JPH0515716A - 海塩粒子除去用エレクトレツトエアフイルター - Google Patents

海塩粒子除去用エレクトレツトエアフイルター

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JPH0515716A
JPH0515716A JP15760491A JP15760491A JPH0515716A JP H0515716 A JPH0515716 A JP H0515716A JP 15760491 A JP15760491 A JP 15760491A JP 15760491 A JP15760491 A JP 15760491A JP H0515716 A JPH0515716 A JP H0515716A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海塩粒子が潮解して圧力損失が上昇しても塩
分を含んだミストがフィルター後方へ飛散したり、フィ
ルター破損せず、また有害ガス状成分も除去できるエア
フィルターを得る。 【構成】 エレクトレット化された疎水性合成繊維で幾
何平均繊維直径が1〜4μm、幾何標準偏差が1.5〜
3.0、繊維充填率が0.07〜0.20cc/ccからな
るエアフィルター。 【効果】 高い海塩粒子除去性能を有し、また従来の海
塩粒子除去専用中性能フィルターで得ることのできなか
ったサブミクロン微小粒子除去性能を示し且つ吸着フィ
ルターと組み合わせることによって優れた有害ガス状成
分の除去性能を有するまったく新規な海塩粒子除去用エ
アフィルターを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中の微粒子や有害
ガス状成分を除去するエレクトレットエアフィルターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】海岸近郊の工場、特に半導体工場に代表
される工業用クリーンルームにおいては、換気に伴い外
気と共に進入してくる海塩粒子が工場設備、製品に悪影
響を与えることが知られている。さらに、空気中に含ま
れる酸性ガス(窒素酸化物、硫黄酸化物、塩酸等)や塩
基性ガス(アンモニア等)あるいは炭化水素類のガスが
製品を汚染することも明らかになってきた。こうした海
塩粒子や有害なガス状成分を除去するために、従来工業
用クリーンルームにおいては工場に導入する空気は、海
塩粒子除去専用中性能フィルターによるミクロンオーダ
ーの海塩粒子の除去、次いで粒状活性炭等を充填した吸
着装置による有害ガス状成分の除去、更にガラス繊維H
EPA (High EfficeincyParticulate Air Filterの
略)フィルターによるサブミクロン微小粒子の除去とい
った具合に多段階で処理し、空気の清浄化が行われてき
た。
【0003】海塩粒子除去専用中性能フィルターとして
は、ガラス繊維より成り空気流入側の繊維充填率を粗に
空気流出側の繊維充填率を密にした2層構造のフィルタ
ーや、空気流入側に撥水性の合成繊維を空気流出側に吸
湿性の繊維を配した2層構造のフィルターなどが提案さ
れている。前者はガラス繊維間距離を大きくとり繊維間
に塩分を含んだ水膜が張らないようにしたものであり、
後者は潮解した海塩粒子を吸湿性の繊維で保持しようと
したものであるが、いずれも中性能から高性能クラスの
フィルターでありミクロンオーダーの海塩粒子は除去で
きるものの、サブミクロンの海塩粒子は除去できなかっ
た。
【0004】一方、最終フィルターであるガラス繊維H
EPAフィルターはサブミクロン微小粒子の除去には極
めて有効に働くが、ガラス繊維HEPAフィルターに捕
捉された海塩粒子が湿度の変化により潮解すると、ガラ
ス繊維が親水性である事とガラス繊維間距離が短い事の
ためにガラス繊維間に塩分を含んだ水膜を張り圧力損失
が急上昇して、塩分を含んだミストがフィルター後方へ
飛散したり、フィルターが破損したりするため必ずしも
満足のゆくものではなかった。
【0005】こうした背景から、海塩粒子が完全に除去
でき且つ海塩粒子が潮解しても塩分を含んだミストのフ
ィルター後方への飛散やフィルターの破損といった問題
点の無いHEPAフィルターが切望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エレクトレ
ット化されたHEPAフィルターとして優れた性能を有
すると共に該フィルターに捕捉された海塩粒子の潮解に
伴う圧力損失の急上昇により起こる塩分を含んだミスト
のフィルター後方への飛散とかガラス繊維HEPAフィ
ルターの破損といった問題点を解消する新規なエレクト
レットエアフィルターである。
【0007】
【課題を解決する手段】かかる従来の海塩粒子の除去お
よび有害ガス状成分の除去における課題を解決するた
め、各種エアフィルターの構成およびその構造を鋭意検
討してきた結果エレクトレット化された疎水性合成繊
維、ことにポリオレフィン系エレクトレット繊維からな
るエアフィルターを用いると優れた海塩粒子除去用エア
フィルターとなることを見出した。さらに該フィルター
に吸着フィルターを組み合わせると有害ガス状成分も除
去できるエアフィルターとなり、省スペース・省エネル
ギー性に優れたエアフィルターとなることを見出した。
【0008】すなわち本発明は、エレクトレット化され
た疎水性合成繊維とくにポリオレフィン系エレクトレッ
ト繊維からなるエアフィルターにおいて、幾何平均繊維
直径が1〜4μm、該平均繊維直径の幾何標準偏差が
1.5〜3.0、繊維充填率が0.07〜0.20cc/
ccであることを特徴とする海塩粒子除去用フィルターと
該フィルターと吸着フィルターを組み合わせることを特
徴とするエアフィルターに関するものである。本発明の
海塩粒子除去用フィルターで、捕捉された海塩粒子が潮
解しても塩分を含んだミストがフィルター後方へ飛散し
ない理由を以下に説明する。まず繊維が撥水性のポリオ
レフィン系の素材より成るからである。次にエレクトレ
ット繊維を用いているのでガラス繊維HEPAフィルタ
ーのように繊維径をサブミクロンオーダーに細くして繊
維間距離を小さくしなくても、言い換えればフィルター
の目開きが大きくても静電気力により粒子を捕捉できる
からである。繊維が撥水性であり、繊維間距離が大きい
から海塩粒子が潮解しても繊維間に水膜が張らず繊維上
に水滴として残り圧力損失が上昇しにくく、さらにフィ
ルター自体がエレクトレット化によりガラス繊維HEP
Aフィルターと同じ粒子除去性能でもより低圧力損失化
できるので、塩分を含んだミストがフィルター後方へ飛
散するレベルまで圧力損失が達しないからである。
【0009】本発明において、エレクトレット繊維とし
ては高絶縁性で疎水性を有する物質が望ましくポリエチ
レン、ポリプロピレンやαポリオレフィンなどのオレフ
ィン系ポリマー、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン、テフロン、ポリカーボネート、ポリサ
ルホン、ポリアクリルニトリル、ポリ塩化ビニリデンな
どの合成樹脂、それらの2種以上の共重合体やブレンド
組成物などが挙げられるが、ポリプロピレンやαポリオ
レフィンなどのオレフィン系ポリマーが高絶縁性・疎水
性の観点から最も好ましい。
【0010】本発明で用いられるエレクトレット繊維の
繊維直径は、エアフィルターの電子顕微鏡写真(倍率1
000)を撮り、この写真から無作為に100本の繊維
径をゲージ付拡大鏡で測長し、この100本の繊維径の
データから得られる幾何平均繊維直径と幾何標準偏差に
より決定した。本発明において、下記数式1で求まる幾
何平均繊維直径が1〜4μmのものが好適であり、繊維
直径のばらつきは、下記数式2で求まる幾何標準偏差が
1.5〜3.0であることが好ましい。
【0011】
【数式1】
【0012】
【数式2】
【0013】上記数式1、数式2において、Xは幾何平
均繊維直径、xは測定された繊維直径、nは測定した繊
維直径のデータ数、σは幾何標準偏差である。
【0014】本発明で用いられるエレクトレット繊維の
集合形態としては、不織布、織布およびその複合体など
が挙げられ、その目付は30〜200g/m2 が好まし
い。エレクトレット繊維の製法は特に限定しないがメル
トブロー法、スパンボンド法により作られるものが好ま
しい例である。また、その繊維充填率は0.07〜0.
20cc/ccが好ましい。本発明において、繊維充填率は
圧縮弾性試験機(東洋精器社製)にて試料にかかる荷重
が1.25g/cm2 のもとで試料の厚みを測定し、下記
数式3で求められる値である。
【0015】
【数式3】
【0016】上記数式3においてW、ρ、Tはそれぞ
れ、 W:試料の目付(g/m2 ) ρ:試料を構成する繊維材料の密度(g/cc) T:試料の厚さ(cm) である。
【0017】本発明でエレクトレット繊維の幾何平均繊
維直径が1〜4μm、その幾何標準偏差が1.5〜3.
0、エレクトレット繊維の集合形態として繊維充填率が
0.07〜0.20cc/ccとした理由は、幾何平均繊維
直径が1μm以下、幾何標準偏差が1.5以下、繊維充
填率が0.20cc/cc以上になると、繊維間距離が短く
なりまたはフィルターの圧力損失が高くなり海塩粒子が
飛散し易くなるからである。また、幾何平均繊維直径が
4μm以上、その幾何標準偏差が3.0以上、繊維充填
率が0.07cc/cc以下になると、エアフィルターとし
ての粒子除去性能が低下しする。
【0018】本発明で用いられるエレクトレット繊維の
エレクトレット化法としては、コロナ荷電法、電界荷電
法、電子線照射法が挙げられ、その際繊維は繊維単独で
も良く、不織布、織布およびその複合体であっても良
く、エレクトレット化が充分行えるものであれば特に問
題はない。
【0019】本発明で用いられる海塩粒子除去用フィル
ターは、被処理流体が海塩粒子だけでなく前記酸性ガス
を含有する場合吸着フィルターと組合せて用いることが
有効である。該吸着フィルターとしては、粒状活性炭、
活性炭素繊維、ゼオライト粉末、活性アルミナ粒子を混
抄したペーパーや該ペーパーをハニカム形状に加工した
もの、活性炭素繊維のみからなるペーパーや該ペーパー
をハニカム形状等に加工したもの、さらには粒状活性
炭、活性炭素繊維、ゼオライト粉末、活性アルミナ粒子
をウレタンフォーム、スポンジ等に含浸、添着したもの
などが挙げられるが、特にここに述べられたものに限定
されず、ペーパー状、ハニカム形状、スポンジ状等の形
態で吸着性能を有すれば、本発明に係わる吸着フィルタ
ーとして用いることができる。
【0020】本発明でポリオレフィン系エレクトレット
繊維からなるエアフィルターと吸着フィルターを組み合
わせたエアフィルターの形態を図を用いて説明する。図
1は吸着フィルター2をポリオレフィン系エレクトレッ
ト繊維からなるエアフィルター1で挟み込んだフィルタ
ーの断面図であり、図2はポリオレフィン系エレクトレ
ット繊維からなるエアフィルター1と吸着フィルター2
を積層したものの断面図である。また、図3はポリオレ
フィン系エレクトレット繊維からなるエアフィルター1
の繊維間に吸着能を有する繊維あるいは粒子3を混合し
たものの断面図である。このように、ポリオレフィン系
エレクトレット繊維からなるエアフィルターと吸着フィ
ルターを組み合わせることにより本発明の海塩粒子除去
HEPAフィルターは粒子除去性能に加えて、有害ガス
状成分を除去する能力を有するエアフィルターとなるの
である。
【0021】本発明のエアフィルターの実際の使用例を
図で説明する。図4は、図1〜図3で例示したエアフィ
ルターをひだ折りしエアフィルターユニットとして使用
した例である。また、図5に例示したようにひだ折りさ
れた海塩粒子除去フィルターのスペーサーとしてハニカ
ム形状、ウレタンフォーム、あるいはスポンジ形状の吸
着フィルターを用いることもできる。このように本発明
のエアフィルターをユニット化することにより、海塩粒
子除去性に優れ且つ海塩粒子が潮解しても塩分を含んだ
ミストのフィルター後方への飛散やフィルターの破損と
いった問題点の無い、さらに有害ガス状成分も除去しう
る小型・省エネルギー型のフィルターユニットが得られ
るのである。
【0022】
【実施例】以下、実施例をもって詳しく本発明を述べる
がこれに限定されるものではない。
【0023】実施例1 ポリプロピレンエレクトレット繊維よりなる幾何平均繊
維直径2.0μm、平均繊維直径の幾何標準偏差2.
0、繊維充填率0.12、目付60g/m2のエアフィ
ルターにおいて、該エアフィルターの粒子除去効率を粒
子径0.3μmのDOP粒子を用い、図6に示すフィル
ター除去効率測定器により測定した。エアフィルター1
6はダクト8内に設置され、流量計13をフィルター通
風速度が5.3cm/秒になるようバルブ14でコントロ
ールし、エアフィルター上流、下流のDOP粒子個数を
粒子計測器12(RION社製 KC−14)で計測し
た。除去効率は数式4を用いて算出した。
【0024】
【数式4】
【0025】また、該フィルターの海塩粒子除去性を見
るため該フィルターにボールミルで粉砕後目開き32μ
mの篩を通した食塩粒子を、20℃×30RH%の雰囲
気下でフィルター単位面積当たり0.01g/cm2 捕集
させた後、図6に示すフィルター除去効率測定器に該フ
ィルターを設置し20℃×90RH%の加湿空気を供給
し圧力損失の変化をフィルター通風速度10cm/秒で計
測した。さらに、圧力損失が平衡に達した後の該フィル
ター単位面積当たり食塩粒子の残量から食塩粒子飛散率
を数式5で求めた。
【0026】
【数式5】
【0027】実施例2 ポリプロピレンエレクトレット繊維よりなる幾何平均繊
維直径1.5μm、平均繊維直径の幾何標準偏差2.
7、繊維充填率0.09、目付40g/m2のエアフィ
ルターにおいて、該エアフィルターの粒子除去効率およ
び食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力損失
の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求め
た。
【0028】実施例3 ポリ−4−メチルペンテンエレクトレット繊維よりなる
幾何平均繊維直径3.5μm、平均繊維直径の幾何標準
偏差1.6、繊維充填率0.18、目付180g/m2
のエアフィルターにおいて、該エアフィルターの粒子除
去効率および食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時
の圧力損失の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様に
して求めた。
【0029】比較例1 ガラス繊維よりなる幾何平均繊維直径0.6μm、平均
繊維直径の幾何標準偏差3.5、繊維充填率0.06、
目付70g/m2 のガラス繊維HEPAフィルターにお
いて、該エアフィルターの粒子除去効率および食塩粒子
を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力損失の変化と食
塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求めた。
【0030】比較例2 ガラス繊維よりなる幾何平均繊維直径0.8μm、平均
繊維直径の幾何標準偏差3.0、繊維充填率0.09、
目付80g/m2 のガラス繊維HEPAフィルターにお
いて、該エアフィルターの粒子除去効率および食塩粒子
を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力損失の変化と食
塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求めた。
【0031】比較例3 ポリプロピレンエレクトレット繊維よりなる幾何平均繊
維直径2.0μm、平均繊維直径の幾何標準偏差1.
2、繊維充填率0.12、目付60g/m2のエアフィ
ルターにおいて、該エアフィルターの粒子除去効率およ
び食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力損失
の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求め
た。
【0032】比較例4 ポリプロピレンエレクトレット繊維よりなる幾何平均繊
維直径1.5μm、平均繊維直径の幾何標準偏差2.
7、繊維充填率0.25、目付40g/m2のエアフィ
ルターにおいて、該エアフィルターの粒子除去効率およ
び食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力損失
の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求め
た。
【0033】比較例5 ポリ−4−メチルペンテンエレクトレット繊維よりなる
幾何平均繊維直径5.0μm、平均繊維直径の幾何標準
偏差1.6、繊維充填率0.18、目付200g/m2
のエアフィルターにおいて、該エアフィルターの粒子除
去効率および食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時
の圧力損失の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様に
して求めた。
【0034】比較例6 ガラス繊維より成り、空気流入側の繊維の幾何平均繊維
直径20μm、平均繊維直径の幾何標準偏差1.2、繊
維充填率0.03、目付60g/m2 で、空気流出側の
繊維の幾何平均繊維直径5μm、幾何標準偏差1.3、
繊維充填率0.09、目付60g/m2 の繊維充填率が
粗密の2層構造を有する市販の海塩粒子除去専用中性能
フィルターにおいて、該エアフィルターの粒子除去効率
および食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供給時の圧力
損失の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同様にして求
めた。
【0035】比較例7 空気流入側に撥水性の合成繊維を配し、その幾何平均繊
維直径が2μm、平均繊維直径の幾何標準偏差2.0、
繊維充填率0.15、目付50g/m2 で、空気流出側
に吸湿性の繊維を配しその繊維の幾何平均繊維直径10
μm、幾何標準偏差1.2、繊維充填率0.04、目付
100g/m2 の2層構造を有する市販の海塩粒子除去
専用中性能フィルターにおいて、該エアフィルターの粒
子除去効率および食塩粒子を捕集させた後の加湿空気供
給時の圧力損失の変化と食塩粒子飛散率を実施例1と同
様にして求めた。
【0036】実施例1〜3、比較例1〜7の粒子除去効
率および食塩粒子飛散率を第1表に、加湿空気供給時の
圧力損失の変化を図7に示しが、本発明による海塩粒子
除去用フィルターは加湿空気を供給しても圧力損失の変
化が微小で優れた海塩粒子除去性能を有し且つHEPA
フィルターとしての除去性能を有しており、本発明の効
果は明らかであった。
【0037】実施例4 ポリプロピレンエレクトレット繊維よりなる幾何平均繊
維直径2.0μm、平均繊維直径の幾何標準偏差2.
0、繊維充填率0.12、目付60g/m2のエアフィ
ルター2枚と、活性炭素繊維よりなる目付30g/m2
の吸着フィルターを第1図に例示したフィルター構成で
積層した。該積層フィルターを135mmピッチでヒダ折
り加工し、図4に例示したエアフィルターユニットを作
成した。使用した積層フィルターの面積は10m2 、エ
アフィルターユニットの外寸は高さ610mm、幅610
mm、奥行き150mmであった。該エアフィルターユニッ
トの粒子径0.3μmのDOP粒子の粒子除去率と1p
pmの塩酸ガスのガス除去率およびユニット圧力損失を
風量17m3 /分で求めた。該エアフィルターユニット
の粒子除去率は99.9998%、ガス除去率は99.
99%、圧力損失は13mmAqであった。
【0038】比較例8 ガラス繊維よりなる幾何平均繊維直径0.6μm、平均
繊維直径の幾何標準偏差2.0、繊維充填率0.06、
目付70g/m2 のガラス繊維HEPAフィルターで実
施例4と同様のエアフィルターユニットを作成した。該
エアフィルターユニットの粒子除去率、ガス除去率、ユ
ニット圧力損失を実施例4と同じ条件で求めた。該エア
フィルターユニットの粒子除去率は99.995%、ガ
ス除去率は0%、圧力損失は24mmAqであった。
【0039】実施例4と比較例8の結果より、本発明に
よる海塩粒子除去用エアフィルターユニットは、高いガ
ス除去率を持ち且つ低圧力損失・高粒子除去率のエアフ
ィルターユニットであることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係わる海塩粒子除去用フィルタ
ーを用いると、従来のガラス繊維HEPAフィルターで
得ることのできなかった高い海塩粒子除去性能を有し、
また従来の海塩粒子除去専用中性能フィルターで得るこ
とのできなかったサブミクロン微小粒子除去性能を示し
且つ吸着フィルターと組み合わせることによって優れた
有害ガス状成分の除去性能を有するまったく新規な海塩
粒子除去用HEPAフィルターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着フィルターをポリオレフィン系エレクトレ
ット繊維からなるエアフィルターで挟み込んだ複合エア
フィルターの断面図である。
【図2】ポリオレフィン系エレクトレット繊維からなる
エアフィルターと吸着フィルターを積層した複合エアフ
ィルターの断面図である。
【図3】ポリオレフィン系エレクトレット繊維からなる
エアフィルターの繊維間に吸着能を有する繊維あるいは
粒子を混合した複合エアフィルターの断面図である。
【図4】本発明のエアフィルターを用いたエアフィルタ
ーユニットの概略図である。
【図5】本発明のエアフィルター及びスペーサーとして
吸着フィルターを用いた複合エアフィルターユニットの
概略図である。
【符号の説明】
1 エレクトレット化された疎水性合成繊維からなるフ
ィルター 2 吸着フィルター 3 吸着能を有する繊維あるいは粒子 4 ユニットの外枠 5 ヒダ折りされたポリオレフィン系エレクトレット繊
維からなるフィルタと吸着フィルターからなるフィルタ
ー 6 ヒダ折りされたポリオレフィン系エレクトレット繊
維からなるフィルタ 7 吸着フィルター 8 ダクト 9 上流側サンプリング管 10 下流側サンプリング管 11 差圧計 12 粒子計測器 13 流量計 14 バルブ 15 ポンプ 16 エアフィルター 17 DOP粒子発生器
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】実施例4と比較例8の結果より、本発明に
よる海塩粒子除去用エアフィルターユニットは、高い除
去率を持ち且つ低圧力損失、高粒子除去率のエアフィル
ターユニットであることがわかる。実施例1〜3及び比
較例1〜7の結果を表1及び図7に示す。
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着フィルターをポリオレフィン系エレクトレ
ット繊維からなるエアフィルターで挟み込んだ複合エア
フィルターの断面図である。
【図2】ポリオレフィン系エレクトレット繊維からなる
エアフィルターと吸着フィルターを積層した複合エアフ
ィルターの断面図である。
【図3】ポリオレフィン系エレクトレット繊維からなる
エアフィルターの繊維間に吸着能を有する繊維あるいは
粒子を混合した複合エアフィルターの断面図である。
【図4】本発明のエアフィルターを用いたエアフィルタ
ーユニットの概略図である。
【図5】本発明のエアフィルター及びスペーサーとして
吸着フィルターを用いた複合エアフィルターユニットの
概略図である。
【図6】本発明のフィルターの性能を評価するためのフ
ィルター除去効率測定器のフローシート図である。
【図7】本発明の実施例1〜3、比較例1〜7のフィル
ターの使用による圧力損失の変化を示す図である。
【符号の説明】 1 エレクトレット化された疎水性合成繊維からなるフ
ィルター 2 吸着フィルター 3 吸着能を有する繊維あるいは粒子 4 ユニットの外枠 5 ヒダ折りされたポリオレフィン系エレクトレット繊
維からなるフィルタ と吸着フィルターからなるフィルター 6 ヒダ折りされたポリオレフィン系エレクトレット繊
維からなるフィルタ 7 吸着フィルター 8 ダクト 9 上流側サンプリング管 10 下流側サンプリング管 11 差圧計 12 粒子計測器 13 流量計 14 バルブ 15 ポンプ 16 エアフィルター 17 DOP粒子発生器
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトレット化された疎水性合成繊維
    からなるエアフィルターにおいて、幾何平均繊維直径が
    1〜4μm、該平均繊維直径の幾何標準偏差が1.5〜
    3.0、繊維充填率が0.07〜0.20cc/ccである
    ことを特徴とする海塩粒子除去用エレクトレットエアフ
    ィルター。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエレクトレット化繊維
    がオレフィン系繊維である海塩粒子除去用エレクトレッ
    トエアフィルター。
JP15760491A 1991-05-31 1991-05-31 海塩粒子除去用エレクトレットエアフィルター Expired - Fee Related JP3164159B2 (ja)

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