JP2018004774A - 複写機用フィルタユニット - Google Patents

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嘉朗 村本
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Abstract

【課題】 複写機内で発生したUFPを効率的に捕集し、装置外への排出低減を図り得る複写機用フィルタユニットを提供すること。【解決手段】 複写機内に装着され、紙にトナー像を加熱固定する際に生じた排気としての空気流中のUFP(ウルトラファインパーティクル)を除去する複写機用フィルタユニットにおいて、前記フィルタユニットの濾材はプリーツ加工されて枠内に収納されており、該濾材は液体帯電不織布層を含んでなると共に、該濾材が有する総濾材面積を前記フィルタユニットの間口面積で割った比S1/S2が7以上であって、しかも前記フィルタユニットの粒子エミッション率(PER10)から算出したUFPの除去効率が90%以上であること。【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーを使用した複写機の運転により発生する微細な粒子を除去するフィルタユニットに関する。
トナーを用いる電子写真方式のプリンタ、ファクシミリ、複写機など(以下、包括的に複写機と称する)は、オフィス等に不可欠な装置として多数利用されている。複写機に求められる特性も、従来の複写(若しくは印字)速度の高速化に続いて、環境に配慮した装置に移り変わりつつある。この環境配慮は主として欧州において活発であり、特にドイツ政府が認証している「ブルーエンジェルマーク」と称されるエコラベル制度(以下、単に制度と称する)は、その試験評価手順を規格として収載(非特許文献1)している。詳細には「超微粒子粉塵」(以下、本明細書ではUFP:Ultrafine Particles[ウルトラファイン パーティクルズ]と称する)について、所定の印刷パターンを既定条件で複写した際、装置外へのUFP放出を3.5×1011(個/10分間)以下とするなど、新たな付加価値として重要視されている。
この制度への対応技術の一例として、例えば特開2010−2803号公報(特許文献1)は、画像形成装置から発生するUFPを効率よく捕集し得る複写機技術を開示している。トナー像を紙に転写した後、この状態の紙が定着ロールで加熱され、当該像が紙面上に固定される。この際、トナー像と定着ロールとの離型を図るため、主として当該ロールに塗布されたシリコーン系オイルなどの離型剤が揮発する。この揮発物は、所謂、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Conpounds[ボラタイル オーガニック コンパウンズ])と称される。この文献開示に依れば、その粒子径は100nm未満とされる。このVOCの総量は化学分析によって評価されるが、特許文献1の技術では、装置外への物理的なUFPの排出を低減するため、装置の排気経路にサイクロン集塵手段(遠心分離作用による凝集機能)と静電的集塵手段(放電電極と集塵電極とによる帯電捕集機能)との双方を順次備え、さらに活性炭等の吸着材を担持した吸着材担持フィルタ手段を備える構成が提案されている。
このような複写機のUFP排出低減技術は、特開2015−169810号公報(特許文献2)にも提案されている。上述した特許文献1では3つの手段によって排気からUFPを除去するのに対して、この特許文献2では、定着機構に塗布するシリコーンオイルとして特定重合度のものを選択し、UFPの発生自体を抑制する技術を開示している。当該文献2には、「ブルーエンジェルマーク」に定められた認証基準が記載されており、オルガノポリシロキサンの会合度が異なるものを組合せ、各々の添加量を規定することで、画質を損なうことなく、しかも、発生するUFPの総量低減を図り得ると記載されている。
また、特開2011−547号公報(特許文献3)では、活性炭粒子、熱可塑性樹脂粒子、および熱可塑性樹脂バインダー粒子を含有する活性炭層の片面又は両面に布帛を備えた難燃性脱臭フィルタによって、上述のUFPを除去する技術が提案されている。この文献技術では、複写機を始めとする種々の電子機器などの脱臭材として用いるため、上述のUFPを活性炭で吸着する機能と、複写機に搭載した際の難燃性との両立を図り得ると記載されている。しかしながら、活性炭を利用した脱臭は、例示されているトルエンなど、吸着される臭気物質の表面電荷などに影響され、活性炭内に形成されている微細なメソポア(例えば2〜50nm程度と言われる)への吸着平衡の度合いが異なるなど、必ずしも有効な濾過手段にはなり得ないという課題を残していた。
一方、本出願人にあっては、例えば特開2003−205210号公報(特許文献4)によって、帯電量を多くし得るエレクトレット体の製造技術を提案している。この文献技術では、体積固有抵抗値が1014Ω・cm以上である、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂など)、ポリ四フッ化エチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから選ばれた熱可塑性樹脂に、ヒンダードアミン系化合物、脂肪族金属塩(ステアリン酸のマグネシウム塩、ステアリン酸のアルミニウム塩など)、不飽和カルボン酸変性高分子の中から選ばれた1種類又は2種類以上の添加物を加えて紡糸またはフィルム状に成膜し、シート状の構造体を調製する。この構造体に対し、極性液体を介して超音波振動を作用させてエレクトレット化することにより、帯電量が多く、しかも、長期間にわたって電荷が散逸しにくい、種々の濾過材やワイピング材、防塵衣料などを実現することができる。尚、この帯電技術は、上述した超音波振動の代わりに、不織布の絡合技術として知られている水流絡合装置による極性液体の作用によっても達成することができる。以下、本明細書では、この技術により作製された帯電体を濾材として用いる場合、液体帯電不織布層と称する。
特開2010−2803号公報([特許請求の範囲]、[0014]〜[0016]並びに図面) 特開2015−169810号公報([特許請求の範囲]、[0005]、[0013]〜[0016]、[0026]など) 特開2011−547号公報([特許請求の範囲]、[0002]、[実施例]欄) 特開2003−205210号公報([特許請求の範囲]、[0030]〜[0035])
上述したとおり、UFPは極めて微細な粒径であるため、前述した特許文献1に対象となっている揮発物も包括的に捉えることが可能である。本出願に係る発明者は、前述の特許文献4に係る帯電技術を利用した濾材によりフィルタユニットを種々作製し、UFPの濾過性能を評価した結果、所定の要件を満たすことで優れたUFPの濾過性能を実現し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的は、複写機内で発生したUFPを効率的に捕集し、装置外への排出低減を図り得る複写機用フィルタユニットを提供することにある。
この目的の達成を図るため、本発明の複写機用フィルタユニットの構成によれば、複写機内に装着され、紙にトナー像を加熱固定する際に生じた排気としての空気流中のUFPを除去する複写機用フィルタユニットにおいて、当該フィルタユニットの濾材はプリーツ加工した状態で枠内に収納されており、この濾材は液体帯電不織布層を含んでなると共に、この濾材が有する総濾材面積Sを前述したフィルタユニットの間口面積Sで割った比S/Sが7以上であって、前記フィルタユニットの粒子エミッション率(PER10)から算出したUFPの除去効率を90%以上としたことを特徴としている。
ここに言う「濾材が有する総濾材面積S」とは、フィルタユニットの枠内にプリーツ加工された状態で収められた濾材のうち、前述した排気としての空気流の濾過に実質的に寄与する部分の総面積を表す。また、「フィルタユニットの間口面積S」とは、上記空気流がフィルタユニットに流入、濾過される際、その流入側から見た平面視での面積を表し、当該ユニットの枠を除く部分の面積を表す。さらに、上述した「比S/S」とは、これら2つの面積が、例えば平方cmとして、同一の単位で求めたものである。
加えて、「粒子エミッション率(PER10)」とは、前述の非特許文献1に規定されるように、所定の条件下で10分間複写した際に発生するUFPと、フィルタユニットを介して装置外に排出されるUFPとから算出した値を言う。さらに、当該率から「算出したUFPの除去効率」とは、装置内で10分間に発生したUFP総量(以下、単に初期値と称する)を分母とし、この初期値と装置外に排出されたUFPとの差を除した百分率を100から引いた値を言う。
本発明の好適な実施形態によれば、上述の濾材が液体帯電不織布層と難燃性不織布層とからなるものであることが好ましい。さらに、当該濾材の面積当たりのQf値を5×10−5(Pa−1/cm)以上とするのが好適である。尚、ここに言う「面積当たりのQf値」とは、所定の条件で作製したフィルタユニットに粒径0.3〜0.5μmの大気塵を面風速0.5m/秒で供給して求めたQf値を、前述の総濾材面積S(cm単位)で割った値である。ここで言う「Qf値」とは、従来知られている濾過性能を表す指標であり、上記測定条件で実測したフィルタユニットの捕集効率(%単位)、及び圧力損失(Pa単位)から、以下の式で算出される値である(但し、「Ln」は自然対数を表す)。
Qf値=−Ln(1−捕集効率/100)/圧力損失
本発明の構成を適用することにより、国際的な複写機基準であるブルーエンジェルに準拠し、しかも、従来知られているフィルタユニット構成に比して効率的なUFP除去が可能な複写機用フィルタユニットを実現することができる。
本発明の好適形態を説明するため、評価に用いたフィルタユニットの概形により示す説明図。 本発明の好適形態を説明するため、図1の濾材の一部断面を拡大して模式的に示す説明図。
以下、本発明の好適形態につき説明する。尚、以下の説明では、この発明の理解を容易とするため、特定の形状、寸法などの数値的条件、材質などの条件を例示して説明するが、本発明はこれら例示にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で任意好適に設計の変更または変形を行うことができる。
まず、本発明の好適形態の一例として、プリーツ加工された濾材を収めたフィルタユニットの概略断面により示す[図1]を参照して説明する。本発明のフィルタユニット11は、前述した特許文献1の[図2]に示される装置形態のように、紙にトナー像を加熱固定する装置領域からの排気下流側に、その流路形状に応じた枠材で気密に装着支持される形状とする必要がある。従って、濾材13を囲むように成型加工された枠15には、プリーツ加工された濾材13を気密に保持するため、従来用いられているABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、または剛性のある不織布や紙などにオレフィン系樹脂、エチレン酢ビ共重合体等を塗布したものから任意好適に選択することができる。このような枠を使用し、折られた濾材13の四方をこれら樹脂に埋め込む周知の手法でフィルタユニット11が作製される。また、複写機などの装置内に設けられた流路との間で気密に連結装着するため、周知の材料からなる図示していないガスケットを枠15の流路上下流側の端部に備えるなど、任意好適に設計することができる。
次いで、上述した濾材13の好適な形態について、図1の濾材13の一部を切り欠いて拡大断面により示す図2を参照して説明する。既に説明したとおり、本発明のフィルタユニットの好適態様として、面積当たりのQf値を0.5(Pa−1/m)以上とした液体帯電不織布層を含む濾材構成とすることによって前述したUFP除去効率を達成し得る。本発明の構成では、このような所定の濾過効率を実現し得る濾材であって、しかもユニット内に所定面積の濾材が充填構成されているため、非特許文献1に挙げられたUFPの除去効率を達成し、しかもUFP保持量に優れた長寿命なフィルタユニットを実現することが可能となる。
図2には、本発明の好適形態として、装置内で発生したUFPを含む空気流の流れ方向Aから見て、その下流側に液体帯電不織布層13a、同上流側に難燃性不織布層13bを備えた2層構造の濾材13を示してある。このうち、液体帯電不織布層13aは、前述した特許文献4に開示される種々の添加物を配合し、メルトブロー法やスパンボンド法などの直接紡糸技術で調製された不織布、或いは、当該配合で短繊維などとして予め紡糸した後、所定の繊維長にカットし、湿式法やカード法でウエブ形成した不織布を用いることができる。このように不織布としてシート化した後、例えば高圧水流などの流体で処理、或いは流体処理時に超音波処理を併用することによって、同文献4に開示されるとおり、電荷を長時間にわたって持続し得る液体帯電不織布層が得られる。この液体帯電不織布層13aを含む濾材13としての面密度は、複写機の設計に応じたUFPを含む空気流の流量に応じて種々に設計できるが、85〜150g/m、より好ましくは90〜135g/mとすることができる。この好適範囲以下では目的とするUFPの捕集効率や難燃性を達成することが難しい場合がある。また、当該範囲を超えた場合、圧力損失が大きくなって、複写機内にUFPが漏れ出る恐れがあり、加えて濾材のプリーツ加工適性が低下する場合がある。プリーツ加工された濾材の見掛け密度は、主としてフィルタユニット内でのUFP保持量に関与するものであるが、0.11〜0.15g/cm(20g/cm圧縮荷重時の厚さで目付を割った値)の好適範囲に設定することによって、高効率、低圧損、及び濾材寿命にも優れたフィルタユニットを実現することができる。
さらに、複写機の動作時、装置内が高温となる場合を想定して、この種のフィルタユニットに収納される濾材にも難燃性を付与することが望ましい。従って、図2に示す好適形態では、上述した液体帯電不織布層13aの上流側に、プレフィルタとしても機能する難燃性不織布層15を積層した場合を例示している。このように積層構成した濾材の組成、評価結果については後段の実施例で詳述するが、例えば難燃性を実現し得るモダクリル短繊維と、ポリエステル短繊維とを混綿してシート化し、さらに従来用いられているアクリル系樹を始めとする種々の樹脂から選択されたバインダーで繊維間を接着した難燃性不織布層13bを調製する。
このようにして得た難燃性不織布層13bは、前述の流体帯電不織布13aとホットメルト樹脂で積層接着した構成とすることができる。この際に用いられるホットメルト樹脂は、上述したバインダーと同様な樹脂素材から選択し得るが、濾材としての圧損を低く押さえるために、オレフィン系樹脂、ナイロン樹脂などを使用するのが好適である。この好適形態としての濾材13には、周知のプリーツ加工技術で設計に応じた山高さ或いは山間隔で折り加工が施されるが、上述した難燃性不織布層13bにはバインダーによる剛性が付与されることとなる。従って、図示のような積層構造を採ることによって、液体帯電不織布層を単独で用いた場合に較べてプリーツの折り目が明確に形成され、フィルタユニットとしての寸法精度を高めることが可能となる。尚、この難燃性不織布層に難燃性機能を持たせる上で、モダクリル短繊維を含む構成を例示するが、繊維による難燃化に代えて市販の難燃性バインダーを利用する形態、或いは、繊維とバインダーとの双方により難燃性を持たせる場合など、種々に設計することができる。
以上、本発明の好適形態について図面を参照して説明したが、本発明は、これら図示例にのみ限定されるものではない。一例として、フィルタユニットの空気流が通過する面が矩形である場合を例示した。しかしながら、複写機に備えられたダクト等の形状に応じて多角形、或いは曲面を含む形状のフィルタユニットであっても良い。また、例示ではフィルタユニットの流入面と流出面とが実質的に同等の間口面積Sである形状を説明した。しかしながら、フィルタユニットの側面側から見て台形、即ち、流入面と流出面との何れかがより大きな面積に設計された形状とすることも可能である。係る場合、UFPを含む空気流が流入する流入面側の面積の方が、フィルタユニットとしての捕集効率に、より大きく影響するため、流入面側の面積を間口面積Sとして算出し、形状設計すれば良い。
以下、種々の構成でフィルタユニットを作製し、評価を行った結果について説明する。尚、本発明は、以下に述べる実施例にのみ限定されるものではないことを理解されたい。
(液体帯電不織布の調製)
始めに、評価に供した濾材の調製について説明する。本実施例では、液体帯電不織布層として、体積固有抵抗値が1016(Ω・cm)程度である市販のポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製:商品名『プライムポリプロ』)に対し、市販のヒンダードアミン系光安定剤(BASFジャパン株式会社製,:商品名『CHIMASSORB 944』)を4質量%混合し、周知のメルトブロー法を適用してシート化した。続いて、特許文献4の技術によって、当該不織布に水中で超音波処理による帯電を行い、乾燥させた。これにより得られたメルトブロー不織布は、目付が約25g/m、平均繊維径2μm、厚さは0.35mm(20g/cmの圧縮荷重時)であって、見掛け密度は約0.07g/cmであった。
(難燃性不織布層の調製)
次いで、本実施例等で用いた難燃性不織布層の調製方法につき説明する。まず、市販のモダクリル短繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm、株式会社カネカ製:商品名『カネカロン Protex−S』)とポリエステル短繊維(繊度3.3dtex、繊維長64mm、東レ株式会社製:商品名『テトロン T−201』)とを1:1の質量比で混綿し、カード機によってシート化した。この状態での目付が35g/mであるシートに対して、市販の塩化ビニル系バインダー(日信化学工業株式会社製:商品名『ビニブラン 902』)と、塩化ビニリデン系バインダー(旭化成ケミカルズ株式会社製:商品名『サランラテックス L123D』)とを1:1の質量比で混合した難燃性のバインダーを塗布し、乾燥することによって目付74g/m、厚さは0.7mm(20g/cmの圧縮荷重時)であって、見掛け密度は約0.11g/cmの難燃性不織布を得た。
(濾材の積層調製)
次いで、市販のオレフィン系ホットメルト樹脂(株式会社MORESCO社製:商品名『モレスコメルト AC−856』)を7.5g/m塗布して液体帯電不織布と難燃性不織布とを貼り合せ、目付125g/m、厚さは1.3mm(20g/cmの圧縮荷重時)であって、見掛け密度は約0.79g/cmの濾材を調製した。
(評価に用いた各フィルタユニットの作製)
このようにして調製した実施例に係る濾材に、周知のプリーツ加工を施し、後段の表1に示すプリーツ構成で評価用のフィルタユニットを作製した。当該ユニットの作製に当たっては、枠を構成する素材として市販のスパンボンド不織布(ユニチカ株式会社製:商品名『92203/WSQ』:目付225g/m)に市販のエチレン・酢酸ビニル系ホットメルト接着剤(ヤスハラケミカル株式会社製:商品名『ヒロダイン8006』)を塗布した枠材を用い、フィルタユニットとしての外寸は120mm×120mm、枠の厚さを1mmに統一した。尚、これら表1に示す各実施例並びに比較例のフィルタユニットのうち、液体帯電不織布層に代えてコロナ帯電品を備えた比較例5は、前述したメルトブロー不織布に一般的なコロナ荷電を施した点を除き、実施例3のユニットと同一構成とした。
(濾材面積当たりのQf値)
フィルタユニットを試験ダクトに装着し、粒径0.3〜0.5μmの大気塵(大気塵数:U)を含む空気を面風速0.5m/秒でフィルタユニットの上流側に供給した。この際、下流側に漏れた大気塵数(D)をパーティクルカウンタ(RION株式会社製:KC−01E)で測定し、次式により算出した値を捕集効率として求める。
捕集効率(%)=[1−(D/U)]×100
また、圧力損失は、上記捕集効率測定時におけるフィルタユニット上流側および下流側の静圧の差をマノメータ(株式会社コスモ計器製:DM−3501)によって計測した。これら種々にプリーツ加工された濾材の基本性能に関わるQf値を、フィルタユニットの総濾材面積S(表中、面積Sと略記)で割って、濾材面積当たりのQf値を求めた。この評価試験に使用した各フィルタユニットのプリーツ構成、フィルタユニットの構成、及び測定結果としてのフィルタユニットの基本性能を表1に列挙する。同表においては、上述した総濾材面積S以外に、間口面積Sを「面積S」、及び、これら2つの面積の比を「S/S」と各々略記してある。
























Figure 2018004774
この表1に示すように、コロナ帯電不織布を備えた比較例5と、この帯電不織布に代えて流体帯電不織布を備えた実施例3との比較から、Qf値及び「濾材面積当たりのQf値」の双方は、実施例3の方が20倍以上の濾過性能を有していることが理解できる。
この差は、比較例5がコロナ帯電技術を利用しているため、主として濾材の表層部分に荷電しているのに対し、特許文献4による帯電技術では、不織布の構成繊維自体が帯電しているためと考えられる。また、各フィルタユニットのサンプル名称として実施例1〜実施例4、並びに、比較例1〜比較例5と表記している。これらサンプル名称は、後段で詳述するPER10を元にした「捕集効率」の評価結果に基づいて表記してある。
(粒子エミッション率PER10の測定)
まず、上述した評価用の各フィルタユニットを市販のカラーレーザープリンタ(富士ゼロックス株式会社製:商品名『DocuPrint C3200A』)の装置排気口に装着し、別途、装置に取り付けた冷却用ファンによって、複写機内で発生したUFPを含む空気流を一括して装置外に排出する構造とした。また、この測定試験では1mのチャンバに上述の複写機を収容した。このチャンバ内の換気回数は毎時5回に条件設定し、HEPAフィルタおよびケミカルフィルタを備えたFFU(ファン フィルタ ユニット)によってチャンバ外から取り入れる外気を清浄化し、この清浄化された外気をチャンバ内に層流として導入した。このチャンバ内の複写機稼働に伴う排気は、上記層流によってチャンバの排気口に運び、この排気口からサンプリングした。サンプリングされた発生粒子としてのUFPの計数には、FMPS(Fast Mobility Particle Sizer[ファスト モビリティー パーティクル サイザー])(TSI社製:商品名『Model 3091』)を用いた。複写機の稼働条件は、標準印刷枚数25枚/毎分に設定し、印刷開始から一定時間を経てUFP計数値が初期値として示した発生数にまで安定化したことを確認し、前述した非特許文献1規定の解析方法によりPER10の値を求めた。これら結果を表2に示す。
Figure 2018004774
この表2から理解できるように、本発明を適用した実施例1〜実施例4の各ユニットでは除去効率が90%以上となった。また、同様な濾材構成であっても、プリーツ構成のみが異なる比較例1〜4では、前述した非特許文献1の規格を達成しているものの、除去効率は何れも80%台であった。さらに、本発明が採用した帯電技術の代わりに周知のコロナ帯電を採用した比較例5では、規格を達成できず、除去効率も極めて低い値であった。
この表2並びに表1の結果から、本発明の好適態様としての実施例1〜4では液体帯電不織布を含む濾材を用い、これをプリーツ形状とした際の比S/Sが7以上の構成を採ることによって、90%以上の優れた除去効率と、大気塵で実測された指標としてのQf値から理解できる低圧損との双方を実現することが可能となった。
11:フィルタユニット、
13:濾材、13a:液体帯電不織布層、13b:難燃性不織布層、15:枠、
A:空気流(の方向)。

Claims (3)

  1. 複写機内に装着され、紙にトナー像を加熱固定する際に生じた排気としての空気流中のUFP(ウルトラファインパーティクル)を除去する複写機用フィルタユニットにおいて、
    前記フィルタユニットの濾材はプリーツ加工されて枠内に収納されており、該濾材は液体帯電不織布層を含んでなると共に、該濾材が有する総濾材面積Sを前記フィルタユニットの間口面積Sで割った比S/Sが7以上であって、しかも前記フィルタユニットの粒子エミッション率(PER10)から算出したUFPの除去効率が90%以上であることを特徴とする複写機用フィルタユニット。
  2. 前記濾材が前記液体帯電不織布層と難燃性不織布層とからなることを特徴とする請求項1に記載の複写機用フィルタユニット。
  3. 前記濾材が有する面積当たりのQf値が5×10−5(Pa−1/cm)以上であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の複写機用フィルタユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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