本発明のエアフィルターユニットは、少なくとも2種類のエレクトレット濾材がそれぞれプリーツ加工された状態で連結され矩形状を形成しており、更にその全周に枠体が接着固定されてなるエアフィルターユニットであり、以下条件(条件(イ):風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も高い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失をA、風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も低い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失をBとした時、2<A/B<3.5の関係を有する。条件(ロ)上記の圧力損失がAの濾材の展開面積をa、上記の圧力損失がBの濾材の展開面積をbとした時、1.5<a/b<5.0の関係を有する。)を満たすものである。ここで、展開面積とは、プリーツ加工後のエレクトレット濾材の片面の表面積をいう。よって、プリーツ加工の前後でエレクトレット濾材の展開面積は同じ値となる。上記のとおり、従来は、高捕集効率、高捕集寿命および低圧力損失のすべてを高いレベルで備えたエアフィルターユニットを実現するのは困難であった。しかし、本発明者は、圧力損失が異なる少なくとも2種類のエレクトレット濾材からなり、上記の2種類のエレクトレット濾材の圧力損失比が特定の範囲内であり、かつ上記の2種類のエレクトレット濾材の展開面積比が特定の範囲内であるエアフィルターユニットとすることで、高捕集効率、高捕集寿命および低圧力損失のすべてを備えたエアフィルターユニットが得られることを見出した。
また、図1に送風方向から見た本発明のエアフィルターユニットの1例を示す正面概念図を示す。図1に示すエアフィルターユニットは、圧力損失Aのエレクトレット濾材1および圧力損失Bのエレクトレット濾材2が、それぞれプリーツ加工された状態で連結部3にて連結され矩形状を形成しており、更にその全周に枠体4が接着固定されている。
まず、本発明のエアフィルターユニットに用いられるエレクトレット濾材について説明する。エレクトレット濾材とは、電荷を付与され、その静電気力によって空気中の粉塵を捕集する性質を有するシート状物からなるエアフィルター構成材料を示すものである。電荷の付与方法としては特に指定されるものではなく、コロナ放電法、ハイドロチャージ法、摩擦帯電法といった方法を採用することができ、中でもより高い電荷量が得られるとの観点から純水サクション方式によるハイドロチャージ法を用いることが好ましい。
上記のシート状物は、繊維構造物が好ましく、具体的には綿状物、編織物、不織布、紙およびその他の三次元網状体等を挙げることができる。また、これらの積層体でもかまわない。これらのような構造をとることにより、通気性を確保しつつ、表面積を大きくとることができる。中でもシート状物を構成する繊維をより細くでき、濾材として緻密な構造が得られる不織布を用いることが好ましい。
上記のシート状物を構成する不織布の形態としては、ケミカルボンド法、湿式抄紙法、スパンボンド法、メルトブロー法、スパンレース法、エアレイド法など公知の方法を用いて製造することができる。中でもより細い繊維を製造することが可能なメルトブロー法を用いることが好ましい。さらに、目的に応じ不織布に抗菌、抗アレルゲン、脱臭などの機能を公知の方法により付与させてもよい。
繊維構造物を形成する繊維としては、天然繊維、合成繊維またはガラス繊維もしくは金属繊維等の無機繊維が使用でき、中でも溶融紡糸が可能な熱可塑性樹脂の合成繊維が好ましい。合成繊維を形成する熱可塑性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、ビニロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸等を挙げることができ、用途等に応じて選択できる。また、複数種を組み合わせて使用してもよい。エレクトレット処理による高いエレクトレット性能の付与の観点からポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂またはポリカーボネート樹脂等の高い電気抵抗率を有する材料が好ましい。
繊維構造物を構成する繊維の平均繊維直径としては、高い捕集効率と低い圧力損失の両立の観点から、0.7〜2.8μmであることが好ましく、1.0〜2.2μmであることがより好ましい。
上記シート状物の厚みとしては、一定の強度を有し、かつプリーツ加工をした際に一定容積に収容できる面積を増やす観点から、0.08〜0.60mmとすることが好ましく、0.15〜0.45mmとすることがより好ましい。
上記のシート状物は、エレクトレット濾材への剛性の付与などの目的に応じ、シート状物の片面または両面に他のシート状材料を積層してもよい。この場合積層するシート状材料はエレクトレット加工されていないものでもよく、シート状材料としては不織布が一般的に用いられる。上記の不織布の素材としては特に限定されるものではなく、合成繊維、天然繊維、無機繊維、金属繊維などを用いることできる。
上記のシート状材料を構成する不織布の形態としては、ケミカルボンド法、湿式抄紙法、スパンボンド法、メルトブロー法、スパンレース法、エアレイド法など公知の方法を用いて製造することができる。さらに、目的に応じ不織布に抗菌、抗アレルゲン、脱臭などの機能を公知の方法により付与させてもよい。
本発明のエアフィルターユニットに用いられる少なくとも2種類のエレクトレット濾材はそれぞれプリーツ加工された状態で連結され矩形状を形成している。ここで、プリーツ加工とは、エレクトレット濾材を一定方向に所定の折高さで山谷形状に折り込むものであり、レシプロ式、ロータリー式などの方法を用いることができる。プリーツ加工をすることによってフィルターとして一定容積の中により多くの濾材を搭載することができ、低圧力損失および高捕集効率に加え、捕集性能の維持すなわち交換周期の長い高捕集寿命に優れたエアフィルターユニットを得ることができる。
また、プリーツ加工によって得られた複数の連続した山谷形状同士の間隔は一定に保持することが好ましく、隣接する山間に生じるスペースへのセパレーターの挿入や、溶融樹脂を山の稜線に沿うよう線状に塗布して隣接する樹脂同士を接着固定するビード接着など公知の方法を用いることで複数の連続した山谷形状同士の間隔は一定に保持することができる。
また、少なくとも2種類のエレクトレット不織布は互いに連結されていることで、エアーのリークを抑制し高い捕集効率を得ることができる。連結の方法としては、それぞれのプリーツ加工後のエレクトレット濾材の端面にあたるエレクトレット濾材の切片同士を重ね合わせ接着剤にて連結する方法、それぞれのプリーツ加工後のエレクトレット濾材の切片のうちプリーツ加工の半山同士を重ね合わせて接着剤にて連結する方法、それぞれのプリーツ加工後のエレクトレット濾材の外周に不織布などで構成された平板状の枠体を接着させ矩形状に成型してから、それぞれの枠体の外面の一つの面同士を接着剤にて連結する方法などを用いることができ、連結面が密着されていることが好ましい。
また、連結された2種類のエレクトレット濾材は矩形状を形成している。そうすることで、吸引ファンを有する空気清浄機に搭載した際、吸引ファンからエアフィルターユニットの間口の各点までの距離を適正化できる。連結された2種類のエレクトレット濾材を矩形状とする方法としては、プリーツ加工後のエレクトレット濾材の外周に不織布などで構成された平板状の枠体を接着し矩形状を保持する方法などを挙げることができる。
また、本発明のエアフィルターユニットは、連結された少なくとも2種類のエレクトレット濾材の全周(外周4辺)に枠体が接着固定されている。ここでいう接着固定とは、枠体と連結された少なくとも2種類のエレクトレット濾材がエアフィルターユニットとして使用される上において脱着不可能な状態に固定され、連結された少なくとも2種類のエレクトレット濾材と枠体との間を空気が通過しない状態となることを示す。
また、接着固定手段としては枠体と連結された少なくとも2種類のエレクトレット濾材を溶融樹脂などの接着剤を用いて強固に連結させるなどが例示できる。枠体に用いる材質としては、不織布、紙およびABSなどの樹脂などを用いることができる。枠体の形状としては、平板状であり、矩形状のエレクトレット濾材の外周にのみ接着するものや、片側もしくは両側に折り返しが付いておりエレクトレット濾材の通風面の外周部付近の部位にも接着可能なものなどから任意に選択可能である。
ここで、本発明のポイントは以下の2点である。第一に、濾材性能としての圧力損失が異なる少なくとも2種類のエレクトレット濾材を用い、かつ風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も高い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失をA、風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も低い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失をBとした時、2<A/B<3.5の関係を有することである。第二に、上記の少なくとも2種類のエレクトレット濾材において、圧力損失がAの濾材の展開面積をa、圧力損失がBの濾材の展開面積をbとした時、1.5<a/b<5.0の関係を有することである。
まず、少なくとも2種類のエレクトレット濾材のうち風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も高い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失Aと風速5.3cm/secにおける圧力損失が最も低い濾材の風速5.3cm/secにおける圧力損失をBとの比(A/B)について、A/Bが2よりも小さい、すなわち、両者の圧力損失AおよびBに一定以上の差異がない場合、得られるエアフィルターユニットの圧力損失は、圧力損失Aのエレクトレット濾材のみを用いたエアフィルターユニットの圧力損失と比較し十分な低下がみられず、その圧力損失は高いものとなる。
一方で、A/Bが3.5を超える、すなわち、両者の圧力損失AおよびBに一定以上の著しい差異がある場合、得られるエアフィルターユニットの捕集効率は、圧力損失Bのエレクトレット濾材のみを用いたエアフィルターユニットの捕集効率と比較し十分な向上がみられず、その捕集効率は低いものとなる。これは、より低い圧力損失のエレクトレット濾材は圧力損失により優れるものの、捕集効率により劣り、より空気を透過させやすいとの性質により、エアフィルターユニットの、より低い圧力損失側のエレクトレット濾材部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)に集中して空気が流れる状態になり、通過風速が上昇し、かつ集中して空気が流れる部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)の捕集効率も低いため、エアフィルターユニット全体の捕集効率は低いものとなると推測する。
また、A/Bが3.5を超える場合、そのエアフィルターユニットの捕集寿命は、圧力損失Bのエレクトレット濾材のみを用いたエアフィルターユニットの捕集寿命と比較し十分な向上がみられず、その捕集寿命は短いものとなる。これは、エアフィルターユニットの、より低い圧力損失側のエレクトレット濾材部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)に集中して空気が流れるため、より低い圧力損失のエレクトレット濾材部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)に集中して捕集対象である埃などが蓄積するためと推測する。
次に、圧力損失Aの濾材の展開面積aと圧力損失Bの濾材の展開面積bとの比(a/b)について、a/bが1.5より小さい、すなわち、両者の展開面積aおよびbの差異が一定よりも小さいと、得られるエアフィルターユニットの捕集寿命は、圧力損失Bのエレクトレット濾材のみを用いたエアフィルターユニットの捕集寿命と比較し十分な向上がみられず、その捕集寿命は短いものとなる。これは、エアフィルターユニットのより低い圧力損失のエレクトレット濾材部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)に集中して空気が流れるため、より低い圧力損失側のエレクトレット濾材部分(圧力損失Bのエレクトレット濾材部分)に集中して捕集対象である埃などが蓄積するためと推測する。
一方で、a/bが5を超える、すなわち、両者の展開面積aおよびbの差異が一定よりも大きい状態になると、得られるエアフィルターユニットの圧力損失は、圧力損失Aのエレクトレット濾材のみを用いたエアフィルターユニットの圧力損失と比較し十分な低下がみられず、その圧力損失は高いものとなる。
すなわち、本発明のエアフィルターユニットは、A/Bおよびa/bの両者を特定の範囲内とすると、エアフィルターユニットへの送風時の通過風速分布が適正化されるため、高捕集効率、高捕集寿命および低圧力損失のすべてを高いレベルで備えるものとなると推定する。
また、本発明のエアフィルターユニットにおいては、その通風面全体の間口面積の60〜75%の部分が圧力損失Aのエレクトレット濾材から構成されることが好ましい。ここで、間口面積とは、エアフィルターユニットの空気が透過する面の投影面積をいう。エアフィルターユニットの間口面積の60〜75%の部分が圧力損失Aのエレクトレット濾材から構成されることで、圧力損失Bのエレクトレット濾材部分と比較して捕集効率が高いものの、圧力損失も高く空気が通過しにくい圧力損失Aのエレクトレット濾材部分への空気の通過量を最適化させ、エアフィルターユニットの捕集効率をより向上させることができる。
さらに、エアフィルターユニットが家庭用空気清浄機に用いられる場合においては、エアフィルターユニットの間口面積の60〜75%の部分が圧力損失Aのエレクトレット濾材から構成されることに加え、そのエアフィルターユニットを家庭用空気清浄機にセットした際に、家庭用空気清浄機の吸引ファンの面積の70〜95%を圧力損失Aのエレクトレット濾材が覆っていることが好ましい。そのような構成とすることで、圧力損失Bのエレクトレット濾材部分と比較して捕集効率が高いものの、圧力損失も高く空気が通過しにくい圧力損失Aのエレクトレット部材部分への空気の通過量をより最適化させ、エアフィルターユニットの捕集効率をより一層向上させることができる。具体的には、一般に市販されている家庭用空気清浄機では、吸引ファンはエアフィルターユニットの間口の高さ方向に対し下から25〜40%の間に配置されている。よって、エアフィルターユニットの間口の高さ方向に対し上から60〜75%までを圧力損失Aのエレクトレット濾材により構成することなどで上記の構成とすることができる。
また、本発明のエアフィルターユニットに用いられる少なくとも2種類のエレクトレット濾材のうちのすくなくとも1つは、さらにカバー不織布を積層されたものであって、上記のエレクトレット濾材と上記のカバー不織布の間に脱臭剤を挟み込んだものであってもよい。この場合、上記の不織布は脱臭剤の脱落を抑制する効果を有するものであれば材質、製造方法は問わない。また、前記したエレクトレット濾材に剛性などを付与するために積層するシート状材料がカバー不織布としての機能も有していれば共通化してよい。
脱臭剤とは、例えばアンモニアやアルデヒド類といった悪臭を有するガス成分を吸着、反応などにより除去する性質を有するものである。その種類としては活性炭、多孔質シリカ粒子、ゼオライト、セピオライトなどの多孔質物質や、それらと特有のガス成分との反応性を高める薬剤との複合体などが挙げられる。ここで、特有のガス成分との反応性を高める薬剤としては、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ヒドラジドなどのアミン系薬剤や、リン酸などの酸系薬剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ系薬剤が挙げられる。中でも活性炭または多孔性シリカ粒子は細孔容積が大きく、かつ幅広い径の細孔を有しており様々なガスの除去が可能であるため、活性炭、多孔性シリカ粒子およびそれらと特有のガス成分との反応性を高める薬剤との複合体からなる群より選ばれる少なくとも1つを脱臭剤として使用することが好ましい。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示すが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法]
(1)平均繊維直径(μm)
平均繊維径は、次のようにして求める。すなわち、操作型電子顕微鏡(KEYENCE社製 VXH−D510)にて1,000倍で撮影した繊維の集合体の画像内で無作為抽出した100本の単繊維直径をμm単位で少数の2桁目まで測定して少数の2桁目を四捨五入する。100本の測定値を平均して、小数点以下2桁目を四捨五入した値を平均繊維直径とした。
(2)シート状物の目付(g/m2)
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。シート状物を20℃×65%RHの温湿度で24時間調湿し、その後、上記シート状物の異なる箇所から15cm角のサイズの試験片を採取し、それぞれの重量(g)を測定、1m2当たりの重量(g/m2)に換算した。前記の測定をn=10で実施し、その平均値を不織布の目付(g/m2)とした。
(3)エレクトレット濾材の圧力損失(Pa)
JIS B9908(2011)5.2.3の方法に準じ、圧力損失を測定した。(但し濾材の除電処理は行わない。)測定対象物である各エレクトレット濾材を有効間口サイズ118cm2の上流部と下流部からなるホルダーの中間にセットし、吸引ファンにて濾材通過風速が5.3cm/secとなる流量で空気を下流部側から吸引し、上記の上流部側と上記の下流部側の気流の差圧をデジタルマノメーター(MODUS社製 MA2−04P)にて測定し圧力損失とした。
(4)エレクトレット濾材の捕集効率(%)
JIS B9908(2011)5.2.3の方法に準じ、圧力損失を測定した。(但し濾材の除電処理は行わず、また上流側空気取り込み部にHEPAフィルターをセットせず、大気塵粒子を取り込んだ。)測定対象物である各エレクトレット濾材を有効間口サイズ118cm2の上流部と下流部からなるホルダーの中間にセットし、吸引ファンにて濾材通過風速が5.3cm/secとなる流量で空気を下流部側から吸引し、上流部側および下流部側の0.3〜0.5μmの大気塵粒子数をパーティクルカウンター(RION社製 KC−01D)で測定し、次式により捕集効率を算出した。
捕集効率(η)=1−(下流粒子数/上流粒子数)×100 。
(5)エアフィルターユニットの圧力損失(Pa)
測定対象物であるエアフィルターユニットを、「JIS B 9908:2011 換気用エアフィルタユニット」形式2に準拠した試験ダクトにて、エアフィルターユニットのサイズから縦横各20mm通風間口を小さくしたホルダーにセットし、次式にて算出する間口風速が1m/secとなる風量で空気をエアフィルターユニットの上流から通過させた時のエアフィルターユニットの上流側と下流側の気流の差圧をデジタルマノメーター(MODUS社製 MA2−04P)にて測定し圧力損失とした。
間口風速(m/sec)=風量(m3/min)/間口面積(m2)×60 。
(6)エアフィルターユニットの捕集効率(%)
測定対象物であるエアフィルターユニットを、「JIS B 9908:2011 換気用エアフィルタユニット」形式2に準拠した試験ダクトにて、エアフィルターユニットのサイズから縦横各20mm通風間口を小さくしたホルダーにセットし、次式にて算出する間口風速が1m/secとなる風量で空気をエアフィルターユニットの上流から通過させた時のエアフィルターユニットの上流側と下流側の0.3〜0.5μmの大気塵粒子数をパーティクルカウンター(RION社製 KC−01D)で測定し、次式より捕集効率を算出した。
捕集効率(η)=1−(下流粒子数/上流粒子数)×100 。
(7)エアフィルターユニットの捕集寿命(負荷後性能維持率(%))
上記(6)で性能を測定した複合フィルターユニットを試験用の空気清浄機(電気モーターによりファンが回転し空気を取り込むもの)に搭載し、容積1m3の密閉ボックス内に設置する。ボックス内でタバコ(メビウス JT製)10本を燃焼させ、自己発煙が止まった段階でボックス内に設置したデジタル式粉塵濃度計(LD−50 柴田化学(株)製)を運転させ、室内濃度をモニタリングできる状態にて空気清浄機の運転を開始し、室内粉塵濃度が運転前の1/10になったら空気清浄機の運転を停止する。この作業を50回繰り返し、タバコ500本分の負荷処理が完了した後、上記(6)と同様の方法にてエアフィルターユニットの捕集効率を測定し、次式により負荷後性能維持率を算出した。
負荷後性能維持率(%)=
負荷後フィルターユニット捕集効率/フィルターユニット捕集効率×100 。
(8)フィルターユニット脱臭性能(%)
測定対象物である複合フィルターユニットを上記(7)と同様の試験用空気清浄機に搭載し、日本電機工業会が定める「JEM1467脱臭性能試験方法」に準じて初期脱臭性能を測定した。なお、この測定は脱臭剤を含む複合フィルターユニットのみを対象とした。
[実施例1]
第1のエレクトレット濾材として、平均繊維直径2.5μmのポリプロピレンからなり、目付が30g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施し、電荷が付与されたシート状物を得た。その後、シート状材料として目付35g/m2のポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は50Pa、捕集効率は99.94%であった。
このエレクトレット濾材を幅248mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工を施し、ビード樹脂を太さ2.5mm、プリーツの稜線方向に山の頂点から50%の高さまで、スリット幅方向に5.08cmの間隔にて表裏各5本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.3mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、75山分、展開面積として1.33m2のエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ加工されたエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット幅方向:250mm、間口面積が0.06m2となるよう、プリーツ加工されたエレクトレット濾材の外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。ここで、プリーツ方向とは、プリーツ加工により形成されるエレクトレット濾材の山谷線に垂直な方向をいう。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径4.0μmのポリプロピレン樹脂からなり、目付が35g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として第1のエレクトレット濾材と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られた濾材の圧力損失は24Pa、捕集効率は97.5%であった。
この濾材を幅196mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工を施し、60山分、展開面積として0.85m2のエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.1mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:198mm、間口面積が0.05m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着後、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2の枠材外面のプリーツ方向(248mm)に平行な面の一方の面同士を、ホットメルト樹脂にて全長に渡り接着し連結した後、枠体全体の外周に厚み1mm、幅38mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は65Pa、捕集効率は99.90%、負荷後性能維持率は71%であった。
[実施例2]
第1のエレクトレット濾材として、実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を幅338mmにスリット後、実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のプリーツ折高さ、ビード樹脂の塗布方法にて、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.95m2のエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ加工されたエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:340mm、間口面積が0.09m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、実施例1の第2のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を幅106mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工を施し、53山分、展開面積として0.40m2のエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるよう櫛刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:108mm、間口面積が0.02m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2を実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は69Pa、捕集効率は99.95%、負荷後性能維持率は74%であった。
[実施例3]
第1のエレクトレット濾材として実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を実施例1のエレクトレットと同様の方法および条件でプリーツ加工し、このプリーツ濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット幅方向:250mm、間口面積が0.06m2となるよう、外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径4.0μmのポリプロピレンからなり目付が15g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層接着しエレクトレット濾材とした。得られた濾材の圧力損失は15Pa、捕集効率は96.0%であった。この濾材を幅196mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、60山分、展開面積として0.85m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.1mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:198mm、間口面積が0.05m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着後、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2を実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は62Pa、捕集効率は99.90%、負荷後性能維持率は68%であった。
[実施例4]
第1のエレクトレット濾材として実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を実施例2の第1のエレクトレットと同様の方法、条件でプリーツ加工し展開面積が1.95m2のエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:340mm、間口面積が0.06m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として実施例3の第2のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を実施例2の第2のエレクトレット濾材と同様の方法、条件でプリーツ加工し、展開面積が0.40m2、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:108mm、間口面積が0.02m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着後、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2を実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた複合フィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は65Pa、捕集効率は99.90%、負荷後性能維持率は72%であった。
[実施例5]
第1のエレクトレット濾材として実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用い、この濾材を幅318mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、ビード樹脂を太さ約2.5mm、プリーツの稜線方向に山の頂点から50%の高さまで、スリット幅方向に5.08cmの間隔にて表裏各6本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.86m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向248mm、スリット巾方向340mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として実施例1の第2のエレクトレット濾材と同様のものを用い、このエレクトレット濾材を126mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、53山分、展開面積として0.47m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:128mm、間口面積が0.03m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の不織布からなる枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニットを実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は62Pa、捕集効率は99.94%、負荷後性能維持率は74%であった。
[実施例6]
第1のエレクトレット濾材として、平均繊維直径1.8μmのポリプロピレンからなり、目付が25g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、補強材として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は46Pa、捕集効率は99.98%であった。
この濾材を幅318mmにスリット後、実施例5の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.86m2のエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:320mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径3.5μmのポリプロピレンからなり、目付が20g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として第1のエレクトレット濾材と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は20Pa、捕集効率は99.0%であった。この濾材を幅126mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、53山分、展開面積として0.47m2のエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:128mm、間口面積が0.03m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の不織布からなる枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
これらのエレクトレット濾材をプリーツ加工して得られた2種類の矩形状のユニットの実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2の複合フィルターユニットを得た。
得られた複合フィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は65Pa、捕集効率は99.98%、負荷後性能維持率は77%であった。
[実施例7]
第1のエレクトレット濾材として、平均繊維直径1.4μmのポリプロピレンからなり、目付が20g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は65Pa、捕集効率は99.98%であった。
この濾材を幅318mmにスリット後、実施例6の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.86m2のエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ加工されたエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:320mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として実施例6の第2のエレクトレット濾材と同様の物を用い、幅126mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、53山分、展開面積として0.47m2のプリーツされたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:128mm、間口面積が0.03m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の不織布からなる枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニットを実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は70Pa、捕集効率は99.97%、負荷後性能維持率は80%であった。
[実施例8]
第1のエレクトレット濾材として、実施例1の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用いた。この濾材を幅248mmにスリット後、実施例1の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.45m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:250mm、間口面積が0.06m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、実施例1の第2のエレクトレット濾材に用いたものと同様のスパンボンド不織布上に、脱臭剤として粒状活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製 HGI−218)25g/m2およびリン酸を20重量%添着した粒状活性炭(満栄工業社製 MNC−40/80DB)25g/m2の合計50g/m2と、接着剤としてポリエチレン樹脂からなる接着パウダー20g/m2を同時に散布し、加熱ヒーターにて接着パウダーが溶融状態となった上に、ポリプロピレンからなる平均繊維直径4.5μm、目付35g/m2のメルトブロー法にて生産した不織布にエレクトレット加工を施したシートを積層接着させエレクトレット濾材を得た。この濾材の圧力損失は25Pa、捕集効率は97.5%であった。この濾材を幅196mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、50山分、展開面積として0.70m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.9mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:198mm、間口面積が0.05m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の不織布からなる枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニットを実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は67Pa、捕集効率は99.94%、負荷性能維持率は70%、初期脱臭性能は80%であった。
[実施例9]
第1のエレクトレット濾材として、実施例7の第1のエレクトレット濾材と同様のものを用いた。この濾材を幅338mmにスリット後、実施例1の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.98m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ濾材の外周寸法がプリーツ方向:250mm、スリット巾方向:340mm、間口面積が0.09m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、実施例1の第2のエレクトレット濾材に用いたものと同様のスパンボンド不織布上に、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製 ケムキャッチH−6000HS)を6重量%添着させた多孔質シリカ粒子(AGCエスアイテック社製 D−300−60A、平均粒子径200μm)100g/m2および粒状活性炭(満栄工業社製MNC−30/60−O)350g/m2の合計450g/m2と、接着剤として実施例8と同様の接着パウダー120g/m2を同時に散布し、散布後にヒーターにて過熱し接着パウダーが溶融状態となった上にポリプロピレンからなる平均繊維直径4.5μm、目付45g/m2のメルトブロー法にて生産した不織布にエレクトレット加工を施したシートを積層接着させエレクトレット濾材を得た。この濾材の圧力損失は30Pa、捕集効率は99.0%であった。この濾材を幅106mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、40山分、展開面積として0.30m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ6.2mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向248mm、スリット巾方向108mm、間口面積0.02m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の不織布からなる枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状エアフィルターユニットを実施例1と同様の方法にて連結し、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は70Pa、捕集効率は99.97%、負荷後性能維持率は80%、初期脱臭性能は95%であった。
[比較例1]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様に、平均繊維直径1.4μmのポリプロピレンからなり、目付が20g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層した、圧力損失が65Pa、捕集効率は99.98%のエレクトレット濾材を用いた。このエレクトレット濾材を幅448mmにスリット後、実施例7の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を表裏各8本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.4mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、72山分、展開面積として2.30m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ濾材の外周寸法:プリーツ方向が250mm、スリット巾方向:450mm、間口面積が0.11m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニットを得た。これ以外にエレクトレット濾材は用いなかった。フィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は88Pa、捕集効率は99.97%、負荷後性能維持率は67%であった。
[比較例2]
第1のエレクトレット濾材として平均繊維直径3.0μmのポリプロピレンからなり、目付が20g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層した、圧力損失が20Pa、捕集効率は99.0%のエレクトレット濾材を用いた。この濾材を幅448mmにスリット後、実施例7の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を表裏各8本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.4mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、72山分、展開面積として2.30m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:250mm、スリット巾方向:450mm、間口面積が0.11m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニットを得た。これ以外にエレクトレット濾材は用いなかった。フィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は32Pa、捕集効率は99.00%、負荷後性能維持率は45%であった。
[比較例3]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様、平均繊維直径1.4μmのポリプロピレンからなり、目付が20g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層した、圧力損失が65Pa、捕集効率は99.98%のエレクトレット濾材を用いた。このエレクトレット濾材を幅318mmにスリット後、実施例7の第1のエレクトレット濾材と同じ方法、条件でプリーツ加工、ビード樹脂を塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.86m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:320mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径2.2μmのポリプロピレンからなり、目付が22g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は38Pa、捕集効率は99.90%であった。このエレクトレット濾材を幅126mmでスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、プリーツの山谷と同じ方向にビード樹脂を太さ約2.5mm、スリット巾方向に5.08cmの間隔にて表裏各3本塗布、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、53山分、展開面積として0.47m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:128mm、間口面積が0.03m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2のいずれもプリーツ方向側(248mm)の枠材外面同士を、ホットメルト樹脂にて接着し連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は87Pa、捕集効率は99.97%、負荷後性能維持率は60%であった。
[比較例4]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様のものを用い、このエレクトレット濾材を318mmにスリット後、実施例7と同様のプリーツ加工方法、条件、ビード樹脂塗布方法にて、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.0mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、82山分、展開面積として1.86m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:320mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として平均繊維直径3.5μm、のポリプロピレンからなり、目付が15g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は17Pa、捕集効率は95.00%であった。このエレクトレット濾材を幅126mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、53山分、展開面積として0.47m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向248mm、スリット巾方向128mm、間口面積0.03m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2のいずれもプリーツ方向側(248mm)の枠材同士をホットメルト樹脂にて接着し連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は55Pa、捕集効率は96.50%、負荷後性能維持率は50%であった。
[比較例5]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様のものを用い、このエレクトレット濾材を248mmにスリット後、実施例7と同様のプリーツ加工方法、条件、ビード樹脂塗布方法にて、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.1mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、60山分、濾材面積として1.06m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:250mm、間口面積が0.06m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として平均繊維直径3.5μm、のポリプロピレンからなり、目付が15g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は20Pa、捕集効率は95.0%であった。このエレクトレット濾材を幅196mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、60山分、濾材面積として0.84m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:198mm、間口面積0.05m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2の枠材外面のプリーツ方向(248mm)に平行な面の一方の面同士を、ホットメルト樹脂にて全長に渡り接着し連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は55Pa、捕集効率は96.50%、フィルター負荷後性能維持率は50%であった。
[比較例6]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様のものを用い、このエレクトレット濾材を368mmにスリット後、実施例7と同様のプリーツ加工方法、条件、ビード樹脂塗布方法にて、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.5mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、70山分、展開面積として1.84m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このエレクトレット濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:370mm、間口面積が0.09m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
第2のエレクトレット濾材として平均繊維直径3.5μm、のポリプロピレンからなり、目付が15g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は20Pa、捕集効率は95.0%であった。このエレクトレット濾材を幅76mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、58山分、展開面積として0.31m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.3mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向248mm、スリット巾方向78mm、間口面積0.02m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2の枠材外面のプリーツ方向(248mm)に平行な面の一方の面同士を、ホットメルト樹脂にて全長に渡り接着し連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は83Pa、捕集効率は99.94%、負荷後性能維持率は65%であった。
[比較例7]
第1のエレクトレット濾材として実施例7と同様のものを用い、このエレクトレット濾材を308mmにスリット後、実施例7と同様のプリーツ加工方法、条件、ビード樹脂塗布方法にて、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ3.7mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、67山分、展開面積として1.47m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取した。このプリーツ濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:310mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として実施例9と同じ脱臭剤を挟み込んだものを用い、この濾材を幅136mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、37山分、展開面積として0.36m2のエレクトレット加工されたプリーツ濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ6.7mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:138mm、間口面積0.03m2となるよう外周4辺に第1のエレクトレット濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状エアフィルターユニット部材2を得た。
上記の矩形状のエアフィルターユニット部材1および2のいずれもプリーツ方向側(248mm)の枠材外面同士をホットメルト樹脂にて接着し連結した後、開口部の寸法が450×250mmの金属性の一体側枠材にはめ込み、隙間部には特に処置をせず間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は68Pa、捕集効率は99.50%、負荷後性能維持率は65%、初期脱臭性能は70%であった。
[比較例8]
第1のエレクトレット濾材の代わりに平均繊維直径0.8μmからなるガラス繊維からなり、目付が30g/m2の不織布を濾材とした。得られた濾材の圧力損失は80Pa、捕集効率は95.5%であった。
この濾材を幅312.5mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、ビード樹脂を太さ約2.5mm、プリーツの稜線方向に山の頂点から50%の高さまで、スリット幅方向に5.08cmの間隔にて表裏各12本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ2.9mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、85山分、展開面積として1.90m2のプリーツ加工された濾材を採取した。この濾材の外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:315mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニット部材1を得た。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径3.5μm、のポリプロピレンからなる目付が18g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は25Pa、捕集効率は98.0%であった。このエレクトレット濾材を幅64.5mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、55山分、展開面積として0.27m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.5mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向248mm、スリット巾方向66mm、間口面積約0.015m2となるよう外周4辺に上記ガラス濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状エアフィルターユニット部材2を得た。
上記のガラス濾材からなる矩形状エアフィルターユニット部材1のプリーツ方向側(248mm)の両側の枠材外面に、第2のエレクトレット濾材からなる矩形状エアフィルターユニットを各1個ずつ、プリーツ方向側(248mm)の枠材外面をホットメルトを用いて連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は80Pa、捕集効率は95.5%、フィルター負荷後性能維持率は92%であった。
[比較例9]
第1のエレクトレット濾材の代わりに、平均繊維直径0.6μmのガラス繊維からなり、目付が50g/m2不織布をガラス濾材とした。得られた濾材の圧力損失は400Pa、捕集効率は99.97%であった。
この濾材を幅312.5mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、ビード樹脂を太さ約2.5mm、プリーツの稜線方向に山の頂点から50%の高さまで、スリット幅方向に5.08cmの間隔にて表裏各12本塗布し、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ2.9mmとなるようビード樹脂同士を接着させた後、85山分、展開面積として1.90m2のプリーツ加工された濾材を採取した。このプリーツ濾材の外周寸法がプリーツ方向が248mm、スリット巾方向が315mm、間口面積が0.08m2となるよう外周4辺に厚み1mmの不織布からなる幅36mmの平板状の枠材を接着剤にて隙間が生じないよう接着し、矩形状のエアフィルターユニットを得た。
第2のエレクトレット濾材として、平均繊維直径3.5μmのポリプロピレンからなり、目付が18g/m2のメルトブロー法にて生産したシート状物である不織布にエレクトレット加工を施した後、シート状材料として実施例1と同様のスパンボンド不織布を積層しエレクトレット濾材とした。得られたエレクトレット濾材の圧力損失は25Pa、捕集効率は98.0%であった。このエレクトレット濾材を幅64.5mmにスリット後、スリット幅と垂直な方向に折高さ35mmにて連続プリーツ加工し、55山分、展開面積として0.27m2のプリーツ加工されたエレクトレット濾材を採取後、隣接するプリーツ山のピッチがおよそ4.5mmとなるようくし刃上のピッチ固定冶具に挿入し、外周寸法がプリーツ方向:248mm、スリット巾方向:66mm、間口面積が0.015m2となるよう外周4辺に上記ガラス濾材と同様の枠材を隙間が生じないよう接着し、ピッチ固定冶具を外して矩形状のエアフィルターユニット部材2を得た。
上記のガラス濾材からなる矩形状エアフィルターユニット部材1のプリーツ方向長辺側(248mm)の上下両面の両側の枠材外面に、第2のエレクトレット濾材からなる矩形状エアフィルターユニットを各1個ずつ、のプリーツ方向側(248mm)の枠材外面長辺面をそれぞれ1個ずつホットメルトを用いて連結した後、全体の外周に上記同様の厚み1mmの不織布枠を貼り付け、間口寸法450mm×250mm、間口面積0.11m2のエアフィルターユニットを得た。
得られた上記のエアフィルターユニットの風量6.6m3/min時の圧力損失は380Pa、捕集効率は97.5%、負荷後性能維持率は97%であった。
なお、実施例1〜9の結果を表1に、そして比較例1〜9の結果を表2にまとめて示す。
上で説明した事項から明らかなように、実施例1〜9は、第1のエレクトレット濾材の有する高捕集効率を維持しつつ、第2のエレクトレット濾材にも空気が流入するため全体の圧力損失が下がる効果が得られ、かつタバコ負荷がいずれかの濾材に集中しないため、負荷後性能維持率に優れたフィルターユニットが得られる。
各実施例に対し、比較例1は、高捕集効率を得るために圧力損失の高いエレクトレット濾材を単独で使用するため、得られるフィルターユニットの圧力損失も高いものとなっていた。
比較例2は、低圧力損失を得るために圧力損失の低いエレクトレット濾材を単独で使用するため、得られるフィルターユニットの初期性能は良好であるが、タバコ負荷によるエレクトレット性能の消失後の捕集効率の低下が著しく大きいものとなっていた。
比較例3は、2種類のエレクトレット濾材を用いているが、両者の通気性がさほど変わらないため、それぞれのフィルターを単独で使用した場合と比較して圧力損失の優位性が得られないものとなっていた。
比較例4は、2種類のエレクトレット濾材の通気性の差異が大きく、圧力損失の低い濾材へ集中的に空気が流入し、捕集効率の低下および負荷後性能維持率の低下を招くものとなっていた。
比較例5は、2種類のエレクトレット濾材をそれぞれプリーツ加工して得られる展開面積の差が小さいため、圧力損失の低い濾材へ集中的に空気が流入し、かつ圧力損失の高い濾材の通過風速が高くなり、捕集効率の低下および負荷後性能維持率の低下を招くものとなっていた。
比較例6は、2種類のエレクトレット濾材をそれぞれプリーツ加工して得られる展開面積のうち圧力損失の低い展開面積が少なすぎるため、エアフィルターユニットとして圧力損失を下げる効果が十分でないものとなっていた。
比較例7は、2種類のエレクトレット濾材をそれぞれプリーツ加工したものを連結後、全周を囲む枠体との接着固定がされていないため、そこから空気の漏れが発生し捕集効率や脱臭性能の低下が起こるものとなっていた。
比較例8は、エレクトレット濾材の代わりにガラス濾材を用いているが、同等圧力損失のエレクトレット濾材と比較して捕集効率が低く、エアフィルターユニットをした場合においても、それは2種類のエレクトレット濾材を用いたエアフィルターユニットと比較して、十分な初期捕集効率を得ることができないものとなっていた。
比較例9は、エレクトレット濾材の代わりに同等捕集効率のガラス濾材を用いているが、圧力損失が大幅に上昇するため、エレクトレット濾材との複合フィルターユニットに加工した場合でも、その圧力損失が極めて高く、また圧力損失の低いエレクトレット濾材へのエアー通過が集中するため、初期捕集効率が低下するものとなっていた。