルター濾材の作製において、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を20g/mとした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<実施例5>
(c)粒状熱可塑性接着剤Cの選定において、無機粒子を含まないEVA系粒状熱可塑性接着剤を選定した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<比較例1>
(d)エアフィルター濾材の作製において、粒状熱可塑性接着剤撒布側から加熱する際に、表面温度180℃の赤外線ヒーターを用い、粒状熱可塑性接着剤Cが完全に溶解するまで加熱した以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<比較例2>
(c)粒状熱可塑性接着剤Cの選定において、無機粒子を含まないEVA系粒状熱可塑性接着剤Cを選定した以外は比較例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<比較例3>
(d)エアフィルター濾材の作製において、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を1g/mとした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
<比較例4>
(d)エアフィルター濾材の作製において、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を23g/mとした以外は実施例1と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
[粒状熱可塑性接着剤の観察]
上記で作製したエアフィルター濾材について、不織布層Aと不織布層Bを手で丁寧に剥離し、剥離面をルーペで観察することで、粒状熱可塑性接着剤が粒状を維持しているか否か、状態を判定した。
[評価]
上記で作製したエアフィルター濾材について、以下に示すように圧力損失、及び接着性を評価した。
(試験1)圧損の測定
JIS B 9908に準じて、(d)で得られたエアフィルター濾材の圧損を風速20cm/秒にて各10検体ずつ測定し、下記の評価基準に基づき結果を判定した。
○:圧損平均値が16Pa未満
△:圧損平均値が16Pa以上18Pa未満
×:圧損平均値が18Pa以上
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。
(試験2)接着性の評価
(d)で得られたエアフィルター濾材を10cm角に裁断し、不織布層Aと不織布層Bを端部から手で勢い良く剥離し、下記の判定基準に基づき不織布層同士の接着性を判定した。
○:層間剥離が濾材面積の20%未満で不織布層Bが破断する
△:層間剥離が濾材面積の20%以上50%未満で不織布層Bが破断する
×:層間剥離が濾材面積の50%以上で発生する
なお、本発明においては△以上を実用レベルとした。なお、剥離面積の判定は、試験後濾材に1cm間隔で縦横線を引き、濾材面積を100等分して判定した。
実施例1〜5及び比較例1〜4について、エアフィルター濾材作製後の粒状熱可塑性接着剤の形状観察結果や、使用した熱可塑性接着剤の内容、及び上記試験1及び2を実施した結果を表1に示す。
Figure 0006684258
表1から明らかなように、吸着剤を担持した不織布層Aとエレクトレット加工された不織布層Bが粒状熱可塑性接着剤Cによって積層されてなるエアフィルター濾材において、不織布層Aと不織布層Bとの貼り合わせ面に熱可塑性接着剤が粒状を維持して点在した実施例1〜5のエアフィルター濾材は、試験1及び2のいずれにおいても実用レベルの判定が得られた。
試験1の結果から、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を20g/mとした実施例4のエアフィルター濾材は、実施例1よりも圧損がやや劣り、撒布量を23g/mとした比較例4では圧損が本発明の実用レベルとならなかった。また、粒状熱可塑性接着剤Cに無機粒子を添加しなかった実施例5においても、実施例1と比較して圧損が劣る結果となった。理由は定かではないが、粒状熱可塑性接着剤Cに無機粒子を含まなかったことで、熱可塑性接着剤が溶融した際に粒状を維持し難く、実施例1よりも接着剤が広がって接着され、圧損が高くなったと考えられる。粒状熱可塑性接着剤Cが粒状を維持しなかった比較例1及び比較例2のエアフィルター濾材に関しては、圧損が本発明の実用レベルとならなかった。
試験2の結果から、粒状熱可塑性接着剤Cの撒布量を2g/mとした実施例3のエアフィルター濾材は、実施例1よりも接着性がやや劣った。さらに、撒布量を1g/mとした比較例3では、接着性が本発明の実用レベルとならなかった。また、粒状熱可塑性接着剤Cが粒状を維持しなかった比較例1及び比較例2のエアフィルター濾材では、熱可塑性接着剤を同量撒布した実施例1よりも接着性がやや劣った。理由は定かではないが、熱可塑性接着剤が溶解し不織布層に沈み込んだことで、接着面に残る接着剤量が少なくなった等の要因により接着性が劣る結果となったと考えられる。
本発明のエアフィルター濾材及びエアフィルターは、一般住宅用や業務用、自動車や鉄道車輌用等といった様々な場面で使用される空調機、空気清浄機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿器、換気扇、熱交換装置等の各種空気処理装置に利用することができる。また、自然給排気のための外気流入口(通気口や窓等)に利用することもできる。

Claims (2)

  1. 吸着剤を担持した不織布層Aとエレクトレット加工された不織布層Bが2〜20g/mの粒状熱可塑性接着剤Cによって積層されてなるエアフィルター濾材において、不織布層Aと不織布層Bとの貼り合わせ面に粒状熱可塑性接着剤Cが完全に溶融せずに冷却固化した状態で点在し、粒状熱可塑性接着剤Cが無機粒子を含有することを特徴とするエアフィルター濾材。
  2. 請求項1記載のエアフィルター濾材を用いてなるエアフィルター
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