JP5413101B2 - 空気清浄用フィルタ - Google Patents

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本発明は、コピー機、プリンター、コンピュータ、プロジェクター等の電子機器用フィルタ、車載用フィルタ、空気清浄機等の家庭電化製品用フィルタ等に好適に使用される空気清浄用フィルタに関する。
コピー機、プリンター、コンピュータ、プロジェクター等の電子機器は、近年集積化、小型化が進み、機器内部に熱がこもりやすくなってきている。それを避けるために、ファン等により、機器内部の高温の空気を排出することによる排熱が欠かせなくなってきている。そして、インク、トナー等といった印字の際に用いられる成分、電子機器の本体を構成するプラスティック成分、各種接合部に使用されているゴム等に含まれている成分等の電子機器内に含まれる各種成分が揮発し、有害成分としてガスや微粒子となり、機器内部の高温の空気の室内への排出の際に、一緒に室内へと排出されている。近年、環境問題への意識の高まりから、上記有害成分に関して、排出規制が行われるようになっており、その規制をクリアするために、ガスと微粒子の両成分を除去できるフィルタが望まれている。また、電子機器内部に設置するため、難燃性に優れていることも望まれている。
ガスと微粒子の両成分の除去を目的としたフィルタとして、シート状のエレクトレットフィルタと、悪臭を吸着する吸着剤を含有するシートを積層し、プリーツ状に一体成形した空気浄化フィルタエレメントが開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、エレクトレットフィルタと、悪臭を吸着する吸着剤を含有するシートの層間がホットメルト接着剤で接着されているため、層間の間隙が十分でなく、十分に高い粉塵捕集量が得られないという問題がある。また、難燃性に関しても、十分とは言えなかった。
さらに、補強材シート、吸着性シートに難燃性の材料を使用し、難燃性を高めたものとし、シート状のエレクトレットフィルタと上記補強材シートを積層したシートのエレクトレットフィルタ側に、上記吸着性シートを積層した空気清浄フィルタシートが開示されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、エレクトレットフィルタと補強材シートを積層したシートのエレクトレットフィルタ側に、吸着性シートを積層しており、また、積層の際にホットメルト接着剤で接着されているため層間の間隙が十分ではなく、粉塵捕集量が十分ではないという問題があった。
また、エレクトレット帯電熱可塑性マイクロファイバーの不織布ウェブを含むフィルタ層と吸着粒子充填層を含むガス吸着層が、共プリーツ加工されていて、実質的に結合されていない車室用エアフィルタ装置が開示されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、フィルタ層は補強材を含んでいないため、フィルタ層とガス吸着層の層間の間隙が十分でなく、結果として、十分に高い粉塵捕集量が得られないという問題があった。
上述のとおり、コピー機、プリンター、コンピュータ、プロジェクター等の電子機器の内部に設置され、ガスと微粒子の両成分を除去する目的で使用されるフィルタに関して、十分に高い粉塵捕集量を有し、かつ、難燃性に優れたフィルタは見当たらないのが現状である。
特開平4−74505号公報 特開平8−281030号公報 特表2008−531280号公報
本発明は、かかる従来技術の問題を解決するために創案されたものであり、コピー機、プリンター、コンピュータ、プロジェクター等の電子機器の内部に設置され、ガスと微粒子の両成分を除去する目的で使用されるフィルタに関して、十分に高い粉塵捕集量を有し、かつ、難燃性に優れた空気清浄用フィルタを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、以下の通りである。
1.布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着したシートがエレクトレット化されたシートと、前記エレクトレット化されたシートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した脱臭シートを積層した構造からなるフィルタ材を、プリーツ加工して得られる空気清浄用フィルタであって、前記補強ネットと前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間、及び前記補強ネットを熱接着した布帛と前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着されていないことを特徴とする空気清浄用フィルタ。
2.前記補強ネットの空気流入部の開口面積が50〜99%である上記1に記載の空気清浄用フィルタ。
3.前記補強ネットの厚みが0.1〜2mmである上記1または2に記載の空気清浄用フィルタ。
本発明による空気清浄用フィルタは、布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着したシートがエレクトレット化されたシートと、前記エレクトレット化されたシートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した脱臭シートを積層した構造からなるフィルタ材であるため、ガスと微粒子の両成分の除去が可能であり、難燃性に優れる。さらには、エレクトレット化されたシートの布帛と脱臭シート間を接着させずに十分な距離を持たせるように補強ネットを介在させているので、粉塵捕集量が極めて高い。
以下、本発明の空気清浄用フィルタを詳細に説明する。
本発明の空気清浄用フィルタは、布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着させたエレクトレット化シートを含有し、前記エレクトレット化シートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した脱臭シートを、前記補強ネットと前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間、及び前記補強ネットを熱接着した布帛と前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着することなく積層した後に、プリーツ状に一体成形したフィルタであることが好ましい。布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着させたシートを含むことにより、プリーツ加工時の加工性が向上する。また、シートがエレクトレット化されていることにより、高い粉塵捕集効率を実現することができる。もし、布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着させたシートを含まない場合は、プリーツ加工時の加工性が悪くなり、また、シートがエレクトレット化されていないと粉塵捕集効率が低くなってしまう。
また、エレクトレット化シートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した脱臭シートを、補強ネットと前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間、及び前記補強ネットを熱接着した布帛と前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着することなく積層することにより、シート間に大きな間隙が生まれ、その結果、粉塵捕集量が高くなることを本発明者は見出した。もし、脱臭シートがエレクトレット化シートの補強ネット面側でなければ、補強ネットがシート間のスペーサーの役割を果たさないため、粉塵捕集量が低くなってしまう。また、エレクトレット化シートと脱臭シートが接着により積層されている場合は、シート間の間隙が小さくなり、十分に高い粉塵捕集量が得られないという問題が生じる。ここで、実質的に接着していないとは、フィルタの周囲部分を除く部分において接着していないことを指す。
本発明の粉塵用フィルタに使用される布帛は、フィルタの役割をするものであり、例えば不織布、織布、編布等を使用することができる。コスト面からは、不織布を使用することが好ましい。布帛の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の一般的な高分子材料を使用することができるが、コスト、強度、エレクトレット化の面からは、ポリプロピレン不織布を使用することが好ましい。
布帛の目付けは5〜100g/m2であることが好ましい。特に好ましくは10〜50g/m2である。目付けが上記範囲未満では、布帛の強度が弱くなりプリーツ加工時に破れ等の問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、プリーツ加工時の加工性が悪くなるという問題が生じうる。
布帛の厚みは0.01〜2mmであることが好ましい。特に好ましくは0.03〜1mmである。厚さが上記範囲未満では、同様に、布帛の強度が弱くなりプリーツ加工時に破れ等の問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、プリーツ加工時の加工性が悪くなるという問題が生じうる。ここで厚みとは、布帛に7g/cm2の荷重をかけた時の厚みのことである。
布帛を構成する繊維の平均繊維直径は1〜300μmであることが好ましい。より好ましくは10〜100μmである。平均繊維直径が上記範囲未満では、同様に、繊維の強度が弱くなりプリーツ加工時に破れ等の問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、プリーツ加工時の加工性が悪くなるという問題が生じうる。
本発明の粉塵用フィルタに使用される補強ネットは、布帛に剛性を付与し、形状保持性、プリーツ加工性を向上させるとともに、布帛間に間隙を作って粉塵捕集量を増大させるためのものである。
補強ネットは、熱接着される布帛からの空気流入部の開口面積率が50〜99%であることが必要である。好ましくは70〜97%である。開口面積率が上記範囲未満では、有効濾過面積が減少し、圧力損失が高くなる問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、フィルタに十分な剛性を付与できず、形状保持性に問題が生じうる。
補強ネットの厚みは0.01〜2mmであることが好ましい。より好ましくは0.03〜1mmである。厚みが上記範囲未満では、布帛間の間隔が小さくなり、十分に高い粉塵捕集量が得られない問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、プリーツ加工時の加工性が悪くなる問題が生じうる。ここで厚みとは、補強ネットに7g/cm2の荷重をかけた時の厚みのことである。
補強ネットの目付けは、10〜100g/m2であることが好ましい。特に好ましくは20〜50g/m2である。目付けが上記範囲未満では、布帛間の間隙が小さくなり、十分に高い粉塵捕集量が得られない問題が生じうる。また、上記範囲を越えると、プリーツ加工時の加工性が悪くなるという問題が生じうる。
補強ネットは、布帛に熱接着されるが、それ自身で熱接着するように、熱接着性合成樹脂からなることが好ましい。この場合、加工性の面から、できるだけ低融点の材質が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの共重合体が好ましく使用される。補強ネットがそれ自身熱接着性を有しない場合は、熱接着性接着剤で布帛に接着される。
本発明の布帛の少なくとも片面に補強ネットを熱接着させたエレクトレット化シートは、布帛と補強ネットを熱接着させ積層した後に公知の方法でエレクトレット化して得てもよく、公知の方法でエレクトレット化した布帛と補強ネットを熱接着させ積層して得てもよい。なお、補強ネットを布帛の両面に熱接着させたエレクトレット化シートを使用してもよい。
本発明における脱臭シートは、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した構造であることが好ましい。かかる積層構造により、通常使用時に活性炭粒子の脱落を低減させることができる。使用する難燃化布帛は、特に限定されないが、例えば、不織布、編物、又は織物を難燃化したものを使用することができる。活性炭の脱落防止の観点から、活性炭の粒径よりも小さい目合いのものが好ましい。
不織布としては、例えば、レーヨン繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維から作られることができ、製造コストや入手容易性の面から、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維から作られることが好ましい。また、不織布の製造法としては、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流絡合法)等が使用できる。
布帛を難燃化する手法としては、一般的な手法を用いることができる。例えば、難燃剤を布帛に添着する方法や、布帛の構成繊維に難燃剤を練りこむ方法等を使用することができる。使用する難燃剤は、特に限定されないが、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アミド、ポリリン酸メラミン等のリン系難燃剤、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等を使用することができる。これらの中では難燃効果の面からリン系難燃剤が好ましい。
本発明における難燃化布帛の目付と厚みは、特に限定されないが、目付は10g/m2〜100g/m2、厚みは0.05mm〜3mmであることが好ましい。目付が10g/m2未満では、脱臭シート製造時に活性炭が布帛から脱落してしまい、100g/m2を越えると、加工性が悪くなる。また、厚みが3mmを越えると、活性炭層形成時の取り扱い性が悪くなる可能性がある。ここで布帛の厚みは、7g/cm2荷重で測定した厚みを指す。
本発明における難燃化布帛中に含有される難燃剤量は5g/m2〜50g/m2であることが好ましい。5g/m2未満では、十分な難燃性が得られない。50g/m2を越えると、難燃剤量が多すぎるため、難燃剤が脱落し、加工性が悪くなる。
本発明における活性炭は、有害ガス成分を除去できれば特に限定されない。例えば、石炭系活性炭、ヤシガラ系活性炭、木質系活性炭等を使用することができる。活性炭粒子の比表面積は、好ましくは500g/m2以上、更に好ましくは800〜2500g/m2である。比表面積が500g/m2未満ではガスの除去性能が低くなる。
本発明における活性炭の平均粒子直径は、特に限定されないが、50〜800μmであることが好ましい。平均粒子直径が50μm未満では、粉塵等が生じるため取り扱い性が悪くなり、800μmを越えると、活性炭層の形成が困難になる可能性がある。
本発明における活性炭の含有量は、50〜500g/m2であることが好ましい。より好ましくは、70〜400g/m2である。活性炭の含有量が上記範囲未満では、トルエン等の有害ガスの除去性能が低く、上記範囲を越えると、ガス吸着層形成時の取り扱い性が悪くなる可能性がある。
本発明のガス吸着層中に含まれる、活性炭以外の成分に関しては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂バインダー粒子が含まれることが好ましい。熱可塑性樹脂バインダー粒子は、ガス吸着層中に含有される各成分を互いに接着し、通常使用時の活性炭の脱落を防止やガス吸着層形成時の取り扱い性を向上させる役割を有するものである。例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポロプロピレン樹脂など)、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、尿素系樹脂、アクリル樹脂等の公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。これらの樹脂の中では、コスト及び入手容易性の面からポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂バインダー粒子の平均粒子直径は、特に限定されないが、1.0〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは、5.0〜50μmである。平均粒子直径が上記範囲未満であると、粉塵等が生じるため取り扱い性が悪くなり、上記範囲を越えると、活性炭と均一に混合しない可能性がある。
ガス吸着層中の熱可塑性樹脂バインダー粒子の含有量は、活性炭粒子100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。より好ましくは、5〜30重量部である。熱可塑性樹脂バインダー粒子の含有量が上記範囲未満では、活性炭層の固着が弱く取り扱い性が悪くなり、上記範囲を越えると、燃焼時に熱可塑性樹脂バインダーが燃焼物として作用するため、十分な難燃性を得ることができない。
また、本発明のガス吸着層中に含まれる、活性炭、熱可塑性樹脂バインダー以外の成分に関しては、特に限定されない。空気清浄用フィルタの難燃性を高めるために、ガス吸着層中に難燃剤を含有することが好ましい。使用される難燃剤は、特に限定されないが、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アミド、ポリリン酸メラミン等のリン系難燃剤、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等を使用することができる。これらの中では難燃効果の面からリン系難燃剤が好ましい。難燃剤の平均粒子直径は、特に限定されないが、1.0〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは、1.0〜50μmである。平均粒子直径が上記範囲未満では、粉塵等が生じるため取り扱い性が悪くなり、上記範囲を越えると、活性炭と均一に混合しない可能性がある。ガス吸着層中の難燃剤の含有量は、活性炭粒子100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。より好ましくは、3〜20重量部である。難燃剤の含有量が少ないと、難燃剤の効果を十分に発揮できず、多すぎると活性炭層形成時の取り扱い性が悪くなる可能性がある。
本発明の空気清浄用フィルタの最大の特徴は、補強ネットと前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間、及び前記補強ネットを熱接着した布帛と前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着されていないことにある。ここで、実質的に接着されていないとは、フィルタの周囲部分を除く部分、即ち空気流入部において接着していないことを意味する。
本発明の空気清浄用フィルタにおいて、補強ネットと補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着されていないようにしたのは、フィルタ材をプリーツ加工したときにプリーツの頂部または谷部付近の布帛間に間隙を生じさせるためであり、補強ネットを熱接着させた布帛と補強ネット面に積層された脱臭シートとの間が実質的に接着されていないようにしたのは、空気流入部の布帛間で十分な間隙を生じさせるためである。これらの間隙により粉塵捕集量を従来より格段に増大させることができる。
本発明におけるプリーツ加工には、一般的なひだ折り機を使用することができる。例えば、レシプロ方式やロータリー方式の折機を使用することができる。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示す。下記実施例は本発明方法を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[粉塵捕集量の測定方法]
150×150mmサイズのフィルタサンプルに、風速0.5m/sで、粉塵濃度0.5g/m3のJIS15種粉塵を負荷し、粉塵負荷前の圧力損失[mmAq]を測定し、そこから圧力損失が50mmAq増加した所で、粉塵の負荷を停止する。粉塵負荷停止時の粉塵捕集量[g]を測定した。
[平均繊維直径の測定方法]
走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−3500)を使用して、布帛を構成する繊維の直径を100点測定し、それを相加平均して、布帛の平均繊維直径を求めた。
[難燃性の試験方法]
ULで定めるUL94試験法に基づいて評価した(UL94:Standard for Safety Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances. Horizontal Burning Foamed Material Test;94HF−1,or 94HF−2)。そして、UL94試験法に定められた有炎燃焼時間、無炎燃焼時間、燃焼距離、脱脂綿の燃焼の有無から燃焼性のグレードを求め、定められた基準に基づいて判定し、94HF−1以上を合格と判定した。
[難燃化布帛の作製方法]
ポリエステル製スパンレース不織布(目付け30g/m2、厚み0.45mm、平均繊維直径20μm)にリン系難燃剤であるホスコンFR903N(明成化学工業社製)を塗布・乾燥し、難燃剤が15g/m2付着した難燃化布帛Aを作製した。
[脱臭シートAの作製方法]
難燃化布帛A上に、活性炭(比表面積1460g/m2、平均粒子直径520μm)100重量部、熱可塑性樹脂バインダー粒子(平均粒子直径20μm、ポリエチレン樹脂)10重量部を混合したものを散布してガス吸着層を形成し、このガス吸着層の上に難燃化布帛Aを重ねた後、これを140℃に熱した鉄板の間に挟み込んで1分間ヒートプレスを行い、熱可塑性樹脂バインダー粒子によってガス吸着層を固着させ、脱臭シートAを作製した。この時、脱臭シートに含有される活性炭量は142g/m2であった。
[脱臭シートBの作製方法]
難燃化布帛A上に、活性炭(比表面積1460g/m2、平均粒子直径520μm)100重量部、熱可塑性樹脂バインダー粒子(平均粒子直径20μm、ポリエチレン樹脂)10重量部、リン系難燃剤(平均粒子直径10μm、ポリリン酸アルミ)5重量部を混合したものを散布してガス吸着層を形成し、このガス吸着層の上に難燃化布帛Aを重ねた後、これを140℃に熱した鉄板の間に挟み込んで1分間ヒートプレスを行い、熱可塑性樹脂バインダー粒子によってガス吸着層を固着させ、脱臭シートBを作製した。この時、脱臭シートに含有される活性炭量は127g/m2であった。
[脱臭シートCの作製方法]
ポリエステル製スパンレース不織布(目付け30g/m2、厚み0.45mm、平均繊維直径20μm)上に、活性炭(比表面積1460g/m2、平均粒子直径520μm)100重量部、熱可塑性樹脂バインダー粒子(平均粒子直径20μm、ポリエチレン樹脂)10重量部を混合したものを散布してガス吸着層を形成し、このガス吸着層の上に難燃化布帛Aを重ねた後、これを140℃に熱した鉄板の間に挟み込んで1分間ヒートプレスを行い、熱可塑性樹脂バインダー粒子によってガス吸着層を固着させ、脱臭シートCを作製した。この時、脱臭シートに含有される活性炭量は135g/m2であった。
<実施例1>
ポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付け25g/m2、厚み0.35mm、平均繊維直径20μm)にポリプロピレン製熱接着ネット(目付け30g/m2、厚み0.5mm、空気流入部の開口面積率83%)を熱接着させ、その後、10kVの直流電圧を印加してエレクトレット化シートを作製した。熱接着ネット側に脱臭シートAを実質的に接着することなく積層し、一般的なひだ折り機を使用し、山高さ20mm、ピッチ4mmで共プリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルタサンプルを作成した。
<実施例2>
ポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付け15g/m2、厚み0.30mm、平均繊維直径30μm)にポリプロピレン製熱接着ネット(目付け30g/m2、厚み0.5mm、空気流入部の開口面積率83%)を熱接着させ、その後、10kVの直流電圧を印加してエレクトレット化シートを作製した。熱接着ネット側に脱臭シートBを実質的に接着することなく積層し、一般的なひだ折り機を使用し、山高さ20mm、ピッチ4mmで共プリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルタサンプルを作成した。
<比較例1>
ポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付け25g/m2、厚み0.35mm、平均繊維直径20μm)にポリプロピレン製熱接着ネット(目付け30g/m2、厚み0.5mm、空気流入部の開口面積率83%)を熱接着させ、その後、10kVの直流電圧を印加してエレクトレット化シートを作製した。熱接着ネット側に脱臭シートCを実質的に接着することなく積層し、一般的なひだ折り機を使用し、山高さ20mm、ピッチ4mmで共プリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルタサンプルを作成した。
<比較例2>
ポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付け25g/m2、厚み0.35mm、平均繊維直径20μm)にポリプロピレン製熱接着ネット(目付け30g/m2、厚み0.5mm、空気流入部の開口面積率83%)を熱接着させ、その後、10kVの直流電圧を印加してエレクトレット化シートを作製した。熱接着ネット側に脱臭シートAを積層した後、熱処理を施し、エレクトレット化シートと脱臭シートAを熱接着させた。さらに、一般的なひだ折り機を使用し、山高さ20mm、ピッチ4mmで共プリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルタサンプルを作成した。
<比較例3>
ポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付け25g/m2、厚み0.35mm、平均繊維直径20μm)に10kVの直流電圧を印加してエレクトレット化シートを作製した。さらに、熱接着ネット側に脱臭シートAを実質的に接着することなく積層し、一般的なひだ折り機を使用し、山高さ20mm、ピッチ4mmで共プリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルタサンプルを作成した。
実施例1〜2、比較例1〜3で得られたサンプルについて、エレクトレット化シートのスパンボンド不織布側を上流とし、粉塵捕集量を測定し、難燃性の試験を実施した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、本発明の実施例1〜2は、脱臭シートにおけるガス吸着層が難燃化布帛によって挟持されていない場合(比較例1)と比べて、難燃性が優れていることが分かる。また、本発明の実施例1〜2と布帛の層間が熱接着されている場合(比較例2)、および、エレクトレット化シートが補強材を含有しない場合(比較例3)と比べて、粉塵捕集量が大きくなっていることが分かる。
Figure 0005413101
本発明における空気清浄用フィルタは、少なくとも布帛の片面に補強ネットを熱接着させたエレクトレット化シートを含有し、前記エレクトレット化シートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持したシートを、実質的に接着することなくプリーツ状に一体成形加工したものであり、コピー機、プリンター、コンピュータ、プロジェクター等の電子機器、および、車載用フィルタや空気清浄機等の家庭電化製品に用いられる粉塵用フィルタ等に使用できる。

Claims (1)

  1. 布帛の少なくとも片面に厚みが0.1〜2mmである熱接着性合成樹脂からなる補強ネットをそれ自身で熱接着したシートがエレクトレット化されたシートと、前記エレクトレット化されたシートの補強ネット面側に、活性炭を含有するガス吸着層を難燃化布帛で挟持した脱臭シートを積層した構造からなるフィルタ材を、プリーツ加工して得られる空気清浄用フィルタであって、前記補強ネットと前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間、及び前記補強ネットをそれ自身で熱接着した布帛と前記補強ネット面に積層された脱臭シートとの間がフィルタの周囲部分を除く部分である空気流入部において接着されていないこと、及び前記補強ネットの空気流入部の開口面積が50〜99%であることを特徴とする空気清浄用フィルタ。
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