WO2015125942A1 - エアフィルタ濾材、およびエアフィルタユニット - Google Patents
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Abstract
PM2.5等の粒子状物質の捕集性能に優れ、圧力損失の増大が抑えられたエアフィルタ濾材およびエアフィルタユニットを提供する。本発明の一態様は、気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であることを特徴とする。
Description
本発明は、エアフィルタ濾材、およびエアフィルタユニットに関する。
近年、大気中に浮遊する微小粒子状物質PM2.5の問題が深刻化している地域がある。
大気中に存在する汚染物質は、ガス状物質と粒子状物質(Particulate Matter)に分類される。ガス状物質の例には、石炭の燃焼で生じる亜硫酸ガス(二酸化硫黄、SO2)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等がある。粒子状物質には、煤塵(例えば、石炭の燃焼で生じる煤)、粉塵(例えば、タイヤの摩耗等の機械的作用により発生するタイヤ摩耗粉塵)、土壌粒子(例えば、黄砂)などの直接大気中に放出される一次生成粒子、および、一次生成粒子が大気中で太陽光により上記のガス状物質と光化学反応をすることで発生する二次生成粒子がある。二次生成粒子は光化学スモッグの発生原因となる。
大気中に存在する汚染物質は、ガス状物質と粒子状物質(Particulate Matter)に分類される。ガス状物質の例には、石炭の燃焼で生じる亜硫酸ガス(二酸化硫黄、SO2)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等がある。粒子状物質には、煤塵(例えば、石炭の燃焼で生じる煤)、粉塵(例えば、タイヤの摩耗等の機械的作用により発生するタイヤ摩耗粉塵)、土壌粒子(例えば、黄砂)などの直接大気中に放出される一次生成粒子、および、一次生成粒子が大気中で太陽光により上記のガス状物質と光化学反応をすることで発生する二次生成粒子がある。二次生成粒子は光化学スモッグの発生原因となる。
粒子状物質は成因により組成や粒径が異なる。粒子状物質は粒径毎にPM2.5やPM10として表される。PM2.5は、大気中に浮遊する粒子状物質であって、粒径が2.5μm以下の粒子をいう。
粒子状物質はその組成や粒径の異なるものが大気中に存在する。この粒子状物質が可視光を吸収・散乱することで煙霧等の視程障害や、地表面温度の低下が生じる。また、粒子状物質が肺の奥深くまで入ることで健康へ悪影響を与えるおそれがある。このため、各国において環境基準が定められている。日本では、1年平均値15μg/m3以下、かつ1日平均値35μg/m3以下の濃度の基準値を定めている。また、中国では、1年平均値35μg/m3以下、かつ1日平均値75μg/m3以下の濃度の基準値を定めている。
ところで、従来、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)と呼ばれる捕集性能に優れたエアフィルタ濾材が知られている。HEPAフィルタとして用いられるエアフィルタ濾材は、粒径0.3μmの粒子を用いた場合に99.97%以上の捕集効率を有し、例えば、ガラス繊維や有機繊維の不織布からなる濾材が用いられている(例えば、特許文献1)。
エアフィルタ濾材の性能を表す指標として、上記捕集効率と、圧力損失がよく用いられている。圧力損失は、その値が低いほど濾材を透過する空気が流れやすく、濾材を透過させる空気の風量は少なくて済むため、エアフィルタユニットに用いられた場合に、濾過に必要な電力が抑えられ、省エネを図ることができる。
しかし、捕集効率と圧力損失は、一方の性能を改善しようとすると他方の性能が悪化する傾向があり、両性能をいずれも改善することは難しい。捕集性能に優れたエアフィルタ濾材は、通常、繊維径の細い繊維材料で構成されているために、捕集された微粒子が堆積しやすく、圧力損失が増加しやすい。上記したHEPAフィルタを用いてPM2.5のような粒子状物質を捕集すると、早期に圧力損失が増加してしまう。一方、HEPAフィルタより捕集性能の劣る中性能フィルタを用いると、圧力損失は低く維持できるが、PM2.5のような粒子状物質の捕集性能は十分でない。
本発明は、PM2.5等の粒子状物質の捕集性能に優れ、圧力損失の増大が抑えられたエアフィルタ濾材およびエアフィルタユニットを提供することを目的とする。
本発明は、PM2.5等の粒子状物質の捕集性能に優れ、圧力損失の増大が抑えられたエアフィルタ濾材およびエアフィルタユニットを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討を重ねた結果、捕集効率が所定の範囲にあるエアフィルタ濾材を所定の帯電量に帯電させることで、単に帯電前の捕集効率を上げる、あるいは、エアフィルタ濾材の繊維径を細くすることで得られる捕集効率の向上効果を上回る捕集効率の向上効果が得られるとともに、帯電前の捕集効率を上げるあるいはエアフィルタ濾材の繊維径を細くした場合に生じる圧力損失の増大を回避できることを見出し、特にPM2.5等の粒子状物質の捕集効率を大きく改善できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の一態様は、気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、
粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、
帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、
濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であることを特徴とする。
粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、
帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、
濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であることを特徴とする。
前記エアフィルタ濾材は、平均繊維径が3.0~3.7μmの不織布からなる捕集層を有することが好ましい。
前記エアフィルタ濾材において、抗菌剤0.8×10-5~1.6×10-5g/m2および界面活性剤が担持されていてもよい。
本発明の別の一態様は、エアフィルタユニットであって、
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であるエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過(通過)する気流の方向に前記エアフィルタ濾材よりも上流側に配され、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの捕集効率が前記エアフィルタ濾材より低いプレフィルタと、を備えることを特徴とする。
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であるエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過(通過)する気流の方向に前記エアフィルタ濾材よりも上流側に配され、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの捕集効率が前記エアフィルタ濾材より低いプレフィルタと、を備えることを特徴とする。
前記エアフィルタユニットは、さらに、前記プレフィルタおよび前記エアフィルタ濾材の外周部を囲み、前記プレフィルタおよび前記エアフィルタ濾材を一体に形成する(プレフィルタおよびフィルタパック(濾材)が組み込まれることで、エアフィルタユニットを一体に形成する)枠材を備え、
前記プレフィルタの上面および下面の上流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着され、
前記エアフィルタ濾材の上面および下面の下流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着されていることが好ましいい。
前記プレフィルタの上面および下面の上流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着され、
前記エアフィルタ濾材の上面および下面の下流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着されていることが好ましいい。
本発明のさらに別の一態様は、エアフィルタユニットであって、
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であるエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過(通過)する気流の方向に前記エアフィルタ濾材と並ぶよう配され、気体中のガス成分を捕集するケミカルフィルタと、を備えることを特徴とする。
気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であるエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過(通過)する気流の方向に前記エアフィルタ濾材と並ぶよう配され、気体中のガス成分を捕集するケミカルフィルタと、を備えることを特徴とする。
前記エアフィルタユニットにおいて、前記ケミカルフィルタは、前記気流の方向に前記エアフィルタ濾材の下流側に配されることが好ましい。
前記エアフィルタユニットにおいて、前記ケミカルフィルタは、セル密度が40~120個/inch2であり、気流方向の長さが25~70mmであることが好ましい。
前記エアフィルタユニットは、さらに、前記エアフィルタ濾材および前記ケミカルフィルタが気流方向に接するよう保持する枠体を備えることが好ましい。
本発明によれば、PM2.5等の粒子状物質の捕集性能に優れ、圧力損失の増大が抑制されたエアフィルタ濾材およびエアフィルタユニットが得られる。
以下、本発明のエアフィルタ濾材、およびエアフィルタユニットについて説明する。
(エアフィルタ濾材)
本実施形態のエアフィルタ濾材は、気体中の微粒子を捕集するものであって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10C/cm2以上10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下である。
本実施形態のエアフィルタ濾材は、気体中の微粒子を捕集するものであって、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、帯電量が5.5×10-10C/cm2以上10×10-10C/cm2未満であり、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下である。
図1に、本実施形態のエアフィルタ濾材の層構成を示す。
エアフィルタ濾材(以降、単に濾材ともいう)2は、捕集層3を含む。捕集層3は不織布からなる。
捕集層3に用いられる不織布には、例えば、メルトブロー不織布が用いられる。メルトブロー不織布は、例えば、溶融樹脂組成物を押し出して微細な樹脂流とし、この樹脂流を高速度の加熱気体と接触させて微細な繊維径の不連続ファイバーとし、このファイバーを多孔性支持体上に集積させることで形成される。メルトブロー不織布の目付は、5~100g/m2、好ましくは10~80g/m2である。ファイバーの径は、0.1~10μm、好ましくは1~6μm、より好ましくは3.0~3.7μmである。本明細書において、ファイバーの径は、平均繊維径を意味する。ファイバーの径が上記範囲内であることにより、後述する捕集効率の向上効果が大きくなり、帯電後の捕集効率の高い濾材が得られるとともに、エアフィルタ濾材の圧力損失を20Pa以下に維持することができる。ファイバーの平均繊維長は、50~200mm、好ましくは80~150mmである。
エアフィルタ濾材(以降、単に濾材ともいう)2は、捕集層3を含む。捕集層3は不織布からなる。
捕集層3に用いられる不織布には、例えば、メルトブロー不織布が用いられる。メルトブロー不織布は、例えば、溶融樹脂組成物を押し出して微細な樹脂流とし、この樹脂流を高速度の加熱気体と接触させて微細な繊維径の不連続ファイバーとし、このファイバーを多孔性支持体上に集積させることで形成される。メルトブロー不織布の目付は、5~100g/m2、好ましくは10~80g/m2である。ファイバーの径は、0.1~10μm、好ましくは1~6μm、より好ましくは3.0~3.7μmである。本明細書において、ファイバーの径は、平均繊維径を意味する。ファイバーの径が上記範囲内であることにより、後述する捕集効率の向上効果が大きくなり、帯電後の捕集効率の高い濾材が得られるとともに、エアフィルタ濾材の圧力損失を20Pa以下に維持することができる。ファイバーの平均繊維長は、50~200mm、好ましくは80~150mmである。
メルトブロー不織布の材質には、例えば、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブチレン共重合体、エチレン-オクテン共重合体等のエチレン系共重合体、ポリプロピレンあるいはプロピレン共重合体、ポリブチレン等のポリオレフィン、6-ナイロン、66-ナイロン、6・66共重合ポリアミド、610-ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン等のポリアミドあるいは共重合ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、脂肪族系ポリカーボネート、ポリウレタンエラストマー、ポリ塩化ビニルあるいは共重合体、全芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等から選ばれた少なくとも1種の重合体である。中でも、メルトブロー成形性に優れ、低コストであり、かつ、メルトブロー不織布の製造中にショットと呼ばれる繊維状にならないポリマー玉の混入が生じる可能性が極めて低い理由から、ポリプロピレンが好ましい。
捕集層3は、ポリプロピレン以外の樹脂製の不織布が用いられてもよく、メルトブロー不織布以外の不織布が用いられてもよい。また、捕集層3は、合成繊維からなる不織布に代えて、天然繊維、ガラス繊維等の他の材質からなる不織布が用いられてもよい。
濾材2は、さらに、捕集層3に積層された補強層5を含むことが好ましい。補強層5は、捕集層3よりも剛性の高い、通気性を有するシートであり、変形しやすく、厚みが薄く、軽いものが好ましく用いられる。補強層5には、紙、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂からなる織布又は不織布、ネット等を用いることができる。不織布には、例えば、スパンボンド不織布を用いることができる。捕集層3の不織布がメルトブロー不織布である場合は、補強層5の不織布はスパンボンド不織布であることが好ましい。スパンボンド不織布は、公知のものを特に制限されることなく用いることができ、例えば、紡糸され、延伸されたフィラメントを、多孔性支持体上にランダムに集積したものが用いられる。このようなスパンボンド不織布は、連続したフィラメントからなり、延伸により分子配向が付与されているため、強度的に優れている点で好ましい。スパンボンド不織布の材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等が挙げられる。本実施形態では、ポリエステルが用いられる。スパンボンド不織布は、さらに、ニードルパンチング、エアーサクション、ウォータージェット等の手段によって繊維相互の絡み合いが生じているものであってもよい。スパンボンド不織布の目付は、補強性と通気抵抗性の観点から、10~100g/m2、好ましくは15~50g/m2である。フィラメントの繊度は、1~3デニールであることが好ましい。
補強層5には、ポリエステル以外の樹脂製の不織布が用いられてもよく、スパンボンド不織布以外の不織布が用いられてもよい。補強層5は、捕集層3の片側又は両側に積層されてよい。捕集層3および補強層5はそれぞれ、単層又は複層であってよい。なお、濾材2は、補強層5を備えていなくてもよい。
補強層5には、ポリエステル以外の樹脂製の不織布が用いられてもよく、スパンボンド不織布以外の不織布が用いられてもよい。補強層5は、捕集層3の片側又は両側に積層されてよい。捕集層3および補強層5はそれぞれ、単層又は複層であってよい。なお、濾材2は、補強層5を備えていなくてもよい。
濾材2は、上記したように、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%である。帯電前の捕集効率とは、後述するエレクトレット処理によって帯電する前の濾材の捕集効率を意味する。帯電前の捕集効率は、帯電前の濾材、あるいは帯電後の濾材に除電処理を施したものを用いて求めることができる。なお、帯電前の捕集効率は、以降の説明で、除電後の捕集効率ともいう。
帯電前の捕集効率が15%以上であることによって、帯電量を大きくすることで捕集効率が向上する向上効果(捕集効率の上がり幅)が大きくなり、帯電後の捕集効率を、中性能フィルタとしては高い範囲、すなわち80~95%の範囲に高めることができる。言い換えると、帯電前の捕集効率が15%未満である場合は、帯電量を大きくしても捕集効率の向上効果が小さく、得られる捕集効率の高さに限界が生じる。例えば、帯電前の捕集効率が5~10%である濾材を、本実施形態の濾材2と同程度に帯電させても、帯電後の捕集効率は60~70%にとどまることが分かった。
また、帯電前の捕集効率が30%以下あることによって、濾材2の圧力損失を20Pa以下に維持できる。
帯電前の捕集効率が15%以上であることによって、帯電量を大きくすることで捕集効率が向上する向上効果(捕集効率の上がり幅)が大きくなり、帯電後の捕集効率を、中性能フィルタとしては高い範囲、すなわち80~95%の範囲に高めることができる。言い換えると、帯電前の捕集効率が15%未満である場合は、帯電量を大きくしても捕集効率の向上効果が小さく、得られる捕集効率の高さに限界が生じる。例えば、帯電前の捕集効率が5~10%である濾材を、本実施形態の濾材2と同程度に帯電させても、帯電後の捕集効率は60~70%にとどまることが分かった。
また、帯電前の捕集効率が30%以下あることによって、濾材2の圧力損失を20Pa以下に維持できる。
濾材2は、上記したように、帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満である。濾材にエレクトレット処理を施すことで、帯電量を上記範囲にすることができる。エレクトレット処理の具体的な方法は後述する。帯電量は、例えば、JIS L1094に準じて測定された値(摩擦帯電電荷量)であってもよく、帯電量と捕集効率との関係から求められる近似式を用いて得られた値であってもよい。例えば、温度20℃、湿度40%の環境下では、JIS規格を用いて測定され、温度20~25℃、湿度20~50%の環境下では、近似式を用いて測定される。
近似式は、例えば、下記の要領で求められる。まず、測定対象の濾材の捕集効率を測定する。捕集効率の測定方法は、後述する。次いで、当該濾材を除電し、除電後の捕集効率を測定する。除電の方法は後述する。そして、除電後の濾材を2種以上の帯電量に帯電させ、各帯電量において捕集効率を測定する。濾材を帯電させるための操作は、例えば、帯電電荷量測定装置のコンデンサの両端を短絡した後、再び開放し、摩擦棒の両端を手で持ち、摩擦台の敷台上に載置した濾材に対し、体重の一部が荷重として鉛直上方から均一に加わるようにして、摩擦棒を回転させないで奥側から手前側に引く操作を1秒間に1回の割合で、目標とする帯電量に応じて複数回繰り返し濾材を摩擦することで行うことができる。繰り返す回数は特に制限されないが、例えば、5種の帯電量に帯電させる場合、2,4,6,8,10回の5通りの回数を繰り返す。摩擦終了後、帯電させた濾材を、後述するJIS L1094に準じて行う帯電量の測定と同じ要領で、帯電量を求めることができる。このときの測定は、温度20~25℃、湿度20~50%の環境下で行われる。次いで、2種以上の帯電量と、各帯電量における捕集効率の関係のプロットを回帰させて、回帰式を近似式として求める。この近似式に、除電前に測定した捕集効率を当てはめることで、濾材の帯電量を推定することができる。なお、近似式は、直線(1次式)であってもよく、曲線(例えば2次式)であってもよい。
帯電量の測定のための温度は、好ましくは20~25℃であり、帯電量測定のための湿度は、好ましくは20%であり、より好ましくは30%であり、さらに好ましくは40%である。これらの測定環境において、濾材2の帯電量は、好ましくは6×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、より好ましくは7×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、さらに好ましくは8×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、特に好ましくは9×10-10~10×10-10C/cm2未満である。
近似式は、例えば、下記の要領で求められる。まず、測定対象の濾材の捕集効率を測定する。捕集効率の測定方法は、後述する。次いで、当該濾材を除電し、除電後の捕集効率を測定する。除電の方法は後述する。そして、除電後の濾材を2種以上の帯電量に帯電させ、各帯電量において捕集効率を測定する。濾材を帯電させるための操作は、例えば、帯電電荷量測定装置のコンデンサの両端を短絡した後、再び開放し、摩擦棒の両端を手で持ち、摩擦台の敷台上に載置した濾材に対し、体重の一部が荷重として鉛直上方から均一に加わるようにして、摩擦棒を回転させないで奥側から手前側に引く操作を1秒間に1回の割合で、目標とする帯電量に応じて複数回繰り返し濾材を摩擦することで行うことができる。繰り返す回数は特に制限されないが、例えば、5種の帯電量に帯電させる場合、2,4,6,8,10回の5通りの回数を繰り返す。摩擦終了後、帯電させた濾材を、後述するJIS L1094に準じて行う帯電量の測定と同じ要領で、帯電量を求めることができる。このときの測定は、温度20~25℃、湿度20~50%の環境下で行われる。次いで、2種以上の帯電量と、各帯電量における捕集効率の関係のプロットを回帰させて、回帰式を近似式として求める。この近似式に、除電前に測定した捕集効率を当てはめることで、濾材の帯電量を推定することができる。なお、近似式は、直線(1次式)であってもよく、曲線(例えば2次式)であってもよい。
帯電量の測定のための温度は、好ましくは20~25℃であり、帯電量測定のための湿度は、好ましくは20%であり、より好ましくは30%であり、さらに好ましくは40%である。これらの測定環境において、濾材2の帯電量は、好ましくは6×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、より好ましくは7×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、さらに好ましくは8×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、特に好ましくは9×10-10~10×10-10C/cm2未満である。
帯電量が5.5×10-10C/cm2以上であることにより、帯電前の捕集効率が上記範囲にある場合の捕集効率の向上効果が大きくなり、帯電前の捕集効率が低くても十分な捕集効率が得られることが分かった。言い換えると、帯電後の捕集効率を高めるために、帯電前の捕集効率を上げるあるいは濾材2の繊維径を細くすることで得られる捕集効率の向上効果(上がり幅)を超える捕集効率の向上効果が、上記範囲の帯電量によってもたらされることが分かるとともに、帯電前の捕集効率を上げるあるいは濾材2の繊維径を細くすることで生じる圧力損失の上昇を抑えることができることも分かった。また、帯電量が5.5×10-10C/cm2以上であることと、帯電前の捕集効率が上記範囲にあることとによって、後述する累計捕集効率が向上し、PM2.5等の粒子状物質をより確実に捕集することができる。
一方、帯電量が10×10-10C/cm2を超えると、濾材2に後述するプリーツ加工を施した場合の濾材2の折り目がシャープでなくなり、圧力損失が上昇してしまう。これは、濾材2の帯電量が大きすぎると、静電気による反発力によってプリーツが折り目付近で丸く膨むように変形するため、プリーツ形状を保持できず、空気の流路が狭まるためである。また、エアフィルタ濾材は、通常、帯電後にローラで巻き取られるため、帯電量が多いと、巻き取る際にローラに絡まって、作業がし難くなるとともに、例えばレシプロ式折り機を用いて濾材をプリーツ加工する場合に、折り機の刃が折り込まれた濾材から抜ける際に濾材が刃に追随して、プリーツ形状に折ることができなくなるおそれがある。
一方、帯電量が10×10-10C/cm2を超えると、濾材2に後述するプリーツ加工を施した場合の濾材2の折り目がシャープでなくなり、圧力損失が上昇してしまう。これは、濾材2の帯電量が大きすぎると、静電気による反発力によってプリーツが折り目付近で丸く膨むように変形するため、プリーツ形状を保持できず、空気の流路が狭まるためである。また、エアフィルタ濾材は、通常、帯電後にローラで巻き取られるため、帯電量が多いと、巻き取る際にローラに絡まって、作業がし難くなるとともに、例えばレシプロ式折り機を用いて濾材をプリーツ加工する場合に、折り機の刃が折り込まれた濾材から抜ける際に濾材が刃に追随して、プリーツ形状に折ることができなくなるおそれがある。
濾材2は、帯電後の捕集効率が80~95%である。帯電後の捕集効率は、上記帯電前の捕集効率と同様に、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの捕集効率で表される。帯電後の捕集効率は、以降の説明で、除電前の捕集効率ともいう。
本実施形態の濾材2は、帯電前の捕集効率15~30%のエアフィルタ濾材に、エレクトレット処理を施して5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満という高い帯電量を付与したことによって、帯電後の捕集効率が大きく向上して、80~95%の範囲になっている。このように帯電前の捕集効率と帯電量を制御することで、帯電後の捕集効率が高められることが本発明者の研究により見出された。帯電前の捕集効率が15~30%と低く、かつ、帯電後の捕集効率が80~95%と高いエアフィルタ濾材は、従来存在しなかったものである。濾材2は、帯電後の捕集効率が上記範囲にあることによって、中性能フィルタとしては比較的高い捕集性能を有している。
本実施形態の濾材2は、帯電前の捕集効率15~30%のエアフィルタ濾材に、エレクトレット処理を施して5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満という高い帯電量を付与したことによって、帯電後の捕集効率が大きく向上して、80~95%の範囲になっている。このように帯電前の捕集効率と帯電量を制御することで、帯電後の捕集効率が高められることが本発明者の研究により見出された。帯電前の捕集効率が15~30%と低く、かつ、帯電後の捕集効率が80~95%と高いエアフィルタ濾材は、従来存在しなかったものである。濾材2は、帯電後の捕集効率が上記範囲にあることによって、中性能フィルタとしては比較的高い捕集性能を有している。
濾材2は、粒径0.3μm以上2.5μm以下の粒子の累計捕集効率が90%以上であることが好ましい。なお、累計捕集効率と同義の指標として、PM2.5等の粒子状物質の捕集効率という場合がある。
累計捕集効率は、例えば以下のようにして計測することができる。具体的には、濾材2の上流側に供給する空気(上流側の空気)中の粒径0.3μm以上2.5μm以下の粉塵を分級し、粒径毎の密度(μg/m3)を求めるとともに、濾材2を通過した空気(下流側の空気)中の粉塵を分級し、粒径毎の粉塵の密度(μg/m3)を求める。例えば、粒径を、0.3μm以上0.5μm未満、0.5μm以上0.7μm未満、0.7μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上2.5μm以下、の5段階に区分して、パーティクルカウンタ(光散乱式気中粒子計数器、JIS B 9921)により計数することで、粒径毎の粒子数を求めることができる。具体的には、半導体レーザ等の光源からの光をパルス状に空気中の粒子に照射し、粒子による散乱光をフォトダイオード等の検出装置で検出する。散乱された光量から粒子の大きさを、散乱光のパルスの数から粒子の個数を計数することができる。
累計捕集効率は、例えば以下のようにして計測することができる。具体的には、濾材2の上流側に供給する空気(上流側の空気)中の粒径0.3μm以上2.5μm以下の粉塵を分級し、粒径毎の密度(μg/m3)を求めるとともに、濾材2を通過した空気(下流側の空気)中の粉塵を分級し、粒径毎の粉塵の密度(μg/m3)を求める。例えば、粒径を、0.3μm以上0.5μm未満、0.5μm以上0.7μm未満、0.7μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上2.5μm以下、の5段階に区分して、パーティクルカウンタ(光散乱式気中粒子計数器、JIS B 9921)により計数することで、粒径毎の粒子数を求めることができる。具体的には、半導体レーザ等の光源からの光をパルス状に空気中の粒子に照射し、粒子による散乱光をフォトダイオード等の検出装置で検出する。散乱された光量から粒子の大きさを、散乱光のパルスの数から粒子の個数を計数することができる。
次に、粒径毎の粒子の個数に、粒径毎の密度(μg/m3)を積算し、上流側空気中の粒径0.3μm以上2.5μm以下の粉塵全体の密度(Ag/m3とする)および下流側空気中の粒径0.3μm以上2.5μm以下の粉塵全体の密度(Bg/m3とする)を求める。累計捕集効率は(A-B)/A×100(%)で表される。このような特性を有する濾材であれば、PM2.5等の大気中に浮遊する粒子状物質が多い環境に好適に使用することができる。
濾材2には、抗菌剤0.8×10-5~1.6×10-5g/m2が担持されていることが好ましい。これにより、濾材2の帯電性能が損なわれることなく抗菌防臭性を十分に発揮することができる。なお、帯電性能とは、静電気の作用により、濾材が本来持つ捕集性能(帯電前の捕集性能)より向上する捕集性能をいう。
抗菌剤は、抗菌性を有しており、さらに防臭性を有するものが好ましく用いられる。抗菌性および防臭性を有する抗菌剤としては、例えば、質量比で、鉄0.0001~0.02、アルミニウム0.0002~0.02、チタン0.0000008~0.000004、およびカリウム0.000002~0.002を含む金属組成物が挙げられる。
この金属組成物によれば、鉄、チタンなどの遷移元素成分が空気中の水分子に働きかけることで、分解反応の主役を担うヒドロキシルラジカルと過酸化水素が生成し、過酸化水素からも反応過程を経てヒドロキシルラジカルが生成する。また、過酸化水素水からは、ヒドロペルオキシルラジカルを経てスーパーオキシドイオンも生成され、これも分解反応に寄与する。本発明において抗菌性の効果は、これらのラジカルやイオンによる酸化力等が細菌に対して有効であり、黄色ブドウ球菌、肺炎菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌、枯草菌、レジオネラ、大腸菌等の雑菌の増殖を抑制することによって得られる、と考えられる。
さらに、本発明において防臭性の効果は、上記の金属組成物が、人体から発生する皮膚細胞粕(垢)や汗、油などを栄養源にする黄色ブドウ球菌の生育を阻止する静菌作用にも優れているため、黄色ブドウ球菌がヒトの角質老廃物に含まれるロイシンを分解することによる悪臭の発生を防止することによって得られる、と考えられる。
抗菌剤は、抗菌性を有しており、さらに防臭性を有するものが好ましく用いられる。抗菌性および防臭性を有する抗菌剤としては、例えば、質量比で、鉄0.0001~0.02、アルミニウム0.0002~0.02、チタン0.0000008~0.000004、およびカリウム0.000002~0.002を含む金属組成物が挙げられる。
この金属組成物によれば、鉄、チタンなどの遷移元素成分が空気中の水分子に働きかけることで、分解反応の主役を担うヒドロキシルラジカルと過酸化水素が生成し、過酸化水素からも反応過程を経てヒドロキシルラジカルが生成する。また、過酸化水素水からは、ヒドロペルオキシルラジカルを経てスーパーオキシドイオンも生成され、これも分解反応に寄与する。本発明において抗菌性の効果は、これらのラジカルやイオンによる酸化力等が細菌に対して有効であり、黄色ブドウ球菌、肺炎菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌、枯草菌、レジオネラ、大腸菌等の雑菌の増殖を抑制することによって得られる、と考えられる。
さらに、本発明において防臭性の効果は、上記の金属組成物が、人体から発生する皮膚細胞粕(垢)や汗、油などを栄養源にする黄色ブドウ球菌の生育を阻止する静菌作用にも優れているため、黄色ブドウ球菌がヒトの角質老廃物に含まれるロイシンを分解することによる悪臭の発生を防止することによって得られる、と考えられる。
抗菌剤は、濾材2に対し0.8×10-5~1.6×10-5g/m2担持されていることが好ましい。抗菌剤が0.8×10-5g/m2以上担持されていることで、十分な抗菌防臭性能が得られ、1.6×10-5g/m2以下担持されていることで、濾材の帯電性能を確保するために界面活性剤の使用量を抑えることができる。本実施形態では、例えば、1.28×10-5g/m2担持されている。
界面活性剤は、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、あるいは、これらの混合物が用いられる。混合物としては、例えば、陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の混合物が挙げられる。混合物に含まれる陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の特殊高分子第4級アンモニウム塩等が挙げられる。混合物に含まれる陰イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、高級アルコールのアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。この混合物において、陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤は、質量比で、4:6~6:4の割合で含まれることが好ましい。
界面活性剤は、濾材2に対し、0.004~0.16g/m2担持されている。界面活性剤は、抗菌剤を濾材に付着させるための薬液において抗菌剤を均一に分散させる観点から、0.004g/m2以上担持されているのが好ましく、濾材の帯電性能の低下を回避するために、0.16g/m2以下担持されているのが好ましい。本実施形態では、例えば、0.128g/m2担持される。
抗菌剤および界面活性剤は、抗菌剤の溶液への分散性の観点から、後述するTioTio(登録商標)の原液(固形分0.004質量%)と、後述するニッカノンNS-30の原液(固形分40質量%)とを質量比で1:20~1:1の割合で混合した薬液を濾材2に付着し、乾燥させることで、濾材2に担持されることが好ましい。
抗菌剤および界面活性剤は、濾材2全体に均一に担持されてもよく、一部(例えば、捕集層)にのみ担持されてもよい。
抗菌剤および界面活性剤は、濾材2全体に均一に担持されてもよく、一部(例えば、捕集層)にのみ担持されてもよい。
濾材2は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、防カビ剤を担持してもよい。防カビ剤は、ビグアナイド系、アルコール系、フェノール系、アニリド系、ヨウ素系、イミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾロン系、トリアジン系、フッ素系、糖質系、トロポロン系、有機金属系、無機系等の化合物を含むものを用いることができる。中でも、食品添加物としても使用が認められていることから、イミダゾール系化合物を含むものが好ましく、その中でも、チアベンダゾールを含むものがより好ましく用いられる。
濾材2は、JIS L1902「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験において測定される殺菌活性値が0以上であることが望ましく、同じ定量試験において測定される静菌活性値が2.2以上であることが望ましい。静菌活性値が2.2以上であることにより、繊維評価技術協議会が認定するSEKマーク取得の要件を満たすことができる。
本実施形態の濾材2は、帯電前の捕集効率が上記範囲であり、かつ、帯電量が上記範囲であることによって、単に帯電前の捕集効率を上げるあるいは濾材の繊維径を細くすることで得られる捕集効率の向上効果を上回る捕集効率の向上効果が得られるとともに、帯電前の捕集効率を上げるあるいは濾材の繊維径を細くした場合に生じる圧力損失の増大を回避でき(圧力損失20Pa以下になる)、特にPM2.5等の粒子状物質の捕集効率(累計捕集効率)を大きく改善できる。
ここで、図2を参照して、捕集効率の向上効果について説明する。図2は、捕集効率の向上効果を説明する図である。なお、図中の縦軸および横軸上に示す数値は大きさの順に並んでいるが、理解のしやすさのため、数値間のグラフ上での間隔と、数値同士の差とは一致していない。濾材の特性である捕集効率と圧力損失は、一般的に、図示されるように、比例関係にあり、一方を改善しようとすると、他方が悪化する関係にある。例えば、捕集効率70%、圧力損失16Paである濾材を想定した場合に、これを帯電させることなく濾材の平均繊維径を細くすることで高捕集効率84%を達成しようとすると、圧力損失が22Paに上昇し、悪化する。これに対し、濾材の平均繊維径を変えずに濾材を帯電することで高捕集効率84%を達成しようとすると、圧力損失は18Paに抑えられる。このことから、同じ捕集効率の向上効果(捕集効率の上り幅)を得るために増大する圧力損失の程度が、濾材を帯電させる場合は、濾材の平均繊維径を調整する場合と比べ、小さく抑えられることが分かる。このことは、言い換えると、圧力損失の増加の程度が同じである場合に得られる捕集効率の向上効果は、濾材を帯電させる場合は、濾材の平均繊維径を調整する場合と比べ、大きいといえる。例えば、圧力損失18Paを示す上下方向の破線上において、点Aから点Bに向かう矢印が、点Aから点Cに向かう矢印より高い位置(捕集効率が高い)にあることから理解できる。従来、帯電量を上記範囲のような高い値にすることの要求はなかった。しかし、本発明者の研究により、圧力損失が20Pa以下とされる、いわゆる省エネ型の濾材において、帯電前の捕集効率を上記範囲のように定め、帯電量を上記範囲のように定めた場合は、帯電前の捕集効率が上記範囲より低い場合に同じ程度帯電させた場合と比べ、捕集効率の向上効果が大きくなるとともに、圧力損失の上昇が抑えられることが見出された。
ここで、図2を参照して、捕集効率の向上効果について説明する。図2は、捕集効率の向上効果を説明する図である。なお、図中の縦軸および横軸上に示す数値は大きさの順に並んでいるが、理解のしやすさのため、数値間のグラフ上での間隔と、数値同士の差とは一致していない。濾材の特性である捕集効率と圧力損失は、一般的に、図示されるように、比例関係にあり、一方を改善しようとすると、他方が悪化する関係にある。例えば、捕集効率70%、圧力損失16Paである濾材を想定した場合に、これを帯電させることなく濾材の平均繊維径を細くすることで高捕集効率84%を達成しようとすると、圧力損失が22Paに上昇し、悪化する。これに対し、濾材の平均繊維径を変えずに濾材を帯電することで高捕集効率84%を達成しようとすると、圧力損失は18Paに抑えられる。このことから、同じ捕集効率の向上効果(捕集効率の上り幅)を得るために増大する圧力損失の程度が、濾材を帯電させる場合は、濾材の平均繊維径を調整する場合と比べ、小さく抑えられることが分かる。このことは、言い換えると、圧力損失の増加の程度が同じである場合に得られる捕集効率の向上効果は、濾材を帯電させる場合は、濾材の平均繊維径を調整する場合と比べ、大きいといえる。例えば、圧力損失18Paを示す上下方向の破線上において、点Aから点Bに向かう矢印が、点Aから点Cに向かう矢印より高い位置(捕集効率が高い)にあることから理解できる。従来、帯電量を上記範囲のような高い値にすることの要求はなかった。しかし、本発明者の研究により、圧力損失が20Pa以下とされる、いわゆる省エネ型の濾材において、帯電前の捕集効率を上記範囲のように定め、帯電量を上記範囲のように定めた場合は、帯電前の捕集効率が上記範囲より低い場合に同じ程度帯電させた場合と比べ、捕集効率の向上効果が大きくなるとともに、圧力損失の上昇が抑えられることが見出された。
また、本実施形態の濾材2は、エレクトレット処理された不織布からなる捕集層3を含むことにより、不織布の繊維自体の捕集性能に加え、帯電性能も有するとともに、抗菌剤を備えることで、抗菌性能と防臭性能も有する(すなわち、抗菌防臭性能を有する)。また、抗菌剤の量が多くなると、これを濾材2に均一に付着させるための界面活性剤の量も多くなって帯電性能が低下することから、この濾材2では、抗菌剤の量を所定の上限値より少なくすることで、界面活性剤の量も少なくして帯電性能が低下するのを回避している。
ここで、濾材の製造方法について説明する。
濾材の製造方法は、エレクトレット処理、積層、薬液付着、乾燥の各工程を備える。
濾材の製造方法は、エレクトレット処理、積層、薬液付着、乾燥の各工程を備える。
エレクトレット処理工程では、不織布にエレクトレット処理を施して捕集層を得る。不織布には、例えば、上述のものが用いられる。
エレクトレット処理は、不織布に対して直流電圧を印加することにより行われる。印加される直流電圧の値は、電極の形状、電極間距離等に応じて、エレクトレット不織布に要求される帯電電荷量、エレクトレット処理の速度等も勘案して、適宜定められる。例えば、電極間距離が8mmである場合、5kV以上の、好ましくは6~20kVの直流電圧を不織布に印加することにより行われる。また、直流電圧の印加は、いずれの方法によって行われてもよく、特に制限されない。例えば、直流電圧を印加した電極間に不織布を通して行ってもよく、不織布の表面にコロナ放電やパルス状高電圧をかけることによって行なってもよい。また、不織布の表裏両面を他の誘電体で保持し、両面に直流高電圧を加える方法や、不織布に光照射しながら電圧を加える方法等が用いられてもよい。
エレクトレット処理は、不織布に対して直流電圧を印加することにより行われる。印加される直流電圧の値は、電極の形状、電極間距離等に応じて、エレクトレット不織布に要求される帯電電荷量、エレクトレット処理の速度等も勘案して、適宜定められる。例えば、電極間距離が8mmである場合、5kV以上の、好ましくは6~20kVの直流電圧を不織布に印加することにより行われる。また、直流電圧の印加は、いずれの方法によって行われてもよく、特に制限されない。例えば、直流電圧を印加した電極間に不織布を通して行ってもよく、不織布の表面にコロナ放電やパルス状高電圧をかけることによって行なってもよい。また、不織布の表裏両面を他の誘電体で保持し、両面に直流高電圧を加える方法や、不織布に光照射しながら電圧を加える方法等が用いられてもよい。
次の積層工程では、エレクトレット処理工程の後、捕集層に補強層が積層される。
捕集層と補強層の積層方法は、特に限定されず、例えば、接着剤を用いて2つの層を貼り合わせる方法や、メルトブロー法以外の製法で製造した不織布シート(補強層)の上にメルトブロー法により捕集層を積層することが挙げられる。また、2種類の不織布を貼り合わせる方法としては、熱可塑性で低融点のホットメルト樹脂粉末を散布する方法や、湿気硬化型ウレタン樹脂をスプレー法で散布する方法や、熱可塑性樹脂、熱融着繊維を散布し熱路を通す方法等が挙げられる。特に、不織布同士の接着面積を減らして通気性を良くする理由で、熱可塑性で低融点のホットメルト樹脂粉末を散布する方法が好ましい。なお、ホットメルト樹脂としては、熱可塑性・低融点のポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、ポリオレフィン系、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)系のものを使用できる。さらに、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを貼り合わせる方法として、濾材2の柔軟性が高くなり、機械的強度および耐久性が顕著に向上する理由から、ヒートエンボス加工法が用いられてもよい。これにより、後述するフィルタパックを一方向に長く形成した場合でも、硬質の補強材を用いることなく濾材を軽量化でき、濾材が薄くても、捻れ等に対する引張強度を十分に付与することができ、取り扱い時の破損を防止できる。
捕集層と補強層の積層方法は、特に限定されず、例えば、接着剤を用いて2つの層を貼り合わせる方法や、メルトブロー法以外の製法で製造した不織布シート(補強層)の上にメルトブロー法により捕集層を積層することが挙げられる。また、2種類の不織布を貼り合わせる方法としては、熱可塑性で低融点のホットメルト樹脂粉末を散布する方法や、湿気硬化型ウレタン樹脂をスプレー法で散布する方法や、熱可塑性樹脂、熱融着繊維を散布し熱路を通す方法等が挙げられる。特に、不織布同士の接着面積を減らして通気性を良くする理由で、熱可塑性で低融点のホットメルト樹脂粉末を散布する方法が好ましい。なお、ホットメルト樹脂としては、熱可塑性・低融点のポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、ポリオレフィン系、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)系のものを使用できる。さらに、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを貼り合わせる方法として、濾材2の柔軟性が高くなり、機械的強度および耐久性が顕著に向上する理由から、ヒートエンボス加工法が用いられてもよい。これにより、後述するフィルタパックを一方向に長く形成した場合でも、硬質の補強材を用いることなく濾材を軽量化でき、濾材が薄くても、捻れ等に対する引張強度を十分に付与することができ、取り扱い時の破損を防止できる。
積層工程は、エレクトレット処理工程に先立って行われてもよい。すなわち、補強層が捕集層に積層された後、この積層体に対してエレクトレット処理が施されてもよい。
次の薬液付着工程は、抗菌剤と、0.1~2.0質量%の界面活性剤とを含む薬液を、捕集層を含む濾材に対し、10~20g/m2付着させる。
抗菌剤は、乾燥工程後の濾材に0.8×10-5~1.6×10-5g/m2担持されるよう、濾材に付着される。そのために、抗菌剤は、水溶液(薬液)の状態で濾材に付着される。このような薬液は、例えば、抗菌剤を含む水溶液を純水でさらに希釈した抗菌剤希釈液と、界面活性剤を含む水溶液とを混合して、界面活性剤の濃度を調節することにより調製される。薬液には、必要に応じて、浸透剤、増粘剤が含まれる。抗菌剤には、例えば、上述の金属組成物が用いられる。抗菌剤を含む水溶液としては、例えば、鉄16μg/ml、アルミニウム23μg/ml、チタン0.08μg/ml、カリウム0.22μg/mlの濃度組成の水溶液が用いられる。ここで、鉄、アルミニウム、チタンの濃度はICP発光分光分析法により求められた値であり、カリウムの濃度は原子吸光法により求められた値である。このような組成の抗菌剤を含む水溶液は、市販のもの、例えば、サンワード商会社製のTioTio(登録商標)を用いることができる。界面活性剤を含む水溶液としては、例えば、上述した陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤とを質量比で1:1の割合で混合した混合物を含む水溶液、例えば、日華化学社製のニッカノンNS-30が用いられる。抗菌剤を含む水溶液と、界面活性剤を含む水溶液を混合後、薬液において界面活性剤の濃度が0.1~2.0質量%となるよう、純水で希釈される。薬液での界面活性剤の濃度は、抗菌剤を濾材に均一に付着させる観点から、0.1質量%以上であるのが好ましく、濾材の帯電性能の低下を抑える観点から、2.0質量%以下であるのが好ましい。この結果、薬液における抗菌剤の濃度は、例えば2.0質量%に調製される。
なお、薬液が防カビ剤をさらに含む場合の薬液の調製は、例えば、予め粘度を調整しておいた純水に、抗菌剤、界面活性剤と防カビ剤を添加して十分に撹拌することで行われる。なお、薬液は、水以外の溶媒を含む溶液であってもよい。
薬液付着工程で薬液を濾材に付着させる方法は、特に制限されず、スプレー塗布、ロールコートによる転写、含浸等の公知の方法によって行われるが、後の乾燥工程で除去すべき水分の量を抑え、乾燥中の熱によって加熱された水分によって帯電性能が損なわれるのを防止できる点で、スプレー塗布によって行われるのが好ましい。スプレー塗布は、公知の方法によって行うことができる。薬剤の付着は、濾材面積に対する薬液の付着量を制御して行われる。薬液の付着量は、濾材に十分な量の抗菌剤を担持させる観点から、10g/m2以上、好ましくは13g/m2以上であり、濾材に付着する界面活性剤の量を最小限に抑える理由から、20g/m2以下、好ましくは19g/m2以下である。本実施形態では、例えば、16g/m2塗布される。
薬液付着工程で薬液を濾材に付着させる方法は、特に制限されず、スプレー塗布、ロールコートによる転写、含浸等の公知の方法によって行われるが、後の乾燥工程で除去すべき水分の量を抑え、乾燥中の熱によって加熱された水分によって帯電性能が損なわれるのを防止できる点で、スプレー塗布によって行われるのが好ましい。スプレー塗布は、公知の方法によって行うことができる。薬剤の付着は、濾材面積に対する薬液の付着量を制御して行われる。薬液の付着量は、濾材に十分な量の抗菌剤を担持させる観点から、10g/m2以上、好ましくは13g/m2以上であり、濾材に付着する界面活性剤の量を最小限に抑える理由から、20g/m2以下、好ましくは19g/m2以下である。本実施形態では、例えば、16g/m2塗布される。
濾材が、上述のメルトブロー不織布とスパンボンド不織布の2層濾材である場合は、いずれの側からスプレー塗布を行なってもよいが、薬液を濾材全体により均一に付着させられる観点から、スパンボンド不織布側から噴霧することが好ましい。この場合、薬液は、スパンボンド不織布を通過してメルトブロー不織布に達する。
次の乾燥工程は、薬液付着工程の後、薬液中の水分を蒸発させる。乾燥は、例えば、130~180度に加熱したオーブンで5~15秒間行われる。乾燥工程は、他の実施形態では、加熱乾燥に代えて、自然乾燥によって行われてもよい。
乾燥工程の後、濾材は、抗菌剤を0.8×10-5~1.6×10-5g/m2担持している。乾燥の後、濾材は、例えば、ロール状に巻き取られる。ロール状に巻き取られた濾材は、プリーツ加工が施され、必要に応じて間隙保持材が形成されあるいは上述のホットメルト樹脂粉末の散布による貼り合わせが施され、フィルタパック(プリーツ加工等の形状加工が施された濾材。本明細書において、フィルタパックの濾材または濾材ともいう)が製造される。フィルタパックは、枠体に収納され、後述するエアフィルタユニットが完成する。
以上の製造方法によれば、薬液に含まれる界面活性剤が所定の濃度範囲に抑えられているため、乾燥後に濾材に担持される界面活性剤の量は抑えられている。これにより、濾材の帯電性能の低下が抑えられ、静電気による捕集性能が維持される。また、この製造方法によれば、薬液の濾材への付着量が所定の範囲に抑えられているため、薬液付着工程の後の乾燥工程で、加熱された水分によって濾材の帯電性能に影響を与える程度が最小限に抑えられる。
なお、以上の製造方法において、薬液付着、乾燥の各工程は省略してもよい。
なお、以上の製造方法において、薬液付着、乾燥の各工程は省略してもよい。
(エアフィルタユニット)
次に、本実施形態のエアフィルタユニットについて説明する。
図3および図4に、本発明の一実施形態によるエアフィルタユニット50の外観を示す。図3は、エアフィルタユニットの外観を示す図である。図4は、エアフィルタユニットが取付枠に取り付けられた取付状態を示す図である。
次に、本実施形態のエアフィルタユニットについて説明する。
図3および図4に、本発明の一実施形態によるエアフィルタユニット50の外観を示す。図3は、エアフィルタユニットの外観を示す図である。図4は、エアフィルタユニットが取付枠に取り付けられた取付状態を示す図である。
エアフィルタユニット50は、例えば、一般の空調システムに用いられ、開口部31を有する取付枠30に取り付けられる。取付枠30は、ビル等の建物の中の壁、天井等の複数箇所に埋め込まれている。
エアフィルタユニット50は、中性能フィルタ(主として粒径が5μmより小さい粒子に対して中程度の粒子捕集率をもつエアフィルタ)で、計数法(粒径0.3μmの粒子を用いて測定した場合)で80~95%の捕集効率をもち、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が73~93Paであるものである。
エアフィルタユニット50は、フィルタパック11と、枠体21と、を備えるミニプリーツ型のエアフィルタである。
エアフィルタユニット50は、中性能フィルタ(主として粒径が5μmより小さい粒子に対して中程度の粒子捕集率をもつエアフィルタ)で、計数法(粒径0.3μmの粒子を用いて測定した場合)で80~95%の捕集効率をもち、濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が73~93Paであるものである。
エアフィルタユニット50は、フィルタパック11と、枠体21と、を備えるミニプリーツ型のエアフィルタである。
フィルタパック11は、例えば、上述の抗菌防臭濾材1にプリーツ加工を施し、抗菌防臭濾材1に形成された隣接する2つのプリーツの間隙を保持してなる。プリーツ加工は、例えば、ロータリー方式、レシプロ方式等の方法によって行うことができる。プリーツの間隙の保持は、例えば、濾材2の表面に間隙保持材13を設けることによって行なってもよく、濾材2に上述のホットメルト樹脂粉末の散布による貼り合わせを行うことによって行われてもよい。間隙保持材13は、隣接する2つのプリーツの頂点の間隔を安定して保つために、濾材2の表面に形成された、スペーサとなる樹脂製のホットメルトリボンである。ホットメルトリボンは、濾材2の両表面において、例えば、プリーツの山折りの部分の折り目と直交する方向に延びるよう形成されている。ホットメルトリボンは、プリーツの折り目方向に複数設けられ、互いに平行に延びている。なお、図3において、ホットメルトリボン13は、プリーツの折り目方向両端部の近傍に形成されたものを除いて、図示を省略している。ホットメルトリボン13は、ポリオレフィン、ホットメルト系のポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などをホットメルトアプリケータで塗布することにより設けられる。
他の実施形態では、このような間隙保持材13に代えて、上述のヒートエンボス加工によって表面に多数のエンボスが形成された濾材によって、プリーツの間隔が保持されてもよい。また、エアフィルタユニットが、ミニプリーツ型ではなく、セパレータ型のエアフィルタである場合は、ジグザグ形状に折り返された濾材の折り返された部分に挿入される波型のセパレータによって、抗菌防臭濾材の折り返された部分同士の間隔が保たれてもよい。
フィルタパック11は、シール性を高めるために、プリーツの折り目方向のフィルタパック11の両端が、ポリウレタン等の樹脂等を用いて枠体21に隙間なく固定されている。また、プリーツの折り目が並ぶ方向のフィルタパック11の両端部は、本実施形態では、フィルタパック11のプリーツ形状によって枠体21に作用する力によってシール性が確保されているが、他の実施形態では、さらにシール性を高めるために、ポリオレフィン等のホットメルト接着剤からなる帯状の接着剤が貼り付けられてもよい。
フィルタパック11は、シール性を高めるために、プリーツの折り目方向のフィルタパック11の両端が、ポリウレタン等の樹脂等を用いて枠体21に隙間なく固定されている。また、プリーツの折り目が並ぶ方向のフィルタパック11の両端部は、本実施形態では、フィルタパック11のプリーツ形状によって枠体21に作用する力によってシール性が確保されているが、他の実施形態では、さらにシール性を高めるために、ポリオレフィン等のホットメルト接着剤からなる帯状の接着剤が貼り付けられてもよい。
枠体21は、フィルタパック11を収納し、取付枠30の開口部31に配される。枠体21は、金属又はプラスチック製の板材を組み合わせて作られる。金属製の板材としては、防錆性の観点から、好ましくは亜鉛メッキ鋼板、ステンレス等が用いられる。枠体21の外周部には、取付枠30の開口部31に係止可能なフランジ23が形成されている。フランジ23は、枠体21の気流の流入側の端部から外周側に突出してかつ枠体21の外周部の全体にわたって形成され、フランジ23の外周側端部は、開口部31の内周側端部よりも外周側に位置する。また、フランジ23から気流の流出側に延びる本体部24は、開口部31を通過する大きさである。このような構成によって、本体部24を開口部31に通しつつ、フランジ23を開口部31に係止させることによって、エアフィルタユニット50を取付枠30に取り付けることができる。
なお、枠体21の底部には、リークをより確実に抑えるために、ウレタンフォーム製の図示しない床材が配されてもよい。床材は、本体部24の底部を覆うよう平面方向に延在するシート状部材である。この場合、フィルタパック11は、床材の上に裁置される。
なお、枠体21の底部には、リークをより確実に抑えるために、ウレタンフォーム製の図示しない床材が配されてもよい。床材は、本体部24の底部を覆うよう平面方向に延在するシート状部材である。この場合、フィルタパック11は、床材の上に裁置される。
エアフィルタユニットは、他の実施形態では、ミニプリーツ型に代えて、セパレータ型、Vバンク型等の他のタイプのエアフィルタであってもよい。
(変形例1)
次に、本実施形態のエアフィルタユニットの変形例1について説明する。
変形例1に係るエアフィルタユニットは、フィルタパックと、プレフィルタとを備える。プレフィルタは、フィルタパックとして用いられるエアフィルタ濾材よりも捕集効率が低い。
次に、本実施形態のエアフィルタユニットの変形例1について説明する。
変形例1に係るエアフィルタユニットは、フィルタパックと、プレフィルタとを備える。プレフィルタは、フィルタパックとして用いられるエアフィルタ濾材よりも捕集効率が低い。
図5は、変形例1のエアフィルタユニット1、およびエアフィルタユニット1が収納されるフィルタチャンバ100を示す斜視図である。
フィルタチャンバ100は、外気を建築物の内部へ取り入れる空調ダクトに取付けられ、通気路を構成する。フィルタチャンバ100は、筐体101と、蓋102と、上流側ダクト継手103と、下流側ダクト継手104とを備える。
フィルタチャンバ100は、外気を建築物の内部へ取り入れる空調ダクトに取付けられ、通気路を構成する。フィルタチャンバ100は、筐体101と、蓋102と、上流側ダクト継手103と、下流側ダクト継手104とを備える。
筐体101には、開口105が設けられており、図5に示すように、開口105から筐体101の内部にエアフィルタユニット1が挿入される。開口105は蓋102により塞がれる。筐体101内には、本実施形態に係るエアフィルタユニット1と併せて、他のエアフィルタを収納してもよい。
上流側ダクト継手103は筐体101の前側(エアフィルタユニット1を通過する気体の上流側)に設けられている。上流側ダクト継手103には、図示しない上流側空調ダクトが接続される。上流側空調ダクトは、図示しない室外機と接続されており、室外機から外気を筐体101内に供給する。
下流側ダクト継手104は、筐体101の後側(上記気体の下流側)に設けられている。下流側ダクト継手104には、図示しない下流側空調ダクトが接続される。下流側空調ダクトは、図示しない熱交換器を介して室内機と接続されており、筐体101内を通過した空気を室内に供給する。
上流側ダクト継手103は筐体101の前側(エアフィルタユニット1を通過する気体の上流側)に設けられている。上流側ダクト継手103には、図示しない上流側空調ダクトが接続される。上流側空調ダクトは、図示しない室外機と接続されており、室外機から外気を筐体101内に供給する。
下流側ダクト継手104は、筐体101の後側(上記気体の下流側)に設けられている。下流側ダクト継手104には、図示しない下流側空調ダクトが接続される。下流側空調ダクトは、図示しない熱交換器を介して室内機と接続されており、筐体101内を通過した空気を室内に供給する。
図6はエアフィルタユニット1の分解斜視図であり、エアフィルタユニット1は、プレフィルタ10、フィルタパック20、枠材30、およびシール材41a、41b、42a、42b、43、44を備える。
プレフィルタ10は、前側に設けられており、粒径5μm以上、濃度0.4~7mg/m3の粉塵の除去に用いられるフィルタである。プレフィルタ10の捕集効率は、重量法で70~90%、比色法で15~40%、計数法で5~10%のいずれかであり、圧力損失は30~296Pa、粉塵保持容量は500~2000g/m3である。捕集効率の測定において、重量法では、JIS Z8901に規定される15種の粉体、又は、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)に規定される粉塵が用いられる。比色法では、JIS Z8901に規定される11種の粉体が用いられる。計数法では、粒径0.3mmの、大気塵、ポリアルファオレフィン(PAO)、シリカのいずれかの粒子が用いられる。粉塵保持容量は、フィルタが所定の最終圧力損失に達するまでに捕集した粉塵量である。プレフィルタ10には、具体的に、合成樹脂等の繊維からなる、不織布、マット、フェルト状の濾材が用いられる。不織布は、例えばPET等の合成樹脂繊維を、例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のバインダにより接着するケミカルボンド法により製造することができる。例えば、バインダ含有液中に繊維を含浸することで繊維同士を接着してもよいし、バインダを繊維に吹き付けることで繊維同士を接着してもよい。プレフィルタ10は、後述のエレクトレット処理が施されてもよい。また、プレフィルタ10の濾材をプリーツ形状に形成してもよい。
フィルタパック20は、プレフィルタ10よりも後側に設けられており、粒径2.5μm以下、濃度が0.3mg/m3以下の粉塵(微粒子)の除去に用いられるフィルタである。フィルタパック20の濾材としては、計数法による捕集効率が80%以上、圧力損失が79~420Pa、粉塵保持容量が200~800g/m3のものが用いられる。以上の点を除いて、フィルタパック20には、上記説明したフィルタパック11と同様のものが用いられる。
フィルタパック20は、濾材がプリーツ形状に加工されていることで、全体として略直方体形状に形成されている。本実施形態においては、濾材の折り目方向が上下方向となり、かつ、折り目が交互に気体の流入口側及び流出口側を向くように配置される。
フィルタパック20の濾材のプリーツ形状を保持する方法として、濾材の折り目に垂直方向にホットメルトリボンを塗布する方法、濾材の折り目に垂直方向に支柱や櫛歯状の条片を設ける方法、濾材に波形状のセパレータを介挿する方法、がある。また、濾材の折り畳んだ状態において対向する面に突起が形成されるように、濾材にエンボス加工を施し、当該突起によりプリーツ同士の間隔を維持してもよい。
枠材30は、プレフィルタ10およびフィルタパック20を内部に保持することで、エアフィルタユニット1を一体的に形成するとともに、プレフィルタ10およびフィルタパック20の外周部を保護する。
図7は枠材30の展開図である。枠材30は板紙、繊維板(ファイバーボード)等の木材由来材料であって、容易に折り曲げ可能な材料により一体に形成されている。図7に示すように、枠材30は、天板31、底板32、右側板33、左側板34を備える。左側板34と天板31とが接続され、天板31と右側板33とが接続され、右側板33と底板32とが接続されている。左側板34と天板31との接続部、天板31と右側板33との接続部、右側板33と底板32との接続部を折り曲げ、底板32と左側板34とが図示しない接合部材(例えば、接着テープ等)により接合することで、矩形の枠材30が形成される。
図7は枠材30の展開図である。枠材30は板紙、繊維板(ファイバーボード)等の木材由来材料であって、容易に折り曲げ可能な材料により一体に形成されている。図7に示すように、枠材30は、天板31、底板32、右側板33、左側板34を備える。左側板34と天板31とが接続され、天板31と右側板33とが接続され、右側板33と底板32とが接続されている。左側板34と天板31との接続部、天板31と右側板33との接続部、右側板33と底板32との接続部を折り曲げ、底板32と左側板34とが図示しない接合部材(例えば、接着テープ等)により接合することで、矩形の枠材30が形成される。
天板31、底板32、右側板33、左側板34の前側には、それぞれ上流側フランジ31a、32a、33a、34aが設けられている。また、天板31、底板32、右側板33、左側板34の後側には、下流側フランジ31b、32b、33b、34bが設けられる。
板紙は木材パルプ、古紙などを原料として製造した厚い紙であり(JIS P0001)、単層抄きであってもよいし、多層抄き(積層紙)であってもよい。板紙の材料は木材パルプ、古紙に限らず、例えばポリエステル等の合成繊維や活性炭等を混合して抄いた混抄紙を用いてもよい。板紙の厚さは、枠材30の強度を維持するために、0.8mm以上であることが好ましく、枠材30の軽量化の観点から3.2mm以下であることが好ましい。なお、枠材30のシール材41a、41b、42a、42b、43、44との接着性を良好にするために、板紙の表面を樹脂によりコートしてもよい。
繊維板は主に木材などの植物繊維(古紙や木材パルプ等)を接着剤により成形したものであり、密度0.35g/cm3未満のインシュレーションボード、密度0.35g/cm3以上0.80g/cm3未満のミディアムデンシティファイバーボード(MDF)、密度0.80g/cm3以上のハードファイバーボード(いずれもJIS A5905)のいずれかを用いることができる。枠材30の強度を維持するために、ハードファイバーボードを用いることが好ましい。繊維板の厚さは、枠材30の強度を維持するために、0.8mm以上であることが好ましく、枠材30の軽量化の観点から2.5mm以下であることが好ましい。
なお、複数の繊維板を積層し、圧縮成形することで枠材30を形成してもよい。
また、枠材30に繊維板を用いる場合、天板31、底板32、右側板33、左側板34に対して、上流側フランジ31a、32a、33a、34aおよび下流側フランジ31b、32b、33b、34bを、あらかじめ略90度に折り曲げた状態に成形してもよい。
なお、複数の繊維板を積層し、圧縮成形することで枠材30を形成してもよい。
また、枠材30に繊維板を用いる場合、天板31、底板32、右側板33、左側板34に対して、上流側フランジ31a、32a、33a、34aおよび下流側フランジ31b、32b、33b、34bを、あらかじめ略90度に折り曲げた状態に成形してもよい。
枠材30に板紙または繊維板を用いることで、エアフィルタユニット1全体を軽量化することができる。例えば、200mm×600mm×10mmのプレフィルタ10、200mm×600mm×60mmのフィルタパック20に対して、充分な強度を有する枠材30を板紙、繊維板、ステンレスのいずれかを用いて形成する場合、枠材30の重量は板紙であれば50g、繊維板であれば140g、ステンレスであれば600gとなる。プレフィルタ10が40g、とフィルタパック20が320g、シール材41a、41b、42a、42b、43、44が合計で20gであり、これらを合わせた重量が380gであるため、枠材30の軽量化がエアフィルタユニット1全体の軽量化に大きく寄与し、枠材30に板紙または繊維板を用いることで、エアフィルタユニット1全体で500g前後の重さとすることができる。
シール材41a、41b、42a、42b、43、44は、例えばホットメルト等の接着剤である。シール材41a、41b、42a、42b、43、44は、プレフィルタ10およびフィルタパック20を枠材30に組み込むときに、枠材30の内周面に塗布される。なお、図2の斜視図および図7の枠材30の展開図においては、塗布した状態におけるシール材41a、41b、42a、42b、43、44の位置が破線で記載されている。図7に示すように、シール材41a、41b、42a、42b、43、44は、通気路の上下流方向と交差する方向(上下方向または左右方向)に設けられる。シール材41a、41b、42a、42b、43、44の塗布幅(前後方向の幅)は、プレフィルタ10およびフィルタパック20の前後方向の長さよりも充分に狭い。接着力を充分に得るために、シール材41a、41b、42a、42b、43、44の塗布幅(前後方向の幅)を、例えば、4~8mmとすることが好ましい。
シール材41aは天板31の下面の前側端部に左右方向に設けられる。シール材41aは、天板31の下面の前側端部とプレフィルタ10の上面(天板31の下面と対向して配置される側の端)の前側端部とを接着する。つまり、シール材41aは、プレフィルタ10の上面の上流側端部と枠材30とを接着する。
シール材41bは天板31の下面の後側端部に左右方向に設けられる。シール材41bは、天板31の下面の後側端部とフィルタパック20の上面(天板31の下面と対向して配置される側の端)の後側端部とを接着する。つまり、シール材41bは、フィルタパック20(濾材)の上面の下流側端部と枠材30とを接着する。
シール材42aは底板32の上面の前側端部に左右方向に設けられる。シール材42aは、底板32の上面の前側端部とプレフィルタ10の下面(底板32の上面と対向して配置される側の端)の前側端部とを接着する。つまり、シール材42aは、プレフィルタ10の下面の上流側端部と枠材30とを接着する。
シール材42bは底板32の上面の後側端部に左右方向に設けられる。シール材42bは、底板32の上面の後側端部とフィルタパック20の下面(底板32の上面と対向して配置される側の端)の後側端部とを接着する。つまり、シール材42bは、フィルタパック20(濾材)の下面の下流側端部と枠材30とを接着する。
シール材41bは天板31の下面の後側端部に左右方向に設けられる。シール材41bは、天板31の下面の後側端部とフィルタパック20の上面(天板31の下面と対向して配置される側の端)の後側端部とを接着する。つまり、シール材41bは、フィルタパック20(濾材)の上面の下流側端部と枠材30とを接着する。
シール材42aは底板32の上面の前側端部に左右方向に設けられる。シール材42aは、底板32の上面の前側端部とプレフィルタ10の下面(底板32の上面と対向して配置される側の端)の前側端部とを接着する。つまり、シール材42aは、プレフィルタ10の下面の上流側端部と枠材30とを接着する。
シール材42bは底板32の上面の後側端部に左右方向に設けられる。シール材42bは、底板32の上面の後側端部とフィルタパック20の下面(底板32の上面と対向して配置される側の端)の後側端部とを接着する。つまり、シール材42bは、フィルタパック20(濾材)の下面の下流側端部と枠材30とを接着する。
ここで、シール材42bは、フィルタパック20の濾材の後側の折り目の下端部を底板32の上面の後側端部に固定する。これにより、フィルタパック20の下面の後側端部と底板32の上面との隙間が封止される。同様に、シール材41bは、フィルタパック20の濾材の後側の折り目の上端部を天板31の下面の後側端部に固定することにより、フィルタパック20の上面の後側端部と天板31の下面との隙間が封止される。
フィルタパック20の濾材の上面と天板31の下面との隙間、および、下面と底板32の上面との隙間は、濾材の折り目部分で最も大きくなるが、濾材の折り目部分でシール材41b、42bを用いることで、天板31の下面および底板32の上面とフィルタパック20との隙間を充分に封止することができる。このため、天板31の下面全体および底板32の上面全体にシール材を塗布する場合と比較してシール材の使用量を減らし、エアフィルタユニット1の軽量化を図るとともにコストを削減することができる。
シール材43は右側板33の左側面の前後方向の中間部に上下方向に設けられる。シール材43は、右側板33の左側面とフィルタパック20の濾材の右端部(右側板33の左側面と対向して配置される側の端部)とを接着する。
シール材44は左側板34の右側面の前後方向の中間部に上下方向に設けられる。シール材44は、左側板34の右側面とフィルタパック20の濾材の左端部(左側板34の右側面と対向して配置される側の端部)とを接着する。
シール材43、44により、フィルタパック20の濾材の左右端部と右側板33および左側板34との隙間が封止される。このため、右側板33の左側面全体および左側板34の右側面全体にシール材を塗布する場合と比較してシール材の使用量を減らし、エアフィルタユニット1の軽量化を図るとともにコストを削減することができる。
シール材44は左側板34の右側面の前後方向の中間部に上下方向に設けられる。シール材44は、左側板34の右側面とフィルタパック20の濾材の左端部(左側板34の右側面と対向して配置される側の端部)とを接着する。
シール材43、44により、フィルタパック20の濾材の左右端部と右側板33および左側板34との隙間が封止される。このため、右側板33の左側面全体および左側板34の右側面全体にシール材を塗布する場合と比較してシール材の使用量を減らし、エアフィルタユニット1の軽量化を図るとともにコストを削減することができる。
以上のように形成されるエアフィルタユニット1は、枠材30にプレフィルタ10およびフィルタパック20を組み込むことで一体に形成されているため、エアフィルタユニット1全体を交換することでプレフィルタ10とフィルタパック20とを同時に交換することができる。このため、例えばPM2.5等の大気中に浮遊する粒子状物質が多い環境など、捕集効率の異なる複数のろ材を定期的に交換する必要がある場合において特に有効である。
また、シール材41a、41b、42a、42b、43、44を線状に設けているため、枠材30の内周面にシール材をべた塗りする場合と比較して、使用するシール材の量を低減することができ、エアフィルタユニット1のコストを削減すると同時にエアフィルタユニット1の重量を軽減することができる。
さらに、枠材30に板紙または繊維板を用いることで、エアフィルタユニット1全体を軽量化することができる。
さらに、プレフィルタ10およびフィルタパック20が合成樹脂等の繊維からなり、枠材30が板紙または繊維板のような木材由来材料であるため、使用後のエアフィルタユニット1全体を熱回収(サーマルリサイクル)に活用することができる。
また、シール材41a、41b、42a、42b、43、44を線状に設けているため、枠材30の内周面にシール材をべた塗りする場合と比較して、使用するシール材の量を低減することができ、エアフィルタユニット1のコストを削減すると同時にエアフィルタユニット1の重量を軽減することができる。
さらに、枠材30に板紙または繊維板を用いることで、エアフィルタユニット1全体を軽量化することができる。
さらに、プレフィルタ10およびフィルタパック20が合成樹脂等の繊維からなり、枠材30が板紙または繊維板のような木材由来材料であるため、使用後のエアフィルタユニット1全体を熱回収(サーマルリサイクル)に活用することができる。
(変形例2)
次に、本実施形態のエアフィルタユニットの変形例2について説明する。
変形例2に係るエアフィルタユニットは、上記変形例1のエアフィルタユニット1と、ケミカルフィルタとを備える。なお、ここでは、変形例1のエアフィルタユニット1を、変形例2のエアフィルタユニットと区別するため、便宜的に、紙枠フィルタともいう。ここでいう紙枠は、変形例1で説明した、板紙、繊維板等の木材由来材料を材質とする枠材である。ケミカルフィルタは、紙枠フィルタを透過する気流の方向に紙枠フィルタと並ぶよう配され、気体中のガス成分を捕集する。
次に、本実施形態のエアフィルタユニットの変形例2について説明する。
変形例2に係るエアフィルタユニットは、上記変形例1のエアフィルタユニット1と、ケミカルフィルタとを備える。なお、ここでは、変形例1のエアフィルタユニット1を、変形例2のエアフィルタユニットと区別するため、便宜的に、紙枠フィルタともいう。ここでいう紙枠は、変形例1で説明した、板紙、繊維板等の木材由来材料を材質とする枠材である。ケミカルフィルタは、紙枠フィルタを透過する気流の方向に紙枠フィルタと並ぶよう配され、気体中のガス成分を捕集する。
図8は、フィルタチャンバ200に収納された変形例2のエアフィルタユニット150を示す内部構成図である。図9は、フィルタチャンバ200に収納された変形例2のエアフィルタユニット150を示す内部構成図を示す図である。図8は、紙枠フィルタ1とケミカルフィルタ110が互いに間隔をあけて配された例を示し、図9は、両者が接して配された例を示す。
フィルタチャンバ200は、紙枠フィルタ1、ケミカルフィルタ110を収納できる形状、寸法に形成された点を除いて、変形例1のフィルタチャンバ200と同様に構成されている。また、フィルタチャンバ200は、変形例1のフィルタチャンバ200と同様に使用でき、上流側において図示されない室外機と接続され、下流側において図示されない熱交換器を介して室内機と接続される。
フィルタチャンバ200は、紙枠フィルタ1、ケミカルフィルタ110を収納できる形状、寸法に形成された点を除いて、変形例1のフィルタチャンバ200と同様に構成されている。また、フィルタチャンバ200は、変形例1のフィルタチャンバ200と同様に使用でき、上流側において図示されない室外機と接続され、下流側において図示されない熱交換器を介して室内機と接続される。
エアフィルタユニット150は、紙枠フィルタ1、ケミカルフィルタ110、および枠体130、131、132を備える。
紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、図示されるように、フィルタチャンバ200内で、気体が通過する方向(図8および図9において右方から左方に向かう方向)に並ぶように配されている。紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、図8に示されるように互いに間隔をあけて配されてもよく、図9に示されるように接して配されてもよい。
紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、図示されるように、フィルタチャンバ200内で、気体が通過する方向(図8および図9において右方から左方に向かう方向)に並ぶように配されている。紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、図8に示されるように互いに間隔をあけて配されてもよく、図9に示されるように接して配されてもよい。
図8に示されるように、互いに間隔Dをあけて配される場合は、紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、それぞれ枠体130,131に保持された状態で、フィルタチャンバ200の内壁に装着されている。紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110の間隔は50mm以内であることが好ましい。紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110がこのように近接して配されていることにより、上流側に配された紙枠フィルタ1を通過する空気が整流され、下流側に配されたケミカルフィルタ110に、向きおよび風量が均一な空気が供給されるラミナーフロー効果が得られる。これにより、ケミカルフィルタ110の後述する吸着剤による吸着効果を有効に発揮させることができるとともに、ケミカルフィルタ110の低圧力損失、長寿命を実現できる。紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、気体が通過する方向に、図8に示す例とは順序を入れ替えて配されてもよい。この場合は、ケミカルフィルタ110によって空気を整流する機能が発揮され、エアフィルタユニット150の低圧力損失、長寿命を実現できる。
図9に示されるように、紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110が接して配される場合は、1つの枠体132によって保持されることが好ましい。これにより、紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110は、フィルタチャンバ200に装着、交換される際に一体化して扱うことができるとともに、枠体のコスト低減が図れる。また、フィルタチャンバ200側においても枠体132が取り付けられるガイドレール210を1つにすることができ、コスト低減が図れる。
枠体130,131,132は、紙枠フィルタ1、ケミカルフィルタ110の外周部を保持し、フィルタチャンバ200に取り付けられるものであれば特に制限されず用いられ、例えば、複数の板材を組み合わせて作ることができる。また、枠体130、131,132は、図8および図9に示されるように、フィルタチャンバ200に対し、2箇所において保持されるそれぞれ1対の部材であってもよい。この場合、図8および図9に示される紙枠フィルタ1およびケミカルフィルタ110の箇所(図中、上下方向の両端)を除く他の外周部は、枠体に保持されない。
ケミカルフィルタ110は、公知のものを特に制限なく使用できるが、ガス成分として、亜硫酸ガス(二酸化硫黄、SO2)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)の吸着性に優れたものであることが好ましい。ケミカルフィルタとしては、例えば、上記亜硫酸ガスおよび窒素酸化物を含む酸性ガスを吸着できる吸着剤を不織布等に挟んだ複数のシート状濾材を、プリーツ加工してジグザグ状に折り畳んだ形状のものと、プリーツ加工を施さないシート状のものと、を交互に積層したダンボール積層構造(ハニカム構造)のものに枠材を取り付けたものを用いることができる。ハニカム構造は、上記交互に積層されたシート状濾材からなる隔壁と、隔壁に囲まれて形成される多数のセルと、を有している。枠材には、紙枠フィルタ1の枠材と同様に木材由来材料が用いられる。ケミカルフィルタに使用する吸着剤としては、酸性ガスを効率良く捕集・除去できるもの、例えば、活性炭、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル、ガラス、フッ素化合物、金属、高分子化合物(スチレン系重合金)等が挙げられるが、これらの吸着剤のうち、活性炭は、酸性ガスの吸着効果が大きいため吸着剤として好ましい。活性炭は、粒状、繊維状、網状、ハニカム状等の形状のものを使用することが可能である。なお、ケミカルフィルタに使用する吸着剤は、吸着力及び吸着剤の寿命向上のため、予め水分の除去(除湿)が行われていることが好ましい。ケミカルフィルタは、例えば、濾材通過速度が0.5m/秒のときの圧力損失が10Pa以下であり、酸性ガスの吸着性能が、濾材通過速度を0.5±0.1m/秒、上流側ガス濃度を6±1ppmとしたとき、50%以上である。
ケミカルフィルタ110は、セル密度(気流の方向と直交するケミカルフィルタ110の断面における単位面積当たりのセルの数)が40~120個/inch2であり、気流方向の長さが25~70mmであることが好ましい。ケミカルフィルタ110の気流方向の長さがこの範囲にあることで、が酸性ガスを十分に捕集できるとともに、圧力損失の低下を抑えることができる。
(実施例)
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。
(エアフィルタ濾材の作成)
平均繊維径2.7~4.1μm、厚さ0.1mm、目付30g/m2のポリプロピレン製メルトブロー不織布に対し、エレクトレット処理を行った。エレクトレット処理は、電極間距離を8mmとして、6~20kVの直流電圧をメルトブロー不織布に印加することにより行い、表1に示す帯電量の捕集層を得た。得られた捕集層と、平均繊維径18μm、厚さ0.53mm、目付70g/m2のポリエステル製スパンボンド不織布との間に、ポリエステル系樹脂からなるホットメルトパウダーを散布し、160度で加熱することで積層し、厚さ0.63mm、目付133g/m2、長さ603mm×幅116mmの濾材を得た。なお、得られた濾材は、TAPPI(The Technical Association of the Pulp and Paper Industry)規格:T-494に準拠するMD方向の引張強度は200N/50mmであった。
平均繊維径2.7~4.1μm、厚さ0.1mm、目付30g/m2のポリプロピレン製メルトブロー不織布に対し、エレクトレット処理を行った。エレクトレット処理は、電極間距離を8mmとして、6~20kVの直流電圧をメルトブロー不織布に印加することにより行い、表1に示す帯電量の捕集層を得た。得られた捕集層と、平均繊維径18μm、厚さ0.53mm、目付70g/m2のポリエステル製スパンボンド不織布との間に、ポリエステル系樹脂からなるホットメルトパウダーを散布し、160度で加熱することで積層し、厚さ0.63mm、目付133g/m2、長さ603mm×幅116mmの濾材を得た。なお、得られた濾材は、TAPPI(The Technical Association of the Pulp and Paper Industry)規格:T-494に準拠するMD方向の引張強度は200N/50mmであった。
次いで、抗菌剤を含む水溶液(サンワード商会社製、TioTio(登録商標)。固形分0.004質量%、鉄16μg/ml、アルミニウム23μg/ml、チタン0.08μg/ml、カリウム0.22μg/ml)をさらに純水で8倍に希釈したものと、界面活性剤を含む水溶液(日華化学社製、ニッカノンNS-30)とを混合し、TioTio(登録商標)とニッカノンNS-30とを質量比で1:1の割合で含む薬液を得た。ここでは、TioTio(登録商標)2gと、ニッカノンNS-30 2gとを含む薬液100gを調合し、抗菌剤2.0質量%(固形分0.004質量%)、界面活性剤2.0質量%(固形分40質量%))の薬液を得た。得られた薬液を、スプレーを用いて上記の濾材に対し16g/m2の塗布量でスプレー塗布を行った。薬液塗布後、140度に加熱したオーブンにて12秒分間、濾材を乾燥させた。
抗菌剤を付着させた濾材に対し、ロータリー式織り機でプリーツ加工を施し、さらに、表面にポリオレフィンからなるホットメルトリボンを形成して、フィルタパックを得た。そして、溶融亜鉛メッキ鋼版製のフランジを有する板材を組み合わせて枠体を作成し、得られたフィルタパックを収納し、フィルタパックを枠体に固定し、エアフィルタユニットを作製した。得られた濾材、エアフィルタユニットの種々の特性を、後述する要領で測定し、評価した。結果を、下記表1に示す。
抗菌剤を付着させた濾材に対し、ロータリー式織り機でプリーツ加工を施し、さらに、表面にポリオレフィンからなるホットメルトリボンを形成して、フィルタパックを得た。そして、溶融亜鉛メッキ鋼版製のフランジを有する板材を組み合わせて枠体を作成し、得られたフィルタパックを収納し、フィルタパックを枠体に固定し、エアフィルタユニットを作製した。得られた濾材、エアフィルタユニットの種々の特性を、後述する要領で測定し、評価した。結果を、下記表1に示す。
(プレフィルタの作成)
次のように構成されたケミカルボンド法でプレフィルタ用の不織布濾材を作成した。
合成樹脂繊維として、PET繊維を54重量%、バインダとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を46質量%用いた。
PET繊維の繊維構成は、繊維径が12デニールのものを50質量%、繊維径が15デニールのものを50質量%とした。上記の繊維構成により平均繊維径を13.5デニール(37.6μm)とした。
上記の合成樹脂繊維およびバインダを用いて、厚さ10mm、繊維目付300g/m2、濾材単位体積当たりの繊維表面積が1490m2/m3のケミカルボンド不織布からなるプレフィルタを得た。
次のように構成されたケミカルボンド法でプレフィルタ用の不織布濾材を作成した。
合成樹脂繊維として、PET繊維を54重量%、バインダとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を46質量%用いた。
PET繊維の繊維構成は、繊維径が12デニールのものを50質量%、繊維径が15デニールのものを50質量%とした。上記の繊維構成により平均繊維径を13.5デニール(37.6μm)とした。
上記の合成樹脂繊維およびバインダを用いて、厚さ10mm、繊維目付300g/m2、濾材単位体積当たりの繊維表面積が1490m2/m3のケミカルボンド不織布からなるプレフィルタを得た。
(枠材)
木材パルプ繊維を用いた、厚さ1.6±0.13mm、密度1.10±0.15g/cm2、繊維板(パスコA1、北越紀州製紙株式会社製、表面加工なし)を折り曲げて枠材を形成し、ホットメルト(ホットメルトスティック、ヘンケルジャパン株式会社製)により上記のプレフィルタおよびフィルタパックを枠材内に固定し、エアフィルタユニット(紙枠フィルタ)を形成した。
木材パルプ繊維を用いた、厚さ1.6±0.13mm、密度1.10±0.15g/cm2、繊維板(パスコA1、北越紀州製紙株式会社製、表面加工なし)を折り曲げて枠材を形成し、ホットメルト(ホットメルトスティック、ヘンケルジャパン株式会社製)により上記のプレフィルタおよびフィルタパックを枠材内に固定し、エアフィルタユニット(紙枠フィルタ)を形成した。
(ケミカルフィルタの作成)
吸着剤として比表面積500~2,000m2/gの粒状の活性炭50~95質量%と、パルプ、ポリエステル繊維、およびポリエステルからなる繊維バインダを計50~5質量%と、を混抄して目付150~500g/m2、厚さ0.5~3mmの活性炭混抄シートを作成し、コルゲート加工したもの(中芯)と、コルゲート加工をしなかったもの(ライナー)とを交互に積層して、アクリル系エマルジョン等の水系接着剤で接着してハニカム構造のケミカルフィルタ本体を作製した。当該ケミカルフィルタ本体に、更に、炭酸カリウム系の薬剤を付着させ、枠材内に固定してケミカルフィルタを得た。得られたケミカルフィルタを、紙枠フィルタとともに、下記の表2に示す気流方向の順序(位置1~3)、間隔でフィルタチャンバ内に収納し、エアフィルタユニットを構成した。具体的には、表2に示されるように、フィルタチャンバ内の気流の上流側から位置1、位置2、位置3の順に並ぶよう、ケミカルフィルタ、紙枠フィルタを配した。なお、表2のこれらの欄が空白である場合は、ケミカルフィルタ、紙枠フィルタのいずれも配されていないことを意味する。また、表2の「間隔」の欄は、この欄の左右両隣の欄のケミカルフィルタおよび紙枠フィルタの間隔を意味し、図8にDで示す間隔である。
吸着剤として比表面積500~2,000m2/gの粒状の活性炭50~95質量%と、パルプ、ポリエステル繊維、およびポリエステルからなる繊維バインダを計50~5質量%と、を混抄して目付150~500g/m2、厚さ0.5~3mmの活性炭混抄シートを作成し、コルゲート加工したもの(中芯)と、コルゲート加工をしなかったもの(ライナー)とを交互に積層して、アクリル系エマルジョン等の水系接着剤で接着してハニカム構造のケミカルフィルタ本体を作製した。当該ケミカルフィルタ本体に、更に、炭酸カリウム系の薬剤を付着させ、枠材内に固定してケミカルフィルタを得た。得られたケミカルフィルタを、紙枠フィルタとともに、下記の表2に示す気流方向の順序(位置1~3)、間隔でフィルタチャンバ内に収納し、エアフィルタユニットを構成した。具体的には、表2に示されるように、フィルタチャンバ内の気流の上流側から位置1、位置2、位置3の順に並ぶよう、ケミカルフィルタ、紙枠フィルタを配した。なお、表2のこれらの欄が空白である場合は、ケミカルフィルタ、紙枠フィルタのいずれも配されていないことを意味する。また、表2の「間隔」の欄は、この欄の左右両隣の欄のケミカルフィルタおよび紙枠フィルタの間隔を意味し、図8にDで示す間隔である。
紙枠フィルタ、ケミカルフィルタ、およびこれらを備えるエアフィルタユニットの種々の特性を、下記の要領で測定し、評価した。結果を、下記表2に示す。
(平均繊維径)
試験濾材の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で1000~5000倍で撮影し、撮影した1画像上で直交した2本の線を引き、これらの線と交わった繊維の像の太さを繊維径として測定した。測定した繊維数は200本以上とした。こうして得られた繊維径について、横軸に繊維径、縦軸に累積頻度を採って対数正規プロットし、累積頻度が50%となる値を平均繊維径とした。
試験濾材の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で1000~5000倍で撮影し、撮影した1画像上で直交した2本の線を引き、これらの線と交わった繊維の像の太さを繊維径として測定した。測定した繊維数は200本以上とした。こうして得られた繊維径について、横軸に繊維径、縦軸に累積頻度を採って対数正規プロットし、累積頻度が50%となる値を平均繊維径とした。
(目付)
100mm×100mmの試験濾材を採取し、重さを測定し、1m2当たりに換算し、これを目付とした。
100mm×100mmの試験濾材を採取し、重さを測定し、1m2当たりに換算し、これを目付とした。
(帯電量)
JIS L1094に準じて、温度20℃、湿度40%の環境下で測定した。具体的には、上記の作成要領に従って予めエレクトレット処理を行った試験濾材の非測定領域である長手方向の一方の端部を折り返して環状(長手方向と直交する短手方向に延びる筒状)にしたものを敷台の上に載置するとともに、予め、帯電電荷量測定装置のコンデンサの両端を短絡した後、再び開放しておき、1本の絶縁棒を、試験濾材の上記環状にした部分に通して、試験濾材が敷台の上を滑らないようにして、絶縁棒を上方に持ち上げて試験濾材をつり上げ、約1秒間で試験片を剥離し、直ちに帯電電荷量測定装置のファラデーケージ中に投入し、指示電圧(V)を測定した。この操作を5回繰り返し、5回の平均指示電圧(V)から次の式によって、単位面積当たりの帯電電荷量(C/m2)を求めた。
σ=CV/A
ここで、σは単位面積当たりの帯電電荷量(C/m2)、Cはコンデンサの静電容量(F)、Vは平均指示電圧(V)、Aは試験濾材の測定領域の面積(m2)を表す。測定領域は予め定められ、エレクトレット処理は当該測定領域および非測定領域を含む全領域に対して行われる。
JIS L1094に準じて、温度20℃、湿度40%の環境下で測定した。具体的には、上記の作成要領に従って予めエレクトレット処理を行った試験濾材の非測定領域である長手方向の一方の端部を折り返して環状(長手方向と直交する短手方向に延びる筒状)にしたものを敷台の上に載置するとともに、予め、帯電電荷量測定装置のコンデンサの両端を短絡した後、再び開放しておき、1本の絶縁棒を、試験濾材の上記環状にした部分に通して、試験濾材が敷台の上を滑らないようにして、絶縁棒を上方に持ち上げて試験濾材をつり上げ、約1秒間で試験片を剥離し、直ちに帯電電荷量測定装置のファラデーケージ中に投入し、指示電圧(V)を測定した。この操作を5回繰り返し、5回の平均指示電圧(V)から次の式によって、単位面積当たりの帯電電荷量(C/m2)を求めた。
σ=CV/A
ここで、σは単位面積当たりの帯電電荷量(C/m2)、Cはコンデンサの静電容量(F)、Vは平均指示電圧(V)、Aは試験濾材の測定領域の面積(m2)を表す。測定領域は予め定められ、エレクトレット処理は当該測定領域および非測定領域を含む全領域に対して行われる。
(除電処理)
イソプロピルアルコール(IPA)100mL程度の入ったシャーレをデシケータの底部に載置し、試験濾材をその上方に載置して24時間放置した。複数枚の試験濾材を除電する場合は、互いに重ならないように載置した。
イソプロピルアルコール(IPA)100mL程度の入ったシャーレをデシケータの底部に載置し、試験濾材をその上方に載置して24時間放置した。複数枚の試験濾材を除電する場合は、互いに重ならないように載置した。
(捕集効率)
粒径0.3μm(粒径分布0.2~0.5μm)の大気塵を含む空気を、濾材通過風速(濾材通過速度)5.3cm/秒、濾過面積100cm2(直径11.3cmの円形濾材)で、試験濾材を通過させ、パーティクルカウンタ(リオン社製、KC-18)を用いてサンプリングし、通過前後の粒子数を同時に連続的に測定し、次式により、捕集効率を求めた。
捕集効率(%)=(通過後の粒子濃度(個数/0.01CF)-通過前の粒子濃度(個数/0.01CF))/(通過前の粒子濃度(個数/0.01CF))×100
この結果、帯電後の濾材に関して、捕集効率が80%以上のものをA、80%未満のものをD、と評価し、帯電前の濾材に関して、捕集効率が15~30%のものをA、15%未満および30%を超えるものをD、と評価した。
粒径0.3μm(粒径分布0.2~0.5μm)の大気塵を含む空気を、濾材通過風速(濾材通過速度)5.3cm/秒、濾過面積100cm2(直径11.3cmの円形濾材)で、試験濾材を通過させ、パーティクルカウンタ(リオン社製、KC-18)を用いてサンプリングし、通過前後の粒子数を同時に連続的に測定し、次式により、捕集効率を求めた。
捕集効率(%)=(通過後の粒子濃度(個数/0.01CF)-通過前の粒子濃度(個数/0.01CF))/(通過前の粒子濃度(個数/0.01CF))×100
この結果、帯電後の濾材に関して、捕集効率が80%以上のものをA、80%未満のものをD、と評価し、帯電前の濾材に関して、捕集効率が15~30%のものをA、15%未満および30%を超えるものをD、と評価した。
(圧力損失)
上記捕集効率の測定と並行して、試験濾材の上流側および下流側の静圧差を傾斜管マノメータで測定し、これを圧力損失(Pa)とした。この結果、濾材に関して、圧力損失が20Pa以下のものをA、20Paを超えるものをD、と評価し、エアフィルタユニットに関して、圧力損失が93Pa以下のものをA、93Pa超えるものをD、と評価した。
上記捕集効率の測定と並行して、試験濾材の上流側および下流側の静圧差を傾斜管マノメータで測定し、これを圧力損失(Pa)とした。この結果、濾材に関して、圧力損失が20Pa以下のものをA、20Paを超えるものをD、と評価し、エアフィルタユニットに関して、圧力損失が93Pa以下のものをA、93Pa超えるものをD、と評価した。
(折り作業性)
レシプロ式折り機によるプリーツ加工を行い、折り込まれた試験濾材のプリーツ形状が保たれている場合をA、プリーツ形状が崩れている場合をD、と評価した。
レシプロ式折り機によるプリーツ加工を行い、折り込まれた試験濾材のプリーツ形状が保たれている場合をA、プリーツ形状が崩れている場合をD、と評価した。
(総合評価)
表1では、累計捕集効率が90%以上であり、折り作業性の評価がAであるものをA、それ以外のものをD、と評価した。表2では、コンパクト性の評価がB以上、廃棄交換性の評価がA、NO2,SO2の初期効率が80%以上、ケミカルフィルタ寿命の評価が2000時間以上、最終圧力損失が100Pa以下であるものをA、それ以外をD、と評価した。
表1では、累計捕集効率が90%以上であり、折り作業性の評価がAであるものをA、それ以外のものをD、と評価した。表2では、コンパクト性の評価がB以上、廃棄交換性の評価がA、NO2,SO2の初期効率が80%以上、ケミカルフィルタ寿命の評価が2000時間以上、最終圧力損失が100Pa以下であるものをA、それ以外をD、と評価した。
(寸法等)
紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの気流方向の長さ(厚さ)、紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの気流方向の間隔を、ノギスで測定した。フィルタチャンバ内空間の気流方向と直交する方向の寸法(内寸厚)を、ノギスで測定した。
紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの気流方向の長さ(厚さ)、紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの気流方向の間隔を、ノギスで測定した。フィルタチャンバ内空間の気流方向と直交する方向の寸法(内寸厚)を、ノギスで測定した。
(コンパクト性)
紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの各気流方向長さ、および紙枠フィルタとケミカルフィルタとの間隔を合計してなる最外寸を測定し、113mmを超えるものをD、113mmであるものをB、113mm未満であるものをA、と評価した。
紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの各気流方向長さ、および紙枠フィルタとケミカルフィルタとの間隔を合計してなる最外寸を測定し、113mmを超えるものをD、113mmであるものをB、113mm未満であるものをA、と評価した。
(廃棄交換性)
エアフィルタユニットの廃棄交換性として、フィルタパックと紙枠フィルタの間に隙間がなく1つの枠体で保持され、紙枠フィルタとケミカルフィルタを同時に廃棄または交換できるものをA、紙枠フィルタとケミカルフィルタの間に間隔があり、それぞれ枠体で保持され、別々に廃棄または交換されるものをD、と評価した。
(NO2、SO2の初期効率)
ケミカルフィルタの試験サンプルをホルダに装着し、対象ガスとして、30ppmの濃度のNO2、SO2を0.2m/秒で通風させた。試験サンプルとしては、縦30mm×横30mm×厚み10mmのサイズで、セル密度40個/inch2のものを用いた。下記表のサンプルNo.10~No.14のケミカルフィルタとしては、安積濾紙製DC2416(活性炭混抄紙)をコルゲート加工した中芯と、コルゲート加工しないライナーをアクリル系エマルジョンで接着固定して片面ダンボールを積層させた構造のハニカムを製作し、炭酸カリウム系薬剤を付着させて、幅598~618mm、高さ197~277mm、厚み24,48,72mmのケミカルフィルタを用いた。試験サンプルの上流側と下流側で検知管を用いて対象ガスの濃度を測定し、捕集効率を算出した。測定は、3個の試験サンプルを同時に測定し、その平均を初期効率とした。この結果、90%以上のものをA、80%以上のものをB、80%未満のものをD、と評価した。
エアフィルタユニットの廃棄交換性として、フィルタパックと紙枠フィルタの間に隙間がなく1つの枠体で保持され、紙枠フィルタとケミカルフィルタを同時に廃棄または交換できるものをA、紙枠フィルタとケミカルフィルタの間に間隔があり、それぞれ枠体で保持され、別々に廃棄または交換されるものをD、と評価した。
(NO2、SO2の初期効率)
ケミカルフィルタの試験サンプルをホルダに装着し、対象ガスとして、30ppmの濃度のNO2、SO2を0.2m/秒で通風させた。試験サンプルとしては、縦30mm×横30mm×厚み10mmのサイズで、セル密度40個/inch2のものを用いた。下記表のサンプルNo.10~No.14のケミカルフィルタとしては、安積濾紙製DC2416(活性炭混抄紙)をコルゲート加工した中芯と、コルゲート加工しないライナーをアクリル系エマルジョンで接着固定して片面ダンボールを積層させた構造のハニカムを製作し、炭酸カリウム系薬剤を付着させて、幅598~618mm、高さ197~277mm、厚み24,48,72mmのケミカルフィルタを用いた。試験サンプルの上流側と下流側で検知管を用いて対象ガスの濃度を測定し、捕集効率を算出した。測定は、3個の試験サンプルを同時に測定し、その平均を初期効率とした。この結果、90%以上のものをA、80%以上のものをB、80%未満のものをD、と評価した。
(累計捕集効率)
上記のエアフィルタユニットをフィルタチャンバに収納し、風量56m3/分、面風速2.5m/秒で、外気をフィルタチャンバに供給し、エアフィルタユニットを通過させた。このとき、エアフィルタユニットよりも上流側の空気および下流側の空気中の微粒子をパーティクルカウンタ(光散乱式気中粒子計数器、JIS B 9921)により計数し、粒径毎の粒子数を求めた。次に、粒径毎の1粒子当たりの平均質量を粒径毎に計数した粒子数に乗じることで、粒径毎の質量濃度を求めた。分級においては、粒径を、0.3μm以上0.5μm未満、0.5μm以上0.7μm未満、0.7μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上2.5μm以下、の5段階に区分した。
5段階に区分した粒径毎に、上流側空気中の質量濃度(aμg/m3とする)と下流側空気中の質量濃度(bμg/m3とする)から捕集効率を(a-b)/a×100(%)として計算した。また、上流側空気の各区分の質量濃度の積算値(Aμg/m3とする)と下流側空気の各区分の質量濃度の積算値(Bμg/m3とする)から累計捕集効率を(A-B)/A×100(%)として計算した。この結果、累計捕集効率が90%以上であるものをA、90%未満であるものをD、と評価した。
上記のエアフィルタユニットをフィルタチャンバに収納し、風量56m3/分、面風速2.5m/秒で、外気をフィルタチャンバに供給し、エアフィルタユニットを通過させた。このとき、エアフィルタユニットよりも上流側の空気および下流側の空気中の微粒子をパーティクルカウンタ(光散乱式気中粒子計数器、JIS B 9921)により計数し、粒径毎の粒子数を求めた。次に、粒径毎の1粒子当たりの平均質量を粒径毎に計数した粒子数に乗じることで、粒径毎の質量濃度を求めた。分級においては、粒径を、0.3μm以上0.5μm未満、0.5μm以上0.7μm未満、0.7μm以上1.0μm未満、1.0μm以上2.0μm未満、2.0μm以上2.5μm以下、の5段階に区分した。
5段階に区分した粒径毎に、上流側空気中の質量濃度(aμg/m3とする)と下流側空気中の質量濃度(bμg/m3とする)から捕集効率を(a-b)/a×100(%)として計算した。また、上流側空気の各区分の質量濃度の積算値(Aμg/m3とする)と下流側空気の各区分の質量濃度の積算値(Bμg/m3とする)から累計捕集効率を(A-B)/A×100(%)として計算した。この結果、累計捕集効率が90%以上であるものをA、90%未満であるものをD、と評価した。
(ケミカルフィルタ寿命)
効率が30%以下になった時点までの稼働時間(h)を計った。この結果、2500時間以上だったものをA、2000時間以上だったものをB、2000時間未満だったものをD、と評価した。
効率が30%以下になった時点までの稼働時間(h)を計った。この結果、2500時間以上だったものをA、2000時間以上だったものをB、2000時間未満だったものをD、と評価した。
(最終圧力損失)
JIS B9908の形式2に準拠して、試験風量56m3/分を通風して、フィルタチャンバ内を流れる気流の、紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの上流側および下流側での静圧差を測定し、これを圧力損失(Pa)とした。この結果、圧力損失が100Pa以下のものをA、100Paを超えるものをD、と評価した。
JIS B9908の形式2に準拠して、試験風量56m3/分を通風して、フィルタチャンバ内を流れる気流の、紙枠フィルタおよびケミカルフィルタの上流側および下流側での静圧差を測定し、これを圧力損失(Pa)とした。この結果、圧力損失が100Pa以下のものをA、100Paを超えるものをD、と評価した。
表1から分かるように、帯電前の捕集効率が15~30%である場合に、濾材の帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であることにより(サンプル2,3,6,7)、20Pa以下の圧力損失を維持しつつ、帯電後の捕集効率が80~95%に高められるとともに、累計捕集効率が90%以上に高められていることが分かる。なお、濾材の帯電量が5.5×10-10C/cm2以上である場合は(サンプル4)は、折り作業性が悪かった。
また、濾材の帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満である場合に、平均繊維径が3.0~3.7μmである場合は(サンプル2,3,6,7)、20Pa以下の圧力損失を維持しつつ、帯電後の捕集効率が80~95%に高められるとともに、累計捕集効率が90%以上に高められていることが分かる。
また、濾材の帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満である場合に、平均繊維径が3.0~3.7μmである場合は(サンプル2,3,6,7)、20Pa以下の圧力損失を維持しつつ、帯電後の捕集効率が80~95%に高められるとともに、累計捕集効率が90%以上に高められていることが分かる。
表2から分かるように、上流側から順に紙枠フィルタ、ケミカルフィルタを配した場合において、ケミカルフィルタの厚さが48mm以上である場合(サンプル11~13)は、ケミカルフィルタ寿命が改善されていることが分かる。特に、厚さ72mmであると(サンプル13)、最も長寿命となる。一方、ケミカルフィルタの厚さが24mmである場合(サンプル14)は、圧力損失が100Pa以下に抑えられているが、NO2初期効率とSO2初期効率が80%未満と悪くなることが分かる。
以上、本発明のエアフィルタ濾材、エアフィルタユニットについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 エアフィルタユニット(紙枠フィルタ)
2 濾材
3 捕集層
5 補強層
10 プレフィルタ
21 枠体
30 枠材
50、150 エアフィルタユニット
110 ケミカルフィルタ
2 濾材
3 捕集層
5 補強層
10 プレフィルタ
21 枠体
30 枠材
50、150 エアフィルタユニット
110 ケミカルフィルタ
Claims (9)
- 気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ濾材であって、
粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの帯電前の捕集効率が15~30%であり、
帯電量が5.5×10-10~10×10-10C/cm2未満であり、
濾材通過速度が5.3cm/秒であるときの圧力損失が20Pa以下であることを特徴とするエアフィルタ濾材。 - 平均繊維径が3.0~3.7μmの不織布からなる、請求項1に記載のエアフィルタ濾材。
- 抗菌剤0.8×10-5~1.6×10-5g/m2および界面活性剤が担持されている、請求項1または2に記載のエアフィルタ濾材。
- 請求項1または2に記載のエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過する気流の方向に前記エアフィルタ濾材よりも上流側に配され、粒径0.3μmの粒子を含む空気を濾材通過速度5.3cm/秒で流したときの捕集効率が前記エアフィルタ濾材より低いプレフィルタと、を備えることを特徴とするエアフィルタユニット。 - さらに、前記プレフィルタおよび前記エアフィルタ濾材の外周部を囲み、前記プレフィルタおよび前記エアフィルタ濾材を一体に形成する枠材を備え、
前記プレフィルタの上面および下面の上流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着され、
前記エアフィルタ濾材の上面および下面の下流側端部と前記枠材とは、上下流方向と交差する方向に線状に設けられたシール材により接着されている、請求項4に記載のエアフィルタユニット。 - 請求項1または2に記載のエアフィルタ濾材と、
前記エアフィルタ濾材を透過する気流の方向に前記エアフィルタ濾材と並ぶよう配され、気体中のガス成分を捕集するケミカルフィルタと、を備えることを特徴とするエアフィルタユニット。 - 前記ケミカルフィルタは、前記気流の方向に前記エアフィルタ濾材の下流側に配される、請求項6に記載のエアフィルタユニット。
- 前記ケミカルフィルタは、セル密度が40~120個/inch2であり、気流方向の長さが25~70mmである、請求項6に記載のエアフィルタユニット。
- さらに、前記エアフィルタ濾材および前記ケミカルフィルタが気流方向に接するよう保持する枠体を備える、請求項6に記載のエアフィルタユニット。
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