JP2007130632A - 濾材およびフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性を付与するとともに難燃剤が吸湿することによる濾材のべとつきやたるみを回避し、ホルムアルデヒドを発生させる心配がない濾材およびフィルターを提供する。また難燃剤特有の臭気が発生しない濾材およびフィルターを提供すること。
【解決手段】ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の10〜50質量%であることを特徴とする濾材。また、ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材で被覆した難燃剤粒子の含有量が全質量の15〜50質量%であることを特徴とする濾材。
【選択図】なし
【解決手段】ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の10〜50質量%であることを特徴とする濾材。また、ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材で被覆した難燃剤粒子の含有量が全質量の15〜50質量%であることを特徴とする濾材。
【選択図】なし
Description
本発明は、難燃性の濾材およびそれを有するフィルターに関する。
従来、家庭用の空気清浄機やビル・工場・車載用の空調機等に取り付けられるエアフィルターの濾材としては、短繊維を樹脂加工して固めた不織布などが広く用いられている。しかしながら、これらは易燃性であるため、建築物の火災防止の観点から難燃性を付与した難燃性の濾材が必要とされている。
一般的に、濾材に難燃性を付与するものとしては、経済的に難燃性を発現できることから臭素系や塩素系などのハロゲン系難燃剤が使用されてきた。ところが、近年になり、ハロゲン系化合物は焼却等によりダイオキシンなどの有害物質を発生することが心配されてきたため、これらの化合物の使用を制限しようとするのが世界的な潮流である。
このような中、非ハロゲン系難燃剤、例えばリン系難燃剤等を用いた濾材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ここで用いられるポリリン酸アンモニウム難燃剤は吸湿性があるため濾材の膨潤をもたらし剛性が出にくく、また、べとつきやたるみが生じやすいという欠点もあった。また、リン系難燃剤特有の不快な臭気が発生するため室内居住空間で用いられるフィルターには適さないものであった。
難燃剤を樹脂で被覆し、マイクロカプセル化する方法も開示されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。また特許文献4および特許文献5には、マイクロカプセル化された難燃剤を可燃性繊維材料に混合して難燃化する方法が示されている。
しかしながら、樹脂により被覆した難燃剤では、難燃剤の吸湿性は抑制できたとしても、樹脂自体が可燃であるため、難燃剤としての効力を低下させてしまう欠点があった。また、特許文献2、特許文献3および特許文献4において被覆剤として用いられる樹脂は、メラミン樹脂などであるが、メラミン樹脂などはホルムアルデヒドを発生させる可能性があり(例えば、非特許文献1)、近年、ホルムアルデヒド等のVOC(揮発性有機化合物)を規制する動きが強まっている中、家庭用の空気清浄機やビル・工場・車載用の空調機のフィルター濾材として用いるには適さないものであった。このように、マイクロカプセル化した難燃剤であっても、カプセルの素材自体がVOCの発生源となったり、素材臭の強いものであったりした。
すなわち、難燃性と低臭気性とを両立したフィルターは提案されていなかった。
特許第3484490号公報
特開昭55−118988号公報
特開平9−13037号公報
特開平3−279500号公報
特公昭48−12470号公報
環境省「化学物質の環境リスク評価 第1巻」、2002年3月
本発明の目的は、上記のような問題点を解消するものであり、難燃性を付与するとともに、難燃剤VOCや臭気を発生しない、またべとつきやたるみのない濾材およびフィルターを提供することにある。
すなわち本発明は、ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の10〜50質量%であることを特徴とする濾材である。
また本発明は、ケイ素化合物を含む被覆材で被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材で被覆した難燃剤粒子の含有量が全質量の15〜50質量%であることを特徴とする濾材である。
また本発明は、本発明の難燃性濾材を有することを特徴とするフィルターである。
本発明によれば、難燃性を付与するとともに難燃剤が吸湿することによる濾材のべとつきやたるみを回避し、難燃剤やカプセル素材自身の持つ臭気を低減し、且つホルムアルデヒドを発生させる心配がない濾材およびフィルターを提供することができる。
まず、難燃性については、難燃剤が難燃性のケイ素化合物で被覆されているため、難燃剤の効力を低下させることなく難燃性を発現できる。また、難燃剤が被覆されていることで吸湿を防ぐことができる。
さらに、難燃剤の被覆材として、ケイ素化合物を使用することで、ホルムアルデヒド等の有害物質が発生せず、且つケイ素化合物自体の素材臭が不快でない臭気のため低臭気難燃性濾材およびフィルターを提案出来た。
本発明において、濾材は通気性のあるシート状物であり、繊維から好ましく形成される。
濾材を形成する繊維としては例えば、ビニロン繊維を好ましく採用することができる。ビニロン繊維は、燃焼時に炭化する燃焼挙動を示し、後述するリン系難燃剤との組み合わせにより優れた難燃性を得ることができる。
また、ポリエステル繊維を一部に用いることも好ましい。例えばビニロン繊維の伸度が6%程度なのに対してポリエステル繊維の伸度は36%程度と、ポリエステル繊維は高伸度であり、ポリエステル繊維を一部に用いることで濾材の強度に粘りを加えることで引裂強さを向上させることができる。
本発明の濾材を構成する繊維の太さは、捕集対象のダスト粒径によって異なり適宜設定すると良い。例えば、車室内の空気清浄度保全に用いるフィルターの場合には、0.3μmの微細塵から100μm程度の砂塵、花粉までが捕集対象となるため、微細塵を捕集するための微細繊維と粗大ダストを捕集して保持するための大きな空隙を確保するための太い繊維とを併用することが好ましい。具体的には、概ね0.5〜40dtex範囲の繊維を数種類混合して用いるのが好ましい。好ましい配合例の1例を示すと、0.5〜3dtexの繊維を10質量%、4〜6dtexの繊維を20質量%、7〜10dtexの繊維を35質量%、11〜30dtex以上の繊維を35質量%の割合で混合して用いると微細粒子から粗大粒子までバランス良く捕集する寿命の長い濾材を得ることが出来る。
濾材の形態としては、織布、不織布、フィルム割繊不織布または紙等を好ましく採用することができる。
特に、家庭用空気清浄機・ビル・工場・車載用等の空調設備に使用されるエアフィルター用途においては、通気性を損なわないために圧力損失が小さいこと、風圧に対し十分な強度を有し、プリーツなどの形状に加工した場合、その形状を維持して形状変化による圧力損失の上昇を抑制できる剛性を有すること、プリーツ等の形状に成形する際の加工性に優れること、等の要求を満足しうる不織布が好ましい。
不織布としては例えば、湿式不織布、レジンボンド式乾式不織布、サーマルボンド式乾式不織布、スパンボンド式乾式不織布、ニードルパンチ式乾式不織布、ウォータージェットパンチ式乾式不織布、メルトブロー式乾式不織布またはフラッシュ紡糸式乾式不織布等を挙げることができる。
なかでも、湿式不織布(抄紙不織布)は、繊維長、ヤング率、伸度、太さ、素材などの異なる繊維や粒子状物などを任意に混合してシート化することができ、また少ない繊維量で、すなわち通気性が高く薄くても風圧に負け伸びない低圧損の濾材を得ることができるので特に好ましい。
濾材における繊維密度としては、0.09g/cm3以上が好ましく、より好ましくは0.10g/cm3以上である。0.09g/cm3以上とすることで、濾材の伸びが生じるのを抑え構造圧損も抑えることができる。一方、繊維密度が大きすぎるとダストを保持できる空間量が減り目詰まりしやすく、寿命が短い濾材となるので、0.18g/cm3以下が好ましく、より好ましくは0.15g/cm3以下、さらに好ましくは0.13g/cm3以下である。
本発明の難燃性濾材は、難燃剤を含有する。難燃剤としては例えば、臭素系難燃剤や塩素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤などを挙げることができる。
なかでも、焼却時に有害物質を発生しない点で非ハロゲン系難燃剤が好ましい。
さらに非ハロゲン系難燃剤のなかでも、リン酸エステル、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、リン酸メラミン等のリン系難燃剤は、ビニロンやパルプなどのポリビニルアルコール成分やセルローズ成分が燃焼した時に炭化を促進する効果が高く、またポリエステル繊維などの燃焼時に溶融するタイプの繊維が混合されても炭化を促進して燃え広がるのを防止する効果が高く適している。
本発明の難燃性濾材において、難燃剤は被覆された難燃剤粒子、いわゆるマイクロカプセル化難燃剤であることが重要である。マイクロカプセル化することで、難燃剤自身が持つ特有の不快な臭気を低減することができる。
また、本発明の難燃性濾材では、難燃剤を被覆するカプセル材として、ケイ素化合物を使用することが重要である。ケイ素化合物を使用することで、ホルムアルデヒド等の有害物質の発生を抑えることができる。例えば、メラミン系樹脂で被覆した難燃剤を車載用の空調機のフィルター濾材に用いると遊離ホルマリンが発生し車室内環境を悪化させるが、ケイ素系樹脂で被覆難燃剤を用いれば遊離ホルマリンの発生もない。
またケイ素化合物としては、素材自体の難燃性にも優れたシリコーン樹脂が好ましい。
マイクロカプセル化難燃剤における、難燃剤とケイ素化合物による被覆材との割合としては、難燃性とマイクロカプセル化難燃剤の強度との兼ね合いから、難燃剤80〜95質量%、ケイ素化合物による被覆材5〜20質量%が好ましい。
マイクロカプセル化難燃剤の粒子径としては、100μm以下が好ましい。100μmを超えると、濾材の空間を閉塞し通気抵抗が増してしまったり、難燃剤の付着ムラができてしまう等の問題が生じることがある。また、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。粒子径を小さくすることにより、難燃剤の表面積を増やすことができ、高い難燃効果を得ることができる。一方、粒子径があまりに小さすぎると、マイクロカプセル化難燃剤粒子が樹脂の繋がりを遮断してしまい繊維間の接合力が低下し切断しやすい濾材となってしまう。このため粒子径の下限値としては好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。
難燃性濾材に占める被覆材を除く難燃剤の含有量としては、全質量の10〜50質量%であることが重要であり、好ましくは12〜48質量%、より好ましくは15〜35質量%、さらに好ましくは16〜33質量%、さらに好ましくは20〜33質量%である。難燃剤の量が少なすぎると濾材の難燃性が得られなくなってしまうし、逆に多すぎると、マイクロカプセル化難燃剤(被覆材で被覆した難燃剤粒子)の量としても多すぎるということになり、濾材の引っ張り強度や硬さが低下し後加工が難しくなる、濾材の基本性能である通気量や寿命が低下してしまう、等の問題が発生する。
また、これに対応して、マイクロカプセル化難燃剤(被覆材で被覆した難燃剤粒子)の含有量としては15〜54質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜35質量%である。
マイクロカプセル化難燃剤を濾材に含有させる方法としては、マイクロカプセル化難燃剤を濾材にスプレー噴射して付与する方法や、マイクロカプセル化難燃剤を含有するバインダーを繊維集合体に含ませ乾燥熱処理する等して濾材に付与する方法があるが、より強固に付着させるには、バインダーに含ませて付与する方法が好ましい。
また、バインダーに含ませて付与する方法は、繊維間を固定できるので、薄くても風圧に負け伸びない濾材を得る上でも好ましい。かかる観点から好ましいバインダー樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上、好ましくは30℃以上で、造膜温度が45℃以上の硬い樹脂、例えば、アクリル酸エステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また本発明の難燃性濾材は、撥水剤、香料、脱臭剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤等が付与されて付加機能がつけられていてもよい。また、帯電加工されていてもよい。
また本発明の濾材は、これらシート状物を2層以上に積層させて構成させても良い。
また、本発明の濾材は、帯電加工不織布を積層していても良い。
濾材の厚さとしては、0.53mm以下が好ましく、より好ましくは0.50mm以下、さらに好ましくは0.48mm以下、さらに好ましくは0.45mm以下である。0.53mm以下とすることで、構造圧損を低く抑えることができる。一方、濾材が薄くなりすぎるとダストを保持できる空間量が少なくなり寿命が短くなるので、0.3mm以上とすることが好ましい。
本発明の濾材のうち、帯電加工不織布を積層したものの性能としては、QF値が0.08以上であることが好ましい。QF値を0.08以上とすることで、JIS B 9908形式3に規定された粒子捕集効率90%以上、かつ圧損80Pa以下で捕集することが可能となる。
本発明では、このような濾材を用いてフィルターを構成する。フィルターの形態としては、プリーツ、ハニカムまたは3次元網状態などがあるが、花粉やほこりなどの100μm以下の微粒子を除去することが主である家庭用の空気清浄機、車載用やビル・工場用の空調機等に取り付けられるエアフィルターにおいてはプリーツ形態が好ましい。
[測定方法]
(1)難燃性
JIS L 1091 A−3(水平法)の難燃性評価方法に従って実施した。n数を5として試験を行い、燃焼した長さの平均値が5cm以下であれば、難燃性が優れていると判定した。
(1)難燃性
JIS L 1091 A−3(水平法)の難燃性評価方法に従って実施した。n数を5として試験を行い、燃焼した長さの平均値が5cm以下であれば、難燃性が優れていると判定した。
(2)吸湿性
濾材を30℃×95%RH雰囲気中に24時間放置した後、手触りにて確認した。
濾材を30℃×95%RH雰囲気中に24時間放置した後、手触りにて確認した。
(3)通気量
JIS L 1096 フラジール形法の評価方法に従って実施した。
JIS L 1096 フラジール形法の評価方法に従って実施した。
(4)ホルムアルデヒド濃度
35℃で加熱した際に発生する濾材1gあたりのホルムアルデヒドの量を、高速液体クロマトを使用して測定し、発生の有無を確認した(検出限界0.001μg)。
35℃で加熱した際に発生する濾材1gあたりのホルムアルデヒドの量を、高速液体クロマトを使用して測定し、発生の有無を確認した(検出限界0.001μg)。
(5)厚み
テクロック(株)製SM114を用いて測定頻度100cm2当たり3箇所の厚みを求めその平均値を算出した。
テクロック(株)製SM114を用いて測定頻度100cm2当たり3箇所の厚みを求めその平均値を算出した。
(6)目付
濾材の質量を24℃、60%RHの室温で求め、その面積から1m2当たりの重量に直して求めた。
濾材の質量を24℃、60%RHの室温で求め、その面積から1m2当たりの重量に直して求めた。
(7)QF値
QF値は下記式から求めた。
QF=−Ln(P)/△P
ここに、Pは0.3μm粒子の透過率(%)、△Pは圧損(Pa)であり、いずれも濾材貫通風速0.35m/秒で求めた。
QF値は下記式から求めた。
QF=−Ln(P)/△P
ここに、Pは0.3μm粒子の透過率(%)、△Pは圧損(Pa)であり、いずれも濾材貫通風速0.35m/秒で求めた。
[実施例1]
(マイクロカプセル化難燃剤)
ポリリン酸アンモニウムをシリコーン樹脂で被覆したマイクロカプセル化難燃剤(日華化学(株)製、“ニッカファイノン”HF−36、平均粒子径15μm)を用いた。
(マイクロカプセル化難燃剤)
ポリリン酸アンモニウムをシリコーン樹脂で被覆したマイクロカプセル化難燃剤(日華化学(株)製、“ニッカファイノン”HF−36、平均粒子径15μm)を用いた。
(バインダー)
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で50質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で50質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
(不織布)
ポリエステル繊維(繊度2dtex、繊維長10mmのものを6質量%、繊度6dtex、繊維長12mmのものを30質量%、繊度10tex、繊維長14mmのものを30質量%)、ビニロン繊維(繊度10tex、繊維長14mmのものを30質量%)、およびパルプ4質量%から、湿式法で目付35g/m2の不織布を作製した。
ポリエステル繊維(繊度2dtex、繊維長10mmのものを6質量%、繊度6dtex、繊維長12mmのものを30質量%、繊度10tex、繊維長14mmのものを30質量%)、ビニロン繊維(繊度10tex、繊維長14mmのものを30質量%)、およびパルプ4質量%から、湿式法で目付35g/m2の不織布を作製した。
(難燃性濾材)
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で50:50、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の25質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の22.5質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で50:50、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の25質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の22.5質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
得られた難燃性濾材は、厚み0.5mm、目付70g/m2であった。難燃性については、燃焼した長さの平均値が0cmであり、優れた難燃性を保持していることを確認した。また、ホルムアルデヒドの検出は認められなかった。また、吸湿性については、べとつき感は感じられず、良好であった。また、通気量は262cm3/cm2・secであった。
(プリーツ加工)
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
[実施例2]
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(バインダー)
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で70質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で70質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
(不織布)
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付31.5g/m2の不織布を作製した。
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付31.5g/m2の不織布を作製した。
(難燃性濾材)
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で45:55、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の38.5質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の34.7質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で45:55、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の38.5質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の34.7質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
得られた難燃性濾材は、厚み0.5mm、目付70g/m2であった。難燃性については燃焼した長さの平均値が0cmであり良好であった。また、ホルムアルデヒドの検出は認められなかった。また、吸湿性についても良好であった。また、通気量は240cm3/cm2・secであった。
(プリーツ加工)
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
[比較例1]
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(バインダー)
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で20質量%となるように混合して、バインダーを作製した。
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で20質量%となるように混合して、バインダーを作製した。
(不織布)
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、46.2g/m2の不織布を作製した。
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、46.2g/m2の不織布を作製した。
(難燃性濾材)
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で70:30、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の6質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の5.4質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で70:30、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の6質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の5.4質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
得られた難燃性濾材は、厚み0.5mm、目付66g/m2であった。難燃性については、濾材がすべて全焼しており劣っていた。また、ホルムアルデヒドの検出は認められなかった。また、吸湿性についても良好であった。また、通気量は291cm3/cm2・secであった。
(プリーツ加工)
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
[比較例2]
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(マイクロカプセル化難燃剤)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(バインダー)
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で80質量%となるように混合して、バインダーを作製した。
上記マイクロカプセル化難燃剤を、アクリル酸エステル重合体に対して固形分比で80質量%となるように混合して、バインダーを作製した。
(不織布)
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付22.5g/m2の不織布を作製した。
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付22.5g/m2の不織布を作製した。
(難燃性濾材)
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で30:70、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の56質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の50.4%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
上記不織布に対して上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で30:70、マイクロカプセル化難燃剤の含有量が全質量の56質量%、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の50.4%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
得られた難燃性濾材は、厚み0.4mm、目付75g/m2であった。難燃性については燃焼した長さの平均値が0cmであり良好であった。また、ホルムアルデヒドの検出は認められなかった。また、吸湿性についても良好であった。また、通気量は198cm3/cm2・secであった。
(プリーツ加工)
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。しかしプリーツの形状を保つことが難しく、加工性に難があることを確認した。
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。しかしプリーツの形状を保つことが難しく、加工性に難があることを確認した。
[比較例3]
(難燃剤)
リン酸グアニジン(三和ケミカル製 AP−303)を用いた。
(難燃剤)
リン酸グアニジン(三和ケミカル製 AP−303)を用いた。
(バインダー)
上記難燃剤を、アクリル酸エステル重合体を混合に対して固形分比で50質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
上記難燃剤を、アクリル酸エステル重合体を混合に対して固形分比で50質量%になるように混合して、バインダーを作製した。
(不織布)
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付35g/m2の不織布を作製した。
実施例1における不織布と同様の原料配合比率にて、湿式法で目付35g/m2の不織布を作製した。
(難燃性濾材)
上記不織布に対して、上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で50:50、難燃剤の含有量が全質量の25質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
上記不織布に対して、上記バインダーを、不織布:バインダーの質量比で50:50、難燃剤の含有量が全質量の25質量%になるように、含浸法で付着させ150℃で5分乾燥して、難燃性濾材を作製した。
得られた難燃性濾材は、厚み0.5mm、目付70g/m2であった。難燃性については、燃焼した長さの平均値が0cmであり良好であった。また、ホルムアルデヒドの検出は認められなかった。但し吸湿性については、べとつき感があることを確認した。また、通気量は250cm3/cm2・secであった。
(プリーツ加工)
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
上記濾材に対し、プリーツ加工機を用い、プリーツ加工を施した。その加工性は良好であった。
以上の結果より、本発明の難燃性濾材はホルムアルデヒドが発生せず、かつ基材のべとつき感を抑制することができるばかりか、特定量の難燃剤を用いているために、良好な難燃性、通気量、プリーツ加工性を兼ね備えていることが分かる。
本発明の濾材は、例えば家庭電器、ビル、工場、車等の機械や機器類においてフィルター材として利用することができる。
Claims (7)
- ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材を除く難燃剤の含有量が全質量の10〜50質量%であることを特徴とする濾材。
- ケイ素化合物を含む被覆材で難燃剤を被覆した難燃剤粒子を含有し、被覆材で被覆した難燃剤粒子の含有量が全質量の15〜50質量%であることを特徴とする濾材。
- 前記難燃剤が非ハロゲン系難燃剤である、請求項1または2記載の濾材。
- 前記非ハロゲン系難燃剤がリン系難燃剤である、請求項3記載の濾材。
- さらに帯電加工不織布を積層してなる、請求項1〜4のいずれか記載の濾材。
- 請求項1〜5のいずれか記載の濾材を有することを特徴とするフィルター。
- 車載用である、請求項6記載のフィルター。
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