JP5531736B2 - 複合濾材およびそれをプリーツしてなるフィルター - Google Patents
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Description
逆に2%伸長時応力が低すぎる場合は、プリーツ加工による不織布シートの伸びによって繊維密度が著しく小さくなりポアサイズが拡大し穴が開いたのと同様の状態となり、捕集効率の低下を引き起こすため好ましくない。
本発明の複合濾材においてガス除去粒子が挟み込まれた状態としては、基材表面に対しポリエチレンやポリオレフィン系の熱融着の接着パウダーなどの接着剤を介しての接着、基材の一部を熱によって溶融させたものに粒子を接着させたものなど任意に選択できる。この際、エレクトレット不織布シートと異なる側の基材にガス除去粒子を接着させ、後からエレクトレット不織布シートを貼り合せて挟み込む方法が好ましい。
(1)厚み(mm)、厚みバラツキ(%)
20cm×20cmにカットした基材について、厚み計(テクロック社製 TECLOCK (登録商標) SM−114)を使用しランダムに10点測定し、平均値を算出した。さらに標準偏差を算出し、その偏差を平均値で除した値をバラツキとした。
25cm×25cmにカットした基材の重量を重量計(エー・アンド・ディ社製 FY−300)にて4枚分計測し、その平均値から1m2あたりの重量に換算した。
ガス吸着粒子の粒径分布をふるい分け法によって測定し、その質量の中位径を平均粒子径とした。
エレクトレット不織布シートをSEMにて100倍に撮影し、ランダムに100本分の繊維径を測定し、その平均値を算出した。
エレクトレット不織布シートをその製造時の方向から特定される長さ方向をタテ方向、長さ方向と直角の巾方向をヨコ方向とし、ヨコ5cm×タテ30cmに各3枚づつ採取し、引張試験機(インストロンジャパン社製 INSTRON(登録商標)3360)を使用し、つかみ巾5cm、つかみ間隔20cm、引張速度15cm/minで引張試験を実施した時の、2%伸張時の強力(N)を測定する。測定した強力をシートの厚み(mm)とつかみ巾(mm)より算出する断面積(mm2)で除し、応力を算出した。
測定対象物である複合濾材を有効間口サイズ118cm2のホルダーにセットし、処理風速5.0cm/秒で空気を通過させて、濾材上下流の差圧をデジタルマノメーター(MODUS社製 MA2−04P)にて測定した。
上述(5)の測定時に、濾材上流および下流の0.3〜0.5μmの大気塵粒子数をパーティクルカウンター(RION社製 KC−01D)で測定し、次式
捕集効率(η)=1−(下流粒子数/上流粒子数)×100
により算出した。
測定対象物であるフィルターユニットを間口面積0.07m2のホルダーにセットし、処理風量3.0m3/minで空気を通過させた時のフィルターユニット上下流の差圧をデジタルマノメーター(MODUS社製 MA2−04P)にて測定した。
上述(8)の測定時に、フィルターユニット上流および下流の0.3〜0.5μmの大気塵粒子数をパーティクルカウンター(RION社製 KC−01D)で測定し、次式
捕集効率(η)=1−(下流粒子数/上流粒子数)×100
により算出した。
測定対象物であるフィルターユニットを、シャープ(株)製空気清浄機「FU−Y30CX」に装着し、日本電機工業会が定める「JEM1467脱臭性能試験方法」に準じて風量3.0m3/minにおける初期脱臭性能を測定した。
複合濾材を山高さが29.5〜30.0mmになるよう、レシプロプリーツ機でエレクトレットメルトブロー不織布シートのタテ方向に連続400山分プリーツ加工した時の、エレクトレット不織布シートの穴あきを3人の外観判定者が以下の定義を基に判定し平均を算出した。なお、レシプロプリーツ機の運転条件として、加熱ヒータの熱版温度は上面、下面とも80℃、熱版の間隔は31.2mm、濾材への圧力は6kgとした。
ポリエステルスパンボンド不織布骨材シート(厚み0.30mm)上にガス吸着粒子としてアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製 ケムキャッチH−6000HS)を6重量%添着させた多孔質シリカ粒子(AGCエスアイテック社製 D−300−60A、平均粒子径200μm)20g/m2およびゼオライト粒子(日東粉化工業社製 日東ゼオライト#70、平均粒子径200μm)20g/m2、エチレン−作酸ビニル系熱接着パウダーを35g/m2均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させ、その表面にエレクトレット化ポリプロピレンメルトブロー不織布シート(平均繊維径15.3μm、目付13g/m2、厚み0.12mm、タテ方向2%伸長時応力0.40MPa)を積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せて濾材を得た。
ポリエステルサーマルボンド不織布骨材シート(厚み0.51mm)上に実施例1と同様の品種、使用量のガス吸着粒子、接着パウダーを均一に散布し、濾材を得た。この濾材の圧力損失は22.8Pa、捕集効率は96.8%、厚みは0.90mm、厚みのバラツキは3.9%であった。
ポリエステル、ビニロン、パルプの混合繊維を抄紙法によりシート化しスチレン−アクリルバインダーを付着させた骨材シート(厚み0.44mm)上に、実施例1と同様の品種、使用量のガス吸着粒子、接着パウダーを均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させた後に、その溶融面にエレクトレット化ポリプロピレンメルトブロー不織布シート(平均繊維径3.1μm、目付40g/m2、厚み0.35mm、タテ方向2%伸長時応力0.10MPa)を積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せ濾材を得た。この濾材の圧力損失は20.0Pa、捕集効率は98.9%、厚みは0.83mm、厚みのバラツキは3.5%であった。
実施例4と同様の骨材シート上に、ガス吸着粒子として粒状活性炭(フタムラ化学社製 太閤QG、平均粒子径240μm)45g/m2、およびリン酸を10重量%添着した活性炭(日本エンバイロ社製 HGI−220、平均粒径150μm)30g/m2、実施例1と同様の接着パウダーを35g/m2均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させた後に、その溶融面に実施例3と同様のエレクトレット不織布シートを積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せ濾材を得た。この濾材の圧力損失は22.3Pa、捕集効率は99.0%、厚みは0.83mm、厚みのバラツキは3.6%であった。
実施例3と同様の骨材シート上に、粒状活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製 HGI−218、平均粒子径180μm)35g/m2、リン酸を20重量%添着した活性炭(産栄サービス社製 SNC−40/80DB、平均粒子径180μm)35g/m2、および実施例1と同様の接着パウダーを35g/m2均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させた後に、その溶融面に実施例3と同様のエレクトレット不織布シートを積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せ濾材を得た。この濾材の圧力損失は18.9Pa、捕集効率は99.0%、厚みは0.77mm、厚みのバラツキは2.6%であった。
さらにこの濾材を実施例1と同様の条件でプリーツ加工、枠体に収納しフィルターユニットを得た。このフィルターの圧力損失は21.9Pa、捕集効率は99.3%、脱臭性能は91%であった。また、プリーツ頂上の穴あきは0.3個であった。
実施例1と同様の骨材シート上に、同じく実施例1と同じ2種類のガス吸着粒子を各35g/m2、実施例1と同じ接着パウダーを35g/m2均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させた後に、その溶融面に非エレクトレットポリプロピレンメルトブロー不織布シート(平均繊維径3.1μm、目付40g/m2、厚み0.35mm、タテ方向2%伸長時応力0.10MPa)を積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せ濾材を得た。この濾材の圧力損失は19.2Pa、捕集効率は43.2%、厚みは0.75mm厚みのバラツキは2.8%であった。
[比較例2]
実施例2と同様の骨材シート上に、実施例1と同様の接着パウダー5g/m2を散布し、加熱により接着パウダーを溶融させた後に、その溶融面に実施例3と同様のエレクトレット不織布シートを積層後、ニップロールによって加圧して貼り合せ濾材を得た。この濾材の圧力損失は17.3Pa、捕集効率は99.0%、厚みは0.62mm、厚みのバラツキは1.2%であった。
エレクトレット不織布シートにエレクトレットポリプロピレンメルトブロー不織布シート(平均繊維径2.1μm、目付30g/m2、厚み0.15mm、タテ方向2%伸長時の応力0.50MPa)を用いた以外は実施例1と同様の方法で濾材を得た。この濾材の圧力損失は26.8Pa、捕集効率は99.98%、厚みは0.75mm、厚みのバラツキは2.7%であった。
エレクトレット不織布シートにエレクトレットポリプロピレンメルトブロー不織布シート(平均繊維径4.0μm、目付15g/m2、厚み0.24mm、タテ方向2%伸長時応力0.01MPa)を用いた以外は実施例1と同様の方法で濾材を得た。この濾材の圧力損失は13.3Pa、捕集効率は95.1%、厚みは0.80mm、厚みのバラツキは2.1%であった。
Claims (6)
- 2層の基材層間にガス除去粒子を挟み込んでなる複合濾材であって、少なくとも1層の基材層がエレクトレットメルトブロー不織布シートであり、前記エレクトレットメルトブロー不織布シートの2%伸張時応力のタテ方向またはヨコ方向の大きい方の値が0.03〜0.4MPaであることを特徴とする複合濾材。
- エレクトレットメルトブロー不織布シートの平均繊維径が1.5〜4.0μm、目付が10〜50g/m 2 であることを特徴とする請求項1記載の複合濾材。
- ガス除去粒子が、平均粒子径が150〜260μmの活性炭を少なくとも含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の複合濾材。
- 請求項1に記載の複合濾材の厚みの平均値が0.6〜0.8mmであり、かつ厚みのバラツキが3%以内であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の複合濾材。
- 請求項1〜4いずれかに記載の複合濾材を用いたことを特徴とするエアフィルターユニット。
- 請求項1〜4いずれかに記載の複合濾材をプリーツ加工し、その周囲を枠体で画設したことを特徴とする空気清浄機用エアフィルターユニット。
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